JP2001343623A - 液晶プロジェクタ装置及びコントラストの改善方法 - Google Patents
液晶プロジェクタ装置及びコントラストの改善方法Info
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Abstract
パネルに設けた透過式液晶プロジェクタ装置において、
プレチルト角によるコントラスト等の低下を抑制する。 【解決手段】 液晶パネル42と検光子47との間に一
軸延伸位相差フィルム5をパネル面に対して傾けて配置
し、この傾き角を変化させながら液晶パネル42のうち
黒を表示すべき画素からの出射光の検光子47での透過
率を調べ、透過率の大きさに応じて決定した傾き角にお
けるパネル面に平行,垂直な面内での一軸延伸位相差フ
ィルム5のリターデーションを求める。フィルム面に平
行,垂直な面内でのリターデーションがこの求めたパネ
ル面に平行,垂直な面内でのリターデーションに略等し
い視野角拡大フィルム(特殊二軸延伸位相差フィルム)
を、一軸延伸位相差フィルム5に代えて、液晶パネル4
2と検光子47との間にパネル面に平行に配置する。
Description
装置に関し、特に、視野角依存特性によるコントラスト
やユニフォーミティの低下の防止を図ったものに関す
る。
より大画面を実現するプロジェクタ装置が、屋内外用の
画像表示装置として普及している。このプロジェクタ装
置は、CRTの蛍光面からの出射光をスクリーンに投射
するもの(CRTプロジェクタ装置)と、光源からの出
射光を空間光変調素子で変調してスクリーンに投射する
ものとに大別されるが、後者では、液晶パネルを空間光
変調素子として用いるもの(液晶プロジェクタ装置)が
主流になっている。
光学系(RGBの各色に対応して3枚の透過型液晶パネ
ルを用いた3板透過式液晶プロジェクタ装置の光学系)
の構成例を示す。
プ)12と、ランプ12から放射された光(白色の非偏
光)を反射して一定の広がり角の光束とするリフレクタ
13とを含んでいる。光源11からの出射光は、マイク
ロレンズアレイ14,15及び偏光変換素子16を順に
通過する。を通過する。
ぞれマイクロレンズ(例えば直径1〜5mm程度のレン
ズ)14a,15aを複数個アレイ状に配列したもので
ある。レンズ14aの形状は、レンズ14aからの光が
後述の透過型液晶パネル42のパネル面上に集光される
ようにするために、この透過型液晶パネル28,29,
30のパネル面と相似形の長方形になっている。
aの略焦点位置に配置されている。各レンズ15aは、
レンズ14aと一対一に対応しており、対応するレンズ
14aからの光をできるだけ多く入射できるような形状
になっている。
光源11からの出射光を液晶パネルのパネル面に均一に
入射させることにより、スクリーンに表示される画像の
ユニフォーミティ(画面全体で同じ明るさや色の画像を
表示する際の明るさや色の均一性)を高める役割を果た
す。
部分を直線偏光(例えばP偏光)に変換して出射するも
のである。この偏光変換素子16は、光源11からの出
射光の利用効率を高める役割を果たすとともに、白表示
時の液晶パネルからの出射光量を増加させることによ
り、スクリーンに表示される画像のコントラストを高め
る役割を果たす。
レンズ17で集光されてダイクロイックミラー18に入
射する。ダイクロイックミラー18は、RGBの各色の
光のうち、例えば赤色光を透過して緑色光及び青色光を
反射するものである。ダイクロイックミラー18を透過
した赤色のP偏光は、ミラー19で反射され、レンズ2
0で集光されて液晶モジュール28に入射する。
色及び青色のP偏光は、ダイクロイックミラー21に入
射する。ダイクロイックミラー21は、例えば青色光を
透過して緑色光を反射するものである。ダイクロイック
ミラー21で反射された緑色のP偏光は、レンズ22で
集光されて液晶モジュール29に入射する。
のP偏光は、レンズ23,ミラー24,レンズ25,ミ
ラー26,レンズ27で集光と反射とを繰り返して液晶
モジュール30に入射する。
に同じ構成をしている。図14は、これらの液晶モジュ
ール28,29,30の光学系の構成例を示す。透過型
液晶パネル42の入射側に偏光板(偏光子)41が配置
されるとともに、この液晶パネル42の出射側に偏光板
(検光子)47が配置されている。偏光板41は、P偏
光を透過させるように偏光軸(光の透過軸)の向きを決
定されている。したがって、液晶モジュール28,2
9,30に入射した赤色,緑色,青色のP偏光は、それ
ぞれそのまま偏光板41を透過して液晶パネル42に入
射する。
マティック)液晶パネルであり、液晶分子を通過する光
の合成電場ベクトルの軌跡を、液晶分子への印加電圧の
レベルに応じて変化させる。液晶モジュール28,2
9,30の液晶パネル42の各画素の液晶分子には、そ
れぞれ赤色,緑色,青色の映像信号のレベルに応じて、
ノーマリーホワイトモードで電圧が印加される。液晶パ
ネル42の駆動方式としては、例えばアクティブマトリ
ックス駆動方式が採用されている。
画素に1対1に対応して、マイクロレンズ44が設けら
れている。マイクロレンズ44は、対応する画素への入
射光を、画素の有効表示面積部分(電極やスイッチング
素子等が存在しておらず、光を透過させることのできる
部分)に集光するためのものである。このマイクロレン
ズ44は、液晶パネル42の開口率を実質的に高める役
割を果たすとともに、白表示時の液晶パネル42からの
出射光量を増加させることにより、画像のコントラスト
を高める役割を果たす。
の出射側の基板46から出射した光は、偏光板47に入
射する。偏光板47は、偏光軸の向きが偏光板41と直
交しており、したがってS偏光を透過させる。
47をそれぞれ透過した赤色,緑色,青色のS偏光は、
図13に示すように、ダイクロイックプリズム31に三
方から入射する。ダイクロイックプリズム31は、液晶
モジュール29からの緑色光を透過するとともに液晶モ
ジュール28からの赤色光をこの緑色光と同じ方向に反
射するフィルター膜31aと、液晶モジュール29から
の緑色光を透過するとともに液晶モジュール30からの
青色光をこの緑色光と同じ方向に反射するフィルター膜
31bとを有している。赤色,緑色,青色のS偏光は、
このダイクロイックプリズム31で1本の光束に合成さ
れる。
S偏光は、投射光学系32を経てスクリーン(図示略)
に投射される。
したように、従来の液晶プロジェクタ装置では、光源1
1からの出射光を液晶モジュール28,29,30に導
