JP2003215242A - 超音波探査装置 - Google Patents

超音波探査装置

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JP2003215242A JP2002018393A JP2002018393A JP2003215242A JP 2003215242 A JP2003215242 A JP 2003215242A JP 2002018393 A JP2002018393 A JP 2002018393A JP 2002018393 A JP2002018393 A JP 2002018393A JP 2003215242 A JP2003215242 A JP 2003215242A
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日出樹 遠藤
Kazuhiro Moriguchi
和弘 森口
Hiroyuki Yokobori
弘幸 横堀
Naomi Matsuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水底線を明確に描画できる超音波探査装置を提
供する。 【解決手段】本発明の超音波探査装置は、超音波信号を
送信する送信部(TX,TD1,TD2 ) と、この送信された超音
波信号の物体による反射波を受信し受信信号を出力する
複数の受信素子を備えた受信部(TD1,TD2,AMP1,AMP2)
と、上記複数の受信素子の配置と各受信素子から出力さ
れる受信信号の位相差とから上記物体の方位を検出する
方位検出部(ARG) と、上記受信信号の出現時点および振
幅から物体の距離および反射強度を検出する距離・反射
強度検出部と、前記検出された方位、距離および反射強
度を表示用データとして上記物体を画面表示する表示処
理部とを備えている。そして、上記表示処理部は、表示
用データに対して補完処理を行うことにより断面中に水
底線を描画する補完描画手段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水中の魚体などの
物体の二次元または三次元位置を検知可能な超音波探査
装置に関するものであり、特に、簡易・安価な構成を保
ったまま、検出角度と精度の向上を図った超音波探査装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の簡易な魚群探知機は、船底などに
取り付けた超音波トランスジューサから水中に超音波を
放射し、魚体など水中の物体で生じた反射波を受信し、
送信から受信までに要した時間、すなわち超音波の往復
の伝播所要時間から物体までの距離を検出している。こ
の簡易な魚群探知機では、物体の方位を検出できないた
め、物体がすべて船舶の真下にあるかのように取り扱っ
ている。
【0003】物体までの距離だけでなくその方位も検出
するには、多数の超音波トランスジューサを配列してお
き配列順に順次動作させるという電子走査を行うか、単
一の超音波トランスジューサの向きを変化させる機械走
査を行うことが必要になる。上記電子走査の構成では多
数の超音波トランスジューサが必要になり、装置が複雑
・高価になる。また、上記機械走査の構成では機械的な
走査機構が必要になるので、やはり装置が複雑・高価に
なる。
【0004】本出願人の先願(特開平2001−999
31号公報)には、少数の超音波トランスジューサを用
いて海中の魚体などの物体の二次元または三次元位置を
検知できるようにした超音波探査装置が開示されてい
る。この超音波探査装置は、送信された超音波の反射波
を受信素子で受信し、各受信素子の形状と配置で決まる
方位関数と、各受信素子の受信信号の位相差とから反射
波を発生させた物体の方位を検出する方位検出部を備え
ている。また、この装置は、超音波を送信してから反射
波を受信するまでの所要時間と受信した反射波の振幅と
から物体までの距離と反射強度を検出する距離検出部
と、上記各検出部で検出済みの方位と距離とを組合わせ
て二次元または三次元表示する表示部とを備えている。
このように従来の物体までの距離と大きさに加えて、物
体の方位を検出することにより、物体の多次元位置が検
知される。
【0005】上記先行技術の超音波探査装置では、例え
ば、図6に示すように、x軸方向(船舶の舷側)に矩形
上の超音波トランスジューサTD1、TD2が距離Lだ
け離して船底などに配置される。各超音波トランスジュ
ーサから同時に同一の信号が放射される。一方のトラン
スジューサTD1の中心からR離れた方位角θxの方向
に物体Wが存在するものとする。他方のトランスジュー
サTD2と物体Wとの距離をR+δRとすれば、δR=
Lsinθxで与えられる。物体Wで発生した超音波の
