JP2003211525A - 中空樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

中空樹脂成形体及びその製造方法

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JP2003211525A
JP2003211525A JP2002007753A JP2002007753A JP2003211525A JP 2003211525 A JP2003211525 A JP 2003211525A JP 2002007753 A JP2002007753 A JP 2002007753A JP 2002007753 A JP2002007753 A JP 2002007753A JP 2003211525 A JP2003211525 A JP 2003211525A
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hollow
hollow resin
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JP2002007753A
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Katsuhiko Suzuki
克彦 鈴木
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Shinkichi Torii
信吉 鳥居
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所所望の大きさ及び形状である中空部を有
し、更には耐衝撃性に優れた中空樹脂成形体、これを用
いた自動車用内外装部品成形体及び中空部形成時に樹脂
シートが溶着しない中空樹脂成形体の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂から成り中空部を有し、該
中空樹脂成形体の内壁に溶着防止材を配設して成る中空
樹脂成形体である。上記中空樹脂成形体を用いる自動車
用内外装部品成形体である。内壁形成面が対向するよう
に2枚の熱可塑性樹脂シート(10及び11)を設置
し、この内壁形成面に溶着防止材2を配設し、熱可塑性
樹脂シートを加熱して軟化させ、シート間に空間を確保
しシートの周縁を圧着し、空間調整手段7により中空部
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空樹脂成形体、
これを用いた自動車用内外装部品成形体及び中空樹脂成
形体の製造方法に係り、更に詳細には、耐衝撃性を有す
る中空樹脂成形体、これを用いた自動車用内外装部品成
形体及び大型、広大な樹脂シートでも所望の中空部が形
成できる中空樹脂成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂材料を自動車の部品に適用する場
合、その部品は軽量且つ高剛性・高強度であることが要
求される。このため、樹脂内部に中空部を有する部品の
開発が行われてきた。即ち、樹脂内に中空部を設けるこ
とにより、軽量に部品の剛性・強度を向上させることが
できる。
【0003】また、中空部を有する樹脂成形体の製造方
法として、2枚の熱可塑性樹脂シートを金型内に平行に
配置し周囲を固定し、発熱器を用いて樹脂シートを加熱
した後、2枚の樹脂シートの間に空気を吹き込み内部を
膨らませ金型に圧着させ成形する製造方法がある。例え
ば、特開平8−323842号公報では、2枚のシート
の間に予めハニカム状に成形した構造体を設置し、樹脂
を加熱した後に上下から金型で挟み込むことによって、
内部に中空体をもつ樹脂成形体を作製する方法が提案さ
れている。また、特開平9−262899号公報では、
2枚のシート間に通気性耐熱支持材を挿入して、樹脂を
加熱したときに上部の樹脂シートの垂れを抑制し、2枚
のシートが接触、融着しないようにして樹脂成形体を作
製する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、2枚の樹脂シ
ートを加熱し、シート間に気体を吹き込むことにより中
空部を形成させる中空体製造方法は、樹脂シートを加熱
したときに自重でシートが垂れ下がるため、成形品の寸
法が大きくなると、金型内で2枚のシートが接触し融着
してしまうという問題点があった。また、特開平8−3
23842号公報では、予め成形したハニカム状構造体
を2枚のシート間に配置し成形しているが、この方法で
は予めハニカム状構造体を成形しておく必要があるた
め、コストが増加し、工程数も増加する。更に、特開平
9−262899号公報では、2枚の樹脂シート間に通
気性耐熱支持材を挿入しており、同様にコスト・工程数
