JP2001096293A - 有機性廃水の処理方法 - Google Patents

有機性廃水の処理方法

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JP2001096293A
JP2001096293A JP28152399A JP28152399A JP2001096293A JP 2001096293 A JP2001096293 A JP 2001096293A JP 28152399 A JP28152399 A JP 28152399A JP 28152399 A JP28152399 A JP 28152399A JP 2001096293 A JP2001096293 A JP 2001096293A
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sludge
treatment
wastewater
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hardly decomposable
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Fumiya Kitauchi
文哉 北内
Koichi Uemura
康一 植村
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンポストを発生せず、また消滅型のように
難分解性有機物や無機物が処理槽内に蓄積せず、さらに
廃水処理系への処理負荷も増大しない有機性廃水の処理
方法を提供する。 【解決手段】 有機性廃水を生物学的に廃水処理する方
法において、生物学的廃水処理の際に発生する汚泥に、
難分解性粒状物を添加して汚泥中の有機物を微生物分解
し、その後、難分解性粒状物を洗浄して難分解性粒状物
と洗浄排水とに分離し、難分解性粒状物を微生物分解処
理に再使用するとともに、洗浄排水を生物学的廃水処理
の前段に返送することを特徴とする有機性廃水の処理方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性廃水を生物
学的廃水処理する際に発生する汚泥を、微生物の能力を
利用して分解処理することで、廃水処理系外に排出しな
い有機性廃水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、廃水を生物学的に処理する際に発
生した汚泥は、焼却、脱水などの中間処理を経た後、埋
め立て処分されるか、海洋投入処分されてきた。しか
し、埋め立て地の確保が困難になってきたこと、国際的
に海洋投入処分に対して批判があること、焼却に多大の
エネルギーを要すること等の問題が発生してきた。一
方、汚泥を乾燥させて汚泥肥料として緑農地に施肥する
ことも行われているが、緑農地に直接施用した場合、有
機物の分解速度が速すぎて土壌中の酸素の欠乏につなが
り植物に害を与えるといった弊害の問題もあり、これら
とは別の処理処分方法の開発が望まれてきた。
【0003】これらの問題を解決するための一つの手段
として、汚泥をコンポスト化してコンポストとして有効
利用する方法がある。コンポスト化は廃棄物中の不安定
な有機物を微生物の分解作用により安定化するととも
に、炭素/窒素比率の改善、細菌、害虫、雑種種子の不
活化、廃棄物の汚物感の解消等を行うことができる。コ
ンポスト化により得られたコンポストを緑農地に施用す
ることによって、腐植質の供給と土壌構造の改善、緩衝
能の増大、肥効成分と微量元素の供給等の様々な効果が
現れる。コンポスト化は、最近の高速コンポスト化装置
の開発と実用化により、生ゴミや汚泥等の有機性廃棄物
の再生処理に有効な一手段として、注目を集めている。
【0004】一方、系外に余剰汚泥が排出されない汚泥
循環型の生物学的廃水処理システムの開発も盛んに行わ
れている。このシステムは廃水の浄化処理によって生成
される余剰汚泥相当分の汚泥に可溶化処理を施し、易分
解性の物質に変換した後、再び曝気槽に返送して、自己
消化させる方法である。このシステムの汚泥可溶化方法
に関して、オゾンを用いた化学的酸化分解、高温生育微
生物を用いた生物学的分解等、既に種々の方法が提案さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した汚泥のコンポ
スト化は、廃棄物からコンポストといった有価物を回収
