JP2003217345A - 耐熱性高分子イオン交換膜 - Google Patents
耐熱性高分子イオン交換膜Info
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Abstract
交換膜を提供すること。 【解決手段】 Mcが特定の値を満たすようにアミン処
理して得られたパーフルオロ高分子イオン交換膜を用い
る。
Description
交換膜に関するもので、更に詳しくは、燃料電池、水電
解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿
度センサ、ガスセンサ等に用いられる耐熱性高分子イオ
ン交換膜に関するものである。
分子イオン交換膜が知られている。この固体高分子イオ
ン交換膜は、高分子鎖中にスルホン酸基やカルボン酸基
等のイオン交換基を有する固体高分子材料であり、特定
のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを
選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊
維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池
隔膜等、各種の用途に利用されているものである。
からなる固体高分子イオン交換膜は、固体高分子型燃料
電池や水電解セル等に用いられる。固体高分子型燃料電
池は、電解質膜の両面に一対の電極を設け、改質ガス等
の水素を含む燃料ガスを一方の電極(燃料極)へ供給
し、空気等の酸素を含む酸化剤ガスを他方の電極(空気
極)へ供給し、燃料が酸化する際に発生する化学エネル
ギーを、直接電気エネルギーとして取り出す電池であ
る。
り水素と酸素を製造する電解法で、SPE電解法等が知
られている。SPEとはSolid Polymer
Electrolyteの略で、電解質として、従来の
アルカリ水溶液に代えて、プロトン伝導性を有する固体
高分子イオン交換膜が用いられている。
オン交換膜としては、例えば、ナフィオン(登録商標、
デュポン社製)に代表されるパーフルオロカーボンスル
ホン酸膜が知られている。パーフルオロカーボンスルホ
ン酸膜の形状はパーフルオロアルキレン鎖によって保た
れているが、架橋されていないため、側鎖部にあるイオ
ン交換基は比較的分子運動の自由度が大きく、イオン化
した状態では本来疎水性の強い主鎖部分と親水性のイオ
ン交換基が共存し、イオン交換基はフルオロカーボンマ
トリックス中で会合し、イオンクラスタを形成してい
る。
子イオン交換膜は、化学的安定性が非常に高く、耐久性
に優れることから、過酷な条件下で使用されるイオン交
換膜として賞用されているものである。
芳香族ポリエーテルケトンにスルホニルハライド基を導
入し、導入されたスルホニルハライド基とUV硬化型の
アミン架橋剤とを反応させ、次いでアミン架橋剤を架橋
反応させることにより得られる架橋型の炭化水素系高分
子電解質膜が開示されている。
型燃料電池は、電池の作動温度が高くなるほど、発電効
率が高くなることが知られている。また、固体高分子イ
オン交換膜の両面に接合される電極には、白金系の電極
触媒が含まれているが、白金は、微量の一酸化炭素であ
っても被毒され、燃料電池の出力を低下させる原因とな
る。しかも、電極触媒の一酸化炭素による被毒は、低温
ほど著しくなることが知られている。
等、微量の一酸化炭素を含むガスを燃料ガスとして用い
る固体高分子型燃料電池においては、一酸化炭素被毒を
回避するため、100℃以上の高温条件下で作動させる
ことが望まれている。
を消費して水素や酸素を製造するため、電気エネルギー
を有効に使用することが望まれている。水の電気分解に
必要な最低の電圧、すなわち、理論分解電圧は、高温に
なるほど小さくなることが知られており、そのため高温
で電解を行えば、電解に要する電力が少なくて済み、効
率の点で有利である。
パーフルオロ高分子イオン交換膜は、非架橋であるため
に耐熱性が低く、ガラス転移温度近傍である120℃以
上では膜中の分子運動が容易になって構造が変化し、膜
がクリープする等、高い温度及び長期にわたる電解質膜
としての使用には問題がある。
膜を燃料電池やSPE電解装置に用いた場合には、作動
温度を100℃以下とする必要があり、一酸化炭素によ
る電極触媒の被毒の防止や効率の点で有利な高温で使用
することができないという問題があった。また、パーフ
ルオロ高分子イオン交換膜は、非架橋であるため、導電
性を向上させるために電解質基の導入量を増しすぎる
と、水に著しく膨潤、もしくは可溶化してしまい、膜の
設計自由度も大幅に限定されていた。
て、耐熱性を改善する方法としては、例えば特開昭60
−149631号公報に示されいるポリテトラフルオロ
エチレンのフィブリルを補強材として添加する方法があ
るが、補強材の添加によりある程度の耐熱性の改善は見
られるものの、イオン交換容量が低下するためイオン伝
導度が低下することが問題であった。
ン交換膜であれば、高温における高分子鎖の流動が抑制
されるので、パーフルオロ高分子イオン交換膜の耐熱性
に対して有効と考えられる。更には、架橋により膜のイ
オン交換基の導入量を増しても可溶化することなく、導
電性の向上など、その設計自由度が向上する。しかしな
がら、パーフルオロ高分子イオン交換膜における炭素と
