JP2003213356A - 高潤滑張出し成形用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

高潤滑張出し成形用アルミニウム合金板およびその製造方法

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JP2003213356A
JP2003213356A JP2002017870A JP2002017870A JP2003213356A JP 2003213356 A JP2003213356 A JP 2003213356A JP 2002017870 A JP2002017870 A JP 2002017870A JP 2002017870 A JP2002017870 A JP 2002017870A JP 2003213356 A JP2003213356 A JP 2003213356A
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Takeshi Takada
健 高田
Makoto Saga
誠 佐賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高潤滑張出し成形用アルミニウム合金板およ
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 質量%で、Si:0.3%以上、Mg:
0.2%以上、Mg+Si:2%以下を含有し、残部A
lおよび不可避不純物からなり、引張強度と降伏応力と
の差が110MPa以上であり、かつ、下記式にて定義
される、全伸びの異方性ΔEl:0.7%以下、r値の
異方性Δr:0.05以下、YSの異方性ΔYS:1M
Pa以下のいずれか1もしくは2以上の条件を満たすこ
とを特徴とする高潤滑張出し成形用アルミニウム合金
板。また、圧下率が20〜65%の1次冷間圧延を行
い、480〜560℃で1分以上10分以下の中間焼鈍
を行った後に、圧下率が20〜65%の2次冷間圧延を
行い、その後500〜580℃の温度で1分以上5分以
下の溶体化処理を施し、15℃/s以上の冷却速度で冷
却することを特徴とするその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のボディシ
ートや部品等に用いるアルミニウム合金、特に6000
系アルミニウム合金板に関するものであり、さらに詳し
くは、プレス成形加工時の張出し成形を高潤滑下で行う
場合に適した、高潤滑張出し成形性用アルミニウム合金
板およびその製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費向上等を目的として
車体軽量化の動きが活発になり、自動車ボディ用材料に
アルミニウム合金を適用する動きが高まっている。しか
し、アルミニウム合金は普通鋼に比べて成形性に劣り、
この成形の困難さが適用における問題点となっている。
更に、5000系合金(Al−Mg系)合金から、より
成形の困難な6000系合金(Al−Mg−Si系)へ
と合金種が変更しつつある状況の中で、アルミニウム合
金の成形性困難さの克服の重要度は増している。張出し
成形は、アルミニウム合金にとって厳しい加工である。
アルミニウム合金の張出し成形はTS−YSに依存する
と考えられている。この指標は経験的指標であり厳密な
成形性支配因子ではないが、殆どの合金の張出し性はお
よそこの指標に従っている。
【0003】しかし、TS−YSの制御にも限界がある
ため、成形性向上のためには高潤滑剤を使用した成形方
法が検討されている。高潤滑とは潤滑剤の使用により低
摩擦で張出し成形することを意味する。今後はこの高潤
滑剤の使用が活発になると考えられる。高潤滑下では、
アルミニウム合金板表面の摩擦係数が極めて小さくなる
ため、従来のような成形性がTS−YSのみに依存する
という材料設計指針のみでは不十分であると考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高潤滑張出
し成形におけるアルミニウム合金の新たな材料設計指針