伝搬速度をcとする。一方のトランスジューサTD1が
反射波を受信してから他方のトランスジューサTD2が
反射波を受信するまでの時間差δt=δR/c=Lsi
nθx/cを得る。
【0006】上記時間差δtが超音波受信信号の半周期
よりも小さくなるように超音波信号の周波数を設定して
おくことにより、上記受信時点の時間差をそれぞれの超
音波トランスジューサの受信信号の位相差から検出でき
る。送信信号としては、数十kHz乃至数百kHzの超
音波帯域の正弦波の搬送波が数十サイクルにたって持続
するバースト状の波形などが使用される。物体の多次元
表示は、例えば船舶の場合、舷側方向をx軸、深度方向
をy軸、船舶の進行方向をz軸(時間軸t)とすると、
x−y断面、t−y断面、一定深度のt−x断面などに
よって表示される。
【0007】上記先行技術の超音波探査装置によれば、
最小限2個の超音波トランスジューサを用いて舷側方向
などのある角度範囲にわたって物体の二次元あるいは三
次元的な位置を検出することができる。この結果、多数
の超音波トランスジューサを舷側方向に配置したり、1
個の超音波トランスジューサを機械的に走査したりする
ことなく、簡易かつ安価な構成のもとで物体の多次元的
な位置が検出可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術の超音波
探査装置では、超音波信号を送信し、物体で生じた反射
信号を2個の超音波トランスジューサで受信するという
超音波信号の送受信動作を1回だけ行なうことにより、
ある角度範囲にわたる広い空間から多次元の位置データ
が取得される。この結果、ある角度範囲を電子的あるい
は機械的に走査するという従来の構成に比べて、構成が
簡易・安価になるという利点を有する。また、水中の様
子を種々の断面によって表示することも可能になる。
【0009】その反面、先行技術の装置では、1回の送
受信で限られた量の物体の位置と反射強度とを含む表示
用データを取得しているため、次のような問題がある。
すなわち、探査対象の空間が広がるにつれて、取得可能
な表示用データの空間的な密度が減少し、描画に必要な
十分なデータが得られなくなる。特に、x−y断面中に
連続的な線で表示されなければならない水底の線が描画
対象データの不足のため不連続となり、この種の超音波
探査装置に慣れ親しんできたユーザに違和感を与えかね
ないという問題がある。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明の超音波探査装置
は、超音波信号を送信する送信部と、この送信された超
音波信号の物体による反射波を受信し受信信号を出力す
る複数の受信素子を備えた受信部と、前記複数の受信素
子の配置と各受信素子から出力される受信信号の位相差
とから前記物体の方位を検出する方位検出部と、前記受
信信号の出現時点および振幅から物体の距離および反射
強度を検出する距離・反射強度検出部と、前記検出され
た方位、距離および反射強度を表示用データとして前記
物体を画面表示する表示処理部とを備えている。そし
て、表示処理部は、表示用データに対して補完処理を行
うことにより断面中に水底線を描画する補完描画手段を
備える。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態によれ
ば、補完描画手段による補完処理は、表示用データから
作成される画像を所定の倍率で拡大する処理と、この拡
大によって重なり合った大きな画像からその輪郭線を抽
出する処理と、この抽出された輪郭線から最浅線を抽出
する処理とを含むことにより、簡易な構成のもとで補完
描画処理を実行できるように構成されている。
【0012】本発明の他の好適な実施の形態によれば、
表示処理部は、水底線より深い部分を同一色で描画する
よう構成されている。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の超音波探査装置
の構成を示すブロック図である。この超音波探査装置
は、制御部CNT、送信部TX、単行回路IS1,IS
2、超音波トランスジューサTD1,TD2、増幅回路
AMP1,AMP2、サンプリング回路SPL1,SP
L2,遅延回路DLY、複素合成回路CMPX1,CM
PX2、位相差検出回路ARG、加算回路ADD、絶対
値回路ABS、ディジタル・シグナル・プロセッサDS
P、表示装置DISを備えている。
【0014】制御部CNTの制御のもとに送信部TXで
超音波の送信信号が発生される。この送信信号は、前述
した従来装置の場合と同様に、数十kHz 乃至数百kHz の
超音波帯域の正弦波の搬送波が数十サイクルにわたって
持続するバースト状の波形を有する。この超音波送信信
号は、信号を一方向にだけ伝達する単行回路IS1,I
S2を通過して2個の超音波トランスジューサTD1,
