JP2003213065A - 熱現像性感光材料用ポリビニルアセタール樹脂組成物 - Google Patents

熱現像性感光材料用ポリビニルアセタール樹脂組成物

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JP2003213065A JP2002012759A JP2002012759A JP2003213065A JP 2003213065 A JP2003213065 A JP 2003213065A JP 2002012759 A JP2002012759 A JP 2002012759A JP 2002012759 A JP2002012759 A JP 2002012759A JP 2003213065 A JP2003213065 A JP 2003213065A
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polyvinyl acetal
acetal resin
silver
silver salt
resin composition
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JP2002012759A
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Koju Kotake
弘寿 小竹
Yukihisa Hoshino
幸久 星野
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工前溶液のポットライフ、生フィルムの保
存性、かぶり等を向上させ、画像及び階調部の鮮明度を
向上させることができる、熱現像性感光材料用ポリビニ
ルアセタール樹脂を得る。 【解決手段】 ポリビニルアルコールとアルデヒドとの
アセタール化反応により合成されるポリビニルアセター
ル樹脂であって、重合度が200〜3000、残存水酸
基の割合が8〜30質量%の範囲にあり、酸化防止剤を
0.01〜100ppm含有する熱現像性感光材料用ポ
リビニルアセタール樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱現像性感光材料
に用いられる熱現像性感光材料用ポリビニルアセタール
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱現像性感光材料は、主に脂肪酸の銀
塩、有機還元剤、場合により少量の感光性ハロゲン化銀
を高分子バインダー中に分散して得られる組成物を支持
体上に塗工してなるものである。
【0003】従来から広範囲に用いられているハロゲン
化銀感光材料は、その優れた写真特性により、より広範
囲かつ高品質な素材として画像形成分野に利用されてい
るが、現像及び定着が複雑でしかも処理工程が湿式であ
るため、処理が煩雑かつ多量の化学廃液を排出するとい
う問題があった。その為、現在では現像工程を熱処理で
行う熱現像性感光材料が開発され、実用化されている。
【0004】例えば、特公昭43−4924号公報に
は、有機銀塩、還元剤及び有機銀イオンに対して触媒的
に接触しているハロゲン化銀からなる熱現像性感光材料
が開示されている。即ち、これら熱現像性感光材料は、
紙、プラスチックフイルム、金属箔、ガラス板等の支持
体上に、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸メチ
ル、酢酸セルローズ、ポリ酢酸ビニル、酢酸プロピオン
酸セルローズ、酢酸酪酸セルローズ等の造膜性結合材を
用いて塗布して用いられることが記載されている。
【0005】上記造膜性結合材として、具体的にはポリ
ビニルブチラール樹脂が最適のものとして使用されてい
る。しかしながら、一般のポリビニルブチラール樹脂に
は種々の組成のものがあり、しかも製法上、微量の不純
物を含んでいるため、これら不純物の影響により、調製
したバインダー溶液が感光性を生じて着色したり、塗工
した後の画像特性に、かぶり、階調不良、感度不足、フ
イルムの生保存性不良等を生じる場合があった。
【0006】上記問題点を解決するために、銀塩、還元
性物質、添加剤等の改善が図られてきた。例えば、特開
昭49−52626号公報に開示されているように、独
立した安定化剤、安定化剤プレカーサ成分を含まず、チ
オン化合物の銀塩を用いることにより改善することが報
告され、バインダーとしてポリビニルブチラール樹脂も
