JP2003221409A - アクリル樹脂の製造方法 - Google Patents

アクリル樹脂の製造方法

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JP2003221409A
JP2003221409A JP2002021557A JP2002021557A JP2003221409A JP 2003221409 A JP2003221409 A JP 2003221409A JP 2002021557 A JP2002021557 A JP 2002021557A JP 2002021557 A JP2002021557 A JP 2002021557A JP 2003221409 A JP2003221409 A JP 2003221409A
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Tadanaga Ito
忠永 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低粘度のアクリル樹脂ワニスを得るための製造
方法を開発すること。 【解決手段】下記式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1ないし20の炭化水素残基(但し
不飽和脂肪族残基を除く)、Rは水素原子又は炭素数
1〜6のアルキル基を示す。)で示される有機過酸化物
を重合開始剤として(メタ)アクリル酸エステル系単量
体又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体と他の共重
合可能な単量体を重合することにより、粘度が低いアク
リル樹脂ワニスが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂の製
造方法に関する。更に詳しくは、特定の構造を有する有
機過酸化物を重合開始剤として使用し、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体を重合するアクリル樹脂の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明におけるアクリル樹脂は、従来
(メタ)アクリル酸エステル類(アクリル酸エステル類
又は/及びメタクリル酸エステル類を意味する。以下同
じ)単量体を重合又は(メタ)アクリル酸エステル類及
びそれと共重合可能な他の単量体を共重合して製造さ
れ、塗料、接着剤等の成分として広く利用されている。
近年、環境問題から揮発成分である溶剤量を低減し、基
体上に被覆物として残留する固形分の量を増すハイソリ
ッド化の傾向がある。特に、塗料分野では、このハイソ
リッド化の傾向が強い。従来の樹脂溶液を用いて、その
ままハイソリッド化すると溶液粘度が高粘度となり、ス
プレー塗装での作業性や加工性等が著しく低下し、場合
によっては作業が困難になるという重大な欠陥を生じ
る。従って、このハイソリッド化のためには、樹脂成分
含量が多くなっても樹脂溶液の粘度を低粘度に保持する
必要がある。
【0003】塗料用アクリル樹脂の製造において、重合
開始剤としては重合温度に適した種々の有機過酸化物が
使用されている。一般に、重合温度130℃〜150℃
では、1,1−ジメチルエチルパーオキシ2−エチルヘ
キサノエート等を、150℃〜170℃では、ジ−1,
1−ジメチルエチルパーオキサイド等が用いられてい
る。有機過酸化物として最も多用されている1,1−ジ
メチルエチルハイドロパーオキサイドの誘導体を用いて
得られたアクリル樹脂溶液は、粘度が高くなる。特に、
ハイソリッド化した樹脂の取り扱いは困難である。ま
た、重合温度が150℃以上でジ−1,1−ジメチルエ
チルパーオキサイドを用いると、分解生成物として1,
1−ジメチルエチルアルコールが生成する。これがリア
クター内で還流を起こし、内容物から熱を奪うため、内
液の温度が下がるという欠点もある。さらに、1,1−
ジメチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
は、常温で自己分解を起こすので、温度管理が必要とな
る。そのため、取り扱いが容易ではない。また、温度コ
ントロールには設備が必要で、コストアップにもなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アクリル樹脂の製造、
特に揮発成分量を少なく、固形分の量を増したハイソリ
ッド化アクリル樹脂を製造する際に、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体を重合し、反応中、特に150℃以
上の高温での重合反応中に分解生成物の還流がなく、低
粘度のアクリル樹脂を与え、かつ取り扱いが容易な重合
開始剤の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく検
討した結果、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重
合してアクリル樹脂を得る際に、重合開始剤として特定
の構造、即ち、置換基を有してもよいクミル基を有する
有機過酸化物を用いると、取り扱いが容易で、反応中に
還流を起こさず、かつ低粘度のアクリル樹脂を製造でき
ることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】即ち、本発明は(1)下記式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Rは炭素数1ないし20の炭化水
素残基(但し不飽和脂肪族残基を除く)、Rは水素原
子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。)で示される
有機過酸化物を重合開始剤として(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体又は(メタ)アクリル酸エステル系単量
体と他の共重合可能な単量体を重合することを特徴とす
るアクリル樹脂の製造方法、(2)Rが炭素数4ないし
12の3級アルキル基である上記(1)に記載のアクリ
ル樹脂の製造方法、(3)上記(1)又は(2)に記載
の製造方法で得られるアクリル樹脂、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明において、炭素数1ないし20の炭
化水素残基(但し不飽和脂肪族残基を除く)としてはC
1〜C20アルキル、C3〜C20シクロアルキル、C
6〜C20アリール、C7〜C20アラルキル、および
C7〜C20アルカリール(これらの基は、直鎖状また
は分岐状アルキル部分を含み得る)等の基を挙げること
ができる。Rにおける上記炭化水素残基の中で、好まし
いものとしては炭素数4以上のt−アルキル基が挙げら
れ、より好ましくは炭素数4ないし12のt−アルキル
基が挙げられる。これらはフェニル置換を有してもよ
い。具体的には例えばt−ブチル基、t−アミル基、t
−ヘキシル基、t−ヘプチル基、t−オクチル基、t−
ノニル基、クミル基、炭素数1〜3のアルキル置換クミ
ル基等が挙げられる。より好ましくはt−ブチル基、t
−アミル基、クミル基、1,1,2,2−テトラメチル
エチル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、1,
1,3,3−テトラメチルブチル等が挙げられる。Rは
反応に不活性な基で置換されていてもよい。置換基の例
としては、ヒドキシ、アルコキシ、アリールオキシ、ハ
ロゲン、アルコキシカルボニル、カルボキシ、ニトリル
およびアミド等の基が挙げられる。また、所望によりこ
れらから選択される2つ以上の基で置換されてもよい。
【0011】Rにおける炭素数1〜6のアルキル基は
分岐していてもよく、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、アミル基、ヘキシル基等が挙げられる。R
が炭素数4以上のターシャリーアルキル基であり、R
が水素である化合物はより好ましい化合物の1つであ
る。また、本発明で使用する式(1)の有機過酸化物は
自己促進分解温度(SADT)が高く、取扱上安全であ
る。好ましいものは自己促進分解温度(SADT)が4
5℃以上、好ましくは50℃以上、更に好ましくは55
℃以上のものである。
【0012】式(1)で表される有機過酸化物の具体例
としては、1,1−ジメチルエチルクミルパーオキサイ
ド、1,1−ジメチルプロピルクミルパーオキサイド、
1,1−ジメチルブチルクミルパーオキサイド、1,
1,2,2−テトラメチルエチルクミルパーオキサイ
ド、1,1,2,2−テトラメチルプロピルクミルパー
オキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルクミ
ルパーオキサイド、P−メンタンクミルパーオキサイ
ド、P−イソプロピルクミルクミルパーオキサイド、ジ
−P−イソプロピルクミルパーオキサイド、ジクミルパ
ーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
【0013】本発明においては重合開始剤として、式
(1)で表される有機過酸化物を単独で使用しても、ま
た他に、一般に重合開始剤として使用される他の有機過
酸化物等を重合開始剤の1つとして併用してもよい。併
用する場合、他の有機過酸化物の使用量は、特に限定さ
れないが通常、式(1)の有機過酸化物100質量部に
対して0〜100質量部である。
【0014】本発明で使用する式(1)の有機過酸化物
はそのまま重合開始剤として使用してもよいが、溶剤等
で希釈し、溶液、懸濁物、エマルジョンまたはその他の
分散物等の形で重合開始剤として使用してもよい。
【0015】本発明において、式(1)の有機過酸化物
を重合開始剤として使用する場合、上記他の有機過酸化
物又は溶剤等の希釈剤の他に更に、輸送時の安全性およ
び/または貯蔵安定性に重大な悪影響を及ぼさない限
り、任意の他の添加剤を含む組成物の形態で使用しても
よい。添加剤の例としては、酸化防止剤、UV安定剤、
帯電防止剤、顔料、染料、カップリング剤、分散助剤、
界面活性剤、潤滑剤、プロセスオイル、離型剤、凝結防
止剤、難燃剤、充填剤、増粘剤、自由流れ剤、可塑剤、
オゾン化防止剤、分解防止剤、防かび剤、連鎖移動剤等
が挙げられる。これらの添加剤は、それらの通常の量で
使用される。
【0016】本発明において重合開始剤として使用され
る式(1)の有機過酸化物の使用量は、通常、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体(2種以上の単量体の混合
