JP2009104080A - 液晶表示装置及び投射型表示装置 - Google Patents

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正宏 松丸
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Abstract

【課題】垂直配向型液晶を用いる透過型の液晶表示装置において、液晶の配向条件を所定範囲に設定することで、A成分を補償する位相補償用の波長板を用いなくても高いコントラストでの画像表示を可能にする。
【解決手段】液晶表示素子1の液晶層15は、誘電率異方性が負のネマティック液晶からなり、基板11、12の表面に平行な方向であって入射偏光光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、入射側液晶配向方向が基準線に対して一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定され、出射側液晶配向方向が基準線に対して他方の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は液晶表示装置及び投射型表示装置に係り、特に画像表示装置に用いられる液晶表示装置とこの液晶表示装置を利用した投射型表示装置に関する。
近年、液晶を用いた投射型表示装置はプレゼンテーションやホームシアターにおける大画面表示機器として使用される機会が多くなっており、各種の方式が開発されている。ところで、液晶表示装置においては液晶分子の複屈折性を利用して光の透過制御を行っているため、液晶の配向方式が画像の表示品質に大きく影響する。このため、従来から様々な動作モードでの配向方式が研究・提案されている。例えば、垂直配向型(ホメオトロピック配列モード)液晶は、高いコントラストが得られ、応答速度も速いことから注目されている。
すなわち、水平配向型(ホモジニアス配列モード)液晶では、各基板間に電圧を印加しない状態で液晶分子が基板面にほぼ水平に配列し、電圧を印加した状態で液晶分子がその誘電異方性に基づいて基板面に垂直に配列することにより、白/黒の表示を実現するが、垂直に配列した際にも各基板に施されている配向膜近傍の液晶分子は、水平に近い角度を保つため、位相差を生じて黒レベルを悪くする(すなわち、コントラストが悪くなる)という問題点がある。これに対して、上記の垂直配向型液晶では、負の誘電異方性により、各基板間に電圧を印加しない状態では、液晶分子が基板面にほぼ垂直な方向に配列し、電圧を印加した状態で基板面に水平に配列するために、高いコントラストが得られると共に、小さい駆動電力で速い動作速度が実現できるという利点がある。
しかし、垂直配向といえども、電圧を印加しない状態で各液晶分子に一定方向へ僅かな傾斜(プレチルト角)を与えておかなければ、各液晶分子の倒れる方向がばらばらになってディスクリネーションが発生して画質の劣化を招くことになる。なお、プレチルト角は、図35に示すように、例えば、電圧が印加されていない状態において液晶分子の長軸方向と基板面との間のなす角度θpとして与えられる。ただし、プレチルト角は、図35における基板面に対する垂線と液晶分子の長軸方向との間のなす角度θp’として定義される場合もある。また、図35に図示されている角度αは、前記長軸を基板面へ投影させた方位と基板上の所定軸とがなす方位角であり、上下の各基板(入射側と出射側)の方位角の差がツイスト角に相当する。
例えば、対向する基板表面に電極を有する一対の基板と、一対の基板間に挟持される垂直配向型液晶分子を含む液晶層と、基板表面上の配向層とからなり、上記の一対の基板は、その一方に反射電極を有し、上記の配向層は、垂直配向型液晶分子のプレチルト方向を、一対の基板間で面内角度にして80度〜160度ツイストするように配向処理されている構成の液晶表示装置が従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−72217号公報
ところで、液晶表示装置において、プレチルト角θpの付与は表示画像のコントラストを低下させる要因となる。すなわち、高いコントラストを得るために垂直配向型液晶を用いても、ディスクリネーションの発生を防止するために液晶分子にプレチルト角θpを付与しておくと、位相のずれが発生して逆にコントラストの低下を招くことになる。
その問題に対して、通常は波長板を用いて位相のずれを補償することにより、高いコントラストが得られるようにしている。この位相補償のためには波長板は、その面内に複屈折の異方性をもつA成分(プレチルト角や液晶層の厚みによって生じる位相差)が必要である。
一方、液晶表示装置の製造においては、どうしても個別素子毎に液晶層の厚みやプレチルト角に誤差が生じ、補償すべきA成分が個別素子毎に異なるために、理想的な波長板を用いることが不可能である。また、液晶の屈折率及び屈折率の異方性はそれぞれ波長分散性(例えば、波長が短い方が液晶の屈折率の異方性が大きくなる)を有しており、前記波長板は、位相ずれの補償だけでなく、それも考慮した補償特性が要求され、必然的に材料の選択余地が小さくなるという不利がある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、垂直配向型液晶を用いる透過型の液晶表示装置において、液晶の配向条件を所定範囲に設定することで、A成分を補償する位相補償用の波長板を用いなくても高いコントラストでの画像表示を可能にする液晶表示装置及び投射型表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明の液晶表示装置は、透明電極を表面に形成し、偏光光が入射されて透過させる第1の基板と、第1の基板上の透明電極に対して離間対向配置され、画素毎の透明電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有する第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置され、第1の基板を透過して入射された偏光光を変調して変調光として第2の基板に入射する、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層とを備えた液晶表示素子を有する液晶表示装置において、
