JP2003215116A - 打検機用打検プローブ - Google Patents

打検機用打検プローブ

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JP2003215116A
JP2003215116A JP2002014830A JP2002014830A JP2003215116A JP 2003215116 A JP2003215116 A JP 2003215116A JP 2002014830 A JP2002014830 A JP 2002014830A JP 2002014830 A JP2002014830 A JP 2002014830A JP 2003215116 A JP2003215116 A JP 2003215116A
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percussion
lid
magnetic
probe
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JP2002014830A
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English (en)
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Junichi Takada
淳一 高田
Takeshi Takenouchi
健 竹之内
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導波管を用いなくても、マイクロフォンが磁
界の影響を受けずに正常な打検音の検出結果を出力で
き、かつ、缶詰の良否判別精度の向上を可能とする。 【解決手段】 磁界に干渉されない磁気不感マイク15
をエキサイタコイル11の内側16に設け、強磁性体で
形成された円筒形状の磁性体15を、エキサイタコイル
11と磁気不感マイク15との間に設ける。そして、エ
キサイタコイル11の周囲に発生した磁界をその磁性体
15に集中させ、被検査対象である缶詰20の蓋21
上、その磁性体15の直下において、その磁束密度をド
ーナツ状に最も強くなるようにする。この電磁的衝撃に
より蓋21から発生された打検音が磁気不感マイク15
で検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶詰の内圧力検査
に用いる打検機用打検プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、密封容器、特に腐敗が起きやすい
飲食物を充填してある缶詰等の缶内圧を非破壊的に検査
する方法として打検法が広く採用されている。打検法
は、缶の蓋に電磁的衝撃を与えたときに発生する打検音
をマイクロフォンで電気信号に変換し、それにより缶内
圧の良否を判定する検査法である。
【0003】たとえば、ミルク入り飲料等の低酸性飲料
の缶詰の場合、常温まで冷えると陰圧缶詰となるが、腐
敗・発酵すると缶内でガスを発生して圧力が上がってし
まい低陽圧缶詰となる。また、陰圧缶詰の密封が不完全
な場合には、缶内に外気が侵入して圧力が上がってしま
う。そこで、缶の一部に衝撃を加え、その缶の反響振動
を解析することによって缶内圧力を検知し、内容物の腐
敗あるいは缶の密封の良否を判定し、不良な缶詰を排除
している。
【0004】圧力と振動との関係は、缶内圧力と外気圧
力との差が大きいほど缶壁が張り、缶の固有振動が高く
なって高音を発する。すなわち、缶の材質、大きさ、厚
みそして2ピース缶か3ピース缶かといった缶の形態が
同じであれば、その反響振動は主として缶の内圧に依存
することになる。
【0005】打検法においては、エキサイタコイルによ
って衝撃が加えられたときに生じる反響振動音を、マイ
クロフォンによって検出する。検出された振動音の周波
数分布においてピーク値を示すものが缶の固有振動であ
り、この値が適性缶内圧力に対応する周波数帯域に入っ
ているか否かで缶詰の良否を判定し、不良な缶詰を検査
後の工程でリジェクタ等により排除する。この打検法を
用いた自動打検機においては、マイクロフォンで検出さ
れた打検音が単純音であれば、きわめて高精度の判別能
力を有することが実証されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動打検機で検出される打検音は、単純音とは言い難
く、倍調波、あるいは蓋の振動とは無関係の不要振動が
含まれ、複雑に歪んだ波形となることがある。検出波形
の歪みは、缶の良否判別精度を低下させるのはもちろん
のこと、大きな漏洩のある不良缶を良品として誤判別す
