JP2001170590A - 炭化水素油処理装置の洗浄方法 - Google Patents

炭化水素油処理装置の洗浄方法

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JP2001170590A
JP2001170590A JP35796799A JP35796799A JP2001170590A JP 2001170590 A JP2001170590 A JP 2001170590A JP 35796799 A JP35796799 A JP 35796799A JP 35796799 A JP35796799 A JP 35796799A JP 2001170590 A JP2001170590 A JP 2001170590A
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cleaning
oil
surfactant
equipment
hydrocarbon
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Yoshihiro Mihashi
義弘 三橋
Yuji Noguchi
裕司 野口
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Softard Industries Co Ltd
Idemitsu Kosan Co Ltd
Idemitsu Engineering Co Ltd
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Softard Industries Co Ltd
Idemitsu Kosan Co Ltd
Idemitsu Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化水素油処理装置における各機器内のスラ
ッジを、簡単な操作で、かつ安全、 無公害であると共
に、低コストで効果的に洗浄除去する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 石油精製プロセスで得られる沸点150
〜480℃の軽質油留分からなる洗浄油を洗浄すべき機
器内に導入すると共に、 循環させながら、 その一部を系
外へ抜き出し、 洗浄油の累積導入量が機器の内容積の
1.5倍以上に達した時点で、界面活性剤を機器内へ導
入してスラッジを洗浄除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭化水素油処理装置
の洗浄方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、石
油,コール油,石炭乾留油,石炭液化油などの炭化水素
油を処理する装置,例えば石油精製装置などにおける各
機器内のスラッジ及び固形物 (以下の記載では、特に区
別して記載しない限り、固形分を含めスラッジと総称す
る。)を、洗浄油と界面活性剤とを含む洗浄液を用い
て、簡単に、かつ安全に、無公害であると共に、低コス
トで効果的に洗浄除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、石油精製プロセスにおいては、例
えば常圧蒸留,減圧蒸留,水素化脱硫,接触分解,接触
改質,異性化など、種々のプロセスが採用されており、
各石油系原料油は加熱,冷却,分解,分離などの処理が
繰り返し施され、各種石油製品に誘導されている。ま
た、石炭乾留油や石炭液化油などの石炭系原料油も単独
か又は石油系原料油と混合されて同様の処理がなされて
いる。一方、石油化学プロセス,例えばナフサクラッキ
ングやエチレンプラントなどにおいても、原料から製品
が作られるまでに、加熱,蒸留,冷却などの種々の処理
が施されている。このような石油精製または石油化学プ
ロセスにおいては、プロセス流体は、例えば予熱熱交換
器,リボイラーなどで加熱される際、熱変性を受けてス
ラッジが生成し、これが予熱熱交換器やリボイラーなど
の伝熱面,あるいは塔や槽内、配管などに付着して汚れ
が生じるのを免れない。
【0003】このように、石油,コール油,石炭乾留
油,石炭液化油などの炭化水素油を処理する装置におい
ては、運転時間の経過に伴い、様々な機器内にスラッジ
が堆積し、種々のトラブル,例えば(1)プロセスライ
ンの流量低下により、生産量が低減する、(2)流量調
整,伝熱調整などの余分の運転操作が必要となる、
(3)プロセス流体相互の熱交換が不充分になり、受熱
側ラインでは加熱炉燃費が増大し、冷却側では冷却水系
の負荷が増大する、などのトラブルをもたらす。このた
め、各種汚れ防止剤が開発され、実用化されているが、
