JP2003215179A - 周波数変換処理方法及び回路 - Google Patents

周波数変換処理方法及び回路

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JP2003215179A
JP2003215179A JP2001392779A JP2001392779A JP2003215179A JP 2003215179 A JP2003215179 A JP 2003215179A JP 2001392779 A JP2001392779 A JP 2001392779A JP 2001392779 A JP2001392779 A JP 2001392779A JP 2003215179 A JP2003215179 A JP 2003215179A
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Akira Nara
明 奈良
Osamu Hosoi
修 細井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い範囲でRBWを設定可能にするととも
に、最適な時間領域データの所要データ数を予め算出し
て、最短時間で時間領域データへの変換処理を可能にす
る等の種々の機能を実現する。 【解決手段】 予め設定された中心周波数、周波数スパ
ン、分解帯域幅に基づいて行う周波数変換処理方法に関
する。ステップ104では、分解能帯域幅に応じて、周
波数変換演算に必要な時間領域データの所要データ数を
算出する。ステップ106は、中心周波数及び周波数ス
パンに応じて入力信号をダウン・コンバートするととも
にアナログ・デジタル変換することにより、時間領域デ
ータを生成する。ステップ108では、所要データ数の
時間領域データから周波数変換演算によって周波数領域
データを生成する。ステップ110では、周波数領域デ
ータに対して分解能帯域幅に応じたフィルタ演算を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム・ア
ナライザの主要部を構成するダウン・コンバータ回路を
含む周波数変換処理回路に関し、特に従来の種々の課題
を解決する機能を提供する周波数変換処理回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム・アナライザは、入力信号
の周波数成分を測定する装置であり、周波数成分を波形
の形で表示できる。ユーザが中心周波数、周波数スパン
(SPAN/div)をスペクトラム・アナライザに対して設定
すると、表示画面の中央に来る周波数が中心周波数で、
画面上の1目盛が周波数スパンで定めた周波数の幅とな
るように表示が行われる。
【0003】スペクトラム・アナライザは、より高い周
波数の信号解析を目指した開発が進められてきた。この
ときキーとなるのが、入力信号の周波数を引き下げるダ
ウン・コンバータ回路である。図7は、アナログ的にダ
ウン・コンバートを行うRFダウン・コンバータ回路1
8の基本構成を示すブロック図である。このとき、第1
バンドパス・フィルタ(BPF)10は、出力しようと
するIF(中間周波数)の周波数に応じて、ミキサ12
に供給する入力信号の周波数を制限する。ミキサ12
は、BPF10の出力信号とローカル発信器14の出力
信号をかけ算し、結果として生じるこれら信号の周波数
の和及び差信号を出力する。第2BPF16は、これら
和及び差の信号のいずれか一方を選択的に通過させるよ
うに、その通過帯域が設定される。この処理によって、
先に設定した中心周波数に応じて定まる所定周波数だけ
入力信号の周波数を引き下げて出力することができる。
【0004】スペクトラム・アナライザでは、広帯域の
信号解析を実現するため、図7に示すようなダウン・コ
ンバータ回路を1つだけでなく、縦列に複数用いて入力
信号の周波数を順次引き下げる手法が用いられている。
そして、多くの場合、その最後のBPFの通過帯域幅に
よって、そのスペクトラム・アナライザの分解能帯域幅
(Resolution Bandwidth;RBW)が定められる。更
に、複数のRBWを設定可能とするため、BPFを並列
に配置し切り替える構成も用いられている。図8は、こ
うした従来例を示すブロック図である。RFダウン・コ
ンバータ回路18から出力されたIF信号は、第2ミキ
サ20において第2のローカル発信器22の出力信号と
かけ算され、結果として生じるこれら信号の周波数の和
及び差信号を出力する。並列に配置されたBPF24
A、24B及び24Cは、それぞれ異なる通過周波数帯
域を有し、スイッチ26がこれらBPF24A、24B
及び24Cの出力信号(IF信号)を選択的に出力す
る。
【0005】ダウン・コンバータ回路は、従来、アナロ
グ回路で構成されてきたが、半導体技術の進展により、
同等のことがDSP(デジタル・シグナル・プロセッ
サ)でも実現可能となってきた。例えば、特開平10−
190508号公報は、DSPでデジタル的にアナログ
のバンドパス・フィルタ、ローカル発信器(LO)及び
ミキサと同等の機能を実現する発明を開示している。
【0006】図9は、DSPを用いたデジタル・ダウン
・コンバータ(DDC)とアナログのRFダウン・コン
バータを併用した従来のスペクトラム・アナライザの主
要部(周波数変換回路)の一例を示す機能ブロック図で
ある。DDCだけで構成せず、RFダウン・コンバータ
を併用するのは、大きなダウン・コンバートを行うに
は、いまもってアナログのRFダウン・コンバータの方
がDDCよりも適しているからである。これらのブロッ
クは、図示せずもCPU(中央演算装置)とバスで接続
され、CPUの制御の下で動作する。また、生成された
データは、やはりバスで接続されたRAM(ランダム・
アクセス・メモリ)や、HDD(ハードディスク・ドラ
イブ)などの記憶装置に転送され、データが処理された
り記録されたりする。HDDは、また、回路全体の動作
を記述したプログラムも記憶している。
【0007】ところでRFダウン・コンバータ回路は、
高周波数回路で構成されているため、レベルの大きい直
流成分を受けると破壊される恐れがある。よって、スペ
クトラム・アナライザの入力部分がRFダウン・コンバ
ータ回路だけで構成されていると、直流成分まで測定で
きない。図9に示す回路では、この問題を解決するた
め、入力部分に2つのバンドパスを設けている。即ち、
