JP2003213569A - 活性炭素繊維成型体、及びそれを使用した生ごみ処理方法 - Google Patents
活性炭素繊維成型体、及びそれを使用した生ごみ処理方法Info
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Abstract
生ごみに必要な給水量を低減させ、生ごみの分解によっ
て生ずる排水のCODを低く抑えることができる消滅型
生ごみ処理に適した活性炭素繊維(ACF)成型体を提
供する。 【解決手段】 処理槽10の底部9に排水用多孔板18
を備えると共に処理槽10の内部に生ごみ攪拌翼16と
散水口12を有する処理槽10内で生ごみを液体又は気
体に生物分解する消滅型の生ごみ分解方法において、生
ごみにコア材と共にACF成型体を添加して生ごみを分
解する。ACF成型体は、ACFを水溶性粘結剤で貼着
して成型してなる。
Description
化学処理において取扱性が良好な活性炭素繊維(AC
F)成型体、並びに、生ごみをH2O、CO2等の液体又
は気体に生物分解する消滅型の生ごみ処理方法に関す
る。
充実するに連れ、それに伴って、生ごみ、可燃性ごみ等
の廃棄物が多量に、且つ、集中的に発生するようになっ
た。この廃棄物を処理するに当たって、可燃性ごみは主
として焼却されている。
一般的に行われており、その処理方法としてはコンポス
ト型生ごみ処理や消滅型生ごみ処理等がある。
〜70℃の高温で処理して堆肥にするものである。
等をコア材(菌床)として用い、生ごみを20〜40℃
の低温でH2O、CO2等の液体又は気体に生物分解する
ものである。消滅型生ごみ処理は、繰返し使用するコア
材以外は固形物が殆ど残らないことを特徴とする。ま
た、籾殻等のコア材にゼオライトを添加して生ごみを処
理すること(特許第3046703号公報)、あるいは
前記コア材に特殊微生物を入れて生ごみを処理すること
により、消滅型生ごみ処理における分解活性を更に高い
ものにすることができる。
は、生ごみの液体又は気体への分解活性が高い反面、分
解によって生ずる排水のCOD値(化学的酸素要求量)
が高い値となってしまうという問題点がある。例えば約
18000ppmと高くなってしまう場合さえあって、
この高いCOD値の排水をも処理しなければならないと
いう問題点がある。生ずる排水のCOD値を低くするに
は、処理中の生ごみへの給水量を多くすることにより生
ごみの分解活性を低く抑える方法が考えられる。しか
し、給水量を多くすると、水の使用量及び排水量が多く
なって不経済であるばかりか、破砕された細かいごみが
公共下水道や河川等の系外に流出してしまうという問題
点がある。
を解決するために種々検討した結果、消滅型生ごみ処理
において、籾殻等のコア材に活性炭素繊維(ACF)を
添加したコア材を用いて生ごみを処理することにより、
生ごみの液体又は気体への分解活性が高いばかりでな
く、処理中の生ごみへの給水量を多くすることなく、分
解によって生ずる排水のCOD値を低くできることを知
得し、先に出願した(特願2000−380865)。
集して大きな塊を形成しやすいため、コア材との混合性
が悪く、取扱性に難点がある。
を重ねた結果、ACFを水溶性粘結剤で粘結して成型し
て得られるACF成型体が、上記消滅型生ごみ処理にお
いて、コア材との混合性が良く、取扱性を向上できるこ
とを知得した。
処理におけるばかりでなく、触媒反応処理、吸着処理、
濾過処理等、種々の物理処理、化学処理においても取扱
性が良好であることを知得し、本発明を完成するに至っ
た。
々の物理処理、化学処理において取扱性が良好なACF
成型体、及びこのACF成型体を使用した物理処理方
法、化学処理方法、特に消滅型生ごみ処理方法を提供す
ることにある。
明は、以下に記載するものである。
維を互いに貼着する水溶性粘結剤とからなる活性炭素繊
維成型体。
載の活性炭素繊維成型体。
g/cm3である〔1〕に記載の活性炭素繊維成型体。
セルロースである〔1〕に記載の活性炭素繊維成型体。
mである〔1〕に記載の活性炭素繊維成型体。
えると共に処理槽の内部に生ごみ攪拌翼と散水口を有す
