JP2003214467A - 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置 - Google Patents

油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置

Info

Publication number
JP2003214467A
JP2003214467A JP2002015897A JP2002015897A JP2003214467A JP 2003214467 A JP2003214467 A JP 2003214467A JP 2002015897 A JP2002015897 A JP 2002015897A JP 2002015897 A JP2002015897 A JP 2002015897A JP 2003214467 A JP2003214467 A JP 2003214467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
friction plate
cooling oil
friction
hydraulic
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002015897A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Hoshino
浩之 星野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2002015897A priority Critical patent/JP2003214467A/ja
Publication of JP2003214467A publication Critical patent/JP2003214467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキケース内のディスクの摩耗を容易か
つ確実に点検する。 【解決手段】 ブレーキケース1内のインナディスク1
2とアウタディスク13の圧接面に通路12aを形成
し、この通路12aに油圧源27からの冷却油を供給す
る。圧力検出器33により通路12aの上流側の冷却油
圧力Pを検出し、この検出値Pが限界摩耗状態における
限界圧力P0より大きいか否かを、コントローラ30が
判定する。P>P0のとき、コントローラ30は警報装
置36に制御信号を出力し、警報装置36を作動させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却油の循環によ
ってブレーキディスクを冷却する油圧ブレーキ装置、油
圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装
置を備えたクレーンの巻上装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のブレーキ装置として、回転軸の
外周面から支持された複数のインナディスクとブレーキ
ケースの内周面から支持された複数のアウタディスクを
ブレーキケース内に交互に配置するとともに、これらデ
ィスクの側方にブレーキピストンを配置し、ピストンの
移動によりディスク同士を圧接および離間させる、いわ
ゆる湿式多板ブレーキ装置が知られている。湿式多板ブ
レーキ装置では、インナディスクとアウタディスクの接
触による摩擦熱によってディスクが発熱するため、ブレ
ーキケース内に冷却油を供給してディスクの発熱を抑え
るようにしている。
【0003】このようなブレーキ装置においては、適正
なブレーキ力を確保するため、ディスクの摩耗状態を検
出し、一定以上摩耗が進行した場合にディスクを交換す
る必要がある。しかしながら、ディスクは密閉されたブ
レーキケース内にあるため外部からディスクの摩耗状態
を目視することは困難であった。このような問題に対
し、例えば特開平9−250584号公報には、ブレー
キケース内をピストンと一体に移動可能な軸部材を設
け、この軸部材の先端をブレーキケースから突出させ、
その突出量を検出するようにしたブレーキ装置が開示さ
れている。これによりディスク圧接時のブレーキピスト
ンの移動量を検出し、ディスクの摩耗状態を間接的に検
出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の装置では、ディスクの摩耗状態の点検のため
に、軸部材の位置(初期突出量)を調整する必要があ
り、点検作業が面倒である。また、突出量の検出は作業
者の意志に基づいて行われるため、作業者が点検を怠る
と、ブレーキ力が低下した状態でブレーキ装置が使用さ
れるおそれがある。
【0005】本発明の目的は、ディスクの摩耗を容易か
つ確実に点検することができる油圧ブレーキ装置、油圧
クラッチ装置およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を
備えたクレーンの巻上装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1の発明に
