JP2003217186A - 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置 - Google Patents

相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置

Info

Publication number
JP2003217186A
JP2003217186A JP2002011165A JP2002011165A JP2003217186A JP 2003217186 A JP2003217186 A JP 2003217186A JP 2002011165 A JP2002011165 A JP 2002011165A JP 2002011165 A JP2002011165 A JP 2002011165A JP 2003217186 A JP2003217186 A JP 2003217186A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
optical disc
recording layer
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002011165A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Akutsu
収 圷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP2002011165A priority Critical patent/JP2003217186A/ja
Publication of JP2003217186A publication Critical patent/JP2003217186A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスクの製造工程途中で初期化を行
わなくても良好な初期化を行うことが出来る相変化型光
ディスクの初期化方法及び初期化装置を提供する。 【解決手段】 基板1上に、反射層2、第一保護層3、
記録層4、第二保護層5、接着層6、前記基板1より厚
みが薄いフィルム層7をこの順に積層した光ディスクの
前記記録層4に、前記フィルム層7側から拡散照射され
た光線をビームスッポット9することにより、前記記録
層4を相変化させて情報の記録再生消去を行う相変化型
光ディスク10の初期化方法であって、前記拡散照射さ
れた光線をビームスッポット9する位置を、前記記録層
4とは異なり、前記フィルム層7が損傷せず、かつ、前
記記録層4が初期化できる位置としたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光照射に
よって情報の記録および再生を行う次世代相変化型光デ
ィスクの初期化方法及び初期化装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクとして、ディスクの結晶質-
非晶質間の相変化を利用してデータの記録再生を行う相
変化型光ディスクは、記録するレーザ照射時間とほぼ同
程度の時間で結晶化を行う高速消去が可能な記録膜が用
いられ、1つのエネルギービームのパワーを、いずれも
読み出しレベルより高い2つのレベル、すなわち、高レ
ベルと中レベルとの間で変化させることにより既存のデ
ータを消去しながらデータの書き込みを行うオーバーラ
イト(重ね書き)が可能なものである。
【0003】このオーバーライト(重ね書き)が可能な
相変化型光ディスクは、記録膜を真空蒸着及びスパッタ
リングすることにより形成するものであるが、この形成
直後(as-depo状態と呼ぶ)の記録膜は、少なく
とも一部分が非晶結化状態又は準安定な結晶状態になる
特性を持つことが知られている。
【0004】このas-depo状態の記録膜は、通常
反射率が低く、光スポットのオートフォーカスやトラッ
キングが不安定になりやすく、このため一般の相変化型
光ディスクは、使用する前に記録膜全面の初期結晶化を
行う処理が必要である。
【0005】通常この初期結晶化は、数十〜数百μm程
度に絞ったレーザービームを、回転するディスクに照射
することにより行なう。このような光照射による初期化
方法は特開平11-296878号公報に記載されてい
るように、集光したレーザービームスポットが記録層に
フォーカシングするよう調整することが一般的である。
【0006】ところで、近年、光ディスクは高密度、大
容量、小型化を目指し開発が進められている。高密度化
は、レーザービームの波長を短くすることや、光ピック
アップの記録・再生時の光を照射するための対物レンズ
の開口数(NA)を大きくして、記録・再生光のビーム
スポット径を小さくすることで可能である。
