JP3834525B2 - 洗濯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転槽を回転駆動するモータの駆動トルクをベクトル制御するモータ駆動制御手段を備えた洗濯機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、全自動洗濯機においては、洗い、濯ぎ運転や脱水運転を行う場合に撹拌翼(パルセータ)或いは回転槽を回転させるモータにはブラシレスDCモータを使用し、そのブラシレスDCモータをインバータ回路によって駆動する方式が広く採用されている。そして、モータの駆動条件に応じてトルクを制御する場合は、モータの印加電圧を増減させるようにしている。しかし、モータの回転速度は発生トルクに比例するが、印加電圧によって制御される発生トルクは電圧に比例しないため、目標速度指令とモータの検出速度とに差が生じやすく制御が不安定になりがちであるという問題がある。
【0003】
そこで、本発明の発明者等は、洗濯機のモータをベクトル制御することを考案した。即ち、ブラシレスDCモータの発生トルクは、ベクトル制御によって得られるq(quadrature)軸電流に比例することから、モータのトルク制御、ひいては回転速度制御を高精度で行うことが可能となる。
【0004】
この場合の電気回路構成を図5に示す。交流電源71は電源スイッチ72がオンされると直流電源回路73により倍電圧整流されて、インバータ回路74に与えられる。このインバータ回路74によりモータ75の各相巻線75u、75v、75wが適宜通電制御されてモータ75が回転駆動される。これにて、図示しない回転槽が回転駆動される。
【0005】
上記インバータ回路74の各スイッチング素子74a〜74fは、スイッチング素子駆動回路76によってオンオフ制御され、この駆動回路76は制御手段及びモータ駆動制御手段を兼用するマイクロコンピュータ77によって制御される。また、前記インバータ回路74には、各相電流を検出するためのシャント抵抗78u、78v、78wが接続されている。
【0006】
ベクトル制御する場合、マイクロコンピュータ77は、シャント抵抗78u、78v、78wによりモータ75の各相電流を検出して、これのトルク電流成分と励磁電流成分とに分け、これをそれぞれの指令値と比較演算して、最適な制御値を駆動回路76に与えるものである。
【0007】
ところで、モータ75の回転中に例えば瞬時停電が発生したり、家庭の電源ブレーカーが動作したりすると、停電が直ちに復帰したり電源ブレーカーが復帰したりしたときに、モータ75ひいては回転槽が回転したままになってしまう。この場合、モータ75に電気ブレーキをかけて回転を減速もしくは止めることを行うなどの処置をしたいという要望がある。一方、上述の復帰時期が遅い場合には、モータ75が減速あるいは停止していることがあり、この場合には上述の減速あるいは停止処置は行わなくても良い。なお、前述したベクトル制御の場合には、図5からもわかるようにモータの誘起電圧(回転位置)を検出する手段を持たないものである。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、洗濯運転を制御する制御手段の起動直後にモータの回転状態を検出できて、その回転の状態に応じた処置を行うことが可能となり、しかも、回転状態を検出する構成が簡単で、さらに、モータ巻線漏電検出も行うことが可能となる洗濯機を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、回転槽を回転駆動するモータの駆動トルクをベクトル制御するモータ駆動制御手段と、
洗濯運転を制御する制御手段と、
前記モータの巻線とグランドとの間に設けられた分圧抵抗と、
前記制御手段の起動直後に前記分圧抵抗に発生する電圧に基づいて前記モータの回転状態を検出する回転状態検出手段と、
前記モータの非駆動時に前記分圧抵抗に発生する電圧に基づいて前記モータ部分に発生した漏電を検出する漏電検出手段と
を備えたところに特徴を有する。
【0010】
洗濯機の制御手段が起動されるケースとしては、電源コンセントが差し込まれた場合、停電が復帰した場合、電源ブレーカーが復帰した場合などがある。いずれの場合にしても、モータが回転していると、安全の観点や、モータ再起動の観点からすると、モータを減速あるいは停止するなどの処置をした方が好ましいものである。
【0011】
この点、この請求項1の発明においては、起動直後にモータの回転状態を検出するようにしたから、瞬時停電の復帰や電源ブレーカーの復帰後のモータひいては回転槽の回転の有無や回転速度などを検出することが可能となり、上述したモータ減速あるいは停止などの処置を行うことが可能となる。しかも、分圧抵抗を設ける程度の構成であるので、構成が簡単で済む。なお、この分圧抵抗でモータの回転状態を検出できる理由は次にある。つまり、モータが回転している場合にはモータ巻線に誘起電圧が発生し、この誘起電圧が分圧抵抗に発生する。従って、この分圧抵抗により、モータ巻線の誘起電圧を検出できてモータの回転を検出できる。
