JP2003219676A - モータ駆動装置および洗濯機 - Google Patents

モータ駆動装置および洗濯機

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久 萩原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インバータ回路によりモータを駆動するモー
タ駆動装置において、複数の回転検出手段によりモータ
の回転状態を検出し、一方の回転検出手段に異常が生じ
た場合においても他方にて回転を検出して、モータ駆動
時における安全性と信頼性を向上する。 【解決手段】 交流電源1に接続した整流回路2の直流
電力をインバータ回路3により交流電力に変換してモー
タ4を駆動し、ロータ位置検出手段5によりモータのロ
ータ位置を検出し、逆起電力検出手段7によりロータの
回転を検出し、制御手段6によりインバータ回路3を制
御する。制御手段6はロータ位置検出手段5と逆起電力
検出手段7によりモータ4の駆動を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータ回路に
よりモータを駆動するモータ駆動装置および洗濯機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、洗濯機のモータをインバータ回路
により駆動してモータ性能を向上させ、かつ、インバー
タ回路によりモータを制動運転するものが提案されてい
る。
【0003】従来、この種の洗濯機は、特開平11−2
75889号公報に示すように構成していた。すなわ
ち、ブラシレスモータにより洗濯槽の下部の撹拌翼、あ
るいは脱水槽を駆動し、モータの位置検出手段によりロ
ータ位置を検出してモータへの印加電圧と位相指令を制
御することにより脱水ブレーキを制御するようにしてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構成では、脱水ブレーキ中にロータ位置検出手段が
故障した場合、ブレーキ制御不可能となり慣性により脱
水槽が停止しないので不安全となる課題があった。
【0005】本発明は上記従来課題を解決するもので、
複数の回転検出手段によりモータの回転状態を検出し、
一方の回転検出手段に異常が生じた場合においても他方
にて回転を検出して、モータ駆動時における安全性と信
頼性を向上したモータ駆動装置を提供することを第1の
目的としている。
【0006】また、複数の回転検出手段によりモータの
回転状態を検出することで、洗濯兼脱水槽を開閉自在に
覆う蓋をロック状態とし、信頼性と安全性を向上した洗
濯機を提供することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記第1の目的
を達成するために、交流電源に接続した整流回路の直流
電力をインバータ回路により交流電力に変換してモータ
を駆動し、ロータ位置検出手段によりモータのロータ位
置を検出し、逆起電力検出手段によりロータの回転を検
出し、制御手段によりインバータ回路を制御するよう構
成し、制御手段はロータ位置検出手段と逆起電力検出手
段によりモータの駆動を制御するようにしたモータ駆動
装置である。
【0008】これにより、複数の回転検出手段によりモ
ータの回転状態を検出して制御することができ、一方の
回転検出手段に異常が生じた場合においても他方にて回
転を検出できるので、モータ駆動時における安全性と信
頼性を向上することができ、制動運転時の不安全動作を
防ぐことができるモータ駆動装置を提供することができ
る。
【0009】また、第2の目的を達成するために、交流
電源に接続した整流回路の直流電力をインバータ回路に
より交流電力に変換してモータに加え、モータにより撹
拌翼あるいは洗濯兼脱水槽を駆動し、ロータ位置検出手
段によりモータのロータ位置を検出し、逆起電力検出手
段によりロータの回転を検出し、制御手段によりインバ
ータ回路を制御し、蓋により開閉自在に覆う洗濯兼脱水
槽の回転中に、蓋ロック装置により蓋の開閉を禁止する
よう構成し、ロータ位置検出手段と逆起電力検出手段の
信号により蓋ロック装置をロック状態とするようにした
洗濯機である。
【0010】これにより、複数の回転検出手段によりモ
ータの回転状態を検出することで、洗濯兼脱水槽を開閉
自在に覆う蓋をロック状態とすることができ、信頼性と
安全性を向上した洗濯機を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、交流電源と、前記交流電源に接続した整流回路と、
前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバー
タ回路と、前記インバータ回路により駆動されるモータ
と、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置検出
手段と、前記モータの逆起電力を検出する逆起電力検出
手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段は、前記ロータ位置検出手段と前記逆
起電力検出手段の信号により前記モータの駆動を制御す
るようにしたモータ駆動装置であり、モータの回転数を
ロータ位置検出手段だけではなくモータ逆起電力により
検出することで、複数の回転検出手段によりモータの回
転状態を検出することができるので、一方の回転検出手
段に異常が生じた場合においても他方にて回転を検出で
きるので、モータ駆動時における安全性と信頼性を向上
することができ、制動運転時の不安全動作を防ぐことが
できるモータ駆動装置を提供することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、逆起電力検出手段はモータの端子
電圧より逆起電力を検出するようにしたモータ駆動装置
であり、安価でかつ単純な構成でモータの回転状態を検
出することができ、回転異常検出が容易となり、安全性
