JPH09118993A - プラントの化学洗浄方法と装置 - Google Patents

プラントの化学洗浄方法と装置

Info

Publication number
JPH09118993A
JPH09118993A JP8192701A JP19270196A JPH09118993A JP H09118993 A JPH09118993 A JP H09118993A JP 8192701 A JP8192701 A JP 8192701A JP 19270196 A JP19270196 A JP 19270196A JP H09118993 A JPH09118993 A JP H09118993A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
water
plant
washing
chemical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8192701A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3202605B2 (ja
Inventor
Atsuo Miyazaki
厚生 宮崎
Yutaka Sakurai
裕 桜井
Tomokazu Sekine
智一 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Industrial Cleaning Co Ltd
Original Assignee
Ebara Industrial Cleaning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=26505670&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH09118993(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Ebara Industrial Cleaning Co Ltd filed Critical Ebara Industrial Cleaning Co Ltd
Priority to JP19270196A priority Critical patent/JP3202605B2/ja
Publication of JPH09118993A publication Critical patent/JPH09118993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3202605B2 publication Critical patent/JP3202605B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄水の使用量を低減できそれに伴なう洗浄
廃水も低減された簡単な設備によるプラントの化学洗浄
方法及び装置を提供する。 【解決手段】 薬液洗浄と水洗浄を組合せたプラント1
の化学洗浄方法において、該プラント1に循環洗浄が可
能な洗浄液循環系路2、3、5、6を設け、該系路の洗
浄液を浄化4して循環使用することとしたものであり、
前記浄化4は、ろ過、イオン交換処理又は吸着処理の一
種以上を組合せて行うのがよく、ろ過はメンブレンフィ
ルタであって、プリーツ型又は中空系フィルタを用いる
のがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラントの化学洗
浄に係り、特に、火力発電プラントや化学プラントなど
の稼働によって発生するスケールを化学洗浄する方法と
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの化学洗浄では、主として塩
酸や有機酸を用いる酸洗浄が実施される場合が多い。こ
の化学洗浄においては、被洗浄物系統内にこれらの薬品
を注入し循環処理することで、十分な薬液の接触を行わ
せて系内のスケール(堆積物や付着物)を溶解あるいは
剥離除去する。溶解を促すために必要に応じて温度を高
めて行うことも一般的に行われており、通常は塩酸洗浄
では約60℃、有機酸洗浄では、80〜90℃に加温し
て行なわれる。これら酸洗浄が終了すると、系内から薬
液成分を完全に排出することが必要で、そのための方法
として行うのが水洗浄(水洗い)である。
【0003】水洗浄の方法としては、全液を排出した後
に水洗浄水を張り込み、満水としてそれを全量排出す
る。これを繰り返すことで、薬液成分を排出する。もう
一つの代表的な方法は、大容量のポンプで水洗浄水を系
内に張り込むことによって薬液を押し出すことで行う、
押し出し水洗の方法とがある。いずれの場合も系統満水
容量(以下、保有水量という)の3〜4倍容量を必要と
している。水洗水質が一定のレベルに達したならばその