フッ素の結合は化学的に極めて安定で不活性であるため
に架橋は容易ではない。また、イオン交換基を介して架
橋すると、イオン交換基の数が減少し、導電性が低下し
てしまう。
されている架橋型炭化水素系高分子電解質は、架橋剤を
含めて主要部分が炭化水素構造で構成されているため
に、高温での耐酸化性がなく、そのままでは高温で使用
することはできない。
にわたり高温の酸化条件にさらされることが多く、長期
にわたる耐熱性が要求される。例えば、固体高分子型燃
料電池において、膜抵抗を低減させるため薄膜化した場
合等においては、耐熱性が低いと、膜がクリープして局
所的・微視的に非常に薄い部分が生じ、回路電圧の極端
な低下や電気的なショートをもたらし、長期にわたる信
頼性を損なってしまう等の問題も生ずる。
及び導電性に優れた改質高分子イオン交換膜を提供する
ことにある。
を解決するため鋭意研究を行った結果、Mcが特定の値
を満たすようにアミン処理して得られたパーフルオロ高
分子イオン交換膜が耐熱性及び導電性に優れることを見
出し、本発明をなすに至った。
により改質して得られたパーフルオロ高分子イオン交換
膜において、下記(1)式 F/S=ρRT(α−α−2)/Mc ・・・(1) (式中Fは、パーフルオロ高分子イオン交換膜の220
℃における引張り応力、Sは未伸張時の膜の断面積、ρ
は密度、Rは気体定数、Tは絶対温度、αは伸張比で未
伸張時の膜の長さに対する伸張後の膜の長さの比を示
す。)で示されるMcが Mc<1×106 ・・・(2) を満たすことを特徴とする耐熱性高分子イオン交換膜を
提供するものである。
理が、アンモニア、アルキルアミン類から選ばれる1種
乃至は2種以上の混合物に接触させることを特徴とする
第一発明の耐熱性高分子イオン交換膜を提供するもので
ある。
が、液相による処理を含み、その処理液中の水分率が1
0〜500ppmであることを特徴とする第一発明乃至第
二発明の耐熱性高分子イオン交換膜を提供するものであ
る。
理が、アンモニアとの接触を含む第1のアミン処理工程
と、その後にアルキルアミン類から選ばれる1種乃至は
2種以上の混合物との接触を含む第2のアミン処理工程
を有することを特徴とする第一発明〜第三発明の耐熱性
高分子イオン交換膜を提供するものである。
アとの接触を含む第1のアミン処理工程において、プロ
トン溶媒との接触を含むことを特徴とした第四発明の耐
熱性高分子イオン交換膜を提供するものである。
り改質して得られたパーフルオロ高分子イオン交換膜に
おいて、赤外分光スペクトル上の、ベースライン補正し
た1386cm−1付近のピーク吸光度A1と971c
m−1付近のピーク吸光度A2の比が、0.4以下であ
る第一発明〜第五発明の耐熱性高分子イオン交換膜を提
供するものである。また、本願の第七発明は、アミン処
理により改質して得られたパーフルオロ高分子イオン交
換膜において、赤外分光スペクトル上の、ベースライン
補正した1386cm−1付近のピーク吸光度A1と1
056cm−1付近のピーク吸光度A3の比が、0.1
以下である第一発明〜第五発明のパーフルオロ高分子イ
オン交換膜。
に説明する。
フルオロ高分子電解質からなり、膜厚は1〜500μ
m、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜
100μmである。膜厚が1μmより小さい場合は膜の
機械的強度が低く、クロスリークが発生しやすい。ま
た、500μmを超える膜厚では、イオン透過性が低く
なるため、好ましくない。
駆体に、前記式(1)で示したパーフルオロ高分子イオ
ン交換膜のMcが、Mc<106となるようにアミン処
理を行う。Mc<105となるようにアミン処理するの
がより好ましい。また、このパーフルオロ高分子電解質
あるいはその前駆体は、膜状であっても粉末状やペレッ
ト状であっても構わないが、好ましくは、膜状である。
ロ高分子イオン交換膜を幅5mm、長さ40mmの試験
片を切り出し、恒温槽付きの引っ張り試験(島津製作所
製AUTOGRAPH AGS)を用いて、温度220
℃(絶対温度493.15K)、チャック間距離20m
m、引っ張り速度120mm/分の条件で引張り試験を
行う。
20℃における引張り応力、Sは未伸張時の膜の断面
積、ρは密度、Rは気体定数、Tは絶対温度、αは伸張
比で未伸張時の膜の長さに対する伸張後の膜の長さの比
とすると、応力F/S(kg/cm2)を(α−
α−2)に対してプロットすると、緩やかなS字状の曲
線が得られる。このとき、 F/S=ρRT(α−α−2)/Mc ・・・(1) の関係があり、Mcは、最小勾配B(kg/cm2)と
絶対温度T(K)から、次式によって求められる。 Mc=ρRT/B ・・・(3) 但し、最小勾配Bは、(α−α−2)の最大値、すなわ
ち破断点までの30%以上のデータを反映した勾配であ
る。
イオン交換膜の220℃における引張り応力F/Sと
(α−α−2)の関係を例示し、最小勾配Bを求める直
線を作図で示した。
は、このようにして求めたMcが Mc<1×106 ・・・(2) を満たす。また、このパーフルオロ高分子電解質は、C
−H結合を含まず、フルオロカーボン(−CF2−、−
CFCl−)、クロロカーボン(−CCl2−)、その
他(−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R)−)
