JP2003214481A - 吊下げ式の液封エンジンマウント - Google Patents

吊下げ式の液封エンジンマウント

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JP2003214481A
JP2003214481A JP2002014100A JP2002014100A JP2003214481A JP 2003214481 A JP2003214481 A JP 2003214481A JP 2002014100 A JP2002014100 A JP 2002014100A JP 2002014100 A JP2002014100 A JP 2002014100A JP 2003214481 A JP2003214481 A JP 2003214481A
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engine mount
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shape
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JP2002014100A
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Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Masahiko Nagasawa
正彦 長澤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、車
両の加速走行時等において前後方向に高周波の振動入力
が加わったときに液柱共振を起し、これに起因して動ば
ね定数が高くなってエンジンからの振動が車室の壁に伝
達され、加速騒音を発生させる問題を解決する。 【解決手段】車両のボデー側に固定される筒状のアウタ
金具17と、その中心部に配置された、エンジンに固定
されるインナ金具18と、略テーパ形状をなす支持ゴム
部20と、内部に液体が封入された主液室48とを備え
て成る吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、イン
ナ金具18及び支持ゴム部20の平面形状を非円形の異
形状となし、環状室62における液体の周方向の交互流
れを攪乱させて、特定高周波数域における前後振動の際
の液柱共振の発生を防止ないし抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内部に液体を封入
した吊下げ式の液封エンジンマウントに関する。
【0002】
【従来の技術】図10はこの種吊下げ式の液封エンジン
マウントの一例を示している。この吊下げ式の液封エン
ジンマウント200は、剛性の筒状のアウタ金具202
と、同じく剛性のインナ金具204と、それらを連結す
る支持ゴム部206とを有している。
【0003】インナ金具204は、軸直角方向外向きの
フランジ部207を備えた上側のカップ状部208と、
雌ねじ孔210を備えた下側の軸部212とを有してお
り、その軸部212側において図11に示しているよう
にブラケット213を介しエンジンに固定されるように
なっている。
【0004】また一方、同図に示しているようにアウタ
金具202側においてブラケット214を介し車両のボ
デーに固定されるようになっている。即ちエンジンがこ
の液封エンジンマウント200を介し、吊下げ状態に車
両のボデーに支持されるようになっている。
【0005】支持ゴム部206は略テーパ形状をなして
おり、アウタ金具202における逆テーパ部216と、
インナ金具204における軸部212の上部からカップ
状部208のフランジ部207の先端にかけての部分を
内外方向に連結している。
【0006】この液封エンジンマウント200にあって
は、支持ゴム部206の上側に液室が形成されていて、
その液室に水等の液体Lが封入されている。この液室は
仕切部材218によって下側の主液室220と、上側の
副液室222とに区画されている。ここで主液室220
は、インナ金具204及び支持ゴム部206の中心部
が、アウタ金具202内部に上向きに突き出しているこ
とから、それらインナ金具204及び支持ゴム部206
を取り巻く形態の環状室220Aを有している。
【0007】ここで仕切部材218には、これら主液室
220と副液室222とを連通させるための透孔224