この汚れ防止剤は、スラッジの生成をある程度抑制しう
るものの、完全には防止することができないため、運転
時間の経過に伴い、各機器内にスラッジが堆積するのを
避けられない。したがって、定期的に、各機器内に堆積
するスラッジを除去することが必要である。従来、石油
精製装置などにおける各機器内に堆積したスラッジを除
去する方法としては、一般にスチーム洗浄法が用いられ
てきた。しかしながら、このスチーム洗浄法において
は、スチームの費用が大きい、操作が煩雑である、可燃
性ガスや有毒ガスが大気中に逸散して環境汚染をもたら
す、洗浄効果が低い、などの欠点があった。このような
欠点を改良したスラッジの除去方法として、近年、軽質
油などの洗浄油と界面活性剤との混合物からなる洗浄液
を用いて、スラッジを除去するケミカル洗浄法が開発さ
れ、実用化されている。このケミカル洗浄法は、操作が
簡単である。安全で、かつ環境汚染をもたらさない、洗
浄コストが低い、などの長所を有している。しかしなが
ら、洗浄効果については、必ずしも充分に満足しうると
はいえず、このケミカル洗浄法における洗浄効果の向上
が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、炭化水素油処理装置における各機器内のスラ
ッジを、簡単な操作で、かつ安全,無公害であると共
に、低コストで効果的に洗浄除去する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、軽質油などの
洗浄油と界面活性剤とを含む洗浄液を使用して、各機器
内のスラッジを洗浄除去する炭化水素油処理装置の洗浄
方法において、まず、当該機器内に洗浄油を導入し、循
環させながら、一部を系外へ抜き出し、累積導入量が所
定量に達して、機器内の残存油が実質上完全に洗浄油で
置換された時点で、界面活性剤を当該機器内へ所定の濃
度になるように導入することにより、その目的を達成し
うることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。すなわち、本発明は、炭化水素油
処理装置における機器内のスラッジを、洗浄油と界面活
性剤とを含む洗浄液を用いて洗浄除去するに際し、洗浄
油を上記機器内に導入すると共に、循環させながら、そ
の一部を系外へ抜き出し、機器内の残存油が実質上完全
に洗浄油に置換された時点、通常は洗浄油の全供給量が
当該機器内容積の1.5倍以上に達した時点で、界面活
性剤を洗浄液中の濃度が1〜200g/リットルとなる
ように、当該機器内へ導入することを特徴とする炭化水
素油処理装置の洗浄方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の洗浄方法が適用される炭
化水素油処理装置としては、例えば石油,コール油,石
炭乾留油,石炭液化油などの炭化水素油を処理する装
置、具体的には石油精製装置,石炭系原料油精製装置,
さらにはナフサクラッキングやエチレンプラントなどの
石油化学装置などが挙げられる。また、これらの装置に
おいて、本発明の洗浄方法が適用される機器としては、
スラッジが堆積されている機器であればよく、特に制限
されず、いかなる機器であってもよい。例えば石油精製
装置においては、(1)原油中の塩化ナトリウムを始
め、塩化マグネシウム,塩化カルシウムなどの塩化物を
除去するための脱塩槽(デソルター),(2)原油や重
質油のアスファルテンの沈積により、スラッジが堆積す
る原油常圧蒸留系の原油予熱器,加熱炉,常圧残油ライ
ン,減圧蒸留系の予熱器ライン及び加熱炉,減圧残油ラ
イン,FCC(流動接触分解装置)系の予熱器ライン,
(3)溶存酸素に起因するポリマーの生成によりスラッ
ジが堆積する、各蒸留塔における冷却器や還流槽、さら
にはナフサ,灯軽油処理装置などにおける各受槽や、水
素化脱硫プラントやFCC系の予熱器及び加熱炉,
(4)無機質系スラッジが堆積する排水ストリッパー
系,(5)異種油を混合する際の不適合性(インコパテ
ィビリティ)によるスラッジが析出する異種油混合槽、
などに本発明の方法を適用することができる。これらの
機器の中で、塔や槽型のもの、特に上記(1)の脱塩槽
に対し、本発明の方法を適用すると、優れたスラッジ除
去効果を発揮することができる。この脱塩槽には、例え
ば化学的脱塩槽,ペトレコ電気脱塩槽,ハウ・ベーカー
電気脱塩槽などがあり、いずれも本発明の方法を好適に
適用することができる。
【0007】本発明の方法においては、洗浄液として、
洗浄油と界面活性剤とを含むものが用いられる。ここ
で、洗浄油としては、石油精製プロセスで得られる沸点
が150〜480℃程度の軽質油、例えば灯油,直流軽
油,減圧軽油及び分解軽油の中から選ばれる一種又は二
種以上の混合油を用いることができる。一方、界面活性
剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤及び両イオン系界面活性剤
の何れもが使用でき、それらを1種又は2種以上の組み
合わせで使用する。
【0008】ここで、陰イオン性界面活性剤としては、
特に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを
適宜選択して用いることができる。この陰イオン性界面
活性剤としては、通常の石ケン,スルホネート系,サル
フェート系,ホスフェート系などのものが使用される。
ここで、石ケンとしては、例えば飽和あるいは不飽和
(C6 〜C30) 脂肪酸塩が挙げられる。スルホネート系
陰イオン性界面活性剤としては、例えば直鎖又は分岐鎖
アルキル(C8 〜C22)ベンゼンスルホン酸塩,長鎖ア
ルキル(C8 〜C22)スルホン酸塩,長鎖オレフィン
(C8 〜C22)スルホン酸塩などが挙げられる。またサ
ルフェート系陰イオン性界面活性剤としては、例えば長
鎖モノアルキル(C8 〜C22)硫酸エステル塩,ポリオ
キシエチレン(1〜6モル)長鎖エステル(C8
22)エーテル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレン
(1〜6モル)アルキル(C8 〜C18)フェニルエーテ
ル硫酸エステル塩などが挙げられ、また、ホスフェート
系陰イオン性界面活性剤としては、例えば、長鎖モノア
ルキル,ジアルキル又はセスキアルキル(各アルキル基
の炭素数は8〜22である)リン酸塩,ポリオキシエチ
レン(1〜6モル)モノアルキル,ジアルキル又はセス
キアルキル(各アルキル基の炭素数は8〜22である)
リン酸塩などが挙げられる。これらの陰イオン性界面活
性剤の対イオンとしての陽イオンは、例えばナトリウ
ム,カリウム,マグネシウムなどのアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属のイオン,モノエタノールアミン,ジエ
タノールアミン,トリエタノールアミンなどのアルカノ
ールアミンイオンなどである。
【0009】また、陽イオン性界面活性剤としては、特
に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを適
宜選択して用いることができる。この陽イオン性界面活
性剤としては、例えば長鎖モノ,ジアルキル四級アンモ
ニウム塩,長鎖モノ,ジ,トリアルキルアミン塩,ベン
ザルコニウム塩などが挙げられる。一方、非イオン性界
面活性剤としては、特に制限はなく、従来公知のものの
中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
この非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシ
エチレン(1〜20モル)長鎖アルキル(第一級又は第
二級C8 〜C22)エーテル,ポリオキシエチレン(1〜
20モル)アルキル(C8 〜C18)フェニルエーテル,
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポ
リマーなどのオキシアルキレン付加化合物,高級脂肪酸
アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加
物,長鎖型第三級アミンオキシド(C12〜C14),ポリ
エチレングリコール脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸
エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが
挙げられる。両イオン性界面活性剤としては、特に制限
はなく、従来公知のものの中から任意のものを適宜選択
して用いることができる。この両イオン性界面活性剤と
しては、例えばカルボキシベタイン、スルフォベタイ
ン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体を、各々
挙げることが出来る。
【0010】本発明においては、洗浄液中の界面活性剤
の濃度は、通常1〜200g/リットルの範囲で選定さ
れる。この濃度が1g/リットル未満ではスラッジ除去
効果が不充分であり、また、200g/リットルを超え
ると、その濃度の割りには効果の向上はあまり認められ
ず、むしろ経済的に不利となる。特に洗浄油として、分
解軽油を用いる場合には、洗浄液中の界面活性剤の濃度
としては、スラッジ除去効果の面から、5g/リットル
以上であるのが適当であり、経済性も考慮すると、10
〜30g/リットル、特に12〜18g/リットルの範