後、防錆処理工程を行い、化学洗浄を終了する。これら
の化学洗浄に用いる使用水(純水)の量は、保有水量の
6〜7倍容量が一般的である。例えば、保有水量250
3 であるとすると、全使用水量は1,500〜1,8
00m3 程度の大部な使用量となり、これが全て廃水と
なる。また、前記の酸洗浄において、スケールの溶解が
完全に行なわれるのであれば問題はないが、スケールの
付着形状は、10〜50μmぐらいの酸化鉄の粒状結晶
体が凝集している状況であり、スケールの空隙率も約3
0%有り、剥離が生じ易い状況にある。
【0004】剥離したスケール(スラッジと言う)は、
系統内を循環するか、場合によって、プラント内部(気
水分離器)などの流速のおそくなる部分に、堆積するこ
とも有る。その沈着を防ぐために、循環流量をできるだ
け大きく採ることが必要である。そのためには、大容量
のポンプを用いて、循環する措置を取っているが、従来
の方法では、そのまま仮配管からポンプに送られプラン
トに循環するので、再びプラント内に押し込まれること
になる。そうするとプラント内にスラッジが沈着する確
率が高くなり、その後の水洗いや、ボイラ稼働時のクリ
ンアップでの水質が悪くなり、そのことによって使用水
量が多くなる。このスラッジの対策としては、従来は
循環系統内に電磁フィルタを用いて除去する方法(特公
昭51−40532号公報)や、同じく系統内に遠心
分離を行なって除去する方法(特公昭59−15749
6号公報)が提案されている。
【0005】の方法では、強磁性のスラッジは除去で
きるが、そうでないものは除去できず、また、電磁石の
磁界はある程度強くする必要があり、装置が高価であり
実施においてはコスト面で劣っている。については、
遠心分離器又はサイクロンを用いて固形物の遠心分離を
行なうので、スケールの磁性には関係しないが、その分
級能率は低く、30μm程度が限度であり、大容量にな
ると装置も5mを越える高さを必要とし、高価で大きい
設備の配置など困難な点が多い。さらに、重要でしかも
最も存在量の多い粒径は5〜20μmであるから、必要
なスラッジの分離には適しないし、実際に捕捉されるス
ラッジは十数kg程度に止まり、いずれも満足できる方
法ではなかった。
【0006】上記のように、化学洗浄での問題点は、ス
ラッジの装置内への沈着と、全体に使用する水量が多
く、大型ボイラにおいては、1回の化学洗浄で1,50
0〜2,500m3 もの純水を使用する必要があること
である。この膨大な水の使用を削除することは、水資源
の重要性が言われることが多い最近では、急務である。
また、これだけの排水の発生は、それを一時的にせよ受
入れる槽を、その分用意する必要があるが、十分な槽を
有するプラントは少い。そのために仮設の水槽を準備す
ることが必要になる場合が多く、そのための場所の問
題、安全性や費用の問題など多くの点で解決する必要が
あった。更に、このような制約のために、排水の受入れ
ができなくなり、ときには水洗浄が十分に実施すること
ができず、結果的に、不十分な状況で終了を余儀なくさ
れるようなケースも生じることがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、洗浄水の使用量を低減でき、それ
に伴なう洗浄廃水も低減され、更には、循環系統のスラ
ッジを完全に捕捉することで、被洗浄物への再浸入を完
全に防止すると共に、被洗浄物の系内をより清浄にする
ことができ、また水洗水を循環系内浄化処理し、再利用
することで使用水の大幅な削減ができる、簡単な設備に
よるプラントの化学洗浄方法及び装置を提供することを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、薬液洗浄と水洗浄を組合せたプラント
の化学洗浄方法において、該プラントに循環洗浄が可能
な洗浄液循環系路を設け、該系路の洗浄液を浄化して循
環使用することとしたものであり、前記浄化は基本的に
はろ過であるが、カチオン交換型とアニオン交換型のイ
オン交換処理を組合せて行うのがよいが、イオン交換に
対して無効な非イオン性の金属錯体などの除去には、吸
着処理も有効な場合が有り、これらの処理を組合せて行
うのがよい。また、本発明では、薬液洗浄と水洗浄を組
合せたプラントの化学洗浄装置において、該プラントに
循環洗浄が可能な洗浄液循環系路を設けると共に、該系
路にろ過体、イオン交換体又は吸着体の一種以上で構成
される洗浄液の浄化装置を設けることとしたものであ
る。前記化学洗浄装置において、ろ過体としてはメンブ
レンフィルターであって、プリーツ型又は中空糸フィル
タ等の被ろ過面積の大きな構造体を用いるのがよく、こ
れにより薬液中のスラッジを確実に捕捉することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明を詳細に説明する。
一般に、ボイラの化学洗浄を例にとると、全体の工程は
概ね次のようになる。即ち、〔酸洗浄〕→〔水洗〕→