を主鎖、側鎖とするパーフルオロ高分子であって、これ
が、電解質基や化学反応による誘導化により電解質とな
りうる官能基で置換された構造を有するものをいう。こ
こで特に、化学反応による誘導化により電解質となりう
る官能基で置換されたものを、パーフルオロ高分子電解
質前駆体と呼ぶ。
例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが具体例と
して挙げられる。
より電解質となりうる官能基(*を付けたもの)として
は、例えば、−SO3H、−SO2F*、−SO2Cl
*、−SO2Br*、−SO3Na、−SO3K、−S
O3Li、−SO3Mg、−SO3Ca、−CO2H、
−COF*、−COCl*、−COBr*、−CON
a、−COK、−COLi、−COMg、−COCa、
−PO3H2、=PO2H、−OP(O2H)O−、−
OPO3H2、−OPOCl2 *、−OPOF2 *、−
OPOBr2 *、−POCl2 *、−POF2 *、−P
OBr2 *、−OP(OCl)O−*、−OP(OF)
O−*、−OP(OLi)O−、カルボン酸エステ
ル*、スルホン酸エステル*、リン酸エステル*、カル
ボン酸無水物*、スルホン酸無水物*、リン酸無水
物*、及びカルボン酸、スルホン酸とリン酸の混合無水
物*等が具体例として挙げられる。
−SO3H(スルホン酸基)、化学反応による誘導化に
より電解質となりうる官能基として、−SO2F(スル
ホニルフルオライド基)を化学構造中に有するパーフル
オロ高分子電解質が好ましい。中でも、スルホニルフル
オライド基は、後述するように、アミン処理により得ら
れたパーフルオロ高分子イオン交換膜において、容易に
耐熱性等を向上させることができるので、特に好まし
い。
るいはその前駆体の構造は、特に限定されるものではな
く、その高分子鎖は、直鎖状、あるいは分岐状のいずれ
の構造を有するものであっても良い。中でも、電解質基
や化学反応による誘導化により電解質となりうる官能基
を側鎖に有するパーフルオロ高分子電解質あるいはその
前駆体を好適に用いることができる。
子電解質あるいはその前駆体にアミン化合物を接触させ
ることをいう。アミン化合物は1種乃至は2種以上の混
合物に接触させて良く、気相または液相中のどちらで接
触させても良い。具体的には、接触させる方法として
は、アミン化合物を直接接触させても良いし、適当な溶
媒に溶解して接触させても良く、アミン化合物の蒸気に
さらしても良い。また、適当な溶媒に溶解して接触させ
る場合に用いる溶媒は、アミン化合物が溶解するもので
あれば特に制限はないが、アミン化合物が10mg/L
以上溶解するものが好ましく、溶解性の観点から、用い
る溶媒はフッ素系のCFC113(クロロフルオロカー
ボン)やHCFC225(ハイドロクロロフルオロカー
ボン)等が好ましい。また、ジオキサンやDMSO(ジ
メチルスルフォキシド)等の極性溶媒を添加することが
好ましい。
水分が10〜500ppmであることが好ましい。処理
液中の水分量が10ppm未満では、処理時間が増大
し、500ppmを超えると加水分解反応等が支配的に
なり耐熱性の向上が少ない。処理液中の水分率は、JI
S K 0068に従い、カールフィッシャー法によっ
て求める。滴定溶剤はサリチル酸150gをメタノール
1000mlに溶かしたサリチル酸−メタノール溶液を
用いる。
℃から250℃の範囲が好ましい。−30℃未満の場合
には、パーフルオロ高分子電解質中の分子運動性が低下
することにより処理時間が著しく増大し、250℃を超
える場合には、パーフルオロ高分子電解質の分解が起こ
ってしまうからである。また、接触させる時間やアミン
化合物の添加量等は、アミン化合物の種類により異なる
が、耐熱性が向上し、かつ、電気伝導度が著しく低下し
ない範囲で適宜調節すれば良く、特に限定されるもので
はない。
いて、アミン処理工程の後に、加熱処理工程もしくは塩
基処理工程のいずれか乃至は両方の工程を有することが
好ましい。
子電解質あるいはその前駆体を加熱することをいう。こ
の際、加熱する温度は、40℃から250℃の範囲で行
うのが好ましい。より好ましくは反応速度の観点からパ
ーフルオロ高分子電解質あるいはその前駆体の軟化温度
近傍(ナフィオンの場合には100から150℃の範
囲)で加熱すると良い。40℃以下では反応速度が著し
く遅く、250℃以上では、パーフルオロ高分子電解質
の分解が起こるため好ましくない。また、加熱する時間
は、アミン化合物を接触させるアミン処理時間、アミン
化合物の添加量や種類等により異なるが、耐クリープ特
性が向上し、かつ、電気伝導度が著しく低下しない範囲
で適宜調節すれば良く、特に限定されるものではない。
ルオロ高分子電解質あるいはその前駆体を接触させるこ
とをいう。接触させる方法としては、塩基を直接接触さ
せても良いし、適当な溶媒に溶解して接触させても良
く、塩基のガスにさらしても良い。また、適当な溶媒に
溶解して接触させる場合に用いる溶媒としては、塩基が
溶解するものであれば特に制限はないが、塩基が10m
g/L以上溶解するものが好ましく、溶解性の観点か
ら、用いる溶媒はフッ素系のCFC113(クロロフル
オロカーボン)やHCFC225(ハイドロクロロフル
オロカーボン)等が好ましい。また、ジオキサンやDM
SO(ジメチルスルフォキシド)等の極性溶媒を添加す