が形成されている。更にこの透孔224に続いてその上
側に、周方向に沿って延びる形態のオリフィス通路22
6が、仕切部材218と蓋部材228との間に形成され
ている。このオリフィス通路226は、図12に示す切
欠部230の部分で副液室222に連通しており、これ
によって主液室220と副液室222との間で、液体L
がこれら透孔224及びオリフィス通路226を通じて
互いに移動可能とされている。
【0008】上記仕切部材218は、その中央部分が上
下方向に弾性変形可能な可動膜232とされており、更
に副液室222の上側の壁が、弾性変形可能なダイヤフ
ラム234にて構成されている。
【0009】この吊下げ式の液封エンジンマウント20
0にあっては、シェイク等の低周波数の上下方向の振動
入力に対しては、オリフィス通路226における液体L
の流動に基づくエネルギー吸収によって振動減衰が行わ
れる。ここでオリフィス通路226の通路断面積及び長
さ等は、例えば10Hz前後の特定低周波数領域におい
て振動減衰が効果的に行われるようにチューニングされ
ている。
【0010】一方中速走行時等においてこれよりも高い
周波数の振動入力が上下方向に加わると、このときオリ
フィス通路226は実質的に液体Lが流動できない状
態、即ちオリフィス通路226が実質的に閉鎖された状
態にあり、従って高周波数の振動入力に対しては、イン
ナ部材204及び支持ゴム部206の上下動に基づく主
液室220内の液圧変動が、主として可動膜232の上
下方向の弾性変形によって吸収される。そしてその可動
膜232の液圧吸収作用によって、高周波域における振
動絶縁効果が達成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この種形態の吊下げ式
の液封エンジンマウント200にあっては、加速走行時
等において前後方向に高周波数の振動入力、例えば30
0〜500Hzの特定高周波数の振動入力が加わったと
き、液封エンジンマウント200の動ばね定数が著しく
高くなってエンジンからの振動伝達が増し、車室の壁が
振動して騒音が大きくなる(加速騒音が悪化する)とい
った問題の生じることが判明した。この傾向はエンジン
を横置きにした場合に特に顕著である。
【0012】そこで本発明者等がその原因を追究したと
ころ、主液室220内で液体Lが共振することによるサ
ージ現象が原因であることが判明した。この点を図13
に基づいて詳しく説明する。
【0013】この形態の液封エンジンマウント200に
あっては、インナ金具204及び支持ゴム部206の外
側に、これを取り巻く形態の環状室220Aが主液室2
20内に形成されており、そのため図13(A)におい
て、インナ金具204及び支持ゴム部206の上部が前
後方向(図中上下方向)に振動すると、これに伴って環
状室220A内で液体Lの周方向の交互流れを生じる。
【0014】例えば図13においてインナ金具204及
び支持ゴム部206の上部が前方(図中上方)に移動す
ると、その移動先にあった液体Lが排除される結果、環
状室220A内において液体Lの矢印P方向の流れが
生じ、また逆にインナ金具204及び支持ゴム部206
の上部が後方(図中下方)に移動すると、その移動先の
液体Lが排除される結果、今度は逆向き、即ち図中矢印
方向の流れを生ずる。
【0015】そしてそれらの液体Lの高速且つ交互流動
に基づいて、300〜500Hzの特定高周波数領域に
おいて液体Lの液柱共振が発生し、その液柱共振に起因
してサージ現象が発生し、エンジンからの振動が車体側
へと大きく伝達されてしまって騒音を発生させてしまう
のである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の吊下げ式の液封
エンジンマウントはこのような課題を解決するために案
出されたものである。而して請求項1のものは、(イ)
車両のボデー側に固定される筒状の剛性のアウタ部材
と、(ロ)該アウタ部材の中心部に配置された、車両の
エンジンに固定される剛性のインナ部材と、(ハ)それ
らアウタ部材とインナ部材とを連結する環状且つ略テー
パ形状をなす支持ゴム部と、(ニ)該インナ部材及び支
持ゴム部を取り巻くようにそれらインナ部材及び支持ゴ
ム部とアウタ部材間に形成された環状室を有し、内部に
液体が封入された液室と、を備えて成る吊下げ式の液封
エンジンマウントにおいて、前記インナ部材及び支持ゴ
ム部の平面形状を非円形の異形状で且つ車両の前後方向
を基準として左右方向への突出し寸法が前後方向の突出