〔防錆処理〕→〔最終水洗〕となり、それぞれのおゝよ
その使用水量は順番に1、3、1、3容量となり、ま
た、運転再開に当っては、〔ボイラコールドクリンアッ
プ〕→〔ボイラホットクリンアップ〕→〔ボイラ運転〕
となる。このうち、本発明で循環洗浄するのは、酸洗浄
液と3容量づつの水洗工程の大部分と最終水洗工程の水
である。酸洗浄液の循環処理の場合はろ過処理で行うの
がよい。スラッジの発生は、酸洗浄時で、しかもその初
期3時間までに多く見られる。このスラッジは一部は酸
に溶解し、一部はプラント内部に沈着するので、3時間
以後は洗浄液中のスラッジ量は次第に減少していく。こ
のスラッジをフィルタで捕捉すれば、その分に応じて、
プラント内での沈着は防止でき、それ以後のボイラクリ
ンアップの時間と水量が大幅に小さくできる。
【0010】塩酸洗浄後では、コールドクンアップに入
ってから、ボイラ水のpHがなかなか上昇せず、塩素イ
オンの濃度もなかなか低下しないようなケースがよく見
られる。これは、系内に沈着しているスラッジに残存し
ている水洗で除去できなかった薬液が、少しずつしみ出
して来ることによるものである。従って、このスラッジ
の堆積を排除できれば、このような現象は収まる。水洗
水の構成は、化学洗浄の酸と溶解した鉄イオンを主とし
て含むもので、その他に懸濁物(微細な酸化鉄)とであ
るから、本発明では、これらをろ過、イオン交換処理又
は吸着処理の一種以上を組合せて連続的に行うことで純
水に再生して、水洗水として再利用している。
【0011】具体的な洗浄方法を、図1に示す系統図に
従って説明する。図1において、ボイラは被洗浄物1と
して概念的に示してあるが、実際にはいろいろな型式が
ある。代表的なものとしては、貫流型、自然循環型、強
制循環型と有り、貫流型の内にも循環ポンプを有するも
のとそうでないものとがある。一般的には、ボイラ本体
から仮設循環配管2で循環ラインを設けて、ポンプ3を
用いてバルブ5、6と配管2で循環処理する。薬液の注
入や加温(蒸気注入)はこの循環配管の中に組み込まれ
る。洗浄の終了は循環中の薬液の有効濃度と、溶出主体
の鉄イオンの濃度変化が見られなくなる点である(飽和
点)。通常は、酸洗浄工程で6〜8時間の循環処理を行
う。
【0012】循環流量は、被洗浄物によっても異なる
が、通常の貫流ボイラで大概300〜600m3 /hで
ある。この流量を保持するには、仮設配管の呼び口径は
150mm〜250mmの寸法のものを準備する必要が
ある。本発明は、この循環ポンプ3の出口側に加圧式の
ろ過フィルタを浄化装置4として設置し全量処理する。
そのことによって、被洗浄物から発生したスラッジはこ
のフィルタ4にて捕捉される。フィルタは種々有るが、
現在0.1μm〜100μmまでのものが有り、もっと
精密ろ過の必要な場合には0.05μmのものも有る。
しかも、最近では、ろ過面積が大きくコンパクトなもの
も、市場に提供されるようになって来ている。本発明に
おいてはスラッジの形態としては、10μm前後が大部
分であるから、粒径2.5μm以下のろ過能力を持つも
のであれば、酸洗浄のろ過装置として十分である。フィ
ルタの圧力容器(ハウジング)は、処理流量によって大
きさが変わるが、ろ過に用いるフィルタの通水面積は、
最近では非常に大きいものも市販されている(コンパク
ト化が可能)が、やはりろ過速度としては1m/hを基
本として、従って200〜300m2 のろ過面積は必要
であろう。
【0013】通水面でのろ過速度は、1m/hを十分保
持できるものがよいが、酸洗浄ではフィルタの目詰まり
を起こすコロイド状の物質(主に金属の水酸化物など)
が全く含まれていないので、ろ過抵抗の上昇はほとんど
なく、従ってろ過速度は2〜3m/hの値をとることが
できる。従って、フィルタのろ過面積は150〜200
2 のものであれば、十分化学洗浄のろ過装置としての
役割を担える。以上は、薬液洗浄において、フィルタを
用いてスラッジをろ過する処理について説明したが、次
に水洗浄について説明する。薬液洗浄の後は水洗浄によ
って、系内の薬液を排出することになるが、最も効果的
な方法で行うには、自然循環の場合は全量排出し水洗水
を張り込み、排出を繰り返すことにより、また、貫流ボ
イラでは、本設給水ポンプ又は仮設の循環ポンプにて押
し出し、系統内を水置換することによる、など大まかに
二通りの方法がある。
【0014】これらの方法を図2に示す系統図に従って
説明する。上記の張り込み排出方法(フィール アンド
ドレン)は、図2では、水洗水をバルブ8からポンプ
3を経由して配管2より被洗浄物1へ張り込む。被洗浄
物1が満杯になったならバルブ16を開き排水槽12へ
ブローする。これを少くとも3回の繰り返し行う必要が
ある。また、上記押し出し法でも、2〜3倍容量程度の
水量が必要であるのが一般的であるが、図2に従って述
べると、バルブ5を閉じて、バルブ8からポンプ3を経