TD2のそれぞれに供給され、それぞれから同時に外部
の海中などに放射される。海中に放射されて海中の魚体
などで生じた反射波は、送受共用の超音波トランスジュ
ーサTD1,TD2のそれぞれに受信され、増幅器AM
P1,AMP2で増幅される。
【0015】増幅器AMP1,AMP2で増幅された受
信反射波は、サンプリング回路SPL1,SPL2にお
いて、第1,第2のサンプリング信号spi ,spq
よってサンプリングされ、ディジタル信号に変換され
る。第1のサンプリング回路SPL1から出力されるデ
ィジタル受信信号p1 ,q1 は後段の複素信号合成回路
CMPX1においてディジタル複素信号r1 =p1 +j
1 に変換され、位相差検出回路ARGと加算回路AD
Dとに供給される。同様に、第2のサンプリング回路S
PL2から出力されるディジタル受信信号p2 ,q2
後段の複素信号合成回路CMPX2においてディジタル
複素信号r2 =p2 +jq2 に変換され、位相差検出回
路ARGと加算回路ADDとに供給される。
【0016】位相差検出回路ARGでは、ディジタル複
素信号r1 とr2 との複素共役積r 1 ・r2 * から受信
反射信号a1 ,a2 の偏角gが算定され、ディジタル・
シグナル・プロセッサDSPに供給される。ディジタル
加算回路ADDでは、ディジタル複素信号r1 とr2
加算され、この加算値hの絶対値sが絶対値回路ABS
で算定され、ディジタル・シグナル・プロセッサDSP
に供給される。ディジタル・シグナル・プロセッサDS
Pは、絶対値sとその出現時点と、偏角gとから二次元
の表示データを作成し、表示部DISに供給し、表示さ
せる。
【0017】受信信号a1 ,a2 の包絡線振幅をA(t)、
搬送波の角周波数をω、位相をそれぞれφ1 ,φ2 とお
くと、 a1 =A(t) cos (ωt+φ1 ) a2 =A(t) cos (ωt+φ2 ) となる。
【0018】受信信号a1 を、標本化回路SPL1 にお
いて、標本化信号spi と、遅延回路DLYにより標本
化信号spi よりもτだけ遅延させた標本化信号spq
とによって標本化する。時刻tに出現する標本化信号s
i による標本化受信信号p 1 (t) と、時刻t=t+τ
に出現する標本化信号による標本化受信信号q1 (t)
は、 p1 (t) =A(t) cos (ωt+φ1 ) となる。ここで、τを、 ωτ=π/2 とすると、 となる。
【0019】複素合成器CMPX1において、p1 (t)
を実部とし、q1 (t) を虚部とする複素数r1 が合成さ
れる。すなわち、この複素数r1 は、 r1 =p1 (t) −jq1 (t) =A(t) cos( ωt+φ1 ) +j A(t) sin( ωt+φ1 ) =A(t) exp〔 j( ωt+φ1 ) 〕 である。r1 は受信信号a1 の位相角( ωt+φ1 ) を
偏角とする複素数となっている。
【0020】同様に、 r2 =p2 (t) −jq2 (t) =A(t) cos( ωt+φ2 ) +j A(t) sin( ωt+φ2 ) =A(t) exp〔 j( ωt+φ2 ) 〕 となる。r2 は受信信号a2 の位相角( ωt+φ2 ) を
偏角とする複素数となっている。
【0021】従って、位相角計算部ARGにより、この
複素数r1 とr2 の複素共役積を計算し、その偏角gを
計算すると、ARGの出力gは、 g=Arg〔r1 ・r2 * 〕 =φ1 −φ2 =Δφ となる。このように、受信信号a1 ,a2 間の位相差Δ
φが求まると、トランスジューサからみた魚体の方位角
θx が判明する。
【0022】加算回路ADDによる加算結果は、 h=r1 +r2 =A(t)〔 exp j( ωt+φ1 ) + exp j( ωt+φ2 ) 〕 となる。絶対値算定部ABSで算定されるhの絶対値を
sとすれば、 s=A(t) ABS( exp jφ1 + exp jφ2 ) =2A(t) cos〔(φ1 +φ2 )/2〕 となる。
【0023】図2は、図1のディジタル・シグナル・プ
ロセッサDSPの一部の構成を示す機能ブロック図であ
る。このディジタル・シグナル・プロセッサDSPは、
表示用データ記憶回路D1、画面表示データ生成部D
2、画面メモリD3、同期信号読出アドレス発生部D
4、画面表示条件設定部D5を備えている。表示用デー
タ記憶回路D1は、図1の位相差検出回路ARGから供
給される偏角gと、同じく図1の絶対値回路ABSから
供給される加算された受信信号の振幅の絶対値sとを、
その出現時点とから図4に示すように、表示用データを
その送信が行なわれた時点毎に、送信時点からの所定時
間毎にサンプリングされることにより決まる深度の順に
配列して記憶する。
【0024】画面表示データ生成部D2は、表示用デー