るおそれがある。
【0007】すなわち、最も一般的な果汁飲料缶(たと
えば、直径5cm、内容量250cc)の場合、蓋の振
動数は真空度67kPaの良缶では約2kHzであり、
また真空度0kPaの不良缶では約1kHzであるが、
この不良缶の検出音に倍調波が含まれていると、ちょう
ど良缶の振動数の2kHzと一致するため、その倍調波
の含有量が一定の割合以上であれば、不良品を良品と誤
判別してしまうことになる。このため、自動打検機にお
いては、缶の良否判別精度を低下させる原因となる倍調
波振動、及び、蓋の振動と無関係に発生する不要振動を
減少させる必要があった。
【0008】ところで、これら倍調波振動及び不要振動
の発生は、打検機用の打検プローブ内で起こる共鳴現象
と関係している。この従来の打検機用打検プローブの構
成を図6に示す。同図において、エキサイタコイル(電
磁コイル)11は、パルス発生器(図示せず)から単一
パルスを受けると、電磁パルスを発生する。この発生し
た電磁パルスにより、被検査対象である缶詰20の蓋2
1は、励振され音波(打検音)を発する。
【0009】ここで、蓋21が、ブリキや化学処理鋼板
などのような鉄をベースとしたもので形成されている場
合は、電磁パルスから瞬間的な吸引力を受ける。また、
蓋21が、アルミニウムおよびその合金などのような非
強磁性体金属の場合は、相互電磁誘導作用によって蓋2
1内に生ずる誘導渦電流とエキサイタコイル11の電流
との間に反発力が生じる。そして、これら吸引力あるい
は反発力にもとづき、蓋21は、あたかも打検棒で叩か
れたのと同様の力を受けて励振され打検音を発する。
【0010】蓋21から発せられた打検音は、コイル巻
枠12の内側16に設けられた導波管13を通ってマイ
クロフォン14に達し、電気信号に変換される。ところ
が、打検音は、この一部が導波管13に入るほかは、そ
のほとんどがコイル巻枠12のうち蓋21と対向する面
で反射されて再び蓋21に戻り、さらに反射を繰り返し
ながら、エキサイタコイル11と蓋21の間隙から外部
へ向かって放出され減衰していく。
【0011】一方、導波管13内に入った打検音は、マ
イクロフォン14で完全に吸収されることなく、一部が
反射されて導波管13の入口の方へ戻ってくる。このと
き、戻ってきた打検音と、蓋21が発している打検音と
が同位相となるような周波数に対して共鳴現象が起こ
り、その特定周波数の音のみがとくに強力に検出され
る。このような共鳴現象は、蓋21とエキサイタコイル
11との間隙及び導波管13内の双方(共鳴位置)にお
いて起こる。
【0012】蓋21が発する打検音は、蓋21が電磁パ
ルスを受けると、缶内圧力に応じて蓋21の固有振動数
で自由振動し、図7(a)の減衰振動の波形となる。こ
の波形において、始めの一周期は、電磁パルスによる強
制振動のために波形歪みが現れる。つまり、この始めの
一周期は、単純音ではなく、いろいろな周波数成分を含
んでいることになる。
【0013】そして、これらのうちいくつかの周波数成
分が、共鳴位置で強められるため、波形の歪みがより強
調されていた。すなわち、共鳴周波数と、特定の缶内圧
力時における蓋21の振動周波数とが一致すると、その
特定缶内圧力に対してのみ検出信号レベルが大きくなる
が、共鳴周波数からずれた缶内圧力においては、検出信
号レベルが急に低下する。このような圧力変化による信
号レベルの急激な変化は、周波数カウンタの動作上好ま
しくなかった。
【0014】また、共鳴周波数と蓋21の振動周波数と
は異なるものの、蓋21の振動音中に含まれている不要
振動の周波数成分と共鳴周波数とが一致したときは、そ
の音と蓋21の振動周波数とが重なり合い、“うなり
(飛び)”を生じて、図7(b)に示したような節のあ
る波形となる。このような波形で周波数を測定しようと
すると、節の位置では、完全に無信号状態となるため、
測定値が異常に低い周波数とみなされる。これにより、
従来の打検機用打検プローブは、良缶であっても不良缶
と誤って判別することがあった。
【0015】さらに、共鳴周波数が蓋21の振動周波数
のほぼ2倍となったときは、蓋21は共鳴部分と共役共
振して倍調波振動を起こしてしまい、図7(c)に示す
ような波形となる。この場合において、たとえば、共鳴
周波数が不良缶の蓋21の振動数のほぼ2倍になってい
るときは、不良缶を良缶と誤判別していた。
【0016】こうした共鳴現象が発生する位置(共鳴位
置)としては、上述したように、導波管13内と、蓋2
1及びエキサイタコイル11の間隙とがある。これらの
うち、導波管13は、マイクロフォン14及びエキサイ
タコイル11の間を一定の距離に保つ役割と、蓋21か
らの打検音をマイクロフォン14へ伝播させる役割とを