く照明光学系にマイクロレンズアレイ14,15を設け
ることによってユニフォーミティを高める工夫や、この
照明光学系に偏光変換素子16を設けることによってコ
ントラストを高める工夫や、液晶モジュール28,2
9,30の液晶パネル42の入射側の基板43にマイク
ロレンズ44を設けることによってコントラストを高め
る工夫がなされていた。
パーツイステッドネマティック)液晶パネルには、パネ
ル面に対して斜めから入射した光の合成電場ベクトルの
軌跡を初期の通りに(印加電圧のレベルの通りに)変化
させることができないという性質がある。このことを、
視野角依存特性と呼ぶ。
な、液晶パネルの入射側の基板51,出射側の基板52
(図2では基板43,46に該当)のそれぞれの配向膜
のラビング方向51a,52aに対する液晶分子53の
傾き角(プレチルト角)p1,p2を原因としている。
パネル面に対して斜めから入射した光は、このプレチル
ト角の存在により、液晶分子を通過する際に、パネル面
に平行な面内で異常光と常光との位相ずれが生じるとと
もに、パネル面に垂直な面内でも異常光と常光との位相
ずれが生じる。その結果、その合成電場ベクトルの軌跡
を初期の通りに変化させることができなくなる。
た液晶ディスプレイでは、この視野角依存特性により、
ノーマリーホワイトモードの場合でも、液晶パネルのう
ち黒を表示すべき画素(液晶分子が基板に対して垂直に
並ぶように電圧を印加した画素)に斜めから入射した直
線偏光(例えばP偏光)が楕円偏光になって出射し、こ
の楕円偏光のうちのS偏光成分が検光子を透過して画面
に表示される(すなわち黒色の浮きが発生する)ので、
コントラストが低下することがある。
ントラストの低下の度合いとの関係を例示したものであ
る。液晶パネルのパネル面に平行な面内での入射方向φ
にかかわらず、入射角θが大きくなるほどコントラスト
CRが低くなっている。
いは、液晶パネルのセルギャップ長(液晶分子を挟む2
枚の基板の間隔)に応じて変化する。したがって、液晶
パネルの部位によってセルギャップ長にむらがある場合
には、画面全体で同じ明るさの画像を表示すべき際(全
ての画素に同じレベルの電圧を印加した際)にも、この
視野角依存特性により、液晶パネルに斜めから入射して
液晶パネルから出射した光の検光子での透過率が液晶パ
ネルの部位によって相違してしまうので、画像の明るさ
にむらが生じる(すなわちユニフォーミティが低下す
る)ことがある。
装置では、プレチルト角の存在を原因とする視野角依存
特性によってコントラストやユニフォーミティが低下す
ることがある。しかし、直視型液晶ディスプレイではこ
の視野角依存特性を考慮した設計が行われていたのに対
し、投射型の液晶ディスプレイである液晶プロジェクタ
装置では、視野角依存特性を考慮してコントラストやユ
ニフォーミティを改善する工夫はなされていなかった。
が考慮された理由は、光源からの出射光の広がり角が大
きいので液晶パネルに斜めから入射する光の量が多く、
且つ画面を斜めから見ることが多いのでこのように斜め
から入射して液晶パネルから出射された光が目に届いて
しまうことにある。
角依存特性が考慮されなかった理由は、以前はは光源か
らほぼ平行な光束を出射するとともにこの出射光をほぼ
平行なまま照明光学系を経て液晶パネルに入射していた
ので、パネル面に対して垂直な方向から入射する直線偏
光だけを考慮すればよかったことにある。
も、より明るい画像を表示することを目的として、光源
からの出射光の広がり角を大きくしたり照明光学系のF
ナンバを小さくしたりすることにより液晶パネルへの光
の入射角の範囲を広げる傾向にある。
タ装置でも、照明光学系のFナンバを小さくすることに
より、液晶モジュール28,29,30の液晶パネル4
2への光の入射角の範囲が例えば±10〜15゜程度に
なっている。したがって、黒を表示すべき画素に斜めか
ら入射したP偏光が楕円偏光になってこの画素から出射
し、この楕円偏光のうちのS偏光成分が偏光板47を透
過してスクリーンに投射されるので、コントラストが低
下してしまう。
30の液晶パネル42で部位によってセルギャップ長に
むらがある場合や、液晶モジュール28,29,30相
互で液晶パネル42のセルギャップ長に差異がある場合
には、画面全体で同じ明るさや色の画像を表示すべき際
にも、スクリーンに表示される画像の明るさや色にむら
が生じてしまう(ユニフォーミティが低下してしま
う)。
装置でも、視野角依存特性によるコントラストやユニフ
ォーミティの低下を防止することが必要となってきてい
る。
パネルへの光の入射角の範囲が±10〜15゜程度にま
でなっているとはいえ、直視型液晶ディスプレイと比較
するとその入射角の範囲はかなり狭い。そのため、従来
直視型液晶ディスプレイで視野角依存特性を考慮して行
われていた設計手法をそのまま液晶プロジェクタ装置に
採用しても、コントラストやユニフォーミティの低下を
防止することはできない。
ルやSTN液晶パネルを用いた液晶プロジェクタ装置
(特に、図13及び図14に例示したように、開口率を
高めるためのマイクロレンズを液晶パネルに設けた透過
式液晶プロジェクタ装置)にふさわしい手法で、視野角
依存特性によるコントラストやユニフォーミティの低下
を抑制することを課題としてなされたものである。
に、本出願人は、入射光を画素の有効表示面積部分に集
光させるマイクロレンズが設けられており、液晶分子を
通過する光の合成電場ベクトルの軌跡を液晶分子への印
加電圧に応じて変化させる透過型液晶パネルと、光源か
らの光のうち一つの振動方向の直線偏光を透過型液晶パ
ネルに入射させる偏光子と、透過型液晶パネルからの出
射光のうち一つの振動方向の直線偏光を投射光学系に入
射させる検光子とを有する液晶プロジェクタ装置におい
て、透過型液晶パネルと検光子との間に、透過型液晶パ
ネルのパネル面に平行な面内及びパネル面に垂直な面内
でそれぞれ複屈折性を有し、この複屈折性により、透過
型液晶パネルに斜めから入射した光が液晶分子を通過し
た際のプレチルト角による位相ずれを補償する光学素子
を配置したものを提案する。
晶パネルと検光子との間(すなわち透過型液晶パネルの
出射側)に、透過型液晶パネルのパネル面に平行な面内
及びパネル面に垂直な面内でそれぞれ複屈折性を有する
光学素子が配置されており、この光学素子の複屈折性に
より、透過型液晶パネルに斜めから入射した光が液晶分
子を通過した際のプレチルト角による位相ずれ(パネル
面に平行な面内及びパネル面に垂直な面内での異常光と
