JP2003216162A - 騒音制御装置 - Google Patents
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Abstract
大することが可能な騒音制御装置を提供する。 【解決手段】 騒音源にて検出される騒音データからフ
ィルタF1〜F9が各制御ポイントP1〜P9に対応し
た制御データを生成し、これらを時分割多重したデータ
に基づいて、スピーカ2は各制御ポイントP1〜P9に
て騒音と逆位相となる制御音を発生させる。また、スピ
ーカ2が発する制御音と騒音との合成音を表す誤差デー
タから、係数更新器21がフィルタF1についての係数
データを生成し、係数照合器23が、その係数データと
参照テーブルとを照合することで受聴エリア周辺の環境
を推定する。その推定結果に従って、係数抽出器32
が、フィルタF2〜F9についての係数データを係数テ
ーブルから抽出し、これら生成,抽出された係数データ
により、フィルタF1〜F9を随時更新する。
Description
た制御音を騒音に干渉させることにより、所定の受聴エ
リア内での騒音を低減する騒音制御装置に関する。
てスピーカから制御音を発生させ、この制御音を騒音に
干渉させることにより、予め設定された受聴エリア内で
の騒音を低減する騒音制御装置が知られている。
構成を表すブロック図である。図示の如く、騒音制御装
置は、騒音源の騒音を検出する騒音源マイクロフォン1
01と、騒音に干渉させる制御音を発生させるスピーカ
102と、受聴エリアに設置され、スピーカ102から
の制御音と騒音との合成音を検出する受聴エリアマイク
ロフォン103と、騒音源マイクロフォン101からの
騒音信号、及び受聴エリアマイクロフォン103からの
誤差信号を、それぞれサンプリングしてデジタル値に変
換するA/D変換器104,105と、A/D変換器1
04からの騒音データに基づいて、A/D変換器105
からの誤差データが最小となるようにスピーカ102に
制御音を発生させるための制御データを生成する適応制
御器110と、適応制御器110が生成した制御データ
を、アナログ信号である制御信号に変換するD/A変換
器106とを備えている。
器104にて検出された騒音データに−1を乗算して符
号変換する演算器111と、演算器111の出力から制
御データを生成するフィルタ112と、誤差信号に基づ
いてフィルタの係数を更新する係数更新器113とから
なる。
Inpulse Response )フィルタとして構成されたもので
あり、具体的には、演算器111からの符号反転データ
とフィルタの特性(伝達関数)を決める係数との畳み込
み演算を実行するものである。また、係数更新器113
は、例えば、公知のLMS(Least Mean Square :最小
自乗平均法)アルゴリズムを用いて、フィルタ係数を更
新するようにされており、フィルタ112及び係数更新
器113は、いわゆる適応フィルタとして構成されてい
る。
受聴エリア内で騒音と逆位相となるような制御音がスピ
ーカ102から発生し、この制御音と騒音とが干渉して
打ち消し合うことにより、受聴エリアでの騒音を低減さ
せることができる。ところで、このような騒音制御装置
を、自動車に設置し、エンジン音やエアコンの噴流音な
どを低減させることが考えられている。この場合、受聴
エリアは、運転者等、乗員の耳の周辺に位置するように
設定される。
により、消音効果(例えば、騒音を−10dB以下に低
減)が得られる範囲(以下「消音エリア」という)は、
制御ポイント(ここでは受聴エリアマイクロフォンの設
置位置)を中心とした狭い範囲に限られる。具体的に
は、消音すべき騒音の周波数成分が500Hzの場合、
消音エリアの半径は約5cmであり、これは騒音の周波
数成分が高いほど小さくなる。
ると、乗員の耳が消音エリアから外れてしまい、その効
果を十分に発揮させることができないという問題があっ
た。これに対して、制御ポイントを増やし、制御ポイン
トのそれぞれについて同様の制御を行うことにより、消
音エリアを拡張することが考えられる。しかし、この場
合、上述の装置を制御ポイントの数だけ並列に設けるこ
とになるため、装置が大型化するという問題があった。
簡易な構成で、消音効果の得られる範囲を拡大すること
が可能な騒音制御装置を提供することを目的とする。
の発明である請求項1記載の騒音制御装置では、騒音源
の近傍に設置された騒音検出手段が騒音を検出し、信号