担っている。
【0017】ところが、この導波管13の長さは、共鳴
現象とも関係して、マイクロフォン14の受ける打検音
に多大な影響を与えている。この導波管13の各長さに
対する打検音の周波数−振幅特性(空間周波数特性)を
図8に示す。
【0018】同図に示すように、たとえば、導波管13
の長さが25mm〜40mmの場合は、共鳴現象にもと
づき、打検音の振幅が2150Hz付近で急激に上昇
し、さらに2500Hz〜3000Hz付近で急に低下
している。また、20mmの場合は、2150Hz付近
で最初の上昇がみられ、その後、段階的に上昇及び下降
(あるいは横這い)を繰り返す。
【0019】これに対し、導波管13を設けない場合
(すなわち、図8中、導波管13の長さが0mmの場
合)は、周波数が2100Hzから3000Hzまでの
間で多少の変動はみられるものの、全体としてほぼ一定
の振幅を保ちながら推移する。導波管13を設けない場
合においても、このような多少の振幅の変動がみられる
のは、導波管13内ではなく、蓋21とエキサイタコイ
ル11との間隙で共鳴が生じているからである。
【0020】このような空間周波数特性を考慮すれば、
共鳴現象にもとづいて起こる良缶と不良缶との間での誤
判別を少なくするためにも、打検機用打検プローブ10
に導波管13を設けず、マイクロフォン14を缶詰20
の蓋21に極力近づけることが望ましいといえる。
【0021】ところが、導波管13を設けずに、マイク
ロフォン14をエキサイタコイル11の内側16に置く
ようにすると、エキサイタコイル11の周囲に発生した
磁界がそのマイクロフォン14に作用してこれを加熱し
たり、また、検出結果であるマイク出力に異常な高電圧
を発生させて打検機や各構成部を破壊するなどのおそれ
が生じてしまう。つまり、導波管13を設けることで、
マイクロフォン14における磁界からの悪影響は抑制で
きるものの、却って、打検音の周波数特性において“う
なり”を発生させる結果となっていた。
【0022】本発明は、上記の事情にかんがみなされた
ものであり、導波管を用いなくても、マイクロフォンが
磁界の影響を受けずに正常な検出結果を出力可能とする
とともに、空間周波数特性による悪影響を軽減して缶詰
の良否判別精度の向上を可能とする打検機用打検プロー
ブの提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の請求項1記載の打検機用打検プローブは、
被検査対象に対向する電磁コイルと、この電磁コイルの
内側に位置する磁気不感マイクとを有した構成としてあ
る。打検機用打検プローブをこのような構成とすると、
磁気に干渉されない磁気不感マイクが打検音検出用のマ
イクロフォンとして用いられるため、このマイクロフォ
ンは、電磁コイル(エキサイタコイル)の周囲に発生し
た磁界の影響を受けることなく、その打検音を検出結果
として正常に出力することができる。
【0024】そして、磁気不感マイクは、外部磁界の影
響を受けないことから、電磁コイルの内側に設けること
ができる。このため、従来の導波管を用いた場合に比べ
て、マイクロフォンと缶詰の蓋との間を大幅に近づける
ことができる。すなわち、打検機用打検プローブに導波
管を用いる必要がなくなる。
【0025】したがって、缶詰とマイクロフォンとの間
の空間周波数特性による悪影響を軽減して、缶詰の良否
判別精度の向上を可能とする。さらに、打検機用打検プ
ローブに導波管を用いる必要がなくなることから、打検
機用打検プローブの構造に自由度が増し、小型化をも可
能となる。
【0026】また、請求項2記載の打検機用打検プロー
ブは、磁気不感マイクが光マイクロフォンからなる構成
としてある。打検機用打検プローブをこのような構成と
すれば、磁気に干渉されずに正常な出力を可能とする光
マイクロフォンが打検音検出用マイクとして用いられる
ため、この光マイクロフォンを電磁コイルの内側に設け
ることができる。
【0027】したがって、従来の導波管内で生じていた
共鳴現象にもとづく打検音の共鳴振動を抑制できること
から、空間周波数特性による悪影響を抑制して、缶詰の
良否判別精度の向上を可能とする。さらに、光マイクロ
フォンが小型であることから、打検機用打検プローブの
構造に自由度が増し、小型化をも可能となる。
【0028】また、請求項3記載の打検機用打検プロー
ブは、電磁コイルと磁気不感マイクとの間に、磁性体を
設けた構成としてある。打検機用打検プローブをこのよ
うな構成とすると、電磁コイルの周囲に発生した磁界が
磁性体に集中するため、被検査対象である缶詰の蓋にお
いて、その磁性体直下を強く励振させることができる。
特に、磁性体は、電磁コイルと導波管との間に設けられ