直流成分及びこれに近い低周波数を通過させる第1バン
ドパスと、高周波数成分を通過させる第2バンドパスの
2つの信号経路から構成されている。具体的には、第1
バンドパスは、主にバッファ増幅回路32で構成され、
第2バンドパスは、主にRFダウン・コンバータ回路1
8で構成される。
【0008】入力信号(被測定信号)は、第1バンド・
スイッチ30に入力され、その周波数に応じて出力端子
A1又はA2に選択的に出力される。ユーザが入力信号
の周波数の直流成分から所定の周波数より低い周波数成
分の測定を希望する場合には、入力信号は出力端子A
1、バッファ増幅回路32を通過して、第2バンド・ス
イッチ34の入力端子B1に供給される。第1バンド・
スイッチ30が入力信号のどの周波数までを出力端子A
1に出力するかは、ダウン・コンバートしなくともアナ
ログ・デジタル変換回路(ADC)36以降の回路で処
理できる程度の周波数とすれば良い。一方、ユーザが上
記所定周波数を越える周波数成分の測定を希望する場合
では、入力信号は出力端子A2、RFダウン・コンバー
タ回路18を通過して、第2バンド・スイッチ34の入
力端子B2に供給される。第2バンド・スイッチ34
は、これら2つバンドパスからの信号を選択的にアナロ
グ・デジタル変換回路(ADC)36に供給する。
【0009】なお、ユーザは、CPUに接続された操作
パネル(図示せず)を通じて、中心周波数、周波数スパ
ンを設定することで測定希望の周波数帯域を指定する。
第1及び第2バンドパスの選択は、ユーザが設定した中
心周波数及び周波数スパンに応じてCPUが自動的に行
うので、これについてユーザは特に意識する必要はな
い。
【0010】第2バンド・スイッチ34から出力された
信号は、アナログ・デジタル変換回路(ADC)36で
デジタル信号に変換される。ADC36の出力するデジ
タル信号は、デジタル・ダウン・コンバータ(DDC)
回路38で周波数ダウン・コンバートが行われる。DD
C回路38が出力した時間領域データは、FFT(Fast
Fourier Transform)回路42で周波数領域データに変
換(周波数変換)される。このとき、FFT回路42が
周波数変換する時間領域データのデータ数は、FFT回
路42の設計を容易にするために一定(固定長)となっ
ている。よって、例えば、周波数スパンを広くすれば、
ADCが入力信号をサンプリングしてデジタル化するレ
ートを低くすると同時に、データ取込み時間を長くし
て、固定のデータ数に達するまでデータが収集される。
【0011】FFT回路42から出力された周波数領域
データは、演算によって求めたものであるため、変換に
用いた時間領域データのデータ数で定まる最も狭い(つ
まり、最高分解能の)分解能帯域幅(RBW)になって
いる。もちろん、このままでも時間領域データとして、
どこに周波数のピークがあるかといった測定に使用する
ことができる。しかし、一定の周波数幅にどの程度の電
力があるのかを測定したいというニーズがあり、そのた
めには分解能帯域幅を任意に変更できる必要がある。ま
た、FFT回路42が出力する時間領域データは、デー
タ数で計算上定まる中途半端な分解能帯域幅であるた
め、例えば、80MHzといった区切りのよい分解能帯
域幅にはならないという問題もある。
【0012】分解能帯域幅(RBW)演算回路44は、
こうした要求に応えるもので、分解能帯域幅(RBW)
として設定した周波数幅に関して積分して得られる周波
数領域データを生成する。RBW演算回路44から出力
された周波数領域データは、波形として表示されたり、
そのまま数値として周波数分析に使用されたりする。図
10は、周波数領域データを波形として表示した例を示
す。このとき、横軸は周波数軸であり、縦軸は電力(d
B)である。なお、RBW演算回路44のフィルタ特性
には、ガウシアン特性が最も多く利用されるが、ユーザ
のニーズに応じて矩形特性なども用いられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本願が開示する発明
は、スペクトラム・アナライザの主要部を構成するダウ
ン・コンバータ回路を含む周波数変換処理回路に関する
いくつかの課題を解決し、これによってより高機能なス
ペクトラム・アナライザを実現可能にしようとするもの
である。
【0014】スペクトラム・アナライザでは、入力信号
を多角的に測定するためには、分解能帯域幅(RBW)
を広範囲に設定できることが望ましい。このとき、得ら
れた周波数領域データについて、RBWを広くするのは
積分する周波数幅を広くすれば良いため比較的容易であ
る。しかし、最も狭い(最高分解能の)RBWを得るこ
と(よってRBW演算を行なってない場合)は、時間領
域データのデータ数の多さで決まる。ところが、従来
は、FFT回路の設計を容易にする都合(回路規模を小
さくしたいなど)上から、周波数変換演算に使用する時
間領域データのデータ数を一定(固定長)としていたの
で、このデータ数により、RBWの設定可能な最小幅も
制限されていた。また、時間領域データのデータ数を増
やすことが可能になったとしても、周波数領域データ数
をむやみに増加させると、FFT回路の演算時間が増加
し、スループットの悪化を招くので、必要に応じて適切
なデータ数を生成できることが望ましい。
【0015】そこで本願の第1の発明は、スループット
の悪化を抑制しつつ、分解能帯域幅(RBW)のより自
由な設定を可能にしようとするものである。
【0016】また、Bluetooth(商標)無線技術では、
無線でデータを送信中に、その搬送波の周波数を頻繁に
変更(ホッピング)し、これによって無線データ通信中
における妨害電波の悪影響を低減する方法を採用してい
る。そこで、こうした搬送波の測定には、異なる周波数
帯域をほぼ同時に測定することが望まれる。しかし、高
い周波数までリアルタイムで測定可能なスペクトラム・
アナライザはきわめて高価であるため、複数用意するの
はコスト的に困難な場合も多い。このため、1台のスペ
クトラム・アナライザ(即ち、周波数変換処理回路が1
つの構成)で、被測定周波数帯域を可能な限り高速に切
り替えて測定できることが望ましい。
【0017】このとき、図8に示すアナログ回路による
構成を用いた場合では、被測定周波数帯域を切り替えた
ときに、得られるデータの特性が安定するまでに時間が
かかるという問題がある。これは、いくつかの原因があ