と信頼性の高いモータ駆動装置を実現できる。
【0013】請求項3に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、制御手段は、モータ駆動時にロー
タ位置検出手段により回転異常、あるいは回転停止を検
知した場合、逆起電力検出手段の信号よりモータの回転
を検出するようにしたモータ駆動装置であり、逆起電力
検出手段の信号よりモータの回転を検出でき、ロータ位
置検出手段が異常の場合でもモータ回転を検出できるの
で、モータを制動運転して緊急停止でき安全性を高める
ことができる。
【0014】請求項4に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、インバータ回路は3相フルブリッ
ジインバータ回路より構成し、制御手段は、モータ駆動
時にロータ位置検出手段により回転異常、あるいは回転
停止を検知した場合、逆起電力検出手段の信号よりモー
タの回転を検出し、前記逆起電力検出手段の信号よりモ
ータの回転を検出した場合、前記3相フルブリッジイン
バータの下アームまたは上アームトランジスタを同時に
導通させて制動運転させるようにしたモータ駆動装置で
あり、ロータ位置検出手段が異常の場合にはアーム短絡
による制動運転することにより単純で安価な構成により
回転を停止させることができ、信頼性と安全性を高める
ことができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、逆起電力検出手段はモータ電流よ
りモータ逆起電力を検出するようにしたモータ駆動装置
であり、単純な構成でモータ回転状態を検出することが
でき、異常検出が容易となり安全性と信頼性の高いモー
タ駆動装置を実現できる。
【0016】請求項6に記載の発明は、上記請求項5に
記載の発明において、インバータ回路は3相フルブリッ
ジインバータ回路より構成し、前記3相フルブリッジイ
ンバータの下アームまたは上アームトランジスタを同時
に導通させてモータ電流よりモータ逆起電力を検出する
ようにしたモータ駆動装置であり、アーム短絡の短絡制
動運転時に回転を検出できるので、制動運転と回転検知
が同時に可能となり、異常時の信頼性を高めることがで
きる。
【0017】請求項7に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明において、インバータ回路の直流電源電圧の
異常を検出する直流電圧検出手段を備え、制御手段は、
異常電圧を検出した場合、3相フルブリッジインバータ
の下アームまたは上アームトランジスタを同時に導通さ
せてモータ電流よりモータ逆起電力を検出するようにし
たモータ駆動装置であり、脱水運転中にモータ逆起電力
が直流電源に回生して直流電源電圧が異常上昇した場合
には短絡ブレーキにより逆起電力が回生しないようにで
きるので、異常電圧上昇によるインバータ回路の故障を
防ぐことができる。
【0018】請求項8に記載の発明は、交流電源と、前
記交流電源に接続した整流回路と、前記整流回路の直流
電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記イン
バータ回路により駆動され撹拌翼あるいは洗濯兼脱水槽
を駆動するモータと、前記モータのロータ位置を検出す
るロータ位置検出手段と、前記モータの逆起電力を検出
する逆起電力検出手段と、前記インバータ回路を制御す
る制御手段と、洗濯兼脱水槽を開閉自在に覆う蓋と、前
記洗濯兼脱水槽の回転中に前記蓋の開閉を禁止する蓋ロ
ック装置とを備え、前記ロータ位置検出手段と逆起電力
検出手段の信号により前記蓋ロック装置をロック状態と
するようにした洗濯機であり、複数の回転検出手段によ
りモータの回転状態を検出して蓋をロック状態とするこ
とができ、信頼性と安全性を向上した洗濯機を提供する
ことができる。
【0019】請求項9に記載の発明は、上記請求項8に
記載の発明において、制御手段は、モータ駆動時にロー
タ位置検出手段により回転異常、あるいは回転停止を検
知した場合、逆起電力検出手段の信号よりモータの回転
を検出し、モータ回転が停止するまで前記蓋ロック装置
をロック状態とするようにした洗濯機であり、ロータ位
置検出手段に異常が発生した場合でもモータ回転を検出
して蓋をロック状態にできるので、脱水回転中に異常が
発生しても安全性を確保することができる。
【0020】請求項10に記載の発明は、交流電源と、
前記交流電源に接続した整流回路と、前記整流回路の直
流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記イ
ンバータ回路により駆動され撹拌翼あるいは洗濯兼脱水
槽を駆動するモータと、前記インバータ回路により駆動
されるポンプモータと、前記モータまたは前記ポンプモ
ータへのインバータ出力を切り換える切換手段と、前記
モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段と、
前記モータおよび前記ポンプモータの逆起電力を検出す
る逆起電力検出手段と、前記インバータ回路を制御する
制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ロータ位置検
出手段と前記逆起電力検出手段の信号により前記モータ
の駆動を制御するようにした洗濯機であり、1つの逆起
電力検出手段によりモータとポンプモータの回転を検知
することができるので、モータのロータ位置検出手段に
異常が生じた場合でも逆起電力検出手段によりモータの
回転を検出することができ、モータの制動運転が可能と
なり異常時にはモータを緊急停止させることが可能とな
り、信頼性と安全性を高めることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0022】(実施例1)図1に示すように、交流電源
1は、整流回路2に交流電力を加え、整流回路2は整流