ているため、缶詰の蓋の強く励振される部分は、その蓋
の中心よりも外周に近い部分となる。
【0029】したがって、その蓋の中心が強く励振され
た場合に比べて、打検音の基本振動がより強調されるこ
とから、不要振動や倍調波振動、さらには“うなり”の
発生を抑えて、打検機用打検プローブにおける缶詰の良
否判別精度を向上させることができる。
【0030】また、請求項4記載の打検機用打検プロー
ブは、磁性体が、円筒形状からなる構成としてある。打
検機用打検プローブをこのような構成とすれば、缶詰の
蓋上における磁束密度の強い部分を、磁性体の形状に沿
ってドーナツ状にすることができる。すなわち、蓋の外
周に沿ったドーナツ状の範囲を、磁束密度の強いところ
とすることができる。このため、蓋の中心部分を磁束密
度の強い部分とした場合と比較すると、打検音の基本振
動がより強調されることから、不要振動や倍調波振動等
を抑制して、缶詰の良否判別精度を向上させることがで
きる。
【0031】また、請求項5記載の打検機用打検プロー
ブは、磁性体が、鉄やフェライトなどの強磁性体で形成
された構成としてある。打検機用打検プローブをこのよ
うな構成とすると、電磁コイルの周囲に発生した磁界が
磁性体に集中しやすくなるため、被検査対象である缶詰
の蓋において、その磁性体直下をさらに強く励振させる
ことができる。したがって、打検音の基本振動がより強
調されることから、不要振動や倍調波振動、さらには
“うなり”の発生が抑制されて、缶詰の良否判別精度を
向上させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。 [第一実施形態]まず、本発明の打検機用打検プローブ
の第一の実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の打検機用打検プローブの構成を示
す構成図である。
【0033】同図に示すように、打検機用打検プローブ
10は、エキサイタコイル11と、コイル巻枠12と、
磁気不感マイク15とを有している。ここで、エキサイ
タコイル11は、図示しないパルス発生装置からパルス
信号を受信する。このエキサイタコイル11が受信する
パルス信号は、通常、パルス幅0.5ミリ秒、電圧20
0V、電流10A程度の単一パルスである。
【0034】そして、エキサイタコイル11は、受信し
たパルス信号にもとづいて磁界を発生する。この発生磁
界は、エキサイタコイル11が単体で存在する場合は、
図2に示すような分布となり、エキサイタコイル11の
内側16付近が最も強く、外側に向かって次第に弱くな
る。
【0035】さらに、エキサイタコイル11は、その発
生磁界により、被検査対象である缶詰20の蓋21に電
磁的衝撃を与える。この電磁的衝撃を受けた蓋21から
は、音波(打検音)が発せられる。このようなエキサイ
タコイル11は、コイル巻枠12に収められている。な
お、図1においては、電磁的衝撃を与える面を、缶詰2
0の蓋21としているが、蓋に限るものではなく、たと
えば、底面等とすることもできる。
【0036】磁気不感マイク15は、エキサイタコイル
11の内側16に設けられており、蓋21からの打検音
を検出して電気信号に変換する。この磁気不感マイク1
5としては、たとえば、光マイクロフォン15aを用い
ることができる。
【0037】光マイクロフォン15aは、音を光の変化
として検出する音波検出マイクであって、図3に示すよ
うに、反射膜15−1と、LED15−2と、オプティ
カルファイバa15−3と、マイクロフォンヘッド15
−4と、オプティカルファイバb15−5と、フォトデ
ィテクタ15−6とを有している。
【0038】反射膜15−1は、缶詰20の蓋21から
の打検音を受け、この打検音の固有周波数にもとづいて
振動する。LED15−2は、発光素子であり、オプテ
ィカルファイバa15−3は、このLED15−2から
の光(検出光15−7)をマイクロフォンヘッド15−
4へ伝える。
【0039】マイクロフォンヘッド15−4は、図示し
ない送光部と受光部とを有しており、オプティカルファ
イバa15−3からの検出光15−7を送光部から反射
膜15−1へ送り出すとともに、反射膜15−1で反射
されてきた検出光15−7を受光部で受ける。この反射
膜15−1における反射により、検出光15−7は、打
検音の固有周波数を検出する。
【0040】オプティカルファイバb15−5は、マイ
クロフォンヘッド15−4の受光部からの検出光15−
7をフォトディテクタ15−6へ伝える。フォトディテ
クタ15−6は、オプティカルファイバb15−5から
の検出光15−7を外部出力する。
【0041】このような構成により光マイクロフォン1
5aは、外部からの音波(打検音)を、電気的にではな