上記液晶層は、第1及び第2の基板の各表面にそれぞれ平行な方向であって第1及び第2の基板へ入射する偏光光又は変調光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、第1の基板側の入射側液晶配向方向を基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定するとともに、第2の基板側の出射側液晶配向方向を基準線に対して回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の液晶表示装置は、第1の発明の液晶表示素子とその液晶表示素子により変調された光の所定偏光成分を透過させる検光子との間、及び液晶表示素子と偏光子との間のどちらか一方又は両方に位相補償板を設けたものである。ここで、上記の位相補償板は、液晶表示素子の屈折率異方性Δnと液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが300nm〜600nmであるときに、面内の互いに直交する主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzの条件を満たすと共に、位相差を200nm〜550nmに設定した位相補償板であることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の液晶表示装置は、第1の発明と同様の構成の液晶表示素子と、離間対向配置した第3の基板と第4の基板との間に、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる第2の液晶層が狭持配置されており、液晶表示素子の入射側及び出射側のどちらか一方又は両方に設けられた位相補償用液晶素子と、位相補償用液晶素子又は液晶表示素子と入射する偏光光の所定偏光成分を透過させる検光子との間、及び位相補償用液晶素子又は液晶表示素子と偏光子との間のどちらか一方又は両方に設けられた位相補償板とを有し、第2の液晶層は、第3の基板側の入射側液晶配向方向を、液晶表示素子の第1の液晶層の入射側液晶配向方向又は出射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定し、かつ、第4の基板側の出射側液晶配向方向を、第1の液晶層の出射側液晶配向方向又は入射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定すると共に、位相補償用液晶素子の屈折率異方性Δn'と第2の液晶層の厚みd'の積である位相補償用液晶素子の第12のリタデーションΔn'・d'を、液晶表示素子の屈折率異方性と第1の液晶層の厚みの積である液晶表示素子の第21のリタデーションΔn・dの1/2倍以上2倍以下の範囲内の値に設定した構成を有することを特徴とする。
ここで、第3の発明における位相補償板は、液晶表示素子の屈折率異方性Δnと第1の液晶層の厚みdとの積である第1のリタデーションΔn・dと、位相補償用液晶素子の屈折率異方性Δn’と第2の液晶層の厚みd’との積である第2のリタデーションΔn'・d'との和が450nm〜1200nmであるときに、面内の互いに直交する主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzの条件を満たすと共に、位相差を300nm〜1200nmに設定した位相補償板であってよい。上記の第1乃至第3の発明の液晶表示装置では、高コントラストが得られる。
また、上記の目的を達成するため、本発明の投射型表示装置は、光を放射する光源と、光源から放射された光から三原色の照明光を生成する照明光学系と、三原色の照明光を、各原色光毎に偏光して偏光光を生成する偏光子と、原色光毎の偏光光をそれぞれ画像信号に応じて変調して出射する原色光毎に設けられた液晶表示装置と、原色光毎に設けられた液晶表示装置を透過した三原色の変調光の所定の偏光光成分を、原色光毎に透過させる検光子と、検光子を透過した三原色光をそれぞれ合成する合成プリズムと、合成プリズムで合成して得られた合成光を表示面に投影する投射レンズとを備えた投射型表示装置において、原色光毎に設けられた液晶表示装置を、第3の発明の液晶表示装置としたことを特徴とする。この発明では、高コントラストが得られる液晶表示装置を用いているため、高画質のカラー画像を投射することができる。
本発明の液晶表示装置によれば、液晶表示装置毎に異なるA成分を補償する必要がなく、A成分補償用の波長板を用いずに極めて高いコントラストを実現できる。また、本発明の投射型表示装置によれば、本発明の液晶表示装置を単色処理部の光学系に用いることで、3色(R,G,B)に係る変調光を合成して高画質のカラー画像を得ることができると共に、色相互間の表示特性の差を無くして、装置毎の画像表示品質を高く安定に保つことができる。
次に、本発明になる液晶表示装置及び投射型表示装置の各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図11を参照して、本発明になる液晶表示装置の実施例1を説明する。図1は本発明になる液晶表示装置の実施例1を適用した投射型表示装置のうちの単色処理部の光学系の概略構成を示す。
図1に示すように、単色処理部は、実施例1の構造の液晶表示素子1と、液晶表示素子1の光入射側に設けられた第1の偏光板(偏光子)2と、液晶表示素子1の光出射側に設けられた第2の偏光板(検光子)3とから構成される。また、実施例1の液晶表示装置は液晶表示素子1のみからなる。
液晶表示素子1は、第1の偏光板(偏光子)2を透過した偏光光を垂直に入射させる透明電極13を表面に形成した第1の基板11と、画素毎の透明電極14と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有し、かつ、透明電極14が透明電極13に離間対向するように配置した第2の基板12と、第1の基板11と第2の基板12との間に配置され、第1の基板11を介して入射された偏光光を変調する液晶層15とを備えた構成である。また、液晶層15の透明電極13側と透明電極14側における各表面には、図示していないが蒸着表面処理方法によりSiOx化合物の配向膜が形成されており、液晶に所定の配向条件が付与されている。
そして、液晶層15には、誘電異方性が負のネマティック液晶であって、550nmにおける屈折率異方性Δnが0.132のものが適用されており、液晶表示素子1はノーマリーブラックモードとして使用される。照明光は第1の偏光板(偏光子)11を透過して偏光光として液晶表示素子1に入射し、ここで変調されて透過して第2の偏光板(検光子)3に入射し、これにより所定の偏光面の透過変調光(S偏光)が外部に透過される。検光子3は液晶表示素子1により変調された光を輝度分布に変換する。