【0012】
また、上記分圧抵抗を設けたことにより、モータに発生した漏電も検出できる。すなわち、モータへの非通電時においてモータ部分に漏電が発生していない状況では、モータ巻線に電圧がかかっておらず、分圧抵抗には電圧が発生していない。しかし、モータへの非通電時においてはモータ部分に漏電が発生している場合には、巻線から分圧抵抗に電流が流れて該分圧抵抗に電圧が発生する。従って、分圧抵抗に発生する電圧を、モータへの非通電時に検出することにより、例えば絶縁劣化などによるモータ部分に発生した漏電を検知できる。
【0013】
つまり、分圧抵抗を設けるといった簡単な構成により、モータの回転状態検出と、モータ部分の漏電検出とを図り得る。そして、モータの回転状態検出手段によりモータが回転している状態であることが検出されると、例えば短絡ブレーキなどの減速あるいは停止のための制御を図ることが可能となる。
【0014】
請求項2の発明は、回転状態検出手段が、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて回転状態を検出し、漏電検出手段が、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて漏電を検出するようになっているところに特徴を有する。
【0015】
洗濯機では、その外箱を使用者側で大地アースを行なうようになっている。ところで、モータ電源が交流電源を直流化した直流電源から構成された構成の場合、外箱がアースされた状態ではモータ電源が安定した直流となっており、この状態でモータに漏電が発生すると、分圧抵抗には直流波形の電圧が検出される。また、外箱がアースされていない状態ではモータ電源に交流電源周波数による脈流波形が含まれ、この状態でモータに漏電が発生すると、分圧抵抗には脈流波形の電圧が検出される。
【0016】
一方、回転状態検出の場合、モータの誘起電圧の有無や発生周波数を検出することで回転状態を検出するが、その誘起電圧の発生周波数は通常は交流電源の周波数域から外れるものである。従って、分圧抵抗の発生電圧の周波数により、その発生電圧が誘起電圧によるものか、漏電によるものかが判る。しかし、誘起電圧の発生周波数がたまたま前記交流電源周波数域であると、分圧抵抗に発生した電圧がモータ回転による電圧であるのか、外箱がアースされていない状態での漏電による電圧であるのか、判断できないといったおそれもある。
【0017】
ここで本発明者は、誘起電圧による分圧抵抗の発生電圧の波形と、外箱がアースされていない状態での漏電による分圧抵抗の発生電圧の波形とは波形形状が異なることが判った。
【0018】
しかるに、この請求項2の発明においては、回転状態検出手段が、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて回転状態を検出し、漏電検出手段が、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて漏電を検出するようになっているから、分圧抵抗に発生した電圧が誘起電圧によるものつまりモータ回転によるものか、アース無しでの漏電によるものかを確実に区別することができる。
【0019】
請求項3の発明は、回転状態検出手段は、前記モータの回転位置状態を検出するようになっており、
この回転位置検出に応じてモータに回生ブレーキをかけるようにしたところに特徴を有する。
【0020】
この請求項3の発明においては、モータの回転位置を検出することで、ブレーキ力の高い回生ブレーキをかけることができる。すなわち、モータが回転しているときに、その回転位置が検出できない場合、モータ巻線を短絡する短絡ブレーキは可能であるが、回生ブレーキは、モータに発生した電力を電源側へ回生させるために、モータの回転位置に対して適宜のタイミングでモータ巻線に通電する必要がある。しかるに上記請求項3の発明では、モータの回転位置を検出するから、回生ブレーキをかけることができるようになり、回転中のモータに対して、強いブレーキをかけることが可能となり、モータの回転を早く減速もしくは停止させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき図1ないし図4を参照して説明する。
まず図2には洗濯機全体の構成を示しており、電気機器筐体としての外箱1内に、外槽2を複数組(1組のみ図示)の弾性吊持機構3を介して弾性支持している。この外槽2の内部には洗い槽兼脱水槽たる回転槽4を配設しており、さらに、この回転槽4の内部には撹拌体5を配設している。上記外箱1の上部には上部カバー1aが設けられており、この上部カバー1aには洗濯機蓋1bが設けられている。