るが、その1つはアナログのBPFの特性が安定するの
に時間がかかる点である。また、測定する周波数帯域を
変更したときにはローカル発振器の発振周波数も変更す
るので、周波数が安定するのに時間がかかるという点も
ある。DSPを用いたデジタル・ダウン・コンバータ回
路を用いれば、こうした時間は低減される。しかし、そ
れでも演算に要する時間のため、被測定周波数帯域の切
替に要する時間をゼロとすることはできない。
【0018】こうした測定結果が安定するまでの時間的
ブランクのため、異なる周波数帯域を切替て測定する場
合には次の問題がある。即ち、第1の周波数帯域を測定
した時点と、第2の周波数帯域を測定した時点で、測定
条件が変化してしまうという問題である。よって、切替
に時間を要するにしても、異なる被測定周波数帯域間の
関係を把握するため、切替に要した時間がわかるように
する必要がある。もし切替に要した時間が判明していれ
ば、想定外の測定結果が得られた場合でも、原因の追求
が容易になるからである。
【0019】そこで本願の第2の発明は、被測定周波数
帯域を切り替えたときに、その切替に要した時間を記録
できる機能を提供しようとするものである。
【0020】更に、上述のように、アナログのRFダウ
ン・コンバータ回路は、高周波数信号を処理する回路構
成となっているため、入力信号にレベルの大きい直流成
分があると破壊される恐れがある。そこで、高周波数か
ら直流成分までの測定を可能にするため、従来から直流
成分及びこれに近い低周波数を通す第1バンドバスと、
高周波数用の第2バンドパスを設ける構成が知られてい
る。しかし、誤って過大な直流成分を第2バンドパスに
流し、破損させる場合もあった。
【0021】そこで、本願の第3の発明は、高周波数波
成分から直流成分まで測定可能という従来の回路構成の
長所を生かしつつ、入力信号(被測定信号)の直流成分
がある所定レベル以上の場合には、RFダウン・コンバ
ータ回路への入力信号の入力を禁止することで、RFダ
ウン・コンバータ回路を破壊の危険から保護する機能を
提供しようとするものである。
【0022】
【課題を解決する為の手段】本願の第1の発明は、予め
設定された中心周波数、周波数スパン、分解帯域幅に基
づいて行う周波数変換処理方法に関する。第1ステップ
では、分解能帯域幅に応じて、周波数変換演算に必要な
時間領域データの所要データ数を算出する。第2ステッ
プでは、中心周波数及び周波数スパンに応じて入力信号
をダウン・コンバートするとともにアナログ・デジタル
変換することにより、時間領域データを生成する。第3
ステップでは、所要データ数の時間領域データから周波
数変換演算によって周波数領域データを生成する。第4
ステップでは、周波数領域データに対して分解能帯域幅
に応じたフィルタ演算を行う。この発明では、特に分解
能帯域幅に応じて周波数変換演算に必要な時間領域デー
タの所要データ数を予め算出しておくことで、ユーザを
希望する分解能帯域幅を幅広く設定可能にしつつ、最小
データ数の時間領域データを生成し、周波数領域データ
への変換演算を行うので、スループットの低下も最小限
に抑えることができる。
【0023】第1発明は、別の見方によれば、予め設定
された中心周波数、周波数スパン、分解帯域幅に基づい
て行う周波数変換処理回路である。CPU、RAMなど
から構成される演算手段は、分解能帯域幅に応じて、周
波数変換演算に必要な時間領域データの所要データ数を
算出する。時間領域データ生成手段は、中心周波数及び
周波数スパンに応じて入力信号をダウン・コンバートす
るとともにアナログ・デジタル変換することにより、時
間領域データを生成する。周波数変換手段は、所要デー
タ数の時間領域データを演算によって周波数領域データ
に変換する。フィルタ演算手段は、周波数領域データに
対して分解能帯域幅に応じたフィルタ演算を行う。更に
は、例えば、ダブルポート・メモリで構成される記憶手
段を設けてもよく、これによれば時間領域データ生成手
段からの時間領域データを記憶しつつ、周波数変換手段
に所要データ数の時間領域データを供給することも可能
になる。
【0024】次に本願の第2の発明であるが、これは第
1及び第2の2つの被測定周波数帯域を指定するために
予め設定された第1中心周波数、第1周波数スパン、第
2中心周波数及び第2周波数スパンに基づいて行う周波
数変換処理方法に関する。第1ステップでは、第1中心
周波数及び第1周波数スパンに応じて入力信号をダウン
・コンバートするとともにアナログ・デジタル変換する
ことにより、第1時間領域データを生成する。第2ステ
ップでは、第1時間領域データを記憶手段に記憶する。
第3ステップでは、第1時間領域データを演算によって
周波数変換することにより、第1周波数領域データを生
成する。第4ステップでは、第2中心周波数及び第2周
波数スパンに応じて入力信号をダウン・コンバートする
とともにアナログ・デジタル変換することにより、第2
時間領域データを生成する。第5ステップでは、第2時
間領域データを記憶手段に記憶する。第6ステップで
は、第2時間領域データを演算によって第2周波数領域
データに変換する。そして、第7ステップでは、第2ス
テップで第1時間領域データを記憶した時間における特
定時刻と、第5ステップで第2時間領域データを記憶し
た時間における特定時刻との記憶時刻差分を算出する。
これによって、第1及び第2の被測定周波数帯域に関す
る測定データを取り込んだ時刻の差分をデータとして得
ることができる。
【0025】このとき、特定時刻は、例えば、記憶手段
が第1及び第2時間領域データそれぞれの記憶を開始し
た時刻、第1及び第2時間領域データそれぞれの記憶を
終了した時刻、又は第1及び第2時間領域データそれぞ
れの記憶の開始から終了までの中間の時刻の何れかとし
ても良い。これは、ユーザが所望の時刻を設定できるよ
うに回路を設計すると良い。
【0026】また、第2発明の周波数変換処理方法にお
いて、第1及び第2分解能帯域幅が更に予め設定されて
いる場合では、第3ステップにおいて更に第1周波数領
域データに対して第1分解能帯域幅によるフィルタ演算
を行い、第6ステップにおいて更に第2周波数領域デー
タに対して第2分解能帯域幅によるフィルタ演算を行う
ようにしても良い。
【0027】更に、第1ステップの前に、第1分解能帯
域幅に応じた第1周波数領域データの作成に必要な第1
時間領域データの第1所要データ数を算出するステップ