を見出し、高潤滑張出し成形性用アルミニウム合金板お
よびその製造方法を提供することをその課題とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高潤滑下
での成形性指標もTS−YSであるという必然性は見出
せなかったので、高潤滑条件下での張出し成形性につい
て検討を試みた。その結果新たな指針を見出し、本発明
に至ったもので、その要旨とするところは以下の通りで
ある。
【0006】(1)質量%で、Si:0.3%以上、M
g:0.2%以上、Mg+Si:2%以下を含有し、残
部Alおよび不可避不純物からなり、引張強度と降伏応
力との差が110MPa以上であり、かつ、下記式にて
定義される、全伸びの異方性ΔEl:0.7%以下、r
値の異方性Δr:0.05以下、YSの異方性ΔYS:
1MPa以下のいずれか1もしくは2以上の条件を満た
すことを特徴とする高潤滑張出し成形用アルミニウム合
金板。 ΔEl=|L方向全伸び(%)+C方向全伸び(%)−2×X
方向全伸び(%)|/4 Δr=|L方向r値+C方向r値−2×X方向r値|/
4 ΔYS=|L方向YS+C方向YS−2×X方向YS|
/4 (2)質量%で、Cu:0.3〜1.5%を、さらに含
有することを特徴とする前記(1)に記載の高潤滑張出
し成形用アルミニウム合金板。
【0007】(3)前記(1)または(2)に記載のア
ルミニウム合金板の製造方法において、圧下率が20〜
65%の1次冷間圧延を行い、480〜560℃で1分
以上10分以下の中間焼鈍を行った後に、圧下率が20
〜65%の2次冷間圧延を行い、その後500〜580
℃の温度で1分以上5分以下の溶体化処理を施し、15
℃/s以上の冷却速度で冷却することを特徴とする高潤
滑張出し成形性用アルミニウム合金板の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】高潤滑すなわち低摩擦の張出し成
形の理想状態は液圧バルジ加工であるので、各種材料の
液圧バルジ試験を行い、その成形性について考察を行っ
た。図1は各種6000系アルミニウム合金の液圧バル
ジ加工試験での破断成形高さをTS−YSの指標で示し
たものである。なお、この時のバルジ試験の径は100
mmである。図に示される様に、成形高さはTS−YS
に依存していない。一方、図2に示されるように、通常
使用の潤滑剤の下、同材料で球頭張出し試験を実施した
ときの破断高さはTS−YSに依存する傾向を示してい
る。これらのことは、明らかに高潤滑下での張出し成形
はTS−YSには依存しないことを示している。
【0009】さらに、高潤滑下での成形性指標について
考察した。まず、各種潤滑剤下での球頭張出しにおける
破断歪の分析を行った。図3は典型的な6000系合金
の球頭張出し試験の破断部歪状態を各種潤滑油ごとに示
したものである。この様に、高潤滑すなわち低摩擦係数
の潤滑油になると破断部の歪は等2軸である液圧バルジ
加工での破断状態に近くなる。通常使用する潤滑剤では
平面歪近傍の歪状態で破断するが、高潤滑を使用するに
従い、等2軸側へと破断状態が移動する。等2軸歪での
成形高さすなわち液圧バルジ加工での成形高さはTS−
YSに依存していなかったことから、高潤滑使用下での
成形性はTS−YS以外の指標で示されると言える。そ
こで、本発明者らは高潤滑下での成形性指標を見出すた
めに、まず、液圧バルジ加工試験での破断現象の解明を
行った。歪状態に注目して解析したところ、球上に成形
された材料部の歪分布と通常の潤滑剤使用下での歪分布
との間には根本的な現象の違いは見出されなかったが、
液圧バルジ加工試験での破断はほぼ球状頂点部分で破断
し、しかも破断亀裂は延性の小さい方向と垂直に走って
いるので、破断を決めているのは材料の延性の異方性差
であると考えた。
【0010】この延性の異方性に関しては、以下の3種
の機械的特性に関する異方性を検討することが考えられ
る。伸びの異方性を直接検討する方法、塑性の異方性を
r値によって検討する方法、塑性への変形の容易さの異
方性をYSによって検討する方法である。まず、伸びの
異方性については、通常の塑性異方性の表記に準拠し