よる油圧ブレーキ装置は、ケース内に回転可能に収容さ
れた回転体から支持される第1の摩擦板と、ケース内に
第1の摩擦板に隣接して配置され、ケースから支持され
る第2の摩擦板と、第2の摩擦板を駆動して第1の摩擦
板と第2の摩擦板を互いに圧接させる摩擦板駆動手段
と、ケース内に冷却油を供給する冷却油供給手段と、第
1の摩擦板と第2の摩擦板の圧接面に形成され、冷却油
供給手段から供給された冷却油が通過する通路と、通路
の上流側の圧力と相関関係を有する物理量を検出する検
出手段と、検出手段により検出された物理量に基づい
て、圧接面における摩耗状態が所定の通路面積に対応し
た限界摩擦状態に達したか否かを判定する判定手段と、
判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備える
ことにより上述した目的を達成する。 (2)請求項2の発明による油圧ブレーキ装置は、ケー
ス内に回転可能に収容された回転体の外周面に軸方向に
移動可能に係合される複数の第1の摩擦板と、ケースの
内周面に軸方向に移動可能に、かつ、第1の摩擦板と軸
方向に交互に係合される複数の第2の摩擦板と、第1の
摩擦板と第2の摩擦板を軸方向に押動してこれら第1の
摩擦板と第2の摩擦板を互いに圧接させる摩擦板駆動手
段と、ケース内に冷却油を供給する冷却油供給手段と、
第1の摩擦板と第2の摩擦板の圧接面に形成され、冷却
油供給手段から供給された冷却油が通過する通路と、通
路の上流側の圧力と相関関係を有する物理量を検出する
検出手段と、検出手段により検出された物理量に基づい
て、圧接面における摩耗状態が所定の通路面積に対応し
た限界摩擦状態に達したか否かを判定する判定手段と、
判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備える
ことにより上述した目的を達成する。 (3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載の油
圧ブレーキ装置において、出力手段が、判定結果を報知
する報知手段を有するものである。 (4)請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項
記載の油圧ブレーキ装置において、出力手段が、判定手
段により限界摩擦状態と判定されるとフリーフォール作
業を禁止するフリーフォール禁止手段を有するものであ
る。 (5)請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項
記載の油圧ブレーキ装置において、冷却油の温度を検出
する油温検出手段をさらに有し、判定手段が、検出手段
により検出された物理量と油温検出手段により検出され
た冷却油温度に基づいて限界摩擦状態を判定するもので
ある。 (6)請求項6の発明は、請求項5に記載の油圧ブレー
キ装置において、エンジン回転数を検出する回転数検出
手段をさらに有し、判定手段が、検出手段により検出さ
れた物理量と油温検出手段により検出された冷却油温度
と回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基
づいて限界摩擦状態を判定するものである。 (7)請求項7の発明による油圧クラッチ装置は、請求
項1〜4のいずれか1項記載の第1の摩擦板と、第2の
摩擦板と、摩擦板駆動手段と、冷却油供給手段と、通路
と、判定手段と、出力手段とを備え、第1の摩擦板およ
び第2の摩擦板を介して回転体の動力をケースに伝達/
非伝達するようにしたことにより上述した目的を達成す
る。 (8)請求項8の発明は、請求項7に記載の油圧クラッ
チ装置において、請求項5に記載の油温検出手段をさら
に有し、判定手段が、検出手段により検出された物理量
と油温検出手段により検出された冷却油温度に基づいて
限界摩擦状態を判定するものである。 (9)請求項9の発明は、請求項8に記載の油圧クラッ
チ装置において、請求項6に記載の回転数検出手段をさ
らに有し、判定手段が、検出手段により検出された物理
量と油温検出手段により検出された冷却油温度と回転数
検出手段により検出されたエンジン回転数に基づいて限
界摩擦状態を判定するものである。 (10)請求項10の発明によるクレーンの巻上装置
は、請求項1〜6のいずれか1項記載の油圧ブレーキ装
置を備えたことにより上述した目的を達成する。 (11)請求項11の発明によるクレーンの巻上装置
は、請求項7〜9のいずれか1項記載の油圧クラッチ装
置を備えたことにより上述した目的を達成する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を参照して本発
明による油圧ブレーキ装置の実施の形態について説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る油圧ブレーキ装
置の構成を示す油圧回路図であり、このブレーキ装置は
例えば図6に示すクレーンに搭載される。図6に示すよ
うに、クレーンは、走行体101と、走行体101上に
