JP2003211512A - 射出成形機の冷却装置 - Google Patents

射出成形機の冷却装置

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JP2003211512A
JP2003211512A JP2002010410A JP2002010410A JP2003211512A JP 2003211512 A JP2003211512 A JP 2003211512A JP 2002010410 A JP2002010410 A JP 2002010410A JP 2002010410 A JP2002010410 A JP 2002010410A JP 2003211512 A JP2003211512 A JP 2003211512A
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Noritsugu Hiraga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動部の熱定格出力を大きくすることができ
る。 【解決手段】駆動部と、該駆動部に形成されたジャケッ
ト部98と、前記駆動部を駆動することによって発生さ
せられた回転を受け、回転運動を直進運動に変換する運
動方向変換部と、油供給源と、該油供給源から供給され
た潤滑油を前記ジャケット部98及び運動方向変換部に
供給する油供給装置とを有する。この場合、駆動部に形
成されたジャケット部98に潤滑油が供給されるので、
駆動部を駆動するのに伴って発生させられた熱を十分に
放熱することができる。したがって、駆動部の熱定格出
力をその分大きくすることができる。また、潤滑油の循
環性が良いので、被潤滑部の全体を均一に潤滑すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の冷却
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機においては、加熱シリ
ンダ内において加熱され溶融させられた樹脂を、高圧で
射出し、金型装置内のキャビティ空間に充填(てん)
し、該キャビティ空間内において冷却して固化させて成
形品にするようになっている。
【0003】前記射出成形機は金型装置、型締装置及び
射出装置を有する。そして、前記金型装置は固定側金型
ユニット及び可動側金型ユニットを備え、前記型締装置
によって前記可動側金型ユニットを進退させることによ
り、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
また、前記射出装置は、加熱シリンダ、及び該加熱シリ
ンダ内において回転自在に、かつ、進退自在に配設され
たスクリューを備える。そして、該スクリューを前進さ
せることによって、加熱シリンダの先端に取り付けられ
た射出ノズルから樹脂が射出され、金型装置内のキャビ
ティ空間に充填されるようになっている。
【0004】また、前記射出装置は、射出成形機のフレ
ーム上に支持された射出装置本体及び可塑化移動装置を
備え、該可塑化移動装置を作動させることによって、射
出装置本体を進退させ、射出ノズルの前端に形成された
ノズル口を前記固定側金型ユニットの固定プラテンに対
して接離させることができる。そして、前記ノズル口を
固定プラテンに接触させた状態で前記射出ノズルから樹
脂が射出される。
【0005】ところで、前記射出成形機においては、型
締め用のモータ、計量用のモータ、射出用のモータ、移
動用のモータ等の駆動部が配設され、該駆動部を駆動す
ることによって金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが
行われたり、計量、サックバック及び射出が行われた
り、ノズルタッチが行われたりするようになっている。
そして、駆動部にファン等が配設され、該ファン等を作
動させることによって、駆動部を強制的に空冷するよう
になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の射出成形機において、駆動部はファン等によって強
制的に空冷されるだけであるので、駆動部を駆動するの