【0007】このように、対物レンズの開口数を大きく
すると、再生光が照射されてこれが通過する光ディスク
の入射面側の基板の厚みを薄くする必要がある。これ
は、光ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直か
らずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるためで
あり、このチルト角が基板の厚さによる収差や複屈折の
影響を受けやすいためである。従って、次世代型光ディ
スクは、基板の厚さを薄くしてチルト角を可能な限り小
さくすることが要望されてきている。
【0008】前記した入射面側の基板の厚みは、例え
ば、CDにあっては、約1.2mmとされているのに対
し、記録容量がCDの6〜8倍であるDVDは約0.6
mmとその半分の厚みである。また、最近ではCDやD
VDと同じ大きさのディスク一面当たりの記録容量を、
15GB以上の大記録容量にしたいとの要求があり、そ
の場合は、一例として述べると入射面側の基板の厚み
は、前記したDVDの半分である約0.3mmとなる。
【0009】ところで前記した如く、従来の光ディスク
の初期化にあたっては、対物レンズからの光は0.6m
mあるいは1.2mmの入射面側の基板を通して記録層
に集光されていたものである。
【0010】ここで、図6を参照して従来の光ディスク
20の層構成について説明する。図6において11は、
半径120mmで、厚さ1.1±0.1mmの例えば、
ポリカーボネート樹脂よりなる円盤状の基板であり、こ
の基板11の上に、例えば、ZnSとSiO2よりなる
第一保護層12を50nm、この第一保護層12の上
に、例えば、GeSbTeよりなる記録層13を18n
m、この記録層13の上に、例えば、ZnSとSiO2
よりなる第二保護層14を15nm、この第二保護層1
4の上に、例えば、アルミニュウムよりなる反射層15
を210nm、順次マグネトロンスパッタリング法を用
いて成膜した後、この反射層15の上に、紫外線硬化型
樹脂よりなるコート層16を20nm、スピンコート法
を用いて塗布し、紫外線を照射して硬化することによ
り、光ディスク20が形成されている。
【0011】そして、この従来の光ディスク20の初期
化にあたっては、前記した基板11側より図示しないレ
ーザ光が拡散照射され、これまた図示しない偏光ビーム
スプリッタ等を通過した平行光線が対物レンズ17によ
り偏光されて光ディスク20の記録層14上にビームス
ポット18として照射されるものである。
【0012】ここで、対物レンズ17のNAは、前記し
た如くそれが高くなればなるほどビームスポット18を
小さくできるが、それに伴い焦点距離が短くなる。つま
り、光ディスク20と対物レンズ17が近づくことにな
る。例えば、NA0.85のレンズを対物レンズ17と
すると、光ディスク20と対物レンズ17の距離を非常
に短くしなければならない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これまでの
光ディスク20の初期化は、記録層14の成膜、保護層
13,15の形成等を行ってディスクとして完成した後
に行なわれているものである。しかしながら、前記した
如く基板11の厚さを薄くしてチルト角を可能な限り小
さくするために、高NA用の対物レンズを用い、これと
光ディスクとの距離を非常に短くた次世代型光ディスク
にあっては、後述する如く積層した記録層(薄膜)表面
に極薄の基板(樹脂フィルム)を、接着剤を介して貼り
合わせた構成とせざるを得ない。このため、極薄の基板
を接着剤を介して貼りあわせた後に光照射による初期化
を試みると、光照射により貼り合わせした極薄の基板
(樹脂フィルム)が発熱し、熱的ダメージを受けて変形
してしまうという問題があった。
【0014】前記した図6のような従来型の光ディスク
20では、初期化に際し、基板11が十分厚いため熱に
対する強度は高いが、その構成上、光ディスク20と対
物レンズ17の距離を非常に短くしなければならないと
いう要望には到底応えることは出来ない。前記し、また
後記詳述する如く、次世代型光ディスクにあっては、記
録層(薄膜)表面に設けられる極薄の基板(樹脂フィル
ム)は非常に薄いため、熱に対しての強度は低い。そこ
で、光照射による極薄の基板(樹脂フィルム)の熱的ダ
メージを回避する方法として貼り合わせ前に初期化する
方法が考えられる。
【0015】しかしながら、光ディスクの工程上、記録
層(薄膜)14の成膜後に初期化を行うと、記録層(薄
膜)14は一旦むき出しの状態にさらされるため、その
表面にゴミなどが付着しやすくなることや、記録層14
の成膜に比べ、初期化工程は時間を要するためにその成
膜後、むき出しの状態でディスクが待たされることにな
り、ディスク性能に悪影響が出る虞がある。従って、出
来ればこれまでと同様、ディスクは貼り合わせ後の完成