する有効な技術であるが、一方で種々の問題点が指摘さ
れている。その一つにコンポストの需要量の問題があ
る。コンポストの原料となる余剰汚泥は通期的に発生
し、必ず処理を行わなければならないのに対して、製品
であるコンポストの施用時期は主として春と秋に集中す
る。このため、需要量が少ない冬季と夏季のために製品
コンポストの貯蔵施設を確保する必要がある。しかし一
般にコンポスト生産側、農家側とも用地に余裕がない場
合が多く、コンポストの生産・流通における問題点とな
っている。この問題は需要量と供給量に差が大きい都市
部において特に深刻なものとなっている。
【0006】このようなコンポストの過剰生産を回避す
るため、コンポストが発生しない、いわゆる消滅型と称
した汚泥処理機も開発されている。これは分解処理物を
処理槽内に長期間滞留させることで、未分解物、すなわ
ちコンポストの引抜きを行わない方式である。しかしな
がら、消滅型といっても、汚泥中の難分解性有機物や無
機物は消滅することなく処理槽内に蓄積するので、定期
的に処理槽内物の一部抜き取りや入れ替えといった作業
が必要であった。
【0007】また、上記した汚泥循環型の生物学的廃水
処理システムは既に実用化されているものの、種々の問
題点が指摘されている。オゾンを用いた可溶化装置は、
設備費が高価になり、オゾン発生装置の取り扱いが煩雑
であり、残存オゾンの処理が問題とされている。高温生
育微生物を用いた可溶化は、設備が大型化し、さらに大
型の処理槽を50℃から60℃に保つために大きなエネ
ルギーを必要とする。また、これらの方法では、可溶化
処理によって汚泥が可溶化、すなわち易分解性の物質に
変換されるのみであり分解されることはない。従って、
可溶化された汚泥が曝気槽に返送されることによって、
曝気槽の処理負荷が増大し、結果として、曝気の増量や
曝気槽の拡張が必要となるという問題があった。
【0008】本発明は、コンポストを発生せず、また消
滅型のように難分解性有機物や無機物が処理槽内に蓄積
せず、さらに廃水処理系への処理負荷も増大しない有機
性廃水の処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を解決するために鋭意検討した結果、汚泥に難分解
性粒状物を添加することで微生物分解が促進され、また
未分解物の洗浄も容易になるということを見出し、本発
明に到達した。すなわち、本発明は、有機性廃水を生物
学的に廃水処理する方法において、生物学的廃水処理の
際に発生する汚泥に、難分解性粒状物を添加して汚泥中
の有機物を微生物分解し、その後、難分解性粒状物を洗
浄して難分解性粒状物と洗浄排水とに分離し、難分解性
粒状物を微生物分解処理に再使用するとともに、洗浄排
水を生物学的廃水処理の前段に返送することを特徴とす
る有機性廃水の処理方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明での有機性廃水とは、産業廃水、家庭廃水、集落
廃水、下水および屎尿等、有機性の廃水であれば何でも
よい。また、これらの廃水を生物学的に処理する方法と
しては、汚泥の発生を伴う処理法であれば特に限定する
ものではなく、活性汚泥法をはじめ、生物膜法、曝気式
酸化池法、嫌気性処理法、窒素除去のための硝化脱窒法
およびリン除去のための嫌気・好気活性汚泥法等が挙げ
られる。
【0011】本発明においては、まず、有機性廃水を生
物学的に処理する際に発生した汚泥に、難分解性粒状物
を添加する。難分解性粒状物が添加される際の汚泥の状
態としては、余剰汚泥、濃縮汚泥および脱水汚泥のいず
れの状態であっても構わないが、一度に多量の汚泥を投
入および分解できるとともに、難分解性粒状物が添加さ
れた後の含水率の過上昇を抑止し、かつ、温度低下を抑
止して、その後の微生物分解を効率的に持続させるため
には、脱水汚泥を用いることが好ましい。
【0012】汚泥の脱水を行う場合、脱水機としては、
例えば、真空ろ過機、フィルタープレス、ベルトプレ
ス、スクリュープレス、ヴァルート、遠心脱水機等が好
適に用いられる。また、乾燥処理による脱水を行っても
よく、例えば、真空減圧乾燥、代車式乾燥、棚式乾燥、
通気乾燥、回転型乾燥、流動層乾燥、気流式乾燥、同筒
攪拌乾燥、ロースター等の各種乾燥方式を用いることが
できる。さらに、汚泥の脱水の際、凝集剤を添加するこ
とが有用であり、凝集剤としては、例えば、硫酸アルミ
ニウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、塩
基性塩化ナトリウム、硫酸鉄(IIおよびIII)、塩化鉄
(III)、塩素化コッパラス等の無機凝集剤や、アルギ
ン酸ナトリウム、CMCナトリウム、ポリアクリル酸ナ
トリウム、マレイン酸共重合体、水溶性アニリン樹脂、
ポリチオ尿素、ポリエチレンイミン、第4級アンモニウ
ム塩、ポリビニルピリジン類、ポリアクリルアミド、ポ
リオキシエチレン、キトサン、可溶性デンプン、ゼラチ
ン等の有機高分子凝集剤が好適に用いられる。
【0013】本発明で用いられる難分解性粒状物として
は、微生物によって急速に分解されるものでなければ特
に限定されるものではなく、例えば、ゼオライト等の多
孔性セラミック粒体、多孔性樹脂成形粒体、繊維で形成
された粒状物、木片、木質チップ、バーク、籾殻、活性
炭、炭等が好適に用いられる。但し、木片、木質チッ
プ、バーク、籾殻、活性炭、炭等を用いた場合、これら
は分解処理中に徐々に分解あるいは崩壊して消失するた
め、分解処理を繰り返し行ううちに補充が必要となる場
合がある。
【0014】難分解性粒状物の大きさとしては、直径が
2mmから50mmが好ましく、5mmから20mmが
さらに好ましい。2mm未満あるいは50mmを超える
と、混合物の水分吸水性や通気性が低下して良好な好気
分解が起こらないことがあるため好ましくない。
【0015】また、難分解性粒状物の嵩密度としては、
繊維で形成された粒状物の場合には、0.03g/ml
から2g/mlであることが好ましく、これらの範囲を
外れると、水分吸水性や通気性が低下し、さらに汚泥と
粒状物の混合性も低下するため、良好な分解処理が行え
ないことがある。
【0016】本発明においては、難分解性粒状物とし
て、繊維で形成された粒状物が、汚泥と混合したときの
通気改良性能および水分調整性能に優れている上に、分
解処理の際に主役となる微生物の担体としても良好であ
ることから特に好ましく用いられる。繊維で形成された
粒状物としては、繊維で形成されており、粒状のもので
あれば特に限定されるものではなく、例えば、繊維を水
撹拌等で絡めた粒状物、繊維束またはこれらを熱融着さ
せたもの等が挙げられるが、一般に繊維を絡めた粒状物
や繊維束は処理中に崩壊したり、糸抜けが起こることが
あるので、繊維を熱融着させたものを用いることが好ま
しく、特に繊維束を熱融着させたものを用いることが好
ましい。粒状物を形成する繊維としては、特に限定され
るものではなく、天然繊維、合成繊維のいずれでも使用
できるが、天然繊維は徐々に分解が起こるため合成繊維
を用いることが好ましい。
【0017】熱融着を行う場合には、粒状物が充分な嵩
密度を有するように、例えば、特開平8−206675
号公報に記載されているように熱収縮繊維と熱融着繊維
を混合して使用したり、融点の異なる2種類以上の繊維
または融点の異なる2種類以上の重合体から成る熱融着
性複合繊維を使用することが好ましい。具体的には、高
融点繊維と熱融着させるための低融点繊維、外周に低融
点成分、内周に高融点成分を配した芯鞘型の熱融着性複
合繊維、断面の片側に低融点成分、反対側に高融点成分
を配したサイドバイサイド型の熱融着複合繊維等の、い
わゆるホットメルト型繊維を少なくとも30重量%以
上、好ましくは50重量%以上用いることが好ましい。
【0018】このような繊維で形成された粒状物は、微
生物担体としてすでに汚水処理用に市販、使用されてお
り、例えば、ユニチカ株式会社から市販されている融点
の異なる2種類以上の繊維から成る繊維束を熱融着させ
た粒状物(商品名:ファビオス)を使用することができ
る。
【0019】汚泥に難分解性粒状物を添加するには、汚
泥を溜めている槽に難分解性粒状物を添加してもよい
し、また、次工程の微生物分解処理を行う槽内へ予め難
分解性粒状物を充填しておき、その槽に直接汚泥を供給
することもできる。
【0020】難分解性粒状物の添加量としては、汚泥と
難分解性粒状物との混合物の含水率が30%から90%
となるようにすることが好ましく、40%から80%が
さらに好ましい。混合物の含水率がこれらの範囲を外れ
ると、次の工程で良好な微生物分解が進行しないため好
ましくない。
【0021】難分解性粒状物を添加した後、充分に混合
することが好ましく、混合方法としては、例えば、回転
翼、オーガー、レーキ、スクープ、パドル およびロー
タリーキルン等の攪拌方式が好適に用いられる。また、
予め難分解性粒状物を充填した微生物分解処理槽内へ直