に伴って発生させられた熱を十分に放熱することができ
ず、その分、駆動部の熱定格出力を小さくする必要があ
る。
【0007】本発明は、前記従来の射出成形機の問題点
を解決して、駆動部の熱定格出力を大きくすることがで
きる射出成形機の冷却装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の射
出成形機の冷却装置においては、駆動部と、該駆動部に
形成されたジャケット部と、前記駆動部を駆動すること
によって発生させられた回転を受け、回転運動を直進運
動に変換する運動方向変換部と、油供給源と、該油供給
源から供給された潤滑油を前記ジャケット部及び運動方
向変換部に供給する油供給装置とを有する。
【0009】本発明の他の射出成形機の冷却装置におい
ては、さらに、前記運動方向変換部は密閉された潤滑油
収容室内に配設され、該潤滑油収容室とジャケット部と
は連通路によって連通させられる。
【0010】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、前記運動方向変換部は第1、第2の
変換要素を備える。そして、前記潤滑油収容室内の潤滑
油の液面レベルは運動方向変換部における被潤滑部の最
下端より高くされる。
【0011】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、前記ジャケット部には、所定のパタ
ーンで形成された壁体によって油溝が形成される。
【0012】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、潤滑油に含有される摩耗粉の量を検
出する摩耗粉検出部を有する。
【0013】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、前記摩耗粉検出部は電磁誘導により
摩耗粉の量を検出する。
【0014】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、前記摩耗粉検出部は潤滑油の油路に
おける圧力損失により摩耗粉の量を検出する。
【0015】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、潤滑油を冷却するための油冷却装置
を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の第1の実施の形態における
射出装置の要部を示す概略図、図2は本発明の第1の実
施の形態における射出装置の概略図、図3は本発明の第
1の実施の形態における被潤滑部を示す横断面図であ
る。
【0018】図において、11はシリンダ部材としての
加熱シリンダ、12は該加熱シリンダ11内において回
転自在に、かつ、進退(図2において左右方向に移動)
自在に配設された射出部材としてのスクリューであり、
前記加熱シリンダ11の前端に図示されない射出ノズル
が取り付けられ、該射出ノズルにノズル口が形成され
る。
【0019】前記スクリュー12は、スクリュー本体、
及び該スクリュー本体の前端に取り付けられた図示され
ないスクリューヘッドを備え、スクリュー本体の外周面
に図示されないフライトが螺(ら)旋状に形成され、該
フライトによって螺旋状の溝が形成される。
【0020】前記加熱シリンダ11の後端(図2におい
て右端)には、前方射出サポート61に取り付けられ、
該前方射出サポート61と所定の距離を置いて後方射出
サポート62が配設される。前記前方射出サポート61
は、箱状の本体61a及びカバー61bから成る。そし
て、前記前方射出サポート61と後方射出サポート62
との間に複数のロッド63(図2においては、一つのロ
ッド63だけが示される。)が架設され、該ロッド63
によって前記前方射出サポート61と後方射出サポート
62との間に所定の距離が保持される。また、前方射出
サポート61、後方射出サポート62及びロッド63に
よって射出枠が構成される。
【0021】そして、前記スクリュー12の後端には、
カプラ59を介して円板形の形状を有する連結体64が
一体的に取り付けられ、該連結体64に筒状の支持体6
5がボルトbt1を介して取り付けられる。なお、前記
