JP2003215529A - プロジェクタ - Google Patents

プロジェクタ

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JP2003215529A
JP2003215529A JP2002010695A JP2002010695A JP2003215529A JP 2003215529 A JP2003215529 A JP 2003215529A JP 2002010695 A JP2002010695 A JP 2002010695A JP 2002010695 A JP2002010695 A JP 2002010695A JP 2003215529 A JP2003215529 A JP 2003215529A
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liquid crystal
light
optical system
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JP2002010695A
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Shoichi Uchiyama
正一 内山
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学系の明るさと、反射型液晶ライトバルブ
および光学系のコントラスト性能と、表示画質との相互
間の適切なバランスをとることで、ディスクリネーショ
ンを防止しつつ、コントラストを良好にし、かつ小型、
軽量、低コストなプロジェクタを提供する。 【解決手段】 光源101から出射された光束が偏光ビ
ームスプリッタ103によって偏光分離され、偏光分離
された偏光光のうち1つの偏光光を色分離膜とプリズム
とを備えた色分離合成光学系104によって各色成分光
に色分解され、色分離された各色成分光に対応するプリ
ズムの出射面近傍に設けられた各反射型液晶ライトバル
ブ105によって変調した後反射し、色分離合成光学系
103によって色合成され、偏光ビームスプリッタ10
3により偏光分離され、投写レンズ108を介してスク
リーン109上に投写する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクタに関
し、特に、反射型液晶ライトバルブを利用した電気光学
装置の画像を拡大投写するプロジェクタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、反射型液晶ライトバルブを使
用したプロジェクタの例としては、特開昭63−392
94号公報に記載の「ビデオ・プロジェクション装置」
などが知られている。
【0003】上記公報例における光学系は、光源、集光
レンズ、偏光分離素子である1つの偏光ビームスプリッ
タ(1PBS)、第1〜第3プリズムまでの3個のプリ
ズムと色分離膜(ダイクロイック膜等)とで構成された
色分離合成光学系、その色分離合成光学系で分解された
各色成分光を映像信号に応じて空間変調してこれを反射
する反射型液晶ライトバルブ、および、投写レンズなど
を備えている。
【0004】そこで、光源から出射された光束は、集光
レンズによって偏光ビームスプリッタに導かれ、S偏光
成分を除いたP偏光成分のみを色分離合成光学系に入射
する。色分離合成光学系では、P偏光成分は青・赤・緑
の各色成分光束に分離されてそれぞれの反射型液晶ライ
トバルブに入射する。各反射型液晶ライトバルブでは、
各映像信号に応じて各色光束の位相状態を変調し、S偏
光成分も有する光束として反射され、入射時とは逆の経
路をたどって色分離合成光学系に戻って合成される。合
成された光束は、再び偏光ビームスプリッタに戻り、そ
こでS偏光成分が反射され、投写レンズを介してスクリ
ーンに投影される。
【0005】また、上記例の他、青・赤・緑の各色成分
光束毎に設けられた3つの偏光ビームスプリッタ(3P
BS)を備えたプロジェクタなどもある。
【0006】さらに、特開平10−161127号公報
に記載の「垂直配向型の液晶表示デバイス」は、垂直配
向(ホメオトロピック配向)を利用した液晶表示デバイ
スであり、負の誘電異方性を有したネマティック液晶を
用いて、基板に垂直に配列させた液晶分子を印加電圧に
よって傾斜配向させるものである。このように、垂直配
向を利用すれば印加電圧に対する光透過率の変化が急峻
