JP2003212645A - 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法 - Google Patents

低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2003212645A
JP2003212645A JP2002018580A JP2002018580A JP2003212645A JP 2003212645 A JP2003212645 A JP 2003212645A JP 2002018580 A JP2002018580 A JP 2002018580A JP 2002018580 A JP2002018580 A JP 2002018580A JP 2003212645 A JP2003212645 A JP 2003212645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
dielectric composition
diopside
composition
low temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002018580A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Touchi
功 登内
Takashi Ota
隆司 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koa Corp
Original Assignee
Koa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koa Corp filed Critical Koa Corp
Priority to JP2002018580A priority Critical patent/JP2003212645A/ja
Publication of JP2003212645A publication Critical patent/JP2003212645A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度係数を使用可能な周波数変動以下に抑え
ることのできる低温焼結性誘電体組成物およびその製造
方法を提供する。 【構成】 ディオプサイドガラス(CaO−MgO−2
SiO2)と0〜20重量パーセントのAl23とを主
成分組成とする主成分材料100重量部に対して、15
〜20重量部のTiO2を添加した配合比で誘電体組成
物を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、マイクロ
波帯用のセラミックス部品に用いる材料としての低温焼
結性誘電体組成物およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器における電子部品の高実
装密度化に伴い、熱膨張係数や誘電率等の観点からセラ
ミックス部品が多用されるようになってきている。例え
ば、マイクロ波帯等の高周波用のセラミックス部品に
は、比誘電率εγが5〜10の特性を有する材料が使用
される。また、特に帯域通過フィルタ(BPF)やトラ
ップ回路には、温度係数の小さい材料を用いることが望
ましい。
【0003】上記のフィルタ等において、通過帯域、通
過阻止域の変動を抑えるため、温度係数τfを使用可能
な周波数変動に抑えることが必要になる。材料としての
ディオプサイド(CaO−MgO−2SiO2)は、9
00℃以下の焼成が可能であり、マイクロ波帯域におい
て低誘電率、低損失という特徴を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディオ
プサイドには、以下のような問題がある。すなわち、上
述したBPFやトラップ回路等に使用するために必要な
材料のパラメータの1つとして、温度係数τfを±30
ppm/℃以下に抑える必要があるが、ディオプサイド
の温度係数τfは−70ppm/℃であり、変化が大き
い。
【0005】また、ディオプサイドは、高周波において
誘電損失が小さいが、マイクロ波帯等の高周波におい
て、さらに誘電損失を小さくする必要がある。
【0006】本発明は、上述した課題に鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは、温度係数を使用可
能な周波数変動以下に抑えることのできる低温焼結性誘
電体組成物およびその製造方法を提供することである。
【0007】本発明の他の目的は、マイクロ波帯等の高
周波における誘電損失が小さい低温焼結性誘電体組成物
およびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成し、上
述した課題を解決する一手段として、例えば、以下の構
成を備える。すなわち、本発明に係る低温焼結性誘電体
組成物は、ディオプサイドガラスと0乃至20重量%の
Al23とを主成分組成とする主成分材料100重量部
に、15乃至20重量部のTiO2を配合した組成を有
することを特徴とする。
【0009】例えば、上記ディオプサイドガラスは、S
iO2を略52重量%、CaOを略25重量%、MgO
を略18重量%、Al23を略5重量%の比率で含有す
ることを特徴とする。
【0010】また、例えば、上記ディオプサイドガラス
は、CaO−MgO−2SiO2のモル比組成で秤量混
合した混合粉末を1500℃で溶融し、その溶融物を急
冷して得たディオプサイドガラス粉末であることを特徴
とする。
【0011】上述した課題を解決する他の手段として、
本発明に係る低温焼結性誘電体組成物の製造方法は、デ
ィオプサイドガラスと0乃至20重量%のAl23とを
主成分組成とする主成分材料100重量部に、15乃至
20重量部のTiO2を配合して誘電体組成物を製造す
ることを特徴とする。
【0012】例えば、上記ディオプサイドガラスは、S
iO2を略52重量%、CaOを略25重量%、MgO
を略18重量%、Al23を略5重量%の比率で含有す
ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面および表を参照し
て、本発明に係る実施の形態例を詳細に説明する。図1
は、本実施の形態例に係る低温焼結性誘電体組成物(以
下、適宜、磁器組成物ともいう)のディオプサイドガラ
ス粉末等の製造工程を示すフローチャートである。最初
に、図1のステップS11において、ディオプサイドの
原料であるMgO(酸化マグネシウム)、Al23(酸
化アルミニウム)、SiO2(酸化ケイ素)を、CaO