由して配管2より被洗浄物1へ張り込み、バルブ7から
排水槽12へ押し出す、出口の水質を監視して終了点を
判定する。水洗が終了するまでには2〜3倍容量の水を
要するが、スラッジなどを排出する必要がある場合に
は、流量は出来るだけ大きく採ることが重要である。
【0015】本発明は、いずれの方法にしても仮設循環
ラインを布設するものであるから、その循環ラインに浄
化装置4を組み込み、仮設循環ラインの水洗水の一部、
又は全部を循環させ、その水を浄化することによって水
洗水の水質を暫時改質する。水質の主成分は酸、金属イ
オンと混濁物(スラッジ)であるから、これを除去する
ろ過体とイオン交換体から構成することで浄化は可能と
なる。循環は仮設ポンプ又は、本設ポンプにて大循環を
行い、それに浄化装置4のラインを並列に稼働させる。
そうすることによって、被洗浄物を循環する水(水洗
水)は浄化されるので、系統内の水質は改善されてく
る。本設のポンプを稼働すれば、系内の循環流速は大き
く、管内面の沈着物などは、ほぼ搬出され、浄化系で捕
捉される。
【0016】図3に洗浄水の浄化装置のラインの部分拡
大図を示す。図3においては、イオン交換体14aと1
4b、及びろ過体13を有する浄化装置4として示され
ている。浄化装置4は、この図3に限るものではなく、
各イオン交換体や吸着体のバイパス配管を設けることな
ども有用である。浄化系内のポンプを別に用意すること
も可能であり、仮設循環用ポンプを併用することでも良
い。吸着体を用いる場合は、ろ過体13の前が良いが、
物質の性質によってはイオン交換体14aの後に、14
bの代りとして又は併用して設置することもできる。い
ずれによるかは、洗浄剤の組成により決めればよい。化
学洗浄では水洗浄工程の後でリンス工程をくみこむこと
がしばしばである。このリンス工程は水洗浄工程で発生
する錆を溶解除去するのであるが、クエン酸が用いられ
る事が多い。本法では水洗浄の途中で付帯するカチオン
交換樹脂で循環系の水を処理すると、洗浄液の一部が水
洗水に残留しているので、有機酸洗浄の場合には、クエ
ン酸が再生されるので、これをリンス液として利用する
こともできる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例より具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 洗浄水量200m3 の貫流型ボイラの化学洗浄におい
て、本発明の方法を適用した例を示す。洗浄液の仕様は
次のとおりである。 クエン酸 : 2.0% グリコール酸 : 2.0% インヒビター : 0.3% 還 元 剤 : 0.1% 処理温度 : 80〜90℃
【0018】この洗浄液(有機酸)を図1に示す仮設循
環系統を用いて、本発明による浄化装置のフィルタ4を
設置した。循環処理の概要は次のとおりである。 循環流量 : 400m3 /h 循環時間 : 8時間 ろ過面積 : 150m2 ろ過速度 : 400m3 /h フィルタ口径 : φ0.9μm フィルタ仕様 : 中空糸型 ろ過線速度 : 2.7m/h
【0019】その間のフィルタ前後の循環液中のSS分
を0.45μmのメンブレンフィルタを用いて測定し
た。その結果は図6に示すとおりであった。図に示すよ
うに2〜3時間目にSSのピークが有り、その後は減少
し、4時間目ではフィルタ入口のSS分は3ppm以下
で殆ど完全にろ過されていた。フィルタ前後の差圧は、
初期は0.5バールとフィルタ自身の差圧であるが、そ
の後0.3バール増加し0.8バールまで上昇し、その
まま維持した。図6のグラフから捕捉したSS分(スラ
ッジ)を算出すると60kgになるが、実測値では45
kgであった。この値の差15kgは、フィルタに捕捉
されてから以後に酸液の通過により溶解したものであ
る。
【0020】比較例1 ほぼ同じようなボイラの化学洗浄時の比較例を示す。洗
浄液の仕様は次のとおりである。 クエン酸 : 2.5% グリコール酸 : 2.5% インヒビター : 0.3% 還 元 剤 : 0.2% 処理温度 : 80〜90℃ 洗浄液量 : 180m3 この時の仮設循環系統は、図4に示すが、図1からフィ
ルタを取り除いただけである。循環の概要は次のとおり
である。 循環流量 : 500m3 /h 循環時間 : 7時間 その間のSS分の測定を定時的に行なった。その結果は
図7に示す。洗浄開始後1時間でSSのピークを示し、
以後は激減していくが、SSは約30ppm付近で安定
化し以後は終了点まで同じような値を示した。
【0021】比較例2 従来法による遠心分離によるSS分の除去装置を用いた
場合の処理である。その時のフローを図5に示す。図5
にては、ポンプの吸引側に遠心分離型のサイクロンセ
パレータ17を付設し、SS分の除去処理を行なった例
である。サイクロンの流量はパルブ9の調節により流量
計を所定の値に維持することによる。洗浄液の仕様は次