接汚泥を供給する場合には、微生物分解処理槽に付帯し
た撹拌手段により混合することが可能である。
【0022】次に、難分解性粒状物が添加された汚泥を
微生物分解する。そのためには、汚泥と難分解性粒状物
との混合物を放置することで可能であるが、微生物の分
解活性を高める目的で、撹拌および通気を行うことが好
ましい。
【0023】撹拌方法としては、汚泥と難分解性粒状物
とをよく撹拌できる方式であれば特に限定するものでは
なく、例えば、回転翼、オーガー、レーキ、スクープ、
パドルおよびロータリーキルン等の方式が好適に用いら
れる。また、撹拌頻度は高くなくてもよく、例えば、間
欠的に1時間あたり数分行えばよい。
【0024】また、通気方法としては、汚泥と難分解性
粒状物とに通気できる方式であれば特に限定するもので
はなく、分解処理槽の上部、側部あるいは下部から送気
あるいは吸気するといった方式が好適に用いられる。通
気量としては、処理する汚泥中の有機性物質の量により
異なるが、分解処理物1Lあたり0.01から2L/m
inが好ましく、特に0.05から1L/minが好ま
しい。
【0025】汚泥と難分解性粒状物を撹拌し、通気する
ことで良好な微生物分解は可能であるが、微生物の分解
活動をより促進して、分解速度を高めるには、分解処理
槽内を加温する手段が有効となる。加温方法は、特に限
定するものではなく、分解処理槽をヒーターや温水ジャ
ケット等で保温する方法、加熱した空気を分解処理槽内
に供給する方法等が好適に用いられる。また、温度は分
解処理槽の内部の温度が30℃から70℃であることが
好ましく、さらに40℃から60℃であることが好まし
い。このような好適な温度条件下で分解処理を行うと、
外気温条件下での処理、さらには液体中での処理に比
べ、汚泥の分解速度が著しく速くなり、分解処理槽を大
幅にコンパクト化することが可能となる。
【0026】微生物分解処理が進行すると、微生物の分
解活動による自己発熱が生じて、分解処理槽内の温度が
上昇するため、外部エネルギーを用いた連続的な加温は
必要ない。故に、例えば30℃といった設定温度を設定
し、この設定温度を下回ったときに加温装置を作動する
といった制御方法を組み込むことで、省エネルギー運転
が可能となる。
【0027】微生物分解処理に要する時間は、汚泥の種
類や、汚泥量さらには汚泥中の有機性物質量等によって
異なるが、例えば、容量200Lの繊維で形成された粒
状物と乾燥重量1kgの汚泥を混合した場合、6時間か
ら3日間の処理時間をとればよい。本発明での分解処理
時間は、コンポスト化処理のいわゆる一次発酵および二
次発酵に要するような長時間は必要なく、汚泥中の易分
解性有機物の大部分が分解されればよい。易分解性有機
物の分解終了は、分解処理物の温度低下や、分解処理槽
からの排気中の二酸化炭素濃度の低下等によって判断で
きる。
【0028】また、分解処理時に、易分解性有機性物質
を多く含む有機性廃棄物を供給することは有効な手段と
なることがある。比較的発熱量の小さい汚泥に易分解性
有機性物質を多く含む有機性廃棄物を供給することは、
処理物の発熱量を大きくさせ、自己発熱の早期発現と持
続を促すことができ、より省エネルギー化が図れるとと
もに、汚泥以外の有機性廃棄物の同時分解処理を行うこ
とができる。供給する有機性廃棄物としては、可溶性の
糖質やタンパク質を多く含むものが望ましく、生ゴミや
食品加工業等から排出される加工残滓、さらには生物学
的廃水処理装置に導入される前の廃水から除去された浮
遊物質や沈降分離物および浮上分離物等が好適に利用で
きる。
【0029】このようにして汚泥と難分解性粒状物に通
気を施しながら撹拌を行うことによって、汚泥中の有機
性物質は汚泥中および難分解性粒状物に付着していた微
生物等によって分解される。このとき、難分解性粒状物
は、通気促進材、水分調整材および微生物担体として働
き、微生物による良好な分解が起こる。このような処理
により、汚泥中の有機物の殆どが分解され、二酸化炭素
とアンモニアに変換される。
【0030】本発明においては、次に、未分解物が付着
した難分解性粒状物を洗浄し、難分解性粒状物と洗浄排
水とに分離する。洗浄には、工業用水や水道水が用いら
れるが、廃水処理系を経た処理水や汚泥を脱水したとき
に生じる液を用いることもできる。
【0031】洗浄は分解処理槽中の全体に対して施して
もよく、分解処理槽内の一部に対してのみ行ってもよ
い。分解処理槽内の全体に対して洗浄を施す場合は、汚
