JP2003217923A - 吸着用永久磁石 - Google Patents

吸着用永久磁石

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JP2003217923A
JP2003217923A JP2002012652A JP2002012652A JP2003217923A JP 2003217923 A JP2003217923 A JP 2003217923A JP 2002012652 A JP2002012652 A JP 2002012652A JP 2002012652 A JP2002012652 A JP 2002012652A JP 2003217923 A JP2003217923 A JP 2003217923A
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magnet
attraction
adsorption
resin
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Satoru Nakatsuka
哲 中塚
Itsuro Tanaka
逸郎 田中
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Toda Kogyo Corp
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Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙やシート等の固定対象物を塗装鉄板、掲示
板等の吸着対象物に吸着固定したり、これらの固定対象
物が不用意に外れにくい、吸着力を向上させた吸着用永
久磁石を提供する。 【解決手段】 磁粉35〜75vol%、残部が合成樹脂か
らなる磁石組成物の射出成形体からなる永久磁石であっ
て、該永久磁石を構成する磁粉の磁化容易軸が吸着作用
面から磁石内部を通り、再び吸着作用面に戻ってくるよ
うに配向同時着磁、もしくは配向同時着磁と同様のパタ
ーンでの逆磁場印加再着磁した異方性磁石からなり、平
均配向度が80%以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸着用永久磁石に関
し、更に詳しくは、該永久磁石の吸着力を利用して、紙
やシート等の固定対象物を塗装鉄板(白板)、電子黒
板、掲示板等の吸着対象物に吸着固定したり、これらの
固定対象物が不用意に外れにくい、吸着力を向上させた
吸着用永久磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の吸着用永久磁石として
は、希土類系又はフェライト系の焼結磁石や合成樹脂磁
石が使用されている。これらの磁粉の配向方向は、図1
7に示すように、軸方向(アキシャル方向)異方性磁石
であり、従って、吸着力の良し悪しは、使用する磁粉の
種類と含有率によって決まっていた。
【0003】この点を改良せんとして、特公昭63−5
9243号公報には、磁化容易軸の方向が集束する配向
を有する焼結異方性永久磁石が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された
永久磁石は、図18に示すように、磁化容易軸の方向を
非吸着作用面(吸着作用面以外のすべての面)から吸着
作用面に向けて集束配向(以下、単純集束配向と記す)
させたもので、この磁石によれば単位面積あたりの磁束
密度を従来よりも大きくすることができる。
【0005】しかしながら、上記した単純集束配向磁石
は軸方向配向磁石に比べれば吸着力は大きいものの、必
ずしも十分とは云い難く、吸着力の更なる向上が望まれ
ている。また、焼結磁石は焼結時に磁化容易軸と磁化困
難軸との収縮率の差により、反り、ひび割れが起こり易
いという問題を含んでいる。この場合、たとえ焼結条件
を選択し、反りやひび割れを防いで製品化し得たとして
も、得られた製品は内部歪みのため吸着・脱着の使用中
にひび割れが頻発するという欠点を内包する。
【0006】このひび割れを防ぎ、吸着力を向上させる
ために、図19に示すように、焼結磁石9に強磁性体の
バックヨーク10を組み合わせてた使用する方法もある
が、磁石9の表面とバックヨーク10の端面とを同一面
