JP2003221373A - 重合防止方法 - Google Patents
重合防止方法Info
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Abstract
合物の製造工程において、装置内の工程液滞留部におけ
る該化合物の重合を防止することである。 【解決手段】本発明は、不飽和結合を持つ化合物の製造
工程において該化合物の重合を防止する方法であって、
製造工程で使用する装置内部に滞留する工程液を滞留箇
所から強制的に移動させることを特徴とする不飽和結合
を持つ化合物の重合防止方法である。
Description
モノマー、特にアクリルアミド、メタクリルアミドなど
のアミド化合物の安定化に関する。アクリルアミドなど
のアミド化合物は凝集剤、増粘剤、石油回収薬剤、製紙
工業における紙力増強剤、抄紙用増粘剤等多くの用途を
有する重合体の原料として有用である。
クリロニトリルなどのニトリル化合物を硫酸および水と
ともに加熱してアクリルアミド硫酸塩を得る工程を含む
硫酸加水分解法、ニトリル化合物を触媒(金属銅、酸化
銅、銅塩等)の存在下に水和して対応するアミド化合物
を製造する方法、微生物由来のニトリルヒドラターゼに
より、ニトリル化合物を水和してアクリルアミドを製造
する方法などにより、工業的に製造されている。アクリ
ルアミド等のアミド化合物は極めて重合しやすい物質で
あり、いずれの製法の各工程においても、あるいは結晶
や水溶液状製品を貯蔵・保管する場合等にも重合が進
み、品質の劣化やアミド化合物の収率低下、あるいは装
置、配管内の液の流れを阻害したり、熱伝導を不良にす
るなどの問題を生じる。
の重合抑制剤として提案されている。例えば特公昭39
−10109号公報に、アクリルアミドにチオ尿素、ロ
ダアンモン、ニトロベンゾール、O−トリジン、フェノ
チアジンおよびニトロソR塩からなる群に属する化合物
を共存させて重合を抑制する方法が記載されている。ま
た、特許第2548051号公報には、炭素数2以上の
水溶性モノカルボン酸塩を添加するアクリルアミド水溶
液の安定化法が記載されている。しかし、これらの重合
防止方法は、主に製品としての安定性を向上させるもの
であり、工程により異なる不純物を含み、条件も各々異
なる製造工程中の工程液の汎用的な重合防止には必ずし
も効果があるとはいえない。
リルアミド製造工程に使用する装置内部の気相部の壁面
を合成樹脂系材料で被覆して、気相部の壁面に発生しや
すいアクリルアミドの重合を防止することが記載されて
いる。ところで、アクリルアミドを含有する工程液を移
送する配管においては、工程液がスムーズに流れている
状態では、重合物が生じにくい。また、反応器内部、後
処理槽内部においては、通常、工程液の攪拌、流入また
は排出がスムーズに行われているので重合物が生じにく
い。しかし、製造工程で使用する装置の内部には、工程
液が溜まりやすい箇所(液溜り)が存在し、ここでは長
期間に渡って実質的に工程液の攪拌、移動、交換が行な
われないので重合物が生じやすい。これらの液溜りは、
設計上の工夫によって無くすことは不可能である。重合
物が生じると配管の流れを閉塞したり、あるいは脱離し
て工程液中に混入し、下流の槽類での重合原因となる。
和結合をもつ化合物の製造工程において、工程液の液溜
りにおける該化合物の重合を防止することである。
重合防止方法である。 (1)不飽和結合を持つ化合物の製造工程において該化
合物の重合を防止する方法であって、製造工程で使用す
る装置内部の液溜りに滞留する工程液を滞留箇所から強
制的に移動させることを特徴とする不飽和結合を持つ化
合物の重合防止方法。 (2)滞留する工程液を排出することにより移動させる
ことを特徴とする前記1の重合防止方法。 (3)工程液を希釈液でパージすることにより移動させ
ることを特徴とする前記1の重合防止方法。 (4)不飽和結合を持つ化合物が、炭素数3〜20のア
ミド化合物であることを特徴とする前記1の重合防止方
法。
ボン酸類、カルボン酸エステル類をあげることができ
る。アミド化合物としては、炭素数3〜20程度のアミ
ド化合物が好ましく、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、クロトンアミド等の不飽和脂肪族アミドを挙げるこ
とができる。カルボン酸類としては、アクリル酸、メタ
クリル酸等を挙げることができる。カルボン酸エステル
類としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等
を挙げることができる。本発明の方法は特にアミド化合
物の製造工程に適用するのが好ましい。
セトンシアンヒドリン法、銅触媒法、酵素法などの方法