のとおりである。 塩 酸 : 5% インヒビター : 0.3% 還 元 剤 : 0.2% 処理温度 : 55〜60℃ 処理時間 : 6h 洗浄液量 : 230m3
【0022】この時の仮設循環系統は、図5に示す。方
法はサイクロンセパレータ17を設置し、循環液の一部
を仮配管11にて分離処理した。この時の循環の概要は
次のとおりである。 循環流量 : 500m3 /h セパレータ流量: 150m3 /h その間のSS分の測定結果は、図8に示す。セパレータ
入口のSSは洗浄開始2時間目に88ppmを記録し、
以降は減少するが、30〜40ppmのSS分は終了時
まで存在していた。同出口側でのSSは図8に示すよう
に1時間後41ppmでその後は入口と出口との差はほ
とんど生じなくなった。これはサイクロンの分離限界を
超えた小さなスラッジになり、系統内に浮遊、又は沈積
したものと見られる。
【0023】実施例2 洗浄水量230m3 の貫流型ボイラの化学洗浄におい
て、本発明の方法を適用した例を示す。洗浄の仕様は クエン酸 : 3.0% グリコール酸 : 3.0% をベースとした有機酸洗浄である。酸洗浄は8時間で終
了、溶出Feイオンは、8,700ppmであった。洗
浄終了後、仮設循環ポンプを用いて800m3 /hで押
し出し水洗を開始した。排出口の水質を電気伝導率で監
視する。水洗初期から240μS/cmになった時点
で、押し出し水洗を停止し、循環系統に変換し、浄化ラ
インを通して循環洗浄を開始した。
【0024】その時の水質は、下記のとおりであった。 Fe : 800ppm、 SS : 45ppm、 導電率: 254μS/cm、 濁度 : 50ppm、 pH : 5.4、 浄化ラインにおける浄化処理の主要構成は次のとおりで
ある。 ろ過体:カートリッジフィルタ、 0.2μm径、150m3 、 イオン交換体 14a:カチオン交換樹脂 2m3 、 14b:アニオン交換樹脂 2m3
【0025】循環浄化流量800m3 /hで、循環水洗
浄を行ったが、その時の浄化系の処理流量は150m3
/hとし実施した。浄化処理した出口の水質は次のとお
りであった。 Fe :0.01ppm以下、 SS :0.3ppm以下、 導電率:0.3μS/cm、 濁度 :1.0ppm以下、 pH :6.8、 その間の循環浄化水の水質の経過を図9に示す。水質の
チェックと、電気伝導度−□−、Feイオン−●−、と
濁度−○−の測定を行っている。図9に示されるよう
に、3時間目で電気伝導度:5.0μS/cm、Fe:
2ppm、濁度:100ppmとなり、Feは原水の4
000分の1以下にまで浄化され、濁度も目標値に達
し、4時間後にはFe0.7ppm、濁度は3ppm以
下と十分に浄化されていた。この間注水は全く行われ
ず、4時間の循環押し出し水洗の間に節約された水の量
は600〜700m3 相当する。
【0026】その後引き続き、ヒドラジン濃度を500
ppmに高め、温度を80℃まで高めて防錆処理を行っ
た。酸洗浄から防錆処理液のブロー迄の工程での使用水
量は以下のとおりであった。 薬注ブロー : 50m3 、 加熱蒸気分 : 15m3 、 押し出し分 : 290m3 、 枝 管フラッシング : 50m3 、 過熱器 〃 : 50m3 、 枝 管 〃 : 28m3 、 防錆液ブロー : 230m3 、 非洗浄部フラッシングブロー : 360m3 、 合 計 : 1,073m3
【0027】比較例3 同じような規模の貫流ボイラを従来法により処理した例
を示す。洗浄の方法は実施例1とほぼ同じであるが洗浄
液の組成が5%であった。その内訳は、次のとおりであ
る。 クエン酸 2.5% グルコール酸 2.5% であり、酸洗浄は7時間
後、Feイオンは9,500ppmであった。酸洗浄終
了後、仮設循環ポンプ3を用いて、バルブ5を閉じ、バ
ルブ7と8を開き、配管2から被洗浄物に押し込み、配
管2を通って排液槽12へと600m3 /hで押し出し
水洗を開始、1時間後にFe10ppm、濁度15pp
m、1時間10分後にFe5ppmに達し、押出し水洗
を一時停止した。この間押し出し水洗水は、約700m
3 であった。
【0028】その後、配管2→バルブ5→ポンプ3→バ
ルブ6→配管2→被洗浄物1への循環に切り替え、Fe
イオン18ppm、濁度20ppmとなった。そこでバ
ルブ8から300m3 /hで注水を開始し、バルブ7か
ら排液槽12へ、相当分を排出する循環水洗に切り替え
た。1時間後にFe:3ppm、2時間後に1ppm以
下となり、濁度も5ppm以下となった。この間の水洗
水は600m3 である。その後、ヒドラジンを追加し、
500ppmとし、防錆処理を行った。酸洗浄から防錆
処理液のブロー迄の工程での使用水量は以下のとおりで
あった。
【0029】 このように、洗浄保有水量は230m3 と250m3
違い有るが、ほぼ同じ型(貫流ボイラ)の規模のボイラ
の化学洗浄において、本発明を用いた場合の使用水の節
