JP3677650B2 - 液体封入式防振装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定周波数域の振動遮断を図るように形成された防振機構部を有する液体封入式防振装置に関するものであり、特に、例えばエンジンアイドリング振動とエンジンシェークと等、二つの周波数域の振動遮断を目的としたオリフィスが、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材のところに設けられるようにした液体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
防振装置のうち、特に、自動車用のエンジンマウント等にあっては、動力源であるところのエンジンが、アイドリング運転の状態から最大回転速度までの間、種々の状況下で使用されるものであるため、広い範囲の周波数に対応できるものでなければならない。そのため、内部に二つの液室を設け、その間をオリフィスをもって連結するとともに、上記液室内の液体を特定の周波数にて振動させるようにした防振機構部を有する液体封入式防振装置が案出され、既に公知となっている。そして、このような液体封入式防振装置のうち、二つのオリフィスを有するタイプのものとしては特開平5−272575号公報記載のもの等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものを初めとした二つのオリフィスを有するタイプのもののうち、例えば図9に示すような負圧導入型の液体封入式防振装置としては、エンジン等の振動体側に連結される第一の連結部材90等を一体的に有するゴム状インシュレータ10と、調整オリフィス210を有するものであって主室と第三液室との間を区画する部材20と、負圧の導入される平衡室330の一部を区画形成するものであって負圧の導入によって作動する第二のダイヤフラム30と、上記平衡室330の形成に寄与するものであって剛体状の部材からなる仕切部材40と、当該仕切部材40の下側に設けられて副室の形成に寄与するダイヤフラム50と、等からなるものが挙げられる。そして、これら各部品が、図9に示す如く、一体的に組立てられることによって液体封入式の防振装置が形成されるようになっているものである。従って、調整オリフィス210を有する部材20を初めとして、複雑な形状を有する部品(部材)等が必要とされ、全体的にコスト高とならざるを得ない。このような問題点を解決するために、アルミニウム合金製鋳物等にて形成される仕切部材のところに、上記二つのオリフィスをも含めて複数の機能部をまとめて設けるようにし、これによって、他の部品の構造を簡略化し、全体的に製造コストの低減化を図るようにした二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置を提供しようとするのが、本発明の目的(課題)である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては次のような手段を講ずることとした。すなわち、請求項1記載の発明においては、まず、振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室と、当該主室に第一のオリフィスを介して連結されるとともに第一のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、上記主室と第三液室との間を連結する第二のオリフィスと、等からなる二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置に関して、上記仕切部材を円筒状の形態からなるようにするとともに、当該円筒状仕切部材の周辺部のところに、少なくともいずれか一方のものが円弧の一部にて形成される第一のオリフィス及び第二のオリフィスを設け、更に、上記円筒状仕切部材の上方部側に、上記第一のオリフィス及び第二のオリフィスとは独立に形成される開口部を有するものであって、その底の部分が副室との間の仕切部を形成する凹陥部を設け、更に、本円筒状仕切部材の下方部側に、副室につながる上記第一のオリフィスの開口部を設けるようにした構成を採ることとした。
【0005】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、二つのオリフィスを初めとして各機能部が上記仕切部材のところに一体的にまとめられた状態で形成されることとなるので、このような仕切部材を基礎にして、この周りにゴム状部材からなるインシュレータあるいは各種ダイヤフラム等を組付けることによって、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置を比較的簡単に形成することができるようになる。
【0006】