処理手段が、騒音検出手段での検出信号である騒音信号
に、伝達関数を作用させることで制御信号を生成する。
そして、この制御信号に基づいて、制御音発生手段が、
予め指定された受聴エリアに向けて制御音を発生させ、
この制御音を騒音に干渉させることにより、受聴エリア
内での騒音を低減する。なお、信号処理手段は、受聴エ
リア内に設定された複数の制御ポイントのそれぞれに
て、騒音と逆位相となる制御音を制御音発生手段に発生
させるような制御信号を生成する。
検出ポイントにて、制御音発生手段が発生させた制御音
と騒音との合成音を検出し、その検出信号である誤差信
号に基づき、推定手段が、受聴エリア周辺の環境を推定
する。更に、その推定結果に応じて、係数更新手段が、
信号処理手段にて使用される伝達関数の特性を決める係
数データを更新する。
ば、騒音と制御音とが逆位相となる制御ポイントが複数
設定されているため、消音効果が得られる範囲を拡張す
ることができる。従って、例えば、当該騒音制御装置
を、自動車に適用し、搭乗者の耳の当たりに受聴エリア
を設定した時には、搭乗者が多少動いたとしても、搭乗
者の耳が受聴エリアから外れてしまうことがない。
聴エリア周辺の環境が変化して制御音発生手段から受聴
エリア(各制御ポイント)までの音の伝わり方(伝達特
性)が変化した時に、その変化を、検出ポイントでの誤
差信号から推定し、制御信号を生成する際に用いる伝達
関数の特性ひいては制御音を、環境の変化に応じたもの
に変化させている。
音の伝わり方が変化し、その結果、検出ポイントにて検
出される合成音(誤差信号)が変化するため、この誤差
信号に基づいて受聴エリア周辺の環境、つまり各制御ポ
イントまでの伝達特性を推定することが可能となるので
ある。
ば、制御ポイント毎に異なる伝達関数の係数データの更
新を、検出ポイントでの誤差信号に基づいて一括して行
っているため、係数データの更新を制御ポイント毎に誤
差信号を検出して個別に行う従来装置と比較して、装置
構成を大幅に簡略化することができる。
載のように、伝達関数の特性を任意に設定可能に構成さ
れたフィルタを、制御ポイントのそれぞれに対応して設
けてなるフィルタ群が、演算手段にて符号変換された騒
音信号を入力として制御ポイント毎の制御信号を生成
し、そのフィルタ群を構成する各フィルタの出力を多重
化手段が、時分割多重するように構成してもよい。
載のように、伝達関数の特性を任意に設定可能な単一の
フィルタが、演算手段にて符号変換された騒音信号を入
力として制御信号を生成し、その際に、係数切替手段
が、フィルタの伝達関数を、各制御ポイントに対応した
ものに時分割で順次切り替えることで、フィルタが、時
分割多重された制御信号を生成するように構成してもよ
い。
重化は、請求項2,3のいずれの場合にしても、対応す
る制御ポイントの位置の分布が常に均等にばらついたも
のとなるような順番で行うことが望ましい。これは、こ
のような多重化を行った場合、制御ポイントの配列順に
規則正しく多重化したものと実際に聴き比べてみると、
消音エリアがより拡大するように感じられるからであ
る。
うに、係数生成手段が、誤差検出手段からの誤差信号に
基づき、その誤差信号を最小にする係数データを繰り返
し生成し、係数照合手段が、その生成された係数データ
と、参照テーブルに記憶された参照係数データとを照合
し、近似度が最も高い参照係数データに対応する識別情
報を、当該推定手段での推定結果として出力するように
構成すればよい。なお、参照テーブルは、予め想定され
る前記受聴エリア周辺の典型的な環境のそれぞれに対し
該環境を特定するために付与した識別情報と、その識別
情報で特定される環境にある時に係数生成手段にて生成
されるべき係数データである参照係数データとを対応さ
せたものを用いる必要がある。
ゴリズム等、公知の手法を用いてフィルタの係数データ
を求めるものであり、いわゆる適応フィルタの構成要素
として使用されるものを用いることができる。なお、当
該騒音制御装置が車両に搭載されるものである場合、請
求項5記載のように、受聴エリア周辺の典型的な環境
は、車室内の温度、搭乗人員数、搭乗位置、受聴エリア
における人員の挙動等のうち、少なくともいずれか一つ
に基づいて分類されていることが望ましい。但し、他に
も、車室内における音声の伝わり方に大きな影響を与え
るパラメータがあれば、それを用いればよい。
として識別情報を出力するように構成されている場合、