ることが好ましい。また、塩基処理する時間は、用いる
塩基の添加量や種類、塩基処理するときの温度等により
異なるが、耐熱性が向上し、かつ、電気伝導度が著しく
低下しない範囲で適宜調節すれば良く、特に限定される
ものではない。
の後に、加熱処理工程と塩基処理工程の両方の工程を有
することが好ましい。この場合には、アミン処理工程の
後に、加熱処理工程を有し、その加熱処理工程の後に、
塩基処理工程を有していても良いし、アミン処理工程の
後に、塩基処理工程を有し、その塩基処理工程の後に、
加熱処理工程を有していても良いし、アミン処理工程の
後に、加熱処理工程を有し、さらにその後に、塩基処理
工程を有し、その塩基処理工程の後に、さらに加熱処理
工程を有していても良い。特に好ましくは、パーフルオ
ロ高分子電解質あるいはその前駆体と、アミン化合物、
塩基との反応が加熱処理により一層促進される観点か
ら、アミン処理工程の後に、加熱処理工程を有し、さら
にその後に、塩基処理工程を有し、その塩基処理工程の
後に、さらに加熱処理工程を有することが好ましい。
物とは、アンモニアの水素原子が置換基により0から3
個置換されたアミン化合物やN原子を含む複素環式化合
物である環式アミンのことをいう。
が挙げられるが、例えば、アルキル基、アリール基、ア
リル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒド
ロキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシレート基、チオ
カルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフ
ィノ基、スルフェノ基、オキシカルボニル基、ハロホル
ミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、ア
ミジノ基、シアノ基、イソシアン基、シアナト基、イソ
シアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホ
ルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メ
ルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリ
ロキシ基、スルフィド基、ハロゲン基、ニトロ基、シリ
ル基、フェニル基等を含む構成要素から構成される置換
基が具体例として挙げられる。
K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Ba等で置
換されていても良い。なお、このようなアミン化合物は
金属アミドと呼ばれる。
ヘキシルアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘプチルア
ミン、ノニルアミン、デシルアミン、パーフルオロメチ
ルアミン、パーフルオロエチルアミン、パーフルオロブ
チルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオ
ロヘプチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、ジブチルアミン、パーフルオロジメ
チルアミン、パーフルオロジエチルアミン、パーフルオ
ロジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、パーフル
オロトリメチルアミン、パーフルオロトリエチルアミ
ン、パーフルオロトリブチルアミンなどが挙げられる。
ルアミン類から選ばれる1種乃至は2種以上の混合物に
接触させることがより好ましい。
しては、トリエチルアミン、ピリジン、DBU(1,8
−diazabicyclo[5.4.0]−7−un
decene)、トリブチルアミン、DBN(1,5−
ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5)等のアミン
化合物が好適である。
を含む第一のアミン処理工程と、その後の塩基処理工程
が、アルキルアミン類から選ばれる1種乃至は2種以上
の混合物との接触を含む第二のアミン処理工程を有する
ことが好ましい。
のアミン処理工程において、プロトン溶媒との接触を含
むことが好ましい。ここでプロトン溶媒とは、水、アル
コール類、グリコール類、フェノール類等の容易にその
分子から水素原子をプロトンとして放つことができる溶
媒をいう。
の値を満たすようにアミン処理して得られたパーフルオ
ロ高分子イオン交換膜は、電気伝導度を維持したまま、
高温における分子の流動が抑制され、高温域における耐
熱性を大幅に向上させることができるようになる。ま
た、高分子鎖がパーフルオロ高分子で形成されているた
め、高温における耐酸化性も問題とならない。
熱性を向上させることができる理由について詳細は明ら
かではないが、パーフルオロ高分子電解質中の電解質基
や化学反応による誘導化により電解質となりうる官能基
の部分において、アミン化合物による共有結合、あるい
はイオン結合による架橋が生じているため、耐熱性が向
上するものと考えられ、また、その架橋点において、水
素原子の結合に寄与する電子が、電子吸引性を有するフ
ッ素化炭素に引き寄せられて移動し、水素原子がプロト
ンとして放出され易くなっているため、電気伝導度が維
持されるものと考えられる。