約は約700m3 におよび、実に保有水の約3倍量の水
の節約が達成できた。
【0030】
【発明の効果】一時的に1,500m3 を越える排水を
短時間(1日間)に排出するボイラなどの化学洗浄で
は、水洗水を節約することは、それだけの水を準備し、
且つ排水となるこの水を受入れる準備が必要となるが、
本発明では700m3 もの水が節約でき、この点でも大
きな効果を生み、資源となった水の不足時などの場合
は、特に利点が大きい。従来の注水で行なう方法、つま
りポンプ3を稼働して、バルブ8から注水して、バルブ
7からその相当分を排出することで循環水を浄化してい
く方法(循環水洗)では、この水の量が押し出し水の外
に上述のように2容量程度にもなる。本発明では、稀薄
な水洗水を浄化することによって、十分に水洗が実施可
能な水質として用いており、系内に酸液やスラッジなど
が残留することを防止でき、排水量は従来の約2分の1
程度まで削減することが可能になるものである。また、
スラッジに起因する水質の悪化を排除することができ、
プラント全体の起動にかかわる水洗浄やクリンアップで
の水洗浄の時間の短縮に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化学洗浄方法を実施するための系統
図。
【図2】本発明の他の化学洗浄方法を実施するための系
統図。
【図3】図2の浄化装置のラインの部分拡大図。
【図4】従来の化学洗浄装置の一例を示す系統図。
【図5】従来の化学洗浄装置の他の例を示す系統図。
【図6】本発明方法による洗浄時間とSSとの関係を示
すグラフ。
【図7】従来方法による洗浄時間とSSとの関係を示す
グラフ。
【図8】他の従来方法による洗浄時間とSSとの関係を
示すグラフ。
【図9】循環浄化水の経時変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1:被洗浄物、2:仮設循環配管、3:循環ポンプ、
4:浄化装置、5〜10、16:バルブ、11:浄化系
配管、12:排水槽、13:ろ過体、14a、14b:
イオン交換体、15:計器、17:サイクロン、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 503 C02F 9/00 503Z 504 504B F22B 37/52 F22B 37/52 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬液洗浄と水洗浄を組合せたプラントの
    化学洗浄方法において、該プラントに循環洗浄が可能な
    洗浄液循環系路を設け、該系路の洗浄液を浄化して循環
    使用することを特徴とするプラントの化学洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記浄化は、ろ過、イオン交換処理又は
    吸着処理の一種以上を組合せて行うことを特徴とする請
    求項1記載のプラントの化学洗浄方法。
  3. 【請求項3】 薬液洗浄と水洗浄を組合せたプラントの
    化学洗浄装置において、該プラントに循環洗浄が可能な
    洗浄液循環系路を設けると共に、該系路にろ過体、イオ
    ン交換体又は吸着体の一種以上で構成される洗浄液の浄
    化装置を設けたことを特徴とするプラントの化学洗浄装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ろ過体が、メンブレンフィルターで
    あってプリーツ型又は中空糸型のフィルター等の被ろ過
    面積の大きな構造体であることを特徴とする請求項3記
    載のプラントの化学洗浄装置。
JP19270196A 1995-07-04 1996-07-04 プラントの化学洗浄方法と装置 Expired - Lifetime JP3202605B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19270196A JP3202605B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-04 プラントの化学洗浄方法と装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18975595 1995-07-04
JP7-189755 1995-07-04
JP19270196A JP3202605B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-04 プラントの化学洗浄方法と装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09118993A true JPH09118993A (ja) 1997-05-06
JP3202605B2 JP3202605B2 (ja) 2001-08-27