器2aとコンデンサ2b、2b’により倍電圧直流電圧
に変換し、直流電力をインバータ回路3に加える。
【0023】インバータ回路3は、6個のパワースイッ
チング半導体と逆並列ダイオードよりなる3相フルブリ
ッジインバータ回路により構成し、通常、絶縁ゲートバ
イポーラトランジスタ(IGBT)と逆並列ダイオード
およびその駆動回路と保護回路を内蔵したインテリジェ
ントパワーモジュール(以下、IPMという)で構成し
ている。インバータ回路3の出力端子にモータ4を接続
している。
【0024】モータ4は直流ブラシレスモータにより構
成し、図2に示すように、回転子40を構成する永久磁
石41と固定子42との相対位置(回転子位置)をロー
タ位置検出手段5により検出する。ロータ位置検出手段
5は、通常、3個のホールICより構成し、電気角60
度ごとの位置を検出する。
【0025】制御手段6は、マイクロコンピュータより
なるインバータ制御回路60と、スイッチング手段駆動
回路61と、過電流検知回路62より構成している。イ
ンバータ制御回路60は、ロータ位置検出手段5からの
信号によりインバータ回路3のIGBTの導通を制御す
るもので、出力電流が正弦波状となるキャリヤ周波数が
15kHz以上のPWM制御によりモータ4に正弦波電
流を流す。
【0026】逆起電力検出手段7は、モータ4の端子電
圧よりモータ誘起電圧を検出してモータの回転を検出す
るもので、その出力信号を制御手段6に加える。シャン
ト抵抗8はインバータ回路3の電流を検出するもので、
インバータ回路電流に対応した電圧信号を過電流検知回
路62に加える。
【0027】給水弁9は、図2に示すように、洗濯兼脱
水槽16の外側に設けた水受け槽18に水道水を供給す
るもので、蓋ロック装置10は、洗濯兼脱水槽16の衣
類投入口を開閉自在に覆う蓋15の開閉を脱水運転中に
禁止するものであり、ソレノイドとレバーより構成して
いる。排水弁11は、水受け槽18内の洗濯水を排水す
るものである。
【0028】クラッチ12は、モータ4のモータ軸43
の出力を、減速機構20を介して、洗濯兼脱水槽16の
内底部に回転自在に設けた撹拌翼17の駆動軸21に接
続するか、あるいは洗濯兼脱水槽16の駆動軸に直結す
るかを切り換えるもので、モータ4により洗濯兼脱水槽
16あるいは撹拌翼17を駆動する。なお、水受け槽1
8はサスペンション19を介して外枠14に弾性的に吊
り下げている。
【0029】スイッチング手段13は、交流電源1のラ
インL1、L2間に接続して印加電圧を制御するもの
で、リレー、あるいは双方向性サイリスタなどで構成
し、給水弁9、蓋ロック装置10、排水弁11、クラッ
チ12をそれぞれ制御するものである。
【0030】インバータ回路3は、図3に示すように構
成しており、U相スイッチングユニット30A、V相ス
イッチングユニット30B、W相スイッチングユニット
30Cより構成している。
【0031】U相スイッチングユニット30Aは、上ア
ームトランジスタ31aと下アームトランジスタ31
a’よりなる一対のトランジスタ(IGBT)と、それ
ぞれのIGBTに逆並列接続された逆並列ダイオード3
2a、32a’と、上アームトランジスタ31aを駆動
する上アーム駆動回路33a、下アームトランジスタ3
1a’を駆動する下アーム駆動回路33a’と、限流抵
抗34a、ブートストラップダイオード35a、ブート
ストラップコンデンサ36aより構成されるブートスト
ラップ回路と、下アーム駆動回路コンデンサ37aより
構成している。V相スイッチングユニット30B、W相
スイッチングユニット30Cも同様の構成なので説明は
省略する。
【0032】上アーム駆動回路33aの入力信号はU
p、下アーム駆動回路33a’の入力信号はUnで、B
3は上アーム駆動回路33aと下アーム駆動回路33
a’の電源で通常15V電源に接続される。下アーム駆
動回路33a’に駆動信号を加えると、下アームトラン
ジスタ31a’が導通し、限流抵抗34a、ブートスト
ラップダイオード35aを介してブートストラップコン
デンサ36aが電源B3より充電される。よって、上ア
ームトランジスタ31aを駆動する場合には、その前に
下アームトランジスタ31a’を駆動してブートストラ
ップコンデンサ36aに充電するブートストラップ動作
の後に、インバータ回路3を動作させモータ4を駆動す
る。
【0033】また、インバータ回路3が停止していた場
合には、ブートストラップコンデンサ36aには充電さ
れていないので、上アーム駆動回路33aは動作できな
いので、上アームトランジスタ31aは導通しない。通
常、上アーム駆動回路33aには電源電圧低下検知回路
が内蔵されており、ブートストラップ電圧が所定値以下
の場合にはIGBTを導通できないようにしている。
【0034】図4は、PWM制御による正弦波駆動の各
部の波形関係を示し、ロータ位置検出手段5の出力信号
H1、H2、H3のエッジ信号は60度ごとに変化し
て、各部状態信号より360度を6分割した角度が判別
できる。信号H1がローからハイとなるハイエッジを基
準電気角0度として示し、モータ4のU相巻線誘起電圧
Ecは、基準信号H1から30度遅れた波形となる。U
相モータ電流Iuとモータ誘起電圧Ecの位相を同じに
すると最大効率が得られる。モータ誘起電圧Ecが最大
となる電気角をq軸と呼び、d軸はロータ磁石の極軸と
ステータの極軸が一直線上となる軸で、q軸はd軸より
90度進んだ電気角となる。
【0035】図4において、U相モータ電流Iuは、U
相巻線誘起電圧Ecよりわずかに進んで、モータ印加電
圧VuはU相巻線誘起電圧Ecより30度進んだ波形を
示す。
【0036】vcはインバータ制御回路60内で生成さ
れる鋸歯状波形のキャリヤ信号で、vuは正弦波状のU
相制御電圧でキャリヤ信号vcとU相制御電圧vuを比
較したPWM信号Upをインバータ制御回路60内で発
生させ、インバータ回路3のU相上アームトランジスタ
の制御信号として加える。ckはキャリヤ信号vcの同