【0022】
上記回転槽4は、槽本体4aと、この槽本体4aの内側に設けた内筒4bと、バランスリング4cとを有して構成されている。そして、この回転槽4は回転されると、内部の水を回転遠心力により揚水して槽本体4a上部の脱水孔部4dから外槽2へ放出するものである。
【0023】
また、上記回転槽4の底部には通水口6が形成され、この通水口6は排水通路6aを通して、排水口7に連通している。この排水口7には排水弁8を備えた排水路9を接続している。従って、排水弁8を閉鎖した状態で回転槽4内へ給水すると、回転槽4内に水が溜められ、排水弁8を開放すると回転槽4内の水が、排水通路6a、排水口7及び排水路9を通じ排水されるようになっている。
【0024】
また、外槽2の底部には補助排水口7aを形成しており、この補助排水口7aは図示しない連結ホースを介し前記排水弁8をバイパスして前記排水路9に接続し、前記回転槽4の回転によってその上部から外槽2内へ放出された水を排出するようになっている。
【0025】
上記外槽2の外底部には機構部ハウジング10を取付けている。この機構部ハウジング10には、中空の槽軸11が回転自在に設けられ、この槽軸11には回転槽4が連結されている。また、この槽軸11の内部には撹拌軸12が回転自在に設けられており、その上端部には撹拌体5が連結され、下端部はモータたる例えばブラシレス直流モータからなるモータ13のアウタロータ13aに連結されている。このモータ13は洗い時に撹拌体5を正逆回転させ、また、脱水時には、図示しないクラッチにより槽軸11と撹拌軸12とを連結した状態で一方向回転させて回転槽4及び撹拌体5を一方向へ一体回転させるように制御される。
【0026】
次に図1において、100Vの商用交流電源21には、電源スイッチ22を介してモータ電源である直流電源回路23が接続されている。上記交流電源21及び電源スイッチ22の直列回路と並列にノイズ除去用のコンデンサ24が接続されている。さらにこのコンデンサ24と並列に、コンデンサ25及び26の直列回路が接続され、このコンデンサ25と26との間は電気機器筐体である外箱1にアースのために接続されている。そして、この外箱1には、使用者側で大地アースされるアース線27が設けられている。
【0027】
前記直流電源回路23は、ダイオードブリッジ整流回路28及び平滑コンデンサ29、30を備えた倍電圧整流回路から構成されている。すなわち、整流回路28の入力端子28aが前記交流電源21の電源端子21aに接続され、整流回路28の入力端子28bが前記電源スイッチ22を介して交流電源21の電源端子21bに接続されている。そして、整流回路28の出力端子28c、28d間には平滑コンデンサ29、30が直列に接続され、この平滑コンデンサ29、30の共通接続点と整流回路28の入力端子28aとが接続されている。
【0028】
直流電源回路23は、中点23cで0V、正側出力端子23aで+141V、負側出力端子23bでは、−141Vとなっており、正側出力端子23aと負側出力端子23bとの間で282Vの直流電圧を発生する。この直流電源回路23の負側出力端子23bは回路上のグランド(シャーシ)に接続されている。なお、図1に大地アースをGND1(0V)で示し、回路上のグランドをGND2(−141V)で示している。
【0029】
この直流電源回路23には、17Vの定電圧と5Vの定電圧を出力する制御電源回路たる定電圧回路31が接続されていると共に、モータ駆動回路であるインバータ回路32が接続されている。上記定電圧回路31は、後述のマイコン33等に5V電源を与え、IGBT駆動回路34に17V電源を与えるようになっている。上記インバータ回路32は、例えばIGBTからなるIGBT35a〜35fを3相ブリッジ接続し、各IGBT35a〜35fにそれぞれフリーホイールダイオード36a〜36fを図示極性にて並列に接続して構成されている。
【0030】
上記各相ブリッジの出力端子がモータ13のステータの各相巻線37u、37v、37wに接続されている。すなわち、このインバータ回路32により前記モータ13が駆動されるようになっている。そのIGBT35a〜35fはメインマイコン33によりIGBT駆動回路34を介してオンオフ制御されるようになっている。上記マイコン33はCPUやROM、RAM等を備えて構成されている。
【0031】
前記IGBT駆動回路34は、チャージポンプ形電圧コンバータ回路38a、38b、38cとチャージポンプ用コンデンサ39a、39b、39c等を備えて構成されている。上記チャージポンプ形電圧コンバータ回路38a、38b、38cは、各アームのハイサイド側のIGBT35a、35c、35eのゲート端子に与えるゲート電圧を各コンデンサ39a、39b、39cにチャージさせておいて発生させるようになっている。