て、延性異方性差をΔEl(%)とすれば、 ΔEl=|L方向全伸び(%)+C方向全伸び(%)−2×X
方向全伸び(%)|/4 と記すことが可能である。ここで、L方向とは冷延の圧
延方向、C方向とは圧延方向に垂直な圧延面上の方向、
X方向とはL方向からC方向へ45°ずれた方向を示す。
また、通常伸びとしては一様伸びを適用するが、アルミ
ニウム合金の場合局部伸びが極めて小さいので、全伸び
を採用する。
【0011】塑性の異方性は、r値を用いる。r値を計
測する際の歪は15%以下であればどの歪値でも良い
が、以下特に断らない限りr値は7.5%の歪で計測し
た値を用いる。異方性差はΔrとして、 Δr=|L方向r値+C方向r値−2×X方向r値|/
4 と記すことが可能である。各方向は、上記の通りそれぞ
れ圧延方向、垂直方向、45°方向を意味する。塑性変
形への容易さを示す異方性に関しては降伏応力YSを用
いる。YSの異方性差が大きければ、一定応力のバラン
ス下にある破断相当部での各方向の伸びが異なり、高潤
滑下で張出し成形を実施しても等2軸変形は達成されな
い。それゆえ、YSの異方性差を極力低減させることも
延性の異方性を低減することと同等である。YSの異方
性差はΔYS(MPa)として、 ΔYS=|L方向YS+C方向YS−2×X方向YS|
/4 と記すことが可能である。各方向は、上記の通りそれぞ
れ圧延方向、垂直方向、45°方向を意味する。
【0012】上記図1、図2で使用した材料において、
液圧バルジ加工を行った材料の成形高さを上述した延性
異方性ΔElで整理したところ、図4に示すように成形
高さはΔElに依存していることが明らかとなった。液
圧バルジ加工試験における望ましい成形高さは約32m
m以上であることから、図4に基づきΔElの上限値と
しては0.7%を採用した。ΔElが0.7%以下であ
れば十分な成形性が得られる。0.5%以下であれば安
定した成形性が得られ好ましい。下限は特に限定しない
が、0.05%未満にすることは製造上困難であるた
め、0.05%を下限値とすることが好ましい。なお、
図4のうち最も大きいΔElの材料は通常の6000系
材料であり、一般的な6000系アルミニウム合金は本
発明の要件を満たさない。
【0013】Δr値とΔYSも液圧バルジ加工試験での
成形高さと同様の良い相関が得られる。上記伸びを用い
る場合と同様に、Δr値の上限は0.05、ΔYSの上
限は1MPaと設定する。下限値は特に定めないが、Δ
Elの場合と異なり、Δr値やΔYSを0にすることは
特に困難ではないため、好ましいの下限値は0とする。
TS−YSは一般的なアルミニウム合金の張出し成形性
指標である。本発明が対象とする高潤滑の張出し加工は
この指標に必ずしも従うものではないが、アルミニウム
合金板の加工においては、TS−YSの指標に従う平面
歪域の加工を受ける部位が、潤滑とは関係なく必ず存在
するため、一般的な加工性を最低限確保する意味でTS
−YSの下限値を110MPaとする必要がある。この
TS−YSは引張試験で得られる応力−歪線図における
塑性域を意味しており、その値が大きければ、塑性域が
広く、延性に優れていることを意味している。しかし、
逆に大きすぎると過度にYSが小さくなってしまい、適
用部材によっては必要な降伏強度を確保できなくなる場
合もあり得るので160MPaを上限とすることが好ま
しい。
【0014】上述の様に規定された材料は高潤滑な状態
にて高成形を示す。ここでこの高潤滑の定義を示す必要
がある。一般的に高潤滑は摩擦係数を指標とするので、
摩擦係数値により高潤滑を限定する。摩擦係数の測定値
は試験条件により異なるため、以下の条件に規定する。
まず、金型にはSKD11製、接触面が30×6mmで
ある平板金型2枚を使用する。試験片は10×300m
mの短冊型であり、試験直前に潤滑油を両面に塗布す
る。押し付け力3kgでの200mm摺動した時の引き
抜き力を計測し、そこから摩擦係数を算出する。但し、
接触面は両面であるため、引き抜き力を2倍の押し付け
力で割った数値が摩擦係数となる。なお、このときの油
の塗布量に関しては、スポンジ等で接触面全体に軽く塗
布する程度で十分である。