が増加するという問題点がある。更にまた、上記樹脂シ
ートとして透明な樹脂材料を用いた場合、2枚のシート
間に構造体を挿入すると内部が透過して見えてしまうた
め、完全に透明な成形体を得ることができない。また、
自動車用樹脂構造体は衝突時に破断しないよう、耐衝撃
性が高くなければならないが、充填剤を混練した樹脂シ
ートは透明にならないため、透明樹脂シートの耐衝撃性
を向上させることができなかった。
【0005】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、所望の大きさ及び形状である中空部を有し、更には
耐衝撃性に優れた中空樹脂成形体、これを用いた自動車
用内外装部品成形体及び中空部形成時に樹脂シートが溶
着しない中空樹脂成形体の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、中空樹脂成形体の
内壁に溶着防止材を配設することにより、上記目的が達
成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の中空樹脂成形体は、熱可塑
性樹脂から成り中空部を有する中空樹脂成形体であっ
て、該中空樹脂成形体の内壁の少なくとも一部に溶着防
止材を配設して成ることを特徴とする。
【0008】また、本発明の中空樹脂成形体の好適形態
は、上記溶着防止材が、ジメチルシリコーンオイル、メ
チルフェニルシリコーンオイル、メチル水素シリコーン
オイル、アミノ変性シリコーンオイル及びフルオロシリ
コーンオイルから成る群より選ばれた少なくとも1種の
シリコーンオイルを含んで成ることを特徴とする。
【0009】更に、本発明の中空樹脂成形体の他の好適
形態は、上記熱可塑性樹脂が、メチルメタクリレートを
主成分とする樹脂とポリカーボネートとの積層体であ
り、該メチルメタクリレートを主成分とする樹脂は、
0.1〜3重量部の、メタクリル酸、アクリル酸及びグ
リシジルメタクリレートから成る群より選ばれた少なく
とも1種のものを共重合して成り、最外層に、カルボキ
シル基及び/又はエポキシ基と反応し得る、シリコーン
を主成分とする化合物又はフッ素を主成分とする化合物
を含むことを特徴とする。
【0010】更にまた、本発明の自動車用内外装部品成
形体は、上記中空樹脂成形体を用いることを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の中空樹脂成形体の製造方法
は、上記中空樹脂成形体を製造するに当たり、中空樹脂
成形体の内壁を形成する面が対向するように2枚の熱可
塑性樹脂シートを設置し、この内壁形成面の少なくとも
一方に溶着防止材を配設し、これら熱可塑性樹脂シート
を上下から加熱して軟化させ、シート間に空間が確保さ
れるようにしてシートの周縁を圧着し、空間調整手段に
より該空間内に気体を注入又は吸引して中空部を形成す
ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の中空樹脂成形体に
ついて詳細に説明する。なお、本明細書において「%」
は、特記しない限り質量百分率を示す。また、本明細書
においては、中空樹脂成形体の外部壁面を「外壁」、中
空部の外縁を形成する中空樹脂成形体の内部壁面を「内
壁」と記載する。更に、中空樹脂成形体を構成する樹脂
シートの一方を「表面層」、他方を「裏面層」などと記
載するが、両者に本質的な差異がある訳ではなく、説明
の便宜のためであり、両者を相互に交換して記載して
も、本発明の範囲に属するのはいうまでもない。
【0013】上述の如く、本発明の中空樹脂成形体は、
熱可塑性樹脂から成り中空部を有する。また、この中空
樹脂成形体の内壁の少なくとも一部に溶着防止材を配設
して成る。このように内壁に溶融防止材を配設したこと
により、加熱成形時に樹脂シートが溶着して成形が困難
になるのを防止する。また、高靭性である溶融防止材を
配設するときは、中空樹脂成形体の外力による破壊が防
止される。
【0014】ここで、上記溶着防止材としては、例え
ば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、アミノ変性
シリコーンオイル又はフルオロシリコーンオイル、及び
これらの任意の組合せに係るシリコーンオイルを含むも
のが好適に使用できる。この場合は、200℃〜250
℃で加熱成形しても樹脂シートが互いに溶着しないので
有効である。
【0015】また、他の上記溶着防止材として、シリコ
ーン(ケイ素樹脂)を主成分とする材料、フッ素(F)
を主成分とする材料又はオレフィン系材料、及びこれら
の任意の組合せに係る材料から成るものが好適に使用で
きる。ここで、本発明の中空樹脂成形体を構成する熱可
塑性樹脂は、靭性が低く、特に荷重に対する伸びが小さ
いため、中空樹脂成形体に力が加わると破断し易い。上