と、第4ステップの前に、第2分解能帯域幅に応じた第
2周波数領域データの作成に必要な第2時間領域データ
の第2所要データ数を算出するステップとを更に設ける
ようにしても良い。そして、第3ステップにおいて、第
1所要データ数の第1時間領域データを演算によって第
1周波数領域データに変換し、第6ステップにおいて、
第2所要データ数の第2時間領域データを演算によって
第2周波数領域データに変換すると良い。これによっ
て、それぞれの被測定周波数帯域に関し、ユーザの希望
する分解能帯域幅に対して最適なデータ数の時間領域デ
ータが用意されるので、その分解能帯域幅における最も
短い演算時間で時間領域データを取込み、周波数変換等
の処理可能になる。
【0028】以上の方法で得られた第1周波数領域デー
タ、第2周波数領域データ及び記憶時刻差分を表示手段
に表示するようにしても良い。これにより、入力信号の
2つの異なる被測定周波数帯域に関して取り込んだ周波
数領域データをほぼ同時に近い形で表示できると同時
に、これらを取り込んだ時刻の差分データも表示される
ので、予想外のデータが得られた場合でも、その原因追
求が容易となる。もちろん、第1の被測定周波数帯域と
第2の被測定周波数帯域それぞれの周波数領域データの
取込み(記憶)を、本発明の方法に従って交互に実施し
ても良い。更に、3つ以上の周波数帯域を測定する場合
についても、本発明の方法を順次適用することで実現可
能である。
【0029】本願の第2の発明は、別の見方によれば、
周波数変換処理回路に関する。時間領域データ生成手段
は、第1中心周波数、第1周波数スパン、第2中心周波
数及び第2周波数スパンの設定を受けて、入力信号を第
1中心周波数及び第1周波数スパンに応じてダウン・コ
ンバートするとともにアナログ・デジタル変換すること
により第1時間領域データを生成するのに続いて、入力
信号を第2中心周波数及び第2周波数スパンに応じてダ
ウン・コンバートするとともにアナログ・デジタル変換
することにより、第2時間領域データを生成する。記憶
手段は、例えば、バッファ・メモリで構成され、第1時
間領域データを記憶するのに続いて、第2時間領域デー
タを記憶する。周波数変換手段は、例えば、DSP(デ
ジタル・シグナル・プロセッサ)で構成され、第1時間
領域データを演算によって第1周波数領域データに変換
するのに続いて、第2時間領域データを演算によって第
2周波数領域データに変換する。そして演算手段は、記
憶手段が第1時間領域データを記憶した時間の特定時刻
と、第2時間領域データを記憶した時間の特定時刻との
記憶時刻差分を算出する。これによって、入力信号の2
つの被測定周波数帯域に関する周波数領域データの記憶
時刻の差(記憶時刻差分)、即ち、被測定周波数帯域の
切替に要した時間が明確になる。更には、表示手段を設
けて、第1周波数領域データ、第2周波数領域データ及
び記憶時刻差分を表示するようにしても良い。
【0030】本願の第3の発明は、周波数変換回路に対
してダウン・コンバータ回路を過大な直流成分による破
損から保護する機能を提供する。このとき、本願の第3
発明による周波数変換回路は、第1及び第2バンドパス
を有しており、第1バンドパスは入力信号の直流成分か
ら所定周波数成分までを増幅し、第2バンドパスは入力
信号の所定周波数を越える周波数成分をダウン・コンバ
ートする。第1バンド・スイッチは、第1バンドパス及
び第2バンドパスへの入力信号の供給を制御可能になっ
ている。また、第2バンド・スイッチは、第1バンドパ
ス及び第2バンドパスの出力信号を選択的に出力する。
アナログ・デジタル変換手段は、第2スイッチの出力信
号を時間領域データに変換する。周波数変換手段は、時
間領域データを周波数領域データに変換する。制御手段
は、第1バンド・スイッチを制御して入力信号を第1バ
ンドパスにのみ供給させ、周波数変換手段を制御して直
流成分を含む周波数領域データを生成させ、直流成分が
所定レベルを越える場合には第1バンド・スイッチが入
力信号を第2バンドパスに供給するのを禁止する制御を
行う。これによって、過大な直流成分が第2バンドパス
に流れるのを禁止するので、アナログ・デジタル変換す
る前のアナログの入力信号をダウン・コンバートするダ
ウン・コンバータ回路が破損されるのを防止できる。な
お、制御手段は、例えば、CPUを中心として構成され
る。
【0031】
【発明の実施の形態】なお、以下に述べる実施形態は、
本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種
々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説
明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、
これらの態様に限られるものではない。
【0032】図1は、本発明による周波数変換処理回路
の実施形態の一例の機能ブロック図である。周波数変換
処理回路は、スペクトラム・アナライザの主要部を構成
する。各機能ブロックは、実際にはCPU(中央演算装
置)を中心に、RAM(ランダム・アクセス・メモ
リ)、HDD(ハードディスク・ドライブ:大容量不揮
発性記憶装置)等とバスによって接続され、CPUの制
御の下で動作する。しかし、図1では、説明の都合上、
信号処理の流れに沿った形で各機能ブロックを記載して
いる。また、CPU、RAM及びHDDは、それだけで
単独の機能を果たすものでないため図示していない。以
下では、従来例と対応する機能を果たすブロックには、
同じ符号を付して説明する。
【0033】図7と比較すると、まず、機能ブロックと
しては、バッファ・メモリ40が新たに追加された点が
異なっている。また、FFT回路43は、図7のFFT
回路42が周波数領域データを作成する際に使用する時
間領域データのデータ数が一定(固定長)だったのに対
し、演算に使用可能な時間領域データのデータ数が従来
よりも多くなると同時に、必要に応じて使用するデータ
数を変更できる(可変長)である点が異なっている。更
に、以下で説明するように、動作を制御するプログラム
にも違いがある。プログラムは予め作成され、例えば、
HDDに記憶されている。
【0034】図2は、本願の第1発明の実施形態による
動作のフローチャートである。これによれば、ユーザが
希望する分解能帯域幅(RBW)に応じて周波数領域デ
ータの作成に使用する時間領域データの最適な所要デー