以上の基本的構成を有する液晶表示素子1の液晶配向方向を検討するために、照明光の波長λ、液晶分子のプレチルト角θp、ツイスト角φ、液晶層15の各基板に直交する方向の厚み(以下、「セル厚」という)dを各種条件で変化させて、第2の偏光板(検光子)3を透過した透過変調光(S偏光)の出力を測定するという各実験を行って、下記のような結論を得た。なお、この実施例1における「ツイスト角:φ」は、図2に示すように、入射偏光光(P偏光)の振動方向と45°をなす方向(この方向を基準方向と呼び、この基準方向に沿った線を基準線と呼ぶ)を中心として時計回り方向へφ/2の角度をなす方向に点線矢印で示す出射側液晶配向方向を設定すると共に、基準線を中心として反時計回り方向へφ/2の角度をなす方向に実線矢印で示す入射側液晶配向方向を設定した場合に、それらの各液晶配向方向のなす角度として定義するものとする。
図3は、照明光波長を550nm、プレチルト角82°として設定し、セル厚dを2μmから4.5μmまで0.5μm単位で変化させ、それぞれのセル厚dで、ツイスト角φを90°から150°まで10°単位で変化させて黒状態における光漏れ量(相対比)、すなわち黒レベルを測定した実験結果を示す。また、図4は、照明光波長550nm、プレチルト角82°、セル厚dを2.5μmとして設定し、液晶層にはΔn=0.132の液晶に加え、0.155の液晶を適用して、ツイスト角φを90°から150°まで10°単位で変化させて黒状態における光漏れ量(相対比)、すなわち黒レベルを測定した実験結果を示す。
図3と図4とから分かるように、セル厚d、屈折率異方性Δnが変化しても黒レベルはツイスト角:φ=120°で最小になり、φ=110°から130°の範囲で良好な黒レベルが得られる。
また、図5は、プレチルト角82°、セル厚dを2.5μmとして設定し、照明光の波長を、450nm(青色光)、550nm(緑色光)、630nm(赤色光)に変化させ、それぞれの波長でツイスト角φを90°から150°まで10°単位で変化させて黒状態における光漏れ量(相対比)、すなわち黒レベルを測定した実験結果を示す。図5から分かるように、どの波長も黒レベルはツイスト角:φ=120°で最小になり、φ=110°から130°の範囲で良好な黒レベルが得られる。
上記の図3乃至図5に示した実験結果に基づいた理想的な配向条件は、図6(A)に示すような、ツイスト角φが120°の配向条件となり、このとき高コントラストで良質な画質を得ることができる。しかし、光学的には図6(B),(C),(D)のように基準線を90°,180°,270°回転させた関係での各液晶配向条件も等価である。更には、図7(A)〜(D)に示すように、図6(A)〜(D)における入射側液晶配向方向と出射側液晶配向方向とを逆にした場合も等価な条件である。
そして、ツイスト角φについては、入射偏光光(P偏光)の振動方向と45°をなす基準線に対して時計回りと反時計回りにφ/2の角度をなす方向にそれぞれ出射側液晶配向方向と入射側液晶配向方向をとり、それら各方向のなす角度として定義しているが、この基準線の入射偏光光(P偏光)の振動方向に対する前記角度45°は±5°の範囲をもたせてもよい。ツイスト角φを110°〜130°に保った状態で入射側液晶配向方向と出射側液晶配向方向とがその範囲で回転しても、明るさに影響してもコントラスト自体には殆ど影響しない。
また更には、ツイスト角φは110°〜130°の範囲で採用し得るが、その場合、単に入射側液晶配向方向と出射側液晶配向方向とが基準線に対してそれぞれ55°〜65°の角度範囲で設定されるだけでなく、αとβを|±α±β|≦10(符号順不同)を満たす0又は正数として、入射側液晶配向方向が基準線となす角度を(60±α)°、出射側液晶配向方向が基準線となす角度を(60±β)°として設定することができる。なお、この基準線とのなす角度を設定するパラメータα、βについては、好ましくは、α+β≦10に設定される。
ここで、図8にはツイスト角を90度とした場合の入射偏光光の振動方向に対する出射側液晶配向方向と入射側液晶配向方向の関係を示す。図9には照明光波長550nm、プレチルト角82°、セル厚dを2.5μm、液晶層にはΔn=0.132の液晶を適用し、ツイスト角は90°に設定した場合の黒表示における視野角特性を図9に示し、ツイスト角を本実施例の120°に設定した場合の黒表示における視野角特性を図10に示す。図9、図10の視野角特性において、最も小さな径の閉曲線は0.000010、その外側の閉曲線は外側に行くほど0.000050、0.000100、0.000500の視野角特性を示し、更にその外側の閉曲線又は曲線はそれぞれ0.001000、0.005000、0.010000の視野角特性を示す(後述する他の視野角特性も同様)。図9、図10及び後述する視野角特性は、半径方向が入射角を示しており、最外周が入射角20°を示しており、また、0°、90°、180°、270°は方位角を示している。
ツイスト角90°では、図9に示すように、最も光漏れの少ない領域が中央から偏っており、これに対してツイスト角120°では、図10に示すように、最も光漏れの少ない領域が中央に一致している。従って、ツイスト角120°の本実施例の場合は、ツイスト角90°の場合よりも入射角の大きいところまで光漏れが少ない領域が均一に広がっているので、高コントラストが得られる。また、図10に示す視野角特性において、内側から4番目と3番目の0.000500、0.000100の閉曲線は、コントラストでそれぞれ2000:1、10000:1であり、入射角をこの閉曲線以下にすることにより、同等以上のコントラストが得られる。従って、実施例1では、図10に示す視野角特性から最大入射角を6°以下に設定することにより、2000:1以上の高コントラストが得られる。
なお、垂直配向型液晶ではディスクリネーションの発生を防止するために液晶分子にプレチルト角θpを付与しておく必要がある。本実施例の場合も同様である。ディスクリネーションの発生を防止し、高コントラストで良質な画質を得るためには、セル厚dが3.5μm以下の場合には、液晶分子の第1の基板11と第2の基板12の面からの角度として与えられるときのプレチルト角θpは75°〜85°が望ましく、セル厚dを2.6μm以下に設定した場合には、ディスクリネーションによる影響が大幅に軽減され、更に良質な画質が得られる。
この場合、本出願人による実験によれば、良質な画質が得られるプレチルト角θpは、セル厚が2.6μm以下であれば、75°〜87°の範囲が望ましく、セル厚dが2μm以下であれば75°〜88°の範囲が望ましいことが確認されている(特開2007−212997号公報参照)。なお、この特開2007−212997号公報に開示した本出願人による実験結果は、反射型液晶表示素子の例であるが、本実施例のような透過型液晶表示素子にも当てはまる。
