JP2003220388A - 発電所ヒータードレン水の処理方法 - Google Patents

発電所ヒータードレン水の処理方法

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JP2003220388A
JP2003220388A JP2002294333A JP2002294333A JP2003220388A JP 2003220388 A JP2003220388 A JP 2003220388A JP 2002294333 A JP2002294333 A JP 2002294333A JP 2002294333 A JP2002294333 A JP 2002294333A JP 2003220388 A JP2003220388 A JP 2003220388A
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heater drain
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iron oxide
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Shinichi Ohashi
伸一 大橋
Toshio Morita
利夫 森田
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電所におけるヒータードレン水に含まれる
鉄酸化物微粒子を安定的に除去し、発電所の蒸気発生器
又はボイラーへの鉄酸化物微粒子の持ち込みを効果的に
防止することができる発電所ヒータードレン水の処理方
法を提供する。 【解決手段】 フィルターを用いる固液分離操作により
鉄酸化物微粒子を含む発電所ヒータードレン水から鉄酸
化物微粒子を除去するに当たって、フィルターに発電所
ヒータードレン水が到達する前段において発電所ヒータ
ードレン水中に酸素を混入させて酸素混入後の発電所ヒ
ータードレン水の溶存酸素濃度が1μg/リットル以上
且つ20μg/リットル未満の範囲内とし、鉄酸化物微
粒子をフィルターに捕捉除去できる形態に変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所におけるヒ
ータードレン水の処理方法に関し、特に、鉄酸化物微粒
子を含む発電所ヒータードレン水中の鉄酸化物微粒子を
フィルターにより除去する場合に用いる発電所ヒーター
ドレン水の処理方法に関する。本発明の方法は、例え
ば、加圧水型原子力発電所(略して「PWR」)、沸騰
水型原子力発電所(略して「BWR」)及び火力発電所
におけるヒータードレン水中に含まれる鉄酸化物微粒子
を除去する場合に特に有利に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】例えば、PWRでは、タービン駆動用の
蒸気を造る蒸気発生器(略して「SG」、steam genera
tor)の二次側の器内に鉄酸化物微粒子を主成分とする
金属酸化物等の不純物が給水に随伴して持ち込まれる。
そして発電を行っている期間中に、これらの不純物がS
Gの伝熱管外表面やクレビス部に徐々に付着し、伝熱効
率の低下や伝熱管の腐食の原因となる。このため、SG
の二次側への給水中の不純物濃度を低減させる対策が従
来から種々検討されている。
【0003】また、PWRの場合と同様に、火力発電所
でもボイラーへの給水中に含まれる上記のような不純物
がボイラーの伝熱管外表面に徐々に付着し、この付着物
によってボイラーの差圧が上昇するために、給水中の不
純物濃度を低減させる対策が従来から種々検討されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SGやボイラーへの給
水中に含まれる鉄酸化物微粒子を主成分とする不純物
は、復水系からの持ち込み分と各種ヒータードレン系
(低圧給水加熱器ドレン、湿分分離器ドレン、高圧給水
加熱器ドレン)からの持ち込み分に大別される。復水系
には従来から復水前置濾過器及び復水脱塩装置、また
は、復水脱塩装置単独で構成される復水浄化装置が設置
されており、復水系からの不純物の持ち込みは少ない。
従って、SGおよびボイラーへの給水中の不純物濃度を
低減させるには、特に復水浄化装置系以降の各種ヒータ