その前駆体にアミン化合物を接触させるアミン処理工程
の後に、塩基処理工程を有する場合は、塩基により架橋
反応が促進され、効率良く架橋を生じるものと考えられ
る。
るいはその前駆体にアミン化合物を接触させるアミン処
理工程の後に、加熱処理工程を有する場合には、加熱に
より架橋反応が促進され、効率良く、架橋が生じるもの
と考えられる。
その前駆体にアミン化合物を接触させるアミン処理工程
の後に、塩基処理工程を有し、その塩基処理工程の後
に、加熱処理工程を有している場合には、上記による相
乗効果によって、より一層効率よく、電気伝導度を維持
しながら、耐熱性を大幅に向上させることができる。
ン交換膜の赤外分光スペクトルより、ベースライン補正
した1386cm−1付近のピークの吸光度A1と97
1cm−1付近のピークの吸光度A2の比が0.4以下
であることが好ましい。ここでベースライン補正した吸
光度とは、A1については赤外分光スペクトル上の14
21cm−1と1366cm−1のポイントを直線で結
び、1386cm−1付近のピークからこの直線まで縦
軸に平行に直線を引いたときの交わった点の吸光度を0
としたときの、1386cm−1付近のピークの吸光度
である。また、A2については赤外分光スペクトル上の
976cm−1と956cm−1のポイントを直線で結
び、971cm−1付近のピークからこの直線まで縦軸
に平行に直線を引いたときの交わった点の吸光度を0と
したときの、971cm−1付近のピークの吸光度であ
る。これらの赤外分光分析は、パーフルオロ高分子イオ
ン交換膜のATR法(全反射法)による測定によって求
められるが、膜透過法によって求めても良い。さらに、
得られたパーフルオロ高分子イオン交換膜の赤外分光ス
ペクトルより、ベースライン補正した1386cm−1
付近のピーク吸光度A1と1056cm−1付近のピー
クの吸光度A3の比が、0.1以下であることが好まし
い。ここでベースライン補正した吸光度A3とは、赤外
分光スペクトル上の1073cm−1と1032cm
−1のポイントを直線で結び、1056cm−1付近の
ピークからこの直線まで縦軸に平行に直線を引いたとき
の交わった点の吸光度を0としたときの、1056cm
−1付近のピークの吸光度である。これらの赤外分光分
析は、パーフルオロ高分子イオン交換膜のATR法(全
反射法)による測定によって求められるが、膜透過法に
よって求めても良い。以上について、図2に赤外分光分
析チャート上でのA1とA2、A3の求め方を作図で示
した。
−SO2NH2基等のイオン交換寄与が非常に低い基に
よる吸収であり、またA2、A3は、イオン交換基であ
る−SO3H基等による吸収であるので、A1とA2の
比が0.4以下、またA1とA3の比が0.1以下であ
ることにより、電気伝導度の高い膜が得られる。
うにアミン処理して得られたパーフルオロ高分子イオン
交換膜を、例えば、固体高分子型燃料電池に用いた場合
には、120℃以上の高温条件下であっても安定に作動
し、また、効率を飛躍的に向上させることができ、しか
も、メタノール改質型燃料電池において問題となってい
る、電極触媒の一酸化炭素による被毒に起因する電圧低
下は、こうした高温運転により大幅に低減することが可
能となる。
明する。
F2=CF−O−CF2CF(CF3)−O−CF2C
F2−SO2Fの共重合体をパーフルオロ高分子電解質
の加水分解前の電解質前駆体として用いた。このポリマ
ーをJIS K−7210に基づき、温度270℃、荷
重2.16kgで測定したメルトインデックス(MI)
は20(g/10分)であった。以下、このポリマーを
膜状にしたものをF膜と呼ぶ。またこのF膜を酸型にし
たときの、酸1当量当たりのポリマー重量を表す当量重
量(EW)は950(g/eq)であった。なお、当量
重量(EW)は、以下のように求めた。まず、25℃飽
和NaCl水溶液に浸漬し、攪拌しながら10分間放置
したのちフェノールフタレインを指示薬として0.01
Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中
和後得られたNa型イオン交換膜を純粋で洗浄したあ
と、真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリ
ウムの当量をM(mmol)、Na型イオン交換膜の重
量をW(mg)とし、下記式(3) EW=(W/M)−22 より当量重量EW(g/eq)を求めた。
ド膜であるF膜に、アミン化合物を接触させるアミン処
理を行った。すなわち、グローブボックス中で、フロン
溶媒(HCFC225)とジオキサンとトリエチルアミ
ンが体積比で8:2:0.3、さらに水を100ppm
添加して全量100ccになるように攪拌して調合し、
さらにこれにアンモニアを吹かしてアンモニア濃度が
0.1mol/kgとなるようにして処理液1を作製
し、これに膜厚25μm、大きさ1cmx8cmのパー
フルオロ系スルホニルフロライド膜であるF膜を室温で
20時間浸漬した。
5で洗浄した。さらにこの膜を120℃で15時間加熱
した。以後の操作は空気中、室温にて行った。得られた
膜を25%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間還流し、
水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬して加水分解し、