連結体64及び支持体65によって、スクリュー12と
一体に回転させられ、かつ、軸方向に移動させられる回
転摺(しゅう)動部材68が構成される。前記支持体6
5は軸方向においてスクリュー12のストローク分の長
さを有し、外周面に雄スプライン67が形成される。
【0022】前記回転摺動部材68に回転を伝達してス
クリュー12を回転させるために、前記回転摺動部材6
8の外周に筒状の回転部材78が配設され、該回転部材
78の後端に、内周面に雌スプラインが形成されたスプ
ラインナット79がボルトbt2によって取り付けられ
る。前記回転部材78は、前記前方射出サポート61に
対してベアリングb1、b2によって回転自在に支持さ
れる。
【0023】そして、第1の駆動部としての電動の計量
用モータ70が配設され、該計量用モータ70は、計量
工程において駆動されて回転摺動部材68を回転させ、
射出工程において、拘束力を発生させて回転摺動部材6
8の回転を停止させる。前記計量用モータ70は、図示
されないステータ、該ステータの径方向における内方に
配設された図示されないロータ、出力軸74、及び該出
力軸74に取り付けられ、計量用モータ70の回転速度
を検出する第1のエンコーダ70aを備える。なお、前
記計量用モータ70は第1のエンコーダ70aの検出信
号に基づいて制御される。
【0024】そして、前記計量用モータ70と前記回転
摺動部材68との間に、出力ギヤ75、カウンタドライ
ブギヤ76、カウンタドリブンギヤ77及び前記回転部
材78が配設され、前記出力軸74に出力ギヤ75が取
り付けられ、出力ギヤ75とカウンタドライブギヤ76
とが噛(し)合させられ、カウンタドライブギヤ76と
カウンタドリブンギヤ77とが噛合させられ、カウンタ
ドリブンギヤ77が回転部材78にボルトbt3によっ
て取り付けられる。なお、前記出力ギヤ75、カウンタ
ドライブギヤ76及びカウンタドリブンギヤ77によっ
て回転を伝達する第1の伝動機構が構成される。
【0025】前記出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ
76、カウンタドリブンギヤ77及び回転部材78は、
回転部材78に対する回転摺動部材68の軸方向におけ
る相対的な移動を許容しながら、前記計量用モータ70
が駆動されて発生させられた回転を回転摺動部材68に
伝達する。そのために、該回転摺動部材68は、前記回
転部材78に対して回転不能に、かつ、軸方向に移動自
在に配設され、前記連結体64の外周面と回転部材78
の内周面とが摺動自在に接触させられる。すなわち、前
記回転部材78の前端(図2において左端)において、
回転部材78の内周面と連結体64の外周面とがシール
60を介して摺動自在に接触させられ、前記回転部材7
8の後端において、前記雌スプラインと前記雄スプライ
ン67とが摺動自在にスプライン係合させられる。な
お、前記スプラインナット79及び支持体65によっ
て、第1の回転伝達部が構成され、前記スプラインナッ
ト79によって第1の伝達要素が、支持体65によって
第2の伝達要素が構成される。
【0026】したがって、前記計量用モータ70を駆動
することによって出力軸74を回転させると、出力軸7
4の回転が出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、
カウンタドリブンギヤ77及び回転部材78を介して前
記回転摺動部材68に伝達され、該回転摺動部材68が
正方向、又は必要に応じて逆方向に回転させられ、スク
リュー12が回転させられる。さらに、前記計量用モー
タ70の駆動を停止させ、拘束力を発生させて出力軸7
4を停止させると、回転摺動部材68の回転が停止させ
られ、スクリュー12の回転も停止させられる。
【0027】そして、前記回転摺動部材68より後方
(図2において右方)に、第2の駆動部としての電動の
射出用モータ90が配設され、該射出用モータ90は、
射出工程において駆動されて、回転摺動部材68を進退
させる。前記射出用モータ90は、後方射出サポート6
2にロードセル96を介して固定され、前環状体91
a、外スリーブ91b、内スリーブ91c及び後プレー
ト91dから成るケース91、該ケース91に取り付け