ードレン系から持ち込まれる不純物を低減することが効
果的であると考えられる。
【0005】発電所ヒータードレン水系の主たる不純物
である鉄不純物の形態について説明する。ヒータードレ
ン水系は、機器および配管等の腐食防止のため、脱酸素
処理と、アンモニアやエタノールアミン等のアミン類の
添加によるpH調整処理が行われており、溶存酸素濃度
が数ppb以下でpHが9程度の水質に維持されてい
る。なお、pH調整処理は、配管等からの鉄イオンの溶
出を抑えるためであり、従って、ヒータードレン水中の
鉄がイオンとして存在する割合は低く、除去の対象とな
る鉄の形態は、酸化鉄微粒子の形態であると考えてよ
い。かかる水質条件下においても機器および配管等の腐
食によりこれらの表面に四三酸化鉄(四酸化三鉄Fe
、即ち、マグネタイト)の薄い皮膜が生じる。この
皮膜は、発生する蒸気によって絶えず削り取られて微細
な酸化鉄微粒子を生じる。この現象はエロージョン(er
osion)現象と称されるものである。このように絶えず
蒸気によって四三酸化鉄の薄い被膜が生成して削られる
現象が継続するため、復水中に含まれる酸化鉄粒子より
も微細な酸化鉄微粒子が形成され、ヒータードレン水中
に含有されてくるものと推定される。
【0006】ヒータードレン水中の酸化鉄微粒子は上記
のエロージョン現象のため非常に微細な粒子の形で存在
し、一般に使用されている孔径のフィルター等では除去
率が安定しないことが知られている。また、ヒータード
レン水からこのような酸化鉄微粒子を主成分とする不純
物を除去するために、電磁フィルターや磁気フィルター
を用いても同様に不純物除去率が不安定であり、実用化
には至っていない。
【0007】この問題の解決方法として、フィルターに
発電所ヒータードレン水が到達する前段において発電所
ヒータードレン水中に酸素を混入させ、鉄酸化物微粒子
をフィルターに捕捉できる形態に変える方法が、特開平
11−57416号公報に提案されている。この方法に
よれば、ヒータードレン水中に、酸素混入後のヒーター
ドレン水の溶存酸素濃度が20〜100ppb(=μg
/L[リットル、以下同様])、好ましくは40〜10
0μg/Lの範囲となる様に酸素注入を行うことによ
り、フィルターによる不純物の除去率を90%以上とす
ることができると、上記公報に記載されている。
【0008】しかし、SGの給水は腐食防止の観点から
溶存酸素濃度を5μg/L未満とするように管理基準と
して規制されており、ボイラー給水も同様に7μg/L
以下とするよう管理されている。ヒータードレン水中の
溶存酸素は脱気器で除去されるが、上記提案の方法にお
ける酸素注入量では給水中の溶存酸素濃度が上昇し過ぎ
る可能性があり、実用化には至っていない。
【0009】本発明は、従来技術の上記欠点を解消せん
とするもので、発電所におけるヒータードレン水に含ま
れている鉄酸化物微粒子を安定的に除去し、よって発電
所のSG又はボイラーへの鉄酸化物微粒子の持ち込みを
効果的に防止することができる発電所におけるヒーター
ドレン水の処理方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、発電所ヒ
ータードレン水中の鉄成分の除去方法について種々検討
を行った結果、注入する酸素の量を酸素混入後のヒータ
ードレン水中の溶存酸素濃度が1ppb以上且つ20p
pb未満と非常に微量な範囲になる様に調整しても、フ
ィルターの不純物除去性能を大幅に改善できることを知
見し、この知見に基づいて本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明は、フィルターを用いる固液
分離操作により鉄酸化物微粒子を含む発電所ヒータード
レン水から鉄酸化物微粒子を除去するに当たって、フィ
ルターに発電所ヒータードレン水が到達する前段におい
て発電所ヒータードレン水中に酸素を混入させて酸素混
入後の発電所ヒータードレン水の溶存酸素濃度が1μg
/L以上且つ20μg/L未満、好ましくは1μg/L
以上且つ5μg/L未満の範囲内とし、鉄酸化物微粒子
をフィルターに捕捉除去できる形態に変えることを特徴
とする発電所ヒータードレン水の処理方法を提供するも
のである。
【0012】例えば、PWRにおける発電所ヒータード
レン水中の溶存酸素濃度は、管理基準としては5μg/