タ数を算出する。よって、データ数をむやみに増加させ
ないので、所望の幅の狭い(即ち、高分解能の)分解帯
域幅を実現しつつ、演算時間も所望の分解帯域幅におい
て最小に抑えることができる。
【0035】ユーザは、測定を希望する入力信号の周波
数帯域に応じて、中心周波数、周波数スパン、分解能帯
域幅(RBW)を設定する(ステップ102)。する
と、本発明の周波数変換処理回路では、CPU(図示せ
ず)が設定されたRBWに応じて、周波数領域データの
作成に使用する時間領域データの最適な所要データ数を
算出する(ステップ104)。即ち、RBWが狭い(高
分解能)場合では、所要データ数が多く、逆にRBWが
広い場合では所要データ数が少なくなる。
【0036】周波数変換処理回路は、中心周波数、周波
数スパンに応じて、従来と同様にダウン・コンバート処
理を行うとともにアナログ・デジタル変換を行うことに
よって、時間領域データを作成する(ステップ10
6)。このとき、ダウン・コンバート処理は、アナログ
のRFダウン・コンバータとデジタル・ダウン・コンバ
ータ(DDC)を組み合わせても良く、好適には図1の
破線28で示されるブロック内のように構成される。し
かし、DDCを用いず、図7又は図8に示すアナログの
ダウン・コンバータ回路とADCだけで構成しても良い
(ただし、以下で説明する第2発明に第1発明を応用す
る場合においては、DDCを用いることが好ましい)。
【0037】ダウン・コンバータ・ブロック28から出
力された時間領域データは、バッファ・メモリ40に一
時的に蓄積するようにすると良い。バッファ・メモリ4
0内の時間領域データ数が先に求めた所要データ数に達
すると、FFT回路43はバッファ・メモリ40からこ
の所要データ数の時間領域データを読み出して、高速フ
ーリエ変換(FFT)演算により、周波数領域データに
変換する(ステップ108)。時間領域データのデータ
数を増やすには、それだけ長い時間入力信号をサンプリ
ングすれば良い。なお、所要データ数に達するまでの時
間はサンプリング・レートによっても変化するが、これ
は周波数スパンに応じてその周波数成分をサンプリング
するのに適切なレートが決まるので、これを使用すれば
良い。
【0038】なお、バッファ・メモリ40は、本発明の
第1実施形態を実現する上では必須の要素ではなく、F
FT回路43が所要データ数の時間領域データを直接受
け取って、FFT演算するようにしても良い。しかし、
バッファ・メモリ40を用いると、図3に示すような並
列処理が可能になる。即ち、中心周波数、周波数スパ
ン、RBWを設定する(ステップ102)のに続いて、
直ちに時間領域データの作成を開始し(ステップ10
6)、バッファ・メモリ40に時間領域データを記憶す
る(ステップ107)動作と並行して、RBWに応じて
時間領域データの所要データ数の算出(ステップ10
4)を行うことが可能になる。
【0039】更に言えば、バッファ・メモリ40には、
ダブル・ポート・メモリを利用すると良い。これによっ
て、ダウン・コンバータ・ブロック28が出力する時間
領域データを常に取込み(記憶し)つつ、FFT回路4
3に時間領域データを供給するという並列動作が可能に
なる。これは、入力信号を途切れなく常にデータとして
取込み(記憶し)、測定可能にする点で製品化する上で
は望ましい。
【0040】RBW演算回路44は、FFT回路43が
出力する周波数領域データに対して先に設定したRBW
によってフィルタ演算を行う(ステップ110)。これ
は、具体的には、RBWで設定した周波数幅に関し、電
力を積分するものである。フィルタ演算の結果はRAM
に転送され、更にそこから表示器に送られて波形として
表示されたり(ステップ114)する。もちろん、HD
Dに転送されて記憶され、各種の分析に利用される場合
もある。これら動作は、周知であるため詳細は省略す
る。
【0041】上述のように、本願の第1発明による実施
形態では、ユーザが希望する分解能帯域幅(RBW)に
応じて、CPUが予め用意されたプログラムに従って周
波数領域データの作成に使用する時間領域データの最適
な所要データ数を算出する。これによって、従来の固定
長であれば、所望のRBWに対して必要以上に多数の時
間領域データを作成してしまうところ、本発明では最小
数の時間領域データしか作成しないので、周波数変換等
の演算時間を短くできる。その一方で、RBWの幅を狭
く(よって高分解能に)したい場合では、それに必要な
データ数の時間領域データを作成する。これらの結果と
して、本発明によれば、所望のRBWを幅広く設定可能
になると同時に、最小演算時間で周波数変換処理等が可
能になる。
【0042】図4は、本願の第2発明による実施形態の
一例の動作フローチャートである。これは、複数の周波
数帯域を近似的に同時に測定したい場合に効果的な方法
である。例えば、入力信号の第1の周波数帯域における
周波数成分の変化で、第2の周波数帯域における周波数
成分がどのような影響を受けるか、といった測定をした
い場合に効力を発揮する。
【0043】ユーザは、入力信号の測定を希望する第1
及び第2被測定周波数帯域をスペクトラム・アナライザ
に対して指定する。具体的には、第1被測定周波数帯域
を指定するために、第1中心周波数、第1周波数スパン
を設定し、同様に、第2被測定周波数帯域を指定するた
めに、第2中心周波数、第2周波数スパンを設定する
(ステップ202)。これらを設定する順番は、任意で
ある。
【0044】次に、第1周波数領域データの作成に使用
する第1時間領域データのデータ数を設定する(ステッ
プ205)。ただし、この第1時間領域データの所要デ
ータ数(第1所要データ数)は、初期設定では例えば1
024ポイントに設定されており、ユーザが特に変更し
たい(より高い分解能が欲しいなどの)場合でなければ
そのままで良い。よって、このステップ205はパスし
ても良い。ステップ207も同様である。
【0045】これらの設定に基づいて、周波数変換処理
回路は入力信号のデータの記憶を始める。まず、ダウン
・コンバータ・ブロック28において、入力信号の第1
周波数帯域に関し、第1中心周波数及び第1周波数スパ
ンに基づいて、ダウン・コンバート及びアナログ・デジ
タル変換を行って第1時間領域データを作成し、バッフ
ァ・メモリ40に記憶する(ステップ208)。CPU
は、バッファ40に書き込まれたデータ数を監視し、設