常光との位相ずれ)が補償される。
素に斜めから入射して透過型液晶パネルから出射した光
は、このようにプレチルト角による位相ずれが補償され
ることにより、検光子を透過する直線偏光成分が減少す
るので、検光子での透過率が低下する。これにより、黒
を表示すべき画素からスクリーンに投射される光量が減
少する(黒色の浮きが抑制される)ので、視野角依存特
性によるコントラストの低下が抑制される。
ルギャップ長にむらがある場合(部位によってプレチル
ト角による位相ずれの度合いが異なる場合)や複数の液
晶パネル相互でセルギャップ長に差異がある場合(プレ
チルト角による位相ずれの度合いに差異がある場合)に
も、このようにプレチルト角による位相ずれが補償され
ることにより、視野角依存特性によるユニフォーミティ
の低下が抑制される。
透過型液晶パネルとの間(すなわち透過型液晶パネルの
入射側)に配置した場合には、この光学素子を経て透過
型液晶パネルに入射した光がマイクロレンズで集光され
て液晶分子に入射するので、この光学素子への光の入射
角と液晶分子への実際の光の入射角とが相違してしま
う。プレチルト角による位相ずれの度合いは、液晶分子
への実際の光の入射角によって決まる。その結果、入射
側にこの光学素子を配置した場合には、プレチルト角に
よる位相ずれを液晶分子への実際の光の入射角に応じて
最適に補償することが困難になる。
ように透過型液晶パネルの出射側にこの光学素子を配置
した場合には、液晶分子への実際の光の入射角と透過型
液晶パネルからの光の出射角とが等しいので、この光学
素子への光の入射角と液晶分子への実際の光の入射角と
が等しくなる。したがって、プレチルト角による位相ず
れを液晶分子への実際の光の入射角に応じて最適に補償
することが容易になる。
て、フィルム面に平行な面内でのみ複屈折性を有する位
相差フィルム(一般に「一軸延伸位相差フィルム」と呼
ばれるもの)を、透過型液晶パネルのパネル面に対して
傾けて配置することが好適である。
る振動方向の直線偏光を透過させる場合(ノーマリーホ
ワイトモードの場合)には、一例として、この一軸延伸
位相差フィルムの遅相軸と進相軸とのいずれか一方を偏
光子(または検光子)の偏光軸と直交させるとともに、
偏光子(または検光子)の偏光軸に平行な軸を回転中心
としてこの一軸延伸位相差フィルムを傾けることが好適
である。
レチルト角による位相ずれを、出射側(または入射側)
のプレチルト角による位相ずれとは独立して補償するこ
とができるようになる。
を偏光子の偏光軸と直交させた一軸延伸位相差フィルム
と、遅相軸と進相軸とのいずれか一方を検光子の偏光軸
と直交させた一軸延伸位相差フィルムとの両方を配置す
るようにしてもよい。それにより、入射側のプレチルト
角による位相ずれと出射側のプレチルト角による位相ず
れとを、互いに独立して両方とも補償することができる
ので、コントラストやユニフォーミティの改善効果を一
層高めることができるようになる。
ィルム面に平行な面内及びフィルム面に垂直な面内でそ
れぞれ複屈折性を有する位相差フィルム(一般に「特殊
二軸延伸位相差フィルム」や「視野角拡大フィルム」と
呼ばれるもの)を、透過型液晶パネルのパネル面に対し
て平行に配置することも好適である。それにより、透過
型液晶パネルと検光子との間の距離の増大を最小限に抑
えることができるので、液晶プロジェクタ装置の光学系
の小型化にも寄与することができるようになる。
面積部分に集光させるマイクロレンズが設けられてお
り、液晶分子を通過する光の合成電場ベクトルの軌跡を
液晶分子への印加電圧に応じて変化させる透過型液晶パ
ネルと、光源からの光のうち一つの振動方向の直線偏光
を透過型液晶パネルに入射させる偏光子と、透過型液晶
パネルからの出射光のうち一つの振動方向の直線偏光を
投射光学系に入射させる検光子とを有する液晶プロジェ
クタ装置のコントラストの改善方法において、透過型液
晶パネルと検光子との間に、フィルム面に平行な面内で
のみ複屈折性を有する第1の位相差フィルムを、透過型
液晶パネルのパネル面に対して傾けて配置する第1ステ
ップと、この第1の位相差フィルムの傾き角を変化させ
ながら、透過型液晶パネルのうち黒を表示すべき画素か
らの出射光の検光子での透過率を調べ、この透過率の大
きさに応じてこの傾き角を決定する第2ステップと、第
2ステップで決定した傾き角における、パネル面に平行
な面内,パネル面に垂直な面内でのこの第1の位相差フ
ィルムのリターデーションの大きさを求める第3ステッ
プと、フィルム面に平行な面内,フィルム面に垂直な面
内でそれぞれ複屈折性を有し、フィルム面に平行な面
内,該フィルム面に垂直な面内でのリターデーションの
大きさがそれぞれ第3ステップで求めたパネル面に平行
な面内,パネル面に垂直な面内でのリターデーションの
大きさに略等しい第2の位相差フィルムを、第1の位相
差フィルムに代えて、透過型液晶パネルと検光子との間
に、パネル面に対して平行に配置する第4ステップとを
有するものを提案する。
液晶パネルと検光子との間に、フィルム面に平行な面内
でのみ複屈折性を有する第1の位相差フィルム(一軸延
伸位相差フィルム)を、透過型液晶パネルのパネル面に
対して傾けて配置し、この一軸延伸位相差フィルムの傾
き角を変化させながら、透過型液晶パネルのうち黒を表
示すべき画素からの出射光の検光子での透過率を調べ、
この透過率の大きさに応じて一軸延伸位相差フィルムの
傾き角を決定する。
射光の検光子での透過率が低下するように(すなわちプ
レチルト角による位相ずれが補償されるように)一軸延
伸位相差フィルムの傾き角を決定することができる。
(すなわち透過型液晶パネルの出射側)に一軸延伸位相
差フィルムを配置することにより、一軸延伸位相差フィ
ルムへの光の入射角と液晶分子への実際の光の入射角と
が等しくなる。したがって、プレチルト角による位相ず
れが液晶分子への実際の光の入射角に応じて最適に補償
されるような傾き角を決定することが容易である。
は、決定した傾き角における、パネル面に平行な面内,
パネル面に垂直な面内での一軸延伸位相差フィルムのリ
ターデーションの大きさを求める。そして、フィルム面
に平行な面内,フィルム面に垂直な面内でそれぞれ複屈
折性を有し、フィルム面に平行な面内,フィルム面に垂
直な面内でのリターデーションの大きさがそれぞれこの
求めたパネル面に平行な面内,パネル面に垂直な面内で
のリターデーションの大きさに略等しい第2の位相差フ
ィルム(視野角拡大フィルム)を、一軸延伸位相差フィ
