JP2003214483A - 吊下げ式の液封エンジンマウント - Google Patents

吊下げ式の液封エンジンマウント

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JP2003214483A
JP2003214483A JP2002014101A JP2002014101A JP2003214483A JP 2003214483 A JP2003214483 A JP 2003214483A JP 2002014101 A JP2002014101 A JP 2002014101A JP 2002014101 A JP2002014101 A JP 2002014101A JP 2003214483 A JP2003214483 A JP 2003214483A
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JP
Japan
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chamber
liquid
liquid chamber
engine mount
rubber portion
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Application number
JP2002014101A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Masahiko Nagasawa
正彦 長澤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、車
両の加速走行時等において前後方向に高周波の振動入力
が加わったときに液柱共振を起し、これに起因して動ば
ね定数が高くなってエンジンからの振動が車室の壁に伝
達され、加速騒音を発生させる問題を解決する。 【解決手段】アウタ金具17と、インナ金具18と、支
持ゴム部20と、主液室48及び副液室50と、それら
を仕切る仕切部材14と、主液室48と副液室50とを
連通させる周方向のオリフィス通路54とを備えて成る
吊下げ式の液封エンジンマウント10において、車両前
後方向を基準として主液室48内で左右方向に延設さ
れ、主液室48を前部室68と後部室70とに分ける前
後分離壁66を設けるとともに、それら前部室68と後
部室70とを前後に連通させる連通路72を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内部に液体を封入
した吊下げ式の液封エンジンマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】図13はこの種吊下げ式の液封エンジン
マウントの一例を示している。この吊下げ式の液封エン
ジンマウント200は、剛性の筒状のアウタ金具202
と、同じく剛性のインナ金具204と、それらを連結す
る支持ゴム部206とを有している。
【0003】インナ金具204は、軸直角方向外向きの
フランジ部207を備えた上側のカップ状部208と、
雌ねじ孔210を備えた下側の軸部212とを有してお
り、その軸部212側において図14に示しているよう
にブラケット213を介しエンジンに固定されるように
なっている。
【0004】また一方、同図に示しているようにアウタ
金具202側においてブラケット214を介し車両のボ
デーに固定されるようになっている。即ちエンジンがこ
の液封エンジンマウント200を介し、吊下げ状態に車
両のボデーに支持されるようになっている。
【0005】支持ゴム部206は略テーパ形状をなして
おり、アウタ金具202における逆テーパ部216と、
インナ金具204における軸部212の上部からカップ
状部208のフランジ部207の先端にかけての部分を
内外方向に連結している。
【0006】この液封エンジンマウント200にあって
は、支持ゴム部206の上側に液室が形成されていて、
その液室に水等の液体Lが封入されている。この液室は
仕切部材218によって下側の主液室220と、上側の
副液室222とに区画されている。ここで主液室220
は、インナ金具204及び支持ゴム部206の中心部
が、アウタ金具202内部に上向きに突き出しているこ
とから、それらインナ金具204及び支持ゴム部206
を取り巻く形態の環状室220Aを有している。
【0007】仕切部材218には、これら主液室220
と副液室222とを連通させるための透孔224が形成
されている。更にこの透孔224に続いてその上側に、
周方向に沿って延びる形態のオリフィス通路226が、
仕切部材218と蓋部材228との間に形成されてい
る。このオリフィス通路226は、図15に示す切欠部
230の部分で副液室222に連通しており、これによ