となり、コントラスト比が大きくとれることから、高い
表示品質が得られるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
プロジェクタにおいては、従来から、コントラスト比を
向上させることが要求されており、最近は、高コントラ
スト比を実現することができる垂直配向型の液晶ライト
バルブを用いたプロジェクタにおいても、より一層コン
トラスト比を向上させることが要求されている。
【0008】このようなこのようなプロジェクタにあっ
て、偏光ビームスプリッタが3つ(3PBS)の場合
と、1つ(1PBS)の場合とを比較すると、後者の方
が光学部品点数が少なくて済むため、小型で、軽量化
し、低コスト化できるが、光学系中に色分離膜を必要と
するため、光束に望ましくない位相が付与されてしま
い、それが原因となってコントラスト特性が劣化すると
いう課題があった。
【0009】そこで、偏光ビームスプリッタが1つの1
PBS光学系の場合は、プリズム全反射面に位相補償膜
を形成して望ましくない位相を補償することで、高いコ
ントラスト性能を維持しようとするが、この位相補償の
補償程度は光線の入射角により異なり、とくに光学系の
Fナンバーが小さくなる(光線の入射角度が大きくな
る)につれて補償誤差が大きくなって、コントラスト性
能が劣化してしまう。
【0010】一方、コントラスト性能を重視して、光学
系のFナンバーを大きくしようとすると、充分な表示画
像の明るさが得られなくなるという課題が生じる。
【0011】また、上記した垂直配向型の液晶表示デバ
イスにあっては、電界印加時に、液晶層を構成している
液晶分子の倒れる方向を揃えるために、液晶分子をあら
かじめ所定の方向に少し傾けておく、いわゆるプレチル
ト角を付与して、電界無印加時に、液晶分子の長軸方向
が、基板面に対してプレチルト角を持った方向に向くよ
うにしているが、垂直配向モードにおけるコントラスト
性能は液晶分子のプレチルト角に依存しており、プレチ
ルト角が大きくなるほど液晶表示デバイスのコントラス
ト性能が高くなる傾向がある。なお、本明細書中におけ
る垂直配向型の液晶のプレチルト角は、液晶分子の長軸
方向の向きと基板面となす角度をいうものとする。
【0012】しかし、上記のようにプレチルト角を大き
くし過ぎて、電圧無印加時のプレチルト角が90度に近
づくと、互いに隣接する画素間で生じる横電界の影響を
受けやすくなるために、画素中において液晶分子のディ
レクタが揃わなくなるディスクリネーションが発生し、
その結果によって明暗にムラが生じ、コントラストが低
下したり、輪郭がぼけるなど、表示画質が著しく劣化す
るという課題があった。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、光学系の明るさと、反射型液晶ライ
トバルブおよび光学系のコントラスト性能と、表示画質
との相互間の適切なバランスをとることによって、ディ
スクリネーションを防止しつつ、コントラストを良好に
し、小型、軽量、かつ低コストのプロジェクタを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のプロジェクタは、光源から出射された光束
を偏光分離素子により複数の偏光光に偏光分離し、その
偏光分離された偏光光のうち1つの偏光光を、それぞれ
の色分離膜とプリズムとを備えた色分離合成光学系によ
り各色成分光に色分離し、その色分離された各色成分光
に対応する前記プリズムのそれぞれの出射面近傍に設け
られた各反射型液晶ライトバルブにて変調した後反射さ
れ、その反射された各色成分光を前記色分離合成光学系
で色合成し、前記各反射型液晶ライトバルブで変調され
た光束を前記偏光分離素子により偏光分離し、その偏光
分離された偏光光のうち1つの偏光光を投写レンズを介
してスクリーン上に投写するプロジェクタであって、前
記反射型液晶ライトバルブは垂直配向型液晶層を有し、
前記垂直配向型液晶層における液晶分子のプレチルト角
を82.5°〜85°の範囲としたことを特徴とする。
【0015】本発明によれば、光源から出射された光束
が偏光分離素子によって偏光分離され、偏光分離された
偏光光のうち1つの偏光光を色分離膜とプリズムとを備
えた色分離合成光学系によって各色成分光に色分解さ
れ、色分離された各色成分光に対応するプリズムの出射
面近傍に設けられた各反射型液晶ライトバルブによって
変調された後反射され、反射された各色成分光が色分離
合成光学系によって色合成され、各反射型液晶ライトバ