定した第1所要データ数に達したか否かを判断する(ス
テップ210)。
【0046】第1時間領域データが第1所定データ数に
達すると、次に第2中心周波数及び第2周波数スパンに
基づいて、ダウン・コンバート及びアナログ・デジタル
変換を行って第2時間領域データを作成し、バッファ・
メモリ40に記憶する(ステップ212)。CPUは、
バッファ40に記憶されたデータ数を監視し、第2時間
領域データが設定した第2所要データ数に達したか否か
を判断する(ステップ214)。
【0047】第2時間領域データが第2所要データ数に
達すると、CPUは、ステップ208で第1時間領域デ
ータのバッファ・メモリ40への記憶を開始した時刻
と、ステップ212で第2時間領域データのバッファ・
メモリ40への記憶を開始した時刻の差分(記憶時刻差
分)を算出する(ステップ216)。もし測定終了せず
継続する場合では、ステップ218からステップ208
に戻って上述の動作を繰り返す。
【0048】話をステップ210に戻すと、このステッ
プで用意できた第1所要データ数の第1時間領域データ
は、バッファ・メモリ40からRAM(図示せず)に転
送される(ステップ230)。CPUは、RAMにある
第1所要データ数の第1時間領域データを第1周波数領
域データに変換し(ステップ232)、表示器46に第
1周波数領域データを波形として表示する(ステップ2
37)。同様に、ステップ214で用意できた第2所要
データ数の第2時間領域データは、バッファ・メモリ4
0からRAMに転送される(ステップ240)。CPU
は、RAMにある第2所要データ数の第2時間領域デー
タを第2周波数領域データに変換し(ステップ24
2)、表示器46に第2周波数領域データを波形として
表示する(ステップ247)。これらの波形表示は、典
型的には、1画面上に表示する2つのウィンドウのそれ
ぞれに、縦軸を電力(dB:デシベル)、横軸を周波数
とする2次元平面グラフを表示することで行う。これら
2つに加え、ステップ216で算出した記憶時刻差分デ
ータも、同じ画面上に表示する(ステップ250)。
【0049】本願の第2発明の実施形態よれば、第1被
測定周波数帯域と第2被測定周波数帯域それぞれの周波
数成分を交互に連続して取り込むことで、あたかも2つ
の異なる周波数帯域の周波数成分を近似的に同時に取り
込んでいるかのように測定することが可能になる。もち
ろん、実際には、これらの2つの周波数帯域に関して得
られた周波数領域データは、記憶時刻差分だけ時間的な
ギャップがあるので、まったくの同時ではない。しか
し、入力信号にある程度安定していれば、この記憶時刻
差分は無視しても問題となら場合が多い。また、仮に測
定周波数帯域の切替時間内において起こったことが原因
で周波数領域データに予想外のデータが現れた場合で
も、記憶時刻差分(即ち、2つの被測定周波数帯域の切
替時間)が明確になっているので、原因を特定すること
が容易になる。
【0050】なお、上述では、第1及び第2被測定周波
数帯域の時間領域データを記憶し始めたそれぞれの時刻
の差分を記憶時刻差分としているが、他の特定時刻を基
準に用いても良い。例えば、第1及び第2被測定周波数
帯域の時間領域データのそれぞれの記憶の終了時刻の差
分を取っても良い。更には、それぞれの記憶開始及び終
了時間の任意の中間時刻(開始及び終了時間の5:5又
は2:8の位置など)を特定時刻として、これらの差分
を記憶時刻差分としても良い。これらは、ユーザが操作
パネルから希望に応じて設定できるようにすることが望
ましい。
【0051】図5は、第2発明による実施形態の変形例
のフローチャートである。これは、第1実施形態の考え
方を第2実施形態に適用したものと考えることができ
る。以下では、図4の場合と異なる部分について特に説
明する。まず、ステップ202においては、測定したい
第1及び第2の周波数帯域に関し、第1及び第2中心周
波数、第1及び第2周波数スパンに加えて、ユーザがそ
れぞれに所望の第1及び第2RBWも設定する。そし
て、これに合わせて周波数領域データの作成に使用する
時間領域データの最適な所要データ数をそれぞれ算出
(ステップ204及びステップ206)し、以降の処理
を行う。
【0052】ステップ234では、ステップ232で得
られた第1所要データ数の第1周波数領域データに対
し、RBW演算回路44は第1RBWに応じてフィルタ
演算を行う。演算に使用するデータ数が適切に調整され
ているため、適切な分解能を得ることができると同時
に、演算時間もその分解における最低限で済む。同様に
ステップ244では、ステップ242において得られた
第2所要データ数の第2周波数領域データに対し、RB
W演算回路44は第2RBWに応じてフィルタ演算を行
う。
【0053】図5に示す第2発明による実施形態の変形
例によれば、ユーザが希望するRBWを幅広く設定でき
ると同時に、周波数変換等の演算時間もそのRBWにお
ける最短のものとなる。よって、異なる周波数帯域の周
波数領域データの取込みの切替にかかる時間を更に縮め
ることが可能になる。
【0054】本願の第3発明は、図1に示す2つのバン
ドパスを有する回路構成において、第2バンドパスを構
成するアナログのRFダウン・コンバータ回路18が、
過大な直流成分によって破壊されるのを防止するための
機構に関する。図6は、第3発明による実施形態の動作
フローチャートである。入力信号の測定を始める前にこ
の動作を行うことで、第2バンドパスに過大な直流成分
が入力されないように制御できる。本願の第3発明は、
第1バンドパスを設けたことで、高周波数だけでなく、
直流成分まで幅広く周波数測定可能な従来回路の特徴を
生かしたものと言える。
【0055】図6を参照すると、ステップ302では、
直流成分を含むように中心周波数及び周波数スパンをF
FT回路43に設定する。例えば、中心周波数5MH
z、周波数スパン10MHzなどと設定すれば良い。ス
テップ304では、第1バンド・スイッチ30を制御
し、第1バンドパスにのみ入力信号を供給する。第1バ
ンドパスであっても、あまりに過大な直流成分が入力さ
れれば破損することもあるが、その許容範囲は第2バン
ドパスに比較すれば大幅に広くなっている。入力信号
は、バッファ増幅回路32、第2バンド・スイッチ34
を通過し、ADC36でアナログ・デジタル変換されて
時間領域データになる。ADC36が出力する時間領域
データは、バッファ・メモリ40に取り込まれる(ステ