タ記憶回路D1に記憶された表示用データから画面表示
データを生成する。この画面表示データの生成は、画面
表示条件設定部D5から設定される画面表示条件にした
がって、同期信号読出アドレス発生部D4から供給され
る同期信号読出アドレスに基づいて、表示用データ記憶
回路D1から表示用データを読み出して行なわれる。こ
の生成された画面表示データは、画面メモリD3に書き
込まれ、同期信号読出アドレス発生部D4から供給され
る同期信号と読み出しアドレスに基づいて読み出され、
図1の表示装置DISに供給される。
【0025】画面表示条件設定部D5からは図示しない
操作パネル上に設置されたツマミなどの操作によって表
示条件が入力される。この表示条件は、切断面の切断位
置や切断範囲、表示の着色と強度との関係、水底線の表
示条件などである。画面表示データ生成部D2は、画面
表示条件設定部D5から設定される表示条件の変更に伴
い、表示用データ記憶回路D1に保持中の表示用データ
を読み出して表示条件に従った画面表示データを生成す
る。
【0026】図3は、図1の超音波探査装置を船舶に搭
載したときの、角度を含む物体位置の三次元表示画面の
一例である。直交三軸として船舶の舷側方向にx軸、深
度方向にy軸、船舶の進行方向にz軸または時間軸tが
それぞれ設定される。左上の表示画面a)は船舶のt−
y断面、右上の表示画面b)はx−y断面、左下の表示
画面c)はa)のt−y断面を任意の深度y1で水平に
切断して示すt−y断面である。各断面中のa1、b
1、c1は、現時点で検出された同一の物体である。例
示した3種類の断面は一つの画面上に一緒に表示されて
もよいし、指令に応じて一つずつあるいは二つずつ選択
的に表示される構成であってもよい。
【0027】図3の表示画面では、船舶がz軸方向に進
行しているため、z軸方向への走査が船舶自体の移動に
基づいて行われる。このため、方位角の検出は舷側方向
のx軸方向についてだけ行われ、z軸方向の方位角の検
出は行われない。しかしながら、船舶が停止している場
合など、必要に応じてz方向についての方位角の検出を
行うこともできる。この場合、他の1対の超音波トラン
スジューサをz方向に離間して配置し、各超音波トラン
スジューサによる受信信号の位相差を検出すればよい。
【0028】図4は、表示用データ記憶回路D1に、表
示用データを保持する方法の一例を示す概念図である。
表示用データ記憶回路D1を構成する仮想的な二次元デ
ータメモリの一方のメモリアドレスは、送信時点から所
定時間毎にサンプリングされることにより決まる反射物
体までの距離Rである。この仮想的な二次元データメモ
リの他方のメモリアドレスは、超音波信号の送受信回数
である。この超音波の送受信は通常一定周期で行なわれ
るので、メモリアドレスの送受信回数は、時刻や時間と
等価である。
【0029】送信回数アドレスへのデータの書き込み
は、最新の送受信によって取得された最新の表示用デー
タが、最も先行する送受信によって取得された最古の表
示用データを保持する送受信アドレスの領域に上書きさ
れるという具合に、一定の送受信回数アドレス範囲内で
循環的に行なわれる。各送受信回数アドレスの各深度ア
ドレス領域に、表示用データの反射強度sと偏角gが記
憶される。
【0030】図2の画面表示データ生成部D2は、表示
用データ記憶回路D1に保持中の表示用データを読み出
し、画面表示条件設定部D5から指定されている表示条
件に従って、表示画面を作成し、画面メモリD3に書き
込む。この表示データの書き込みは、同期信号読出アド
レス発生部D4から供給される同期信号によって示され
るブランキング期間に行われる。この画面メモリD3か
らの表示データの読み出しは、上記ブランキング期間に
おけるデータの書き込みの終了後に開始される。
【0031】図5は、図2の表示処理部DSPの画面表
示データ生成部D2によるx−y断面に水底線を補完し
ながら描画する補完描画処理を説明するための概念図で
ある。
【0032】まず、左上のx−y断面a)に例示するよ
うに、物体の表示用データに対応した4個の画像a1、
a2、a3、a4が内蔵のワークメモリ内に描画され
る。この例では、各画像の大きさは表示用データに含ま
れる反射強度の大きさとは無関係に、超音波送受信によ
る物体の検出に際しての空間的な分解能で定まる一定値
に設定される。また各画像に付される着色も各表示用デ
ータに含まれる反射強度の大きさとは無関係に、適宜な
色彩に固定される。4個の画像は、前述した本発明に固
有の性質、すなわち、取得される表示用データの空間密
度の低さのため、相互に離間して表示されている。この
不連続という点で、連続しているはずの水底線とは異な
っている。
【0033】画面表示データ生成部D2は、水底線の補
完描画処理を開始すると、まず、水底線の候補となる画