次に、図11〜図16を参照して、本発明の実施例2に係る液晶表示装置を説明する。この実施例2は位相補償に関する。図11は、本発明になる液晶表示装置の実施例2を適用した投射型表示装置のうちの単色処理部の光学系の概略構成を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図11に示すように、単色処理部は、実施例1と同一構造の液晶表示素子1と、液晶表示素子1の光入射側に設けられた第1の偏光板(偏光子)2と、液晶表示素子1の光出射側に設けられた第2の偏光板(検光子)3と、液晶表示素子1の光出射側と第2の偏光板(検光子)3との間に設けられた位相補償板4とから構成される。また、実施例2の液晶表示装置は、液晶表示素子1と位相補償板4とから構成される。
実施例1で説明した液晶表示素子1と偏光板2及び3とからなる光学系において、液晶層15に対する入射偏光光の入射角は、図9及び図10の視野角特性の中心に相当する0°になっていることが理想的である。しかし、一般に液晶表示素子1へ照明光を入射させる照明系は、高い光利用効率を得るためにインテグレータ光学系が採用されており、入射偏光光はコーン状であり液晶層15への入射角は0°だけではない。そして、入射偏光光のポラーアングル(polar angle:極角)が大きくなると、液晶層15での複屈折による位相差が大きくなって表示画像のコントラストを悪化させる。
この問題に関しては、従来から位相補償板を用いて解消する方法が採用されている。本実施例では、図11に示すように液晶表示素子1と偏光板(検光子)3との間に所定の位相補償板4を挿入することにより、更に高いコントラストが得られる。なお、位相補償板は、偏光板2と液晶表示素子1との間、または液晶表示素子1と偏光板(検光子)3との間と、偏光板2と液晶表示素子1との間の両方に設けてもよい。
これらの位相補償板はそれぞれ、面内の屈折率よりも、これに垂直な膜厚方向の屈折率の方を小さく設定した、いわゆるCプレートと呼ばれる位相補償板として形成されている。つまり、このCプレートは「面内の互いに直行する主屈折率nx、ny、かつ、厚さ方向の主屈折率をnzとした時、nx=ny≧nzという条件を満たす位相補償板である」と定義される。
図12は、図11に示すように実施例1の液晶表示素子1と偏光板3との間に位相差Rthが280nmの位相補償板4を挿入したときの視野角特性である。図10よりも更に特性の分布に偏りがなく、良好なコントラストが得られる状態である。図12に示す本実施例の視野角特性において、内側から4番目と3番目の0.000500、0.000100の閉曲線は、コントラストでそれぞれ2000:1、10000:1であり、入射角をこの閉曲線以下にすることにより、同等以上のコントラストが得られる。従って、本実施例では、図12に示す視野角特性から最大入射角を8°以下に設定することにより、2000:1以上の高コントラストが得られる。
ここで、位相補償板4の位相差Rthの値について考察する。図13、図14は、位相補償板4の位相差Rthをそれぞれ、20nmと540nmにした場合の視野角特性である。図13、図14に示すように、図12に示した適正な位相差Rthが280nmの位相補償板を挿入したときの視野角特性に比べて有効な効果が得られず、視野角特性に偏りが残る。
図15は、位相補償板4の位相差Rthを20nmから540nmまで所定間隔で変化させたときの視野角特性図を方位45°−225°で切った断面図であり、横軸は極角、縦軸は光漏れ量(相対比)を示す。図15から分かるように、位相補償板4の位相差Rthが280nmのときに最もバランス良く光漏れ量が小さくなる。
上記は、液晶層のセル厚dが2.5μmの場合の結果であり、屈折率異方性Δnでセル厚dの液晶層を通過する光に生じる常光と異常光の位相差はΔnとdの積であるリタデーションΔn・dで与えられる。
図16は液晶のリタデーションΔn・dと位相補償板4の位相差Rthとの関係を示す。実際のシステムでは、液晶層15と位相補償板4の特性にはバラツキがあるので、液晶のΔn・dが300nm〜600nmであるとき、Rthは200nm〜550nmが適当な特性である。
以上のように、本実施例によれば、液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとによって液晶のリタデーションΔn・dが変化するので、これに最適な位相補償板4を用いることによって、画像のコントラストをさらに向上することができる。
次に、図17〜図32を参照して、本発明の実施例3に係る液晶表示装置を説明する。この実施例3は液晶層による位相補償に関する。図17は、本発明になる液晶表示装置の実施例3を適用した投射型表示装置のうちの単色処理部の光学系の概略構成を示す。同図中、図11と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図17に示すように、単色処理部は、実施例1と同一構造の液晶表示素子1と、液晶表示素子1の光入射側に設けられた第1の偏光板(偏光子)2と、液晶表示素子1の光出射側に設けられた位相補償板4及び第2の偏光板(検光子)3と、液晶表示素子1の光出射側と位相補償板4との間に設けられた位相補償用液晶素子5とから構成される。また、実施例3の液晶表示装置は、液晶表示素子1と、位相補償板4と、位相補償用液晶素子5とから構成される。
すなわち、本実施例は、実施例2で説明した液晶表示素子1と偏光板2及び3と位相補償板4とからなる光学系において、図17に示すように、液晶表示素子1の他に第3の基板16及び第4の基板17とを互いに離間対向配置させると共に、それらの間に液晶層18を挟持させた位相補償用液晶素子5を設けたものである。なお、位相補償用液晶素子5は偏光板(偏光子)2と第1の基板11との間に配置してもよいし、その位置と図17の位置の両方に配置してもよい。また、位相補償板4は図17に示す位置と共に、あるいはこれに替えて、偏光板(偏光子)2と液晶表示素子1又は位相補償用液晶素子5の間に設けることも可能である。
本実施例の液晶層15と18の各基板面における液晶配向方向をパラメータにして視野角特性の検討を行った。本発明が目的とする「A成分を補償する位相補償用の波長板を用いなくても高いコントラストでの画像表示を可能にする」ためには「偏りのない」視野角特性が求められる。
図18(A),(B),(C),(D)は、それぞれ入射偏光光(P偏光)の振動方向と45°をなす基準線に対する出射側液晶配向方向と入射側液晶配向方向を示した図6(A),(B),(C),(D)に対応する単層の液晶素子の視野角特性を示し、図2で定義した基準線の方向に分布が偏っていることが分かる。
図19は、本実施例の液晶層15と18による2層化した液晶素子の視野角特性を示し、位相補償用液晶素子5の配向を図6(A)としたとき、これと組み合わせる液晶表示素子1の配向を、それぞれ図6(A)、(B)、(C)、(D)としたときの視野角特性が、それぞれ図19(A),(B),(C),(D)である。ここで、液晶表示素子1と位相補償用液晶素子5の各液晶配向特性の基準線が成す角が180°となる図19(C)だけ分布の偏りが無く、本発明の目的に合った視野角特性を得ることができる。