された状態で初期化を行うことが望ましい。
【0016】そこで本発明者等は、鋭意検討した結果、
次世代型の高密度の光ディスクの初期化に際しては、製
造工程途中でなく、完成後にディスクに熱的ダメージな
く初期化する初期化方法及び初期化装置を案出したもの
で、かかる光ディスクの初期化方法及び初期化装置を提
供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、基板1上に、反射層2、第
一保護層3、記録層4、第二保護層5、接着層6、前記
基板1より厚みが薄いフィルム層7をこの順に積層した
光ディスクの前記記録層4に、前記フィルム層7側から
拡散照射された光線をビームスッポット9することによ
り、前記記録層4を相変化させて情報の記録再生消去を
行う相変化型光ディスク10の初期化方法であって、前
記拡散照射された光線をビームスッポット9する位置
を、前記記録層4とは異なり、前記フィルム層7が損傷
せず、かつ、前記記録層4が初期化できる位置としたこ
とを特徴とする。
【0018】請求項2に係る発明は、基板1上に、反射
層2、第一保護層3、記録層4、第二保護層5、接着層
6、前記基板1より厚みが薄いフィルム層7をこの順に
積層した光ディスクの前記記録層4に、前記フィルム層
7側から拡散照射された光線をビームスッポット9する
ことにより、前記記録層4を相変化させて情報の記録再
生消去を行う相変化型光ディスク10の初期化方法であ
って、前記拡散照射された光線を照射して前記記録層4
を初期化するに際し、前記拡散照射された光線の照射
を、前記記録層4とは異なり、前記反射層2内にデフォ
ーカスさせることにより行うようにしたことを特徴とす
る。
【0019】請求項3に係る発明は、基板1上に、反射
層2、第一保護層3、記録層4、第二保護層5、接着層
6、前記基板1より厚みが薄いフィルム7層をこの順に
積層した相変化型光ディスク10と、前記フィルム層7
側から拡散照射された平行光線を前記した相変化型光デ
ィスク10の記録層4上にビームスポット9させる対物
レンズ8と、前記相変化型光ディスク10と前記対物レ
ンズ8との間に挿入され、前記フィルム層7側から拡散
照射された平行光線を、前記反射層2内にデフォーカス
させて前記記録層4を初期化するための補正ガラス31
とを具備したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実
施の形態は本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0021】図1は、本発明に係る相変化型光ディスク
の初期化方法及び初期化装置に用いられる光ディスクと
対物レンズの好ましい配置態様の一実施例を示す概略断
面図、図2は、同、相変化型光ディスクの初期化方法及
び初期化装置に用いられる光ディスクと対物レンズの他
の実施例を示す概略断面図、図3は、図1の他の実施例
を示す概略断面図、図4は、同、相変化型光ディスクの
初期化方法及び初期化装置に用いられる光ディスクと対
物レンズの更に他の実施例を示す概略断面図である。、
【0022】本実施例で対象となる相変化型光ディスク
と対物レンズの実施の形態を、図1〜図4を参照して説
明する。
【0023】図1において、1は、例えばポリカーボネ
ート樹脂よりなる基板であり、この基板1には、案内溝
と場合によって一部再生専用のための情報信号(ピッ
ト)1aが形成してある。この基板1の上には、例えば
金属層で形成された反射層2、この反射層2の上には、
誘電体層となる、例えば、ZnS-SiO2よりなる第一
保護層3、この第一保護層3の上には、例えば、GeS
bTeよりなる記録層4、この記録層4の上には、誘電
体層となる、例えば、ZnS-SiO2よりなる第二保護
層5、この第二保護層5の上には、例えば紫外線硬化型
樹脂よりなる接着層6を介して前記基板より厚みがシー
ト状の極薄基板である薄いフィルム層7が順次積層され
て相変化型光ディスク10が形成されている。
【0024】前記した相変化型光ディスク10の薄膜を
構成する反射層2の厚みは5〜300nm、第一保護層
3の厚みは5〜50nm、記録層4の厚みは3〜30n
m、第二保護層5の厚みは20〜80nmであり、これ
らの薄膜全体の厚みの合計は、最大で500nm程度に
設定してある。
【0025】また、NA0.85の対物レンズの場合、
入射面側の厚みとなるフィルム層7と接着層6の合計の
厚さは、およそ0.1mmとなる。この場合は、20G
Bの記録容量となり、本実施例が意図する次世代相変化
型光ディスクにとって、すこぶる好都合となる。なお、
紫外線硬化型樹脂よりなる接着層6の厚みは、0.01
+0.002mm程度である。
【0026】そして、前記したフィルム層7側より図示
しないレーザ光が拡散照射され、これまた図示しない偏