って主液室220と副液室222との間で液体Lがこれ
ら透孔224及びオリフィス通路226を通じて互いに
移動可能とされている。
【0008】上記仕切部材218は、その中央部分が上
下方向に弾性変形可能な可動膜232とされており、更
に副液室222の上側の壁が、弾性変形可能なダイヤフ
ラム234にて構成されている。
【0009】この吊下げ式の液封エンジンマウント20
0にあっては、シェイク等の低周波数の上下方向の振動
入力に対しては、オリフィス通路226における液体L
の流動に基づくエネルギー吸収によって振動減衰が行わ
れる。ここでオリフィス通路226の通路断面積及び長
さ等は、例えば10Hz前後の特定低周波数領域におい
て振動減衰が効果的に行われるようにチューニングされ
ている。
【0010】一方中速走行時等においてこれよりも高い
周波数の振動入力が上下方向に加わると、このときオリ
フィス通路226は実質的に液体Lが流動できない状
態、即ちオリフィス通路226が実質的に閉鎖された状
態にあり、従って高周波数の振動入力、例えば50〜1
00Hz程度の振動入力に対しては、インナ部材204
及び支持ゴム部206の上下動に基づく主液室220内
の液圧変動が、主として可動膜232の上下方向の弾性
変形によって吸収される。そしてその可動膜232の液
圧吸収作用によって、高周波域における振動絶縁効果が
達成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この種形態の吊下げ式
の液封エンジンマウントにあっては、加速走行時等にお
いて前後方向に高周波数の振動入力、例えば300〜5
00Hzの特定高周波数の振動入力が加わったとき、液
封エンジンマウント200の動ばね定数が著しく高くな
ってエンジンからの振動伝達が増し、車室の壁が振動し
て騒音が大きくなる(加速騒音が悪化する)といった問
題の生じることが判明した。この傾向はエンジンを横置
きにした場合に特に顕著である。
【0012】そこで本発明者等がその原因を追究したと
ころ、主液室220内で液体Lが共振することによるサ
ージ現象が原因であることが判明した。この点を図16
に基づいて詳しく説明する。
【0013】この形態の液封エンジンマウント200に
あっては、インナ金具204及び支持ゴム部206の外
側に、これを取り巻く形態の環状室220Aが主液室2
20内に形成されており、そのため図16(A)におい
てインナ金具204及び支持ゴム部206の上部が前後
方向(図中上下方向)に振動すると、これに伴って環状
室220A内で液体Lの周方向の交互流れを生じる。
【0014】例えば図16においてインナ金具204及
び支持ゴム部206の上部が前方(図中上方)に移動す
ると、その移動先にあった液体Lが排除される結果、環
状室220A内において液体Lの矢印P方向の流れが
生じ、また逆にインナ金具204及び支持ゴム部206
の上部が後方(図中下方)に移動すると、その移動先の
液体Lが排除される結果、今度は逆向き、即ち図中矢印
方向の流れを生ずる。
【0015】そしてそれらの液体Lの高速且つ交互流動
に基づいて、300〜500Hzの特定高周波数領域に
おいて液体Lの液柱共振が発生し、その液柱共振に起因
してサージ現象が発生し、エンジンからの振動が車体側
へと大きく伝達されてしまって騒音を発生させてしまう
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の吊下げ式の液封
エンジンマウントはこのような課題を解決するために案
出されたものである。而して請求項1のものは、(イ)
車両のボデー側に固定される筒状の剛性のアウタ部材
と、(ロ)該アウタ部材の中心部に配置された、エンジ
ン側に固定される剛性のインナ部材と、(ハ)それらア
ウタ部材とインナ部材とを連結する環状且つ略テーパ形
状をなす支持ゴム部と、(ニ)該支持ゴム部を室の下壁と
して該支持ゴム部の上側に設けられ、内部に液体の封入
された液室と、(ホ)軸直角方向に延設され、該液室を
下側の主液室と上側の副液室とに仕切る仕切部材と、
(ヘ)それら主液室と副液室を連通させる、周方向に沿
って回曲しつつ延びるオリフィス通路と、を備えて成る
吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、車両前後方
向を基準として前記主液室内で左右方向に延設され、該
主液室を前部室と後部室とに分ける前後分離壁を設ける
とともに、それら前部室と後部室とを前後に連通させる
連通路を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項2のものは、請求項1において、前
記仕切部材は少なくとも中央部が上下方向に弾性変形可
能な可動膜にて構成されているとともに、前記副液室の
上部の壁がダイヤフラムにて構成されていることを特徴
とする。