係数更新手段は、例えば請求項6記載のように、係数抽
出手段が、係数照合手段が出力する識別情報に対応した
係数データを係数テーブル記憶手段に記憶された係数テ
ーブルから抽出し、この抽出された係数データによっ
て、伝達関数の特性を決める係数データを更新するよう
に構成すればよい。なお、係数テーブルは、前記識別情
報にて特定される環境にある時に選択されるべき前記係
数データを、前記識別情報に対応させたものを用いる必
要がある。
トを、制御ポイントの一つと同一地点に設定した場合に
は、係数更新手段は、検出ポイントと同一地点の制御ポ
イントについては、伝達関数の特性を決める係数データ
を、係数生成手段が生成する係数データにて更新するよ
うに構成することが望ましい。
ポイントでは、実際の誤差信号に基づいて制御信号の生
成が行われることになるため、制御ポイントでの消音効
果を最大限に引き出すことができる。
共に説明する。 [第1実施形態]図1は、デジタル信号処理技術を用い
てスピーカから制御音を発生させ、この制御音を騒音に
干渉させることにより、予め設定された受聴エリアでの
騒音を低減する能動騒音制御(ANC:Active Noise C
ontrol)を実現する第1実施形態の騒音制御装置の構成
を表すブロック図である。
動車に適用し、エンジン音やエアコンの噴流音などを低
減させるため、受聴エリアを、乗員(運転者など)の耳
の周辺に位置するように設定する場合について説明す
る。図示の如く、本実施形態の騒音制御装置は、騒音源
の騒音を検出する騒音検出手段としての騒音源マイクロ
フォン1と、騒音に干渉させる制御音を発生させる制御
音発生手段としてのスピーカ2と、受聴エリアの中心に
設置され、スピーカ2からの制御音と騒音との合成音を
検出する誤差検出手段としての受聴エリアマイクロフォ
ン3と、騒音源マイクロフォン1からの騒音信号をサン
プリングしてデジタル値(「騒音データ」という)に変
換するA/D変換器4と、受聴エリアマイクロフォン3
からの誤差信号をサンプリングしてデジタル値(「誤差
データ」という)に変換するA/D変換器5と、A/D
変換器4からの騒音データに基づいて、受聴エリア内で
の騒音レベルを低減させるための制御音をスピーカ2に
発生させるための制御データを生成する適応制御器6
と、適応制御器6が生成した制御データを、アナログ信
号である制御信号に変換するD/A変換器7とを備えて
いる。
態では9個)の制御ポイントP1〜P9が設定されてお
り、その中心に位置する制御ポイントP1に、受聴エリ
アマイクロフォン3が設置されている。つまり、この制
御ポイントP1が検出ポイントに相当する。また、制御
ポイントP1〜P9は、図中で斜め方向に隣接する制御
ポイント間(例えばP1−P2間,P1−P8間など)
の距離が、低減すべき騒音について消音効果が得られる
範囲(消音エリア)の直径以下となるように設定されて
いる。
うに、A/D変換器4からの騒音データに−1を乗算し
て符号変換する演算手段としての演算器11と、受聴エ
リア内に設定された各制御ポイントP1〜P9に対応し
て設けられたフィルタF1〜F9からなり、それぞれが
演算器11からの符号反転データから制御データを生成
するフィルタ群12と、フィルタ群12を構成する各フ
ィルタF1〜F9が生成する制御データを、D/A変換
器7に順番に出力する多重化手段としての時分割多重化
器13とからなる信号処理手段としての信号処理部10
を備えている。
ずれも後述する係数データにより規定される伝達特性
(伝達関数)を有しており、それぞれ制御ポイントPi
についての制御信号を生成するようにされている。ま
た、時分割多重化器13は、各フィルタF1〜F9の出
力を、対応する制御ポイントの位置の分布が常に均等に
ばらついたものとなるような順番(例えば、F1→F8
→F3→F6→F9→F4→F7→F2→F5やF1→
F9→F5→F2→F6→F3→F7→F4→F8な
ど)で多重化するものとする。
らの誤差データに基づいて、受聴エリア周辺の環境を推
定し、その推定された環境に対して付与された識別番号
を出力する推定手段としての環境推定部20と、環境推
定部20が出力する識別番号に従って、フィルタ群12
に供給する係数データを更新する係数更新手段としての
係数更新部30とを備えている。
器5からの誤差データに基づき、この誤差データを最小
にするフィルタF1についての係数データを繰り返し生