期信号で、キャリヤカウンタがカウントアップしてオー
バーフローしたときの割込信号である。
【0037】ロータ位置検出手段5の出力信号H1がロ
ーからハイに変化する時点を基準電気角0度としてロー
タ位置検出手段5の出力信号H1、H2、H3より30
度、90度、150度等の電気角を検知し、60度毎以
外は回転周期より電気角θを推定する。
【0038】モータ4を高速回転させるために誘起電圧
位相よりもモータ電流位相を進める、いわゆる進角制御
を行うので、モータ誘起電圧が高くなっても高速回転駆
動可能となるが、モータ誘起電圧は非常に高くなり、場
合によってはモータ逆起電力が直流電源側に回生して異
常電圧上昇する可能性がある。
【0039】図5は、制動運転時の各部波形を示し、誘
起電圧Ecに対して逆位相の電流を流すことによりモー
タ4にブレーキをかけるタイミングチャートを示す。正
弦波駆動の場合には、モータ電流と誘起電圧との位相を
制御することによりトルクを制御することができるの
で、トルクリップルを減らして振動を減らせるだけでは
なく、トルク制御でも方形波駆動に比べて有利である。
【0040】電流位相を制御するブレーキ方式において
は、ロータ位置検出手段5が正常に動作すれば問題ない
が、ロータ位置検出手段5が故障した場合には制動運転
不可能となる課題がある。
【0041】また、モータ電流Iとモータ印加電圧Vの
位相φが90度以上になると、P=IVcosφにおい
てcosφが負となり、インバータ回路からの電力Pが
負となりモータ側からインバータ回路側に電力回生が生
じ、インバータ回路直流電源電圧の異常電圧上昇が起こ
る。
【0042】上記構成において図6を参照しながら脱水
行程の動作を説明する。ステップ100より脱水行程が
開始し、ステップ101にて蓋ロック装置10を駆動し
て蓋15が脱水行程中には開かないようにする。つぎ
に、ステップ102に進んでロータ位置検出手段5の位
置センサ信号を入力し、ステップ103に進んでロータ
位置信号がすべてハイまたはローの場合には異常判定
し、ステップ104に進んで後ほど詳細に述べる異常処
理サブルーチンを実行する。
【0043】位置センサ信号が正常ならば、ステップ1
05に進んで回転数検出を行い、つぎに、ステップ10
6に進んで正弦波駆動による回転数制御を行う。つぎ
に、ステップ107にて脱水終了かどうか判定し、終了
でなければステップ102に戻り、脱水終了ならば制動
運転に移行し、ステップ108に進んで位置センサ信号
を入力し、ステップ109に進みステップ103と同じ
く位置センサ信号の異常判定を行う。
【0044】ステップ109にて位置センサ信号が異常
ならばステップ110に進んでステップ104と同じく
位置センサ異常処理サブルーチンを実行する。異常がな
ければステップ111に進んで回転数検出を行い、つぎ
に、ステップ112に進んで図5で説明したブレーキ動
作を行う。
【0045】つぎに、ステップ113に進んでモータ回
転数がほぼ零になったかどうか判定し、零でなければ制
動運転を続行し、零になればステップ114に進んでイ
ンバータ回路3の駆動を停止させる。つぎに、ステップ
115に進んでモータ逆起電力を検出し、ステップ11
6にて逆起電力を検出すればステップ117に進んで位
置センサ異常処理サブルーチンを実行する。逆起電力が
発生しなければモータは回転停止したものと判断して蓋
ロックを解除し、ステップ119に進んで脱水行程を終
了する。
【0046】つぎに、位置センサ異常処理サブルーチン
について、図7を参照しながら説明する。ステップ20
0よりサブルーチンが開始し、ステップ201にてイン
バータ回路3の駆動を停止させる。つぎに、ステップ2
02に進んで下アームトランジスタをすべて導通させて
短絡ブレーキ動作を行う。
【0047】図3にて述べたように、上アームトランジ
スタを導通させる場合には、ブートストラップ動作が必
要となるが、下アームトランジスタを導通させる場合に
は下アーム駆動信号Un、Vn、Wnを加えるだけでよ
い。また、下アームトランジスタを導通させることは、
ブートストラップ動作と同じなので、下アームトランジ
スタを導通させてから上アームトランジスタを導通させ
る手順が不必要である。しかし、下アームトランジスタ
をすべて導通させてから上アームトランジスタを駆動さ
せても動作は同じであり、モータ逆起電力によりモータ
電流がモータコイルに流れて制動運転となる。
【0048】ステップ203にて、下アームトランジス
タを所定時間駆動したかどうか判定し、所定時間経過す
るとステップ204に進んで一旦上アームと下アームの
すべてのトランジスタをオフさせて、ステップ205に
進んで逆起電力を検出し、つぎに、ステップ206に進
んで逆起電力の有無を判定する。
【0049】逆起電力が検出されるとステップ202に
戻って下アームトランジスタを導通させて短絡ブレーキ
を行う。逆起電力が検出できなければ、ステップ207
に進んで異常報知を行い、位置センサ信号が異常、ある
いは、故障したことを報知し、つぎに、ステップ208
に進んで蓋ロックを解除し、ステップ209に進んでサ
ブルーチンをリターンする。
【0050】図8は、モータ端子の誘起電圧波形と逆起
電力検知信号の関係を示す。誘起電圧は、インバータ回
路3の直流電源の負側端子B2よりも高い場合、すなわ
ち、正電圧の場合検出でき、負電圧の場合には下アーム
トランジスタの逆並列ダイオードによりクランプされ
る。よって、正電圧が発生すると所定値以上でハイとな
る検出回路を設けることにより実現できる。
【0051】図8において、V1はU相端子電圧Vuの
検知信号で、V2はV相端子電圧Vvの検知信号、V3
はW相端子電圧Vwの検知信号を示す。各信号のハイエ
ッジの周期(0〜t3期間)を検出することによりモー
タの回転数が検出できる。
【0052】(実施例2)つぎに、本発明の実施例2に
ついて説明する。なお、上記実施例1と同じ構成のもの
は同一符号を付して説明を省略する。
【0053】図9に示すように、ロータ位置検出手段