ルムに代えて、透過型液晶パネルと検光子との間に、パ
ネル面に対して平行に配置する。
液晶プロジェクタ装置で画像を表示すれば、黒を表示す
べき画素からスクリーンに投射される光量が減少するの
で、視野角依存特性によるコントラストの低下が抑制さ
れて、コントラストが改善される。
ルギャップ長にむらがある場合や複数の液晶パネル相互
でセルギャップ長に差異がある場合にも、このようにプ
レチルト角による位相ずれが補償されることにより、視
野角依存特性によるユニフォーミティの低下が抑制され
て、ユニフォーミティが改善される。
対して平行に配置することにより、透過型液晶パネルと
検光子との間の距離の増大を最小限に抑えることができ
るので、液晶プロジェクタ装置の光学系の小型化にも寄
与することができるようになる。
のマイクロレンズを液晶パネルに設けていない透過式液
晶プロジェクタ装置にそのまま適用しても、やはり視野
角依存特性によるコントラストやユニフォーミティの低
下を抑制することができる。したがって、マイクロレン
ズを液晶パネルに設けた透過式液晶プロジェクタ装置と
マイクロレンズを液晶パネルに設けていない透過式液晶
プロジェクタ装置とで、コントラストやユニフォーミテ
ィの改善方法を共通化することもできる。
偏光子と検光子とが互いに直交する振動方向の直線偏光
を透過させる場合(ノーマリーホワイトモードの場合)
には、一例として、第1ステップで、一軸延伸位相差フ
ィルムの遅相軸と進相軸とのいずれか一方を偏光子(ま
たは検光子)の偏光軸と直交させるとともに、偏光子
(または検光子)の偏光軸に平行な軸を回転中心として
一軸延伸位相差フィルムを傾けることが好適である。
側)のプレチルト角による位相ずれを、出射側(または
入射側)のプレチルト角による位相ずれとは独立して補
償することができるようになる。
と進相軸とのいずれか一方を偏光子の偏光軸と直交させ
た場合と、一軸延伸位相差フィルムの遅相軸と進相軸と
のいずれか一方を検光子の偏光軸と直交させた場合との
それぞれについて、第2〜第4ステップを実行するよう
にしてもよい。それにより、入射側のプレチルト角によ
る位相ずれと出射側のプレチルト角による位相ずれと
を、互いに独立して両方とも補償することができるの
で、コントラストやユニフォーミティの改善効果を一層
高めることができるようになる。
て、第4ステップで視野角拡大フィルムを配置した後、
フィルム面に平行な面内での視野角拡大フィルムの回転
角度位置を微調整する第5ステップをさらに設けること
が好適である。
位置を微調整することにより、パネル面に垂直な面内で
の複屈折性の大きさを微調整することができる。したが
って、視野角拡大フィルムを配置した後でも、この複屈
折性の大きさを微調整することによってコントラストや
ユニフォーミティを改善できるようになる。
用いて説明する。図1は、本発明を適用した3板透過式
液晶プロジェクタ装置の光学系の構成例を示す。この光
学系のうち液晶モジュール1,2,3以外の部分は、図
13に示した3板透過式液晶プロジェクタ装置における
と構成が共通しているので図13と同一の符号を付して
いる。
構成をしている。図2はこれらの液晶モジュール1,
2,3の光学系の構成例を示しており、図14と構成が
共通する部分は図14と同一の符号を付している。本発
明の特徴として、液晶モジュール1,2,3では、液晶
パネル42と偏光板(検光子)47との間(すなわち液
晶パネル42の出射側)に、視野角拡大フィルム4が、
液晶パネル42のパネル面に対して平行に配置されてい
る。
行な面内及びフィルム面に垂直な面内でそれぞれ複屈折
性を有している。視野角拡大フィルム4は、この複屈折
性により、液晶パネル42に斜めから入射した光が液晶
分子を通過した際のプレチルト角による位相ずれ(パネ
ル面に平行な面内及びパネル面に垂直な面内での異常光
と常光との位相ずれ)を補償する役割を持っている。
に斜めから入射して液晶パネル42から出射した光は、
このようにプレチルト角による位相ずれが補償されるこ
とにより、それぞれ偏光板47を透過する直線偏光成分
が減少するので、偏光板47での透過率が低下する。こ
れにより、黒を表示すべき画素からスクリーンに投射さ
れる光量が減少する(黒色の浮きが抑制される)ので、
視野角依存特性によるコントラストの低下が抑制され
て、コントラストが改善されるようになっている。
液晶パネル42で部位によってセルギャップ長にむらが
ある場合(部位によってプレチルト角による位相ずれの
度合いが異なる場合)や液晶モジュール1,2,3相互
で液晶パネル42のセルギャップ長に差異がある場合
(プレチルト角による位相ずれの度合いに差異がある場
合)にも、このようにプレチルト角による位相ずれが補
償されることにより、視野角依存特性によるユニフォー
ミティの低下が抑制されて、ユニフォーミティが改善さ
れるようになっている。
きさのリターデーションを有するものを用いるかは、次
のような方法で決定されている。
2と偏光板47との間に、一軸延伸位相差フィルム(フ
ィルム面に平行な面内でのみ複屈折性を有する位相差フ
ィルムであり、以下単に位相差フィルムとも呼ぶ)5
を、その遅相軸5aを偏光板47の偏光軸47aと直交
させるとともに、偏光軸47aと平行な軸(y軸)を回
転中心として液晶パネル42のパネル面に平行な面(x
y平面)に対して角度αだけ傾けて配置する。
入射側の基板43と、基板43上の配向膜のラビング方
向43aと、出射側の基板46と、基板46上の配向膜
のラビング方向46aと、液晶層45中の液晶分子のう
ち基板43及び46に隣接した部分の液晶分子48とを
描いている。基板43のマイクロレンズ44(図2)は
図示を省略している。
傾けた状態において、液晶パネル42からの出射光のう
ち、液晶パネル42のパネル面に直交し且つ偏光板47
の偏光軸47aと平行な面内(zy平面内)を通過する
光La,Lb,Lcが、位相差フィルム5を透過する様
子を示している。
交する方向(z軸の方向)に出射した光である。すなわ
ち、光Laは、パネル面に直交する方向から液晶パネル
42に入射したP偏光が、液晶パネル42から出射した
ものである。したがって、液晶分子を通過した際にプレ
チルト角による位相ずれを生じていない。
47aと平行な面内で角度βだけ斜め右方向に出射した
光である。すなわち、光Lbは、zy平面内において斜
め右方向から液晶パネル42に入射したP偏光が、液晶
パネル42から出射したものである。この偏光軸47a