し寸法よりも大きな形状となし、以って前記環状室の平
面形状を対応する異形状となしたことを特徴とする。
【0017】請求項2のものは、請求項1において、前
記異形状が星型形状,四角形状,三角形状,楕円形状の
何れかであることを特徴とする。
【0018】請求項3のものは、(イ)車両のボデー側
に固定される筒状の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウ
タ部材の中心部に配置された、車両のエンジンに固定さ
れる剛性のインナ部材と、(ハ)それらアウタ部材とイ
ンナ部材とを連結する環状且つ略テーパ形状をなす支持
ゴム部と、(ニ)該インナ部材及び支持ゴム部を取り巻
くようにそれらインナ部材及び支持ゴム部とアウタ部材
間に形成された環状室を有し、内部に液体が封入された
液室と、を備えて成る吊下げ式の液封エンジンマウント
において、前記インナ部材に、該インナ部材を前後方向
に貫通して前記環状室の液体を前後方向に通過流通させ
る通路が設けてあることを特徴とする。
【0019】請求項4のものは、請求項1〜3の何れか
において、前記液室が軸直角方向に延設された仕切部材
によって下側の主液室と上側の副液室とに区画されてい
るとともに、それらを連通させる、周方向に延びるオリ
フィス通路が更に設けられており、且つ該仕切部材は少
なくとも中央部が上下方向に弾性変形可能な可動膜にて
構成されているとともに、前記副液室の上部の壁がダイ
ヤフラムにて構成されていることを特徴とする。
【0020】
【作用及び発明の効果】上記のように請求項1のもの
は、インナ部材及び支持ゴム部の平面形状を、車両の前
後方向を基準として左右方向の突出し寸法を大きな非円
形の異形状となしたものである。この発明は、上記液柱
共振の発生が、環状室内の液体がインナ部材及び支持ゴ
ム部の周りに沿って規則正しくきれいに流れ、その結果
として周方向の交互流れが生じ易いことが原因であると
の着眼の下になされたもので、この発明によれば、イン
ナ部材及び支持ゴム部の前後振動に伴って環状室で生じ
る液体の流れがきれいな円形(半円形)の流れとなら
ず、インナ部材及び支持ゴム部の異形状によって流れを
攪乱されながら、環状室内において周方向に流動するよ
うになる。
【0021】これにより問題となる、例えば300〜5
00Hzの特定高周波域における液室内の液柱共振に起
因する動ばね定数の増大が回避され、更にまたインナ部
材及び支持ゴム部が左右方向に大きく突き出すことによ
って、環状室における流路断面積、特に環状室の左,右
部の流路断面積及び流動する液体の総量が少なくなるこ
とによって、問題とする周波数領域での共振の抑制ない
し共振パワーの減少がもたらされ、これらによって液柱
共振に起因する動ばね定数の増大、更にはこれに基づく
騒音の発生ないし増大が効果的に抑制される。
【0022】この場合において上記インナ部材及び支持
ゴム部は、その平面形状を星型形状,四角形状,三角形
状,楕円形状等の異形状となしておくことができる(請
求項2)。
【0023】次に請求項3のものは、インナ部材に、そ
のインナ部材を前後方向に貫通して環状室の液体を前後
方向に通過流通させる通路を設けたもので、このように
なした場合においても、特定高周波域における環状室内
での液柱共振の発生を効果的に回避することができる。
【0024】上記環状室内における液柱共振は、環状室
に沿って半円形に液体が流れることによって発生する
が、この請求項3によれば、インナ部材に設けた通路内
にも液体が流れるため、環状室に沿っての半円形の液体
流動の乱れが生じ、また半円形に液が流動する液体の総
量が少なくなり、問題とする周波数領域での共振パワー
が減少し液柱共振が効果的に抑えられるのである。従っ
て請求項3に従って液封エンジンマウントを構成した場
合においても、特定高周波数域における液柱共振の発生
に起因する騒音の発生ないし増大が効果的に防止ないし
抑制される。
【0025】本発明は、上記液室が仕切部材によって下
側の主液室と上側の副液室とに区画されているととも
に、それらが周方向に延びるオリフィス通路にて連絡さ
れ、更に仕切部材の中央部が可動膜にて、また副液室の
上部の壁がダイヤフラムにて構成されて成る液封エンジ
ンマウントに適用して特に好適なものである(請求項
4)。
【0026】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1において、10は本例の吊下げ式の液封
エンジンマウントであって、図3及び図4にも示してい