搭載された旋回可能な旋回体102と、旋回体102に
起伏可能に支持されたブーム103とを有する。旋回体
102にはウインチドラム1が搭載され、ウインチドラ
ム1の駆動によりワイヤロープ104が巻上げまたは巻
下げられ、ワイヤロープ104に接続されたフック10
5により吊り荷106が吊り上げられる。また、旋回体
102には起伏ドラム107が搭載され、起伏ドラム1
07の駆動により起伏ロープ108が巻上げまたは巻下
げられ、ブーム103が起伏される。
【0008】図1に示すように、ウインチは、ウインチ
ドラム1と、ウインチドラム1を駆動する油圧モータ2
と、油圧モータ2に駆動圧油を供給する油圧ポンプ3
と、油圧ポンプ3から油圧モータ2への圧油の流れを制
御する方向制御弁4と、油圧モータ2の駆動力をウイン
チドラム1に伝達または非伝達する遊星減速機構5と、
ウインチドラム1の駆動を制御する湿式多板式のブレー
キ装置10とを有する。
【0009】油圧モータ2の出力軸2aは遊星減速機構
5のサンギア51に連結されている。サンギア51には
プラネタリギア52が噛合され、プラネタリギア52に
はウインチドラム1の内側に設けられたリングギア53
が噛合されている。プラネタリギア52はキャリア軸5
4により支持され、キャリア軸54はブレーキケース1
1の側壁を貫通してケース11内に達している。
【0010】ブレーキケース11内の要部(主に下部)
構造を図2に示す。キャリア軸54には複数枚のインナ
ディスク12がスプライン結合により軸方向に移動可能
に係合され、インナディスク12はキャリア軸54と一
体に回転可能となっている。ブレーキケース11の内周
面には複数枚のアウタディスク13がスプライン結合に
より軸方向に移動可能に係合されている。アウタディス
ク13とインナディスク12は軸方向に交互に配置さ
れ、これらディスク12,13の両端部、すなわち軸方
向の最も外側にはアウタディスク13が配置されてい
る。ディスク12,13の側方にはブレーキディスク1
4が配置され、ブレーキディスク14はブレーキケース
11内を軸方向に摺動可能となっている。
【0011】図1に示すように、ブレーキディスク14
には油圧シリンダ15のピストン16が取り付けられて
いる。ブレーキディスク14とブレーキケース11の間
には、軸方向に付勢力を及ぼすばね17が介装されてい
る。油圧シリンダ15の油室15aは、管路21、減圧
弁22、電磁切換弁23を介して油圧ポンプ24に接続
されている。減圧弁22は可変減圧弁であり、その減圧
度はブレーキペダル25の踏み込み量に応じて変更され
る。すなわち、ペダル非操作時に減圧度は最小(2次圧
は最大)であり、ペダルストロークの増加に伴い減圧度
は増加(2次圧は減少)し、ペダル25を最大に踏み込
み操作すると減圧度は最大(2次圧はタンク圧)にな
る。なお、図はブレーキペダル25を最大に踏み込んだ
状態を示している。
【0012】油室15a内に最大2次圧が作用するとピ
ストン16はばね17の付勢力に抗して押動される。こ
れによってディスク12,13に作用する圧接力が解放
され、ブレーキ解除状態となる。一方、油室15aがタ
ンク圧のとき、ピストン16はばね17の付勢力によっ
てディスク12,13側に押動される。このブレーキデ
ィスク14の押動によりインナディスク12とアウタデ
ィスク13が圧着され、ブレーキ作動状態となる。
【0013】電磁切換弁23のソレノイドは制御スイッ
チ31を介してフリーフォールスイッチ32に接続され
ている。フリーフォールスイッチ32は運転室での操作
によって切り換えられ、制御スイッチ31は後述するコ
ントローラ30からの制御信号によって切り換えられ
る。スイッチ31,32がともにオンのとき、電磁切換
弁23は位置ロに切り換えられ、油圧ポンプ24から油
室15aへの圧油の供給が可能となる。スイッチ31,
32の少なくとも一方がオフのとき、電磁切換弁23は
位置イに切り換えられ、油室15aへの圧油の供給は禁
止される。
【0014】図1,図2に示すように、ブレーキケース
11の側端部には給油孔11aが設けられている。給油
孔11aは管路26を介して油圧源(例えば油圧ポン
プ)27に接続され、油圧源27からの冷却油が給油孔
11aを介してブレーキケース11内に供給される。デ
ィスク12,13を挟んで給油孔11aの反対側のブレ
ーキケース11の底部には排油孔11bが設けられ、こ
の排油孔11bを介してケース11内の冷却油をタンク
に戻す。
【0015】図3(a)はインナディスク12の形状を
示す正面図、図3(b)は側面図である。インナディス
ク12の両側表面には内周側縁部から外周側縁部にかけ
てそれぞれ複数の溝12aが形成されている。なお、ア
ウタディスク13の表面は平坦面である。ブレーキケー
ス11内に供給された冷却油は溝12aを介してインナ
ディスク12とアウタディスク13の間を径方向に流
れ、これによりディスク12,13が冷却される。
【0016】この場合、ディスク12の摩耗が進行する
と図4(a)から図4(b)に示すように溝深さtが減
少し、これに伴い冷却油の流路面積が絞られて管路26