囲が好ましい。また、洗浄油として直留軽油を用いる場
合には、洗浄液中の界面活性剤の濃度としては、スラッ
ジ除去効果の面から、10g/リットル以上であるのが
適当であり、経済性も考慮すると、20〜40g/リッ
トル、特に27〜33g/リットルの範囲が好ましい。
本発明においては、スラッジ除去効果を向上させる目的
で、所望により、該洗浄液に、テルペン炭化水素やテル
ペンアルコール(以下、テルペン系油と称す。)を含有
させることができる。ここで、テルペン炭化水素の例と
しては、d−リモネン,水添リモネン,ピネン,ミルセ
ン,テルピネン,カンフェン,トリシクレン,ターピノ
ーレン,などが挙げられ、テルペンアルコールの例とし
ては、リナロール,ミルセノール,メントール,ゲラニ
オール,ターピネオール,ボルネオール,水添ターピネ
オールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの
中で、特にd−リモネン、及び水添リモネンなどのd−
リモネン誘導体が好適である。
【0011】この所望により用いられるテルペン系油の
洗浄液中の濃度は1.0〜30容量%の範囲が好まし
い。この濃度が1.0容量%未満ではスラッジ除去性能
の向上効果が充分に発揮されず、また30容量%を超え
ると濃度の割りには効果の向上があまり認められず、む
しろ経済的に不利となる。スラッジ除去性能の向上効果
及び経済性等を考慮すると、より好ましい濃度は5〜2
0容量%の範囲である。また、この洗浄液には、本発明
の目的が損なわれない範囲で、所望により、前記の界面
活性剤及びテルペン系油以外に、従来スラッジ除去にお
けるケミカル洗浄において慣用されている公知の各種成
分を、適宜含有させることができる。本発明の方法にお
いては、まず、洗浄すべきスラッジが堆積した機器内に
洗浄油を導入すると共に、循環させながら、その一部を
系外へ抜き出し、上記機器内の残存油を実質上完全に洗
浄油で置換する。この際、洗浄油は洗浄油循環ポンプを
利用して機器内に導入することができる。機器内の残存
油が、実質上完全に洗浄油で置換されていることは、例
えば機器内における3ヶ所以上の洗浄油の比重が同等
で、時間変化がないことにより確認するが、通常は洗浄
油の累積導入量が当該機器内容積の1.5倍以上となっ
た時点で達せられる。洗浄油の累積導入量が1.5倍未
満では洗浄油による残存油の置換が不充分となり、洗浄
効果が低下する。一方、3.0倍を超えるとその量の割
りには効果の向上が認められず、むしろ経済的に不利と
なる。洗浄効果及び経済性などを考慮すると、洗浄油の
累積導入量は、当該機器内容積の1.8〜2.5倍の範
囲とするのが好ましい。
【0012】上記操作において、洗浄油の循環速度及び
循環量に対する洗浄油の抜き出し量の割合などの条件に
ついては、特に制限はないが、操作上、後述の洗浄処理
操作における条件を、そのまま適用するのが有利であ
る。このようにして、洗浄油の累積導入量が機器内容積
の1.5倍以上となり、機器内の残存油が実質上完全に
洗浄油で置換された時点で、界面活性剤を機器内に導入
する。この場合、界面活性剤は、洗浄油循環ポンプの吸
込み側、吐出側の何れかからでも導入できるが、吸込み
側に導入する方が、ポンプ内で界面活性剤と洗浄油とが
均一に混合され、洗浄効果が向上するので好ましい。ま
た、所望により、テルペン系油を洗浄液に含有させる場
合には、該テルペン系油は、予め洗浄油中に混入させて
いてもよく、また、界面活性剤と共に、該機器内に導入
してもよい。
【0013】本発明の方法においては、洗浄温度は、使
用する洗浄油の沸点などに左右されるが、通常100〜
220℃、好ましくは120〜180℃の範囲で選定さ
れる。また、圧力は、好ましくは0.2〜0.005M
Pa、より好ましくは0.1〜0.01MPaの範囲で
選定される。さらに、系外への洗浄液の抜き出し量は、
機器から排出される洗浄液100容量部に対し、通常1
〜10容量部、好ましくは3〜7容量部の範囲で選定さ
れる。この洗浄液の抜き出しは間欠的に行ってもよく、
連続的に行ってもよい。この際、上記抜き出し洗浄液中
に含まれる洗浄油、界面活性剤及び所望により加えられ
たテルペン系油や他の添加成分それぞれの量に相当する
量の各洗浄液成分が、補充されて当該機器内に供給され
ることはもちろんのことである。洗浄液の循環速度につ
いては特に制限はないが、1時間当りの循環量として、
通常、当該機器内容積の0.3〜1.5容量倍、好まし
くは0.5〜1.0容量倍の範囲で選定される。また、
洗浄終了までの累積導入量(系内に導入する新しい洗浄
液としての累積量)についても特に制限はないが、当該
機器内容積の1〜3容量倍、好ましくは1.5〜2.5
容量倍の範囲で選定される。また、洗浄を連続的に行う