の方向は、図3に示すように、液晶パネル42の出射側
の基板46の配向膜のラビング方向46aと一致してい
る。したがって、光Lbは、液晶分子を通過した際に、
出射側のプレチルト角(基板46の配向膜のラビング方
向46aに対する液晶分子48の傾き角)を原因とし
て、xy平面内及びzy平面内で異常光と常光との位相
ずれを生じたことにより、合成電場ベクトルの軌跡が変
化して楕円偏光になっている。
内で角度βだけ斜め左方向に出射した光である。すなわ
ち、光Lcは、zy平面内において斜め左方向から液晶
パネル42に入射したP偏光が、液晶パネル42から出
射したものである。したがって、光Lcは、液晶分子を
通過した際に、出射側のプレチルト角を原因としてxy
平面内及びzy平面内で異常光と常光との位相ずれ(光
Lbとは逆向きの位相ずれ)を生じたことにより、合成
電場ベクトルの軌跡が変化して楕円偏光(光Lbとは逆
回りの楕円偏光)になっている。
b,Lcの出射側(偏光板47の側)から見た図であ
る。このうち、図5Aでは、図4の光Laが届く方向か
ら位相差フィルム5を見ている。この方向から見た場合
には、位相差フィルム5の遅相軸5aは、偏光軸47a
の方向と直交している。したがって、光Laは、位相差
フィルム5を透過する際に合成電場ベクトルの軌跡が変
化することはなく、P偏光のまま偏光板47に入射す
る。
向から位相差フィルム5を見ている。この方向から見た
場合には、位相差フィルム5の遅相軸5aは、偏光軸4
7aの方向と直交する方向に対して角度γだけ右方向に
傾いている。したがって、光Lbは、位相差フィルム5
を透過する際に、xy平面内,zy平面内での位相差フ
ィルム5のリターデーションに応じて、xy平面内,z
y平面内でそれぞれ異常光と常光との位相ずれを生じ
る。
から位相差フィルム5を見た図である。この方向から見
た場合には、位相差フィルム5の遅相軸5aは、偏光軸
47aの方向と直交する方向に対して角度γだけ左方向
に傾いている。したがって、光Lcは、位相差フィルム
5を透過する際に、xy平面内,zy平面内での位相差
フィルム5のリターデーションに応じて、xy平面内,
zy平面内でそれぞれ異常光と常光との位相ずれ(光L
bとは逆向きの位相ずれ)を生じる。
ィルム5を透過する際に、xy平面内及びzy平面内で
互いに逆向きの位相ずれを生じる。したがって、液晶パ
ネル42の液晶分子を通過した際の出射側のプレチルト
角による光Lb,Lcのxy平面内及びzy平面内での
位相ずれを、それぞれ位相差フィルム5を透過する際の
位相ずれによって補償する(位相ずれを小さくする)こ
とが可能である。
差フィルム5のリターデーションの大きさは、位相差フ
ィルム5の傾き角αに応じて変化する。すなわち、出射
側のプレチルト角による位相ずれが補償される度合い
は、この傾き角αに応じて変化する。
を変化させながら、液晶パネル42のうち黒を表示すべ
き画素からの出射光の偏光板47での透過率を調べる。
そして、この透過率が極小または一定以下になるように
(すなわちプレチルト角による位相ずれが補償されるよ
うに)、位相差フィルム5の傾き角αを決定する。
光板41(偏光子)と液晶パネル42との間(すなわち
液晶パネル42の入射側)に配置した場合には、位相差
フィルム5を経て液晶パネル42に入射した光がマイク
ロレンズ44で集光されて液晶分子(液晶層45)に入
射するので、図も表れているように位相差フィルム5へ
の光の入射角と液晶分子への実際の光の入射角とが相違
してしまう。プレチルト角による位相ずれの度合いは、
液晶分子への実際の光の入射角によって決まる。その結
果、入射側に位相差フィルム5を配置した場合には、プ
レチルト角による位相ずれが液晶分子への実際の光の入
射角に応じて最適に補償されるような位相差フィルム5
の傾き角αを決定することが困難になる。
相差フィルム5を配置した場合には、液晶分子への実際
の光の入射角と液晶パネル42からの光の出射角とが等
しいので、位相差フィルム5への光の入射角と液晶分子
への実際の光の入射角とが等しくなる。したがって、プ
レチルト角による位相ずれが液晶分子への実際の光の入
射角に応じて最適に補償されるような位相差フィルム5
の傾き角αを決定することが容易である。
フィルム5を液晶パネル42と偏光板47との間に配置
したままでも、出射側のプレチルト角による位相ずれが
補償されるので、視野角依存特性によるコントラストや
ユニフォーミティの低下が抑制される。
けて配置したまま液晶プロジェクタ装置を製造すると、
液晶パネル42と偏光板47の間の距離が長くなってし
まうので、光学系の小型化という観点からは好ましくな
い。
と等価なリターデーションを有する視野角拡大フィルム
を、液晶パネル42と偏光板47の間にパネル面に平行
に配置すれば、液晶パネル42と偏光板47の間の距離
の増大を最小限に抑えることができる。
ーションを有する視野角拡大フィルムが、傾き角αの位
相差フィルム5と等価であるかを求める。
相軸5aの屈折率をne,位相差フィルム5の進相軸の
屈折率をno1,フィルム面に直交する方向での位相差
フィルム5の屈折率をno2,位相差フィルム5の厚さ
をdとする。これらのne,no1,no2及びdの値
は既知である。
ム5の屈折率をそれぞれnx,ny,nzとし、遅相軸
5aに平行な方向の主軸をx0,進相軸に平行な方向の
主軸をy0(この場合y軸と同じ方向になる),フィル
ム面に直交する方向の主軸をz0とする。
位相差フィルム5のリターデーションRxy,Rzy
は、このd,nx,ny,nz及び傾き角αを用いて、
それぞれ次の(1),(2)式のように表される。
ーデーションを有する視野角拡大フィルムとは、フィル
ム面に平行な面内,フィルム面に垂直な面内でのリター
デーションの大きさがそれぞれこのRxy,Rzyと等
しい視野角拡大フィルムである。すなわち、図7に示す
ように、フィルム面に平行な面内の直交する2方向での
屈折率がnx,nyであり、フィルム面に垂直な面内で
の屈折率がnzであり、厚さがd/cosαの視野角拡
大フィルムである。
で、屈折率nyの値はno1と等しい。したがって、残
りの屈折率nx,nzの値を求めれば、どのような視野
角拡大フィルムが等価であるかを求めることができる。
このnx,nzの値は、次のようにして求められる。
びno2の値との間には、次の(3)式のような屈折率
楕円体の関係式が成り立つ。
及びz0の値とnx,ny,nzとの間には、次の
(4)式及び(5)式が成り立つ。