物であってもよい。)100質量部に対して0.01か
ら30質量部、より好ましくは2から20質量部であ
り、目的とする樹脂の物性に応じて適宜決められる。ま
た、重合開始剤として他の有機過酸化物を併用する場合
には、式(1)の有機過酸化物と他の有機過酸化酸化物
の総量が上記使用量の上限の範囲内であり、かつ式
(1)の有機過酸化物の量が上記使用量の下限以上であ
ることが好ましい。
【0017】本発明において塗料用アクリル樹脂を製造
する為の原料単量体としては、n−ブチルアクリレート
等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステ
ル類の1種または2種以上の混合物、又はスチレン、α
−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ロニトリル、酢酸ビニル等の、前記(メタ)アクリル酸
エステル系単量体と共重合可能な単量体の1種又は2種
以上と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の1種また
は2種以上との組み合わせ等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単
量体の使用量は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体
100質量部に対して好ましくは0〜100質量部程度
で用いられる。
【0018】好ましい単量体組成物としては例えば低級
(C1〜C6)アルキル(メタ)アクリレート、スチレ
ン、ヒドロキシ低級(C1〜C6)アルキル(メタ)ア
クリレートおよび(メタ)アクリル酸を含む単量体組成
物が挙げられ、より好ましくは低級(C1〜C6)アル
キルメタアクリレート、スチレン、低級(C1〜C6)
アルキルアクリレート、ヒドロキシ低級(C1〜C6)
アルキル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル
酸を含む単量体組成物が挙げられる。
【0019】本発明のアクリル樹脂の製造方法において
は、重合を行うに当たり溶媒を使用するのが好ましい。
使用しうる溶媒の具体例としては、トルエン、キシレ
ン、ミネラルスピリット、Solvesso製品(エク
ソン社製)、スワゾール製品(丸善石油化学社製)、ヘ
キサン、ヘプタン、デカン、イソドデカン、シクロヘキ
サン、デカリン、アルカンの水素化オリゴマー、IPソ
ルベント製品(出光石油化学社製)、Isopar製品
(エクソン社製)、Shellsol製品(Shell
社製)等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、
ブチルセロソルブ、3−エトキシエチルプロピオネー
ト、Exxate製品(エクソン社製)等のエステル系
溶媒、好ましくは炭素数2〜6の脂肪酸と炭素数1〜1
0アルコール(オキソなどで置換されていてもよい)と
のエステル系溶媒、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール等のアルコール系溶媒、好ましくは
炭素数1〜6の脂肪族アルコール系溶媒、メチルエチル
ケトン、メチルn−アミルケトン等のケトン系溶媒、メ
シチレンのようなアラルキル溶媒、ハロゲン化パラフィ
ンオイルやパラフィンディーゼルオイルのようなパラフ
ィンオイル、ホワイトオイル、エポキシ化大豆油、シリ
コンオイルや2−ニトロプロパン、ジメチルホルムアミ
ド、水等が挙げられる。通常有機溶媒が好ましい。これ
らの溶媒は、2種類以上混合して使用しても良い。その
使用量は、前記単量体総量100質量部に対して10か
ら300質量部、より好ましくは25から100質量部
であり、目的とするアクリル樹脂の物性を考慮して決め
ることができる。また、これらの溶媒を重合開始剤の希
釈溶剤として用いてもよい。その使用量は、重合開始剤
100質量部に対して5から500質量部、より好まし
くは25から100質量部であり、これもまた、目的と
するアクリル樹脂の物性を考慮して決めることができ
る。
【0020】本発明の製造方法は、溶媒、上記単量体及
び上記重合開始剤を任意の方法で混合し、重合すればよ
い。例えば、80℃から200℃、好ましくは130℃
から170℃の温度に保持された溶媒に、上記単量体と
上記重合開始剤を混合して得た組成物を添加し、例えば
通常2から40時間、好ましくは3から8時間を要して
滴下し、重合させる。さらに、重合の過程において重合
温度を変更することもできる。また、重合開始剤の添加
は単量体と別でもかまわず、添加のタイミングも任意に
選択できる。本発明方法においては比較的高温での重
合、例えば140℃以上、より好ましくは150℃以上
での重合においてより好ましい効果を発揮する。
【0021】本発明の製造方法においては、連鎖移動剤
等の重合時に使用されることが知られている化合物を添
加してもよい。また、その添加のタイミングや仕込み方
法は任意に選択できる。
【0022】本発明で得られたアクリル樹脂は、各種安
定剤、顔料、染料、架橋剤、乾燥剤、消泡剤、硬化触
媒、光重合開始剤、界面活性剤、可塑剤、充填剤等のア
クリル樹脂に配合することが知られている添加物を含有
してもよい。また、これらの化合物を混合して用いても