上、即ち、面一に構成することは容易ではなく、バック
ヨーク端面が磁石表面よりも後退している場合は吸着力
の低下を招き、一方、バックヨーク端面が磁石表面より
も突出している場合は吸着力が低下するばかりでなく、
吸着時に、掲示板、電子黒板等の被吸着面を傷つけると
いう問題がある。
【0007】本発明は、かかる実情に鑑み、上記単純集
束配向磁石よりも吸着力を更に向上させた吸着用永久磁
石を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究の結果、特定量の磁粉を含有す
る磁石組成物の射出成形体からなる永久磁石であって、
特定の方向に配向させるとともに平均配向度を特定値以
上とすることにより、所期の目的が達成されることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の請求項1は、磁粉35〜7
5vol%、残部が合成樹脂からなる磁石組成物の射出成形
体からなる永久磁石であって、該永久磁石を構成する磁
粉の磁化容易軸が吸着作用面から磁石内部を通り、再び
吸着作用面に戻ってくるように配向同時着磁、もしくは
配向同時着磁と同様のパターンでの逆磁場印加再着磁し
た異方性磁石からなり、平均配向度が80%以上である
ことを特徴とする吸着用永久磁石を内容とする。
【0010】本発明の請求項2は、合成樹脂が、ポリア
ミド樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
(ABS)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフェニレン
サルファイド(PPS)樹脂、液晶樹脂、エラストマー
から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の吸着
用永久磁石を内容とする。
【0011】本発明の請求項3は、吸着作用面が平面も
しくは被吸着面に沿った形状であり、全体の形状が円盤
状、楕円盤状、部分球状、もしくは中央部に貫通孔を有
するドーナツ状からなる請求項1又は2記載の吸着用永
久磁石を内容とする。
【0012】本発明の請求項4は、吸着作用面の反対側
の非吸着作用面が、吸着作用面よりも大きい請求項1〜
3のいずれか1項に記載の吸着用永久磁石を内容とす
る。
【0013】本発明の請求項5は、非吸着作用面が、磁
石組成物以外の材料からなる請求項1〜4のいずれか1
項に記載の吸着用永久磁石を内容とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、まず永久磁石の吸
着力を向上させるには、磁石を吸着させたときに、非吸
着作用面から無駄に放射される磁力線を少なくすればよ
いのではないかと考え、磁粉の磁化容易軸を吸着作用面
から磁石内部に向かわせ、その後再び吸着作用面に戻す
配向が最適と考えた。さらに鋭意検討を加えた結果、平
均配向度を一定の値以上とすることにより十分な吸着力
を有する永久磁石が得られることを見出し、本発明に到
達したものである。
【0015】本発明の吸着用永久磁石は、磁粉35〜7
5vol%、残部が合成樹脂からなる磁石組成物からなる。
本発明に用いられる磁粉としては、フエライト系磁扮、
アルニコ系磁粉及びサマリウム−コバルト系磁粉やネオ
ジム−鉄−ボロン系磁粉、サマリウム−鉄−窒素系磁粉
等の希土類元素を含む磁粉など、従来公知のものいずれ
もが使用でき、その平均粒子径については、通常、フエ
ライト系では0.5〜2.0μm程度、その他のもので
は2〜50μm程度が利用される。
【0016】本発明に用いられるバインダーとしての合
成樹脂についても、従来公知のものいずれもが使用でき
る。その代表例を示すと、ポリアミド6、ポリアミド1
2、ポリアミド66、芳香環を含む芳香族ポリアミドな
どのポリアミド系樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂,塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン及びポリプロ
ピレンなどを単独又は共重合したポリオレフィン系樹
脂;ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステ
ル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹
脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、塩素
化ポリエチレン(CPE)樹脂、クロロスルホン化ポリ
エチレン樹脂(デュポン社の商品名「ハイパロン」)、
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹
脂、液晶樹脂、エポキシ系樹脂,フエノール系樹脂等;
イソプレン、ネオプレン、スチレンブタジエン、ブタジ
エン、アクリロニトリルブタジエンなどのゴム;オレフ
ィン系エチレン−プロピレン−ジエン−メチレン(EP
DM)、ウレタン系、ポリエステル系などののエラスト
マー等が使用できる。これらは単独で又は必要により2
種以上混合して用いられる。これらの中で、ポリアミド
樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、PPS樹脂、
液晶樹脂、エラストマーが好ましい。
【0017】磁粉とバインダーとしての合成樹脂との配
合割合は、磁粉が35〜75vol%、合成樹脂が65〜2
5vol%の範囲であり、好ましくは60〜72vol%であ
る。磁粉が35vol%未満では吸着力が不十分で、一方、
75vol%を越えると溶融粘度が高くなり射出成形が困難
となり、また射出成形できたとしても、ひび割れが発生
したり、吸着用磁石として繰り返し使用し、脱着を繰り
返している間に割れるというトラブルが発生し易くな
る。なお、その他にも、従来から常用される可塑剤や抗
酸化剤、表面処理剤などを目的に応じて使用できること
はいうまでもない。
【0018】本発明の吸着用永久磁石は、該永久磁石を
構成する磁性粉の磁化容易軸が吸着作用面から磁石内部
を通り、再び吸着作用面に戻ってくるように配向同時着
磁、もしくは配向同時着磁と同様のパターンでの逆磁場
印加再着磁した異方性磁石からなる。このような異方性
磁石は、例えば、図1に示すような射出成形用金型によ
り製造することができる。
【0019】図1は、多数個取りの射出成形用金型の一
例を示す概略図で、1はキャビティ、2はスプルー、3
はランナー、4は永久磁石、5はヨーク(強磁性体)、
6は非磁性体、7は突出しピンである。図2は、図1に
おけるI−I断面図、図3はII−II断面図である。磁粉
と合成樹脂とを主成分とする樹脂磁石組成物は、スプル
ー2、ランナー3を経由してキャビティ1内に充填さ
れ、矢示した如く磁力線に沿って磁粉粒子の磁化容易軸
が吸着作用面から磁石内部を通り再び吸着作用面に戻っ
てくるように配向される。尚、図1では永久磁石4を用
いた例を示したが、これに代えて電磁石を使用してもよ
いことは云うまでもない。キャビティ1より取り出され
た吸着用永久磁石8は、吸着作用面K及び非吸着作用面
Hを有する。
【0020】本発明の吸着用永久磁石は、射出成形で得
られ、その他の成形方法では良好な吸着用永久磁石が得
られない。例えば、圧縮成形は磁粉により成形できない
場合があり、例えば、平均粒径が1〜5μmと小さいフ
ェライトやSmFeN系の磁粉は、特に薄物の磁石を得
る場合、グリーン成形時にブリッジを起こしキャビティ
内にスムーズに導入されず、所謂充填不良を起こす。そ
の結果、製品に空隙が発生し、機械的強度が不良とな
り、使用中に誤って落下させたような場合に、破損し易
くなる。
【0021】また、押出成形は、押出し直後に形状を保
持させるため粘度を高く設定する必要があり、また配向
磁場の印加時間が短いために配向度が上がらず、その結
果、吸着力の高い製品が得られ難い。従って、押出し速
度を極端に遅くして磁場配向時間を長くする必要がある
が、これは生産性を低下せしめコストの大巾な上昇を招
く。
【0022】一方、射出成形は、キャビティ充填時の粘
度が低く、冷却固化するまでの磁場印加時間、即ち、配
向時間を十分に確保でき、低コストで品質の良好な吸着
用永久磁石を得ることができる。反応射出成形(RI
M)は特別な成形システムが必要となるが、射出成形の
長所を兼ね備えた成形方法として使用することができ
る。
【0023】本発明の吸着用永久磁石は平均配向度を8
0%以上に調整する必要がある。平均配向度が80%未
満では、磁粉の含有率を上げても吸着力の良好な永久磁
石を得ることができない。好ましくは、90%以上であ