光ビームスプリッタ等を通過した平行光線が、対物レン
ズ8により偏光されて光ディスク10の前記したフィル
ム層7と前記した接着層6の接着面との界面にビームス
ポット9として照射されるものである。
【0027】前記した基板1としては、ガラス、プラス
チック、ガラス上に光硬化性樹脂を設けたもの等のいず
れであってもよいが、コストを含む生産性の面ではプラ
スチックが好ましく、中でもポリカーボネート樹脂が好
ましく、その厚さは、1.1±0.1mm程度である。
【0028】前記した反射層2としては、光反射性を有
するAl、Au、Agなどの金属、及びこれらを主成分
とし、Ti、Cr、Pd、Cuなどの添加元素を含む合
金及びAl、Au、Agなどの金属にAl、Siなどの
金属窒化物、金属酸化物、金属カルコゲン化物などの金
属化合物を混合したものなどがあげられる。Al、A
u、Agなどの金属、及びこれらを主成分とする合金
は、光反射性が高く、かつ熱伝導率を高くできることか
ら好ましい。厚さとしては、およそ300nm以下であ
る。
【0029】前記した誘電体層となる第一保護層3は、
これがない場合は、記録層4と反射層2が直接接触して
しまうため、記録層4に初期化のためのレーザ光を照射
してもすぐに反射層2の方向に熱が逃げてしまい、記録
層4を初期化に必要な温度に上昇させることが困難にな
るために設けられているものである。
【0030】また、記録再生時、通常、光学的な調整
は、記録再生に用いられるレーザ光の波長に合わせてデ
ィスクの記録、未記録状態のコントラストを十分取るよ
うに光学的設計を行うものであるが、記録層4を挟む第
一,第二保護層3,5の厚さでコントロールしているも
のである。従って、この第一,第二保護層3,5を設け
ない場合は、ディスクの反射率が高くなりすぎて、記
録、未記録状態のコントラストが悪くなってしまった
り、レーザ波長に対応できない薄膜構成になってしまう
というデメリットにつながってしまうものである。かか
る意味から、本実施例にあっては、保護層は必要となる
ものである。
【0031】また、前記した誘電体層となる第一保護層
3、第二保護層5は、記録時に記録層4がレーザビーム
の照射熱によって変形し、記録特性が劣化することを防
止するなど記録層4を熱から保護する効果、更に記録層
4の結晶化を促進して消去率を向上させる効果もある。
この第一、第二保護層3,5としては、例えば、ZnS
-SiO2、Si34、Al23などの無機薄膜などがあ
げられる。
【0032】前記した記録層4としては、例えば、有機
色素からなり、情報の記録に用いられるレーザ光を吸収
し得る吸収スペクトルを示すシアニン色素、メロシアニ
ン色素、アゾメチン色素、アゾ色素、フタロシアニン色
素及びこれらの色素構造を配位子として有する金属錯体
等が用いられる。
【0033】前記した接着層6としては、紫外線硬化型
(UV)樹脂、2液型のエポキシ系樹脂、嫌気性接着
剤、プライマー硬化型接着剤、シアノアクリレート系接
着剤、プラスチックシートの両面に接着剤を塗布したも
の等が用いられる。要は、接着剤かつ光透過層として使
用可能な透明な材質ならよいものである。
【0034】前記したフィルム層7としては、種類に指
定はなく材質としては、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリス
チレン、ポリ-α-メチルスチレン、トリアセチルセルロ
ース等光ディスクの再生波長の光を透過する材質なら良
いものである。
【0035】
【実施例1】図1に示すように、表面に幅0.32μ
m、深さ25nmの案内溝1aが形成されている半径1
20mmで、厚さ1.1±0.1mmの円盤状のポリカ
ーボネート製基板1上に、反射層2としてAgを原子比
98%以上含むAg合金を210nm、次に第一保護層
3としてZnS-SiO2を15nm、記録層4としてG
eSbTeを18nm、さらに第二保護層5としてZn
S-SiO2を50nm、順次マグネトロンスパッタリン
グ法を用いて成膜した。次に、第二保護層5の上に接着
層6として、UV硬化樹脂を用いてシート状の極薄の透
明基板(フィルム層)7を貼り合わせることにより、相
変化型光ディスク10を完成する。
【0036】このように作成した相変化型光ディスク1
0を波長830nm、焦点のビーム径120μmの半導
体レーザー光源を有し、レーザービームの走査、ディス
クの回転が制御可能である初期化装置を使用して、ディ
スクの回転線速度4m/s、ディスク1回転当たりのレ
ーザービームの送りピッチ40μm、レーザービームの
強度500mWで前記シート状の極薄の透明基板7と前
記UV硬化樹脂6の接着面の界面に図1に示すようにフ
ォーカシングするよう、光照射して初期化を行った。
【0037】
【実施例2】表面に幅0.32μm、深さ25nmの案
内溝1aが形成されている半径120mmで、厚さ1.