以上の結果を考慮して、位相補償用液晶素子5の入射側液晶配向方向を液晶表示素子1の入射側液晶配向方向に対して略180°の角度を成す方向に設定し、かつ、位相補償用液晶素子5の出射側液晶配向方向を液晶表示素子1の出射側液晶配向方向に対して略180°の角度を成す方向に設定する。なお、液晶層15と18の厚さは同じに設定されている。
また、図6と図7の関係で説明したように、図6(A)は図7(A)と等価で、図6(C)は図7(C)と等価なので、位相補償用液晶素子5の配向を図7(A)としたとき、その視野角特性は図20で示される。従って、配向特性が図7(A)である位相補償用液晶素子5と組み合わせる液晶表示素子1の配向を、液晶表示素子1と位相補償用液晶素子5の各液晶配向特性の基準線が成す角が180°となる図7(C)としたとき、それらを組み合わせた本実施例の視野角特性は図21に示すように分布の偏りが無く、本発明の目的に合った視野角特性を得ることができる。
従って、位相補償用液晶素子5を裏返しにして、位相補償用液晶素子5の入射側液晶配向方向を液晶表示素子1の出射側液晶配向方向に対して略180°の角度を成す方向に設定し、位相補償用液晶素子5の出射側液晶配向方向を、液晶表示素子1の入射側液晶配向方向に対して略180°の角度を成す方向に設定しても同じ効果が得られることは言うまでも無い。この場合も、液晶層15と18の厚さは同じに設定される。
図22は、この実施例3において位相補償板4の位相差を最適化した場合の黒表示時の視野角特性を示す図である。図9、図10、図12に示した視野角特性に比べて、暗い領域がバランスよく広がっており、また、図19(C)に示した視野角特性よりも光漏れ量が0.00001の領域が広く、高コントラストが得られる特性を示している。図22に示す本実施例の視野角特性の各象限において、内側から4番目と3番目の0.000500、0.000100の曲線は、コントラストでそれぞれ2000:1、10000:1であり、入射角をこの閉曲線以下にすることにより、同等以上のコントラストが得られる。従って、本実施例では、最大入射角を13°以下に設定することにより、2000:1以上の高コントラストが得られる
しかし、図8に示したようにツイスト角を90°とした場合、すなわち基準線に対する回転角を45°とした場合の図6(A)に相当する液晶配向の単層透過型液晶素子の視野角特性は図23、図6(C)に相当する液晶配向の単層透過型液晶素子の視野角特性は、図24となり、本実施例の特性と似ているが、これらを2層化した場合の視野角特性は図25に示すように、0.00001の領域が存在せず、また、基準軸方向とその垂直方向の分布状態が異なるため、どちらかに合わせた補償を施すと他方の漏れ光がコントラストを悪化させてしまう。
更に、図25の視野角特性を持つ液晶表示素子の構成に最適化した位相補償板4を組み合わせた視野角特性が図26である。図26に示すように、分布のバランスは良くなるが、0.00001、0.00005、0.00010の領域が存在せず、入射角が小さい領域でも光漏れが多く全体的に明るくなってしまうので、高いコントラストは得られない。
ここで、液晶表示素子1のリタデーションΔn・dに対する、位相補償用液晶素子5のリタデーションΔn'・d'の最適値を検討する。図27(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)は、液晶表示素子1と位相補償用液晶素子5の液晶層にΔnが0.132の液晶を適用して、液晶表示素子1のセル厚dを2.5μmとした場合に、位相補償用液晶素子5のセル厚d'をそれぞれ1μm、1.5μm、2μm、2.5μm、3μm、4μm、5μm、6μmとした時の視野角特性を示す。セル厚d'が1.5μm以上5μm以下であれば、方位のバランスが良いことが分かる。
従って、本実施例では、位相補償用液晶素子5のセル厚d'が2.5μmから1.5μmと1.0μmの中間程度の値までの範囲内と過補償でも満足する領域とを考慮して、位相補償用液晶素子5のリタデーションを液晶表示素子1のリタデーションの半分以上2倍以下の値までとすることで、良好な方位のバランスを得ることができる。
ただし、図27(A)〜(H)に示すように、45°、135°、225°、315°の各方向で光漏れが多く、入射角の浅い条件でないとコントラストの確保が難しい。
一方、図28(A)、(B)、(C)、(D)は図27(A)、(B)、(C)、(D)に対して、それぞれ最適な位相補償板4を付加した場合の視野角特性を示す。図28(A)、(B)、(C)、(D)から分かるように、45°、135°、225°、315°の各方向で光漏れが、最適な位相補償板4を付加しない場合に比べて改善され、かつ、位相補償用液晶素子5のセル厚d'を1.5μm以下にしても方位のバランスが良く、良好な視野角特性が得られる。
図29と図30は、図17の液晶表示素子1と位相補償用液晶素子5のリタデーションΔn・dを等しくし、各液晶素子のセル厚dをそれぞれ2μmから4.5μmまで0.5μm単位で変化させた時の位相補償板の位相差Rth(横軸)と光漏れ量(縦軸)の関係を示す図である。ここで適用した液晶は図29はΔnが0.132で、図30はΔnが0.155である。また、光漏れ量(相対比)は視野角特性図を方位45°−225°で切った断面で、入射角が13°の場合の値である。
図29及び図30から、液晶のΔn・dと位相補償板4の位相差Rthとの関係は図31に示すようになる。前述のように実際のシステムでは、液晶層と位相補償板4の特性にはバラツキがあるので、図31から分かるように、液晶表示素子1のΔn・dと位相補償用液晶素子5のΔn'・d'との和が450nm〜1200nmであるとき、位相差Rthは300nm〜1200nmが適当な特性である。
図32は図17に示した実施例3の変形例の概略構成図を示す。同図中、図17と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図32に示す変形例は、第2の基板12の光出射側に第2の液晶層18と第3の基板19とからなる位相補償用液晶素子を一体化した液晶表示素子10を有する点に特徴がある。この変形例の液晶表示装置は、液晶表示素子10と位相補償板4とにより構成され、図17の実施例3と全く同じ効果が得られる。
(投射型表示装置の実施の形態)
次に、本発明になる投射型表示装置の一実施の形態について図33と図34を参照して説明する。図33は本発明になる投射型表示装置の一実施の形態の全体構成図、図34は図33中の3色の単色処理部及び色合成プリズムからなる色合成光学系の概略構成図を示す。図33において、ダイクロイックXキューブ113が、図34に示す色合成光学系を構成しており、上述した実施例1〜3又は変形例のいずれかの構成の液晶表示素子が用いられている。