く、光学的に検出するため、周囲の磁界に全く影響を受
けることがない。また、光マイクロフォン15aは、音
波に対する感度が高く、ハイファイ特性が良好であり、
指向性が鋭く、かつ、ノイズリダクション効果(ノイズ
中の必要な情報を拾う効果)に優れている。
【0042】なお、光マイクロフォン15aは、通常、
図1に示すような円筒形状の容器15−8に収められて
おり、反射膜15−1が容器15−8の底面で露出して
いる。また、光マイクロフォン15aを内包する容器1
5−8は、コイル巻枠12あるいは打検機用打検プロー
ブ10の筐体等に固定されている。
【0043】このような磁気不感マイクを打検機用打検
プローブのマイクロフォンとして用いることにより、電
磁コイル(エキサイタコイル)の周囲に発生した磁界の
影響を受けることなく、その打検音を検出結果として正
常に出力することができる。このため、磁気不感マイク
を電磁コイルの内側に設けることが可能となり、これに
より、従来の導波管が不要となる。
【0044】したがって、この従来の導波管内で生じて
いた共鳴現象にもとづく空間周波数特性により受けてい
た悪影響を抑制でき、缶詰の良否判別精度の向上が可能
となる。さらに、光マイクロフォンが小型であることか
ら、打検機用打検プローブの構造に自由度が増し、小型
化をも可能となる。
【0045】[第二実施形態]次に、本発明の打検機用
打検プローブの第二の実施形態について、図4を参照し
て説明する。同図は、本実施形態の打検機用打検プロー
ブの構成を示す構成図である。
【0046】本実施形態は、第一実施形態と比較して、
エキサイタコイルと磁気不感マイクとの間に磁性体を設
けた点が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様
である。したがって、図4において、図1と同様の構成
部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を
省略する。
【0047】図4に示すように、打検機用打検プローブ
10は、エキサイタコイル11と磁気不感マイク15と
の間に磁性体17を有している。打検機用打検プローブ
10にこのような磁性体17を設けることにより、電磁
コイルの周囲に発生した磁束をこの磁性体17に集中さ
せることができる。
【0048】このため、被検査対象である缶詰20の蓋
21においては、その磁性体17の直下でドーナツ状に
磁束密度が強くなることから、蓋21の中心部分で磁束
密度が強くなることに比べて、打検音の基本振動がより
強調される。したがって、不要振動が抑制されることか
ら、さらには倍調波振動や“うなり”の発生が抑えら
れ、缶詰20の良否判別精度を向上させることができ
る。
【0049】なお、缶詰20の蓋21の基本振動がより
強く励振される理由としては、エキサイタコイル11と
磁気不感マイク15との間に磁性体17を設け、蓋21
の中心部分より外周に近い方へ、磁束密度の最も強い部
分を移すことで、その蓋21における振動の初期条件を
変化させ、これが振動モードの励起状態に影響を与える
ためと考えられる。
【0050】また、磁性体17は、コイル巻枠12と同
様に、円筒形状に形成されている。磁性体17を円筒形
状に形成することで、被検査対象である缶詰20の蓋2
1上の磁界分布が、磁性体17の直下においてドーナツ
状に最も強くすることができる。これにより、蓋21の
中心部分が最も強い場合に比べて打検音の基本振動がよ
り強調されるため、不要振動が抑制され、さらに倍調波
振動等を抑えて、缶詰20の良否判別精度を向上させる
ことができる。
【0051】ただし、磁性体17は、円筒形状に限るも
のではなく、たとえば、複数の円柱形状,角柱形状その
他の形状のものを、円の円周上に配置して形成すること
もできる。また、磁性体17は、トランス(変圧器)に
用いられる鉄心(コア)のように、薄い鉄板を成層して
形成することもできる。これにより、磁性体17内のう
ず電流を抑制できるため、熱の発生を抑えて打検機用打
検プローブ10や磁気不感マイク15の焼損を防止でき
る。
【0052】さらに、磁性体17は、強磁性体で形成さ
れている。強磁性体とは、磁石に強く引きつけられると
ともに、比透磁率が1に比べて大きく、かつ、磁気履歴
を示す物質をいう。強磁性を示す物質には、鉄,コバル
ト,ニッケル,ガドリウム,テルビウム,ジスプロシウ
ム,ホルミウム,エルビウム,ツリウムがあり、さら
に、強磁性体としては、これら強磁性を示す物質の他、
特定の合金等が含まれる。ただし、本発明の打検機用打
検プローブに用いられる強磁性体としては、その用途・
性質上、鉄やフェライト等を用いることが望ましい。