【0018】請求項3のものは、請求項1,2の何れか
において、前記前後分離壁が、前記支持ゴム部の外面か
ら左,右方向に延び出す形態で設けられていることを特
徴とする。
【0019】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記前後分離壁が、前記支持ゴム部の左,右
部分を部分的に左,右方向に延び出させて成る、該支持
ゴム部に一体に形成したゴム壁であることを特徴とす
る。
【0020】請求項5のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記前後分離壁が、前記仕切部材から前記主
液室内に下向きに突出する形態で設けられた、前記支持
ゴム部とは別体を成す壁であることを特徴とする。
【0021】請求項6のものは、請求項5において、前
記前後分離壁がゴム壁であることを特徴とする。
【0022】請求項7のものは、請求項1〜6の何れか
において、前記連通路が、前記前後分離壁の左右方向外
端と前記アウタ部材との間に形成された、該アウタ部材
の内面に沿って延びる円弧状の通路であることを特徴と
する。
【0023】請求項8のものは、(イ)車両のボデー側
に固定される筒状の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウ
タ部材の中心部に配置された、エンジン側に固定される
剛性のインナ部材と、(ハ)それらアウタ部材とインナ
部材とを連結する環状且つ略テーパ形状をなす支持ゴム
部と、(ニ)該支持ゴム部を室の下壁として該支持ゴム部
の上側に設けられ、内部に液体の封入された液室と、
(ホ)軸直角方向に延設され、該液室を下側の主液室と
上側の副液室とに仕切る仕切部材と、(ヘ)それら主液
室と副液室を連通させる、周方向に沿って回曲しつつ延
びるオリフィス通路と、を備えて成る吊下げ式の液封エ
ンジンマウントにおいて、車両前後方向を基準として、
前記主液室の左部と右部とにおいて前記支持ゴム部から
上向きに又は前記仕切部材から下向きに突き出し、且つ
前記アウタ部材の内面に沿って延びる内外分離壁を設
け、該内外分離壁により前記主液室の左部と右部とに、
該内外分離壁にて区画された、該内外分離壁の部分で互
いに内外方向に非連通の内周室と外周室とを形成したこ
とを特徴とする。
【0024】請求項9のものは、請求項8において、前
記仕切部材は少なくとも中央部が上下方向に弾性変形可
能な可動膜にて構成されているとともに、前記副液室の
上部の壁がダイヤフラムにて構成されていることを特徴
とする。
【0025】請求項10のものは、請求項8,9の何れ
かにおいて、前記内外分離壁,内周室及び外周室の平面
形状がそれぞれ円弧形状をなしていることを特徴とす
る。
【0026】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1のもの
は、主液室内で左右方向に延びる前後分離壁を設けて、
その前後分離壁により主液室を前部室と後部室とに分け
るとともに、それら前部室と後部室とを連通路にて前後
に連通させるようになしたものである。この発明は、上
記液柱共振の発生は環状室内の液体がインナ部材及び支
持ゴム部の周りに沿って規則正しくきれいに流れ且つそ
の結果として液体が流れ易いことが原因であるとの着眼
の下になされたもので、この発明によれば、インナ部材
及び支持ゴム部が前後方向に高周波で振動した場合にお
いても、主液室内でそれらインナ部材及び支持ゴム部周
りの液体の流れが阻害され、主液室内においてインナ部
材及び支持ゴム部周りに液体のきれいな流れを生ぜしめ
ない。
【0027】これにより問題とする、例えば300〜5
00Hzの特定高周波域における主液室内の液柱共振に
起因する動ばね定数の増大が回避され、更にまた上記前
後分離壁によって主液室における流路断面積が少なくな
ることによって、問題とする周波数域において共振パワ
ーが効果的に減少し、これらによって液柱共振に基づく
動ばね定数の増大、そしてこれに基づく騒音の発生ない
し増大が効果的に抑制される。
【0028】ここで上記仕切部材は少なくとも中央部を
可動膜にて構成し、また副液室の上部の壁はダイヤフラ
ムにて構成しておくことができる(請求項2)。ここで
上記前後分離壁は、支持ゴム部の外面から左,右方向に
延び出す形態で設けておくことができる(請求項3)。
更にまたこの前後分離壁は、支持ゴム部の左,右部分を
部分的に左,右方向に延び出させて支持ゴム部に一体に
形成したゴム壁となすことができる(請求項4)。この
ようになした場合、前後分離壁を支持ゴム部とともに同
時且つ容易に成形することができる。
【0029】一方においてこの前後分離壁は、上記仕切
部材から主液室内に下向きに突出する形態で設けた、支
持ゴム部とは別体を成す壁として構成することもできる