図33において、ランプ101から出射された白色光の照明光は、レンズアレイ102、103を透過してPBSアレイ104に入射し、ここで所定の直線偏光成分が透過され、更にミラー105で全反射されて光路が変えられた後、ダイクロイックミラー106に入射する。ダイクロイックミラー106は、入射光の赤色光波長成分を透過し、それ以外の波長光成分は反射してダイクロイックミラー107に入射する。ダイクロイックミラー107は、入射光の緑色光波長成分を反射し、それ以外の青色光波長成分は透過する。青色光波長成分は、レンズ108、ミラー109、レンズ110を経てミラー111で全反射される。ミラー111、112でそれぞれ反射された青色光波長成分、赤色光波長成分と、ダイクロイックミラー107で反射された緑色光波長成分とは、それぞれ図34に示す構成のダイクロイックXキューブ113に入射する。
ダイクロイックXキューブ113は、図34に示すように、赤色光Rを透過させるダイクロフィルタ7R、偏光板(偏光子)2R、液晶表示素子1R、位相補償板4R及び偏光板(検光子)3Rからなる赤色光処理部と、緑色光Gを透過させるダイクロフィルタ7G、偏光板(偏光子)2G、液晶表示素子1G、位相補償板4G及び偏光板(検光子)3Gからなる緑色光処理部と、青色光Bを透過させるダイクロフィルタ7B、偏光板(偏光子)2B、液晶表示素子1B、位相補償板4B及び偏光板(検光子)3Bからなる青色光処理部と、これら偏光板(検光子)3R、3G、3Bから出力された赤色光波長、緑色光波長、青色光波長の各透過変調光が入射され、これらを色合成して出力する色合成プリズム8とからなる。
図33のミラー111、112でそれぞれ反射された青色光波長成分、赤色光波長成分は図34のダイクロフィルタ7B、7Rで青色光B、赤色光Rのみが透過され、図33のダイクロイックミラー107で反射された緑色光波長成分は図34のダイクロフィルタ7Gで緑色光Gのみが透過される。図34において、ダイクロフィルタ7B、7R、7Gを透過した青色光B、赤色光R、緑色光Gは、それぞれ偏光子2B、2R、2GによってP偏光にされ、このP偏光が液晶表示素子1B、1R、1Gによってそれぞれ互いに独立して位相変調されて変調光となり、この変調光が位相補償板4B、4R、4Gによってそれぞれ位相補償された後、そのS偏光成分が検光子3B、3R、3Gを透過して、それぞれの強度分布が青色画像、赤色画像、緑色画像となって色合成プリズム8に入射して色合成される。
ここで、上記の青色光処理部、赤色光処理部、緑色光処理部のそれぞれは、図11に示した実施例2の単色処理部の光学系の構成とされているため、高いコントラストの高画質の各原色光のS偏光成分を出力することができる。色合成プリズム8により合成されたS偏光成分は、図33の投射レンズ114によりスクリーン(図示せず)上にカラー画像として投影表示される。
なお、図34では、各原色光の処理部が図11に示した実施例2の単色処理部の光学系の構成とされているが、この構成に替えて、図1に示した実施例1の単色処理部、図17に示した実施例3の単色処理部、図32に示した変形例の単色処理部のいずれかの構成であってもよいことは勿論である。
本発明の実施例1に係る液晶表示素子を用いた投射型表示装置の単色処理部の光学系の概略構成図である。 入射偏光光の振動方向に対する出射側液晶配向方向と入射側液晶配向方向の関係を示す説明図である。 実施例1の液晶表示素子について、液晶層の液晶分子のプレチルト角を固定し、液晶層のセル厚をパラメータとしたときの、ツイスト角と黒状態における光漏れ量との関係を示すグラフである。 実施例1の液晶表示素子について、液晶層の液晶分子のプレチルト角を固定し、液晶の屈折率異方性をパラメータとしたときの、ツイスト角と黒状態における光漏れ量との関係を示すグラフである。 実施例1の液晶表示素子について、液晶層の液晶分子のプレチルト角を固定し、入射光の波長をパラメータとしたときの、ツイスト角と黒状態における光漏れ量との関係を示すグラフである。 実験結果に基づいた理想的な液晶配向条件(A)及びそれと等価な液晶配向条件(B)〜(D)を示す説明図である。 図6の液晶配向条件と等価な液晶配向条件を示す説明図である。 ツイスト角を90°とした場合の入射偏光光の振動方向に対する出射側液晶配向方向と入射側液晶配向方向の関係を示す説明図である。 ツイスト角を90°とした場合の視野角特性を示した図である。 本発明の実施例1の視野角特性を示した図である。 本発明の実施例2に係る液晶表示素子を用いた投射型表示装置の単色処理部の光学系の概略構成図である。 本発明の実施例2の視野角特性を示した図である。 位相補償板の位相差が最適値よりも小さい場合の本発明の実施例2の視野角特性を示した図である。 位相補償板の位相差が最適値よりも大きい場合の本発明の実施例2の視野角特性を示した図である。 方位45°−225°の光漏れ特性を示す図である。 液晶のΔn・dと位相補償板の位相差Rthの関係を示す図である。 本発明の実施例3に係る液晶表示素子を用いた投射型表示装置の単色処理部の光学系の概略構成図である。 図6(A)〜(D)に対応する液晶素子の視野角特性を示した図である。 液晶表示素子の液晶配向方向と位相補償用液晶素子の液晶配向方向の組み合わせにおける視野角特性を示した図である。 図7(A)に対応する液晶素子の視野角特性を示した図である。 図7(C)に対応する液晶素子の視野角特性を示した図である。 本発明の実施例3の視野角特性を示した図である。 ツイスト角を90°とした場合の図6(A)に相当する液晶表示素子の視野角特性を示した図である。 ツイスト角を90°とした場合の図6(C)に相当する液晶表示素子の視野角特性を示した図である。 ツイスト角を90°とした場合の図6(A)と図6(C)を組み合わせた場合の視野角特性を示した図である。 図21に最適化した位相補償板を組み合わせた場合の視野角特性を示した図である。 本発明の実施例3において位相補償板を適用しないで、位相補償用液晶素子のセル厚を変化させた場合の視野角特性を示した図である。 図27に対して位相補償板を適用した場合の視野角特性を示した図である。 液晶層に屈折率異方性Δn=0.132の液晶を適用し、セル厚をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と光漏れの関係を示す図である。 液晶層に屈折率異方性Δn=0.155の液晶を適用し、セル厚をパラメータとしたときの、位相補償板の位相差と光漏れの関係を示す図である。 図29、図30の各曲線に基づいて求めた、同曲線の光漏れ最小値を採るRthと液晶層のリタデーションΔn・dとの関係を示す図である。 本発明の実施例3に係る液晶表示素子を用いた投射型表示装置の単色処理部において、液晶表示素子と位相補償用液晶素子を一体化した変形例の概略構成図である。 本発明の投射型表示装置の光学系の一一実施の形態を示す構成図である。 図33中の単色処理部及び色合成プリズムからなる色合成光学系の概略構成の一例を示す図である。 液晶分子のプレチルト角θpと方位角αとを示す模式的に説明する図である。