るように本体部12と、仕切部材14と、蓋部材16と
を組み付けて構成してある。この液封エンジンマウント
10は、筒状をなす剛性のアウタ金具17と、同じく剛
性のインナ金具18と、それらを内外方向に連結する支
持ゴム部20とを有している。
【0027】インナ金具18は、上側にフランジ部21
を備えたカップ状部22を、下側に雌ねじ孔24を備え
た軸部26を有しており、その軸部26において、図2
に示しているようにブラケット28を介しエンジンに固
定され、またアウタ金具17においてブラケット30を
介しボデーに固定されるようになっている。即ちこの例
の液封エンジンマウント10は、エンジンを吊下げ状態
で弾性支持する。
【0028】図3及び図4に示しているように、本体部
12のアウタ金具17は、その上端部にフランジ部32
とかしめ部34とを有している。一方仕切部材14は、
中心部に円形の開口を有するプレート金具36と、その
プレート金具36の円形の開口を閉鎖するゴム弾性体3
8とを有しており、そしてそのプレート金具36の外周
部にフランジ部40が形成されている。
【0029】また蓋部材16は、ゴム弾性体42とその
外周部に埋め込まれたプレート状の埋込金具44とを有
している。埋込金具44は、その下端部がゴム弾性体4
2の外部に露出しており、その露出した部分がフランジ
部46とされている。
【0030】この液封エンジンマウント10にあって
は、仕切部材14及び蓋部材16における各フランジ部
40,46を、本体部12のフランジ部32に重ね合
せ、その状態で本体部12のかしめ部34をかしめ付け
ることで、それら本体部12,仕切部材14,蓋部材1
6が組み付けられている。
【0031】図1に示しているように、支持ゴム部20
は略テーパ形状をなしており、アウタ金具17における
逆テーパ部31と、インナ金具18における軸部26の
上部からカップ状部22のフランジ部21の先端にかけ
ての部分を内外方向に連結している。この支持ゴム部2
0の上側には液室が形成されていて、その液室が仕切部
材14にて下側の主液室48と上側の副液室50とに区
画されている。
【0032】仕切部材14、詳しくはプレート金具36
には、主液室48と副液室50とを連通させるための長
穴形状の透孔52(図3参照)が形成されており、更に
この透孔52に連続して、周方向に延びるオリフィス通
路54が仕切部材14と蓋部材16との間に形成されて
いる。
【0033】このオリフィス通路54は、図3に明らか
に示しているように仕切部材14のゴム弾性体に形成さ
れた切欠部56によって副液室50と連通させられてい
る。即ち主液室48と副液室50との間で、それら液室
に封入された液体Lが、透孔52及びオリフィス通路5
4を通じて互いに行き来できるようになっている。
【0034】主液室48と副液室50とを仕切る仕切部
材14において、ゴム弾性体38によるプレート金具3
6の開口の閉鎖部分は、上下方向に弾性変形可能な可動
膜58として構成されており、更に副液室50における
上側の壁はダイヤフラム60として構成されている。ま
た主液室48は、インナ金具18及び支持ゴム部20が
アウタ金具17の中心部において図中上向きに突出して
いる結果、その周りを取り巻く形態の環状室62を有す
る構成となっている。
【0035】尚本例において、液室内に封入される液体
Lとして水,アルキレングリコール,ポリアルキレング
リコール,シリコーンオイル等を用いることができ、特
に0.1Pa・s以下の低粘性流体を好適に用いること
ができる。
【0036】図5に示しているように、上記インナ金具
18におけるフランジ部21は、車両前後方向を基準と
して左右方向に大きく突き出した突出し部64を有す
る、平面形状が左右に長い菱型形状の非円形の異形状を
なしている。即ちこのフランジ部21は、左右方向の突
出し部64の先端が90°よりも小さい角度で尖った鋭
角の角部65を有し、また前後に90°よりも広角で尖
った角部66を有している。またこれに対応して、支持
ゴム部20における上部の平断面形状が菱型形状をなし
ており、その上面が同じ菱型形状をなすフランジ部21
の下面に一体に加硫接着されている。即ち支持ゴム部2
0においても、インナ金具18におけるフランジ部21
の突出し部64,角部65,66に対応した突出し部6
8及び角部69,70が形成されている。
【0037】本例の液封エンジンマウント10にあって
は、シェイク等の特定低周波数の上下方向の振動入力に
対しては、オリフィス通路54における液体Lの流動に