(請求項5)。またこの場合において、その前後分離壁
は仕切部材に設けたゴム壁となしておくことができる
(請求項6)。この場合においても容易に前後分離壁を
構成することができる。
【0030】本発明においては、上記前部室と後部室と
を連通させる連通路を、前後分離壁の左右方向外端とア
ウタ部材との間の、アウタ部材の内面に沿って延びる円
弧状の通路となしておくことができる(請求項7)。こ
のように連通路を主液室における最外周部に設けておい
た場合、インナ部材及び支持ゴム部周りの、それらイン
ナ部材及び支持ゴム部に沿って流れる液体の流動が実質
的に阻止されるため、特定高周波域における液柱共振の
発生をより効果高く防止ないし抑制することができる。
【0031】次に請求項8のものは、主液室の左部と右
部とにおいて、支持ゴム部から上向きに又は仕切部材か
ら下向きに突き出した内外分離壁にて、それら左部と右
部とに内外方向に非連通の内周室と外周室とを形成した
もので、このようになした場合、インナ部材及び支持ゴ
ム部が高周波で前後方向に振動したとき、主液室におけ
る前部の液体と後部の液体とを、主液室の左部と右部と
に形成した内周室と外周室とを通じて前後方向に流動さ
せることができるとともに、その際それら内周室と外周
室とを区画する内外分離壁にて液体の流れを乱し或いは
規制することができ、その効果によって特定高周波数域
における液柱共振の発生を抑制し或いは共振周波数をコ
ントロールすることができる。またそれら内外分離壁を
主液室内に設けることで前後方向の流路断面積を少なく
し、或いはまた流動液量を少なくすることによって共振
パワーを減少することができる。
【0032】この請求項8においても仕切部材の少なく
とも中央部を可動膜にて構成し、また副液室の上部の壁
をダイヤフラムにて構成しておくことができる(請求項
9)。また内外分離壁,内周室及び外周室の平面形状を
それぞれ円弧形状となしておくことができる(請求項1
0)。
【0033】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1において、10は本例の吊下げ式の液封
エンジンマウントであって、図2及び図3にも示してい
るように本体部12と、仕切部材14と、蓋部材16と
を組み付けて構成してある。この液封エンジンマウント
10は、筒状をなす剛性のアウタ金具17と、同じく剛
性のインナ金具18と、それらを内外方向に連結する支
持ゴム部20とを有している。
【0034】インナ金具18は、上側にフランジ部21
を備えたカップ状部22を、下側に雌ねじ孔24を備え
た軸部26を有しており、その軸部26において、ブラ
ケットを介し車両のエンジンに固定され、またアウタ金
具17において別のブラケットを介しボデーに固定され
るようになっている。即ちこの例の液封エンジンマウン
ト10は、エンジンを吊下げ状態で弾性支持する。
【0035】図2及び図3に示しているように、本体部
12のアウタ金具17は、その上端部にフランジ部32
とかしめ部34とを有している。一方仕切部材14は、
中心部に円形の開口を有するプレート金具36と、その
プレート金具36の円形の開口を閉鎖するゴム弾性体3
8とを有しており、そしてそのプレート金具36の外周
部にフランジ部40が形成されている。
【0036】また蓋部材16は、ゴム弾性体42とその
外周部に埋め込まれたプレート状の埋込金具44とを有
している。埋込金具44は、その下端部がゴム弾性体4
2の外部に露出しており、その露出した部分がフランジ
部46とされている。
【0037】この液封エンジンマウント10にあって
は、仕切部材14及び蓋部材16における各フランジ部
40,46を、本体部12のフランジ部32に重ね合
せ、その状態で本体部12のかしめ部34をかしめ付け
ることで、それら本体部12,仕切部材14,蓋部材1
6が組み付けられている。
【0038】図1に示しているように、支持ゴム部20
は略テーパ形状をなしており、アウタ金具17における
逆テーパ部31と、インナ金具18における軸部26の
上部からカップ状部22のフランジ部21の先端にかけ
ての部分を内外方向に連結している。尚アウタ金具16
には、その内面を被覆する被覆ゴム64が設けられてい
る。この被覆ゴム64は支持ゴム部20と一体に成形さ
れている。この支持ゴム部20の上側には液室が形成さ
れていて、その液室が仕切部材14にて下側の主液室4
8と上側の副液室50とに区画されている。
【0039】仕切部材14、詳しくはプレート金具36
には、主液室48と副液室50とを連通させるための長
穴形状の透孔52(図2参照)が形成されており、更に
この透孔52に連続して、周方向に延びるオリフィス通
路54が仕切部材14と蓋部材16との間に形成されて
いる。
【0040】このオリフィス通路54は、図2に明らか
に示しているように仕切部材14のゴム弾性体38に形