る。尚、本発明において、平均配向度は下記の方法によ
り求められる。
【0024】被測定サンプルを配向方向に対して直角に
割り、その断面の各部分の配向状況を予めSEM写真で
とった基準配向度サンプルと比較し、各部分の配向度を
決定し平均配向度とする。基準配向度サンプルの作り方
は、例えば、その配向度が概ね5%きざみとなるよう
に、サンプル作成時の配向磁場の強さを設定して作成す
る。被測定サンプルのSEM写真の視野は、配向が吸着
作用面から磁石内部に連なり、再び吸着作用面に戻るま
でに10分割程度となるように設定し、その平均値を採
用する。
【0025】磁場配向励磁方法は、既に知られた永久磁
石方式と電磁石方式が使用できる。希土類系の磁粉を用
いた場合は、印加磁場が大きく期待できる電磁石方式が
有利であるが、フェライト系の場合は、永久磁石使用の
方が金型をコンパクトにできる利点がある。磁場配向励
磁用の永久磁石としては、既に知られたネオジム−鉄−
ボロン系焼結磁石、サマリウム−コバルト系焼結磁石が
好適に使用できる。
【0026】本発明の吸着用永久磁石は、塗装鉄板(白
板)、電子黒板等の吸着対象物の被吸着面に沿った吸着
作用面を有する。被吸着面は、通常は平面であるが、被
吸着面が曲面であれば、曲面の吸着作用面とする。全体
の形状は円盤状、楕円盤状の他、様々な形状の磁石に適
用できる。例えば、方形状、三角形状、五角形状、六角
形状、八角形状等の多角盤状、中央部に貫通孔を有する
ドーナツ状、半球状等の部分球状、円錐状、多角錘状
等、また、円盤が2つ以上連なったような形状等が挙げ
られる。
【0027】本発明の吸着用永久磁石は、例えば、図
4、図5に示すように、吸着作用面Kの反対側の非吸着
作用面Hを、吸着作用面Kよりも大きくすることが好ま
しい。このような形状とすることにより、吸着用永久磁
石として使用する際、指で把持し易くなる。図4は、吸
着作用面K側の小径の円盤状部と非吸着作用面H側の大
径の円盤状部を連設した形状とした例であり、また図5
は、非吸着作用面H側から吸着作用面K側に向けて集束
するテーパー状とした例である。
【0028】また、本発明の吸着用永久磁石は、非吸着
作用面側(吸着作用面の反対側のみならず側面を含む)
に同じ磁石組成物で取っ手をつけてもよい。取っ手には
鍋蓋方式、逆シルクハット形式等の既に知られた形状を
用いることができる。更に、吸着用永久磁石の非吸着作
用面側の吸着にさほど寄与しない部分の磁石組成物をそ
ぎ落として取っ手を設けた形状は、材料の節約にもなり
コスト的にも有利である。また、取っ手を磁石組成物以
外の合成樹脂でインサート成形、成形後の嵌め込み或い
は接着により形成してもよい。
【0029】図6〜図13に、本発明の吸着用永久磁石
の磁気回路及び配向状態のいくつかの例を示す。尚、こ
れらの図の中で、数字は、参考までに寸法(mm)の一
例を示したものである。
【0030】
【作用】図14、図15、図16は、それぞれ本発明の
吸着用永久磁石、軸方向配向永久磁石、バックヨークを
取り付けた軸方向配向永久磁石を用いて、紙11を塗装
鉄板12に吸着固定した状態を示す概念図である。これ
らの図から明かなように、本発明の吸着用永久磁石は、
非吸着作用面から無駄に放射される磁力線が少なく、磁
力線が有効に吸着作用に利用されるため、強力な吸着力
を発揮するものと考えられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明は実施例、比較例を挙げて更に
詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するもの
ではない。
【0032】実施例1 図1に示した磁気回路を設定した射出成形用金型を用い
て、直径が30mm、厚さ5mmの円盤状磁石を下記の
配合及び成形条件で磁場配向射出成形により作製した。
得られた吸着用永久磁石についての物性を下記の方法及
び基準により評価した。評価結果を表1に示す。尚、本
発明の集束配向を以下、吸着作用面集束配向と記す。
【0033】 (配合) 磁粉(フェライト磁粉:マグネトプランバイト系ストロンチウム系フェライト :平均粒子径1.5μm) 68vol% 合成樹脂(ポリアミド12) 31vol% 可塑剤(TTS:イソプロピルトリイソステアロイルチタネート) 1vol%