残留するスルホニルフルオライド基をスルホン酸ナトリ
ウム基に変換した。さらに、1M硫酸中で1時間還流
し、プロトン型に変換した。その後、純水中で10分還
流し、水洗後、得られた膜を純水中に保存した。このイ
オン交換膜を実施例1とする。
イオン交換膜のMcを、以下の手順により行った。すな
わち、パーフルオロ高分子イオン交換膜を幅5mm、長
さ40mmの試験片を切り出し、恒温槽付きの引っ張り
試験機(島津製作所製AUTOGRAPH AGS)を
用いて、温度220℃(絶対温度493.15K)、チ
ャック間距離20mm、引っ張り速度120mm/分の
条件で引張り試験を行う。
20℃における引張り応力、Sは未伸張時の膜の断面
積、ρは密度、Rは気体定数、Tは絶対温度、αは伸張
比で未伸張時の膜の長さに対する伸張後の膜の長さの比
とすると、応力F/S(Pa)を(α−α−2)に対し
てプロットすると、緩やかなS字状の曲線が得られる。
このとき、Mcは、最小勾配B(N/cm2)と絶対温
度T(K)から、次式 Mc=ρRT/B ・・・(4) から求めた。但し、最小勾配Bは、(α−α−2)の最
大値、すなわち破断点までの30%以上のデータを反映
した勾配とした。また、ρ=2(g/cm3)、R=
8.31×102(N・cm/mol・K)、T=49
3.15(K)より求めた。
イオン交換膜の電気伝導度の測定を、以下の手順で行っ
た。すなわち、得られた幅1cmのイオン交換膜を、2
端子の電気伝導度測定セルに装着し、セルの電流、電圧
端子には膜との接触性向上のため白金黒メッキを施した
白金箔を使用した。そしてこれらのセルをそれぞれ純水
中に浸漬し、LCRメーター(YHP製 4262A
LCR METER)を用いて交流法(10kHz)に
よりイオン交換膜の膜抵抗を測定した。そして、次式 σ=L/(R・S)=L/(R・w・t) ・・・(5) により電気伝導度(σ)を求めた。尚、各膜厚は電気伝
導度測定後にマイクロメーターで測定した値を用いた。
但し、(5)式中、σ:電気伝導度(S/cm)、R:
抵抗(Ω)、L:電圧端子間の距離(=1cm)、S:
膜の断面積(cm 2)、t:膜厚(cm)、w:膜幅
(cm)
における耐クリープ評価を、以下の手順で行った。すな
わち、パーフルオロ高分子イオン交換膜を幅10mm、
長さ50mmの試験片を切り出し、チャック間距離20
mm、荷重が0.8MPaになるように膜に錘をぶら下
げ、160℃の雰囲気にさらし、20時間後の膜の伸び
率(伸びの初期の長さに対する割合、以下クリープ伸び
率と呼ぶ。)を測定した。
0068に従い、カールフィッシャー法によって求め
た。装置は、溶液滴定方式のMKA−510(京都電子
工業製)を用い、滴定溶剤はサリチル酸150gをメタ
ノール1000mlの比率で溶かしたサリチル酸−メタ
ノール溶液を用いた。
ライン補正した1386cm−1付近のピーク吸光度A
1と971cm−1付近のピーク吸光度A2の比を求め
た。ここでベースライン補正した吸光度とは、A1につ
いては赤外分光スペクトルの1421cm−1と136
6cm−1のポイントを直線で結び、1386cm− 1
付近のピークからこの直線まで縦軸に平行に直線を引い
たときの交わった点を吸光度0としたときの、1386
cm−1付近のピークの吸光度を読み取った。また、A
2については赤外分光スペクトル上の976cm−1と
956cm−1のポイントを直線で結び、971cm
−1付近のピークからこの直線まで縦軸に平行に直線を
引いたときの交わった点の吸光度を0としたときの、9
71cm− 1付近のピークの吸光度を読み取った。さら
に、表面の赤外分光スペクトルより、ベースライン補正
した1386cm −1付近のピーク吸光度A1と105
6cm−1付近のピーク吸光度A3の比を求めた。ここ
でベースライン補正した吸光度A3とは、赤外分光スペ
クトル上の1073cm−1と1032cm−1のポイ
ントを直線で結び、1056cm− 1付近のピークから
この直線まで縦軸に平行に直線を引いたときの交わった
点の吸光度を0としたときの、1056cm−1付近の
ピークの吸光度を読みとった。
ン溶媒(HCFC225)にアンモニアを吹かしてアン
モニア濃度が0.1mol/kgとなるようにして処理
液2を作製し、これに膜厚25μm、大きさ1cmx8
cmのF膜を室温で20時間浸漬した。次いで、この膜
を取り出し、HCFC225で洗浄した。さらにこの膜
を120℃で15時間加熱した。この後、フロン溶媒
(HCFC225)とジオキサンとトリエチルアミンが
体積比で8:1:2、全量100ccになるように攪拌
して処理液3を作製し、これに上記処理済みのF膜を室
温で6時間浸漬した。次いで、この膜を取り出し、HC
FC225で洗浄し、その後、この膜を120℃で15
時間加熱した。
て、得られた膜を25%水酸化ナトリウム水溶液中で2
時間還流し、水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬して
加水分解し、残留するスルホニルフルオライド基をスル
ホン酸ナトリウム基に変換した。さらに、1M硫酸中で
1時間還流し、プロトン型に変換した。その後、純水中
で10分還流し、水洗後、得られた膜を純水中に保存し
た。このイオン交換膜を実施例2とする。また、実施例
1と同様にMc、電気伝導度の測定及び耐クリープ評