の(6)式のように、nxの値が求められる。また、
(5)式を(3)式に代入すると、次の(7)式のよう
に、nzの値が求められる。このようにして、どのよう
な視野角拡大フィルムが等価であるかを求めることがで
きる。
ョンを有する視野角拡大フィルムを用意する。そして、
その視野角拡大フィルムを図2の視野角拡大フィルム4
として用いる。
うな方法により、どのような大きさのリターデーション
を有するものを用いるかを決定して、各液晶モジール
1,2,3の液晶パネル42と偏光板47との間にパネ
ル面に平行に配置し、液晶パネル4及び偏光板47に対
して固定したものである。
5の傾き角αを変化させながら偏光板47での透過率を
調べる作業は、実際に液晶パネル42と偏光板47との
間に位相差フィルム5を配置して行ってもよいが、シミ
ュレーションによって行ってもよい。
会社製の液晶シミュレータ「LCDMASTER」を用
いたシミュレーションによって行った。すなわち、セル
ギャップ長やTN液晶分子の誘電率,弾性定数,回転粘
性,ヘリカルピッチ,プレチルト角といったパラメータ
を液晶パネル42に合わせて設定することにより、TN
液晶パネルへの印加電圧のレベルとディレクタ(液晶分
子の長軸方向の向き)の分布との関係を計算した。そし
て、このディレクタ分布に基づいて、印加電圧の黒表示
時のレベルとしたときや中間レベルとしたときのTN液
晶パネル全体の常光屈折率及び異常光屈折率を求めた。
ルム(1/4波長板または1/8波長板)と検光子とを
図3の液晶パネル42と位相差フィルム5と偏光板47
とのような配置で組み合わせた光学モデルにおいて、位
相差フィルムの傾き角(図3のα)を変化させながら、
TN液晶パネルへの光(波長550nm)の入射角とT
N液晶パネルからの出射光の検光子での透過率との関係
を4×4マトリクス法で求めた。この光学モデルでは、
1/4波長板,1/8波長板の傾き角αの大きさにかか
わらず(すなわち、光が1/4波長板,1/8波長板を
通過する距離が1/4波長板,1/8波長板の厚さより
も長くても)、そのリターデーションをそれぞれλ/
4,λ/8のままに設定した。
a,Lb,Lcのようにパネル面に直交し且つ検光子の
偏光軸と平行な面内に出射した光について、位相差フィ
ルムを1/4波長板とし且つ印加電圧を黒表示時のレベ
ルとしてシミュレーションを行った結果を示している。
心,分散,減衰指数の値をパラメータとして設定するこ
とによって計算した入射光の強度と入射角との関係も併
せて示している。この関係から、TN液晶パネルへの光
の入射角の範囲が±14゜程度であることが表れてい
る。
計算した入射角±14゜の範囲でのコントラストの値
と、コントラストの改善比(1/4波長板が存在しない
光学モデルにおいて計算によって求めたコントラストの
値2414に対する比率)とを、1/4波長板の傾き角
毎に示している。位相差フィルムを1/4波長板とした
場合には、傾き角20゜付近でコントラストが最も改善
されることが表れている。
らパネル面に直交し且つ検光子の偏光軸と平行な面内に
出射した光について、位相差フィルムを1/8波長板と
し且つ印加電圧を黒表示時のレベルとしてシミュレーシ
ョンを行い、そのシミュレーション結果から計算した入
射角±14゜の範囲でのコントラストの値と、1/8波
長板の傾き角との関係を示している(コントラストの値
は、相対値なので図9の値とは直接対応していない)。
位相差フィルムを1/8波長板とした場合には、傾き角
42゜付近でコントラストが最も改善されることが表れ
ている。
らパネル面に直交し且つ検光子の偏光軸と平行な面内に
出射した光について、位相差フィルムを1/4波長板と
し且つ印加電圧を50%のレベルとしてシミュレーショ
ンを行った結果を示している。印加電圧を50%のレベ
ルとしたときの透過率に対する入射角の影響は、1/4
波長板の傾き角をコントラストが最も改善される20゜
(図9)にしたときのほうが、傾き角を0゜にした場合
よりも少なくなっている。
の中間レベルにしたときにも、図11に示したのと同様
な結果が得られた。このように中間レベルでの透過率に
対する入射角の影響が少なくなることは、個々の液晶パ
ネルでセルギャップ長にむらがある場合や複数の液晶パ
ネル相互でセルギャップ長に差異がある場合にも、視野
角依存特性によるユニフォーミティの低下が抑制される
ことを表している。
ル面に直交し且つ検光子の偏光軸と直交する面内(図4
の光La,Lb,Lcが通過する面とは直交する面内)
に出射した光について、位相差フィルムを1/4波長板
とし且つ印加電圧を黒表示時の大きさとしてシミュレー
ションを行った結果を示している。この光の検光子での
透過率は、1/4波長板の傾き角が変化しても変化しな
い。
ネル面に直交し且つ偏光板(偏光子)41の偏光軸41
aと平行な面内(zx平面内)を通過して液晶パネル4
2に入射したP偏光が、液晶パネル42から出射したも
のに相当する。この偏光軸41aの方向は、液晶パネル
42の入射側の基板43上の配向膜のラビング方向43
aと一致している。したがって、斜めから液晶パネル4
2に入射した場合には、液晶分子を通過した際に、入射
側のプレチルト角(ラビング方向43aに対する液晶分
子48の傾き角)を原因としてxy平面内及びzx平面
内で異常光と常光との位相ずれを生じたことにより、合
成電場ベクトルの軌跡が変化して楕円偏光になってい
る。
に出射した光の検光子での透過率が変化しないことは、
出射側のプレチルト角による位相ずれを、入射側のプレ
チルト角による位相ずれには全く影響を与えずに独立し
て補償できることを表している。また、逆に位相差フィ
ルムの遅相軸を検光子ではなく偏光子のほうの偏光軸と
直交させた場合(図3では偏光板41の偏光軸41aと
直交させた場合)には、入射側のプレチルト角による位
相ずれのほうを、出射側のプレチルト角による位相ずれ
とは独立して補償できることを表している。
αの位相差フィルム5と等価なリターデーションを有す
る視野角拡大フィルムを用意しようとしても、実際に
は、完全に等価ではなく僅かながらリターデーションの
相違する視野角拡大フィルムしか入手または製造できな
いこともある。
用意できた場合でも、前述のようにシミュレーションに
よって作業を行った場合には、シミュレーション上の光
学モデルと実際の液晶プロジェクタ装置の光学系との微
妙な差異により、コントラストやユニフォーミティの改
善効果がシミュレーション結果よりも僅かながら劣って
しまうこともある。