【0015】上述のようにして求める摩擦係数において
0.1以下が高潤滑剤に該当する。摩擦係数が0.1以
下であれば、種類や成分に拘らず固体系や樹脂系でも高
潤滑の潤滑剤として考える。なお、高潤滑に属さない潤
滑剤の摩擦係数は、上記測定方法では0.1よりも大き
い。つぎに、本発明における機械的特性値を得るための
好適な成分範囲の限定理由について説明する。 Mg、Si:MgおよびSiは本発明の必須の基本成分
であり、微細な析出相を形成して成形性や強度を得るた
めに含有させる。多数の微細な析出相がTS−YS増に
は必要である。そのための含有量の下限値は、Mg、S
iそれぞれで0.2%、0.3%である。しかし、多量
の添加は粒界およびその近傍への析出を通して、成形性
劣化や実用上問題となる程度の耐食性劣化を引き起こす
ので、それら添加量の上限を限定すべきである。析出物
としての量を限定するという考え方に従い、Mg+Si
で定義し、その量は2%以下とする。
【0016】Cu:Cuの添加理由は、Cu系析出物に
よる成形性への効果がMg、Si系析出物のそれと同等
であることによる。所望の効果を得るためには0.3%
以上は必要である。しかし、多量のCu添加はMg、S
i系と同様、成形性や耐食性を劣化させる粒界上析出物
を生成させる。それゆえ、上限を設定すべきであり、成
形性や耐食性を劣化させない範囲として、上限値を1.
5%とした。つぎに、本発明のアルミニウム合金の好適
な製造方法について詳しく説明する。延性の異方性を低
減させることは、基本的にはr値の異方性差を低減させ
ることに等しいと考えられる。つまり、再結晶集合組織
における立方体方位組織の少ない集合組織が形成されれ
ば良い。アルミニウム合金の集合組織において、立方体
方位組織が少なければ、塑性異方性は小さく、また各方
位のYS差、全伸び差も小さくなる。
【0017】そのためには冷間圧延で導入する歪量を極
力少なくすることが必要であり、具体的には、冷間圧延
を、中間焼鈍を挟んで、1次冷間圧延と2次冷間圧延の
2回に分けて行う必要がある。各々の冷間圧延での圧下
率は、上述の通り歪量を極力少なくするため65%以下
が必須となる。下限は必要な最終板厚を得るため20%
以上とする。2回の冷間圧延の総圧下率として50%以
上とすることが好ましい。なお、冷間圧延を、中間焼鈍
を挟む3回以上に分けても構わないが、製造にかかる時
間やコストの点で、現実的ではない。また、中間焼鈍は
再結晶のために必要であるが、高温かつ長時間の加熱下
にあれば、結晶粒は粗大化し、成形性は低下する。その
ため焼鈍温度の上限は560℃、焼鈍時間の上限は10
分とする。一方、下限は焼鈍の効果を得るための最低条
件として、焼鈍温度では480℃、焼鈍時間では1分と
限定する。
【0018】2次冷間圧延後の溶体化処理方法の限定は
TS−YSの増加のためである。Mg、Si、Cuを十
分に結晶粒内に溶体化させ、十分な焼鈍の効果を得るた
めの最低条件として、焼鈍温度は500℃、焼鈍時間は
1分を下限として限定する。一方、結晶が粗大化しない
ための条件として、焼鈍温度は580℃、焼鈍時間は5
分を上限として限定する。また、その後の冷却速度は、
粒内に生成する析出物の微細化を図るため、15℃/s
以上の冷却速度とする。一方、冷却速度が速すぎる場合
は、板のたわみなどが発生しやすく、板形状の精度を低
下させる懸念があるため100℃/sを超える冷却速度
とする必要はない。なお、この様な冷却速度にて冷却を
実施するが、その停止温度は所望の微細析出物が十分析
出する温度域であることが望ましく、その上限は約50
℃。下限の温度については、室温であり、かつ実操業に
おいて結露しない温度であれば良い。
【0019】
【実施例】表1は各種6000系アルミニウム合金の成
分、引張特性、張出し成形性を記したものである。発明
例の材料はの材料は、鋳造後厚さ4mmまで熱延した
後、2mm厚さまでの1次冷延、500℃1分間の焼
鈍、1mm厚さまでの2次冷延、500℃1分間の溶体
化処理と50℃までの空冷の順に製造された。なお、溶
体化後の空冷はファンにより実施し、その冷却速度は、
50℃まで常に一定ではないものの約30℃/sであっ