用いられているが、用いられるバインダーの組成を特定
することにより問題解決を図った技術は開示されていな
い。
【0007】更に、熱現像性感光材料のうちの熱現像式
銀塩フイルムは、従来のウエット式のゼラチンを使用し
たX線感光フイルムに比べて画像特性、特に画像濃度、
画像/階調部の鮮明度がやや劣るためその向上が望まれ
ているが、その為には、加熱時の銀塩の核成長を厳しく
コントロールする必要があり、しかも、バインダー中に
分散させる銀塩の分散性を向上させる必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するため、結合材として用いるポリビニルアセ
タール樹脂を特定の組成とすることで、塗工前溶液のポ
ットライフ、生フイルムの保存性、かぶり等を向上させ
ることができる、熱現像性感光材料用ポリビニルアセタ
ール樹脂を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリビ
ニルアルコールとアルデヒドとのアセタール化反応によ
り合成されるポリビニルアセタール樹脂であって、重合
度が200〜3000、残存水酸基の割合が8〜30質
量%の範囲にあり、酸化防止剤を0.01〜100pp
m含有することを特徴とする熱現像性感光材料用ポリビ
ニルアセタール樹脂組成物であり、酸化防止剤がヒンダ
ードフェノール系であることを特徴とする請求項1記載
の熱現像性感光材料用ポリビニルアセタール樹脂組成物
である。
【0010】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂は、重合度200〜3000のものが使用され、熱
現像性感光材料に用いられる銀塩の分散性、塗膜強度、
塗工性等のバランスを取り易い重合度300〜1000
のものが好適に用いられる。
【0011】また、上記ポリビニルアセタール樹脂の残
存水酸基量は、8〜30質量%とされ、好ましくは10
〜20質量%である。残存水酸基量が30質量%より多
い場合は、熱現像性感光材料に用いる銀塩の分散性が悪
く、銀塩が凝集し、得られるフイルムの感度が低下した
り、水分を吸着し易いため、塗工溶液のポットライフが
低下する。残存水酸基量が8質量%より少ない場合に
も、銀塩の分散性が低下し、感度の低下が生じる。
【0012】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂は、ポリビニルアルコールと各種アルデヒドとのア
セタール化反応により合成されるが、ブチルアルデヒド
及び/又はアセトアルデヒドでアセタール化されたもの
が好ましい。特に、ポリビニルアセタール樹脂のアセタ
ール化された部分のうちアセトアルデヒドによりアセタ
ール化された部分の割合が、全アセタール化部分に対し
て30〜100質量%の範囲にあることが好ましく、よ
り好ましくは50〜100質量%である。アセトアルデ
ヒドによりアセタール化された部分が30質量%より少
ない場合は、得られるポリビニルアセタール樹脂のガラ
ス転移点が80℃以下となり、感光性銀塩の核成長が進
み過ぎ、且つ、銀塩の分散性も従来のブチラールと何ら
変わりなく、画像の解像度及び鮮明度が従来のポリビニ
ルブチラール樹脂と同等のままであることがある。
【0013】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂は、一般に、水溶液中、アルコール溶液中、水/ア
ルコール混合溶液中、ジメチルスルホキシド(DMS
O)溶液中等で、ポリビニルアルコールと各種アルデヒ
ドとを酸触媒を用いて反応させることにより合成される
が、ポリ酢酸ビニル溶液又は変性ポリ酢酸ビニルのアル
コール溶液に酸触媒とアルデヒドとを添加することによ
っても合成され得る。
【0014】ここで、アルデヒドとしては、ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、プロピ
ルアルデヒドなどアセタール化できるアルデヒドであれ
ばどのようなアルデヒドを用いてもよい。特に、ブチル
アルデヒドとアセトアルデヒドとをそれぞれ単独で用い
るか、或いはブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとを
併用するのが好ましい。
【0015】上記酸触媒としては、特に限定されず、有
機酸、無機酸のどちらでも使用可能であり、例えば、酢
酸、パラトルエンスルホン酸、硝酸、硫酸、塩酸等が挙