いて液晶パネル42と偏光板47との間に視野角拡大フ
ィルム4を配置した後、液晶パネル42及び偏光板47
に対して視野角拡大フィルム4を固定する前に、この液
晶プロジェクタ装置でスクリーンに画像を投射しなが
ら、フィルム面に平行な面内での視野角拡大フィルム4
の回転角度位置をそれぞれ微調整する(例えば1〜2゜
程度の範囲で変化させる)ことが好適である。
度位置を微調整することにより、図4の光La,Lb,
Lcが通過する面内での複屈折性の大きさを微調整する
ことができるので、画像のコントラストやユニフォーミ
ティを微調整することができる。
が最も向上するように回転角度位置を決定し、その回転
角度位置で視野角拡大フィルム4を固定するようにすれ
ばよい。これにより、個々の液晶プロジェクタ装置毎
に、画像のコントラストやユニフォーミティの改善効果
を最も高めることができるようになる。
相軸5aを偏光板47の偏光軸47aと直交させている
が、遅相軸5aではなく位相差フィルム5の進相軸のほ
うを偏光軸47aと直交させるようにしてもよい。その
場合にも、図4の光Lb,Lcはやはり位相差フィルム
5を透過する際に互いに逆向きの位相ずれを生じる(遅
相軸5aのほうを偏光軸47aと直交させた場合とはそ
れぞれ逆向きの位相ずれを生じる)ので、出射側のプレ
チルト角による位相ずれを補償することができる。
相軸5aを偏光板47の偏光軸47aと直交させている
が、位相差フィルム5の遅相軸5aまたは進相軸を、偏
光板47ではなく偏光板41の偏光軸41aのほうと直
交させるようにしてもよい。それにより、前述のよう
に、入射側のプレチルト角による位相ずれのほうを補償
できるようになる。
または進相軸を偏光軸47aと直交させた場合と位相差
フィルム5の遅相軸5aまたは進相軸を偏光軸41aと
直交させたとのそれぞれについて以上の方法を実行する
ようにしてもよい。それにより、入射側のプレチルト角
による位相ずれと出射側のプレチルト角による位相ずれ
とを、互いに独立して両方とも補償することができるの
で、コントラストやユニフォーミティの改善効果を一層
高めることができるようになる。
を液晶パネル42と偏光板47との間に配置している
が、光学系の小型化をあまり考慮する必要がない場合に
は、位相差フィルム5のように傾き角αを決定した一軸
延伸位相差フィルムを実際に液晶パネル42と偏光板4
7との間に配置したまま液晶プロジェクタ装置を製造す
るようにしてもよい。
イクロレンズを液晶パネルに設けたあらゆる透過式液晶
プロジェクタ装置(図13及び図14に示した以外の構
成を有する3板透過式液晶プロジェクタ装置や、単板透
過式液晶プロジェクタ装置)に適用してよい。
めのマイクロレンズを液晶パネルに設けていない透過式
液晶プロジェクタ装置にそのまま適用しても、やはり視
野角依存特性によるコントラストやユニフォーミティの
低下を抑制することができる。そこで、コントラストや
ユニフォーミティの改善方法として、マイクロレンズを
液晶パネルに設けた透過式液晶プロジェクタ装置とマイ
クロレンズを液晶パネルに設けていない透過式液晶プロ
ジェクタ装置とでこの方法を共通化して実行するように
してもよい。
明の要旨を逸脱することなく、その他様々の構成をとり
うることはもちろんである。
ェクタ装置によれば、開口率を高めるためのマイクロレ
ンズを液晶パネルに設けた透過式液晶プロジェクタ装置
において、プレチルト角による位相ずれを、液晶分子へ
の実際の光の入射角に応じて最適に補償することができ
るので、プレチルト角を原因とするコントラストやユニ
フォーミティの低下を抑制して、コントラストやユニフ
ォーミティを改善することができるという効果が得られ
る。
おいて、一軸延伸位相差フィルムを、その遅相軸と進相
軸とのいずれか一方を偏光子(または検光子)の偏光軸
と直交させるとともに、偏光子(または検光子)の偏光
軸に平行な軸を回転中心として傾けるようにして配置し
た場合には、入射側(または出射側)のプレチルト角に
よる位相ずれを、出射側(または入射側)のプレチルト
角による位相ずれとは独立して補償することができると
いう効果も得られる。
を偏光子の偏光軸と直交させた一軸延伸位相差フィルム
と、遅相軸と進相軸とのいずれか一方を検光子の偏光軸
と直交させた一軸延伸位相差フィルムとの両方を配置す
るようにした場合には、入射側のプレチルト角による位
相ずれと出射側のプレチルト角による位相ずれとを互い
に独立して両方とも補償することができるので、コント
ラストやユニフォーミティを一層改善できるという効果
も得られる。
には、液晶パネルと検光子との間の距離の増大を最小限
に抑えることができるので、液晶プロジェクタ装置の光
学系の小型化に寄与できるという効果も得られる。
法によれば、開口率を高めるためのマイクロレンズを液
晶パネルに設けた透過式液晶プロジェクタ装置におい
て、プレチルト角による位相ずれを液晶分子への実際の
光の入射角に応じて最適に補償することができるので、
プレチルト角を原因とするコントラストやユニフォーミ
ティの低下を抑制してコントラストやユニフォーミティ
を改善することができるという効果が得られる。
増大を最小限に抑えることができるので、液晶プロジェ
クタ装置の光学系の小型化に寄与できるという効果が得
られる。
けた透過式液晶プロジェクタ装置とマイクロレンズを液
晶パネルに設けていない透過式液晶プロジェクタ装置と
で、コントラストやユニフォーミティの改善方法を共通
化できるという効果が得られる。
おいて、一軸延伸位相差フィルムを、その遅相軸と進相
軸とのいずれか一方を偏光子(または検光子)の偏光軸
と直交させるとともに、偏光子(または検光子)の偏光
軸に平行な軸を回転中心として傾けるようにして配置し
た場合には、入射側(または出射側)のプレチルト角に
よる位相ずれを、出射側(または入射側)のプレチルト
角による位相ずれとは独立して補償することができると
いう効果も得られる。
と進相軸とのいずれか一方を偏光子の偏光軸と直交させ
た場合と、一軸延伸位相差フィルムの遅相軸と進相軸と
のいずれか一方を検光子の偏光軸と直交させた場合との
それぞれについて、第2〜第4ステップを実行するよう
にした場合には、入射側のプレチルト角による位相ずれ
と出射側のプレチルト角による位相ずれとを互いに独立
して両方とも補償することができるので、コントラスト
やユニフォーミティを一層改善できるという効果も得ら
れる。
拡大フィルムの回転角度位置を微調整するようにした場
合には、視野角拡大フィルムを配置した後でもコントラ