により対応するニトリル化合物を水和することにより工
業的に製造することができる。なかでも銅触媒法、酵素
法が好ましい。銅触媒法とは、ニトリル化合物を金属
銅、還元銅、ラネー銅などの銅触媒の存在下に直接水和
してアミド化合物を製造する方法であり、例えば 特公
昭52−33092号等に記載の方法を挙げることがで
きる。酵素法とは、ニトリルを水和して対応するアミド
を生成する能力を有する微生物由来の酵素の作用により
ニトリルを水和して対応するアミド化合物を製造する方
法であり、例えば特開平11−89575号、WO01
/53253号等に記載の方法を挙げることができる。
合物を含有する工程液が溜まりやすく、溜まった液の移
動、攪拌、交換が長期間実質的に行なわれず、重合が生
起しやすい部分(液溜り)に滞留している工程液を滞留
箇所から強制的に移動させることにより行われる。液溜
りが生じ易い装置としては、例えば、主配管から分岐し
た配管類(サンプリング用配管、バイパス等)、バルブ
類、安全弁、フランジ接合部、塔槽類に設けた抜き出し
口、熱交換器内のチューブやプレート、ポンプ等が挙げ
られる。滞留液を強制的に移動させるための操作方法と
して、滞留液を排出する場合は、例えば直近のバルブの
開放による排出や、ポンプによる滞留液の吸引等を実施
すればよい。また、水などの希釈液を滞留部に通液する
ことにより滞留液を希釈・置換してもよい。これらの方
法は、手動で行ってもよいし、また、自動弁やタイマー
などの制御装置を用いて、自動的に実施してもよい。ま
た操作の間隔は任意であるが、1時間〜240時間毎に
操作するのが好ましい。
つ化合物は酸性条件下で一層不安定になり、滞留部での
重合生起の可能性が高まる。例えば、アクリルアミド等
の化合物を含む工程液を強酸性イオン交換樹脂や酸性下
での活性炭処理して精製した後、配管で移送する場合な
どである。しかし、上記したような操作を行なって滞留
液を強制的に移動させることにより、液溜りで重合が生
起しにくくなる。
クリルアミド水溶液の処理を行なった。処理槽1に50
%−アクリルアミド水溶液を装入し、次いで酸性下(p
H5)で活性炭を加え連続的に攪拌混合処理し、処理液
を配管4を通して次工程へ移液した。その際、処理液を
移送する配管4から下向きに分岐したサンプリング配管
5およびサンプリングバルブ6を用いて8時間毎にサン
プリングを行い滞留液を排出した。その結果、運転開始
2週間後もサンプリング配管内部およびバルブ内部に重
合物は生成しなかった。
て運転を実施し、8時間毎にサンプリングをする代わり
に、8時間毎にバルブ10より水を注入して、サンプリ
ング配管5およびバルブ6を洗浄した。その結果、運転
開始2週間後もサンプリング配管内部およびバルブ内部
に重合物は生成しなかった。
て運転を実施したが、全くサンプリング、水の注入を実
施しなかった。その結果、2週間後に重合物によるサン
プリング配管5およびサンプリングバルブ6の閉塞が確
認された。
マー類、特にアミド化合物の製造時における重合を防止
することができ、安定操業が可能な製造プロセスが構築
できる。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】不飽和結合を持つ化合物の製造工程におい
て該化合物の重合を防止する方法であって、製造工程で
使用する装置内部の液溜りに滞留する工程液を滞留箇所
から強制的に移動させることを特徴とする不飽和結合を
持つ化合物の重合防止方法。 - 【請求項2】滞留する工程液を排出することにより移動
させることを特徴とする請求項1の重合防止方法。 - 【請求項3】工程液を希釈液でパージすることにより移
動させることを特徴とする請求項1の重合防止方法。 - 【請求項4】不飽和結合を持つ化合物が、炭素数3〜2
0のアミド化合物であることを特徴とする請求項1の重
合防止方法。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009062373A (ja) * | 2008-09-16 | 2009-03-26 | Mitsui Chemicals Inc | 重合防止方法 |
WO2009113617A1 (ja) | 2008-03-14 | 2009-09-17 | ダイヤニトリックス株式会社 | アクリルアミド水溶液の安定化方法 |
-
2002
- 2002-01-29 JP JP2002019718A patent/JP2003221373A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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