成する係数生成手段としての係数更新器21と、予め想
定される典型的な環境のそれぞれについて付与した識別
情報に、その識別番号で特定される環境にある時に、係
数更新器21が生成すべき係数データを対応づけてなる
参照テーブルを記憶する参照テーブル記憶手段としての
メモリ22と、参照テーブルの係数データ(以下「参照
係数データ」という)と係数更新器21にて生成された
係数データ(以下「生成係数データ」という)とを照合
することにより、生成係数データに最も近似した参照係
数データに対応する識別情報を推定結果として出力する
係数照合手段としての係数照合器23とからなる。
の識別情報にて特定される環境にある時に選択されるべ
きフィルタF2〜F9についての係数データとを対応さ
せてなる係数テーブルを記憶する係数テーブル記憶手段
としてのメモリ31と、メモリ31に記憶された係数テ
ーブルに基づいて、係数照合器23が出力する識別情報
に対応した係数データの抽出を行う係数抽出手段として
の係数抽出器32とからなる。
IR(Finite Inpulse Response )フィルタとして構成
されたものであり、具体的には、係数更新器21が生成
する係数データ或いは係数抽出器32が抽出する係数デ
ータと、演算器11からの符号反転データとの畳み込み
演算を実行するものである。
LMS(Least Mean Square :最小自乗平均法)アルゴ
リズムを用いて、フィルタF1の係数データを生成する
ようにされており、フィルタF1と共にいわゆる適応フ
ィルタを構成するものである。
定された係数データは、次のようにして設定される。即
ち、図3に示すように、騒音源をN、騒音源から制御ポ
イントPi(i=1〜9)に到る音響伝達経路の伝達関
数をHni、スピーカ2が発生する制御音をV、スピーカ
2から制御ポイントPiに到る音響伝達経路の伝達関数
をHviとすると、これらが(1)式の関係にある時に、
制御ポイントPiでの制御音Vと騒音Nとは打ち消し合
うことになる。この(1)式から、制御音Vは(2)式
で表すことができる。
ルタFiの特性がHni/Hviとなるように係数データを
設定すればよいのである。
付近の環境に応じて変化するため、予め想定される典型
的な環境のそれぞれについて音響効果を実測する等し
て、係数データを設定する。また、典型的な環境として
は、例えば、車室内の温度、乗員数、乗員の搭乗位置、
受聴エリアにいる乗員の座高,姿勢,挙動等が考えら
れ、これらの組み合わせのそれぞれについて識別番号を
付与し、係数データを設定する。
御装置では、スピーカ2に発生させた制御音と騒音との
合成音を、受聴エリアマイクロフォン3が検出し、その
検出信号をA/D変換してなる誤差データに基づいて、
係数更新器21がフィルタF1についての係数データを
生成する。そして、係数照合器23が、その生成された
係数データと参照テーブルとを照合することにより、受
聴エリア周辺の環境を推定し、その推定された環境に対
応する識別番号を出力する。すると、係数抽出器32
が、出力された識別番号に従って、フィルタF2〜F9
についての係数データを係数テーブルから抽出する。そ
して、これら係数更新器21及び係数抽出器32にて生
成,抽出された係数データ、即ち、受聴エリア周辺の環
境を反映した係数データにより、フィルタF1〜F9の
係数データが随時更新される。
騒音を検出し、フィルタF1〜F9が、その検出信号を
A/D変換してなる騒音データから各制御ポイントP1
〜P9に対応した制御データを生成する。そして、これ
ら制御データを時分割多重したものをD/A変換してな
る制御信号に基づいて、スピーカ2は各制御ポイントP
1〜P9にて騒音と逆位相となる制御音を発生させる。
ータに基づく制御音を発生させている時には、制御ポイ
ントPiを中心とした消音エリアが生成される。つま
り、本実施形態の騒音制御装置では、時分割で全てのフ
ィルタF1〜F9にて生成された制御データに基づく制
御音を発生させているため、全ての制御ポイントP1〜
P9に消音エリアが生成され、これらを合成した範囲で
消音効果が得られることになる。
御装置によれば、各制御ポイントP1〜P9を中心とし
て生成される消音エリアを合成した範囲にて消音効果が
得られるため、制御ポイントを適宜設定することによ
り、必要な大きさの受聴エリアを確保することができ
る。このため、受聴エリアの設定場所に搭乗する乗員が
交替したり、その乗員が姿勢を変える等して、乗員の耳