5’は、モータ4の相電流を検出する電流検出手段70
a、70b、70cの電流信号よりロータ位置を検出す
るよう構成している。埋め込み磁石モータの場合、モー
タ回転によりインダクタンスが大きく変化するので、モ
ータ4のインダクタンスが予めわかっておれば電流変化
よりインダクタンス変化が逆算でき、インダクタンス変
化よりロータ位置が検出でき、いわゆる、センサレス駆
動が可能となる。
【0054】逆起電力検出手段7’は、モータ電流を検
出するもので、下アーム、あるいは上アームトランジス
タをすべて導通させる短絡ブレーキにおいて、電流を検
出することにより逆起電力を検出でき、短絡ブレーキ中
に回転数を検出できる。
【0055】なお、図示していないが、短絡ブレーキの
他の方法として、インバータ回路3と直流電源間にリレ
ーを設け、常閉接点は直流電源側に接続し、常開接点は
インバータ回路3の負電源側(B2)に接続し、短絡ブ
レーキを行う場合には、常開接点を閉じてモータ誘起電
流がインバータ回路3の逆並列ダイオード32を介して
流れるようにしてもよい。
【0056】直流電圧検出手段63は、インバータ回路
3の直流電圧、すなわち、直流電源ラインB1、B2間
の電圧を検出するもので、脱水運転中モータ回転数が高
くなってモータ逆起電力がインバータ回路3の直流電源
側に回生した場合、あるいは、制動運転中にモータ逆起
電力がインバータ回路3側に回生した場合、インバータ
回路3の直流電圧が異常上昇するので、直流電圧の異常
電圧上昇を検出することを目的とする。
【0057】異常電圧を検出すると、インバータ制御回
路60’に異常信号が伝えられ、図10に示す異常処理
サブルーチンが実行される。図1においては、ロータ位
置検出手段の異常のみ検出する実施例であったが、図1
0は異常電圧を検出した場合を示すもので、脱水行程に
て異常電圧を検出した場合の異常処理のフローチャート
を説明し、脱水行程のフローチャートは省略する。
【0058】図9において、電流検出手段70a、70
b、70cをUVW各相に設けているが、2相に設けて
残りの1相はキルヒホッフの法則より演算で求めても問
題はない。また、位置検出のためのモータ電流検出方法
としては、インバータ回路3にシャント抵抗を設けて検
出しても可能である。
【0059】脱水運転中に直流電圧検出手段63が異常
電圧を検出した場合、ステップ300より異常処理サブ
ルーチンが開始する。
【0060】ステップ301においてインバータ回路3
をオフした後、ステップ302に進んで下アームトラン
ジスタをすべて同時に導通させる短絡ブレーキを行う。
つぎに、ステップ303に進んで逆起電力検出手段7’
によりモータ誘起電流を検出し、ステップ304に進ん
で誘起電流が所定値以上かどうか判定する。
【0061】所定値以上ならばステップ302に戻って
短絡ブレーキ動作を実行し、所定値以下ならばステップ
305に進んでトランジスタをすべてオフさせてインバ
ータ回路3を停止させる。つぎに、ステップ306に進
んで異常報知を行い、ステップ307に進んで蓋ロック
を解除して、ステップ308に進んでサブルーチンをリ
ターンする。
【0062】図10は、異常電圧を検出した場合の例と
して説明したが、何らかの理由により位置検出が不可能
となった場合、あるいは、瞬時停電を検出して緊急に脱
水停止動作をさせる場合の異常動作処理としても同様の
処理が可能であることは容易に推定できる。
【0063】(実施例3)つぎに、本発明の実施例3に
ついて説明する。
【0064】図1に示す制御手段6は、ロータ位置検出
手段5と逆起電力検出手段7の信号により蓋ロック装置
10をロック状態とするようにしている。他の構成は上
記実施例1と同じであり、同一符号を付して説明を省略
する。
【0065】上記構成において脱水行程の動作につい
て、図11を参照しながら説明する。ステップ400よ
り脱水行程を開始し、ステップ401にて蓋ロック装置
10を駆動して洗濯兼脱水槽16の蓋15が開かないよ
うに、蓋ロック状態に設定する。このとき、同時にクラ
ッチ12を駆動してモータ4の出力軸を洗濯兼脱水槽1
6の駆動軸に接続する。洗濯兼脱水槽16が回転中にク
ラッチ12を動作させると撹拌翼17あるいは洗濯兼脱
水槽16へ回転を伝達する切換機構が破壊するので、蓋
ロック装置10と同様にモータ4の回転中にはクラッチ
12の動作は禁止状態にする。
【0066】ステップ402にてロータ位置検出手段5
の位置センサ信号を入力し、つぎに、ステップ403に
進んで位置センサ信号が正常か異常かを判定する。位置
センサ信号が異常ならばステップ404に進んで位置セ
ンサ信号の異常フラグを設定し、ステップ412以降の
逆起電力検知フローにジャンプする。
【0067】位置センサ信号が正常ならば、ステップ4
05に進み位置センサ信号よりモータ4の回転数を検出
する回転数検出サブルーチンを実行し、つぎに、ステッ
プ406に進んで制動運転かどうかのフラグを判定す
る。脱水回転行程の初期には回転数制御フラグが設定さ
れ、通常はステップ407の回転数制御サブルーチンを
実行し、図4に示すような波形関係でモータ4を駆動す
る。
【0068】制動運転フラグが設定された場合には、ス
テップ408のブレーキ制御サブルーチンが実行され、
図5に示すような波形関係でモータ4に負のトルクが加
えられる。ステップ409は脱水時間が所定時間経過し
たかどうか判定するもので、所定時間経過するとステッ
プ409に進んで制動運転フラグを設定し、洗濯兼脱水
槽16の回転を停止させるブレーキ運転が実行される。
なお、図示していないが、一時停止等の運転停止操作に
よっても制動運転フラグが設定される。
【0069】つぎに、ステップ411に進んでモータ4
の回転数が零かどうか判定し、零でなければステップ4
01に戻って蓋ロック状態は継続し、制動運転が続行さ
れる。
【0070】ステップ411にて回転数が零と判定され
た場合には、ステップ412以降、逆起電力検知フロー