ルブで変調された光束が偏光分離素子により偏光分離さ
れ、その分離された偏光光のうち1つの偏光光を投写レ
ンズを介してスクリーン上に投写するプロジェクタを用
いているため、光学系の構成部品点数が少なくて済むこ
とから、小型、軽量、かつ低コストすることができる。
【0016】また、反射型液晶ライトバルブの垂直配向
モードの液晶分子のプレチルト角を82.5°〜85°
の範囲としたため、ディスクリネーションが問題となら
ない良好な表示が可能となる。
【0017】上記構成において、前記色分離合成光学系
および前記投写レンズのFナンバーをF3〜F4の範囲
とすることが望ましい。
【0018】この構成によれば、色分離合成光学系およ
び光学系のFナンバーをF3〜F4の範囲としたため、
光学系の明るさと、反射型液晶ライトバルブおよび光学
系のコントラスト性能と、表示画質との相互間の適切な
バランスをとることが可能となり、ディスクリネーショ
ンを防止しつつ、良好なコントラストや表示画質を得る
ことができる。そして、光束径が比較的細いため、プリ
ズムサイズが小型化できることから、小型、軽量、かつ
低コスト化することができる。その上、プリズムの体積
が小さくなるため、熱応力に伴うコントラストの低下を
抑制することができる。
【0019】また、投写レンズのバックフォーカスが長
くなる傾向にある1つの偏光分離素子を用いた光学系の
場合、FナンバーをF3〜F4と比較的大きくとれば、
投写レンズの有効径を小さく抑えることが可能となり、
その結果高い解像度の投写レンズを安価に製造すること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかるプロジェクタの好適な実施の形態を詳細に
説明する。
【0021】(第1の実施の形態) [プロジェクタの構成]図1は、本発明に第1の実施形
態に係るプロジェクタの光学系の全体像を示す図であ
り、偏光分離素子として1つの偏光ビームスプリッタを
用いた1PBS光学系の場合である。
【0022】図1では、以下の説明をわかり易くするた
め、座標系を112のように右手系で定める。即ち、x
軸とy軸は紙面内にあって、y軸の正方向を紙面上方向
に定め、x軸の正方向を紙面右方向に定める。また、z
軸は紙面に対して垂直となるように、手前側に向けて正
方向に定めるものとする。
【0023】まず、図1の白色光源101を出射した光
束は、照明光学系102によって集光され、偏光ビーム
スプリッタ103の偏光分離面103Aに入射する。白
色光源101としては、ここでは演色性に優れたメタル
ハライドランプ、キセノンランプ、水銀ランプ、ハロゲ
ンランプ等を好適に使用することができるが、これに限
定されない。また、白色光源101の発光スペクトルの
うち、スクリーン投射画像の色再現性に悪影響を及ぼす
スペクトル成分を除去するため、照明光学系102と偏
光ビームスプリッタ103の間に色フィルタ110を挿
入している。
【0024】偏光分離面103Aに入射した光束のS偏
光成分は反射され、x軸の正方向に向けて系外に導かれ
る。一方、P偏光成分は、偏光分離面103Aを透過し
て第1プリズム104A,第2プリズム104B,第3
プリズム104Cで構成される色分離合成光学系に入射
する。
【0025】色分離合成光学系の第1プリズム104A
の入射面104AIを透過した光束は、第1プリズム1
04Aの第2プリズム側の第2面104ADに入射す
る。この第2面104ADには、入射光束の第1色光を
反射し、第2色光および第3色光を透過する色分離特性
を持つダイクロイック膜が形成されており、第1色光成
分はこの面で反射され、再び第1プリズムの入射面10
4AIに入射する。この際、第1色光成分の入射面10
4AIへの入射角が全反射条件を満たすように第1プリ
ズム104Aの形状が設定されている。従って、第1色
光は入射面104AIで全反射され、引き続き出射面1
04AEおよび位相素子107Aを透過して、第1色光
用反射型液晶ライトバルブ105Aに入射して、映像信
号に応じた変調作用を受ける。なお、入射面104AI
において、第1色光が全反射条件を満たす入射角度範囲
を広くするため、偏光ビームスプリッタ103と第1プ
リズム104Aとの間には、空気層が介在することが望
ましい。
【0026】第1プリズムの第2面104ADを透過し
た第2、第3色光成分は、色分離合成光学系の第2プリ
ズム104Bの入射面104BIを透過し、第3プリズ
ム側の第2面104BDに入射する。この第2面104