記材料から成る溶着防止材を使用するときは、成形時の
溶着を防止できるだけでなく、外部から力が加わったと
きに破壊の起点となる熱可塑性樹脂の表面に高靭性膜が
存在するため耐衝撃性を向上させ得る。
【0016】上記シリコーンを主成分とする材料には、
大別してシリコーンゴムとシリコーン樹脂があり、いず
れも使用することができる。シリコーンゴムとしては、
ジメチルシリコーン、メチルビニルシリコーン、メチル
フェニルビニルシリコーン及びフロロシリコーンなどが
例示できる。シリコーン樹脂としては、メチルシリコー
ン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂及び有機変性シ
リコーン樹脂などが例示できる。また、シリコーン樹脂
はEPDMなどと混合して用いることができる。また、
上記フッ素を主成分とする材料としては、フッ化ビニリ
デン−六フッ化プロピレン共重合体、及びフッ化ビニリ
デン−六フッ化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重
合体などのフッ素ゴムや、四フッ化エチレン樹脂、四フ
ッ化エチレン−六フッ化エチレン共重合樹脂、四フッ化
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−エチ
レン共重合樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、及びフッ化ビ
ニル樹脂などのフッ素樹脂などが例示できる。更に、オ
レフィンを主成分とする材料としては、ポリエチレン及
びポリプロピレンなどが例示できる。特に上記溶着防止
材としては、これらの中で透明性を維持し、薄膜にした
場合に靭性が高い三フッ化エチレン樹脂やポリプロピレ
ンなどを使用することが好適である。
【0017】なお、上記溶着防止材は、中空樹脂成形体
の内壁の一部(2枚の樹脂シートから製造されるときは
表面側シート及び裏面側シートの少なくとも一方)に配
設されていればよい。溶着防止材は、シート状で設置し
たり、熱可塑性樹脂層に分散させたり、配設面と非配設
面とが対向するように表面側及び裏面側の両方に所望形
状で配設することができる。また、複数の中空部を形成
するように成形金型に空間調節手段を組合せるときは、
中空部間にリブ部を形成させる目的で当該部位に予め溶
着防止材を配設しなければよい。更に、溶着防止材(特
に高靭性を有するもの)は、中空樹脂成形体の形状や使
用形態などに応じて、成形品に力が加わった場合に応力
が高くなる面や破壊が起こりやすい面を考慮して配設す
ることがよい。
【0018】一方、上記熱可塑性樹脂としては、高い透
明性を有する材料の面から、アクリルを主成分とする材
料、ポリカーボネートを主成分とする材料又はポリスチ
レンを主成分とする材料、及びこれらの任意の組合せに
係る透明高分子材料を含んで成るものを使用することが
好適である。特に、自動車のガラス代替樹脂への適用を
考えると、透明且つ高強度・高剛性であり、耐熱性、耐
衝撃性、耐候性及び耐傷付き性の高い材料であることが
望ましく、内部ににポリカーボネートを混合したアクリ
ル酸樹脂などが好適である。
【0019】代表的には、図2に例示するように、メチ
ルメタクリレートを主成分とする樹脂(PMMAなど)
1とポリカーボネート3との積層体を上記熱可塑性樹脂
とすることができる。この場合、該メチルメタクリレー
トを主成分とする樹脂は、0.1〜3重量部の、メタク
リル酸、アクリル酸又はグリシジルメタクリレート、及
びこれらの任意の組合せに係るものを共重合して成るこ
とが溶着防止剤との相互作用の面から好ましい。共重合
量が0.1重量部未満ではアミノ基との反応量が少ない
ため離型効果が得られにくい。また、3重量部を超える
とアクリルを主成分とする樹脂の耐水性が悪化すること
がある。また、最外層に、カルボキシル基及び/又はエ
ポキシ基と反応し得る、シリコーンを主成分とする化合
物又はフッ素を主成分とする化合物を含むことが好まし
い。具体的には、上記シリコーンを主成分とする化合物
又は上記フッ素を主成分とする化合物は、1以上のアミ
ノ基を有することが好ましい。アミノ基を有することに
より、カルボキシル基又はエポキシ基と架橋反応が起こ
り、アクリルを主成分とする樹脂とシリコーンを主成分
とする化合物又はフッ素を主成分とする化合物とが化学
結合して強固に結びつき、耐衝撃性が向上しうる。
【0020】次に、本発明の自動車用内外装部品成形体
について詳細に説明する。かかる自動車用内外装部品成
形体は、上述の中空樹脂成形体を用いて成り、代表的に
は、自動車ガラスの代替材、サイドドア、バックドア、
ルーフ、フード及びフェンダ等の外装部品や、インスト
ルメントパネル及びピラーガーニッシュ等の内装部品が
例示できる。
【0021】次に、本発明の中空樹脂成形体の製造方法