に進み、ステップ412にて蓋ロック状態は継続し、ス
テップ413に進んでインバータ回路3をオフし、つぎ
にステップ414に進んで逆起電力検出手段7によりモ
ータ逆起電力を検出する。ステップ415にて逆起電力
の有無を判定し、逆起電力が発生しているならばステッ
プ416に進んで下アームトランジスタをすべて導通さ
せて短絡ブレーキ運転を行う。
【0071】つぎに、ステップ417に進んで短絡ブレ
ーキ運転が1分程度の所定時間経過したかどうか判定
し、所定時間経過するとステップ412に戻って同様の
逆起電力検知フローを実行する。
【0072】ステップ415にて逆起電力がないと判定
した場合には、洗濯兼脱水槽16の回転が停止したもの
と判定し、ステップ418に進んで蓋ロックを解除す
る。なお、図示していないが、同様にクラッチ動作の禁
止も解除する。
【0073】つぎに、ステップ419に進んで異常フラ
グの設定の有無を判定し、位置信号異常などの異常フラ
グが設定されていた場合には、ステップ420に進んで
異常報知を行う。異常フラグがなければステップ421
に進んで脱水行程を終了する。
【0074】以上説明したようにロータ位置検出手段5
からの位置センサ信号と、逆起電力検出手段7からの信
号により蓋ロック装置10を駆動してロック状態にする
ので、ロータ位置検出手段5と逆起電力検出手段7の両
方の信号がモータ回転零を検知して蓋ロックとクラッチ
動作が解除となる信頼性と安全性の高い洗濯機を実現す
ることができる。
【0075】(実施例4)つぎに、本発明の実施例4に
ついて説明する。なお、上記実施例1と同じ構成のもの
は同一符号を付して説明を省略する。
【0076】図12に示すように、インバータ回路3の
U相、V相出力端子側に少なくとも2極のリレー21を
接続し、リレー21の常閉端子側に洗濯兼脱水槽を駆動
するモータ4を接続し、常開端子側にはポンプモータ2
2を接続する。ポンプモータ22は、風呂水を吸水して
洗濯兼脱水槽に給水するポンプを駆動するものである
が、例えば排水ポンプでも構わない。
【0077】モータ4とポンプモータ22のW相端子は
共通接続してインバータ3のW相出力端子に接続する。
ポンプモータ22は、モータ逆起電力の零電圧を検出し
て位置検出する、所謂、センサレス方式により駆動され
るもので、逆起電力検出手段7”はモータ逆起電力の零
電圧を検出して位置検出するセンサレス回路である。
【0078】センサレス方式とは、方形波駆動(120
度通電)において、インバータ回路3のトランジスタが
オフ期間に発生するモータ誘起電圧を検出し、モータ誘
起電圧が整流回路2の半分の電圧の時点をモータ誘起電
圧が零と判断してロータ位置を検出するものである。
【0079】よって、リレー21をリレー駆動回路64
によりモータ4に接続した場合には、ロータ位置検知手
段5によりモータ4を制御し、逆起電力検出手段7”は
モータ4の誘起電圧を検出する。リレー21をポンプモ
ータ22に接続した場合には、逆起電力検出手段7”に
よりポンプモータ22のロータ位置を検出してポンプモ
ータ22を制御する。風呂水給水運転の場合には、モー
タ4を動作させる必要はなく、同様に、排水ポンプを駆
動する場合においてもモータ4に接続させずにポンプモ
ータ22に接続してセンサレス方式による運転が可能で
ある。
【0080】脱水運転を行う場合にはリレー21をモー
タ4に接続し、図6に示したフローチャートをそのまま
実行するものであり、ロータ位置検出手段5の異常を検
出した場合、逆起電力検出手段7”によりモータ4の回
転を検知してモータ4の短絡ブレーキを制御し、蓋ロッ
ク装置10を制御することにより安全性を高めることが
できる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明の請求項1に記載の
発明によれば、交流電源と、前記交流電源に接続した整
流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換す
るインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動さ
れるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロー
タ位置検出手段と、前記モータの逆起電力を検出する逆
起電力検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御
手段とを備え、前記制御手段は、前記ロータ位置検出手
段と前記逆起電力検出手段の信号により前記モータの駆
動を制御するようにしたモータ駆動装置であるから、複
数の回転検出手段によりモータの回転状態を検出するこ
とができるので、一方の回転検出手段に異常が生じた場
合においても他方にて回転を検出できるので、モータ駆
動時における安全性と信頼性を向上することができる。
【0082】また、請求項2に記載の発明によれば、逆
起電力検出手段はモータの端子電圧より逆起電力を検出
するようにしたモータ駆動装置であるから、安価でかつ
単純な構成でモータの回転状態を検出することができ、
回転異常検出が容易となり、安全性と信頼性の高いモー
タ駆動装置を実現できる。
【0083】また、請求項3に記載の発明によれば、制
御手段は、モータ駆動時にロータ位置検出手段により回
転異常、あるいは回転停止を検知した場合、逆起電力検
出手段の信号よりモータの回転を検出するようにしたモ
ータ駆動装置であるから、逆起電力検出手段の信号より
モータの回転を検出でき、ロータ位置検出手段が異常の
場合でもモータ回転を検出できるので、モータを制動運
転して緊急停止でき安全性を高めることができる。
【0084】また、請求項4に記載の発明によれば、イ
ンバータ回路は3相フルブリッジインバータ回路より構
成し、制御手段は、モータ駆動時にロータ位置検出手段
により回転異常、あるいは回転停止を検知した場合、逆
起電力検出手段の信号よりモータの回転を検出し、前記