1±0.1mmの円盤状のポリカーボネート製基板1上
に、反射層2としてAgを原子比98%以上含むAg合
金を210nm、次に第一保護層3としてZnS-Si
2を15nm、記録層4としてGeSbTeを18n
m、さらに第二保護層5としてZnS-SiO2を50n
m、順次マグネトロンスパッタリング法を用いて成膜し
た。次に、第二保護層5の上に、接着層6としてUV硬
化樹脂を用いてシート状の極薄の透明基板(フィルム
層)7を貼り合わせることにより、相変化型光ディスク
10を完成する。
【0038】このように作成した相変化型光ディスク1
0を波長830nm、焦点のビーム径120μmの半導
体レーザー光源を有し、レーザービームの走査、ディス
クの回転が制御可能である初期化装置を使用して、ディ
スクの回転線速度4m/s、ディスク1回転当たりのレ
ーザービームの送りピッチ40μm、レーザービームの
強度500mWで、図2に示すように記録層4から光照
射方向と反対方向である垂直方向に2μm、すなわち反
射層2内にデフォーカス(ビームスポットとせず焦点が
ボケた状態)するよう、光照射して初期化を行った。
【0039】
【比較例1】図1に示すように、表面に幅0.32μ
m、深さ25nmの案内溝1aが形成されている半径1
20mmで、厚さ1.1±0.1mmの円盤状のポリカ
ーボネート製基板1上に、反射層2としてAgを原子比
98%以上含むAg合金を210nm、次に第一保護層
3としてZnS-SiO2を15nm、記録層4としてG
eSbTeを18nm、さらに第二保護層5としてZn
S-SiO2を50nm、順次マグネトロンスパッタリン
グ法を用いて成膜した。次に、第二保護層5の上に接着
層6として、UV硬化樹脂を用いてシート状の極薄の透
明基板(フィルム層)7を貼り合わせることにより、相
変化型光ディスク10を完成する。
【0040】このように作成した相変化型光ディスク1
0を波長830nm、焦点のビーム径120μmの半導
体レーザー光源を有し、レーザービームの走査、ディス
クの回転が制御可能である初期化装置を使用して、ディ
スクの回転線速度4m/s、ディスク1回転当たりのレ
ーザービームの送りピッチ40μm、レーザービームの
強度500mWで図6に示すように記録層4にフォーカ
シングするよう、光照射して初期化を行った。
【0041】
【比較例2】表面に幅0.32μm、深さ25nmの案
内溝1aが形成されている半径120mmで、厚さ1.