【0032】
また、前記交流電源21の電源端子21a、21b間には、電源端子21a側から21b側へ、給水弁40、トライアック41が順に接続されている。そして、この給水弁40、トライアック41の直列回路と並列に、排水弁8、トライアック43の直列回路が接続されている。また、各トライアック41、43にはノイズ除去用のスナバ回路44、45がそれぞれ並列に接続されている。
【0033】
さらに、トライアック41のゲート端子はNPNトランジスタ46を介してGND2に接続され、トライアック41のゲート端子はNPNトランジスタ47を介してGND2に接続されている。そして、各トランジスタ46、47はマイコン33により制御されるようになっている。尚、メインマイコン33には、各種スイッチを備えたスイッチ入力回路48からのスイッチ信号、回転槽4内の水位を検出する水位センサ49からの水位検出信号が与えられるようになっている。また、このメインマイコン33は、給水弁40、排水弁8並びに表示回路50を制御するものである。この表示回路50は、例えば7セグメントLED等の表示器を備えて構成されている。
【0034】
インバータ回路32における下アーム側のIGBT35b、35d、35fのエミッタとGND2との間には、各相電流を検出するためのシャント抵抗51u、51v、51wが配置されている。そして、これらのシャント抵抗51u〜51wの電流検出信号は、増幅バイアス回路52を介してマイコン33が内蔵しているA/Dコンバータ33aの入力ポートに与えられている。
【0035】
さらに、前記モータ13の例えば巻線37wとGND2との間に分圧抵抗53を接続しており、この分圧抵抗53は上側抵抗53aと下側抵抗53bとを接続して構成されている。そして、この上側抵抗53aと下側抵抗53bとの共通接続点は前記マイコン33のA/Dコンバータ33bに接続されており、もって、分圧抵抗53に発生する電圧VkがA/Dコンバータ33bに入力されるようになっている。
【0036】
マイコン33は、制御手段としての機能を備えており、予め保有した洗濯運転プログラムに従い、スイッチ入力回路48や表示回路50等の操作パネル制御、水位センサ49からのセンサ信号読取り、モータ13、給水弁40、排水弁8の駆動制御を行うことにより、洗い、すすぎ、脱水などの洗濯運転制御を行うようになっている。
【0037】
さらに、上記マイコン33はモータ13をベクトル制御するモータ駆動制御手段、回転状態検出手段及び漏電検出手段として機能するものであり、モータ駆動制御手段としての機能について簡単に説明すると、前記シャント抵抗51u、51v、51wにより、各相電流が検出され、この検出信号(検出電圧)は増幅バイアス回路52を介してマイコン33のA/Dコンバータ33aに与えられる。マイコン33では、各相電流を座標変換して、トルク電流成分と励磁電流成分とに分解し、それぞれを指令値と比較して最適値となる制御値を求め、この制御値に応じてインバータ回路32の各IGBT35a〜35fをIGBT駆動回路34を介してPWM制御する。
【0038】
さて、マイコン33は、このマイコン33の起動(マイコン33の電源が投入されてリセットされた状態)直後に前記分圧抵抗53に発生する電圧に基づいてモータ13の回転状態を検出し(回転状態検出手段として機能し)、モータ13の非通電時(マイコン33の起動直後でなくとも良い)に同じく前記分圧抵抗53に発生する電圧に基づいて漏電検出を行う。
【0039】
まず、上記回転状態検出と漏電検出とについて説明する前に、分圧抵抗53に現れる電圧の特徴的な部分について説明する。
(A−0)まず、瞬時停電後の電源復帰時とか電源ブレーカー動作後の電源復帰時を考える。この場合、その瞬時停電あるいは電源ブレーカー動作前にモータ13が回転停止していた場合には、電源復帰後もモータ13は停止しており、回転槽4も停止している。この場合、モータ13のステータ巻線37u、37v、37wに誘起電圧は発生しておらず、分圧抵抗53の発生電圧はゼロもしくはほぼゼロ[V]である。
【0040】
(A−1)一方、瞬時停電あるいは電源ブレーカー動作前にモータ13が回転していた場合には、回転槽4の回転慣性も大きく電源復帰後も回転槽4及びモータ13は回転していることも多い。このときには、モータ13のステータ巻線37u、37v、37wに誘起電圧が発生しており、w相の分圧抵抗53の発生電圧が図3(a)に示すように現れる。つまり、この洗濯機では、モータ13の一回転につき12個の誘起電圧が発生する構成(ローターマグネット24極)となっている。分圧抵抗53の発生電圧Vkには全体として山形をなし中央部が若干凹んだ電圧波形HAが現れる。この電圧波形HAの周期は回転槽4の回転速度によってまちまちである。