逆起電力検出手段の信号よりモータの回転を検出した場
合、前記3相フルブリッジインバータの下アームまたは
上アームトランジスタを同時に導通させて制動運転させ
るようにしたモータ駆動装置であるから、ロータ位置検
出手段が異常の場合にはアーム短絡による制動運転する
ことにより単純で安価な構成により回転を停止させるこ
とができ、信頼性と安全性を高めることができる。
【0085】また、請求項5に記載の発明によれば、逆
起電力検出手段はモータ電流よりモータ逆起電力を検出
するようにしたモータ駆動装置であるから、単純な構成
でモータ回転状態を検出することができ、異常検出が容
易となり安全性と信頼性の高いモータ駆動装置を実現で
きる。
【0086】また、請求項6に記載の発明によれば、イ
ンバータ回路は3相フルブリッジインバータ回路より構
成し、前記3相フルブリッジインバータの下アームまた
は上アームトランジスタを同時に導通させてモータ電流
よりモータ逆起電力を検出するようにしたモータ駆動装
置であるから、アーム短絡の短絡制動運転時に回転を検
出できるので、制動運転と回転検知が同時に可能とな
り、異常時の信頼性を高めることができる。
【0087】また、請求項7に記載の発明によれば、イ
ンバータ回路の直流電源電圧の異常を検出する直流電圧
検出手段を備え、制御手段は、異常電圧を検出した場
合、3相フルブリッジインバータの下アームまたは上ア
ームトランジスタを同時に導通させてモータ電流よりモ
ータ逆起電力を検出するようにしたモータ駆動装置であ
るから、脱水運転中にモータ逆起電力が直流電源に回生
して直流電源電圧が異常上昇した場合には短絡ブレーキ
により逆起電力が回生しないようにできるので、異常電
圧上昇によるインバータ回路の故障を防ぐことができ
る。
【0088】また、請求項8に記載の発明によれば、交
流電源と、前記交流電源に接続した整流回路と、前記整
流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路
と、前記インバータ回路により駆動され撹拌翼あるいは
洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記モータのロータ
位置を検出するロータ位置検出手段と、前記モータの逆
起電力を検出する逆起電力検出手段と、前記インバータ
回路を制御する制御手段と、洗濯兼脱水槽を開閉自在に
覆う蓋と、前記洗濯兼脱水槽の回転中に前記蓋の開閉を
禁止する蓋ロック装置とを備え、前記ロータ位置検出手
段と逆起電力検出手段の信号により前記蓋ロック装置を
ロック状態とするようにした洗濯機であるから、複数の
回転検出手段によりモータの回転状態を検出して蓋をロ
ック状態とすることができ、信頼性と安全性を向上した
洗濯機を提供することができる。
【0089】また、請求項9に記載の発明によれば、制
御手段は、モータ駆動時にロータ位置検出手段により回
転異常、あるいは回転停止を検知した場合、逆起電力検
出手段の信号よりモータの回転を検出し、モータ回転が
停止するまで前記蓋ロック装置をロック状態とするよう
にした洗濯機であるから、ロータ位置検出手段に異常が
発生した場合でもモータ回転を検出して蓋をロック状態
にできるので、脱水回転中に異常が発生しても安全性を
確保することができる。
【0090】また、請求項10に記載の発明によれば、
交流電源と、前記交流電源に接続した整流回路と、前記
整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回
路と、前記インバータ回路により駆動され撹拌翼あるい
は洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前記インバータ回
路により駆動されるポンプモータと、前記モータまたは
前記ポンプモータへのインバータ出力を切り換える切換
手段と、前記モータのロータ位置を検出するロータ位置
検出手段と、前記モータおよび前記ポンプモータの逆起
電力を検出する逆起電力検出手段と、前記インバータ回
路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記
ロータ位置検出手段と前記逆起電力検出手段の信号によ
り前記モータの駆動を制御するようにした洗濯機である
から、1つの逆起電力検出手段によりモータとポンプモ
ータの回転を検知することができるので、モータのロー
タ位置検出手段に異常が生じた場合でも逆起電力検出手
段によりモータの回転を検出することができ、モータの
制動運転が可能となり異常時にはモータを緊急停止させ
ることが可能となり、信頼性と安全性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のモータ駆動装置を備え
た洗濯機のブロック図
【図2】同モータ駆動装置を備えた洗濯機の断面図
【図3】同モータ駆動装置のインバータ回路の回路図
【図4】同モータ駆動装置のモータ駆動時の各部波形図
【図5】同モータ駆動装置のモータ制動時の各部波形図
【図6】同モータ駆動装置を備えた洗濯機の脱水行程の
フローチャート
【図7】同モータ駆動装置を備えた洗濯機の異常処理サ
ブルーチンのフローチャート
【図8】同モータ駆動装置の誘起電圧波形と逆起電力検
知手段の出力信号波形図
【図9】本発明の第2の実施例のモータ駆動装置を備え
た洗濯機のブロック図
【図10】同モータ駆動装置を備えた洗濯機の異常処理
サブルーチンのフローチャート
【図11】本発明の第3の実施例の洗濯機の脱水行程の
フローチャート
【図12】本発明の第4の実施例の洗濯機のブロック図
【符号の説明】