について詳細に説明する。かかる製造方法では、まず、
中空樹脂成形体の内壁を形成する面が対向するように2
枚の熱可塑性樹脂シートを設置し、この内壁形成面の少
なくとも一方に溶着防止材を配設する。次いで、これら
熱可塑性樹脂シートを上下から加熱して軟化させ、シー
ト間に空間が確保されるようにしてシートの周縁を圧着
し、空間調整手段により該空間内に気体を注入又は吸引
して中空部を形成して、上記中空樹脂成形体を得る。こ
れより、加熱成形時に樹脂シートが互いに溶着すること
なく良好な樹脂成形体が得られる。また、従来法に比べ
てコストや工程数が低減できるので有効である。
【0022】上記溶着防止材は、液体状又は固体粒状に
して熱可塑性樹脂シートに塗布又は印刷し、常温乾燥、
熱又はUV照射、及びこれらの任意の組合せに係る方法
により硬化させて、配設することができる。このときは
熱可塑性樹脂シートの厚さが薄い場合で有効である。ま
た、熱可塑性樹脂シートに接着又は融着して、配設する
こともできる。このときは熱可塑性樹脂シートの厚さが
厚い場合で有効である。
【0023】ここで、上記製造方法の好適実施形態を、
図3を参照して説明する。まず、樹脂成形体用材料とし
て溶着防止材2を備えた熱可塑性樹脂シート11と熱可
塑性樹脂シート10とを溶着保護材が内側になるように
対向させ、周縁部でクランプ6を用いて挟み込み固定す
る。次いで、2枚の樹脂シートを所定間隔を隔てて平行
状且つ水平状に支持し、上下両側からヒーター5で加熱
し軟化させる。このとき、温度の上昇とともに上側の樹
脂シートは垂下し両者が接触する。そして、樹脂シート
が所定の軟化温度に達したら、図4及び図5に示すよう
に、ヒーター5を移動し、金型4を閉じ樹脂シートを挟
み込むことによって2枚のシートの周縁を溶着する。更
に、ほぼ同時に、樹脂シート間に配置した空間調整手段
の一例である圧縮空気導入用ノズル7から制御弁8で所
定圧力に制御した圧縮気体を注入して2枚のシートをキ
ャビティー内壁に密着させる。その後、樹脂シート間の
内圧を保持しながら所定時間冷却したのち、図6に示す
ように、金型を開いて中空樹脂成形体20を取り出す。
取り出した中空樹脂成形体のA−A’断面の一例を図7
に示す。
【0024】なお、上記製造方法において、溶着防止材
は中空部を形成する面にのみ配設することが望ましい。
即ち、樹脂シート周縁部にまで溶着防止材が存在する
と、金型により樹脂シートの周縁を溶着する工程におけ
る溶着性が悪化し、2枚のシートが剥離しやすくなる。
また、溶着防止材は2枚の樹脂シートの両方に設けても
よいが、コストの点から片側のみに設けることが望まし
い。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではない。
【0026】(実施例1)目的とする中空樹脂成形体の
寸法仕様は、幅500mm、長さ500mm、厚さ10
mmとし、薄型、広面積、平板状の中空樹脂成形体とし
た。まず、上記寸法仕様に対応する一対の成形金型とそ
の他成形装置部材を用意し、また中空樹脂成形体の成形
用材料となる熱可塑性合成樹脂シートとして、幅800
mm、長さ800mm、厚さ2.0mmのポリカーボネ
ートを図2に示すような中間層3として配置した1重量
部のメタクリル酸を共重合させているメチルメタクリレ
ート系樹脂シートを2枚用意し、その1枚の片面にアミ
ノ変性シリコーンオイルから成る溶着防止材を塗布し、
積層した。
【0027】次に、図3に示すように、クランプ6によ
り2枚の熱可塑性樹脂シートを溶着防止材2が上側熱可
塑性樹脂シート11の下側になるように挟み込み、シー
ト表面の温度を200℃に加熱し、ヒーター5を取り除
いた後、金型4を閉じると同時に5kg/cmの空気
を注入した。型閉じ後2分間冷却し、型を開いて中空樹
脂成形体20を取り出した。中空樹脂成形体20の周囲
にあるクランプ部樹脂を切断し、目的通りの寸法の中空
部を有する樹脂成形体を得た。
【0028】(実施例2)シリコーン変性アクリル樹脂
から成る溶着防止材を積層した以外は、実施例1と同様
の操作を繰り返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0029】(実施例3)四フッ化エチレン−六フッ化
プロピレン共重合樹脂から成る溶着防止材を積層した以
外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例の中空
樹脂成形体を得た。
【0030】(実施例4)ポリプロピレンから成る溶着
防止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を繰り
返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0031】(実施例5)メタクリル酸共重合量を0.