よい。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、これらは何れも例示であり、本発明を限定する
ものではない。
【0024】アクリル樹脂の重合 実施例1 200ccガラスリアクターに炭素数6〜8の枝分かれ
オキソアルコール酢酸エステル(商品名:Exxate
700、エクソン社製)を40g入れ、165℃に昇温
した。メチルメタクリレート10g、スチレン20g、
n−ブチルアクリレート40g、ヒドロキシエチルメタ
クリレート28gおよびメタクリル酸2gからなる単量
体混合物100gに重合開始剤としてジクミルパーオキ
サイド30ミリモルを混合して得た組成物を上記ガラス
リアク夕一に4時間かけて滴下した後、更に1時間この
温度に保持して重合を完結させた。得られたアクリル樹
脂は、B型粘度計で、25℃、固形分70%での粘度
を、またゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で分子量と分子量分布を測定した。なお、GPC
の測定には標準試料としてポリスチレンを用いた。ま
た、目視によりリアクター内の還流と樹脂の透明性(着
色)を判定した。その結果をそれぞれ後記の表1に示し
た。
【0025】実施例2 実施例1においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルエチルクミルパーオキサイド30ミリモルに変更
した以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。
また、得られた樹脂について実施例1の場合と同様にし
て評価し、その結果をそれぞれ後記の表1に示した。
【0026】実施例3 実施例1においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルプロピルクミルパーオキサイド30ミリモルに変
更した以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得
た。また、得られた樹脂について実施例1の場合と同様
にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表1に示し
た。
【0027】実施例4 実施例1においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルブチルクミルパーオキサイド30ミリモルに変更
した以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。
また、得られた樹脂について実施例1の場合と同様にし
て評価し、その結果をそれぞれ後記の表1に示した。
【0028】実施例5 実施例1においてジクミルパーオキサイドを1,1,
2,2−テトラメチルエチルクミルパーオキサイド30
ミリモルに変更した以外は実施例1と同様にしてアクリ
ル樹脂を得た。また、得られた樹脂について実施例1の
場合と同様にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表
1に示した。
【0029】実施例6 実施例1においてジクミルパーオキサイドを1,1,
3,3−テトラメチルブチルクミルパーオキサイド30
ミリモルに変更した以外は実施例1と同様にしてアクリ
ル樹脂を得た。また、得られた樹脂について実施例1の
場合と同様にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表
1に示した。
【0030】比較例1 実施例1においてジクミルパーオキサイドをジ−1,1
−ジメチルエチルパーオキサイド30ミリモルに変更し
た以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。ま
た、得られた樹脂について実施例1の場合と同様にして
評価し、その結果をそれぞれ下記の表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】表1において分子量Mwは重量平均分子量
を、分子量Mnは数平均分子量を意味する。分子量分布
Dは、次式により計算した。 D=Mw/Mn 開始剤の略号は以下に従う。 DCP:ジクミルパーオキサイド TBCP:1,1−ジメチルエチルクミルパーオキサイ
ド TACP:1,1−ジメチルプロピルクミルパーオキサ
イド THCP:1,1−ジメチルブチルクミルパーオキサイ
ド SHCP:1,1,2,2−テトラメチルエチルクミル
パーオキサイド TMBCP:1,1,3,3−テトラメチルブチルクミ
ルパーオキサイド DTBP:ジ−1,1−ジメチルエチルパーオキサイド
【0033】この結果より、本発明の重合開始剤は、ジ
−1,1−ジメチルエチルパーオキサイドよりもアクリ
ル樹脂ワニスの低粘度化に有効であることがわかる。ま
た、重合反応中にリアクター内の還流は見られなかっ
た。
【0034】実施例7 実施例1において重合温度165℃を135℃に変更し
た以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。ま
た、得られた樹脂について実施例1の場合と同様にして
評価し、その結果をそれぞれ後記の表2に示した。さら
に、重合開始剤の自己促進分解温度(SADT)を断熱