BDには、第2色光を反射し、第3色光を透過する色分
離特性を持つダイクロイック膜が形成されており、第2
色光成分はこの面で反射され、再び第2プリズムの入射
面104BIに入射する。この際、第2色光成分の入射
面104BIへの入射角が全反射条件を満たすように第
2プリズム104Bの形状が設定されている。従って、
第2色光はこの面で全反射され、引き続き出射面104
BEおよび位相素子107Bを透過して、第2色光用反
射型液晶ライトバルブ105Bに入射して、映像信号に
応じた変調作用を受ける。なお、入射面104BIにお
いて、第2色光が全反射条件を満たす入射角度範囲を広
くするため、第1プリズム104Aと第2プリズム10
4Bとの間には、空気層が介在することが望ましい。
【0027】第2プリズムの第2面104BDを透過し
た第3色光成分は、色分離合成光学系の第3プリズム1
04Cの入射面104CIを透過し、第2面104CD
に入射する。この際、第3色光成分の第2面104CD
への入射角が全反射条件を満たすように第3プリズム1
04Cの形状が設定されている。従って、第3色光は、
この面で全反射され、引き続き出射面104CEおよび
位相素子107Cを透過して第3色光用反射型液晶ライ
トバルブ105Cに入射し、映像信号に応じた変調作用
を受ける。
【0028】各色光用反射型液晶ライトバルブ105
A、105B、105Cでそれぞれ変調作用を受けた各
色光は、反射され、入射経路とは逆の経路を通って、再
び偏光ビームスプリッタ103の偏光分離面103Aに
入射し、そのうち変調されたS偏光成分は反射され、偏
光板111を透過後、投写レンズ108によりスクリー
ン109に投写される。
【0029】なお、本実施の形態のプロジェクタの偏光
ビームスプリッタ103の構成は、偏光分離面103A
が白色帯域にわたって均一な偏光分離性能を発揮するよ
うに作成されている。そのような偏光分離膜の一般的な
反射特性は、S偏光成分に対しては95%以上の高い反
射率を示すと同時に、P偏光成分に対しても数%程度の
反射率を示す。ここでは、画像光としてS偏光成分をス
クリーン109に投写するものとしたが、前記のような
偏光ビームスプリッタ103の反射特性では、本来画像
光として使用しないP偏光成分もスクリーン側に反射し
てしまうことから画質の低下を招く。この画質低下を防
ぐためには、P偏光成分を吸収、もしくは、反射させて
スクリーン109には到達しないようにする偏光板11
1を偏光ビームスプリッタ103と、投写レンズ108
の間に挿入することが有効である。
【0030】また、本構成においては、偏光分離面10
3Aと各色光用反射型液晶ライトバルブの間の光路上に
存在する媒質や媒質界面にて本来の映像信号の変調によ
る光学位相差とは異なる光学位相差が発生すると、各色
光は本来あるべき変調状態とは異なる変調状態となって
画質低下を招く。このような望ましくない光学位相差
は、色分離膜を形成してある面104ADや104BD
で発生しやすく、これを制御するためには、各プリズム
の全反射面104AI、104BI、104CDに望ま
しくない光学位相差を補償する機能を有する位相補償膜
を形成することが有効である。
【0031】[反射型液晶ライトバルブのプレチルト
角]第1の実施の形態におけるプロジェクタに使用され
る反射型液晶ライトバルブ105A,105B,105
Cの液晶モードは、垂直配向モードを用いている。この
垂直配向モードは、図2に示すように、負の誘電異方性
を有したネマテック液晶122を用い、基板120に対
して垂直な方向に配列させた液晶分子126を印加電圧
に対応させて配向を制御するもので、高いコントラスト
特性を有している。基板120内には、図示省略した駆
動電極や駆動回路が設けられ、液晶122と接する面に
は配向膜121,123を設けることで、液晶分子12
6に対して一定のプレチルト角θ°を与えている。12
4は、カバーガラスである。
【0032】図2のプレチルト角θ°を大きくするとコ
ントラスト特性が高くなるが、ディスクリネーションが
生じ易くなって、画質が著しく劣化する。そこで、本発
明者らは、図3および下記の表1に示すように、プレチ
ルト角θ°とコントラスト比との関係を調べると、コン
トラスト比が1000を超えるプレチルト角θ°は、8
0°〜87°の範囲となるが、これにさらにディスクリ
ネーションの発生との関係を調査した結果、コントラス
ト比が良好であって、さらにディスクリネーションの発
生のない液晶分子のプレチルト角θ°としては、82.