【0053】磁性体17を強磁性体で形成することによ
り、エキサイタコイル11の周囲に発生した磁界を、こ
の磁性体17に、より集中させることができる。このた
め、被検査対象である缶詰20の蓋21において、磁性
体17の直下がさらに強く励振されることから、打検音
の基本振動がより強調される。これにより、不要振動が
抑制され、さらには倍調波振動や“うなり”の発生が抑
えられて、缶詰20の良否判別精度を向上させることが
できる。
【0054】打検機用打検プローブ10に磁性体17を
設けた場合の発生磁界は、図5に示すような分布とな
り、磁性体17付近が最も強くなる。この図5に示す発
生磁界と図2に示す発生磁界とは、それぞれ缶詰20の
蓋21に与えられる電磁的衝撃の状態が異なっている。
すなわち、図2に示すような発生磁界の場合、電磁的衝
撃は、蓋21の中央部分で最も強く与えられる。これに
対し、図5に示すような発生磁界の場合、電磁的衝撃
は、磁性体17の直下において、ドーナツ状に最も強く
与えられる。
【0055】したがって、蓋21の中心部分に最も強く
電磁的衝撃が与えられることに比べ、磁性体17の直下
にドーナツ状に最も強く電磁的衝撃が与えられる方が、
打検音の基本振動がより強調されるため、不要振動が抑
制され、倍調波振動や“うなり”を抑えて、缶詰20の
良否判別精度を向上させることができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、磁気に
干渉されない磁気不感マイクを打検音検出用のマイクロ
フォンとして用いるため、この磁気不感マイクをエキサ
イタコイルの内側に設けることができる。このため、従
来の導波管が不要となることから、空間周波数特性によ
る悪影響を軽減して、缶詰の良否判別精度の向上が可能
となる。
【0057】さらに、強磁性体で形成された円筒形状の
磁性体を、エキサイタコイルと磁気不感マイクとの間に
設けることにより、エキサイタコイルの周囲に発生した
磁界を磁性体に集中させ、被検査対象である缶詰の蓋
上、その磁性体直下において、ドーナツ状に磁束密度を
最も強くさせることができる。
【0058】このため、蓋の中心部分で磁束密度が最も
強い場合に比べて、打検音の基本振動がより強調される
ことから、不要振動が抑制され、倍調波振動や“うな
り”の発生を抑えて、打検機用打検プローブにおける缶
詰の良否判別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態における打検機用打検プ
ローブの構成を示す構成図である。
【図2】エキサイタコイルの周辺に発生する磁界の強さ
を示す強度分布図である。
【図3】光マイクロフォンの構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第二実施形態における打検機用打検プ
ローブの構成を示す構成図である。
【図5】磁性体が設けられたエキサイタコイルの周辺に
発生する磁界の強さを示す強度分布図である。
【図6】従来の打検機用打検プローブの構成を示す構成
図である。
【図7】打検音の減衰状態を示す波形図である。
【図8】導波管の各長さに対する周波数−振幅特性(空
間周波数特性)を示す折れ線グラフである。
【符号の説明】
10 打検機用打検プローブ 11 エキサイタコイル 12 コイル巻枠 13 導波管 14 マイクロフォン 15 磁気不感マイク 15−1 反射膜 15−2 LED 15−3 オプティカルファイバa 15−4 マイクロフォンヘッド 15−5 オプティカルファイバb 15−6 フォトディテクタ 15−7 検出光 15−8 容器 16 内側 17 磁性体 20 缶詰 21 蓋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査対象に対向する電磁コイルと、 この電磁コイルの内側に位置する磁気不感マイクとを有
    したことを特徴とする打検機用打検プローブ。
  2. 【請求項2】 前記磁気不感マイクが、光マイクロフォ
    ンからなることを特徴とする請求項1記載の打検機用打
    検プローブ。
  3. 【請求項3】 前記電磁コイルと前記磁気不感マイクと
    の間に、磁性体を設けたことを特徴とする請求項1又は
    2記載の打検機用打検プローブ。
  4. 【請求項4】 前記磁性体が、円筒形状からなることを
    特徴とする請求項3記載の打検機用打検プローブ。
  5. 【請求項5】 前記磁性体が、鉄やフェライトなどの強
    磁性体で形成されたことを特徴とする請求項3又は4記
    載の打検機用打検プローブ。
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