【0041】
(B−0)一方、モータ13の非通電時、例えば洗濯運転開始前とか、終了後において、モータ13部分に漏電が発生していない場合には、前記発生電圧Vkはゼロもしくはほぼゼロ[V]である。
【0042】
(B−1)アース線27が接地された状態でモータ13部分に漏電が発生している場合、前記発生電圧Vkはこのとき分圧抵抗53の他端(GND2)の電位は−141Vであって、外箱21の電位より低いので、漏電が発生していれば、外箱21から分圧抵抗53へ漏電電流が流れる。この結果、分圧抵抗53の発生電圧Vkがある電圧値の直流状波形HBを示す(図3(b)参照)。
【0043】
(B−2)また、外箱1がアースされていない状態では漏電電流には交流電源21による脈流波形が含まれ、この結果、分圧抵抗53の発生電圧Vkは図3(C)に示す交流電源21の電源周波数(50もしくは60Hz)に同期して半正弦波形HCとなる。
【0044】
さて、マイコン33は、起動直後に図4のフローチャートに示される制御を実行する。まず、ステップS1においては、分圧抵抗53の発生電圧Vkを1ミリ秒ごとに1000回サンプリングする。従って1秒間のサンプリング時間となる。
【0045】
次のステップS2においては、入力電圧すなわち発生電圧Vkがゼロもしくはほぼゼロ[V](平均値で0.3[V]以下)のときには、モータ13の回転状況についてはモータ13回転停止状態を検出したこととなり、且つ、漏電については漏電無しを検出したことになる(ステップS3)。
【0046】
ステップS2において発生電圧Vkがゼロもしくはほぼゼロでない(0.3V超)が検出されると、ステップS4に移行して、その発生電圧Vkの波形が前述の直流電圧波形で且つその電圧値が漏電検出基準値たとえば1.7[V]以上であるか否かを判断する。そして「YES」であると判断されると、ステップS5に移行して漏電あり(アース有り状態での漏電あり)を検出する。この後ステップS6に移行して表示回路50が備えた表示器に漏電発生の趣旨の表示をさせると共に、制御動作を停止する。
【0047】
前記ステップS4において発生電圧Vkが直流電圧波形でなく脈流波形であることが検出されると、ステップS7に移行して脈流波形の周波数が40〜80Hz以外であるか否かを判断する。40〜80Hz以外である場合には、脈流波形は、交流電源周波数には該当しないので、つまり電圧波形HAであるので、ステップS8に移行してモータ13が回転していることによる誘起電圧であると判断し、つまり、モータ13及び回転槽4が回転状態であることを検出し、そして、電気ブレーキ例えば回生ブレーキをかける。
【0048】
つまり、この誘起電圧からモータ13のローター13aの回転位置を検出し(1相分に対して残り2相は電気角で120度ごとずれているから計算で求めると良い)、この回転位置に対して通電位相を遅らせるように(負のトルクを発生させるように)インバータ回路32のIGBT15a〜15fを制御して、モータ13を一種の発電機として作用させ、発電エネルギーをコンデンサ19、20側に返す回生ブレーキをかける。この回生ブレーキは、短絡ブレーキよりもブレーキ力が強く、迅速な回転停止が図れる。従って、洗濯機蓋1bが開放されるようなことがあっても回転槽4の回転を停止もしくは減速状態とすることができる。
【0049】
前記ステップS7において脈流波形の周波数が40Hz超〜80Hz未満であると、ステップS9に移行し、電圧波形の電圧ピークの個数が2回以下であるか否かを判断する。つまり、モータ13が「回転状態」であっても、回転速度によっては、脈流の発生周期が50Hzや60Hz近辺となるときがある。この場合、「アース無しの漏電」(波形HC)との区別がつかない。この場合、1周期における電圧波形の電圧ピークの個数が「回転状態」の時は2回現れ、「アース無しの漏電」の時には1回現れる。
【0050】
このステップS9において、2回以下であると、「回転状態」もしくは「アース無しの漏電」であるので、ステップS10に移行して、1回であるか2回であるかを判断する。2回であれば、前述したステップS8に移行して「回転状態」であることを判定する(検出する)と共に、回生ブレーキをかける。1回であれば、ステップS11に移行して「アース無しの漏電」と判定(検出)し、そして前述のステップS6に移行する。
【0051】
なお、前記ステップS9において2回以下でない(3回以上である)と判断されると、「回転状態」及び「アース無しの漏電」のいずれでもないので、サンプリングミスやノイズ発生等の不適正検出状態であるとして、ステップS1に戻って、再度サンプリングを行う。なお、ステップS8の実行後には、例えば使用者のスイッチ入力(運転再開あるいは停止の入力やコース設定などの入力)を待つ。