基づくエネルギー吸収によって振動減衰が行われる。
【0038】この例においてもオリフィス通路54の通
路断面積及び長さ等が、例えば10Hz前後の特定低周
波数領域において、オリフィス通路54における液体L
の流動に基づく振動減衰が効果的になされるようにチュ
ーニングされている。
【0039】一方これよりも周波数の高い50〜100
Hz程度の特定高周波数の振動入力に対しては、オリフ
ィス通路54の液体Lが実質的に流動できない状態、即
ちオリフィス通路54が実質的に閉鎖された状態となる
ことから、かかる高周波数の振動入力が加わったとき、
インナ金具18及び支持ゴム部20の上下動に基づく主
液室48内の液圧変動が、可動膜58の上下方向の弾性
変形によって吸収される。即ちその可動膜58の上下の
弾性変形によって、主液室48内の液圧変動が吸収さ
れ、これによって高周波域における振動絶縁効果が達成
される。
【0040】一方車両の加速走行時等において前後方向
に高周波数の振動入力が加わると、このとき主液室48
の環状室62内において、インナ金具18及び支持ゴム
部20の前後振動に伴う液体Lの流動が発生する。
【0041】しかしながら本例にあっては、インナ金具
18及び支持ゴム部20に左右方向への大きな突出し部
64,角部65及び突出し部68,角部69が形成され
ているため、環状室62におけるインナ金具18及び支
持ゴム部20周りの液体Lの流動がそれらインナ金具1
8及び支持ゴム部20における異形状によって攪乱され
るため、上記300〜500Hzの特定高周波域におけ
る液柱共振の発生が効果的に回避される。
【0042】またそれら突出し部64,角部65及び突
出し部68,角部69の形成によって環状室62におけ
る左右部の流路断面積が減少するとともに、主液室48
内の液体Lの流動総量が少なくなることによって、問題
とする周波数領域における液柱共振が抑制されるととも
に共振パワーも低減するため、液柱共振に基づく動ばね
定数の増大、そしてこれに基づく加速騒音の発生ないし
増大が効果的に抑制される。
【0043】図6は本発明の他の実施例を示したもの
で、この例は、インナ金具18におけるフランジ部21
の平面形状を左右方向に長い長方形状となした例であ
る。この例では、フランジ部21が左右方向に大きく突
き出した突出し部70を有しており、そして右方向の突
出し部70と左方向の突出し部70のそれぞれの前後端
に角度90°で尖った角部72を有している。
【0044】一方支持ゴム部20もまた、フランジ部2
1の形状に対応して平面形状が左右方向に長い長方形状
をなしており、左右方向に大きく突き出した突出し部7
3を有している。この支持ゴム部20の左右方向への突
出し部73もまた、前後端に角度90°で尖った角部を
有している(図示は省略)。
【0045】次に図7は本発明の更に他の実施例を示し
たもので、この例は、インナ金具18におけるフランジ
部21の平面形状を三角形状となしたものであり、左右
方向への突出し部74と、前後方向への突出し部74と
を有している。それぞれの突出し部74の頂点は角度9
0°よりも鋭角の角部76とされている。またこれに対
応して、支持ゴム部20も同様の平面三角形状に形成さ
れている。詳しくは支持ゴム部20においても、左右方
向への突出し部78を有しており、その頂部が90°よ
りも鋭角の角部80とされている。
【0046】以上インナ金具18におけるフランジ部2
1及び支持ゴム部20の幾つかの異形状の例を示した
が、本発明においては星型形状,左右方向に長い楕円形
状その他の異形状となすこともできる。
【0047】次に図8及び図9は本発明の他の実施例を
示している。図示のようにこの例はインナ金具18、詳
しくはカップ状部22に、これを前後方向に貫通して環
状室62の液体Lを前後方向に通過流通させる通路82
を形成したものである。
【0048】この例ではインナ金具18に設けた通路8
2内にも液体Lが流入するため、環状室62において半
円形を描くように流れる液体Lの流れが乱れるとともに
流れの総量が少なくなり、共振パワーが減少し液柱共振
が効果的に抑えられる。これにより特定高周波数域にお
ける液柱共振の発生に起因する騒音の発生ないし増大が
効果的に防止される。
【0049】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の液封エンジンマウントの断
面図である。
【図2】図1の液封エンジンマウントを固定用のブラケ
ットとともに示した図である。