られたステータ92、該ステータ92の径方向における
内方に配設されたロータ93、該ロータ93に取り付け
られた中空の出力軸94、該出力軸94を前記ケース9
1に対して回転自在に支持するベアリングb5、b6、
並びに前記出力軸94に取り付けられ、射出用モータ9
0の回転速度を検出する図示されない第2のエンコーダ
を備える。前記前環状体91a、外スリーブ91b、内
スリーブ91c及び後プレート91dによって包囲され
た領域により、前記射出用モータ90の外周を覆うよう
に筒状のジャケット部98が形成される。なお、前記出
力軸94の内周面の軸方向におけるほぼ中央の部分はス
プラインナット36として機能し、該スプラインナット
36の内周面に雌スプラインが形成される。また、前記
射出用モータ90は前記第2のエンコーダの検出信号に
基づいて制御される。
【0028】そして、前記射出用モータ90を駆動する
ことによってスクリュー12を進退させるために、回転
摺動部材68と射出用モータ90との間に、前方(図1
及び2において左方)から後方(図1及び2において右
方)にかけて、伝動軸21、第1の運動方向変換部とし
てのベアリングボックス22及び伝動ユニット23が配
設される。
【0029】前記伝動軸21は、前端から後端にかけ
て、小径のシャフト部84、及び該シャフト部84に隣
接させて一体に形成された大径のシャフト部85から成
り、シャフト部84の後端に、前記シャフト部84、8
5間の段部に当接させて環状フランジ部材89が外嵌
(かん)される。そして、前記伝動軸21は、前端部
(図2において左端部)においてベアリングb3によっ
て、中央部において前記環状フランジ部材89を介して
ベアリングb4によって、回転摺動部材68を回転自在
に、かつ、軸方向に移動不能に支持される。また、前記
シャフト部84の前端部に図示されない雄ねじが形成さ
れ、該雄ねじと螺合させてベアリングナット80が配設
される。したがって、該ベアリングナット80を締め付
け、ベアリングナット80及び環状フランジ部材89に
よってベアリングb3、b4を挟むことにより、伝動軸
21を回転摺動部材68に対して位置決めすることがで
きる。
【0030】また、前記伝動ユニット23は、前端から
後端にかけて順に、小径の軸部31、該軸部31に隣接
させて一体に形成されたねじ軸部としての大径のボール
ねじ軸部32、該ボールねじ軸部32に隣接させて一体
に形成され、前記スプラインナット36とスプライン係
合させられるスプライン軸部33、及び前記ボールねじ
軸部32と螺合させて配設されるナットとしてのボール
ナット35から成る。なお、ボールねじ軸部32の外周
面に雄ねじが、前記スプライン軸部33の外周面に雄ス
プラインが、ボールナット35の内周面に雌ねじが形成
される。
【0031】また、ボールねじ軸部32によって第1の
変換要素が、ボールナット35によって第2の変換要素
が、ボールねじ軸部32及びボールナット35によっ
て、ねじ部としてのボールねじ部50が構成されるとと
もに、該ボールねじ部50によって第2の運動方向変換
部が構成される。したがって、前記ボールねじ部50に
おいて、射出用モータ90を駆動することによって発生
させられた回転がボールねじ軸部32に伝達されると、
ボールねじ軸部32の回転運動はボールねじ軸部32の
回転を伴う直進運動、すなわち、回転直進運動に変換さ
れる。なお、前記スプラインナット36及びスプライン
軸部33によって、第2の回転伝達部が構成され、前記
スプラインナット36によって第1の伝達要素が、スプ
ライン軸部33によって第2の伝達要素が構成される。
【0032】また、前記軸部31、ボールねじ軸部32
及びスプライン軸部33によって軸ユニット34が構成
される。該軸ユニット34は、前端部において、ベアリ
ングb7、b8によって、ベアリングボックス22に対
して回転自在に支持され、後端部(図2において右端
部)において、出力軸94を介し、ベアリングb5、b
6によって、ケース91に対して回転自在に支持され
る。そして、前記ベアリングボックス22の内周面にお
けるベアリングb7、b8間に環状の突起38が形成さ
れ、前記軸部31の前端部に図示されない雄ねじが形成
され、該雄ねじと螺合させてベアリングナット39が配