る処理槽内で生ごみを液体又は気体に生物分解する生ご
み処理方法において、生ごみにコア材と共に〔1〕に記
載の活性炭素繊維成型体を添加することを特徴とする生
ごみ処理方法。
行う〔6〕に記載の生ごみの処理方法。
ア材と活性炭素繊維の合計添加量に対して5〜20質量
%である〔6〕に記載の生ごみ処理方法。
の生ごみ処理方法。
は、ACFが水溶性粘結剤で貼着されて成型されてな
る。
す概略断面図である。
ACF52が互いにその表面に付着した水溶性粘結剤
(不図示)により交絡部54で貼着されてなる。前記成
型体100は、網目状に貼着されてなり、ACF52間
には微細な空隙56を有する。
ましい。ACFは炭素繊維を賦活させることにより得る
ことができる。
ト等の炭素化された繊維でもよく、糸、紐、織物、フェ
ルト等の炭素化された繊維加工品でもよい。
ではなく例えば清酒脱色用に使用した後のACFでもよ
い。また、この使用後のACFは、必要に応じて再賦活
させてもよい。
されるものではなく、球状、直方体状、立方体状、円柱
状、板状等の任意の形状に形成されたもので良い。製造
しやすい形状であり、より取扱性が良好な形状として
は、球状が好ましい。球状の場合は、長軸/短軸比が1
〜2のものが好ましい。このACF成型体は、直径が1
0〜30mm、嵩密度が0.1〜0.3g/cm3のも
のが好ましい。
結している粘結剤は、水溶性、更に好ましくは水溶性且
つ生分解性であるので、例えば消滅型生ごみ処理時に容
易にACFから脱離し、ACFと籾殻等のコア材とが均
一に混合される。
ては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロ
キシアルコキシセルロース、ヒドロキシアルキルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−
ポリ酢酸ビニル共重合体、ウレタン、アミノ基含有縮合
体、澱粉糊などが挙げられる。
粘結剤の付着量は、0.5〜3.0質量%が好ましい。
範囲内にあれば、その製造方法としては、特に限定され
るものではないが、例えば以下の製造方法により製造す
ることができる。
させてACFを得、このACFを適当な大きさに切断し
た後、上記水溶性粘結剤の水溶液に含浸して粘結剤を付
着させ、次いで、この粘結剤付着ACFを球状等の形状
に成型することによって製造することができる。このA
CF成型体の製造方法において、炭素繊維の賦活操作
は、炭素繊維の切断後でもよい。成型法は、造粒法、押
出成型法等、公知の方法を用いることができる。
lに粘結剤0.5〜1.25gを添加して調製したもの
を用いることができる。
活は、通常の方法で行うことができ、例えば炭素繊維又
は使用後のACFを500〜900℃の温度に10〜5
0分保持することによって行うことができる。
成型体は、消滅型生ごみ処理におけるばかりでなく、触
媒反応処理、吸着処理、濾過処理等、種々の物理処理、
化学処理においても取扱性が良好な処理構造体として使
用することができる。
体を使用した生ごみ処理方法を説明する。
用した生ごみ処理方法に用いる装置の一例を示す概略図
である。図1は、生ごみ処理装置の平面図を示す概略図
である。図2は、生ごみ処理装置の正面図を示す概略図
である。図3は、断面部分が図1におけるA〜A断面に
相当する断面部分である正面部分断面図を示す概略図で
ある。図4は、断面部分が図1におけるB〜B断面に相
当する断面部分である側面部分断面図を示す概略図であ
る。
の外枠で、外枠2の上面には蓋4が設けられている。外
枠2の内部には内枠6が設けられている。内枠6の上部
は開放され、その上縁部で外枠2の内壁上部に設けられ
た支持枠8に固定されている。内枠6の内部には断熱材
が充填されている。内枠6の底部9は断面U字形で、前
記内枠6と共に処理槽10を構成している。処理槽10
の内部の頂部付近には外枠2及び内枠6を貫通して処理
槽10の内部に挿入された水管の散水口12が設けられ
ている。
が横設されている。攪拌軸14には複数(本例において
は6本)の攪拌翼16が分散配置されている。