げられる。また、上記合成反応を停止するために、通常
アルカリ中和を行うが、その際使用されるアルカリとし
ては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等が挙げ
られる。
【0016】ポリビニルアルコールとアルデヒドとのア
セタール化反応においては、アルデヒドの酸化防止のた
め、或いは得られる樹脂の酸化防止及び耐熱性向上のた
めに、反応系或いは樹脂系に酸化防止剤が添加される
が、本発明のポリビニルアセタール樹脂においては、酸
化防止剤を0.01〜100ppm含有し、好ましくは
0.1〜50ppmである。酸化防止剤が100ppm
より多い場合には、塗工溶液のポットライフの低下、生
フイルムの生保存性の低下等を引き起こし、かぶりや画
像/階調部の鮮明性が損なわれることがある。酸化防止
剤が0.01ppmより少ない場合には、ポリビニルア
セタール樹脂の耐熱性が低下する。
【0017】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、ビスフェノール系、リン酸系等が使用可能である
が、中でもヒンダードフェノール系が好ましい。ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤には、ブチルヒドロキシト
ルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BH
A)、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、
n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、スチレン
化フェノール、スチレン化クレゾール、トコフェロー
ル、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチ
ル−6−シクロヘクシルフェノール)、2,2’−ブチ
リデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、プロピルガレート、オクチルガレート、
ラウリルガレート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5
−ジ−t−アミルヒドロキノン、4,4’−メチレン−
ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙
げられる。これらの酸化防止剤は必要に応じて数種類併
用する事も可能である。これらの酸化防止剤のうち、分
子量が200から1000の酸化防止剤は、取り扱い並
びに性能から本発明に使用する酸化防止剤として特に好
ましい。
【0018】本発明に用いられるポリビニルアセタール
樹脂には、側鎖に変性基を有する変性ポリビニルアセタ
ール樹脂も含まれる。変性基としては、−COOM、−
CH2 COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−PO
(OM)2 、−P(=O)(R)(OM)、第三級アミ
ン及び第四級アンモニウム塩等の親水性基団が一般的に
用いられる。但し、Mは、H、Li、Na又はKを表
し、Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表
す。カルボキシル基としては、アクリル酸、マレイン
酸、イタコン酸等が挙げられる。アルキル基としては、
炭素数1〜10のものが好ましく、例えばメチル基、エ
チル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、シ
クロヘキシル基等が挙げられる。第三級アミンとして
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン等が挙げられる。
【0019】このような変性ポリビニルアセタール樹脂
を得る方法としては、例えば、特開平2−220221
号公報に開示されているように、予め親水性基団を有す
るユニットを主鎖の形成位置に共存させておく方法、及
び主鎖の形成後にアルコール型ユニットの水酸基を利用
して親水性基団を導入する方法等が採用される。
【0020】変性ポリビニルアセタール樹脂中の変性基
の割合は、0.1〜5モル%とされる。この変性基の割
合が0.01モル%未満では、上記親水性基団を導入し
た効果、即ち、有機銀塩の分散性向上の効果が得られな
い。逆に、この変性基の割合が5モル%を超えると、有