2重量部とし、シリコーン変性アクリル樹脂から成る溶
着防止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を繰
り返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0032】(実施例6)メタクリル酸共重合量を2.
5重量部とし、シリコーン変性アクリル樹脂から成る溶
着防止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を繰
り返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0033】(実施例7)メタクリル酸共重合量を0.
01重量部とし、シリコーン変性アクリル樹脂から成る
溶着防止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を
繰り返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0034】(実施例8)メタクリル酸共重合量を5重
量部とし、シリコーン変性アクリル樹脂から成る溶着防
止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返
して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0035】(比較例1)溶着防止材を積層しなかった
こと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本例
の中空樹脂成形体を得た。
【0036】(比較例2)ステアリン酸亜鉛から成る溶
着防止材を積層した以外は、実施例1と同様の操作を繰
り返して、本例の中空樹脂成形体を得た。
【0037】(評価方法) 1)耐衝撃性を評価する試験方法として、落錘試験機を
使用した。中空樹脂成形体上に200gの落球を高さを
変えて自由落下させた。落下後に中空樹脂成形体の破壊
の有無を確認した。この結果、表1に示すように、亀裂
がなければ「◎」、一部に剥離があれば「○」、亀裂が
あれば「×」とした。 2)中空樹脂成形体の外観品質を外側と内側から観察し
評価した。表1に示すように、中空部が一様な大きさで
形成されていれば良好(キズ等なし)「◎」とし、成形
時に2枚の板が溶着することにより中空部の形状が乱れ
た場合は不良(キズ等あり)「×」とした。 これら評価結果より、総合判断として、2つの評価で問
題がなければ「◎」、1つでも○があれば「○」、×が
あれば「×」とした。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示すように、本発明の好適形態に属
する溶着防止材を設けた場合(実施例1〜8)は、2枚
の樹脂シートが溶着することはなく良好な中空樹脂成形
体が得られた。また、耐衝撃性試験の結果、成形体に亀
裂が入らず耐衝撃性の高い成形体を得ることができた。
【0040】一方、溶着防止材を設けない場合(比較例
1)は、成形時に2枚の樹脂シートが溶着してしまい、
一様な形状の中空体を得ることができなかった。また、
アクリル層から亀裂が入り、耐衝撃性も低下した。更
に、本発明の好適形態に属さない溶着防止材として滑剤
であるステアリン酸亜鉛を塗布した場合(比較例2)
は、成形時に2枚の樹脂シートが溶着し成形体の品質が
悪かった。
【0041】なお、メタクリル酸の共重合量が本発明の
好適範囲の下限に近い場合(実施例7)、また上限に近
い場合(実施例8)は、衝撃試験において樹脂表面に亀
裂は生じないものの樹脂と溶着防止材との間に一部剥離
が生じた。これはアクリル層と溶着防止材との接着性が
低下したためである。
【0042】以上、本発明を好適実施形態及び好適実施
例により詳細に説明したが、本発明はこれらの好適実施
形態や好適実施例に限定されるものではなく、本発明の
開示の範囲内において種々の変形が可能である。例え
ば、中空樹脂成形体の形状は、直方体や立方体に限定さ
れず、成形金型の形状を変形することにより、任意の形
状に成形することができる。また、熱可塑性樹脂は、ガ
ラス代替品として中空樹脂成形体を製造するときは透明
であることが好ましいが、特に限定されず有色不透明で
あってもよい。なお、上記「透明」には無色透明のほか
有色透明や半透明も含まれる。
【0043】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、中空樹脂成形体の内壁に溶着防止材を配設すること
としたため、所望の大きさ及び形状である中空部を有
し、更には耐衝撃性に優れた中空樹脂成形体、これを用
いた自動車用内外装部品成形体及び中空部形成時に樹脂
シートが溶着しない中空樹脂成形体の製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶着防止材が配設された樹脂シートの一例を示
す断面図である。
【図2】溶着防止材が配設された積層構造の樹脂シート
の一例を示す断面図である。
【図3】中空樹脂成形体の加熱工程の一例を示す概略図
である。
【図4】加熱工程後、型閉じ前の状態を示す概略図であ
る。
【図5】樹脂シート間に気体を注入する工程を示す概略
図である。
【図6】離型後の中空樹脂成形体の一例を示す斜視図で
ある。
【図7】図6に示す中空樹脂成形体のA−A’断面を示