成された切欠部56によって副液室50と連通させられ
ている。即ち主液室48と副液室50との間で、それら
液室に封入された液体Lが、透孔52及びオリフィス通
路54を通じて互いに行き来できるようになっている。
【0041】主液室48と副液室50とを仕切る仕切部
材14において、ゴム弾性体38によるプレート金具3
6の開口の閉鎖部分は、上下方向に弾性変形可能な可動
膜58として構成されており、更に副液室50における
上側の壁はダイヤフラム60として構成されている。ま
た主液室48は、インナ金具18及び支持ゴム部20が
アウタ金具17の中心部において図中上向きに突出して
いる結果、その周りを取り巻く形態の環状室62(図1
(B)参照)を有する構成となっている。
【0042】尚本例において、液室内に封入される液体
Lとして水,アルキレングリコール,ポリアルキレング
リコール,シリコーンオイル等を用いることができ、特
に0.1Pa・s以下の低粘性流体を好適に用いること
ができる。
【0043】図1において、主液室48には支持ゴム部
20の左,右部分を部分的に左,右方向に延び出させて
成るゴム壁から成る前後分離壁66が設けられており、
この前後分離壁66にて主液室48が前部室68と後部
室70とに分離されており、そしてそれら前部室68と
後部室70とが前後方向の連通路72にて前後に連通さ
せられている。
【0044】尚前後分離壁66は、図1(B)に示して
いるように概略扇形状をなしており、且つ図中右側の前
後分離壁66と左側の前後分離壁66とは左右対称形状
をなしている。その結果として、前部室68と後部室7
0も前後に対称形状をなしている。
【0045】また左,右の連通路72は、それらゴム壁
から成る前後分離壁66の外周端とアウタ金具17の内
面、厳密にはその内面に設けられた被覆ゴム64との間
に形成されており、全体として平面形状が円弧形状をな
している。
【0046】尚、この例ではそれら前後分離壁66の外
周部に沿って、その上面に平面形状が円弧形状をなす堤
部74が上向きに突出状態で設けられており、それら堤
部74が、仕切部材14の下面に弾性的に当接させられ
ている。尚この堤部74は場合によって省略することも
可能である。
【0047】本例の液封エンジンマウント10にあって
は、インナ金具18及び支持ゴム部20が前後方向に高
周波で振動した場合においても、主液室48内でそれら
インナ金具18及び支持ゴム部20周りの液体Lの流れ
が阻害され、主液室48内においてインナ金具18及び
支持ゴム部20周りに液体Lのきれいな流れを生ぜしめ
ない。
【0048】これにより問題とする、例えば300〜5
00Hzの特定高周波域における主液室48内の液柱共
振に起因する動ばね定数の増大が回避され、また前後分
離壁66によって主液室48における流路断面積が少な
くなることによって、更には主液室48の容積減少、つ
まり液体Lの総量が減少することによって、問題とする
特定周波数域における共振パワーが効果的に減少し、こ
れらによって液柱共振に基づく動ばね定数の増大、そし
てこれに基づく騒音の発生ないし増大が効果的に抑制さ
れる。
【0049】尚、上例では支持ゴム部20にゴム壁から
成る前後分離壁66を一体に形成しているが、図4に示
しているようにこの前後分離壁66を、支持ゴム部20
とは別体に且つ仕切部材14の側から下向きに突出する
形態で仕切部材14に一体に設け、この前後分離壁66
を主液室48内に突入させることによって、主液室48
を前部室68と後部室70とに分離するようになすこと
もできる。この場合においても上記と同様の効果を奏す
ることができる。
【0050】次に図5〜図7は本発明の他の実施例を示
したもので、この実施例は、主液室48内の左部と右部
とにおいて、支持ゴム部20から上向きに突出する形態
でゴム壁から成る内外分離壁76を設け、その内外分離
壁76によって、主液室48の左部と右部とに内周室7
8と外周室80とを形成した例である。
【0051】ここで内外分離壁76は支持ゴム部20と
一体に成形されており、その上端が仕切部材14の下面
に当接している。従って内周室78と外周室80とは、
その内外分離壁76の部分において互いに内外方向に非
連通とされている。尚、図5(B)に示しているように
これら内外分離壁76,内周室78,外周室80は何れ
もアウタ金具17の内面に沿って延びる、平面形状が円
弧形状とされている。
【0052】本例の場合、インナ金具18及び支持ゴム
部20が高周波で前後方向に振動したとき、主液室48
における前部の液体Lと後部の液体Lとを、主液室48
の左部と右部とに形成した内周室78と外周室80とを
通じて前後方向に流動させることができるとともに、そ
の際、それら内周室78と外周室80とを区画する内外
分離壁76にて液体Lの流れを乱し或いは規制すること
ができる。そしてその効果によって特定高周波数域にお