請求項1記載の発明においては、さらに、上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第三液室を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにした構成を採ることとした。
【0007】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、仕切部材の上方開口部のところを単純な蓋部材にて塞ぐことによって、第三液室を形成させることができるとともに、二つのオリフィスを有するタイプの防振機構部を上記仕切部材の周りに一体的に形成させることができるようになる。
【0008】
次に、請求項2記載の発明について説明する。このものも、その前提構成の基本的な点は上記請求項1記載のものと同じである。すなわち、本発明においては、まず、振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室と、当該主室に第一のオリフィスを介して連結されるとともに第一のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、上記主室と第三液室との間を連結する第二のオリフィスと、からなる二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置に関して、上記仕切部材を、円筒状の形態からなるものであってその周縁部に第一のオリフィス及び第二のオリフィスを有するとともに、上方部側には、上記第一のオリフィス及び第二のオリフィスとは独立に形成される開口部を有するものであって、その底の部分が副室との間の仕切部を形成する凹陥部を有するようにし、更に、その下方部側には、副室につながる上記第一のオリフィスの開口部を有するようにした構成を採ることとした。
【0009】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記請求項1記載のものと同様、二つのオリフィスを初めとして各機能部が上記仕切部材のところに一体的にまとめられた状態で形成されることとなる。従って、このような仕切部材を基礎にして、この周りにゴム状部材からなるインシュレータあるいは各種ダイヤフラム等を組付けることによって、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置を比較的簡単に形成することができるようになる。
【0010】
請求項2記載の発明においては、さらに、上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第三液室を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにした構成を採ることとした。
【0011】
このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、仕切部材の上方開口部のところを単純な蓋部材にて塞ぐことによって、第三液室を形成させることができるとともに、二つのオリフィスを有するタイプの防振機構部を上記仕切部材の周りに一体的に形成させることができるようになる。
【0012】
次に、請求項3記載の発明について説明する。本発明の特徴とするところは、主室と第三液室との間に設けられる第二のオリフィスである調整オリフィスの構成に関する点である。すなわち、本発明においては、請求項1または2記載の液体封入式防振装置に関して、上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第二のダイヤフラム並びに当該第二のダイヤフラムの作動によって上記主室内の液圧調整を行なう第三液室及び第二のオリフィス等からなる防振機構部を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにした構成を採ることとした。このような構成を採ることにより、本発明のものにおいては、上記第二のオリフィスを形成するものであって主にアイドリング振動の入力時に機能する調整オリフィスを上記仕切部材のところに設けることができるようになり、従来のものにおけるように、別部品として設ける必要がなくなった。従って、全体の製造コストの低減化を図ることができるようになる。すなわち、仕切部材の上方開口部のところを単純な蓋部材にて塞ぐことによって、第三液室を初めとした防振機構部を仕切部材の周りに一体的に形成させることができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図8を基に説明する。本発明の第一の実施形態に関するものの、その構成は、図1に示す如く、振動体に取付けられる第一の連結部材91と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材95と、これら第一の連結部材91と第二の連結部材95との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータ4と、当該インシュレータ4の一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室5と、当該主室5に第一のオリフィス11を介して連結されるとともに第一のダイヤフラム7にて室壁の一部が区画形成される副室6と、上記主室5と副室6との間を仕切る仕切部材1と、上記主室5に対して第二のオリフィス12を介して連結される第三液室23と切換手段8の作動により適宜負圧の導入される平衡室21との間を区画する第二のダイヤフラム2と、上記仕切部材1の上方部に設けられて上記主室5と上記第三液室23との間を仕切る蓋部材3と、からなることを基本とするものである。