設される。したがって、該ベアリングナット39を締め
付け、ベアリングナット39、及び軸部31とボールね
じ軸部32との間に形成された段部によってベアリング
b7、b8を挟むことにより、伝動ユニット23をベア
リングボックス22に対して位置決めすることができ
る。
【0033】また、前記ボールナット35は環状体41
を介してロードセル96に取り付けられ、前記ボールね
じ部50においてボールねじ軸部32に発生させられる
回転直進運動の反力が、ボールナット35に加わり、環
状体41を介してロードセル96に伝達される。したが
って、射出用モータ90を駆動することによってスクリ
ュー12に発生させられる射出力及び保圧力を、ロード
セル96によって検出することができる。
【0034】次に、前記構成の射出装置の駆動方法につ
いて説明する。
【0035】まず、計量工程時に、前記計量用モータ7
0を駆動すると、出力軸74に発生させられた回転は、
出力ギヤ75、カウンタドライブギヤ76、カウンタド
リブンギヤ77、回転部材78及び回転摺動部材68を
介してスクリュー12に伝達され、該スクリュー12を
正方向に回転させる。
【0036】これに伴って、前記加熱シリンダ11に配
設された図示されないホッパから落下した図示されない
樹脂が前記スクリュー12の前記溝内を前進させられ、
スクリュー12が後退(図2において右方に移動)させ
られ、樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。こ
のとき、スクリュー12に発生させられる後退力に伴っ
て、伝動軸21が後退させられ、前記後退力がベアリン
グボックス22を介して軸ユニット34に伝達される。
したがって、軸ユニット34は回転しながら後退させら
れる。
【0037】また、射出工程時に、前記計量用モータ7
0の駆動が停止させられ、拘束力が発生させられて回転
摺動部材68の回転が停止させられ、この状態で前記射
出用モータ90を駆動することによって出力軸94を回
転させると、出力軸94の回転は、スプライン軸部33
に伝達され、ボールねじ軸部32が一体に回転させられ
る。そして、該ボールねじ軸部32の回転運動は、ボー
ルねじ部50においてボールねじ軸部32の回転直進運
動に変換され、軸部31を介してベアリングボックス2
2に伝達され、該ベアリングボックス22において前記
軸ユニット34の回転直進運動は直進運動に変換され、
該直進運動は伝動軸21に伝達される。さらに、該伝動
軸21の直進運動は、回転摺動部材68及びカプラ59
を介してスクリュー12に伝達される。
【0038】このように、射出用モータ90を駆動する
ことによって、スクリュー12に直進運動を伝達するこ
とができるので、射出用モータ90を正方向に駆動する
ことによってスクリュー12を前進(図2において左方
に移動)させ、射出用モータ90を逆方向に駆動するこ
とによってスクリュー12を後退させることができる。
【0039】ところで、前記構成の射出成形機において
は、前記射出用モータ90を駆動するのに伴ってボール
ねじ軸部32が回転させられると、該ボールねじ軸部3
2とボールナット35とは、図示されないボールを介し
て摺動させられるので、ボールねじ軸部32及びボール
ナット35と前記ボールとの間に摩擦が発生する。そこ
で、ボールねじ軸部32とボールナット35との螺合部
に、冷却媒体及び潤滑剤としての潤滑油Lbを供給し、
摩擦が発生するのを抑制するようにしている。なお、前
記螺合部によって被潤滑部が構成される。
【0040】そのために、前記後方射出サポート62と
一体に、ベアリングボックス22、ボールナット35、
環状体41等を包囲して筒状体43が形成される。な
お、本実施の形態においては、筒状体43は後方射出サ
ポート62と一体に形成されるようになっているが、後
方射出サポート62と別体に形成することもできる。
【0041】また、前記筒状体43とベアリングボック
ス22との間をシールするために、ベアリングボックス
22の外周面の所定の箇所に環状の溝44が形成され、
該溝44にOリング45が収容される。そして、前記前
環状体91aと出力軸94との間をシールするために、
前記前環状体91aの内周縁におけるベアリングb5よ