【0052】
このような本実施例によれば、起動直後にモータ13の回転状態を検出するようにしたから、瞬時停電復帰後や電源ブレーカー復帰後に、回転槽4が回転しているか否かといった回転状態を検知でき、これによってモータ13の減速あるいは停止、つまり回転槽4の減速や停止などの処置を行うことが可能となる。
【0053】
しかも、分圧抵抗53を設けるといった簡単な構成でモータ13の回転状態を検出できるので、構成が簡単で済む。
特に、本実施例によれば、上記分圧抵抗53を設けたことにより、回転状態の有無を検出でき、そして回転状態が検出されたときには、この分圧抵抗53に発生する電圧Vkに基づいてモータ13のローターの回転位置を検出できるようになり、モータ13の通電位相を調整することが可能となって、回生ブレーキをかけることができる。そして、回生ブレーキをかけることができるので、回転槽4の回転を迅速に停止させることができる。
【0054】
また、上記分圧抵抗53を設けたことにより、モータ13部分に漏電(ローター及びステータ間の絶縁不良などによる)が発生している場合に、この分圧抵抗53に漏電電流により特有の電圧が発生するようになり、もってモータ13部分での漏電を検出できるようになった。
【0055】
総じて、分圧抵抗53を設けるといった簡単な構成により、モータ13の回転状態検出と、モータ13部分の漏電検出とを図り得、さらには、回生ブレーキも実行可能となった。
【0056】
なお、分圧抵抗53によりモータ13のローター位置検出ひいては回転速度を検出することも可能であるので、モータ13の回転速度が低いような場合には、回生ブレーキに代えて巻き線短絡ブレーキでもよい。あるいは、最初から、巻線短絡ブレーキでも良い。
【0057】
また、本実施例によれば、分圧抵抗53に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて回転状態と漏電とを区別して検出するようになっているから、分圧抵抗53に発生した電圧が誘起電圧によるものつまりモータ回転によるものか、アース無しでの漏電によるものかを確実に区別することができる。
【0058】
なお、上記実施例では、マイコン33の起動直後にモータ7の回転検出と漏電検出とを行うようにしたが、漏電の有無を検出するについては、モータ13の非通電時であれば良く、マイコン33の起動直後には限定されるものではない。また、本発明はドラム式洗濯機に適用しても良い。
【0059】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、洗濯運転を制御する制御手段の起動直後にモータの回転状態を検出できて、ブレーキ制御など、その回転の状態に応じた処置を行うことが可能となり、しかも、回転状態を検出する構成が簡単で、さらに、モータ部分の漏電検出も行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気回路図
【図2】洗濯機の縦断側面図
【図3】発生電圧Vkの波形を示す図
【図4】回転状態及び漏電発生の検出制御に関するフローチャート
【図5】従来例を示す電気回路図
【符号の説明】
1は外箱、4は回転槽、13はモータ、27はアース線、32はインバータ回路、33はマイコン(制御手段、モータ駆動制御手段、回転状態検出手段、漏電検出手段)、34はIGBT駆動回路、51u、51v、51wはシャント抵抗、53は分圧抵抗を示す。
Claims (3)
- 回転槽を回転駆動するモータの駆動トルクをベクトル制御するモータ駆動制御手段と、
洗濯運転を制御する制御手段と、
前記モータの巻線とグランドとの間に設けられた分圧抵抗と、
前記制御手段の起動直後に前記分圧抵抗に発生する電圧に基づいて前記モータの回転状態を検出する回転状態検出手段と、
前記モータの非駆動時に前記分圧抵抗に発生する電圧に基づいて前記モータ部分に発生した漏電を検出する漏電検出手段と
を備えたことを特徴とする洗濯機。 - 回転状態検出手段は、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて回転状態を検出し、漏電検出手段は、分圧抵抗に発生する電圧の発生周波数及び電圧波形に基づいて漏電を検出するようになっていることを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
- 回転状態検出手段は、前記モータの回転位置状態を検出するようになっており、
この回転位置検出に応じてモータに回生ブレーキをかけるようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
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