た。50℃からは室温中に放置した。また、比較例の材
料はNo.11を除き全て実機製造実績のある従来材で
ある。
【0020】
【表1】
【0021】引張特性の計測にはJIS5号の引張試験
片を使用した。張出し成形性は、φ100mmの球頭張
出し試験による、破断時の成形高さを計測し、いずれの
比較例材料よりも張出し高さが高いものを○と表記し
た。なお、張出し試験時には既に記した測定方法による
摩擦係数が0.07になる潤滑剤を使用した。この様
に、従来材料である比較例の材料よりも発明例の材料の
方が、高潤滑での張出し成形性は優れている。表2は、
表1中のNo.4とNo.11の材料について、製造方
法の違いによる成形性の影響を示したものである。
【0022】
【表2】
【0023】No.4の製造方法は本発明に属すもので
あり、その成形性は従来材よりも優れている。なお、表
1の発明例は全て本発明に属す方法で製造されている。
一方、No.11の製造方法は、中間焼鈍条件と最後の
熱処理条件はNo.4と同じであるが、中間焼鈍をはさ
んだ2次冷間圧延の圧下率が本発明に規定する範囲を超
えている。このように、冷延の圧下率のみが変わると、
延性の異方性が増大し、TS−YSが同じであっても、
これを介して高潤滑下での張出し成形性が異なることが
分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、高潤滑下での張り出し成
形性に優れたアルミニウム合金およびその製造方法が提
供できる。その結果、自動車ボディ等へのアルミニウム
合金、特に6000系合金の適用が拡がることが期待で
き、本発明の産業上の価値は極めて高いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液圧バルジ加工における成形高さのTS−Y
Sに対する依存性を示す図である。
【図2】 通常のプレス加工における成形高さのTS−
YSに対する依存性を示す図である。
【図3】 球頭張出し試験の破断部歪状態を各種潤滑油
ごとに示した図である。
【図4】 液圧バルジ加工における成形高さのΔElに
対する依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 685 685Z 686 686A 691 691B 691C 692 692A 694 694A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、 Si:0.3%以上、 Mg:0.2%以上、 Mg+Si:2%以下を含有し、残部Alおよび不可避
    不純物からなり、引張強度と降伏応力との差が110M
    Pa以上であり、かつ、下記式にて定義される、全伸び
    の異方性ΔEl:0.7%以下、r値の異方性Δr:
    0.05以下、YSの異方性ΔYS:1MPa以下のい
    ずれか1もしくは2以上の条件を満たすことを特徴とす
    る高潤滑張出し成形用アルミニウム合金板。 ΔEl=|L方向全伸び(%)+C方向全伸び(%)−2×X
    方向全伸び(%)|/4 Δr=|L方向r値+C方向r値−2×X方向r値|/
    4 ΔYS=|L方向YS+C方向YS−2×X方向YS|
    /4
  2. 【請求項2】 質量%で、 Cu:0.3〜1.5%を、さらに含有することを特徴
    とする請求項1に記載の高潤滑張出し成形用アルミニウ
    ム合金板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のアルミニウム
    合金板の製造方法において、 圧下率が20〜65%の1次冷間圧延を行い、480〜
    560℃で1分以上10分以下の中間焼鈍を行った後
    に、圧下率が20〜65%の2次冷間圧延を行い、その
    後500〜580℃の温度で1分以上5分以下の溶体化
    処理を施し、15℃/s以上の冷却速度で冷却すること
    を特徴とする高潤滑張出し成形性用アルミニウム合金板
    の製造方法。
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