機銀塩の分散性向上の効果が飽和するだけでなく、アセ
タール化後の溶剤に対する溶解性が低下する。
【0021】こうして、本発明の熱現像性感光材料用ポ
リビニルアセタール樹脂が得られ、このようなポリビニ
ルアセタール樹脂を用いて熱現像性感光材料が製造され
る。熱現像性感光材料の配合は、上述のポリビニルアセ
タール樹脂を用いること以外は、従来の熱現像性感光材
料の配合と変わらない。例えば、上述のポリビニルアセ
タール樹脂に、有機銀塩、還元剤、必要に応じて少量の
感光性ハロゲン化銀或いはハロゲン化銀形成成分、その
他の添加剤が配合される。上述のポリビニルアセタール
樹脂は、有機銀塩に対して重量比で1:10〜10:1
が好ましく、より好ましくは1:5〜5:1である。
【0022】有機銀塩は、光に比較的安定な無色又は白
色の銀塩であり、感光したハロゲン化銀の存在下で80
℃以上に加熱された時に、還元剤と反応して銀を生ずる
ものであれば特に限定されない。
【0023】上記有機銀塩としては、例えば、メルカプ
ト基、チオン基又はカルボキシル基を有する有機化合物
の銀塩、ベンゾトリアゾール銀等が挙げられる。具体的
には、メルカプト基又はチオン基を有する化合物の銀
塩、3−メルカプト−4−フェニル1,2,4−トリア
ゾールの銀塩、2−メルカプト−ベンツイミダゾールの
銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアゾールの銀塩、
1−フェニル−5−メルカプトテトラチアゾールの銀
塩、2−メルカプトベンゾチアゾールの銀塩、チオグリ
コール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩のようなジチオカル
ボン酸の銀塩、チオアミド銀、チオピリジン銀塩ジチオ
ヒドロキシベンゾールの銀塩、メルカプトトリアジンの
銀塩、メルカプトオキサジアゾールの銀塩、脂肪族カル
ボン酸の銀塩:カプリン酸銀、ラウリン酸銀、ミリスチ
ン酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、ベヘン酸
銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、フロイン酸
銀、リノール酸銀、オレイン酸銀、ヒドロキシステアリ
ン酸銀、アジピン酸銀、セバシン酸銀、こはく酸銀、酢
酸銀、酪酸銀、樟脳酸銀等、芳香族カルボン酸銀、チオ
ンカルボン酸銀、チオエーテル基を有する脂肪族カルボ
ン酸銀、テトラザインデンの銀塩、S−2−アミノフェ
ニルチオ硫酸銀、含金属アミノアルコール、有機酸金属
キレートなどが挙げられる。
【0024】上記有機酸銀塩のうち、好ましくは脂肪族
カルボン酸の銀塩であり、より好ましくはベヘン酸銀で
ある。上記有機酸銀塩の粒子サイズは、直径0.01〜
10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜5μmで
ある。
【0025】上記有機酸銀塩に感光性ハロゲン化銀が触
媒的に接触させられる場合がある。この場合は、例え
ば、予め調製された有機銀塩の溶液若しくは分散液、又
は、有機銀塩を含むフイルム材料に、ハロゲン化銀形成
成分を作用させて有機銀の一部をハロゲン化銀に形成す
る方法等が挙げられる。
【0026】感光性ハロゲン化銀形成成分としては、有
機銀塩に作用してハロゲン化銀を形成するものであれば
特に限定されず、有機銀塩100重量部に対して感光性
ハロゲン化銀0.0005〜0.2重量部用いられるの
が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2重量部で
ある。
【0027】また、熱現像性感光材料には、上記有機銀
塩とともに、還元剤が利用される。このような還元剤
は、特に限定されず、併用される有機銀塩により適宜選
択され、例えば、置換フェノール類、ビスフェノール
類、ナフトール類、ビスナフトール類、ポリヒドロキシ
ベンゼン類、ジ又はポリヒドロキシナフタレン類、ハイ
ドロキノンモノエーテル類、アスコルビン酸又はその誘
導体、還元性糖類、芳香族アミノ化合物、ヒドロキシア
ミン類、ヒドラジン類等が挙げられる。中でも、光分解
性の還元剤が好ましく用いられるが、熱分解性の還元剤
も使用される。更には、光分解を促進する化合物を併用
することができるし、ハロゲン化銀と還元剤との反応を
阻害するための被覆剤を併用することもできる。
【0028】本発明のポリビニルアセタール樹脂を用い