1 交流電源 2 整流回路 3 インバータ回路 4 モータ 5 ロータ位置検出手段 6 制御手段 7 逆起電力検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 典正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3B155 AA01 AA03 AA06 BA01 BA11 BB19 CB06 DA09 HB10 KA33 KA36 KB08 KB11 LA01 LA11 LC15 MA02 MA06 MA07 MA08 5H560 AA10 BB04 BB12 DA03 DA14 DB14 DC12 DC13 EB01 EC01 GG04 HB05 HB07 JJ03 RR10 SS07 TT15 UA06 XA03 XA12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と、前記交流電源に接続した整
    流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換す
    るインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動さ
    れるモータと、前記モータのロータ位置を検出するロー
    タ位置検出手段と、前記モータの逆起電力を検出する逆
    起電力検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御
    手段とを備え、前記制御手段は、前記ロータ位置検出手
    段と前記逆起電力検出手段の信号により前記モータの駆
    動を制御するようにしたモータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 逆起電力検出手段はモータの端子電圧よ
    り逆起電力を検出するようにした請求項1記載のモータ
    駆動装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は、モータ駆動時にロータ位置
    検出手段により回転異常、あるいは回転停止を検知した
    場合、逆起電力検出手段の信号よりモータの回転を検出
    するようにした請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 インバータ回路は3相フルブリッジイン
    バータ回路より構成し、制御手段は、モータ駆動時にロ
    ータ位置検出手段により回転異常、あるいは回転停止を
    検知した場合、逆起電力検出手段の信号よりモータの回
    転を検出し、前記逆起電力検出手段の信号よりモータの
    回転を検出した場合、前記3相フルブリッジインバータ
    の下アームまたは上アームトランジスタを同時に導通さ
    せて制動運転させるようにした請求項1記載のモータ駆
    動装置。
  5. 【請求項5】 逆起電力検出手段はモータ電流よりモー
    タ逆起電力を検出するようにした請求項1記載のモータ
    駆動装置。
  6. 【請求項6】 インバータ回路は3相フルブリッジイン
    バータ回路より構成し、前記3相フルブリッジインバー
    タの下アームまたは上アームトランジスタを同時に導通
    させてモータ電流よりモータ逆起電力を検出するように
    した請求項5記載のモータ駆動装置。
  7. 【請求項7】 インバータ回路の直流電源電圧の異常を
    検出する直流電圧検出手段を備え、制御手段は、異常電
    圧を検出した場合、3相フルブリッジインバータの下ア
    ームまたは上アームトランジスタを同時に導通させてモ
    ータ電流よりモータ逆起電力を検出するようにした請求
    項1記載のモータ駆動装置。
  8. 【請求項8】 交流電源と、前記交流電源に接続した整
    流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換す
    るインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動さ
    れ撹拌翼あるいは洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、前
    記モータのロータ位置を検出するロータ位置検出手段
    と、前記モータの逆起電力を検出する逆起電力検出手段
    と、前記インバータ回路を制御する制御手段と、洗濯兼
    脱水槽を開閉自在に覆う蓋と、前記洗濯兼脱水槽の回転
    中に前記蓋の開閉を禁止する蓋ロック装置とを備え、前
    記ロータ位置検出手段と逆起電力検出手段の信号により
    前記蓋ロック装置をロック状態とするようにした洗濯
    機。
  9. 【請求項9】 制御手段は、モータ駆動時にロータ位置
    検出手段により回転異常、あるいは回転停止を検知した
    場合、逆起電力検出手段の信号よりモータの回転を検出
    し、モータ回転が停止するまで前記蓋ロック装置をロッ
    ク状態とするようにした請求項8記載の洗濯機。
  10. 【請求項10】 交流電源と、前記交流電源に接続した
    整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換
    するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動
    され撹拌翼あるいは洗濯兼脱水槽を駆動するモータと、
    前記インバータ回路により駆動されるポンプモータと、
    前記モータまたは前記ポンプモータへのインバータ出力
    を切り換える切換手段と、前記モータのロータ位置を検
    出するロータ位置検出手段と、前記モータおよび前記ポ
    ンプモータの逆起電力を検出する逆起電力検出手段と、
    前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記
    制御手段は、前記ロータ位置検出手段と前記逆起電力検
    出手段の信号により前記モータの駆動を制御するように
    した洗濯機。
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