【図3】図1の液封エンジンマウントを組付構成部材に
分解して示す斜視図である。
【図4】図3の分解状態を断面図で示す図である。
【図5】同実施例の液封エンジンマウントにおける本体
部の構成を示す図である。
【図6】本発明の他の実施例の液封エンジンマウントの
本体部の構成を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例の液封エンジンマウントの
本体部の構成を示す図である。
【図8】本発明の更に他の実施例の液封エンジンマウン
トの本体部の構成を示す図である。
【図9】図8の本体部の斜視図である。
【図10】従来の液封エンジンマウントを示す断面図で
ある。
【図11】図10の液封エンジンマウントを固定用ブラ
ケットとともに示す図である。
【図12】図10の液封エンジンマウントを組付構成部
材に分解して示す斜視図である。
【図13】図10の液封エンジンマウントの不具合の説
明図である。
【符号の説明】
10 液封エンジンマウント 14 仕切部材 17 アウタ金具 18 インナ金具 20 支持ゴム部 48 主液室 50 副液室 52 透孔 54 オリフィス通路 58 可動膜 60 ダイヤフラム 62 環状室 64,68,70,73,74,78 突出し部 L 液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 CA05 3J047 AA06 CA02 CB03 CD02 DA02 FA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)車両のボデー側に固定される筒状
    の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウタ部材の中心部に
    配置された、車両のエンジンに固定される剛性のインナ
    部材と、(ハ)それらアウタ部材とインナ部材とを連結
    する環状且つ略テーパ形状をなす支持ゴム部と、(ニ)
    該インナ部材及び支持ゴム部を取り巻くようにそれらイ
    ンナ部材及び支持ゴム部とアウタ部材間に形成された環
    状室を有し、内部に液体が封入された液室と、を備えて
    成る吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、 前記インナ部材及び支持ゴム部の平面形状を非円形の異
    形状で且つ車両の前後方向を基準として左右方向への突
    出し寸法が前後方向の突出し寸法よりも大きな形状とな
    し、以って前記環状室の平面形状を対応する異形状とな
    したことを特徴とする吊下げ式の液封エンジンマウン
    ト。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記異形状が星型形
    状,四角形状,三角形状,楕円形状の何れかであること
    を特徴とする吊下げ式の液封エンジンマウント。
  3. 【請求項3】 (イ)車両のボデー側に固定される筒状
    の剛性のアウタ部材と、(ロ)該アウタ部材の中心部に
    配置された、車両のエンジンに固定される剛性のインナ
    部材と、(ハ)それらアウタ部材とインナ部材とを連結
    する環状且つ略テーパ形状をなす支持ゴム部と、(ニ)
    該インナ部材及び支持ゴム部を取り巻くようにそれらイ
    ンナ部材及び支持ゴム部とアウタ部材間に形成された環
    状室を有し、内部に液体が封入された液室と、を備えて
    成る吊下げ式の液封エンジンマウントにおいて、 前記インナ部材に、該インナ部材を前後方向に貫通して
    前記環状室の液体を前後方向に通過流通させる通路が設
    けてあることを特徴とする吊下げ式の液封エンジンマウ
    ント。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記液
    室が軸直角方向に延設された仕切部材によって下側の主
    液室と上側の副液室とに区画されているとともに、それ
    らを連通させる、周方向に延びるオリフィス通路が更に
    設けられており、且つ該仕切部材は少なくとも中央部が
    上下方向に弾性変形可能な可動膜にて構成されていると
    ともに、前記副液室の上部の壁がダイヤフラムにて構成
    されていることを特徴とする吊下げ式の液封エンジンマ
    ウント。
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