【0014】
このような基本構成からなるものにおいて、上記仕切部材1は、アルミニウム合金製鋳物部材を基礎に形成されるものであって、図2及び図3に示す如く、円筒状の形態からなるものであることを基本とするものである。そして、その周縁部付近には、主室5への開口部を有する第二のオリフィス12が設けられるとともに、これに続いて、一方の端部が副室6への開口部111を有する第一のオリフィス11が設けられるようになっているものである。そして更に、上方部側には、上記第一のオリフィス11及び第二のオリフィス12とは別個独立に形成されるものであって、これら円環状オリフィス11、12の円環の中心点に対して所定量偏心した位置に中心点を有する円状の開口部13を有する凹陥部15が設けられるようになっている。そして、このような凹陥部15の底の部分は平衡室21の一部を形成するとともに副室6との間の仕切部を形成するようになっているものである。
【0015】
このような構成からなるものにおいて、具体的には、図2に示す如く、その上方部側には、凹陥部15の開口部13が設けられるとともに、このような凹陥部15内には、平衡室21の一部を形成する第二のダイヤフラム2が設置され、そして、当該第二のダイヤフラム2の設置された上方部側には上記第三液室23を形成するものであって上記主室5との間を仕切る蓋部材3が設置されるようになっているものである(図1,図2参照)。これによって、平衡室21に切換手段8及び連通路81を介して負圧が導入されると、上記第二のダイヤフラム2が作動するとともに、当該第二のダイヤフラム2の作動によって第三液室23及び第二のオリフィス12内の液体を介して主室5内の液体が加振されるようになっているものである。また、このような仕切部材1の下方部側には、図1及び図3に示す如く、副室6につながる第一のオリフィス11の副室側開口部111が設けられるようになっている。そして、このような仕切部材1の下端部のところに、第一のダイヤフラム7が装着される(取付けられる)ことによって、主室5にオリフィス11、12を介して連通する副室6が形成されることとなる。
【0016】
このような構成からなる円筒状仕切部材1の周りに、図2に示す如く、上方部側から第二のダイヤフラム2及び蓋部材3を装着することによって、平衡室21、第三液室23等を有するサブアセンブリ体が形成されることとなる。そして、このようなサブアセンブリ体を中心にして、第一の連結部材91と一体化されたゴム状のインシュレータ4、及び第二の連結部材95と一体化された第一のダイヤフラム7(図3参照)等を、所定の液体の満たされた容器内等にて一体的に組付ける(組立てる)ことによって、負圧導入型の防振機構部を有する液体封入式防振装置が形成されることとなる。
【0017】
なお、本実施の形態においては、上記仕切部材1の周縁部に設けられる第二のオリフィス12及び第一のオリフィス11が、上記主室5と副室6との間に連続して形成されるもの(図1参照)について述べて来たが、この外に、図4に示すような、第一のオリフィス11及び第二のオリフィス12の主室5側への開口部を共有するもの、すなわち、共通開口19を有するものが挙げられる。このものは、その基本的な構成は、これまでに述べて来たものと同じである。異なるところは、図4に示す如く、各オリフィス11、12の主室5側への開口部が共通になっていることである。この共通開口19を介して第二のオリフィス12は、その一端が第三液室23に連結されるとともに、第一のオリフィス11は第二のオリフィス12の一部を共有して副室6に、副室側開口部111を介して連通するようになっているものである。なお、このように主室5側に一つの開口を有するとともに、例えば図1及び図4に示す如く、オリフィスが途中で分岐したり、あるいは主室5から第三液室23を経由して副室6側へとオリフィスが連続して形成されるものを直列タイプと定義することとする。
【0018】