で形成されている。多孔板18の下方には排水樋20が
設けられ、排水樋20の一端には排水管23が設けられ
ている。排水樋20は排水管23側の端が最も低くなる
ように傾斜がつけられている。
樋20の両側方には、ヒーター24が設けられ、ヒータ
ー24の下方には反射板26が設けられている。
軸支されると共に、その軸端に、Vベルト等の動力伝達
装置(不図示)を介して攪拌モーター28の動力が伝達
される。30は制御パネルで、これにより本装置が操作
される。
理方法の一形態は、処理槽10においてコア材を用いて
生ごみを液体又は気体に生物分解処理するに当たって、
コア材と共に本発明のACF成型体を添加するものであ
る。
は、処理槽10における生ごみの攪拌処理中に破砕され
やすく処理液(排水)と共に流出し、処理中での補給を
必要としたりするので好ましくない。また、ACFを成
型することなく、そのまま用いる場合は、処理槽10へ
の添加時にACFが凝集して大きな塊を形成しやすいた
め、コア材との混合性が悪く、取扱性に難点があるので
好ましくない。
は、炭化、賦活されたものであれば、比表面積は特に限
定されるものではないが、300〜2000m2/gが
好ましい。この比表面積と同様に吸着能についても特に
限定されるものではないが、吸着能を被吸着物がビタミ
ンB12の場合の吸着量で示すと、ACFの吸着能は10
0〜400mg/gが好ましい。
にコア材と共に添加するACF成型体の添加量は、コア
材とACF成型体の合計添加量に対して5〜20質量%
であることが好ましい。
合は、生ごみの分解によって生ずる排水のCOD値が高
くなるので好ましくなく、一方、ACF成型体の添加量
が20質量%を超える場合は、ACF成型体の添加量が
多い割には生ごみの分解によって生ずる排水のCOD値
は低くならないので好ましくない。
しては、籾殻、そば殻、カンナクズ、並びに、木質細片
及び樹皮等の木材チップが好ましい。なお、大鋸屑は処
理槽10における生ごみの攪拌処理中に破砕されやすく
処理液(排水)と共に流出し、再使用が困難であった
り、処理中での補給を必要としたりするので好ましくな
い。
て、蓋4から処理槽10内に、生ごみ、コア材、及びA
CF成型体を投入する。これらの投入物は攪拌翼16の
間欠運転によって攪拌混合され、散水口12からの間欠
散水、及びヒーター24での加熱によって反応温度等の
調整がなされ、生ごみの分解処理が行われる。
続的に行うことが好ましく、攪拌時間は0.1〜30分
が好ましく、0.5〜10分が更に好ましい。攪拌停止
時間は1〜200分が好ましい。
散水時間は1〜200秒が好ましい。散水停止時間は
0.5〜120分が好ましい。
槽10の底部9の多孔板18から排水樋20、排水管2
3を通って系外に排出される。多孔板18に穿設された
孔の径は、コア材、ACF成型体等の形状や大きさによ
って適宜選ぶことができるが、0.01〜5mmが好ま
しく、0.1〜2mmが更に好ましい。
口、攪拌翼、及び多孔板を備えた処理槽であることを特
徴とする。しかし、散水口、攪拌翼、及び多孔板は、そ
れぞれ、生ごみに散水する手段、生ごみを攪拌する手
段、及び生ごみの分解によって生じた排水を濾過する手
段であれば良く、必ずしも散水口、攪拌翼、及び多孔板
に限定されるものではない。
細に説明するが、本発明は実施例により限定されるもの
ではない。
1200m2/gのACFからなる厚さ1mmのACF
織物を、幅200mm、長さ330mmにカットしてA
CFカット織物を得た。このカット織物を、水100m
lにカルボキシメチルセルロース(CMC)1.25g
を添加して調製したCMC水溶液に浸漬してCMC付着
ACF織物を得た。このCMC付着ACF織物を球状に
成型して直径31mm、質量3.0g、体積15.5c
m3、嵩密度0.19g・cm3のACF成型体を得た。
凝集することなく、コア材との混合性が良く、取扱性が
良好であった。
工建設株式会社製、内容積80L(リットル)の生ごみ
処理装置の処理槽10に、生ごみ1.9kg−wet
(内訳:ご飯1.3kg−wet、キャベツ0.3kg