ストやユニフォーミティを改善できるという効果も得ら
れる。
装置の光学系の構成例を示す図である。
図である。
である。
ルムを透過する様子を示す図である。
図である。
した図である。
ターデーションを有する視野角拡大フィルムを示した図
である。
トの改善比を示す図である。
ラストとの関係を示す図である。
学系の構成例を示す図である。
示す図である。
低下の度合いとの関係を示す図である。
視野角拡大フィルム(特殊二軸延伸位相差フィル
ム)、 5 一軸延伸位相差フィルム、 5a 遅相
軸、 11 光源、 12 ランプ、 13 リフレク
タ、 14,15 マイクロレンズアレイ、 16 偏
光変換素子、 17,20,22,23,25,27
レンズ、 18,21 ダイクロイックミラー、 1
9,24,26ミラー、 31 ダイクロイックプリズ
ム、 32 投射光学系、 41 偏光板(偏光子)、
41a,47a 偏光軸、 42 透過型液晶パネ
ル、 43入射側の基板、 43a,46a 配向膜の
ラビング方向、 44 マイクロレンズ、 45 液晶
層、 46 出射側の基板、 47 偏光板(検光
子)、48 液晶分子
Claims (9)
- 【請求項1】 入射光を画素の有効表示面積部分に集光
させるマイクロレンズが設けられており、液晶分子を通
過する光の合成電場ベクトルの軌跡を該液晶分子への印
加電圧に応じて変化させる透過型液晶パネルと、 光源からの光のうち一つの振動方向の直線偏光を前記透
過型液晶パネルに入射させる偏光子と、 前記透過型液晶パネルからの出射光のうち一つの振動方
向の直線偏光を投射光学系に入射させる検光子とを有す
る液晶プロジェクタ装置において、 前記透過型液晶パネルと前記検光子との間に、 前記透過型液晶パネルのパネル面に平行な面内及び該パ
ネル面に垂直な面内でそれぞれ複屈折性を有しており、
該複屈折性により、前記透過型液晶パネルに斜めから入
射した光が液晶分子を通過した際のプレチルト角による
位相ずれを補償する光学素子を配置したことを特徴とす
る液晶プロジェクタ装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の液晶プロジェクタ装置
において、 前記光学素子として、フィルム面に平行な面内でのみ複
屈折性を有する位相差フィルムを、前記透過型液晶パネ
ルのパネル面に対して傾けて配置したことを特徴とする
液晶プロジェクタ装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の液晶プロジェクタ装置
において、 前記位相差フィルムの遅相軸と進相軸とのいずれか一方
が前記偏光子の偏光軸と直交しているとともに、前記偏
光子の偏光軸に平行な軸を回転中心として前記位相差フ
ィルムが傾いていることを特徴とする液晶プロジェクタ
装置。 - 【請求項4】 請求項2に記載の液晶プロジェクタ装置
において、 前記位相差フィルムの遅相軸と進相軸とのいずれか一方
が前記検光子の偏光軸と直交しているとともに、前記検
光子の偏光軸に平行な軸を回転中心として前記位相差フ
ィルムが傾いていることを特徴とする液晶プロジェクタ
装置。 - 【請求項5】 請求項1に記載の液晶プロジェクタ装置
において、 前記光学素子として、フィルム面に平行な面内及び該フ
ィルム面に垂直な面内でそれぞれ複屈折性を有する位相
差フィルムを、前記透過型液晶パネルのパネル面に対し
て平行に配置したことを特徴とする液晶プロジェクタ装
置。 - 【請求項6】 入射光を画素の有効表示面積部分に集光
させるマイクロレンズが設けられており、液晶分子を通
過する光の合成電場ベクトルの軌跡を該液晶分子への印
加電圧に応じて変化させる透過型液晶パネルと、 光源からの光のうち一つの振動方向の直線偏光を前記透
過型液晶パネルに入射させる偏光子と、 前記透過型液晶パネルからの出射光のうち一つの振動方
向の直線偏光を投射光学系に入射させる検光子とを有す
る液晶プロジェクタ装置のコントラストの改善方法にお
いて、 前記透過型液晶パネルと前記検光子との間に、フィルム
面に平行な面内でのみ複屈折性を有する第1の位相差フ
ィルムを、前記透過型液晶パネルのパネル面に対して傾
けて配置する第1ステップと、 前記第1の位相差フィルムの傾き角を変化させながら、
前記透過型液晶パネルのうち黒を表示すべき画素からの
出射光の前記検光子での透過率を調べ、前記透過率の大
きさに応じて前記傾き角を決定する第2ステップと、 前記第2ステップで決定した前記傾き角における、前記
パネル面に平行な面内,該パネル面に垂直な面内での前
記第1の位相差フィルムのリターデーションの大きさを
求める第3ステップと、 フィルム面に平行な面内,該フィルム面に垂直な面内で
それぞれ複屈折性を有し、該フィルム面に平行な面内,
該フィルム面に垂直な面内でのリターデーションの大き
さがそれぞれ前記第3ステップで求めた前記パネル面に
平行な面内,該パネル面に垂直な面内でのリターデーシ
ョンの大きさに略等しい第2の位相差フィルムを、前記
第1の位相差フィルムに代えて、前記透過型液晶パネル
と前記検光子との間に、前記パネル面に対して平行に配
置する第4ステップとを有することを特徴とするコント
ラストの改善方法。 - 【請求項7】 請求項6に記載のコントラストの改善方
法において、 前記第1ステップで、前記第1の位相差フィルムの遅相
軸と進相軸とのいずれか一方を前記偏光子の偏光軸と直
交させるとともに、前記偏光子の偏光軸に平行な軸を回
転中心として前記第1の位相差フィルムを傾けることを
特徴とするコントラストの改善方法。 - 【請求項8】 請求項6に記載のコントラストの改善方
法において、 前記第1ステップで、前記第1の位相差フィルムの遅相
軸と進相軸とのいずれか一方を前記検光子の偏光軸と直
交させるとともに、前記検光子の偏光軸に平行な軸を回
転中心として前記第1の位相差フィルムを傾けることを
特徴とするコントラストの改善方法。 - 【請求項9】 請求項6乃至8のいずれかに記載のコン
トラストの改善方法において、 フィルム面に平行な面内での前記第2の位相差フィルム
の回転角度位置を微調整する第5ステップをさらに有す
ることを特徴とするコントラストの改善方法。
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---|---|---|---|
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