L未満であるが、通常は0.1〜0.3μg/Lと極め
て低い。一方、発電所におけるヒータードレン水中の鉄
酸化物成分は、その殆どがサブミクロンオーダーの微細
なマグネタイト粒子より構成されており、そのままでは
フィルターで安定的に捕捉、除去することができず、除
鉄率が低く、また、安定しない。このような発電所ヒー
タードレン水中に酸素を注入することにより、微細な酸
化鉄微粒子に微量の酸素を接触させると、何らかのメカ
ニズムにより、微細な鉄酸化物微粒子の平衡状態が壊
れ、微細な酸化鉄粒子が大きくなって造粒し、フィルタ
ーでの濾過、除去が可能となるものと考えられる。
【0013】注入する酸素の量は、酸素混入後のヒータ
ードレン水中の溶存酸素濃度が1μg/L以上且つ20
μg/L未満、好ましくは1μg/L以上且つ5μg/
L未満となる様な量である。これによって十分な不純物
除去性能を確保しつつ、給水中の溶存酸素濃度をその管
理値内に調整することができる。ここで、元々酸素混入
前のヒータードレン水中の溶存酸素濃度が1μg/L以
上である場合があるとしても、注入された微量の新たな
酸素と接触することで、やはり鉄酸化物微粒子の平衡状
態が壊れ、微細な酸化鉄粒子が造粒し、フィルターでの
濾過、除去が可能となるものと考えられる。
【0014】本発明の方法において、被処理水である発
電所ヒータードレン水に酸素を混入させる方法は、特に
限定されるものでは無く、望ましくは清浄な酸素ガスや
空気を直接ヒータードレン水中に吹き込んで注入する方
法や、酸素含有水(好ましくは純水に酸素を含有させた
もの)を酸素注入液としてヒータードレン水に混入させ
る方法などがあるが、溶存酸素濃度の設定の容易性など
の観点から後者が好ましい。酸素含有水は、望ましくは
清浄な酸素ガスや空気を純水等の水に吹き込んで注入し
て調製してもよいが、簡単には、望ましくは清浄な酸素
ガスや空気の雰囲気下に置いた水槽中の純水等の水を望
ましい酸素濃度となるまで攪拌することによっても容易
に酸素含有水の調製が可能である。
【0015】本発明の方法において濾過に用いるフィル
ターとしては、精密濾過膜や限外濾過膜を用いた各種フ
ィルターを用いることができる。また、粒径が大きくな
っていることから、電磁フィルター、超伝導電磁フィル
ター、磁気フィルター等でも鉄酸化物成分を除去するこ
とができる。
【0016】本発明の方法を実施するに先立って、中空
糸膜フィルターの様なフィルターを濾過に用いる場合、
その表面にプリコートを行ってもよい。即ち、被処理水
である発電所ヒータードレン水をフィルターに通水する
に先立って、例えば、粒径1〜10μmのFe
(マグネタイト)等の酸化鉄微粒子のプリコート剤が
添加された水をフィルターに通水し、フィルターの表面
に該微粒子のプリコート被覆膜を予め形成するのである
(特開平11−165006号公報)。このようなプリ
コート用酸化鉄微粒子は市販品もあり、容易に入手でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照しつつ説明するが、本発明はこれらに限
定されるものでは無い。
【0018】フィルターとしては、上述の様なフィルタ
ーを用いることができるが、代表的に用いられるフィル
ターとしては、フィルターエレメント形状の面からは、
例えば、中空糸型フィルター、プリーツ型フィルター、
ディスク型フィルター等を挙げることができ、フィルタ
ーエレメント材質の面からは高分子膜フィルター、セラ
ミックフィルター、金属フィルター、焼結金属フィルタ
ー、カーボンフィルター等の有機系や無機系の各種フィ
ルターを挙げることができる。その他に、電磁フィルタ
ー、超伝導電磁フィルター、磁気フィルター等を用いる
ことができるのは、上述の通りである。
【0019】ここで説明する実施の形態においては、一
例として、高分子中空糸膜(以下、単に「中空糸膜」と
言う)フィルターを用いる場合を説明する。
【0020】図1は、この実施の形態で用いる濾過装置
の構造を示す構成図である。図2は、この実施の形態で
用いる濾過装置に設置する中空糸膜モジュールを示す断
面図である。図3は、図1に示す濾過装置が用いられた
発電所における低圧給水ヒーターの周辺系統を示すフロ
ー図である。
【0021】この実施の形態で用いる中空糸膜モジュー
ル1は、図2に示すように、孔径0.01〜0.3μm
の微細孔を有する外径0.3〜5mm、内径0.2〜4