なお、このような仕切部材1の上方部側周辺部に円弧状に設けられる第二のオリフィス12については、これまでに述べて来たもの(図1ないし図3参照)のように、円筒状仕切部材1の周縁部に形成される第二のオリフィス12の一側面が円筒部の外周面側に開放されているものの外に、例えば図5及び図6に示す如く、円弧状オリフィス、例えば第二のオリフィス12の一方側の面が主室5側にのみ開放されるように成っているものが挙げられる。このように、第二のオリフィス12を円弧状の凹溝からなるようにするとともに、図6に示す如く、この円弧状溝の上方部を、一部にフランジ33を有する蓋部材3にて塞ぐことによって、上記第二のオリフィス12を簡単に形成することができるようになる。また、このような構成からなる円筒状の仕切部材1をアルミニウム合金による鋳造品(ダイキャスト製品)にて形成する場合、その製造工程が簡略化されるという利点を有することとなる。
【0019】
次に、このような構成からなる本実施の形態のものについての、その作用等について説明する。すなわち、本実施の形態のものにおいては、二つのオリフィス11、12を初めとして各機能部が上記仕切部材1のところに一体的にまとめられた状態で形成されるようになっているので、このような仕切部材1を基礎にして、この周りにゴム状部材からなるインシュレータ4あるいは各種ダイヤフラム2、7、更には蓋部材3等を組付けることによって、負圧導入型の液体封入式防振装置を比較的簡単に形成することができるようになる。具体的には、図2に示す如く、仕切部材1の凹陥部15内に、平衡室21の一部を形成することとなる第二のダイヤフラム2を設置するとともに、当該第二のダイヤフラム2の設置された上方部側に上記第三液室23を形成するものであって上記主室5との間を仕切る蓋部材3を設置し、これによってサブアセンブリ体を形成させ、このようなサブアセンブリ体の周りに、上記ゴム状インシュレータ4を有する部材、更には図3に示すように、第一のダイヤフラム7等を組付けることによって、比較的簡単に負圧導入型防振機構部を有する液体封入式防振装置を形成することができるようになる。
【0020】
特に、本実施の形態のものにおいては、アイドリング振動に対応させた調整オリフィスである第二のオリフィス12が、上記仕切部材1の周辺部のところに、アルミニウム合金製鋳物成形時に予め一体的に形成されるようになっているので、本第二のオリフィス12を、従来のものにおけるように(図9参照)、複雑な板金プレス成形品にて形成させる必要がない。従って、円筒状仕切部材1の凹陥部15の、その上方開口部13のところに、単純な形態からなる蓋部材3を嵌め込むことによって(図2参照)、第三液室23及び第二のオリフィス12等が形成されることとなる。また、蓋部材3の嵌め込まれる凹陥部15の開口部13の円(開口円)の中心点は、円筒状仕切部材1の外周円の中心点に対して所定量偏心した状態で設定されるようになっているので、このような仕切部材1の外周余肉部の側面部に、上記両オリフィス11、12を設けることによって、仮に仕切部材1に各オリフィス11、12を設けたとしても、上記蓋部材3の面積を大きく採ることができるようになる。従って、この蓋部材3のところに、高周波数域の振動入力に対処するためのゴム状可撓性部材が設けられるような場合において、このゴム状可撓性部材の受圧面積を広く採ることができるようになり、主室内の液圧上昇を効果的に抑えることができるようになる。
【0021】
次に、本発明に関する第二の実施形態のものについて説明する。このものは、図5ないし図8に示す如く、第一のオリフィス11の主室側開口部を、円筒状仕切部材1の上方部側周辺部に形成される円弧状の第二のオリフィス12とは別個独立に設けるようにした、いわゆる並列型のものである。すなわち、第二のオリフィス12は、図6に示す如く、円筒状仕切部材1の上方部の周辺部に、円弧状に設けられた凹溝にて形成されることを基本とし、この凹溝の上方部にフランジ33付きの蓋部材3が被せられることによって形成されるようになっているものである。そして、このとき、上記凹溝の一部を上方側に一部開口させることによって第二のオリフィス12の主室5側の開口部を形成させるようにしているものである。また、第一のオリフィス11は、図5ないし図7に示す如く、主室5側の開口部を上記第二のオリフィス12とは別の位置に設けるようにしているものである。そして、このような開口部に連続して上下方向に垂直状の通路を上記円筒状仕切部材1の周辺部に設ける(図5参照)とともに、更に、このような垂直状通路の下方部側を、直接副室6側に開口させるようにするか、あるいは、図5または図8に示す如く、上記円筒状仕切部材1の下方部側周辺部のところを、約半周程度円弧状に取廻した後に、上記副室6側へと開口させることによって、上記第一のオリフィス11が形成されるようになっているものである。この場合、副室6側には、副室側開口部111が設けられるようになっている。このように、本実施の形態のものにおいては、第一のオリフィス11と第二のオリフィス12とは、円筒状仕切部材1の、その周辺部のところに、それぞれが独立に設けられるようになっているものである。すなわち、上記両オリフィス11、12は並列に形成されるようになっているものである。
【0022】