像群の探索を開始する。この候補となる画像群は、各画
像の特徴や、配列の特徴などに基づいて探索される。そ
のような画像の特徴としては、従来から知られているよ
うに、表示用データに含まれる反射強度が大きいことな
どである。また、各画像の配列に関する特徴としては、
魚体などの他の画像よりも深度が深いことや、複数個の
画像がある程度の水平成分を有して、かつある程度の長
さにわたって配列されていることなどである。この例で
は、左上のx−y断面a)に例示する離間して配列され
る4個の画像とその配列の特徴から、これが水底線の候
補画像群として抽出される。
【0034】次に、x−y断面b)に例示するように、
抽出された候補画像群を構成する各画像の寸法が拡大せ
しめられる。この拡大の倍率として、予め設定されてい
る所定の値、あるいは、最隣接の画像どうしが重なり合
う大きさとなる値のいずれかに設定される。この結果、
拡大された4個の画像b1、b2、b3、b4が重なり
合った大きな画像が作成される。
【0035】続いて、x−y断面c)に例示するよう
に、大きな画像について輪郭線c1の抽出が行われる。
この輪郭線c1の抽出は、画像処理に関する公知の適宜
な手法によって行うことができる。最後に、x−y断面
d)に例示するように、抽出された輪郭線の上半分のみ
を最浅線として残し、下半分を消去することにより曲線
d1が作成される。画面表示データ生成部D2は、この
ようにして作成した曲線d1の長さを、予め設定されて
いる所定値と比較する。曲線d1が所定値以上であれ
ば、これが水底線と見做され、x−y断面中に描画すべ
き水底線として画面メモリD3中に書き込まれる。描画
された水底線の下方の部分には、地中であることを表示
するための土色などの一様な色彩が付される。一方、曲
線d1が所定値未満であれば、水底線でないと見做さ
れ、廃棄される。
【0036】上記補完処理対象の水底線の画像が図5の
x−y断面e)に示すようなものとする。この場合、上
述したような候補画像群を抽出できないことが起こり得
る。次に、かろうじて候補画像群が抽出できて補完描画
を行ったものの、曲線d1の長さが所定値に満たないな
どの理由で、水底線がうまく描画できないことも起こり
得る。このように水底線がうまく描画できない場合に
は、深度が最小の画像e1を通る水平線Lが描画され、
この水平線が水底線と見做される。
【0037】以上、水底線の補完描画処理を、画面表示
データ生成部D2内のワークメモリ上で行う構成を例示
したが、装置全体のメモリ容量の節減などを目的とし
て、この水底線の補完描画処理を、画面メモリD3上で
行う構成とすることもできる。
【0038】本発明の超音波探査装置では、超音波信号
を送信し、物体で生じた反射信号を2個の超音波トラン
スジューサで受信するという超音波信号の送受信動作を
1回だけ行うことにより、所定角度範囲の広い空間から
多次元の位置データが取得される。この結果、所定角度
範囲を電子的あるいは機械的に走査するという従来の構
成に比べて、簡易・安価という利点がある。その反面、
1回の送受信で限られた量の物体の位置データを取得し
ているため、1回の送受信で取得可能な位置データの空
間密度が低下し、角度や精度の低下を招くおそれがあ
る。しかし、水底線については、上述のような補完描画
処理で対処できる。
【0039】以上、船舶が移動しながら反射物体の舷側
方向の方位角を検出して行く場合を例示した。しかしな
がら、船舶が停止した状態で前後についても物体の方位
角を検出する場合にも本発明を適用できる。
【0040】また、魚群探知機への応用を例にとって本
発明の超音波探査装置を説明した。しかしながら、本発
明は魚群探知機への応用に限定されず、空中に超音波を
送信してその反射波を受信する適宜な種類の超音波探査
装置についても適用できる。
【0041】さらに、超音波信号の送受信の周期Tや搬
送波の周波数を固定する場合を例示した。しかしなが
ら、これらについては、船速や探査対象の反射物体の大
きさや種類、あるいは水底の変化の様子に応じて、自動
的にあるいは操作者の指令に基づき変化させる構成とす
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の水
中用超音波探査装置は、表示用データに対して補完処理
を行うことにより断面中に水底線を描画する補完描画処
理手段を備える構成であるから、本発明に固有の少ない
データ量のもとでも、ユーザが従来から慣れ親しんだ連
続的な水底線が描画できるという効果が奏せられる。
【0043】本発明の好適な実施の形態によれば、補完
描画手段による補完処理は、画像の拡大処理と、この拡
大画像の輪郭線の抽出処理と、この輪郭線からの最浅線
抽出処理とを含む構成であるから、簡易な構成のもとで
補完描画処理を実行できるという利点がある。