【0034】(成形条件) 射出シリンダー温度:280℃ 金型温度:100℃ 射出圧力:1500kg/cm2 励磁時間::20秒 冷却時間:25秒 射出サイクル:40秒
【0035】(評価方法及び基準)吸着力:吸着用永久
磁石を用いてA4コピー用紙を1枚だけを塗装鉄板に吸
着保持したときの吸着力(g/cm2 )。 ◎:極めて強い(1200g/cm2 以上) ○:強い(900〜1200g/cm2 未満) △:普通(600〜900g/cm2 未満) ×:弱い(600g/cm2 未満) 成形直後の反り:吸着用永久磁石の成形直後の反りを肉
眼により評価。 ◎:反りが認められる。 ×:反りが認められない。 ボイド:吸着用永久磁石のボイドを肉眼により評価。 ◎:ボイドが認められる。 △:ボイドが認められない。 ひび割れ:吸着用永久磁石のひび割れを肉眼により評
価。 ◎:ひび割れが認められない。 △:ひび割れが少し認められる。 ×:ひび割れが顕著に認められる。 くり返し使用時のひび割れ性:吸着用永久磁石のくり返
し使用時のひび割れ性を肉眼により評価。 ◎:ひび割れが認められない。 △:ひび割れが少し認められる。 ×:ひび割れが顕著に認められる。 落下テスト:吸着用永久磁石を1mの高さからコンクリ
ート床面上に落下させたときの状態を肉眼により視察。 ◎:外観に変化が認められない。 ○:僅かに欠けが認められる。 △:かなり欠けが認められる。 ×:顕著に欠けが認められる。
【0036】実施例2〜8 表1に示す如く変更した他は実施例1と同様にして吸着
用永久磁石を製造し、物性を評価した。評価結果を表1
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】比較例1〜7 比較例1〜2については、吸着作用面集束配向から、軸
方向配向(比較例1)、単純集束配向(比較例2)にそ
れぞれ変更し、また比較例3については平均配向度を8
0%から70%に変更し、また比較例4については、射
出成形から圧縮成形に変更した他は実施例1と同様にし
て吸着用永久磁石を得、物性を評価した。また、比較例
5〜7については下記の配合及び成形条件で得られる焼
結磁石とし、軸方向配向でバックヨーク無し(比較例
5)、軸方向配向でバックヨーク有り(比較例6)、単
純集束配向(比較例7)とした例である。物性の評価結
果を表2に示す。尚、比較のために、実施例1の吸着用
永久磁石の結果も併せて掲記した。
【0039】 (配合) 磁粉(フェライト磁粉:マグネトプランバイト系ストロンチウム系フェライト :平均粒子径1.5μm) 50vol% 水 50vol%
【0040】(成形条件) 水抜き方法:チャンバー方式 励磁方法:竪磁場成形 成形温度:25℃ 焼成温度:1250℃
【0041】(評価方法及び基準)表1に記載されてい
ない物性の評価方法及び基準は下記のとおりである。 吸着固定力:吸着用永久磁石を用いてA4コピー用紙を
塗装鉄板に吸着固定させたときの最大枚数。 吸着時のすり傷:吸着用永久磁石を塗装鉄板に吸着させ
たまま横滑りさせたときに鉄板塗装面のすり傷の有無を
肉眼で観察。
【0042】
【表2】
【0043】表1及び表2の結果から、比較例1の軸方
向配向や比較例2の単純集束配向の合成樹脂永久磁石は
吸着力が不十分で、また比較例3に示すように、吸着作
用面集束配向であっても平均配向度が80%未満では、
やはり吸着力が不十分である。また、比較例4の如く、
圧縮成形で得られる永久磁石は製造時にボイドやひび割
れが入り易く、また吸着文具として繰り返し使用中に、
ひび割れが入り易く不都合である。
【0044】更に、比較例5の軸方向配向の焼結磁石は
落下テストで欠けが認められ、これは、比較例6に示す
ように、バックヨークを設けることにより改善される
が、吸着時に被吸着物表面に傷が入り易い。また、比較
例7に示す如く、単純集束配向した場合は、製品に反り
やひび割れが発生し、また落下テストでも欠けが起こり
易く、不都合である。
【0045】
【発明の効果】叙上のとおり、本発明によれば、製造中
にボイドやひび割れがなく、また、使用中に落下させて
も欠けが生じず、更に、被吸着物表面に傷を付着させな
い吸着用磁石を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁場
配向射出成形金型の一例を示す概略図である。
【図2】図1のI−I断面図である。
【図3】図1のII−II断面図である。