場合には、スラッジと接する洗浄液の延べ通油量は、対
象とする機器の容積の3.6〜36倍が適当であり、6
〜24倍の範囲が好ましい。さらに洗浄時間は、12〜
48時間が好ましい。延べ通油量が対象とする機器の容
積の3.6倍未満であったり、洗浄時間が12時間未満
では、スラッジ除去性能の向上効果が十分に発揮され
ず、また延べ延べ通油量が対象とする機器の容積の36
倍を超えたり、洗浄時間が48時間を超えた場合には、
それに見合う効果の向上がみられず、むしろ経済的には
不利となる。本発明においては、この洗浄処理を不活性
ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとして
は、例えば窒素,二酸化炭素,アルゴン,ヘリウムなど
を用いることができるが、経済性の面から、窒素及び二
酸化炭素が好ましい。
【0014】次に、添付図面に従って本発明の方法を説
明する。図1は、本発明の炭化水素油処理装置の洗浄方
法を説明するための一例の工程概略図であって、まず、
スラッジが堆積している機器1内に、洗浄油Aを循環ポ
ンプ2を介して導入すると共に、該洗浄油を循環ポンプ
2により、循環ライン3を通して循環させながら、その
一部Cを抜き出しライン4より系外へ抜き出す。洗浄油
Aの累積導入量が、機器1の内容積の1.5倍以上、好
ましくは1.5〜3.0倍に達して、機器1内の残存油
が実質上完全に洗浄油に置換された時点で、界面活性剤
Bを、洗浄液中の濃度が所定の範囲になるように、循環
ポンプ2の吸込み側に導入し、洗浄液の一部C’を抜き
出しライン4より、系外に抜き出しながら、機器1の洗
浄を行う。機器1内で気液分離されたガスは、ガス抜き
出しライン5より、排ガスDとして系外へ排出される。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0016】実施例1 原油常圧蒸留装置内の内容積120klの脱塩槽(デソ
ルター)内に堆積するスラッジの洗浄除去処理を行っ
た。まず、脱塩槽内に洗浄油(分解軽油)を72kl/
hの速度で連続的に導入開始すると共に、脱塩槽から排
出される洗浄油の5%を系外へ抜き出し、相当する量の
新洗浄油を加えて循環した。洗浄油の累積導入量が24
0kl(脱塩槽内容積の2.0倍)に達し、脱塩槽内の
残存油が実質上完全に洗浄油で置換されていることを確
認後、界面活性剤のポリオキシエチレン二級アルコール
及びd−リモネンの混合物を、洗浄液(洗浄油と界面活
性剤とd−リモネンの合計)中の濃度が、それぞれ15
g/ リットル及び10.0容量%になるように、循環ポ
ンプの吸込み側に連続的に導入を開始した。洗浄温度1
50℃、圧力0.05MPaの条件で気液分離し、ガス
を系外へ排出しながら、24時間洗浄処理を行った結
果、脱塩槽中のスラッジ除去率は94%であり、また、
脱塩槽の気相部の可燃性ガス及び有毒ガス分は23重量
ppmであった。
【0017】比較例1 洗浄油の累積導入量が120kl(脱塩槽内溶液の1.0
倍)に達したが脱塩槽内の残存油と洗浄油との置換がま
だ不完全な時点で、界面活性剤及びd−リモネンの混合
物の導入を開始した以外は、実施例1と同様にして洗浄
処理を行った。その結果、脱塩槽内スラッジ除去率は8
8%で、実施例1よりも劣り、また脱塩槽の気相部の可
燃性ガス及び有毒ガス分は530重量ppmで、実施例
1に比べて多かった。
【0018】実施例2 洗浄油の累積導入量が420kl(脱塩槽内容積の3.5
倍)に達し、脱塩槽内の残存油が実質上完全に洗浄油で
置換されていることを確認した後に界面活性剤及びd−
リモネンの混合物の導入を開始した以外は、実施例1と
同様にして洗浄処理を行った。その結果、脱塩槽内スラ
ッジ除去率は94%で、実施例1と同じであり、また脱
塩槽の気相部の可燃性ガス及び有毒ガス分は22重量p
pmで、実施例1とほとんど変わらなかった。しかし、
この実施例2の方法は、実施例1の方法に比べてコスト
が高くつくという欠点を有している。
【0019】比較例2 界面活性剤及びd−リモネンの混合物を、洗浄油の導入
開始と同時に循環ポンプの吸込み側に導入開始した以外
は、実施例1と同様にして洗浄処理を行った。その結
果、脱塩槽内スラッジ除去率は90%で、実施例1より
も劣り、また脱塩槽の気相部の可燃性ガス及び有毒ガス
分は425重量ppmで、実施例1に比べて多かった。
【0020】実施例3 界面活性剤の導入位置を、循環ポンプの吐出側とした以
外は、実施例1と同様にして洗浄処理を行った。その結
果、脱塩槽内スラッジ除去率は91%であり、脱塩槽の
気相部の可燃性ガス及び有毒ガス分は397重量ppm
であった。
【0021】実施例4 洗浄油を直留軽油とし、界面活性剤及びd−リモネンの
導入量を洗浄液(洗浄油と界面活性剤とd−リモネンの