【0044】さらに、水底線より深い部分を同一色で描
画することにより、水底とその他の部分との判別が容易
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の超音波探査装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】図1のディジタル・シグナル・プロセッサDS
Pの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】図1の超音波探査装置による多次元的な表示画
面の一例を示す概念図である。
【図4】図2の表示用データ記憶回路D1に、表示用デ
ータを保持する方法の一例を示す概念図である。
【図5】上記実施例における海底線の補完描画処理の内
容を説明するためのx−y断面である。
【図6】2個の受信信号の位相差に基づく反射物体の方
位角の検出の原理を説明するための概念図である。
【符号の説明】
CNT コントローラ TX 送信回路 TD1,TD2 超音波トランスジューサ SPL1,SPL2 サンプリング回路 CPMX1,CMPX2 複素合成回路 ARG 位相差検出回路 ADD 加算回路 ABS 絶対値回路 DSP ディジタル・シグナル・プロセッサ DIS 表示装置 DLY 遅延回路 D1 表示用データ記憶回路 D2 画像表示データ生成部 D5 画面表示条件設定部
【手続補正書】
【提出日】平成14年2月18日(2002.2.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】加算回路ADDによる加算結果は、 h=r1 +r2 =A(t)〔 exp j( ωt+φ1 ) + exp j( ωt+φ2 ) 〕 となる。絶対値算定部ABSで算定されるhの絶対値を
sとすれば、 s=A(t) ABS( exp jφ1 + exp jφ2 ) =2A(t) cos〔(φ1 −φ2 )/2〕 となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遠藤 日出樹 神奈川県相模原市下九沢1877−24 (72)発明者 森口 和弘 神奈川県横浜市緑区長津田7−2−6 (72)発明者 横堀 弘幸 東京都八王子市館町589−1−210 (72)発明者 松木 奈緒美 東京都八王子市千人町3−14−19 光ハイ ム403号 Fターム(参考) 5J083 AA02 AB01 AC29 AC30 AC32 AD04 AD17 AE04 BE11 CA01 CA12 EA08 EA14 EA28 EA46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】超音波信号を送信する送信部と、この送信
    された超音波信号の物体による反射波を受信し受信信号
    を出力する複数の受信素子を備えた受信部と、前記複数
    の受信素子の配置と各受信素子から出力される受信信号
    の位相差とから前記物体の方位を検出する方位検出部
    と、前記受信信号の出現時点および振幅から物体の距離
    および反射強度を検出する距離・反射強度検出部と、前
    記検出された方位、距離および反射強度を表示用データ
    として前記物体を画面表示する表示処理部とを備え、移
    動体に搭載される超音波探査装置において、 前記表示処理部は、表示用データに対して補完処理を行
    うことにより断面中に水底線を描画する補完描画手段を
    備えたことを特徴とする超音波探査装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記補完描画手段による補完処理は、前記表示用データ
    から作成される画像を所定の倍率で拡大する処理と、こ
    の拡大によって重なり合った大きな画像からその輪郭線
    を抽出する処理と、この抽出された輪郭線から最浅線を
    抽出する処理とを含むことを特徴とする超音波探査装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記表示処理部は、前記水底線より深い部分を同一色で
    描画することを特徴とする超音波探査装置。
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KR101736340B1 (ko) * 2015-05-07 2017-05-29 소나테크 주식회사 수중 타겟 트래킹 시스템
JP2020008519A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 古野電気株式会社 水中探知装置及び水中探知方法
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