す図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂 2 溶着防止材 3 中間層(ポリカーボネート) 4 金型(上側及び下側) 5 ヒーター 6 クランプ 7 空間調整手段(気体注入管) 8 制御弁 10 樹脂シート(溶着防止材有り) 11 樹脂シート(溶着防止材無し) 20 中空樹脂成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 69:00 B29K 69:00 83:00 83:00 105:20 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 22:00 22:00 (72)発明者 鳥居 信吉 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4F208 AA13 AA21 AA28 AA33 AC03 AD05 AD09 AG03 AG07 LB01 LB11 LG05 LH06 LH10 LH27 LJ05 LN01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂から成り中空部を有する中
    空樹脂成形体であって、 該中空樹脂成形体の内壁の少なくとも一部に溶着防止材
    を配設して成ることを特徴とする中空樹脂成形体。
  2. 【請求項2】 上記溶着防止材が、ジメチルシリコーン
    オイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチル水素
    シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル及びフ
    ルオロシリコーンオイルから成る群より選ばれた少なく
    とも1種のシリコーンオイルを含んで成ることを特徴と
    する請求項1に記載の中空樹脂成形体。
  3. 【請求項3】 上記溶着防止材が、シリコーンを主成分
    とする材料、フッ素を主成分とする材料及びオレフィン
    系材料から成る群より選ばれた少なくとも1種の材料か
    ら成ることを特徴とする請求項1に記載の中空樹脂成形
    体。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂が、アクリルを主成分
    とする材料、ポリカーボネートを主成分とする材料及び
    ポリスチレンを主成分とする材料から成る群より選ばれ
    た少なくとも1種の透明高分子材料を含んで成ることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の中
    空樹脂成形体。
  5. 【請求項5】 上記熱可塑性樹脂が、メチルメタクリレ
    ートを主成分とする樹脂とポリカーボネートとの積層体
    であり、 該メチルメタクリレートを主成分とする樹脂は、0.1
    〜3重量部の、メタクリル酸、アクリル酸及びグリシジ
    ルメタクリレートから成る群より選ばれた少なくとも1
    種のものを共重合して成り、 最外層に、カルボキシル基及び/又はエポキシ基と反応
    し得る、シリコーンを主成分とする化合物又はフッ素を
    主成分とする化合物を含むことを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1つの項に記載の中空樹脂成形体。
  6. 【請求項6】 上記シリコーンを主成分とする化合物又
    は上記フッ素を主成分とする化合物が、1以上のアミノ
    基を有することを特徴とする請求項5に記載の中空樹脂
    成形体。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載
    の中空樹脂成形体を用いることを特徴とする自動車用内
    外装部品成形体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1つの項に記載
    の中空樹脂成形体を製造するに当たり、 中空樹脂成形体の内壁を形成する面が対向するように2
    枚の熱可塑性樹脂シートを設置し、この内壁形成面の少
    なくとも一方に溶着防止材を配設し、 これら熱可塑性樹脂シートを上下から加熱して軟化さ
    せ、シート間に空間が確保されるようにしてシートの周
    縁を圧着し、空間調整手段により該空間内に気体を注入
    又は吸引して中空部を形成することを特徴とする中空樹
    脂成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記溶着防止材を、液体状又は固体粒状
    にして熱可塑性樹脂シートに塗布又は印刷し、常温乾
    燥、熱及びUV照射から成る群より選ばれた少なくとも
    1種の方法により硬化させて、配設することを特徴とす
    る請求項8に記載の中空樹脂成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記溶着防止材を、熱可塑性樹脂シー
    トに接着又は融着して、配設することを特徴とする請求
    項8に記載の中空樹脂成形体の製造方法。
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