価、及び処理液2と処理液3の水分率の測定を行い、赤
外分光分析によるA1とA2、及びA1とA3の比を各
々求めた。
ン溶媒(HCFC225)とジオキサンとトリエチルア
ミンが体積比で8:2:0.3、さらに水を100pp
m添加して全量100ccになるように攪拌して調合
し、さらにこれにアンモニアを吹かしてアンモニア濃度
が0.15mol/kgとなるようにして処理液4を作
製し、これに膜厚25μm、大きさ1cmx8cmのF
膜を室温で20時間浸漬した。次いで、この膜を取り出
し、HCFC225で洗浄した。さらにこの膜を120
℃で15時間加熱した。
5)とジオキサンとトリエチルアミンが体積比で8:
2:2、全量100ccになるように攪拌して処理液5
を作製し、これに上記処理済みのF膜を室温で100時
間浸漬した。次いで、この膜を取り出し、HCFC22
5で洗浄し、その後、この膜を120℃で15時間加熱
した。
て、得られた膜を25%水酸化ナトリウム水溶液中で2
時間還流し、水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬して
加水分解し、残留するスルホニルフルオライド基をスル
ホン酸ナトリウム基に変換した。さらに、1M硫酸中で
1時間還流し、プロトン型に変換した。その後、純水中
で10分還流し、水洗後、得られた膜を純水中に保存し
た。このイオン交換膜を実施例3とする。また、実施例
1と同様にMc、電気伝導度の測定及び耐クリープ評
価、及び処理液4と処理液5の水分率の測定を行い、赤
外分光分析によるA1とA2、及びA1とA3の比を各
々求めた。
厚25μm、大きさ1cm×8cmのF膜を入れ、アン
モニアガスを50℃、内部圧力20kPa(キロパスカ
ル、ゲージ圧)になるように導入し、14分間処理し
た。次いで、アンモニアガスを排気し、トリメチルアミ
ンガスを80℃、内部圧力160kPa(ゲージ圧)に
なるように導入し、12時間処理した。さらに、トリメ
チルアミンガスを排気し、この膜を取り出した。この
後、実施例1と同様に空気中、室温にて、得られた膜を
25%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間還流し、水洗
した後、6M塩酸中に5時間浸漬して加水分解し、残留
するスルホニルフルオライド基をスルホン酸ナトリウム
基に変換した。さらに、1M硫酸中で1時間還流し、プ
ロトン型に変換した。その後、純水中で10分還流し、
水洗後、得られた膜を純水中に保存した。このイオン交
換膜を実施例4とする。また、実施例1と同様にMc、
電気伝導度の測定及び耐クリープ評価、及び処理液4と
処理液5の水分率の測定を行い、赤外分光分析によるA
1とA2及びA1とA3の比を求めた。
子電解質前駆体であるF膜についてアミン処理、塩基処
理、加熱処理のいずれも行わなず、実施例1と同様に膜
の加水分解、プロトン交換、純水中への保存を行った。
このイオン交換膜を比較例1とする。また、実施例1と
同様にMc、電気伝導度の測定及び耐クリープ評価及び
赤外分光分析によるA1とA2、及びA1とA3の比を
各々求めた。
オロ高分子電解質前駆体であるF膜を、グローブボック
ス中で、フロン溶媒(HCFC225)とジオキサンと
トリエチルアミンが体積比で8:2:0.3の全量10
0ccの溶液を攪拌して調合し、この溶液をモレキュラ
ーシーブを用いて充分に水分を抜き、さらにこれにアン
モニアを吹かしてアンモニア濃度が0.1mol/kg
となるようにして処理液6を作製し、これに膜厚25μ
m、大きさ1cmx8cmのパーフルオロ系スルホニル
フルオライド膜であるF膜を室温で6時間浸漬した。次
いで、この膜を取り出し、HCFC225で洗浄した。
その後の加熱処理及び塩基処理は行わず、実施例1と同
様に膜の加水分解、プロトン交換、純水中への保存を行
った。このイオン交換膜を比較例2とする。また、実施
例1と同様にMc、電気伝導度の測定及び耐クリープ評
価、及び処理液6の水分率の測定を行い、赤外分光分析
によるA1とA2、及びA1とA3の比を各々求めた。
オロ高分子電解質前駆体であるF膜を、グローブボック
ス中で、フロン溶媒(HCFC225)にアンモニアを
吹かしてアンモニア濃度が0.2mol/kgとなるよ
うにして処理液7を作製し、これに膜厚25μm、大き
さ1cmx8cmのF膜を室温で15時間浸漬した。次
いで、この膜を取り出し、HCFC225で洗浄した。
その後の加熱処理及び塩基処理は行わず、実施例1と同
様に膜の加水分解、プロトン交換、純水中への保存を行
った。このイオン交換膜を比較例3とする。また、実施
例1と同様にMc、電気伝導度の測定及び耐クリープ評
価、及び処理液7の水分率の測定を行い、赤外分光分析
によるA1とA2、及びA1とA3の比を各々求めた。
比較例1〜3のパーフルオロ高分子イオン交換膜の試験
条件と各特性の測定結果を表1及び表2に示す。
ら、パーフルオロ高分子イオン交換膜のMcが、Mc<
106となるようにアミン処理を行うことによって16
0℃における耐クリープ性が改善され、耐熱性が大幅に
向上していることがわかる。
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改
変が可能であることは勿論である。
ば、従来高温での使用が困難であったパーフルオロ高分