1±0.1mmの円盤状のポリカーボネート製基板1上
に、反射層2としてAgを原子比98%以上含むAg合
金を210nm、次に第一保護層3としてZnS-Si
2を15nm、記録層4としてGeSbTeを18n
m、さらに第二保保護層5としてZnS-SiO2を50
nm、順次マグネトロンスパッタリング法を用いて成膜
した。次に、第二保護層5の上に、接着層6としてUV
硬化樹脂を用いてシート状の極薄の透明基板(フィルム
層)7を貼り合わせることにより、相変化型光ディスク
10を完成する。
【0042】このように作成した相変化型光ディスク1
0を波長830nm、焦点のビーム径120μmの半導
体レーザー光源を有し、レーザービームの走査、ディス
クの回転が制御可能である初期化装置を使用して、ディ
スクの回転線速度4m/s、ディスク1回転当たりのレ
ーザービームの送りピッチ40μm、レーザービームの
強度500mW以下のパワーで最適パワーを探し、図5
に示すように記録層4にフォーカシングするよう、光照
射して初期化を行った。
【0043】フォーカシング位置の調整は対物レンズ8
のNAを調整すれば可能であるが、対物レンズ8のNA
は固定されているので、その都度、違うレンズに交換し
なければならない。図3は、かかる目的のために案出さ
れたものであり、基本的には、図1の構成を用い、対物
レンズ8と相変化型光ディスク10、より具体的には対
物レンズ8と極薄基板(フィルム層)7との間にフォー
カス位置調整用の補正ガラス30,31を設置したもの
である。この補正ガラス30,31は、本来は異なる厚
さの基板、例えば0.6mmと1.2mmのような相変
化型光ディスク10を初期化するときに、この補正ガラ
スを出し入れするだけで対応可能にするために設置する
ものである。
【0044】実施例1,実施例2の方法で初期化した相
変化型光ディスク10は、外見上、熱によるダメージは
確認できなかった。また、初期化後の相変化型光ディス
ク10の反射率変動をオシロスコープで観察したとこ
ろ、変動率が少ない良好な初期化状態が形成されている
ことが確認できた。
【0045】この実施例1および実施例2の方法は、フ
ォーカスをあわせる場所は異なるが、記録層4からフォ
ーカスをずらすという点で同じである。このように、フ
ォーカスをずらすことで記録層4上のレーザースポット
9は焦点よりも広くなることにより、レーザースポット
9内のエネルギー密度は低くなり、従って、極薄の透明
基板(フィルム層)7を初期化の光照射を行うことによ
っても、熱の発生を抑制することができたものと思われ
る。
【0046】これに対して、比較例1の方法で初期化し
た相変化型光ディスク10は、シート状の極薄の透明基
板(フィルム層)7が熱によるダメージにより目視でわ
かる程度まで変形し、記録再生できない状態になってし
まった。また、記録層4は初期化(結晶化)できたが、
反射率変動が大きく、良好とは云えない状態であった。
【0047】前記したフォーカスを記録層4からずらす
(デフォーカスする)手段は、次の方法による。まず、
従来の初期化方法である図5のように記録層4にフォー
カスをあわせる。そして、この状態で図3のように補正
レンズ30,31を挿入する。本実施例では、補正レン
ズ30,31として2枚挿入する例で説明しているが、
必ずしも2枚必要ではなく、1枚でもかまわないもので
ある。
【0048】この補正レンズ30,31の挿入により、
フォーカス位置はずれることになる。また、補正レンズ
30,31の厚みは、それを各種用意しておけば、フォ
ーカス位置が自由に制御できるので、甚だ好都合であ
る。
【0049】また、フォーカスサーボ回路の電圧調整が
可能な機構を具備しておけば、フォーカスをかけたあと
のオフセット調整が可能になる。またこのフォーカス位
置より、調整可能なオフセット電圧をフォーカス制御回
路に供給することでも可能である。オフセット電圧は、
記録媒体特性、初期化要レーザーパワーとの兼ね合いか
ら、任意に調整できるようにしておくことが好ましく、
例えば初期化装置内にこのオフセット電圧供給表を作成
しておき、その中から任意に選択できるようにしておく
こともできる。
【0050】実施例1の方法では、シート状の極薄基板
(フィルム層)7と接着層6の界面にフォーカスを合わ
せているが、接着層6、シート状の極薄基板7ともに可
視光領域で透過率が高く、吸収率が低いために、シート
状の極薄基板7の変形は起こらなかったものと考えられ
る。
【0051】前記した図2と異なる方法でデフォーカス
するときは、実施例3である図4に示すように、記録層
4より光照射方向にずらすことで行えば良い。この場
合、デフォーカスする距離は、記録層4を含めた積層薄
膜(第一保護層3、第二保護層5)にフォーカスがあわ
ない程度が好ましく、ディスクには回転時の面振れもあ
るのでこれを考慮すると、0.5μm以下が好ましい。
すなわち、接着層6内か、極薄基板7内にデフォーカス
することが好ましい。
【0052】また、比較例2のようにフォーカシングは
記録層4に合わせたままで最適パワーを探して初期化を
試みたが、シート状の極薄基板7が変形をしない前記し
た比較例1より弱い500mWのパワーで光照射した場
合は、シート層16は全く熱ダメージはなかったが、記
録層4の結晶化は不充分であり、初期化できないか、部