内の油圧が上昇する。なお、図4(b)の溝深さtb
は、適正なブレーキ力を得るために必要とされる限界溝
深さであり、この場合のディスク12の摩耗状態を限界
摩耗状態と呼ぶ。本実施の形態では、溝深さt、すなわ
ちディスク厚さと相関関係を有する管路26内の油圧の
変化に基づいて後述するようにディスク12,13の摩
耗状態を検出し、ディスク12,13の摩耗が限界状態
に達したか否かを判定する。
【0017】図1に示すように、管路26には冷却油の
ブレーキケース入口圧力Pを検出する圧力検出器33
と、冷却油の温度Tを検出する油温検出器34が設けら
れている。これら圧力検出器33と油油温検出器34、
およびエンジン回転数Nを検出する回転検出器35は、
それぞれコントローラ30に接続されている。コントロ
ーラ30ではこれらからの検出信号に基づいて以下のよ
うな処理を実行し、制御スイッチ31と警報装置36に
それぞれ制御信号を出力する。なお、警報装置36は例
えばブザーやランプなどである。
【0018】図5はコントローラ30で実行される処理
の一例を示すフローチャートである。このフローチャー
トは例えばエンジンキースイッチのオンによってスター
トする。まず、ステップS1で各検出器33〜35によ
り検出された冷却油温度T、冷却油圧力P、エンジン回
転数Nを読み込む。次いで、ステップS2で次式(I)に
よって温度Tのときの冷却油粘度μを算出する。 μ=μ0×exp{-λ(T−T0)} (I) ここで、λは流体によって定まる定数、μ0は温度T0の
ときの粘度であり、予め記憶されている。次に、ステッ
プS3で次式(II)によってエンジン回転数Nのときにケ
ース11内に供給される冷却油量Qを算出する。 Q=q×i×N (II) ここで、qはポンプ容量、iは減速比であり、予め記憶
されている。
【0019】次のステップS4では、ステップS2,ス
テップS3で算出した粘度μ、冷却油量Qを用いて限界
圧力p0を算出する。限界圧力p0とは、ディスク12,
13が限界摩耗状態にあるときのブレーキケース入口圧
力であり、次式(III)で算出される。 p0=C0×μ×Q2 (III) ここで、C0はディスク12,13が限界摩耗状態にある
ときのディスク12,13間の通路面積、すなわち限界
溝深さtbによって定まる定数である。
【0020】次に、ステップS5に進み、圧力検出器3
3により検出された圧力Pが限界圧力P0より大きいか
否かを判定する。ステップS5が肯定されると、ディス
ク12,13の摩耗が限界状態を超えたと判定されてス
テップS6に進む。ステップS6では警報装置36に警
報作動の制御信号を出力するとともに、制御スイッチ3
1にスイッチオフの制御信号を出力する。一方、ステッ
プS5が否定されると、ディスク12,13の摩耗が限
界内と判定されてステップS7に進む。ステップS7で
は警報装置36に警報停止の制御信号を出力するととも
に、制御スイッチ31にスイッチオンの制御信号を出力
する。
【0021】以上のように構成された本実施の形態に係
わる油圧ブレーキ装置の主要な動作を説明する。 (1)フリーフォールスイッチオフ フリースイッチ32がオフのときは、電磁切換弁23は
位置イに切り換えられる。この切換により油圧シリンダ
15の油室15aはブレーキペダル25の操作に拘わら
ずタンクに連通し、ブレーキディスク14はばね17の
付勢力によってディスク12,13側に押動される。こ
れによってアウタディスク13とインナディスク12が
互いに圧接され、インナディスク12に摩擦力が作用し
て、インナディスク12の回転が阻止される(ブレーキ
作動)。
【0022】このようにしてブレーキ装置10が作動す
ると、キャリア軸54の回転が阻止され、油圧モータ2
の回転はサンギア51、プラネタリギア52、リングギ
ア53を介してウインチドラム1に伝達可能となる。こ
こで、操作レバー6を巻上または巻下操作して方向切換
弁4のパイロットポートにパイロット圧油を作用させる
と、方向切換弁4が中立位置から切り換えられ、油圧ポ
ンプ3からの圧油によって油圧モータ2が巻上または巻
下方向に回転する。これにより、ウインチドラム1が巻
上または巻下駆動され、吊り荷の巻上作業などを行うこ
とができる。操作レバー6を中立位置に戻し操作する
と、方向切換弁4が中立位置に戻され、油圧ポンプ3か
ら油圧モータ2への圧油の供給が停止する。これによ
り、ウインチドラム1の回転が停止する。なお、操作レ
バー6の中立操作によらず、ブレーキ装置10とは別に
設けたブレーキ装置(不図示)によりウインチドラム1
を停止させてもよい。
【0023】(2)フリーフォールスイッチオン(P≦
P0) ディスク12,13が限界摩耗状態に達していないと
き、すなわち、溝深さtが限界溝深さtbより大きい場
合、ブレーキケース入口圧力Pは限界圧力P0以下とな
る。この状態で操作レバー6を中立位置に戻し操作し、
フリーフォールスイッチ32をオンすると、前述した処
理(ステップS7)によって制御スイッチ31が閉じら
れ、電磁切換弁23が位置ロに切り換えられる。これに
より油圧ポンプ24からの圧油が電磁切換弁23を介し