ップ306)。DDC38については、ここでは周波数
が充分に低いため、そのダウン・コンバートの機能は使
用しない。バッファ・メモリ40に蓄積された時間領域
データは、FFT回路43で周波数領域データに変換さ
れる(ステップ308)。
【0056】この周波数領域データには、直流成分が含
まれるので、この直流成分レベルをCPUが所定レベル
を越えるものか否かを判断する(ステップ310)。直
流成分レベルが所定レベルを越えていない場合(ステッ
プ310のNoの場合)では、第1バンド・スイッチ30
を制御し、第1及び第2バンドパスの両方に入力信号可
能とする(ステップ320)。どちらのバンドを使用す
るかは、測定を希望する入力信号の周波数帯域に応じて
CPUが選択する。一方、直流成分レベルが所定レベル
を越える場合(ステップ310のYesの場合)には、C
PUは第1バンド・スイッチ30を制御し、第2バンド
パスに入力信号が入力されるのを禁止する(ステップ3
12)。
【0057】その後も、CPUは直流成分レベルが所定
レベルを越えているか監視し続け、越えている場合(ス
テップ314のYesの場合)には、ステップ312に戻
って第1バンド・スイッチ30を制御し、第2バンドパ
スに入力信号が入力されるのを禁止し続ける。一方、も
し、直流成分レベルが所定レベルを越えないようになっ
たら(ステップ314のNoの場合)、ステップ320に
飛んで、第1バンド・スイッチ30を制御し、第1及び
第2バンドパスの両方に入力信号を供給可能とする。こ
れ以降は、通常の測定状態に戻る(ステップ322)。
即ち、ユーザが希望する被測定周波数帯域に応じて、第
1及び第2バンドパスのどちらを使用するかをCPUが
判断する。
【0058】このように、第3の本発明によれば、入力
信号の直流成分が所定レベルを越えている場合には、ア
ナログのRFダウン・コンバータ回路18で構成される
第2バンドパスへの入力信号の供給を禁止するので、R
Fダウン・コンバータ回路18の破損を防止できる。
【0059】上述のように、本願の発明によれば、周波
数変換処理において有用な種々の機能を提供する。1つ
には、RBWの処理データ数を最適なものとすること
で、幅広いRBWを設定可能にする。また、この処理に
よって複数の周波数帯域を測定したい場合において、周
波数帯域の切替を最短時間で行える。このとき、周波数
帯域の切替時間を記録しており、切替にかかった時間を
表示可能となっている。これにより、被測定周波数帯域
の切替中に予想外の事象により予想外の結果がデータに
現れても、その原因追求を容易に行えるようになる。更
に、本発明による周波数変換処理回路では、高周波数成
分だけでなく直流成分まで広い周波数帯域に渡って測定
可能という既存の回路構成を生かしたまま、高周波数回
路であるRFダウン・コンバータ回路に過大な直流成分
が流れることを防止し、RFダウン・コンバータ回路の
破損を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による周波数変換処理回路の実施形態の
一例の機能ブロック図である。
【図2】本願の第1発明の実施形態による動作のフロー
チャートである。
【図3】本願の第1発明の実施形態の変形例を示すフロ
ーチャートである。
【図4】本願の第2発明による実施形態の一例の動作フ
ローチャートである。
【図5】本願の第2発明による実施形態の変形例のフロ
ーチャートである。
【図6】本願の第3発明による実施形態の動作フローチ
ャートである。
【図7】アナログ的にダウン・コンバートを行うRFダ
ウン・コンバータ回路の基本構成を示すブロック図であ
る。
【図8】アナログ的にダウン・コンバートを行うRFダ
ウン・コンバータ回路の応用例を示すブロック図であ
る。
【図9】DDCとアナログのRFダウン・コンバータを
併用した従来のスペクトラム・アナライザの主要部(周
波数変換回路)の一例を示す機能ブロック図である。
【図10】電力対周波数の波形図の一例を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 第1BPF 12 ミキサ 14 ローカル発信器 16 第2BPF 18 ダウン・コンバータ回路 20 第2ミキサ 22 第2ローカル発信器 24 並列BPF 26 BPFスイッチ 28 ダウン・コンバータ・ブロック 30 第1バンド・スイッチ 32 バッファ増幅回路 34 第2バンド・スイッチ 36 アナログ・デジタル変換回(ADC) 38 デジタル・ダウン・コンバータ回路(DDC) 40 バッファ・メモリ 42 FFT回路(固定長) 43 FFT回路(可変長) 44 RBW演算回路 46 表示器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細井 修 東京都品川区北品川5丁目9番31号 ソニ ー・テクトロニクス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定された中心周波数、周波数スパ
    ン、分解帯域幅に基づいて行う周波数変換処理方法であ
    って、 上記分解能帯域幅に応じて、周波数変換演算に必要な上
    記時間領域データの所要データ数を算出する第1ステッ
    プと、 上記中心周波数及び上記周波数スパンに応じて入力信号
    をダウン・コンバートするとともにアナログ・デジタル
    変換することにより時間領域データを生成する第2ステ
    ップと、 上記所要データ数の上記時間領域データから周波数変換
    演算によって周波数領域データを生成する第3ステップ
    と、 上記周波数領域データに対して上記分解能帯域幅に応じ
    たフィルタ演算を行う第4ステップとを具える周波数変
    換処理方法。
  2. 【請求項2】 予め設定された中心周波数、周波数スパ
    ン、分解帯域幅に基づいて行う周波数変換処理回路であ
    って、 上記分解能帯域幅に応じて、周波数変換演算に必要な上
    記時間領域データの所要データ数を算出する演算手段
    と、 上記中心周波数及び上記周波数スパンに応じて入力信号
    をダウン・コンバートするとともにアナログ・デジタル
    変換することにより時間領域データを生成する時間領域
    データ生成手段と、 上記所要データ数の上記時間領域データを演算によって
    周波数領域データに変換する周波数変換手段と、 上記周波数領域データに対して上記分解能帯域幅に応じ