Family

ID=26505670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19270196A Expired - Lifetime JP3202605B2 (ja) 1995-07-04 1996-07-04 プラントの化学洗浄方法と装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3202605B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000210681A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 United States Enrichment Corp 洗浄液からの金属の除去方法
JP2001170590A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 炭化水素油処理装置の洗浄方法
US6283133B1 (en) 1997-08-18 2001-09-04 Jgc Corporation Method for cleaning heavy hydrocarbon scale adhered to heat exchanger and piping structure for cleaning
JP2012024735A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Kurita Engineering Co Ltd 酸素処理適用ボイラの洗浄方法及び装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6283133B1 (en) 1997-08-18 2001-09-04 Jgc Corporation Method for cleaning heavy hydrocarbon scale adhered to heat exchanger and piping structure for cleaning
JP2000210681A (ja) * 1999-01-21 2000-08-02 United States Enrichment Corp 洗浄液からの金属の除去方法
JP2001170590A (ja) * 1999-12-16 2001-06-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 炭化水素油処理装置の洗浄方法
JP2012024735A (ja) * 2010-07-27 2012-02-09 Kurita Engineering Co Ltd 酸素処理適用ボイラの洗浄方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3202605B2 (ja) 2001-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN206081820U (zh) 一种反冲洗过滤装置
JP4241684B2 (ja) 膜モジュールの洗浄方法
CN103055704A (zh) 一种中水回用中浸没式超滤膜性能再生方法
JP3735883B2 (ja) 膜分離装置及び膜モジュールの洗浄方法
CN102249372A (zh) 一种浸没式超滤方法、装置及纯水的制备系统
JP3202605B2 (ja) プラントの化学洗浄方法と装置
CN108854560A (zh) 一种ro膜清洗剂
JP2004057883A (ja) 外圧型中空糸膜モジュールを用いた浄水製造方法及びその装置
JP2000317413A (ja) 超純水製造システムの洗浄方法
JP2002252945A (ja) 固定子水冷系の配管堆積物の除去方法
CN209161652U (zh) 一种水循环过滤系统
JPH09308881A (ja) 復水脱塩装置の洗浄方法
JP3509846B2 (ja) 発電所ヒータードレン水の処理方法
CN220003240U (zh) 一种不锈钢酸洗废酸净化系统
CN217838619U (zh) 一种带自清洁功能的净水设备
CN216998051U (zh) 一种具有自动清洗功能的旁流水处理器
CN217391772U (zh) 一种机械自动化反冲洗污水处理装置
CN212799912U (zh) 一种废水深度处理系统
JP2010022902A (ja) 磁気フィルター装置の洗浄方法
JPH03154642A (ja) イオン交換樹脂の再生方法
JP2685897B2 (ja) セラミックフィルタの運転方法および装置
JPH02227104A (ja) セラミックフィルターの洗浄方法
CN205730905U (zh) 防堵塞纳滤净水系统
JP6985692B2 (ja) 化学洗浄方法及び粒子捕集装置
JPH0128804Y2 (ja)