て減圧弁22に供給され、油室15aにはブレーキペダ
ル25の操作量に応じた2次圧が作用する。ブレーキペ
ダル25が非操作では2次圧は最大であり、ピストン1
6に作用する油圧力がばね17の付勢力に打ち勝って、
ブレーキディスク14はディスク12,13の反対側に
移動する。その結果、ディスク12,13に作用する圧
接力が除去され、インナディスク12は回転可能となる
(ブレーキ解除)。
【0024】このようにしてブレーキ装置10が解除す
ると、キャリア軸54の回転が許容され、ウインチドラ
ム1は吊り荷の負荷によって自由回転状態となり、吊り
荷をフリーフォールすることができる。この状態でブレ
ーキペダル25を踏み込み操作すると、その操作量に応
じて2次圧が減少し、ペダル25を最大に踏み込み操作
したとき2次圧はタンク圧となる。その結果、ばね17
の付勢力によってブレーキディスク14が押動され、デ
ィスク12,13同士が圧接される。これにより、フリ
ーフォール中にウインチドラム1の回転を停止させるこ
とができる。
【0025】(3)ディスクの限界摩耗時(P>P0) ディスク12,13の摩耗が進行し、限界摩耗状態に達
すると、ブレーキケース入口圧力Pが限界圧力P0より
も大きくなる。このとき、前述した処理(ステップS
6)により警報装置36が作動するとともに、制御スイ
ッチ31がオフされる。これにより作業員はディスク1
2,13の摩耗状態、すなわちディスク12,13が限界
摩耗状態にあるか否かを認識することができ、適切な時
期にディスク12,13の交換作業等を行うことができ
る。また、限界摩耗時に制御スイッチ31がオフされる
ので、フリーフォールスイッチ32をオンしても電磁切
換弁23は位置イに切り換えられたままであり、油室1
5aへの圧油の供給は阻止される。これによりフリーフ
ォール動作が強制的に禁止される。
【0026】なお、上述したように本実施の形態に係わ
る油圧ブレーキ装置は、フリーフォール時のドラム1の
回転を停止するブレーキ装置として機能するとともに、
油圧モータ2の回転をウインチドラム1に伝達/非伝達
する油圧クラッチ装置としても機能する。
【0027】このように本実施の形態によると、冷却油
のブレーキケース入口圧力Pが限界圧力P0を越えたと
きにディスク12,13の限界摩耗を検出するようにし
たので、点検作業が容易である。また、オペレータの意
志によらず摩耗状態を自動的に検出するので、点検作業
を怠るおそれもなく、ディスク12,13の限界摩耗を
確実に検出することができる。さらに、冷却油の温度T
やエンジン回転数Nに応じて限界圧力P0を算出するの
で、冷却油の粘度μや油量Qの変化を考慮して限界圧力
P0を精度よく算出することができる。その結果、限界
摩耗の検出精度が向上する。ディスク12,13の限界
摩耗時に制御スイッチ31をオフしてフリーフォール作
業を禁止するので、ブレーキ力が低下した状態でフリー
フォール作業が行われることなく、フリーフォール中に
ウインチドラム1の回転を確実に停止させることができ
る。
【0028】なお、上記実施の形態では、圧力を検出す
るようにしたが、圧力と相関関係を有する他の物理量を
検出するようにしてもよい。警報とスイッチどちらかだ
けでもよい。上記実施の形態では、クレーンに適用した
が、他の作業機に用いてもよく、ウインチ以外の他の駆
動装置を制動するブレーキ装置として用いてもよい。イ
ンナディスクの表面に溝を設けたが、アウタディスクに
設けてもよい。フリーフォール時にのみ摩耗を検出する
ようにしてもよい。
【0029】上記実施の形態は、湿式多板ブレーキ装置
に適用したが、ディスク12,13の接触面に冷却油を
供給するタイプのものであれば、例えばインナディスク
12が1枚の単板式のディスクブレーキにも同様に適用
できる。インナディスク12が1枚のものについては、
アウタディスク13とブレーキディスク14を一体とし
てもよい。また、上記実施の形態は、上記実施の形態で
は、限界摩耗時に、制御スイッチ31をオフしてフリー
フォール指令を禁止するようにしたが、油室15aの上
流側に切換弁を設け、この切換弁の切換により油室15
aへの圧油の供給を禁止するようにしてもよい。インナ
ディスク12のみに溝12aを設けたが、アウタディス
ク13に設けてもよい。冷却油の流路通路を形成するの
であれば、溝12aの形状はいかなるものであってもよ
い。上記実施の形態では、遊星減速機構5を用いてブレ
ーキ装置とクラッチ装置を兼用するようにしたが、遊星
減速機構5を有しないブレーキ専用装置またはクラッチ
専用装置にも同様に適用することができる。
【0030】以上の実施の形態と請求項との対応におい
て、インナディスク12が第1の摩擦板を、アウタディ
スク13が第2の摩擦板を、キャリア軸54が回転体
を、ブレーキケース11がケースを、ブレーキディスク
14とピストン16と油圧ポンプ24が摩擦板駆動手段
を、油圧源27が冷却油供給手段を、溝12aが通路
を、圧力検出器33が検出手段を、油温検出器34が油
温検出手段を、回転検出器35が回転数検出手段を、コ
ントローラ30が判定手段を、コントローラ30と警報