ける液柱共振の発生を抑制でき或いは共振周波数をコン
トロールすることができる。またそれら内外分離壁76
を主液室48内に設けることで、前後方向の流路断面積
を少なくし、或いはまた流動液量を少なくすることによ
って共振パワーを減少することができる。その結果とし
て加速走行時における騒音の増大を防止ないし抑制する
ことができる。
【0053】図5〜図7の例では、ゴム壁から成る内外
分離壁76を支持ゴム部20から上向きに一体に形成し
ているが、図8〜図10の実施例に示しているように、
このゴム壁から成る内外分離壁76を、仕切部材14か
ら下向きに突き出す形態で、その仕切部材14に一体に
成形しておくこともできる。
【0054】図11及び図12は本発明の更に他の実施
例を示している。この例は、図8〜図10の実施例が仕
切部材14から立ち下げたゴム壁にて内外分離壁76を
構成しているのに対し、ここでは仕切部材14から金属
プレートを立ち下げて、その金属プレートにより内外分
離壁82を形成した例である。
【0055】ここで内外分離壁82の下端部には外向き
のフランジ部84が形成されており、そのフランジ部8
4がアウタ金具17の内面、詳しくはその内面を被覆す
る被覆ゴム64の内面に当接し、これによって内外分離
壁82の部分において互いに内外方向に非連通の内周室
78と外周室80とを形成している。
【0056】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液封エンジンマウントを示
す断面図である。
【図2】同じ実施例の液封エンジンマウントを組立前の
分解状態で示す斜視図である。
【図3】図2の組立前の分解状態を断面図で示す図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例の液封エンジンマウントの
断面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例の液封エンジンマウン
トの断面図である。
【図6】図5の液封エンジンマウントを組立前の分解状
態で示す斜視図である。
【図7】図6の組立前の分解状態を断面図で示す図であ
る。
【図8】本発明の更に他の実施例の液封エンジンマウン
トの断面図である。
【図9】図8の液封エンジンマウントを組立前の分解状
態で示す斜視図である。
【図10】図9の組立前の分解状態を断面図で示す図で
ある。
【図11】本発明の更に他の実施例の液封エンジンマウ
ントの断面図である。
【図12】図11の液封エンジンマウントを組立前の分
解状態で示す断面図である。
【図13】従来の液封エンジンマウントの例を示す断面
図である。
【図14】図13の液封エンジンマウントを固定用ブラ
ケットとともに示す図である。
【図15】図13の液封エンジンマウントを組立前の分
解状態で示す斜視図である。
【図16】図13の液封エンジンマウントの不具合の説
明図である。
【符号の説明】
10 液封エンジンマウント 14 仕切部材 17 アウタ金具(アウタ部材) 18 インナ金具(インナ部材) 20 支持ゴム部 48 主液室 50 副液室 54 オリフィス通路 58 可動膜 60 ダイヤフラム 66 前後分離壁 68 前部室 70 後部室 72 連通路 76,82 内外分離壁 78 内周室 80 外周室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 CA05 3J047 AA06 CA02 CB03 CD02 DA02 FA02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)車両のボデー側に固定される筒状
    の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウタ部材の中心部に
    配置された、エンジン側に固定される剛性のインナ部材
    と、(ハ)それらアウタ部材とインナ部材とを連結する
    環状且つ略テーパ形状をなす支持ゴム部と、(ニ)該支持
    ゴム部を室の下壁として該支持ゴム部の上側に設けら
    れ、内部に液体の封入された液室と、(ホ)軸直角方向
    に延設され、該液室を下側の主液室と上側の副液室とに
    仕切る仕切部材と、(ヘ)それら主液室と副液室を連通
    させる、周方向に沿って回曲しつつ延びるオリフィス通
    路と、を備えて成る吊下げ式の液封エンジンマウントに
    おいて、 車両前後方向を基準として前記主液室内で左右方向に延
    設され、該主液室を前部室と後部室とに分ける前後分離
    壁を設けるとともに、それら前部室と後部室とを前後に
    連通させる連通路を設けたことを特徴とする吊下げ式の