−MgO−2SiO2のモル比組成で秤量混合し、その
混合物を得る。
【0014】ステップS12では、上記の混合物をPt
坩堝に入れて、1500℃の温度で溶融する。続くステ
ップS13において、この溶融物を、例えば、水中に滴
下して急冷し、ガラス片を得た後、ステップS14で、
そのガラス片をボールミルで粉砕する。ここでは、ガラ
ス片を平均粒径2.5μm程度まで湿式微粉砕して、均
質なCaO−MgO−2SiO2の組成のディオプサイ
ドガラス粉末を得る。
【0015】その後、ステップS16において、上記の
ステップS14で得たガラス粉末を、さらに、900℃
で焼成した後、ステップS17で、XRD(X線回折)
により、ディオプサイド結晶相の析出を確認する。その
回折結果を、図2に示す。
【0016】一方、ステップS19では、以下に説明す
る手順に従って、ステップS14において得られたディ
オプサイドガラス粉末より、目的とする磁器組成物を作
製する。
【0017】図3は、本実施の形態例に係る磁器組成物
の作製工程を示すフローチャートである。同図のステッ
プS21では、例えば、電子天秤等を使用して磁器組成
物の原料の秤量を行い、ステップS22において、適当
な溶媒(例えば、アルコール等)を使用して、ボールミ
ル等によって、表1に示す配合比でAl23とTiO 2
(酸化チタン)をガラス粉末に添加する。
【0018】より具体的には、ディオプサイドガラスと
Al23(0〜20重量パーセント(重量%))とを主
成分組成とする主成分材料100重量部に対して、15
〜20重量部のTiO2を副成分として添加する。ここ
でのディオプサイドガラスの組成は、SiO2(52重
量パーセント)、CaO(25重量パーセント)、Mg
O(18重量パーセント)、Al23(5重量パーセン
ト)である。
【0019】
【表1】
【0020】なお、磁器組成物の主成分組成としてAl
23を配合する目的は、ディオプサイドガラスの抗折強
度を向上させるためである。
【0021】ステップS23では、上記の物質が添加さ
れたディオプサイドガラスを、オーブン等によって一定
温度で数時間、乾燥させる。そして、ステップS24
で、樹脂等の結合剤(バインダー)を使用して粒径を整
える(造粒)。
【0022】ステップS25は成形工程であり、プレス
機(例えば、一軸プレス機)等を使用して、上記造粒後
の材料に所定の成形圧力を加えることで成形品(例え
ば、電気的特性測定用の成形品)を得る。
【0023】次のステップS26において、焼成炉を使
用して、表1に示す焼成温度で上記の成形品を焼成す
る。なお、焼成の温度条件は、860℃,880℃,9
00℃であり、ここでは、炉の温度を徐々に上げた後、
所定時間、上記の焼成温度を保持し、その後、自然冷却
するといった温度サイクルに従って焼成を行う。
【0024】表2は、上記の作製工程で得られた試作材
料の試験結果を示している。ここでの材料の評価は、誘
電率、誘電損失、共振周波数の温度係数(ppm/℃)
を誘電体共振器法により、13GHzで測定した。ま
た、焼結状態については、SEM観察によって行った。
【0025】
【表2】
【0026】表2に示す試験結果やそれに対する考察等
から、以下のことが分かる。主成分組成として添加した
Al23が0〜20重量パーセントの場合、いずれの量
においても、TiO2の配合量が増加するにつれて、共
振周波数の温度変化率も小さくなる。特に、TiO2
配合量が15〜20重量部のときは(表中の実施例7〜
12、実施例13〜18参照)、共振周波数の温度変化
率も小さくなり、温度変化が、目標とする±30ppm
/℃以下に抑えられていることが分かる。
【0027】このように、ディオプサイドガラスへのT
iO2の添加により、温度変化に対しても特性の安定し
た磁器組成物の作製が可能となる。また、表2に示す結
果から、TiO2の配合量が増加するにつれて、誘電損
失も小さくなることが分かる。
【0028】図4、図5は、ディオプサイドにAl23
(10重量パーセント)とTiO2(20重量パーセン
ト)を添加した材料についてのXRD(X線回折)によ
る回折結果を示している。なお、図4は、図2と同じピ
ーク強度のレンジにしたときの回折強度を示しており、
図5は、これらと異なるレンジで回折強度をプロットし
たときの一例である。
【0029】以上説明したように、本実施の形態例によ
れば、ディオプサイドガラスとAl 23とを主成分組成
とする主成分材料に、TiO2を副成分として配合した
材料を使用して磁器組成物を作製することで、低損失、
低誘電率で、しかも、共振周波数の温度変化率が小さい
誘電体組成物を製造することができる。
【0030】すなわち、配合比として、ディオプサイド
ガラスと0〜20重量パーセントのAl23とを主成分
組成とする主成分材料100重量部に、15〜20重量
部のTiO2を添加して作製した誘電体組成物によっ
て、マイクロ波帯域において、温度係数を使用可能な周
波数変動以下に抑えることができる。さらには、このよ
な組成の配合比をとることで、得られた誘電体組成物の
マイクロ波帯域における誘電損失も小さくなる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低損失であり、かつ低誘電率の誘電体組成物を製造でき
る。
【0032】また、本発明によれば、共振周波数の温度
係数を、使用可能な周波数変動以下に抑えた誘電体組成
物を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例に係る磁器組成物のディ
オプサイドガラス粉末の製造工程を示すフローチャート
である。
【図2】実施の形態例に係るディオプサイドガラス粉末
のXRD(X線回折)結果を示す図である。
【図3】実施の形態例に係る磁器組成物の作製工程を示
すフローチャートである。
【図4】ディオプサイドとAl23にTiO2を添加し
た材料のX線回折結果(レンジ1)を示す図である。
【図5】ディオプサイドとAl23にTiO2を添加し
た材料のX線回折結果(レンジ2)を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA07 AA08 AA16 AA36 AA37 BA09 BA20 GA27 5G303 AA02 AB06 AB07 AB11 AB15 BA12 CA03 CB01 CB06 CB17 CB30 CB35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディオプサイドガラスと0乃至20重量
    %のAl23とを主成分組成とする主成分材料100重
    量部に、15乃至20重量部のTiO2を配合した組成
    を有することを特徴とする低温焼結性誘電体組成物。