て熱現像性感光材料を調製する方法としては、例えば、
ポリビニルアセタール樹脂、有機銀塩、還元剤及び溶剤
をボールミルで分散させた後、必要に応じて、更にハロ
ゲン化銀或いはハロゲン化銀形成成分、各種添加剤を加
えボールミルで分散させて調製する方法等が挙げられ
る。
【0029】上記溶剤としては、ポリビニルアセタール
樹脂を溶解し、水分の含有量がほとんどないものが好適
に用いられる。中でも、ケトン、エステル類が好まし
く、より好ましくは、ジエチルケトン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル等である。溶剤として、エタノール、
ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール
等を用いる場合には、脱水したものを用いることが好ま
しい。上記得られた分散液を支持体上に有機銀塩が規定
の量となるように塗布し、溶剤を蒸発させて、熱現像性
感光材料を得る。なお、上記有機銀塩と還元剤とは、こ
れ等を一括してポリビニルアセタール樹脂に配合し、こ
れを支持体上に一層に形成してもよいが、上記有機銀塩
と還元剤とを各別にポリビニルアセタール樹脂又は変性
ポリビニルアセタール樹脂に配合し、これ等を支持体上
に各別に二層に形成してもよい。
【0030】支持体としては、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリ
ビニルアセタール、セルロースエステル、セルロースト
リアセテート、ニトロセルロース、ポリエチレンナフタ
レート等のプラスチックフイルム、ガラス、紙、アルミ
ニウム板等の金属板などが用いられる。
【0031】上記支持体上に塗布される銀は、支持体1
m2 あたり0.1〜5gとなるように用いられることが
好ましく、より好ましくは0.3〜3gである。0.1
gより少ないと画像濃度が低くくなることがあり、5g
以上使用しても画像濃度の向上はみられない。
【0032】本発明において、銀により黒色画像を形成
させる場合には、添加剤として、色調剤が添加されても
よい。また、カラー画像を形成させる場合には、カラー
カプラー、ロイコ染料等が添加されてもよい。更に、場
合により増感剤等が添加されてもよい。
【0033】本発明の熱現像性感光材料用ポリビニルア
セタール樹脂及び熱現像性感光材料は、上述の構成とさ
れることにより、ハロゲン化物の発生による感光性の増
加、銀塩の異常成長反応が抑えられ、不純物による塗工
液のポットライフ低下、シートの生保存性の低下等が抑
えられる。
【0034】また、アセトアセタール部分を導入したポ
リビニルアセタール樹脂を用いる場合は、銀塩の分散性
が向上し、熱溶融性、冷却硬化性等がシャープとなり、
銀塩の核成長を精度よく制御することが可能であり、結
果として画像及び階調部の鮮明度が向上する。更には、
変性ポリビニルアセタール樹脂を用いる場合は、親水性
基団からなる変性基の作用により銀塩の分散性がさらに
向上して、画像及び階調部の鮮明度が向する。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明は、下記実施例のみに限
定されるものではない。 (実施例1)重合度500、ケン化度98%のポリビニ
ルアルコール100gを700gのメタノールに分散し
た後、20℃に保ち、これに35%塩酸5gとブチルヒ
ドロキシトルエン(BHT)を10mg加え、更にブチ
ルアルデヒド80gを添加した。次いで、65℃まで昇
温し、65℃に到達後、120分間保持した。その後、
室温まで冷却し、樹脂溶液に水酸化ナトリウムを添加し
溶液のPHを7に調整した。
【0036】次に、固形分に対し10倍量の蒸留水によ
り樹脂を析出した後、濾液と樹脂を分離し、次いで、樹
脂に対して10倍量の新鮮な蒸留水で水洗し、脱水した
後に乾燥した。このようにして得られたポリビニルブチ
ラール樹脂の残存水酸基量は12質量%、残存アセチル
基量は1.5質量%であった。また、酸化防止剤として
のBHTの含有量は30ppmであった。
【0037】上記酸化防止剤含有量の測定は、ガスクロ
マトグラフ−質量分析計(GC/MS)法により行っ
た。
【0038】ベヘン酸銀5g、ポリビニルブチラール5
g、ジエチルケトン40gを24時間ボールミルで混合
し、更に、N−ラウリル−1−ヒドロキシ−2−ナフト
アミド0.2gを加え、再びボールミルで粉砕して塗工
溶液を得た。得られた塗工溶液を、常温で3日間室内の