    たフィルタ演算を行うフィルタ演算手段とを具える周波
    数変換処理回路。
  3. 【請求項3】 上記時間領域データ生成手段からの上記
    時間領域データを記憶しつつ、上記周波数変換手段に上
    記所要データ数の上記時間領域データを供給する記憶手
    段を更に具える請求項2記載の周波数変換処理回路。
  4. 【請求項4】 予め設定された第1中心周波数、第1周
    波数スパン、第2中心周波数及び第2周波数スパンに基
    づいて行う周波数変換処理方法であって、 上記第1中心周波数及び上記第1周波数スパンに応じて
    入力信号をダウン・コンバートするとともにアナログ・
    デジタル変換することにより第1時間領域データを生成
    する第1ステップと、 上記第1時間領域データを記憶手段に記憶する第2ステ
    ップと、 上記第1時間領域データを演算によって第1周波数領域
    データに変換する第3ステップと、 上記第2中心周波数及び上記第2周波数スパンに応じて
    上記入力信号をダウン・コンバートするとともにアナロ
    グ・デジタル変換することにより第2時間領域データを
    生成する第4ステップと、 上記第2時間領域データを記憶手段に記憶する第5ステ
    ップと、 上記第2時間領域データを演算によって第2周波数領域
    データに変換する第6ステップと、 上記第2ステップで上記第1時間領域データを記憶した
    時間における特定時刻と、上記第5ステップで上記第2
    時間領域データを記憶した時間における特定時刻との記
    憶時刻差分を算出する第7ステップとを具える周波数変
    換処理方法。
  5. 【請求項5】 上記特定時刻は、上記記憶手段が上記第
    1及び第2時間領域データそれぞれの記憶を開始した時
    刻、上記第1及び第2時間領域データそれぞれの記憶を
    終了した時刻又は上記第1及び第2時間領域データそれ
    ぞれの記憶の開始から終了までの中間の時刻のいずれか
    であることを特徴とする請求項4記載の周波数変換処理
    方法。
  6. 【請求項6】 第1及び第2分解能帯域幅が予め設定さ
    れた請求項1又は2記載の周波数変換処理方法におい
    て、 上記第3ステップにおいて、上記第1周波数領域データ
    に対して上記第1分解能帯域幅によるフィルタ演算を更
    に行い、 上記第6ステップにおいて、上記第2周波数領域データ
    に対して上記第2分解能帯域幅によるフィルタ演算を更
    に行うことを特徴とする請求項4又は5記載の周波数変
    換処理方法。
  7. 【請求項7】 上記第1ステップの前に、上記第1分解
    能帯域幅に応じた上記第1周波数領域データの作成に必
    要な上記第1時間領域データの第1所要データ数を算出
    するステップと、 上記第4ステップの前に、上記第2分解能帯域幅に応じ
    た上記第2周波数領域データの作成に必要な上記第2時
    間領域データの第2所要データ数を算出するステップと
    を更に具え、 上記第3ステップにおいて、上記第1所要データ数の上
    記第1時間領域データを演算によって上記第1周波数領
    域データに変換し、 上記第6ステップにおいて、上記第2所要データ数の上
    記第2時間領域データを演算によって上記第2周波数領
    域データに変換することを特徴とする請求項6記載の周
    波数変換処理方法。
  8. 【請求項8】 上記第7ステップに続いて、上記第1周
    波数領域データ、上記第2周波数領域データ及び上記記
    憶時刻差分を表示手段に表示する第8ステップを更に具
    える請求項4乃至7の何れかに記載の周波数変換処理方
    法。
  9. 【請求項9】 第1中心周波数、第1周波数スパン、第
    2中心周波数及び第2周波数スパンの設定を受けて、入
    力信号を上記第1中心周波数及び上記第1周波数スパン
    に応じてダウン・コンバートするとともにアナログ・デ
    ジタル変換することにより第1時間領域データを生成す
    るのに続いて、上記入力信号を上記第2中心周波数及び
    上記第2周波数スパンに応じてダウン・コンバートする
    とともにアナログ・デジタル変換することにより第2時
    間領域データを生成する時間領域データ生成手段と、 上記第1時間領域データを記憶するのに続いて、上記第
    2時間領域データを記憶する記憶手段と、 演算によって、上記第1時間領域データを第1周波数領
    域データに変換するのに続いて上記第2時間領域データ
    を第2周波数領域データに変換する周波数変換手段と、 上記記憶手段が上記第1時間領域データを記憶した時間
    の特定時刻と、上記第2時間領域データを記憶した時間
    の特定時刻との記憶時刻差分を算出する演算手段とを具
    える周波数変換処理回路。
  10. 【請求項10】 上記第1周波数領域データ、上記第2
    周波数領域データ及び上記記憶時刻差分を表示する表示
    手段を更に具える請求項9記載の周波数変換処理回路。
  11. 【請求項11】 入力信号の直流成分から所定周波数成
    分までを増幅する第1バンドパスと、 上記入力信号の上記所定周波数を越える周波数成分をダ
    ウン・コンバートする第2バンドパスと、 上記第1バンドパス及び上記第2バンドパスへの上記入
    力信号の供給を制御可能な第1バンド・スイッチと、 上記第1バンドパス及び上記第2バンドパスの出力信号
    を選択的に出力する第2スイッチと、 該第2バンド・スイッチの出力信号を時間領域データに
    変換するアナログ・デジタル変換手段と、 上記時間領域データを周波数領域データに変換する周波
    数変換手段と、 上記第1バンド・スイッチを制御して上記入力信号を上
    記第1バンドパスにのみ供給させ、上記周波数変換手段
    を制御して直流成分を含む上記周波数領域データを生成
    させ、上記直流成分が所定レベルを越える場合には上記
    第1バンド・スイッチが上記入力信号を上記第2バンド
    パスに供給するのを禁止する制御手段とを具える周波数
    変換処理回路。
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