5°〜85°の範囲であることを見出した。
【0033】
【表1】
【0034】図4は、反射型液晶ライトバルブの液晶プ
レチルト角を85°に設定した場合のコントラスト性能
の光線入射角依存性を示す分布図であり、横軸に反射型
液晶ライトバルブの法線に対する光線入射角度の水平方
向成分(図1のz方向に平行な成分)、縦軸に光線入射
角度の垂直方向成分(図1のz方向に垂直な成分)を取
った場合の、コントラスト性能分布を示している。この
場合、コントラスト特性が最も高い光線入射角度は反射
型ライトバルブの法線に対して約6°〜8°の近傍に存
在する。
【0035】[反射型液晶ライトバルブと光学系のFナ
ンバー]第1の実施の形態におけるプロジェクタは、色
分離合成光学系にはプリズムとダイクロイック膜が含ま
れている。このダイクロイック膜は、直線偏光を楕円偏
光に変えるなど望ましくない光学位相を付与するおそれ
があり、コントラスト特性を劣化させるが、プリズム全
反射面に形成された位相補償膜によって位相の補償を行
い、高いコントラスト性能を維持するようになってい
る。しかし、この位相補償は完全ではなく、とくに光学
系のFナンバーが小さくなる(光線の入射角度が大きく
なる)につれて、補償誤差が大きくなりコントラスト性
能の劣化をもたらすという関係がある。
【0036】一方、コントラスト性能を重視し、光学系
のFナンバーを大きくした場合は、充分な表示画像の明
るさを得ることはできなかった。
【0037】そこで、本発明者らは、光学系の明るさ
と、反射型液晶ライトバルブおよび光学系のコントラス
ト性能と、表示画質との間で適切なバランスがとれるよ
うにするため、光学系のFナンバーとプロジェクタの明
るさおよびコントラスト性能の関係を調査した。
【0038】図5は、明るさとコントラスト性能の関係
を示す図である。光学系のFナンバーが大きくなるに従
いコントラスト性能は向上する。なお、Fナンバーが
3.5の近傍から飽和傾向を示すのは、図4で示した反
射型液晶ライトバルブのコントラスト特性において光線
入射角度が約6°〜8°で最も高いコントラスト特性を
示すことに対応している。すなわち、光学系のFナンバ
ー小さい場合(例えば3以下)、光学系で使用される光
線の入射角度が大きいため、図4に示す液晶ライトバル
ブのコントラスト分布におけるコントラストが低い領域
(光線入射角度が大きな領域)が使用され、結果として
高いコントラスト性能は得られない。Fナンバーが3.
5近傍になると、前記の場合に比べて光線の入射角度が
小さくなり、液晶ライトバルブのコントラストが低い領
域を使う割合が減るためにコントラスト性能は上昇す
る。さらに、Fナンバーを大きくすると、今度は図4に
示す液晶ライトバルブのコントラスト分布における、最
もコントラスト特性の高い領域(光線入射角度が約6°
〜8°のコントラストが105〜6の領域)を使用しな
くなるためF3.5近傍に比べて大きくコントラスト性
能は向上しない。一方、明るさは、光学系のFナンバー
が大きくなるに従い低下する。
【0039】プロジェクタに要求される明るさ、コント
ラスト性能は、その用途に応じて適宜設定されるが、本
実施の形態のようなコントラスト特性に優れたプロジェ
クタの用途としては、高品位な画像、映像を鑑賞するた
めのリア型プロジェクタが好適である。このようなリア
型プロジェクタにおいては、明るさとして500lm以
上、コントラスト性能として1000以上が要求され
る。これらの条件を満足できるFナンバーとして、本実
施の形態においては、図5に示した特性から、光学系の
FナンバーをF3〜F4の間となるように設定した。特
に、本実施の形態では、FナンバーをF3.5(最大光
線入射角8.1°)とした時に、明るさも十分とれ、優
れたコントラスト特性が得られる最も好ましい結果が得
られた。
【0040】図6は、光学系のFナンバーを説明する図
である。反射型液晶ライトバルブ105と投写レンズ1
08との間の距離をfとし、投写レンズの口径をDとし
た場合、Fナンバー(FNo.)は、次式により表すこ
とができる。
【0041】
【数1】
【0042】この式からわかるように、反射型液晶ライ
トバルブ105と投写レンズ108との間の距離fを一
定とすれば、Fナンバーと投写レンズの口径Dとは反比
例の関係となる。
【0043】本実施の形態においてはFナンバーをF3
〜F4の間に設定したことにより、光束径を比較的細く
できるため、プリズムサイズが小型化できることから、
光学系全体を小型、軽量、かつ低コスト化することがで
きる。その上、プリズムの体積が小さくなるため、熱応
力に伴うコントラストの低下を抑制することができる。
【0044】また、FナンバーをF3〜F4と比較的大
きくとることにより、投写レンズの有効径の増大をおさ
えることが可能となり、その結果高い解像度の投写レン
ズを安価に製造することができるようになった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光源から出射された光束が偏光分離素子によって複