符号の説明
1、1R、1G、1B、10 液晶表示素子
2、2R、2G、2B 第1の偏光板(偏光子)
3、3R、3G、3B 第2の偏光板(検光子)
4、4R、4G、4B 位相補償板
5 位相補償用液晶素子
7R、7G、7B ダイクロフィルタ
8 色合成プリズム
11 第1の基板
12 第2の基板
13 透明電極
14 透明電極
15、18 液晶層
16 第3の基板
17 第4の基板
113 ダイクロイックXキューブ

Claims (14)

  1. 透明電極を表面に形成し、偏光光が入射されて透過させる第1の基板と、
    前記第1の基板上の前記透明電極に対して離間対向配置され、画素毎の透明電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板を透過して入射された前記偏光光を変調して前記変調光として前記第2の基板に入射する、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層と
    を備えた液晶表示素子を有する液晶表示装置において、
    前記液晶層は、前記第1及び第2の基板の各表面にそれぞれ平行な方向であって前記第1及び第2の基板へ入射する前記偏光光又は前記変調光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、前記第1の基板側の入射側液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定するとともに、前記第2の基板側の出射側液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示素子への前記偏光光の最大入射角を56°以下としたことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 透明電極を表面に形成し、偏光子を透過した偏光光が入射されて透過させる第1の基板と、
    前記第1の基板上の前記透明電極に対して離間対向配置され、画素毎の透明電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板を透過して入射された前記偏光光を変調して前記変調光として前記第2の基板に入射する、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる液晶層と
    を備えた液晶表示素子を有する液晶表示装置において、
    前記液晶表示素子とその液晶表示素子により変調された光の所定偏光成分を透過させる検光子との間、及び前記液晶表示素子と前記偏光子との間のどちらか一方又は両方に位相補償板を設け、
    前記液晶層は、前記第1及び第2の基板の各表面にそれぞれ平行な方向であって前記第1及び第2の基板へ入射する前記偏光光又は前記変調光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、前記第1の基板側の入射側液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定するとともに、前記第2の基板側の出射側液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定した構成を有することを特徴とする液晶表示装置。
  4. 前記位相補償板は、前記液晶表示素子の屈折率異方性Δnと前記液晶層の厚みdの積であるリタデーションΔn・dが300nm〜600nmであるときに、面内の互いに直交する主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzの条件を満たすと共に、位相差を200nm〜550nmに設定した位相補償板であることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶表示素子への前記偏光光の最大入射角を8°以下としたことを特徴とする請求項3又は4記載の液晶表示装置。
  6. 透明電極を表面に形成し、偏光子を透過した偏光光が入射されて透過させる第1の基板と、
    前記第1の基板上の前記透明電極に対して離間対向配置され、画素毎の透明電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有する第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板を透過して入射された前記偏光光を変調して前記変調光として前記第2の基板に入射する、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる第1の液晶層と
    を備えた液晶表示素子を有する液晶表示装置において、
    離間対向配置した第3の基板と第4の基板との間に、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる第2の液晶層が狭持配置された位相補償用液晶素子を、前記液晶表示素子の入射側及び出射側のどちらか一方又は両方に設けると共に、該位相補償用液晶素子又は該液晶表示素子と入射する偏光光の所定偏光成分を透過させる検光子との間、及び該位相補償用液晶素子又は前記液晶表示素子と前記偏光子との間のどちらか一方又は両方に位相補償板を設け、
    前記第1の液晶層は、前記第1及び第2の基板の各表面にそれぞれ平行な方向であって前記第1及び第2の基板へ入射する前記偏光光又は前記変調光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、前記第1の基板側の入射側液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定するとともに、前記第2の基板側の出射側液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定し、