合計)中の濃度として各々、30g/ リットル及び1
0.0容量%になるようにした以外は、実施例1と同様
にして洗浄処理を行った。その結果、脱塩槽内スラッジ
除去率は90%であり、脱塩槽の気相部の可燃性ガス及
び有毒ガス分は51重量ppmであった。
【0022】実施例、比較例及び参考例の操作条件及び
結果は、第1表に整理して記載したが、本発明の効果が
極めて大きいことは明かである。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】本発明の方法によれば、石油,コール
油,石炭乾留油,石炭液化油などの炭化水素油を処理す
る装置、例えば石油精製装置などにおける各機器内のス
ラッジを、簡単に、かつ安全、無公害であると共に、低
コストで効果的に洗浄除去することができる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭化水素油処理装置の洗浄方法を説明
するための一例の工程概略図である。 [符号の説明] 1.スラッジが堆積している機器 2.循環ポンプ 3.循環ライン 4.抜き出しライン 5.ガス抜き出しライン A.洗浄油 B.界面活性剤 C.抜き出し洗浄油 C’.抜き出し洗浄液 D.排ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野口 裕司 千葉県市原市姉崎海岸2番地1 Fターム(参考) 3B116 AA33 AB51 BB03 3B201 AA33 AB51 BB05 BB92 BB95 4H003 AC09 BA12 DA12 DB01 ED03 ED04 ED28 FA03 4H029 AE04 AE07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素油処理装置における機器内のス
    ラッジ及び固形分を洗浄油と界面活性剤とを含む洗浄液
    を使用して溶解除去するに際し、洗浄油を機器内に導入
    すると共に、循環させながら、その一部を系外へ抜き出
    し、洗浄油の累積導入量が機器の内容積の1.5倍以上
    に達した時点で、界面活性剤を機器内へ導入することを
    特徴とする炭化水素油処理装置の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素油処理装置における機器が、脱
    塩槽、還流槽、被精製液の受槽、加熱炉、冷却器及び熱
    交換器から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載
    の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 洗浄油の累積導入量が機器の内容積の
    1.5〜3.0倍に達した時点で、界面活性剤を機器内
    へ導入する請求項1記載の炭化水素油処理装置の洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤を洗浄油循環ポンプの吸込み
    側に導入することにより機器内に導入する請求項1記載
    の炭化水素油処理装置の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 洗浄油が、石油精製プロセスで得られる
    沸点150〜480℃の軽質油留分である請求項1記載
    の洗浄方法。
  6. 【請求項6】 洗浄油が、石油精製プロセスで得られる
    灯油、直留軽油、減圧軽油及び分解軽油から選ばれる少
    なくとも一種である請求項5記載の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 界面活性剤を洗浄液中の濃度が1〜20
    0g/リットルとなるよう供給する請求項1記載の炭化
    水素油処理装置の洗浄方法。
  8. 【請求項8】 洗浄液が、テルペン炭化水素及びテルペ
    ンアルコールの中から選ばれる少なくとも一種1.0〜
    30容量%を含むものである請求項1記載の炭化水素油
    処理装置の洗浄方法。
  9. 【請求項9】 洗浄液が、d−リモネン及び/又はその
    誘導体を含むものである請求項8記載の炭化水素油処理
    装置の洗浄方法。
  10. 【請求項10】 洗浄液の機器内への導入・機器内から
    の排出を連続的又は間欠的に行い、且つ排出洗浄液10
    0容量部中の1〜10容量部を系外に抜き出すと共に同
    量の新洗浄液を補充して機器内に導入する請求項1〜8
    のいずれかに記載の洗浄方法。
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