の位置が多少移動したとしても、その耳の位置が受聴エ
リアから外れてしまうことを防止できる。
ば、受聴エリア周辺の環境が変化して、スピーカ2から
受聴エリア(各制御ポイントP1〜P9)までの音の伝
わり方が変化すると、その変化を、検出ポイント(制御
ポイントP1)での合成音(誤差データ)に基づいて推
定し、その推定結果に基づいて他の制御ポイントP2〜
P9についての制御データを生成するフィルタF2〜F
9の係数データを、一括して更新するようにされてい
る。従って、各制御ポイントP1〜P9毎に合成音(誤
差データ)を検出して、それぞれ個別に係数データの更
新を行う従来装置と比較して、装置構成を大幅に簡略化
することができる。
F9の出力を時分割多重する際に、対応する制御ポイン
トの位置の分布が常に均等にばらついたものとなるよう
な順番で行うようにされている。このため、制御ポイン
トの配列順に規則正しく多重化したものと比較して、消
音エリアがより拡大した感覚を得ることができる。
イントP1〜P9にて消音エリアを生成しているが、消
音エリアを生成する制御ポイントの数を、周囲の環境
(環境推定部20での推定結果)に応じて変化させるよ
うに構成してもよい。また、本実施形態では、受聴エリ
ア内に9個の制御ポイントP1〜P9を格子点状に設定
したが、制御ポイントの数は、8個以下或いは10個以
上であったり、制御ポイントの配置は、例えば同心円状
であってもよく、これらは、受聴エリアの形状や大きさ
に応じて、受聴エリアを消音エリアにて効率良く(最小
限の数にて)覆い尽くすことができるように設定すれば
よい。 [第2実施形態]次に第2実施形態について説明する。
を表すブロック図である。なお、第1実施形態とは、信
号処理部の構成が異なるだけであるため、同一の構成に
ついては、同一符号を付して説明を省略し、構成の相違
する部分を中心に説明する。図4に示すように、本実施
形態の騒音制御装置において、信号処理部10aは、騒
音データに−1を乗算して符号変換する演算器31と、
演算器31からの符号反転データから制御データを生成
するフィルタ12aと、係数更新器21及び係数抽出器
32から供給される9個の制御ポイントP1〜P9につ
いての係数データを、フィルタ12aに順番に供給する
ことにより、フィルタ12aに制御ポイント毎の制御デ
ータを時分割で生成させる更新制御手段としての係数制
御器14とを備えている。
同様に、FIRフィルタとして構成されたものであり、
係数制御器14から供給される係数データと、演算器1
1からの符号反転データとの畳み込み演算を実行するも
のである。また、係数制御器14は、フィルタ12aへ
の係数データの供給を、その係数データに対応する制御
ポイントの位置の分布が常に均等にばらついたものとな
るような順番で行うようにされている。
御装置では、各制御ポイントP1〜P9を中心として生
成される消音エリアを合成した範囲にて消音効果が得ら
れ、また、受聴エリア周辺の環境の変化を推定し、その
推定結果に基づいて他の制御ポイントP2〜P9につい
ての制御データを生成するフィルタF2〜F9の係数デ
ータを、一括して更新するようにされているため、第1
実施形態の場合と全く同様の効果を得ることができる。
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様に
て実施することが可能である。例えば、上記実施形態で
は、適応制御器6からの制御データを、D/A変換器7
にてアナログの制御信号に変換してスピーカ2に供給す
るようにされているが、適応制御器6では、制御データ
に応じたPWM信号を生成し、このPWM信号をアナロ
グ信号に変換してスピーカ2に供給するように構成して
もよい。
1についての係数データを、係数更新器21が生成した
係数データにて更新しているが、制御ポイントP1につ
いての係数データも、他の制御ポイントP2〜P9につ
いての係数データと同様に、係数抽出器32にて係数テ
ーブルから抽出した係数データにより更新するように構
成してもよい。
御ポイントや検出ポイントの配置を表す説明図である。
法を表す説明図である。
ロック図である。
リアマイクロフォン、4,5…A/D変換器、6…適応
制御器、7…D/A変換器、10,10a…信号処理
部、11…演算器、12…フィルタ群、F1〜F9,1
2a…フィルタ、13…時分割多重化器、14…係数制
御器、20…環境推定部、21…係数更新器、22,3