数の偏光光に偏光分離され、偏光分離された偏光光のう
ち1つの偏光光を色分離膜とプリズムとを備えた色分離
合成光学系によって各色成分光に色分離され、色分離さ
れた各色成分光に対応するプリズムの出射面近傍に設け
られた各反射型液晶ライトバルブによって変調した後反
射され、反射された各色成分光が色分離合成光学系によ
って色合成され、各反射型液晶ライトバルブで変調され
た光束が偏光分離素子により偏光分離され、投写レンズ
を介してスクリーン上に投写するプロジェクタを用いた
ので、光学系の構成部品点数が少なくて済み、小型、軽
量、かつ低コスト化することができる。
【0046】また、反射型液晶ライトバルブの垂直配向
モードの液晶分子のプレチルト角を82.5°〜85°
の範囲としたので、ディスクリネーションが問題となら
ない良好な画像表示が可能となる。
【0047】さらに、色分離合成光学系および投写レン
ズのFナンバーをF3〜F4の範囲としたので、光学系
の明るさと、反射型液晶ライトバルブおよび光学系のコ
ントラスト性能と、表示画質との相互間の適切なバラン
スをとることが可能となり、ディスクリネーションを防
止しつつ、良好なコントラストや表示画質を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプロジェクタの
光学系の全体像を示す図である。
【図2】反射型液晶ライトバルブの垂直配向モードを説
明する部分断面図である。
【図3】プレチルト角とコントラスト比との関係を示す
グラフである。
【図4】反射型液晶ライトバルブのコントラスト特性の
入射角度依存性を示す分布図である。
【図5】Fナンバーと明るさとコントラストとの関係を
示す図である。
【図6】光学系のFナンバーを説明する図である。
【符号の説明】
101 白色光源 102 照明光学系 103 偏光ビームスプリッタ 103A 偏光分離面 110 色フィルタ 112 座標系 104A,104B,104C プリズム 104AI 入射面 104AD 第2面 104AE 出射面 107A 位相素子 105A 第1色光用反射型液晶ライトバルブ 104BI 入射面 104BD 第2面 104BE 出射面 107B 位相素子 105B 第2色光用反射型液晶ライトバルブ 104CI 入射面 104CD 第2面 104CE 出射面 107C 位相素子 105C 第3色光用反射型液晶ライトバルブ 111 偏光板 108 投写レンズ 109 スクリーン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/139 G02F 1/139 G03B 21/00 G03B 21/00 E H04N 5/74 H04N 5/74 K Fターム(参考) 2H049 BA05 BB61 BC22 2H088 EA14 EA16 GA02 HA03 HA12 HA13 HA20 HA23 HA24 HA28 JA10 KA14 KA30 MA02 MA04 MA16 MA18 2H091 FA01Z FA05Z FA10Z FA14Y FA21Z FA26Z FA31X FA41Z FD06 FD23 GA06 HA06 HA09 KA05 KA10 LA11 LA16 LA17 MA07 5C058 BA08 BA25 EA11 EA26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射された光束を偏光分離素子
    により複数の偏光光に偏光分離し、その偏光分離された
    偏光光のうち1つの偏光光を、それぞれの色分離膜とプ
    リズムとを備えた色分離合成光学系により各色成分光に
    色分離し、その色分離された各色成分光に対応する前記
    プリズムのそれぞれの出射面近傍に設けられた各反射型
    液晶ライトバルブにて変調した後反射され、その反射さ
    れた各色成分光を前記色分離合成光学系で色合成し、前
    記各反射型液晶ライトバルブで変調された光束を前記偏
    光分離素子により偏光分離し、その偏光分離された偏光
    光のうち1つの偏光光を投写レンズを介してスクリーン
    上に投写するプロジェクタであって、 前記反射型液晶ライトバルブは垂直配向型液晶層を有
    し、前記垂直配向型液晶層における液晶分子のプレチル
    ト角を82.5°〜85°の範囲としたことを特徴とす
    るプロジェクタ。
  2. 【請求項2】 前記色分離合成光学系および前記投写レ
    ンズのFナンバーをF3〜F4の範囲としたことを特徴
    とする請求項1に記載のプロジェクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010099708A1 (zh) * 2009-03-06 2010-09-10 上海三鑫科技发展有限公司 反射型光学引擎

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