装置36と制御スイッチ31と電磁切換弁23が出力手
段を、警報装置36が報知手段を、制御スイッチ31と
電磁切換弁23がフリーフォール禁止手段を、それぞれ
構成する。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、第1の摩擦板と第2の摩擦板の圧接面に冷却油の流
れる通路を形成し、この通路の上流側の冷却油圧力に基
づいて摩擦板が限界摩耗状態にあるか否かを判定し、そ
の判定結果を報知するようにしたので、摩擦板の摩耗を
容易かつ確実に点検することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧ブレーキ装置の
構成を示す油圧回路図。
【図2】本発明の実施の形態に係る油圧ブレーキ装置を
構成するブレーキケースの内部構造を示す図。
【図3】(a)は本発明の実施の形態に係る油圧ブレー
キ装置を構成するインナディスクの正面図、(b)は側
面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る油圧ブレーキ装置を
構成するディスクの摩耗の進行状態を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る油圧ブレーキ装置を
構成するコントローラでの処理の一例を示すフローチャ
ート。
【図6】本発明が適用されるクレーンの側面図。
【符号の説明】
1 ウインチドラム 10 ブレーキ装置 11 ブレーキケース 12 インナディ
スク 12a 溝 13 アウタデ
ィスク 14 ブレーキディスク 16 ピストン 17 ばね 22 減圧弁 23 電磁切換弁 24 油圧ポンプ 31 制御スイッチ 33 圧力検出器 34 油温検出器 35 回転検出器 36 警報装置 54 キャリア軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 25/12 F16D 25/12 D 55/40 55/40 F 65/853 65/853 Fターム(参考) 3J057 AA06 BB04 CB23 DB03 EE05 EE08 GA61 GA71 GB23 GC06 GC08 GD08 GE07 HH04 JJ10 3J058 AA48 AA53 AA59 AA77 AB32 BA60 CB15 CC03 DB02 DB07 DB20 DB21 DB25 DE03 FA39 GA92 GA93

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内に回転可能に収容された回転体
    から支持される第1の摩擦板と、 前記ケース内に前記第1の摩擦板に隣接して配置され、
    前記ケースから支持される第2の摩擦板と、 前記第2の摩擦板を駆動して前記第1の摩擦板と第2の
    摩擦板を互いに圧接させる摩擦板駆動手段と、 前記ケース内に冷却油を供給する冷却油供給手段と、 前記第1の摩擦板と第2の摩擦板の圧接面に形成され、
    前記冷却油供給手段から供給された冷却油が通過する通
    路と、 前記通路の上流側の圧力と相関関係を有する物理量を検
    出する検出手段と、 前記検出手段により検出された物理量に基づいて、前記
    圧接面における摩耗状態が所定の通路面積に対応した限
    界摩擦状態に達したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備
    えることを特徴とする油圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 ケース内に回転可能に収容された回転体
    の外周面に軸方向に移動可能に係合される複数の第1の
    摩擦板と、 前記ケースの内周面に軸方向に移動可能に、かつ、前記
    第1の摩擦板と軸方向に交互に係合される複数の第2の
    摩擦板と、 前記第1の摩擦板と第2の摩擦板を軸方向に押動してこ
    れら第1の摩擦板と第2の摩擦板を互いに圧接させる摩
    擦板駆動手段と、 前記ケース内に冷却油を供給する冷却油供給手段と、 前記第1の摩擦板と第2の摩擦板の圧接面に形成され、
    前記冷却油供給手段から供給された冷却油が通過する通
    路と、 前記通路の上流側の圧力と相関関係を有する物理量を検
    出する検出手段と、 前記検出手段により検出された物理量に基づいて、前記
    圧接面における摩耗状態が所定の通路面積に対応した限
    界摩擦状態に達したか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備
    えることを特徴とする油圧ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の油圧ブレーキ
    装置において、 前記出力手段は、判定結果を報知する報知手段を有する
    ことを特徴とする油圧ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項記載の油圧