次に、このような構成からなる各種オリフィスの組合せ状態からなるものについての、それぞれの機能について説明する。まず、二つのオリフィス11、12が、図1ないし図4に示す如く、主室5と副室6との間において連続した状態で形成されるものにおいては、両者の特性が連成し合う可能性が高くなる。例えば両オリフィス11、12の共振周波数(固有振動数)を、お互いに影響し合う程度の近い範囲内に設定しておくことによって、図2あるいは図3に示す第二のオリフィス12及び第三液室23の作用によって生じた加振力が、第一のオリフィス11の共振作用にて更に増幅され、この増幅された加振力が上記第二のオリフィス12を経由して主室5(図1参照)内の液体に伝播されるようになる。従って、この場合、上記加振力の作用により、上記主室5内の液圧上昇が抑えられ、特定周波数の振動入力に対して低動バネ定数化を図ることができるようになる。このように、本実施の形態のものにおいては、二つのオリフィスの有する特性を相互に連成させることによって、特定周波数の振動入力に対して、その制振機能を高めさせることができるようになる。
【0023】
また、上記のような連続タイプのものとは別に、図5ないし図8に示すものの如く、二つのオリフィス11、12を、それぞれ別個独立に形成させるようにしたものにおいては、多くの場合には、それぞれのオリフィス11、12の仕様緒元が独立に設定されることとなり、連成作用は特に考慮されない。但し、この場合においても、両者の仕様緒元を適宜選択することによって、すなわち、両オリフィス11、12をお互いに影響し合うように共振周波数を近づけた状態でチューニングすることによって、共振しているオリフィスとは別のオリフィスにも影響を及ぼさせるようにすることができる。これによって、ある特定周波数にチューニングされたオリフィスをその周波数で単独に用いる場合よりも大きな振動減衰作用を発揮させることができるようになる。このように、並列型のものにおいても、並列に設けられた二つのオリフィスが有する特性を相互に連成させ、これによって、特定周波数の振動入力に対して、その減衰機能を高めさせることができるようになる。
【0024】
なお、上記並列タイプのものにおいては、上記の外に、次のような機能を発揮させることができるようになる。例えば、車両走行時等、ある特定の条件下においては、上記負圧を平衡室21に導入して、第二のダイヤフラム2を負圧にて常時吸引状態にする。これによって、第三液室23内の液圧変動を生じさせないようにし、主室5内の液体への振動入力に対して、当該主室5内の液体を積極的に第一のオリフィス11を介して副室6側へと流動させるようにする。その結果、高減衰特性が得られるようになり、エンジンシェーク等の特定周波数の振動の減衰及び遮断を図ることができるようになる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室と、当該主室に第一のオリフィスを介して連結されるとともに第一のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、上記主室と第三液室との間を連結する第二のオリフィスと、等からなる二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置に関して、上記仕切部材を円筒状の形態からなるようにするとともに、当該円筒状仕切部材の周辺部のところに、少なくともいずれか一方のものが円弧の一部にて形成される第一のオリフィス及び第二のオリフィスを設け、更に、上記円筒状仕切部材の上方部側に、上記第一のオリフィス及び第二のオリフィスとは独立に形成される開口部を有するものであって、その底の部分が副室との間の仕切部を形成する凹陥部を設け、更に、本円筒状仕切部材の下方部側に、副室につながる上記第一のオリフィスの開口部を設けるようにした構成を採ることとしたので、二つのオリフィスを初めとして各機能部が上記仕切部材のところに一体的にまとめられた状態で形成されることとなり、このような仕切部材を基礎にして、この周りにゴム状部材からなるインシュレータあるいは各種ダイヤフラム等を組付けることによって、二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置を比較的簡単に形成することができるようになった。
【0026】
また、本発明においては、円筒状の仕切部材の凹陥部内に、第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室を形成するものであって上記主室との間を仕切る単純な形状の蓋部材を設置するようにしたので、第二のダイヤフラム並びに当該第二のダイヤフラムの作動によって上記主室内の液圧調整を行なう第三液室及び第二のオリフィス等からなる防振機構部を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させることができるようになった。従って、第二のオリフィスを複雑なプレス成形品等にて形成させる必要が無くなり、全体の製造コストの低減化を図ることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態に関するものの全体構成を示す縦断面図である。