瓶中で測定した。SADTは、断熱瓶を所定の温度で保
持し、重合開始剤が分解して蓄熱し、7日以内に加速的
な分解を起こす最低温度を5℃刻みで表したものであ
る。通常、SADTが>55℃の場合、保存温度をコン
トロールが必要ない。このSADTの測定結果も同時に
表2に示した。
【0035】実施例8 実施例7においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルプロピルクミルパーオキサイド30ミリモルに変
更した以外は実施例7と同様にしてアクリル樹脂を得
た。また、得られた樹脂について実施例7の場合と同様
にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表2に示し
た。
【0036】実施例9 実施例7においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルブチルクミルパーオキサイド30ミリモルに変更
した以外は実施例7と同様にしてアクリル樹脂を得た。
また、得られた樹脂について実施例7の場合と同様にし
て評価し、その結果をそれぞれ後記の表2に示した。
【0037】実施例10 実施例7においてジクミルパーオキサイドを1,1,
2,2−テトラメチルエチルクミルパーオキサイド30
ミリモルに変更した以外は実施例7と同様にしてアクリ
ル樹脂を得た。また、得られた樹脂について実施例7の
場合と同様にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表
2に示した。
【0038】実施例11 実施例7においてジクミルパーオキサイドを1,1,
3,3−テトラメチルブチルクミルパーオキサイド30
ミリモルに変更した以外は実施例7と同様にしてアクリ
ル樹脂を得た。また、得られた樹脂について実施例7の
場合と同様にして評価し、その結果をそれぞれ後記の表
2に示した。
【0039】比較例2 実施例7においてジクミルパーオキサイドを1,1−ジ
メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート30
ミリモルに変更した以外は実施例7と同様にしてアクリ
ル樹脂を得た。また、得られた樹脂について実施例7の
場合と同様にして評価し、その結果をそれぞれ下記の表
2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2においてMw、Mn及びDは、表1に
おけると同じ意味を示す。また、表中のTBPOは1,
1−ジメチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
トを示す。それ以外の開始剤の略号は表1の場合と同じ
である。
【0042】この結果より、本発明の重合開始剤は、1
35℃という比較的低温の重合温度において1,1−ジ
メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートに比
べて粘度低減効果が大きいことがわかる。また、本発明
の重合開始剤は何れもSADTが>55℃のため、保冷
も必要なく、取り扱いが容易である。本発明の製造方法
で得られた塗料用アクリル樹脂を目視観察した結果、透
明性にも優れていた(着色が少ない)。また、残存単量
体量が少ないという特徴もあった
【0043】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、重合中の還
流が少なく、重合開始剤を保冷する必要もないため、ア
クリル樹脂の製造が容易で、かつ低粘度の透明性に優れ
た塗料用アクリル樹脂を得ることができる。また、重合
開始剤の取り扱いも容易になり、その工業的価値は非常
に大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1ないし20の炭化水素残基(但し
    不飽和脂肪族残基を除く)、Rは水素原子又は炭素数
    1〜6のアルキル基を示す。)で示される有機過酸化物
    を重合開始剤として(メタ)アクリル酸エステル系単量
    体又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体と他の共重
    合可能な単量体を重合することを特徴とするアクリル樹
    脂の製造方法。
  2. 【請求項2】Rが炭素数4ないし12の3級アルキル基
    である請求項第1項に記載のアクリル樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項第1項又は第2項に記載の製造方法
    で得られるアクリル樹脂。
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WO2023042780A1 (ja) * 2021-09-14 2023-03-23 日油株式会社 熱硬化性組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板
WO2024070840A1 (ja) * 2022-09-27 2024-04-04 日油株式会社 アルキルシリルペルオキシド、熱硬化性組成物、樹脂フィルム、プリプレグ、金属積層板、及びプリント配線板

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