    前記第2の液晶層は、前記第3の基板側の入射側液晶配向方向を、前記第1の液晶層の入射側液晶配向方向又は出射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定し、かつ、前記第4の基板側の出射側液晶配向方向を、前記第1の液晶層の出射側液晶配向方向又は入射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定すると共に、前記位相補償用液晶素子の屈折率異方性と前記第2の液晶層の厚みの積である前記位相補償用液晶素子の第2のリタデーションΔn'・d'を、前記液晶表示素子の屈折率異方性と前記第1の液晶層の厚みの積である前記液晶表示素子の第1のリタデーションΔn・dの1/2倍以上2倍以下の範囲内の値に設定した構成を有することを特徴とする液晶表示装置。
  7. 前記位相補償板は、前記液晶表示素子の屈折率異方性Δnと前記第1の液晶層の厚みdとの積である第1のリタデーションΔn・dと、前記位相補償用液晶素子の屈折率異方性Δn’と前記第2の液晶層の厚みd’との積である第2のリタデーションΔn'・d'との和が450nm〜1200nmであるときに、面内の互いに直交する主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzの条件を満たすと共に、位相差を300nm〜1200nmに設定した位相補償板であることを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
  8. 前記第2の基板と前記第3の基板とを共用し、前記液晶表示素子と前記位相補償用液晶素子とを一体化構成としたことを特徴とする請求項6又は7記載の液晶表示装置。
  9. 前記液晶表示素子への前記偏光光の最大入射角を13°以下としたことを特徴とする請求項6乃至8のうちいずれか一項記載の液晶表示装置。
  10. 前記第1及び第2の基板の相互の対向方向における前記液晶層の厚さが3.5μm以下で、かつ、前記液晶層の液晶分子の前記第1及び第2の基板面からの角度として与えられるプレチルト角が75°〜85°であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1及び第2の基板の相互の対向方向における前記液晶層の厚さが2.6μm以下で、かつ、前記液晶層の液晶分子の前記第1及び第2の基板面からの角度として与えられるプレチルト角が75°〜87°であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の液晶表示装置。
  12. 前記第1及び第2の基板の相互の対向方向における前記液晶層の厚さが2μm以下で、かつ、前記液晶層の液晶分子の前記第1及び第2の基板面からの角度として与えられるプレチルト角が75°〜88°であることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項記載の液晶表示装置。
  13. 光を放射する光源と、
    前記光源から放射された光から三原色の照明光を生成する照明光学系と、
    三原色の前記照明光を、各原色光毎に偏光して偏光光を生成する偏光子と、
    前記原色光毎の偏光光をそれぞれ画像信号に応じて変調して出射する原色光毎に設けられた液晶表示装置と、
    前記原色光毎に設けられた液晶表示装置を透過した三原色の変調光の所定の偏光光成分を、原色光毎に透過させる検光子と、
    前記検光子を透過した三原色光をそれぞれ合成する合成プリズムと、
    前記合成プリズムで合成して得られた合成光を表示面に投影する投射レンズと、
    を備えた投射型表示装置において、
    前記原色光毎に設けられた前記液晶表示装置は、
    透明電極を表面に形成し、偏光子を透過した偏光光が入射されて透過させる第1の基板と、前記第1の基板上の前記透明電極に対して離間対向配置されて画素毎の透明電極と駆動回路をマトリクス状に配置した構造を有する第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の基板を透過して入射された前記偏光光を変調して前記変調光として前記第2の基板に入射する、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる第1の液晶層とを備えた液晶表示素子と、
    離間対向配置した第3の基板と第4の基板との間に、誘電異方性が負のネマティック液晶からなる第2の液晶層が狭持配置されており、前記液晶表示素子の入射側及び出射側のどちらか一方又は両方に設けられた位相補償用液晶素子と、
    前記位相補償用液晶素子又は前記液晶表示素子と入射する偏光光の所定偏光成分を透過させる検光子との間、及び前記位相補償用液晶素子又は前記液晶表示素子と前記偏光子との間のどちらか一方又は両方に設けられた位相補償板と、
    を有し、前記第1の液晶層は、前記第1及び第2の基板の各表面にそれぞれ平行な方向であって前記第1及び第2の基板へ入射する前記偏光光又は前記変調光の振動方向に対して±45°をなす方向を中心に±5°以内の角度範囲にある直線を基準線とし、かつ、αとβをα+β≦10を満たす0又は正数としたときに、前記第1の基板側の入射側液晶配向方向を前記基準線に対していずれか一方の回転方向へ(60±α)°の角度をなす方向に設定するとともに、前記第2の基板側の出射側液晶配向方向を前記基準線に対して前記回転方向とは逆の回転方向へ(60±β)°の角度をなす方向に設定し、
    前記第2の液晶層は、前記第3の基板側の入射側液晶配向方向を、前記第1の液晶層の入射側液晶配向方向又は出射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定し、かつ、前記第4の基板側の出射側液晶配向方向を、前記第1の液晶層の出射側液晶配向方向又は入射側液晶配向方向に対して略180°の角度をなす方向に設定すると共に、前記位相補償用液晶素子の複屈折度と前記第2の液晶層の厚みの積である前記位相補償用液晶素子の第1のリタデーションの値を、前記液晶表示素子の複屈折度と前記第1の液晶層の厚みの積である前記液晶表示素子の第2のリタデーションの値の1/2倍以上2倍以下の範囲内の値に設定し、前記液晶表示素子への前記偏光光の最大入射角を13°以下としたことを特徴とする投射型表示装置。
  14. 前記位相補償板は、前記液晶表示素子の屈折率異方性Δnと前記第1の液晶層の厚みdとの積である第1のリタデーションΔn・dと、前記位相補償用液晶素子の屈折率異方性Δn’と前記第2の液晶層の厚みd’との積である第2のリタデーションΔn'・d'との和が450nm〜1200nmであるときに、面内の互いに直交する主屈折率をnx、ny、及び厚さ方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=ny≧nzの条件を満たすと共に、位相差を300nm〜1200nmに設定した位相補償板であることを特徴とする請求項13記載の投射型表示装置。
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