1…メモリ、23…係数照合器、30…係数更新部、3
1…演算器、32…係数抽出器、N…騒音、V…制御
音、P1〜P9…制御ポイント。
Claims (7)
- 【請求項1】 予め指定された受聴エリアに向けて制御
音を発生させる制御音発生手段と、 騒音源の近傍に設置され騒音を検出する騒音検出手段
と、 前記受聴エリア内に設定された複数の制御ポイントのそ
れぞれにて、前記騒音と逆位相となる制御音を前記制御
音発生手段に発生させるための制御信号を、前記騒音検
出手段での検出信号である騒音信号に、伝達関数を作用
させることで生成する信号処理手段と、 予め設定された検出ポイントにて、前記制御音発生手段
が発生させた制御音と前記騒音との合成音を検出する誤
差検出手段と、 該誤差検出手段での検出信号である誤差信号に基づき、
前記受聴エリア周辺の環境を推定する推定手段と、 該推定手段での推定結果に応じて、前記信号処理手段に
て使用される伝達関数の特性を決める係数データを更新
する係数更新手段と、 を備え、前記騒音に前記制御音を干渉させることで前記
受聴エリア内での騒音を低減することを特徴とする騒音
制御装置。 - 【請求項2】 前記信号処理手段は、 前記騒音信号の符号を変換する演算手段と、 伝達関数の特性を任意に設定可能に構成されたフィルタ
を、前記制御ポイントのそれぞれに対応して設けてな
り、前記演算手段からの符号変換された騒音信号を入力
として前記制御ポイント毎の制御信号を生成するフィル
タ群と、 該フィルタ群を構成する各フィルタの出力を時分割多重
する多重化手段と、 からなることを特徴とする請求項1記載の騒音制御装
置。 - 【請求項3】 前記信号処理手段は、 前記騒音信号の符号を変換する演算手段と、 伝達関数の特性を任意に設定可能に構成され、前記演算
手段からの符号変換された騒音信号を入力とし制御信号
を生成するフィルタと、 該フィルタの伝達関数を、前記制御ポイントに対応させ
て時分割で順次切り替える係数切替手段と、 からなることを特徴とする請求項1記載の騒音制御装
置。 - 【請求項4】 前記推定手段は、 前記誤差検出手段からの誤差信号に基づき、該誤差信号
を最小にする係数データを繰り返し生成する係数生成手
段と、 予め想定される前記受聴エリア周辺の典型的な環境のそ
れぞれに対し該環境を特定するために付与した識別情報
に、該識別情報で特定される環境にある時に前記係数生
成手段にて生成されるべき係数データである参照係数デ
ータを対応させてなる参照テーブルを記憶する参照テー
ブル記憶手段と、 前記係数生成手段が生成する係数データと前記参照テー
ブルの参照係数データとを照合し、近似度が最も高い参
照係数データに対応する識別情報を、当該推定手段での
推定結果として出力する係数照合手段と、 からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれ
か記載の騒音制御装置。 - 【請求項5】 当該騒音制御装置は、車両に搭載され、 前記受聴エリア周辺の典型的な環境は、車室内の温度、
搭乗人員数、搭乗位置、受聴エリアにおける人員の挙動
のうち、少なくともいずれか一つに基づいて分類されて
いることを特徴とする請求項4記載の騒音制御装置。 - 【請求項6】 前記係数更新手段は、 前記識別情報にて特定される環境にある時に選択される
べき前記係数データを、前記識別情報に対応させてなる
係数テーブルを記憶する係数テーブル記憶手段と、 前記係数照合手段が出力する識別情報に対応した係数デ
ータを前記係数テーブルから抽出する係数抽出手段と、 からなり、前記伝達関数の特性を決める係数データを、
前記係数抽出手段にて抽出された係数データにて更新す
ることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の騒音制
御装置。 - 【請求項7】 前記検出ポイントは、前記制御ポイント
の一つと同一地点にあり、 前記係数更新手段は、前記検出ポイントと同一地点の制
御ポイントについては、前記伝達関数の特性を決める係
数データを、前記係数生成手段が生成する係数データに
て更新することを特徴とする請求項4乃至請求項6いず
れか記載の騒音制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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