−wet)と共に、籾殻3.0kg、上記ACF成型体
0.3kgを投入して生ごみの分解処理を行った。
分、攪拌停止時間15分を繰り返すことによって行っ
た。処理槽10における散水は、散水時間15秒、散水
停止時間10分を繰り返すことによって行い、1日当た
りの散水量は96Lとした。なお、処理槽10内の温度
は35℃に調整した。
排水のCODは、最高でも4000ppmにまで低減す
ることができ、また、最初の24時間における平均値も
2200ppmと極めて低い値であった。
ACFを織物加工することなく、繊維形態のまま取扱っ
たところ、このACFは凝集して大きな塊を形成し、コ
ア材との混合性が悪いものであった。
ACFを120℃で2時間乾燥した後、はさみで1mm
以下に破砕した。この破砕ACFをピンセットで採取場
所が偏らないように50mg採取し、これを摺り合せフ
ラスコ(容量300ml)に入れた。このフラスコにビ
タミンB12水溶液(濃度:300ppm)を100ml
加え、25℃で2時間攪拌後、1晩静置した。1晩静置
後の液の上澄みを濾過して得られた濾液の吸光度を波長
430nm、5cmセルで測定し、ビタミンB12の吸着
能を求めた。その結果、ビタミンB12の吸着能は350
mg/gであった。
型体について、試験例1と同様にビタミンB12の吸着能
を測定した。その結果、ビタミンB12の吸着能は307
mg/gであり、CMC付着による吸着能の低下は少な
いことが認められた。
型体を水洗して付着CMCを除去後、このCMC除去A
CFについて、試験例1と同様にビタミンB12の吸着能
を測定した。その結果、ビタミンB12の吸着能は320
mg/gであり、CMC付着による吸着能の低下は水洗
により更に少なくなることが認められた。
成型してあるので、凝集や飛散する等の問題もなく、取
扱性が良好である。また、この成型体を生ごみ処理に用
いる場合は、生ごみと混合する際に、生ごみ、コア材と
の混合性が良く、取扱性が良好である。
と共にACF成型体を添加することにより、生ごみの分
解活性を高くでき、処理中の生ごみへの給水量を多くす
ることなく、生ごみの分解によって生ずる排水のCOD
を低く抑えることができる。
処理におけるばかりでなく、触媒反応処理、吸着処理、
濾過処理等、種々の物理処理、化学処理においても取扱
性が良好な処理構造体である。
法に用いる装置の一例を示す概略図であって、同装置の
平面図を示す概略図である。
法に用いる装置の一例を示す概略図であって、同装置の
正面図を示す概略図である。
断面部分である正面部分断面図を示す概略図である。
断面部分である側面部分断面図を示す概略図である。
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 活性炭素繊維と、前記活性炭素繊維を互
いに貼着する水溶性粘結剤とからなる活性炭素繊維成型
体。 - 【請求項2】 成型体が略球状である請求項1に記載の
活性炭素繊維成型体。 - 【請求項3】 成型体の嵩密度が0.1〜0.3g/c
m3である請求項1に記載の活性炭素繊維成型体。 - 【請求項4】 水溶性粘結剤がカルボキシメチルセルロ
ースである請求項1に記載の活性炭素繊維成型体。 - 【請求項5】 活性炭素繊維の直径が5〜30μmであ
る請求項1に記載の活性炭素繊維成型体。 - 【請求項6】 処理槽の底部に排水用多孔板を備えると
共に処理槽の内部に生ごみ攪拌翼と散水口を有する処理
槽内で生ごみを液体又は気体に生物分解する生ごみ処理
方法において、生ごみにコア材と共に請求項1に記載の
活性炭素繊維成型体を添加することを特徴とする生ごみ
処理方法。 - 【請求項7】 攪拌翼の駆動及び散水を断続的に行う請
求項6に記載の生ごみの処理方法。 - 【請求項8】 活性炭素繊維成型体の添加量がコア材と
活性炭素繊維の合計添加量に対して5〜20質量%であ
る請求項6に記載の生ごみ処理方法。 - 【請求項9】 コア材が籾殻である請求項6に記載の生
ごみ処理方法。
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