    ブレーキ装置において、 前記出力手段は、前記判定手段により限界摩擦状態と判
    定されるとフリーフォール作業を禁止するフリーフォー
    ル禁止手段を有することを特徴とする油圧ブレーキ装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載の油圧
    ブレーキ装置において、 冷却油の温度を検出する油温検出手段をさらに有し、前
    記判定手段は、前記検出手段により検出された物理量と
    前記油温検出手段により検出された冷却油温度に基づい
    て限界摩擦状態を判定することを特徴とする油圧ブレー
    キ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の油圧ブレーキ装置にお
    いて、 エンジン回転数を検出する回転数検出手段をさらに有
    し、前記判定手段は、前記検出手段により検出された物
    理量と前記油温検出手段により検出された冷却油温度と
    前記回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に
    基づいて限界摩擦状態を判定することを特徴とする油圧
    ブレーキ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載の第1
    の摩擦板と、第2の摩擦板と、摩擦板駆動手段と、冷却
    油供給手段と、通路と、判定手段と、出力手段とを備
    え、前記第1の摩擦板および第2の摩擦板を介して前記
    回転体の動力を前記ケースに伝達/非伝達するようにし
    たことを特徴とする油圧クラッチ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の油圧クラッチ装置にお
    いて、請求項5に記載の油温検出手段をさらに有し、前
    記判定手段は、前記検出手段により検出された物理量と
    前記油温検出手段により検出された冷却油温度に基づい
    て限界摩擦状態を判定することを特徴とする油圧クラッ
    チ装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の油圧クラッチ装置にお
    いて、請求項6に記載の回転数検出手段をさらに有し、
    前記判定手段は、前記検出手段により検出された物理量
    と前記油温検出手段により検出された冷却油温度と前記
    回転数検出手段により検出されたエンジン回転数に基づ
    いて限界摩擦状態を判定することを特徴とする油圧クラ
    ッチ装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項記載の油
    圧ブレーキ装置を備えたクレーンの巻上装置。
  11. 【請求項11】 請求項7〜9のいずれか1項記載の油
    圧クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置。
JP2002015897A 2002-01-24 2002-01-24 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置 Pending JP2003214467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015897A JP2003214467A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015897A JP2003214467A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003214467A true JP2003214467A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27652129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002015897A Pending JP2003214467A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003214467A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526972A (ja) * 2004-01-28 2007-09-20 ハイドラリフト アムクライド, インコーポレイテッド 荷重制御パワートランスミッション
JP2010059995A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Honda Motor Co Ltd クラッチ制御装置およびクラッチ制御補正量算出方法
NL2004316C2 (nl) * 2010-03-01 2011-09-05 Vme B V Van Meerwijk Entpr Lier met hydraulische koppeling.