mmの中空糸膜2(フィルターエレメント)の約100
〜約50000本を保護筒3内に収納したものであり、
該中空糸膜2の上端をそれらの中空部を閉塞すること無
く上部接合部4で接着し、各中空糸膜2の下端を閉塞し
て下部接合部5で接着し、また、保護筒3の下方部と上
方部にそれぞれ流通口6A及び6Bを設けると共に、下
部接合部5に開口部7を設け、更に保護筒3を下方にや
や延長させてスカート部8を形成したものである。この
中空糸膜モジュール1では、全中空糸膜2の下端は閉塞
されているので、上端から集水する片端集水タイプであ
るが、勿論、中空糸膜の両端から集水する各種の両端集
水タイプの中空糸膜モジュールを用いることもできる。
【0022】このような中空糸膜モジュール1を濾過塔
9に配置するに当たっては、図1に示すように、濾過塔
9の上方部に仕切板10を設け、濾過塔9内を上室Fと
下室Rに区画し、該仕切板10に多数本の中空糸膜モジ
ュール1を仕切板10の鉛直方向に懸架する。
【0023】また、濾過塔9内に気泡分配機構11を配
置する。この気泡分配機構11は、気泡受け12と該気
泡受け12を貫通する気泡分配管13から構成されるも
ので、中空糸膜モジュール1のスカート部8の直下に該
気泡分配管13を対応させるものとする。
【0024】また、濾過塔9の上部に濾過水流出管14
の一端を連通し、一方、濾過塔9の下部に原水流入管1
6の一端、圧縮空気流入管15の一端、および、ドレン
管18の一端をそれぞれ連通し、更に上記仕切板10の
直下の濾過塔9側胴部に空気抜き管17の一端を連通す
る。
【0025】また、19は酸素含有純水タンクを示し、
20は酸素含有純水注入ポンプ(P)を示す。酸素含有
純水注入管21の一端を原水流入管16に連通する。な
お、21A及び22〜26はそれぞれ弁を示し、28は
バッフルプレート(baffle plate)を示す。
【0026】上述した濾過装置を用いて、本発明の処理
方法の処理対象(被処理水)の一例として、発電所にお
ける低圧給水ヒータードレン水(濾過塔における原水)
を本発明方法に従って処理する場合について説明する。
【0027】先ず、図3を参照しつつ、このような濾過
装置が用いられた発電所における低圧給水ヒーター(低
圧給水加熱器)の周辺系統を簡単に説明する。図3の系
統は、図示しない蒸気発生器(SG)から蒸気を受けて
駆動する低圧タービン31、この低圧タービン31の蒸
気を水に戻す復水器32、この復水器32からポンプ3
3により送水された復水を脱塩処理する復水脱塩装置3
4、この復水脱塩装置34からポンプ35を介して脱塩
処理された復水を低圧タービン31から供給された蒸気
(蒸気のラインは破線で示されている)により加熱する
低圧給水ヒーター36を備えている。そして、この低圧
給水ヒーター36において加熱された復水処理水は高圧
給水ヒーター(図示せず)等を介して蒸気発生器へ送ら
れる。図3に示すように、低圧給水ヒーター36には上
述の酸素注入設備付濾過装置37が付設されている。こ
の濾過装置37によりヒータードレン水を濾過し、ヒー
タードレン水中から酸化鉄微粒子を主成分とする不純物
が除去され、得られる濾過水が低圧給水ヒーター36に
おいて加熱された復水処理水と合流するようにしてあ
る。
【0028】被処理水であるヒータードレン水(以下、
「原水」と言う)の通水に先立って、濾過塔9の上室F
と下室R内を純水にて満水とする。次に、濾過工程にお
いては、弁22及び26を開弁した後、酸素含有純水注
入ポンプ20を起動し、酸素含有純水注入弁21Aを開
弁し、酸素含有純水を原水に混入させる。ここで、濾過
塔9の下室R内における原水の溶存酸素濃度を1ppb
(μg/L)以上且つ20ppb未満、好ましくは1p
pb以上且つ5ppb未満の範囲内とする。酸素含有純
水が混入した原水は、原水流入管16から濾過塔9の下
室Rに流入し、中空糸膜モジュール1により原水中の酸
化鉄微粒子が濾過され、濾過水は上室Fで集合して、濾
過水流出管14から流出する。
【0029】濾過を継続することにより濾過塔9の差圧
は上昇し、規定の差圧に到達した時点でスクラビング工
程が実施される。ここで、スクラビング工程における中
空糸膜2表面の肌荒れを極力回避するため、スクラビン
グ工程に先立ち、濾過塔9の下室R内の原水水温を低下
させる措置を採ることもできるし(特開平4−1356