泥の微生物分解処理が終了した毎に行ってもよいが、汚
泥の微生物分解処理を繰り返し、未分解物が蓄積した時
点、あるいは難分解性粒状物の通気性能、水分調整能が
悪化した時点で行うことも可能である。
【0032】分解処理槽内の一部に対して洗浄を施す場
合、一部を分解処理槽から引き抜いて、引き抜いたもの
に対して洗浄を行う、あるいは分解処理槽内の一部に通
液して一部の洗浄を行う等の方法が好適に用いられる。
【0033】洗浄処理は洗浄水を通液することによって
行われ、通液時に上述の微生物分解処理の際に使用した
撹拌や通気を行うことは、より洗浄効率をあげることが
でき、有効な手段となる。
【0034】洗浄後、未分解物を含んだ洗浄排水と難分
解性粒状物とを分離する。分離方法としては、難分解性
粒状物から洗浄排水の殆どを取り除く方法であれば特に
限定するものではなく、例えば、自然放置による洗浄排
水の重力落下、ふるい、および遠心力等の加圧力を用い
た分離等が好適に使用できる。繊維で形成された粒状物
は、保水性が低いため、水放しが良く、難分解性粒状物
と洗浄排水の分離速度が速くて好ましい。
【0035】なお、分解処理槽の構造を、洗浄排水が分
解処理槽外に排出され、難分解性粒状物が分解処理槽内
に留まるようにすれば、一つの分解処理槽で汚泥の微生
物分解処理、通水による洗浄および洗浄排水の分離を兼
用することができる。具体的には、分解処理槽の底面あ
るいは側面に難分解性粒状物の粒径より小さい径の小孔
を設けたり、難分解性粒状物の粒径より小さい径のメッ
シュスクリーンや多孔性セラミック板を設置したり、あ
るいはガラスウールや砂利を敷くといった構造が挙げら
れる。
【0036】本発明においては、洗浄後分離された難分
解性粒状物は、全部あるいは一部が再び微生物分解処理
に使用される。この際の難分解性粒状物は、ある程度脱
水した状態で使用することが好ましい。一方、洗浄排水
は、生物学的廃水処理手段の前段に返送される。この洗
浄排水中の有機物量は少ないため、生物学的廃水処理装
置の処理負荷量を増大させる危険性が小さい。洗浄排水
を返送する時、洗浄排水を流量調整槽あるいは廃水処理
槽のどちらに返送してもかまわないが、処理負荷量の安
全性から考えると、流量調整槽が設置されている場合に
は、その流量調整槽に返送するほうが好ましい。
【0037】次に、本発明の実施形態の一例を図1のフ
ローチャートを参照しながら説明する。汚濁物質を含む
廃水(1)は流量調整槽(2)を経て、生物学的廃水処
理槽(3)に送られ、浄化された後、汚泥分離槽(4)
で処理水(5)と汚泥(6)に分離される。分離された
汚泥(6)の一部は返送汚泥(7)として生物学的廃水
処理槽(3)へ返送され、残りは余剰汚泥として引き抜
かれ、汚泥貯留槽(8)に一旦貯留される。汚泥は凝集
剤(9)が添加された後、汚泥脱水機(10)で脱水さ
れる。脱水された汚泥は難分解性粒状物(11)を充填
した分解処理槽(12)に導入され、微生物分解処理を
受ける。微生物分解処理終了後は分解処理槽(12)に
洗浄水(13)を供給して難分解性粒状物(11)の洗
浄を行う。洗浄後の難分解性粒状物(11)は分解処理
槽に返送し、再使用され、洗浄排水(14)は流量調整
槽(2)に返送し再び浄化処理される。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 容量60Lの曝気槽を備えた標準活性汚泥処理装置に、
生物化学的酸素要求量(BOD)820mg/L、浮遊
物質量(SS)400mg/Lの水産練り製品製造業廃
水を、導入して浄化処理を行った。装置は、水理学的滞
留時間(HRT)24時間、活性汚泥濃度5000mg
/L、曝気空気量一定の条件下で運転した。得られた処
理水のBODおよびSSはそれぞれ35mg/Lおよび
32mg/Lであった。24時間の廃水処理で発生した
2.5Lの余剰汚泥(汚泥濃度8000mg/L、汚泥
有機物質量7500mg/L)に、凝集剤としてポリ塩
化アルミニウム(PAC)を添加したした後、ろ布で含
水率90%にまで濃縮した濃縮汚泥を用意した。
【0039】この濃縮汚泥(湿重量200g)を繊維で
形成された粒状物としてユニチカ社製の排水処理担体
(商品名:ファビオス、直径6mm、1.5L)と混合
して、混合物を分解処理槽(12cmφ×14cm、2
L)に供給した。分解処理槽を55℃に加温して、分解
処理槽の下部より1分あたり0.5Lの送気を行い、3