【図2】 本発明の第一の実施形態に関するものの、その主要部を成す仕切部材周りの構成を示す展開斜視図である。
【図3】 本発明の第一の実施形態に関するものの、その主要部を成す仕切部材と第一のダイヤフラムとの関係を示す展開斜視図である。
【図4】 本発明の第一の実施形態に関するものの、その変形例の全体構成を示す縦断面図である。
【図5】 本発明の第二の実施形態に関するものの全体構成を示す縦断面図である。
【図6】 本発明の第二の実施形態に関するものの、その主要部を成す仕切部材及び蓋部材周りの構成を示す展開斜視図である。
【図7】 本発明の第二の実施形態に関するものの、その主要部を成す仕切部材についての上方部周りの構成を示す斜視図である。
【図8】 本発明の第二の実施形態に関するものの、その主要部を成す仕切部材についての下方部周りの構成を示す斜視図である。
【図9】 従来のものについての全体構成を示す展開図である。
【符号の説明】
1 仕切部材
11 第一のオリフィス
111 開口部(副室側開口部)
12 第二のオリフィス
13 開口部
15 凹陥部
19 共通開口
2 第二のダイヤフラム
21 平衡室
23 第三液室
3 蓋部材
33 フランジ
4 インシュレータ
5 主室
6 副室
7 第一のダイヤフラム
8 切換手段
81 連通路
91 第一の連結部材
95 第二の連結部材
Claims (3)
- 振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室と、当該主室に第一のオリフィスを介して連結されるとともに第一のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、上記主室と第三液室との間を連結する第二のオリフィスと、からなる二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置において、上記仕切部材を円筒状の形態からなるようにするとともに、当該円筒状仕切部材の周辺部のところに、少なくともいずれか一方のものが円弧の一部にて形成される第一のオリフィス及び第二のオリフィスを設け、更に、上記円筒状仕切部材の上方部側に、上記第一のオリフィス及び第二のオリフィスとは独立に形成される開口部を有するものであって、その底の部分が副室との間の仕切部を形成する凹陥部を設け、更に、本円筒状仕切部材の下方部側に、副室につながる上記第一のオリフィスの開口部を設けるようにした構成からなる液体封入式防振装置において、
上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第三液室を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。 - 振動体に取付けられる第一の連結部材と、車体側のメンバ等に取付けられる第二の連結部材と、これら第一の連結部材と第二の連結部材との間にあって上記振動体からの振動を吸収及び遮断するゴム状のインシュレータと、当該インシュレータの一部にてその室壁が形成されるものであって液体の封入される主室と、当該主室に第一のオリフィスを介して連結されるとともに第一のダイヤフラムにて室壁の一部が区画形成される副室と、上記主室と副室との間を仕切る仕切部材と、上記主室と第三液室との間を連結する第二のオリフィスと、からなる二つのオリフィスを有するタイプの液体封入式防振装置において、上記仕切部材を、円筒状の形態からなるものであってその周縁部に第一のオリフィス及び第二のオリフィスを有するとともに、上方部側には、上記第一のオリフィス及び第二のオリフィスとは独立に形成される開口部を有するものであって、その底の部分が副室との間の仕切部を形成する凹陥部を有するようにし、更に、その下方部側には、副室につながる上記第一のオリフィスの開口部を有する構成からなるようにした液体封入式防振装置において、
上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第三液室を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。 - 請求項1または2記載の液体封入式防振装置において、上記仕切部材の凹陥部内に、上記第三液室の一部を形成する第二のダイヤフラムを設置し、当該第二のダイヤフラムの設置された上方部側に上記第三液室の一部を形成するものであって上記主室との間を仕切る蓋部材を設置し、これによって、上記第二のダイヤフラム並びに当該第二のダイヤフラムの作動によって上記主室内の液圧調整を行なう第三液室及び第二のオリフィスを有する防振機構部を、上記仕切部材を基礎に一体的に形成させるようにしたことを特徴とする液体封入式防振装置。
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