    液封エンジンマウント。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記仕切部材は少な
    くとも中央部が上下方向に弾性変形可能な可動膜にて構
    成されているとともに、前記副液室の上部の壁がダイヤ
    フラムにて構成されていることを特徴とする吊下げ式の
    液封エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 請求項1,2の何れかにおいて、前記前
    後分離壁が、前記支持ゴム部の外面から左,右方向に延
    び出す形態で設けられていることを特徴とする吊下げ式
    の液封エンジンマウント。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記前
    後分離壁が、前記支持ゴム部の左,右部分を部分的に
    左,右方向に延び出させて成る、該支持ゴム部に一体に
    形成したゴム壁であることを特徴とする吊下げ式の液封
    エンジンマウント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記前
    後分離壁が、前記仕切部材から前記主液室内に下向きに
    突出する形態で設けられた、前記支持ゴム部とは別体を
    成す壁であることを特徴とする吊下げ式の液封エンジン
    マウント。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記前後分離壁がゴ
    ム壁であることを特徴とする吊下げ式の液封エンジンマ
    ウント。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記連
    通路が、前記前後分離壁の左右方向外端と前記アウタ部
    材との間に形成された、該アウタ部材の内面に沿って延
    びる円弧状の通路であることを特徴とする吊下げ式の液
    封エンジンマウント。
  8. 【請求項8】 (イ)車両のボデー側に固定される筒状
    の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウタ部材の中心部に
    配置された、エンジン側に固定される剛性のインナ部材
    と、(ハ)それらアウタ部材とインナ部材とを連結する
    環状且つ略テーパ形状をなす支持ゴム部と、(ニ)該支持
    ゴム部を室の下壁として該支持ゴム部の上側に設けら
    れ、内部に液体の封入された液室と、(ホ)軸直角方向
    に延設され、該液室を下側の主液室と上側の副液室とに
    仕切る仕切部材と、(ヘ)それら主液室と副液室を連通
    させる、周方向に沿って回曲しつつ延びるオリフィス通
    路と、を備えて成る吊下げ式の液封エンジンマウントに
    おいて、 車両前後方向を基準として、前記主液室の左部と右部と
    において前記支持ゴム部から上向きに又は前記仕切部材
    から下向きに突き出し、且つ前記アウタ部材の内面に沿
    って延びる内外分離壁を設け、該内外分離壁により前記
    主液室の左部と右部とに、該内外分離壁にて区画され
    た、該内外分離壁の部分で互いに内外方向に非連通の内
    周室と外周室とを形成したことを特徴とする吊下げ式の
    液封エンジンマウント。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記仕切部材は少な
    くとも中央部が上下方向に弾性変形可能な可動膜にて構
    成されているとともに、前記副液室の上部の壁がダイヤ
    フラムにて構成されていることを特徴とする吊下げ式の
    液封エンジンマウント。
  10. 【請求項10】 請求項8,9の何れかにおいて、前記
    内外分離壁,内周室及び外周室の平面形状がそれぞれ円
    弧形状をなしていることを特徴とする吊下げ式の液封エ
    ンジンマウント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266024A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Bridgestone Corp 吊下げ型エンジンマウント
JP2011169428A (ja) * 2010-02-19 2011-09-01 Bridgestone Corp 防振装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266024A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Bridgestone Corp 吊下げ型エンジンマウント
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