【図4】本発明の吸着用永久磁石の形状の一例を示す断
面図である。
【図5】本発明の吸着用永久磁石の形状の一例を示す断
面図である。
【図6】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁気
回路及び配向状態を示す概略図である。
【図7】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁気
回路及び配向状態を示す概略図である。
【図8】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁気
回路及び配向状態を示す概略図である。
【図9】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁気
回路及び配向状態を示す概略図である。
【図10】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁
気回路及び配向状態を示す概略図である。
【図11】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁
気回路及び配向状態を示す概略図(III −III 断面)で
ある。
【図12】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁
気回路及び配向状態を示す概略図である。
【図13】本発明の吸着用永久磁石を製造するための磁
気回路及び配向状態を示す概略図(IV−IV断面)であ
る。
【図14】本発明の吸着用永久磁石を用いて紙を塗装鉄
板に吸着させた状態を示す概念図である。
【図15】軸方向配向磁石を用いて紙を塗装鉄板に吸着
させた状態を示す概念図である。
【図16】バックヨークを取り付けた軸方向配向磁石を
用いて紙を塗装鉄板に吸着させた状態を示す概念図であ
る。
【図17】従来の軸方向配向永久磁石を示す概略図であ
る。
【図18】従来の単純集束配向永久磁石を示す概略図で
ある。
【図19】従来の、バックヨークを取り付けた軸方向配
向永久磁石を示す概略図である。
【符号の説明】
1 キャビティ 2 スプルー 3 ランナー 4 永久磁石 5 ヨーク(強磁性体) 6 非磁性体 7 突出しピン 8 吸着用永久磁石 9 焼結磁石 10 バックヨーク 11 紙 12 塗装鉄板 K 吸着作用面 H 非吸着作用面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁粉35〜75vol%、残部が合成樹脂か
    らなる磁石組成物の射出成形体からなる永久磁石であっ
    て、該永久磁石を構成する磁粉の磁化容易軸が吸着作用
    面から磁石内部を通り、再び吸着作用面に戻ってくるよ
    うに配向同時着磁、もしくは配向同時着磁と同様のパタ
    ーンでの逆磁場印加再着磁した異方性磁石からなり、平
    均配向度が80%以上であることを特徴とする吸着用永
    久磁石。
  2. 【請求項2】 合成樹脂が、ポリアミド樹脂、アクリロ
    ニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリ
    塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PP
    S)樹脂、液晶樹脂、エラストマーから選ばれる少なく
    とも1種である請求項1記載の吸着用永久磁石。
  3. 【請求項3】 吸着作用面が平面もしくは被吸着面に沿
    った形状であり、全体の形状が円盤状、楕円盤状、部分
    球状、もしくは中央部に貫通孔を有するドーナツ状から
    なる請求項1又は2記載の吸着用永久磁石。
  4. 【請求項4】 吸着作用面の反対側の非吸着作用面が、
    吸着作用面よりも大きい請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の吸着用永久磁石。
  5. 【請求項5】 非吸着作用面が、磁石組成物以外の材料
    からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸着用永
    久磁石。
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