0分あたり2回転の間欠撹拌を行いながら、24時間の
分解処理を行った。分解処理中に分解処理槽から排出さ
れる二酸化炭素濃度を連続的に測定し、その積算値から
算出した有機物分解量は17gであった。すなわち85
%の汚泥分解率が得られた。
【0040】この分解処理物に新たな濃縮汚泥を200
g投入して、24時間の分解処理を行うといった操作を
4回繰り返し行ったところ、得られた24時間毎の汚泥
分解率は82%から85%の範囲内にあった。5回の投
入および分解処理終了後、水道水2Lを分解処理槽に通
液して、繊維で形成された粒状物を洗浄し、洗浄排水を
回収した。洗浄排水のBODおよびSSを測定したとこ
ろ、それぞれ、0.2g(100mg/L)、15g
(7500mg/L)、であった。この洗浄排水全量
を、上述した水産練り製品製造業廃水を貯留した容量1
50Lの流量調整槽に返送して、上述と同じ運転条件で
廃水処理を行った。得られた処理水のBODおよびSS
はそれぞれ32mg/Lおよび33mg/Lであり、処
理水の悪化は認められなかった。
【0041】実施例2 難分解性粒状物として平均粒径5mmの木質チップ用い
て、実施例1と同じ濃縮汚泥に対し、実施例1と同条件
で5回の分解処理および洗浄の操作を行った。24時間
後の汚泥分解率は65%から70%の範囲内となり、洗
浄排水のBODおよびSSは、それぞれ、0.5g(2
50mg/L)、30g(15000mg/L)であっ
た。この洗浄排水を実施例1と同様に流量調整槽に返送
して廃水処理を行ったところ、処理水の悪化は認められ
なかった。
【0042】
【発明の効果】本発明は、排出された余剰汚泥に微生物
分解処理を施し、汚泥中の殆どの有機物を分解した後、
未分解物を洗浄排水として生物学的廃水処理装置に返送
するため、汚泥やコンポストが全く発生せず、また未分
解物を引き抜く必要がない。さらには、廃水処理装置の
処理負荷量を増大させない生物学的廃水処理システムが
実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性廃水の処理方法の一実施形態を
示すフロー概念図である。
【符号の説明】
1 廃水 2 流量調整槽 3 生物学的廃水処理槽 4 汚泥分離槽 5 処理水 6 汚泥 7 返送汚泥 8 汚泥貯留槽 9 凝集剤 10 脱水機 11 難分解性粒状物 12 分解処理槽 13 洗浄水 14 洗浄排水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D028 AC01 AC09 BC17 BD00 BD11 BD16 4D059 AA03 BA01 BA27 BA56 BD01 BD07 BD19 BE02 BE14 BE16 BE26 BE38 BE49 BE55 BJ01 BK06 CA22 CA28 CB27 DA15 DA17 DA18 DA23 DA24 DA61 DB15 DB16 DB18 DB19 DB20 DB21 DB23 DB24 DB26 DB28 DB29 DB32 DB33

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性廃水を生物学的に廃水処理する方
    法において、生物学的廃水処理の際に発生する汚泥に、
    難分解性粒状物を添加して汚泥中の有機物を微生物分解
    し、その後、難分解性粒状物を洗浄して難分解性粒状物
    と洗浄排水とに分離し、難分解性粒状物を微生物分解処
    理に再使用するとともに、洗浄排水を生物学的廃水処理
    の前段に返送することを特徴とする有機性廃水の処理方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008015748A1 (fr) * 2006-08-03 2008-02-07 Tama-Tlo, Ltd. Appareil et procédé de traitement de matière organique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008015748A1 (fr) * 2006-08-03 2008-02-07 Tama-Tlo, Ltd. Appareil et procédé de traitement de matière organique

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