CN103615483A (zh) * 2013-11-27 2014-03-05 天津市东方先科石油机械有限公司 带报警装置的辅助刹车水循环系统
CN107215793A (zh) * 2017-06-06 2017-09-29 太仓斯普宁精密机械有限公司 一种卷扬机加工装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007526972A (ja) * 2004-01-28 2007-09-20 ハイドラリフト アムクライド, インコーポレイテッド 荷重制御パワートランスミッション
US7900894B2 (en) 2004-01-28 2011-03-08 Hydralift Amclyde, Inc. Load control power transmission
JP2010059995A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Honda Motor Co Ltd クラッチ制御装置およびクラッチ制御補正量算出方法
NL2004316C2 (nl) * 2010-03-01 2011-09-05 Vme B V Van Meerwijk Entpr Lier met hydraulische koppeling.
EP2363371A1 (en) * 2010-03-01 2011-09-07 VME B.V. ( Van Meerwijk Enterprises) Ship's winch with hydraulic coupling
CN103615483A (zh) * 2013-11-27 2014-03-05 天津市东方先科石油机械有限公司 带报警装置的辅助刹车水循环系统
CN107215793A (zh) * 2017-06-06 2017-09-29 太仓斯普宁精密机械有限公司 一种卷扬机加工装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5883749B2 (ja) 建設機械の油圧回路およびクレーン
US7614223B2 (en) Method for operating a multiple speed hydraulic motor
WO2005122363A1 (ja) ブレーキ付き縦型電動駆動装置及び作業機械
JP4855787B2 (ja) ウインチ装置
JP2003214467A (ja) 油圧ブレーキ装置、油圧クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置
JP2012025522A (ja) ウインチ装置
JP4898474B2 (ja) ウインチ装置
JP5887117B2 (ja) ウインチ装置
JP2002323072A (ja) 多板式ブレーキ装置、多板式クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置
CN109477437B (zh) 工程机械的车轴过热防止系统及方法
JP5844913B2 (ja) 自動変速機及び自動変速機の制御方法
JP2004224510A (ja) ウインチのブレーキ装置およびクレーン
JP2003004071A (ja) 多板式ブレーキ装置、多板式クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーンの巻上装置
JP2016222380A (ja) ウインチのブレーキ装置
JP2006256747A (ja) 油圧巻上装置
JP2003226487A (ja) ウインチのブレーキ装置、クラッチ装置、およびこのブレーキ装置、クラッチ装置を備えたクレーン
JP2004263719A (ja) ネガティブブレーキ装置、建設機械、およびネガティブブレーキ方法
KR20010072830A (ko) 클러치장치
JP3644372B2 (ja) ウィンチ
EP2902672A1 (en) Automatic transmission equipped with friction element having locking mechanism attached thereto, and control method therefor
JP2009107833A (ja) ウインチ装置
JP3804240B2 (ja) クラッチ倍力装置
JP2005047717A (ja) 油圧ウィンチ
JPH10151974A (ja) 産業車両の荷役及び走行制御装置
KR102419341B1 (ko) 건설기계의 엑슬 과열 방지 시스템 및 방법