32号公報)、スクラビング工程の初期に剥離する微粒
子の排除を行った後、スクラビング工程を続行するか、
スクラビング工程の初期に剥離する微粒子を含む洗浄廃
水を下室Rから排出する予備ブロー工程を付加すること
もできる(特開平4−110023号公報)。
【0030】中空糸膜2表面に付着した酸化鉄微粒子を
除去するためのスクラビング工程は、次のように実施さ
れる。弁22及び26を閉じ、下室Rに原水を、上室F
に濾過水を満たしたまま、弁24及び25を開弁し、圧
縮空気流入管15から圧縮空気を流入させる。圧縮空気
は気泡受け12の下面で一旦受容され、次いで空気分散
管13の空気流通孔13Aから気泡となって中空糸膜モ
ジュール1のスカート部8内に流入し、次いで開口部7
を介して各中空糸膜モジュール1内に流入する。これら
の気泡の上昇に伴い各中空糸膜2は振動すると共に、中
空糸膜モジュール1内の水が攪拌され、各中空糸膜2の
表面に捕捉された原水中に含まれていた酸化鉄微粒子が
剥離し、濾過塔9の下室R中に分散する。なお、気泡は
中空糸膜モジュール1の流通口6Bから該中空糸膜モジ
ュール1の外に流出し、次いで空気抜き管17から濾過
塔9の外に排出される。
【0031】上述のスクラビングにより剥離し、濾過塔
9の下室R内の水中に分散した酸化鉄微粒子はスクラビ
ング終了後、濾過塔9外にブローする。即ち、弁25を
開弁したまま弁24を閉弁し、弁23を開弁して酸化鉄
微粒子が分散している洗浄廃水をドレン管18を通して
流出させる。なお、洗浄廃水を流出させる当該ブロー工
程は水頭差を利用するものであるが、空気抜き管17又
は圧縮空気流入管15から圧縮空気を流入させ、当該空
気圧を利用した急速流出を行うこともできる。上述の圧
縮空気により水を攪拌して行うスクラビング工程、洗浄
廃水のブロー工程が終了した後、前述のような酸素含有
純水の原水への混入と濾過を行う通水工程を再び行う。
【0032】なお、上述の実施の形態において、前述し
たように、中空糸膜2の表面にプリコートを行ってもよ
い。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこの実施例により限定されるものでは
無い。
【0034】実施例 本実施例では、図1に示す濾過装置と同様の構造の小型
実験濾過装置を用いて、次の実験を行った。先ず、水槽
に入れた純水を清浄な酸素雰囲気下に攪拌して、下記の
ような酸素注入液を調製した。次いで、発電所における
低圧給水ヒーターのドレン水(水温:80〜90℃、溶
存酸素濃度:管理基準は5μg/L未満であるが、本実
験では常に1μg/Lよりも低かった)に上記酸素注入
液を混入して、酸素混入後の溶存酸素濃度が1μg/L
以上且つ20μg/L未満となるようにした後、濾過塔
(フィルター)に通水した。この時の除鉄率の経時変化
を追跡した。その結果を図4に示す。図4において、○
印が微量酸素混入後のフィルター入口溶存酸素濃度を表
し、□印が微量酸素混入時のフィルターによる除鉄率を
表す。なお、除鉄率を求めるに当たって用いた鉄の定量
法は、「JIS−B−8224」のTPTZ法(2,
4,6−トリ−2−ピリジル−1,3,5−トリアジン
吸光光度法)である。
【0035】<小型実験濾過装置による実験の仕様> 中空糸膜モジュール 中空糸膜の孔径:0.1μm前後 同外径:1mm 同内径:0.7mm 同長さ:300mm 同本数:400本 中空糸膜モジュールの使用本数:1本 酸素注入液:常温下において溶存酸素濃度8mg/L
の純水 濾過流速:0.1m/hr
【0036】図4に示す結果によれば、ヒータードレン
水のような高温水中から酸化鉄微粒子よりなる鉄成分を
除去する場合に、ヒータードレン水に微量の酸素を注入
するだけでほぼ90%以上の高い除去率を維持できるこ
とが分かる。
【0037】比較例 比較例として、ヒータードレン水に酸素注入液の混入を
行わない以外は実施例と同じ条件で、実験濾過装置の濾
過塔(フィルター)に低圧給水ヒータードレン水を通水
した実験を行い、除鉄率の経時変化を追跡した。その結
果も図4に示した。図4において、△印が酸素未混入の
ままフィルターによって除鉄した際の除鉄率を表す。
【0038】図4に示す結果によれば、除鉄率は70%
前後であり、しかも安定せず変動が大きい。
【0039】
【発明の効果】本発明の発電所ヒータードレン水の処理