分的に結晶化するのが精一杯であり、良好な初期化状態
を形成することが出来なかった。
【0053】上記実施例の説明において、初期化を行う
光源として光を用いた例で説明したが、必ずしもこれで
なくても良く、熱的エネルギを用いても勿論良いもので
ある。
【0054】
【発明の効果】このように本請求項1に係る発明は、基
板上に、反射層、第一保護層、記録層、第二保護層、接
着層、前記基板より厚みが薄いフィルム層をこの順に積
層した光ディスクの前記記録層に、前記フィルム層側か
ら拡散照射された光線をビームスッポットすることによ
り、前記記録層を相変化させて情報の記録再生消去を行
う相変化型光ディスクの初期化方法であって、前記拡散
照射された光線をビームスッポットする位置を、前記記
録層とは異なり、前記フィルム層が損傷せず、かつ、前
記記録層が初期化できる位置としたことにより、光ディ
スクの製造工程途中で初期化を行わなくても良好な初期
化を行うことが出来る。
【0055】請求項2に係る発明は、基板上に、反射
層、第一保護層、記録層、第二保護層、接着層、前記基
板より厚みが薄いフィルム層をこの順に積層した光ディ
スクの前記記録層に、前記フィルム層側から拡散照射さ
れた光線をビームスッポットすることにより、前記記録
層を相変化させて情報の記録再生消去を行う相変化型光
ディスクの初期化方法であって、前記拡散照射された光
線を照射して前記記録層を初期化するに際し、前記拡散
照射された光線の照射を、前記記録層とは異なり、前記
反射層内にデフォーカスさせることにより行うようにし
たので、光ディスクの製造工程途中で初期化を行わなく
ても良好な初期化を行うことが出来る。
【0056】請求項3に係る発明は、基板上に、反射
層、第一保護層、記録層、第二保護層、接着層、前記基
板より厚みが薄いフィルム層をこの順に積層した光ディ
スクと、前記フィルム層側から拡散照射された平行光線
を前記した光ディスクの記録層上にビームスポットさせ
る対物レンズと、前記光ディスクと前記対物レンズとの
間に挿入され、前記フィルム層側から拡散照射された平
行光線を、前記反射層内にデフォーカスさせて前記記録
層を初期化するための補正ガラスとを具備したことによ
り、光ディスクの製造工程途中で初期化を行わなくても
良好な初期化を行うことができる初期化装置を提供する
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化型光ディスクの初期化方法
及び初期化装置に用いられる光ディスクと対物レンズの
好ましい配置態様の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】同、相変化型光ディスクの初期化方法及び初期
化装置に用いられる光ディスクと対物レンズの他の実施
例を示す概略断面図である。
【図3】図1の他の実施例を示す概略断面図である。
【図4】同、相変化型光ディスクの初期化方法及び初期
化装置に用いられる光ディスクと対物レンズの更に他の
実施例を示す概略断面図である。
【図5】従来の光ディスクの初期化方法及び初期化装置
に用いられる光ディスクと対物レンズの概略断面図であ
る。
【図6】従来の他の光ディスクの初期化方法及び初期化
装置に用いられる光ディスクと対物レンズの概略断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 1a 情報信号 2 反射層 3 第一保護層 4 記録層 5 第二保護層 6 接着層 7 極薄基板 8 対物レンズ 9 ビームスポット 10 相変化型光ディスク 31 補正ガラス 32 補正ガラス
フロントページの続き Fターム(参考) 5D090 AA01 BB05 CC11 KK01 KK09 5D118 BA01 BB07 CA11 CD02 5D119 AA31 AA38 BA01 BB04 DA08 EB01 JA09 5D121 AA01 GG26 GG28 5D789 AA31 AA38 BA01 BB04 DA08 EB01 JA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、反射層、第一保護層、記録層、
    第二保護層、接着層、前記基板より厚みが薄いフィルム
    層をこの順に積層した光ディスクの前記記録層に、前記
    フィルム層側から拡散照射された光線をビームスッポッ
    トすることにより、前記記録層を相変化させて情報の記
    録再生消去を行う相変化型光ディスクの初期化方法であ
    って、 前記拡散照射された光線をビームスッポットする位置
    を、前記記録層とは異なり、 前記フィルム層が損傷せず、かつ、前記記録層が初期化
    できる位置としたことを特徴とする相変化型光ディスク
    の初期化方法。
  2. 【請求項2】基板上に、反射層、第一保護層、記録層、
    第二保護層、接着層、前記基板より厚みが薄いフィルム
    層をこの順に積層した光ディスクの前記記録層に、前記
    フィルム層側から拡散照射された光線をビームスッポッ
    トすることにより、前記記録層を相変化させて情報の記
    録再生消去を行う相変化型光ディスクの初期化方法であ
    って、 前記拡散照射された光線を照射して前記記録層を初期化