  2. 【請求項2】 前記ディオプサイドガラスは、SiO2
    を略52重量%、CaOを略25重量%、MgOを略1
    8重量%、Al23を略5重量%の比率で含有すること
    を特徴とする請求項1記載の低温焼結性誘電体組成物。
  3. 【請求項3】 前記ディオプサイドガラスは、CaO−
    MgO−2SiO2のモル比組成で秤量混合した混合粉
    末を1500℃で溶融し、その溶融物を急冷して得たデ
    ィオプサイドガラス粉末であることを特徴とする請求項
    2記載の低温焼結性誘電体組成物。
  4. 【請求項4】 前記Al23は、前記ディオプサイドガ
    ラスの抗折強度を向上させるように機能することを特徴
    とする請求項2記載の低温焼結性誘電体組成物。
  5. 【請求項5】 ディオプサイドガラスと0乃至20重量
    %のAl23とを主成分組成とする主成分材料100重
    量部に、15乃至20重量部のTiO2を配合して誘電
    体組成物を製造することを特徴とする低温焼結性誘電体
    組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ディオプサイドガラスは、SiO2
    を略52重量%、CaOを略25重量%、MgOを略1
    8重量%、Al23を略5重量%の比率で含有すること
    を特徴とする請求項5記載の低温焼結性誘電体組成物の
    製造方法。
JP2002018580A 2002-01-28 2002-01-28 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法 Withdrawn JP2003212645A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018580A JP2003212645A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018580A JP2003212645A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003212645A true JP2003212645A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27653876

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002018580A Withdrawn JP2003212645A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003212645A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102515721A (zh) * 2011-11-25 2012-06-27 山东同方鲁颖电子有限公司 一种低介电常数微波介质陶瓷及其制备方法
KR101218126B1 (ko) * 2010-09-14 2013-01-03 (주)써모텍 Tft-lcd 파유리를 이용하여 제조되는 ltcc용 유리조성물, 글라스 세라믹스 및 그 제조방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101218126B1 (ko) * 2010-09-14 2013-01-03 (주)써모텍 Tft-lcd 파유리를 이용하여 제조되는 ltcc용 유리조성물, 글라스 세라믹스 및 그 제조방법
CN102515721A (zh) * 2011-11-25 2012-06-27 山东同方鲁颖电子有限公司 一种低介电常数微波介质陶瓷及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004277226A (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いた誘電体共振器
Zhou et al. Microwave dielectric properties of LBBS glass added (Zn0. 95Co0. 05) 2SiO4 for LTCC technology
JP2009084109A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3737773B2 (ja) 誘電体セラミック組成物
JP2003146743A (ja) 誘電体セラミック組成物
JP2003212645A (ja) 低温焼結性誘電体組成物およびその製造方法
JPH02199052A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JPH0542762B2 (ja)
CN114409396A (zh) 高温度稳定型wifi用微波介质陶瓷及其制备方法
JP4579159B2 (ja) 高周波用磁器組成物とその製造方法、および平面型高周波回路
JP2005272199A (ja) 低温焼成磁器組成物およびその製造方法
JP5134819B2 (ja) 高周波用誘電体セラミックス
JP3027031B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物およびその製造方法
JPH0952762A (ja) アルミナ質磁器組成物
CN115466110B (zh) 陶瓷及其制备方法和应用
JP2004168600A (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法並びに電子部品
JPH06333426A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JP2000143336A (ja) 誘電体磁器組成物及びその製造方法とそれを用いた誘電体共振器と誘電体フィルタ
JP2003201169A (ja) 低温焼結型セラミックス組成物、低温焼成セラミックス基板、およびその製造方法
JP3443847B2 (ja) 高周波用誘電体磁器組成物
JP3242243B2 (ja) マイクロ波誘電体磁器組成物
JP2004026588A (ja) 誘電体磁器組成物
JPS63152815A (ja) 誘電体磁器
JP3215004B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JPH0869715A (ja) 高周波用誘電体磁器組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405