子電解質あるいはその前駆体を、Mcが特定の値を満た
すようにアミン処理することにより、長期使用時のクリ
ープを抑制することが可能となった。また、電気伝導度
を低下させることなく、耐熱性を大幅に向上させること
が可能となる。
おける引張り応力と(α−α− 2)の関係。最小勾配B
を求める直線を作図で示した。
よる赤外分光分析チャート。A1、A2及びA3の求め
方を作図で示した。
Claims (7)
- 【請求項1】 アミン処理により改質して得られたパー
フルオロ高分子イオン交換膜において、下記(1)式 F/S=ρRT(α−α−2)/Mc ・・・(1) (式中Fは、パーフルオロ高分子イオン交換膜の220
℃における引張り応力、Sは未伸張時の膜の断面積、ρ
は密度、Rは気体定数、Tは絶対温度、αは伸張比で未
伸張時の膜の長さに対する伸張後の膜の長さの比を示
す。)で示されるMcが Mc<1×106 ・・・(2) を満たすことを特徴とする耐熱性高分子イオン交換膜。 - 【請求項2】 前記アミン処理が、アンモニア、アルキ
ルアミン類から選ばれる1種乃至は2種以上の混合物に
接触させることを特徴とする請求項1記載の耐熱性高分
子イオン交換膜。 - 【請求項3】 前記アミン処理が、液相による処理を含
み、その処理液中の水分率が10〜500ppmであるこ
とを特徴とする請求項1乃至2記載の耐熱性高分子イオ
ン交換膜。 - 【請求項4】 前記アミン処理が、アンモニアとの接触
を含む第1のアミン処理工程と、その後にアルキルアミ
ン類から選ばれる1種乃至は2種以上の混合物との接触
を含む第2のアミン処理工程を有することを特徴とする
請求項1〜3に記載の耐熱性高分子イオン交換膜。 - 【請求項5】 前記アンモニアとの接触を含む第1のア
ミン処理工程において、プロトン溶媒との接触を含むこ
とを特徴とする請求項4記載の耐熱性高分子イオン交換
膜。 - 【請求項6】 アミン処理により改質して得られたパー
フルオロ高分子イオン交換膜において、赤外分光スペク
トル上の、ベースライン補正した1386cm−1付近
のピーク吸光度A1と971cm−1付近のピーク吸光
度A2の比が、0.4以下である請求項1〜5記載の耐
熱性高分子イオン交換膜。 - 【請求項7】 アミン処理により改質して得られたパー
フルオロ高分子イオン交換膜において、赤外分光スペク
トル上の、ベースライン補正した1386cm−1付近
のピーク吸光度A1と1056cm−1付近のピーク吸
光度A3の比が、0.1以下である請求項1から5まで
のいずれかに記載のパーフルオロ高分子イオン交換膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002321524A JP2003217345A (ja) | 2001-11-08 | 2002-11-05 | 耐熱性高分子イオン交換膜 |
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---|---|---|---|
JP2001-343860 | 2001-11-08 | ||
JP2001343860 | 2001-11-08 | ||
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
JP2002321524A Pending JP2003217345A (ja) | 2001-11-08 | 2002-11-05 | 耐熱性高分子イオン交換膜 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003217345A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007004716A1 (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-11 | Tokuyama Corporation | 燃料電池用隔膜 |
JP2007042617A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-02-15 | Tokuyama Corp | 燃料電池用隔膜 |
JP2007123259A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-05-17 | Tokuyama Corp | 燃料電池用隔膜 |
-
2002
- 2002-11-05 JP JP2002321524A patent/JP2003217345A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007004716A1 (ja) * | 2005-07-01 | 2007-01-11 | Tokuyama Corporation | 燃料電池用隔膜 |
JP2007042617A (ja) * | 2005-07-01 | 2007-02-15 | Tokuyama Corp | 燃料電池用隔膜 |
JP2007123259A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-05-17 | Tokuyama Corp | 燃料電池用隔膜 |
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