    するに際し、 前記拡散照射された光線の照射を、前記記録層とは異な
    り、前記反射層内にデフォーカスさせることにより行う
    ようにしたことを特徴とする相変化型光ディスクの初期
    化方法。
  3. 【請求項3】基板上に、反射層、第一保護層、記録層、
    第二保護層、接着層、前記基板より厚みが薄いフィルム
    層をこの順に積層した光ディスクと、 前記フィルム層側から拡散照射された平行光線を前記し
    た光ディスクの記録層上にビームスポットさせる対物レ
    ンズと、 前記光ディスクと前記対物レンズとの間に挿入され、前
    記フィルム層側から拡散照射された平行光線を、前記反
    射層内にデフォーカスさせて前記記録層を初期化するた
    めの補正ガラスとを具備したことを特徴とする相変化型
    光ディスクの初期化装置。
JP2002011165A 2002-01-21 2002-01-21 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置 Pending JP2003217186A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002011165A JP2003217186A (ja) 2002-01-21 2002-01-21 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002011165A JP2003217186A (ja) 2002-01-21 2002-01-21 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003217186A true JP2003217186A (ja) 2003-07-31

Family

ID=27648708

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002011165A Pending JP2003217186A (ja) 2002-01-21 2002-01-21 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003217186A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3250989B2 (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
US6143426A (en) Optical recording medium having dual information surfaces
EP0957477A2 (en) Optical information recording medium, recording and reproducing method therefor and optical information recording and reproduction apparatus
JP2000500262A (ja) 複数の追記型相変化記録層を有する光データ記憶システム
JP3698905B2 (ja) 光学的情報記録媒体、その情報記録方法、その情報消去方法
US7813258B2 (en) Optical information recording medium and optical information reproducing method
US7830779B2 (en) Method of recording information, equipment thereof and information recording medium
JP4209557B2 (ja) 光学情報記録媒体およびその初期化方法
JP4271116B2 (ja) 光記録再生装置
JP4375021B2 (ja) 光学記録媒体の初期化方法
JP2002279707A (ja) 片面2層ディスクの作製方法、該2層ディスク及び記録再生装置
JP2003217186A (ja) 相変化型光ディスクの初期化方法および初期化装置
WO2003085651A1 (en) Optical information recording medium
JP2001273674A (ja) 光学情報記録媒体、その記録再生方法、その製造法及び光学情報記録再生装置
JP2940176B2 (ja) 光学記録媒体およびその記録再生方法
JP4085300B2 (ja) 相変化型光ディスク媒体および該媒体の初期化方法
JP3138506B2 (ja) 追記形光記録媒体およびその記録再生方法
JPH083912B2 (ja) 新規な光記録媒体及びその製造方法
JPWO2003025918A1 (ja) 記録媒体の記録方法及び記録媒体
JPH10289447A (ja) 情報記録媒体とその初期化方法及び初期化装置
JP2008097749A (ja) 追記型光記録媒体
JP2004206854A (ja) 光情報記録媒体
JPH11120594A (ja) 光ディスクの初期化方法及び光ディスクの初期化装置
KR20050015508A (ko) 소형 광 디스크의 초기화 장치
JPH11312344A (ja) 光記録媒体及び光記録再生装置