蛍光灯下に置き溶液の着色を観察したところ、白色のま
まで変化は無かった。
【0039】上記塗工溶液を、ポリエステル基材上に乾
燥後の厚みが10μmとなるように塗布して乾燥した。
この塗工面上に、N,N−ジメチル−p−フェニレンジ
アミン・硫酸塩0.5g、ポリビニルピロリドン2g、
メタノール30mlからなる溶液を乾燥後の厚みが1μ
mとなるように塗布して乾燥した。
【0040】このようにして得られた感光性フイルムを
階調パターンフイルムを通して250ワットの高圧水銀
等で20cmの距離で0.3秒間露光後、120℃の熱
板を用いて5秒間加熱してシアン色の良好なパターン画
像を得た。得られた画像は、白色光に曝しても、パター
ンのコントラストの変化は殆どなかった。さらに、50
℃で1ヶ月保管してもパターンのコントラストの変化は
殆どなかった。
【0041】(実施例2)酸化防止剤含有量2ppmの
ポリビニルブチラール樹脂を使用した以外は実施例1と
同様にして塗工溶液を調製し、感光性フイルムを作製し
た。得られた塗工溶液の着色、及び、感光性フイルムの
感光後のフイルムの画像変化等は殆ど起こらなかった。
【0042】(実施例3)残存水酸基量15質量%のポ
リビニルブチラール樹脂を使用した以外は実施例1と同
様にして塗工溶液を調製し、感光性フイルムを作製し
た。得られた塗工溶液の着色、及び、感光性フイルムの
感光後のフイルムの画像変化等は殆ど起こらなかった。
【0043】(実施例4)重合度800のポリビニルブ
チラール樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして塗
工溶液を調製し、感光性フイルムを作製した。得られた
塗工溶液の着色、及び、感光性フイルムの感光後の画像
変化等は殆ど起こらなかった。
【0044】(比較例1)酸化防止剤含有量150pp
mのポリビニルブチラール樹脂を使用した以外は実施例
1と同様にして塗工溶液を調製し、感光性フイルムを作
製した。得られた塗工溶液は大きく着色しており、得ら
れた感光性フイルムも感光後にはかぶりが多く発生し
た。
【0045】(比較例2)酸化防止剤を含有しないポリ
ビニルブチラール樹脂を使用した以外は比較例1と同様
の方法で塗工溶液を調製し、感光性フイルムを作製し
た。得られた塗工溶液に着色はなかったが、得られた感
光性フイルムを50℃で1ヶ月保管したところ、得られ
た感光後の画像は境界面で鮮明さがなくなった。
【0046】
【発明の効果】本発明の熱現像性感光材料用ポリビニル
アセタール樹脂及び熱現像性感光材料は、上述の構成と
されることにより、塗工溶液の保存性に優れ、また生フ
イルムの保存性にも優れ、しかも得られる感光性フイル
ムの感光後の保存性が良好で、優れた画像特性を示す。
また、銀塩の分散性が向上し、熱溶融性、冷却硬化性等
がシャープとなり、銀塩の核成長を精度よく制御するこ
とが可能であり、結果として画像及び階調部の鮮明度が
向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールとアルデヒドとの
    アセタール化反応により合成されるポリビニルアセター
    ル樹脂であって、重合度が200〜3000、残存水酸
    基の割合が8〜30質量%の範囲にあり、酸化防止剤を
    0.01〜100ppm含有することを特徴とする熱現
    像性感光材料用ポリビニルアセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸化防止剤がヒンダードフェノール系で
    あることを特徴とする請求項1記載の熱現像性感光材料
    用ポリビニルアセタール樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005325342A (ja) * 2004-04-12 2005-11-24 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタール樹脂及びポリビニルアセタール樹脂の製造方法
WO2012005127A1 (ja) * 2010-07-05 2012-01-12 住友化学株式会社 着色抑制方法
JP2018021149A (ja) * 2016-08-05 2018-02-08 株式会社クラレ 臭気を軽減したポリビニルアセタール樹脂及び繊維

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