方法によれば、発電所におけるヒータードレン水中の鉄
酸化物微粒子を安定的且つ確実に除去することができ、
発電プラントの蒸気発生器またはボイラーへの鉄酸化物
微粒子の持ち込みを効果的に防止することができる。ま
た、酸素注入量を微量とすることができるため、プラン
トに及ぼす腐食等の影響を最小とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一つの実施の形態に用いる濾
過装置の構造を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の一つの実施の形態で用いる濾
過装置に設置する中空糸膜モジュールを示す断面図であ
る。
【図3】図3は、図1に示す濾過装置が用いられた発電
所における低圧給水ヒーターの周辺系統を示すフロー図
である。
【図4】図4は、ヒータードレン水への微量の酸素注入
を行った場合(実施例)と行わなかった場合(比較例)
の中空糸膜濾過塔(フィルター)を用いたヒータードレ
ン水に対する除鉄率の経時変化を追跡した実験結果を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
1 中空糸膜モジュール 2 中空糸膜 3 保護筒 4 上部接合部 5 下部接合部 6A 流通口 6B 流通口 7 開口部 8 スカート部 9 濾過塔 10 仕切板 11 気泡分配機構 12 気泡受け 13 空気分配管 13A 空気流通孔 14 濾過水流出管 15 圧縮空気流入管 16 原水流入管 17 空気抜き管 18 ドレン管 19 酸素含有純水タンク 20 酸素含有純水注入ポンプ 21 酸素含有純水注入管 21A、22〜26 弁 28 バッフルプレート F 上室 R 下室 31 低圧タービン 32 復水器 33 ポンプ 34 復水脱塩装置 35 ポンプ 36 低圧給水ヒーター 37 濾過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/04 G21D 1/00 GDPE 9/06 521 G21C 19/30 A Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA01 HA41 HA71 KA02 KB30 KC14 KE12R MA01 MC02 MC05 PA01 PB08 PB22 PC33

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルターを用いる固液分離操作により
    鉄酸化物微粒子を含む発電所ヒータードレン水から鉄酸
    化物微粒子を除去するに当たって、フィルターに発電所
    ヒータードレン水が到達する前段において発電所ヒータ
    ードレン水中に酸素を混入させて酸素混入後の発電所ヒ
    ータードレン水の溶存酸素濃度が1μg/リットル以上
    且つ20μg/リットル未満、好ましくは1μg/リッ
    トル以上且つ5μg/リットル未満の範囲内とし、鉄酸
    化物微粒子をフィルターに捕捉除去できる形態に変える
    ことを特徴とする発電所ヒータードレン水の処理方法。
  2. 【請求項2】 酸素含有水を発電所ヒータードレン水に
    混入させることにより、発電所ヒータードレン水中に酸
    素を混入させることを特徴とする請求項1に記載の発電
    所ヒータードレン水の処理方法。
  3. 【請求項3】 鉄酸化物微粒子を捕捉するフィルターと
    して、精密濾過膜、限外濾過膜、電磁フィルター、超伝
    導電磁フィルター、磁気フィルターのいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発電所ヒータ
    ードレン水の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006162316A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Ebara Corp 廃液処理方法及び廃液処理装置
CN110330083A (zh) * 2019-06-21 2019-10-15 付志青 一种污水处理铁屑过滤分离装置

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