り前方(図1において左方)に、環状の溝46が形成さ
れ、該溝46にOリング47が収容される。したがっ
て、前記ベアリングボックス22、後方射出サポート6
2、環状体41、ロードセル96及び出力軸94によっ
て、前記軸ユニット34及びボールナット35を包囲
し、密閉された潤滑剤収容室としての潤滑油収容室88
が形成され、該潤滑油収容室88と前記ジャケット部9
8とが前記環状体91a及びロードセル96の下端の近
傍を貫通して形成された連通路99を介して連通させら
れる。さらに、ボールねじ軸部32の外周面とボールナ
ット35の内周面との間に溝状の図示されない潤滑室が
形成され、該潤滑室と前記潤滑油収容室88とが連通さ
せられる。
【0042】また、例えば、ケース91の後方の上端の
近傍に、外スリーブ91bを貫通して、かつ、前記ジャ
ケット部98に臨ませて油供給口81が、前記筒状体4
3の高さ方向におけるほぼ中央に、前記筒状体43を貫
通して、かつ、前記潤滑油収容室88に臨ませて油排出
口82が形成される。この場合、油供給口81を介して
ジャケット部98に供給された潤滑油Lbは、前方に向
けて流れ、その間に射出用モータ90を冷却する。そし
て、前記潤滑油Lbは、連通路99を貫通して潤滑油収
容室88に供給され、潤滑室において被潤滑部を潤滑し
た後、油排出口82から排出される。
【0043】また、ジャケット部98、潤滑油収容室8
8及び潤滑室に潤滑油Lbを供給するために、油供給装
置としての油圧回路100が配設される。該油圧回路1
00において、油供給源としての循環用のポンプ102
のモータ103を駆動すると、油タンク101内の潤滑
油Lbがフィルタ104を介して吸引され、油路L−1
に吐出され、該油路L−1を介して前記油供給口81に
送られる。また、油排出口82から排出された潤滑油L
bは、油路L−2に排出され、油タンク101に回収さ
れる。
【0044】なお、前記連通路99は、絞りの機能を有
するように、径が小さく設定される。したがって、前記
ジャケット部98の全体が潤滑油Lbによって満たされ
るので、潤滑油Lbによって射出用モータ90を十分に
冷却することができる。これに対して、潤滑油収容室8
8内の潤滑油Lbは、前記被潤滑部を潤滑するためのも
のであるので、潤滑油収容室88内の全体が潤滑油Lb
によって満たされると、軸ユニット34の回転に対する
抵抗が大きくなってしまう。そこで、図3に示されるよ
うに、前記油排出口82が筒状体43の高さ方向におけ
るほぼ中央に形成され、潤滑油収容室88内のほぼ半分
程度が潤滑油Lbによって満たされるようになってい
る。すなわち、潤滑油Lbの液面レベルが、被潤滑部の
最下端より高くされる。したがって、軸ユニット34の
回転に対する抵抗を小さくすることができるので、射出
用モータ90の効率を高くすることができる。
【0045】このように、射出用モータ90の外周にジ
ャケット部98が形成され、該ジャケット部98に供給
される潤滑油Lbによって、射出用モータ90を駆動す
るのに伴って発生させられた熱を十分に放熱することが
できる。したがって、射出用モータ90の熱定格出力を
その分大きくすることができる。
【0046】また、潤滑油収容室88に供給される潤滑
油Lbによって、被潤滑部が潤滑されるが、潤滑油Lb
の循環性が良いので、被潤滑部の全体を均一に潤滑する
ことができる。
【0047】ところで、ボールねじ軸部32及びボール
ナット35と前記ボールとの間の摩擦によって摩耗粉、
例えば、鉄粉が発生するので、前記被潤滑部を潤滑する
のに伴って潤滑油Lbに摩耗粉が含有される。そこで、
摩耗粉の量を検出することによって、ボールねじ部50
がどの程度摩耗したかを知るようにしている。
【0048】そのために、前記油路L−2に、潤滑油L
b内の摩耗粉の量を表す鉄分量を検出するために摩耗粉
検出部としての検出装置111が配設され、該検出装置
111は、前記鉄分量を電磁誘導によって検出し、検出
信号を図示されない制御部に送る。該制御部は、前記検
出信号を受けると、前記鉄分量が閾(しきい)値を超え
たかどうかを判断し、閾値を超えた場合、図示されない
表示装置にボールねじ部50の使用状態を表示する。し
たがって、操作者は表示装置の表示内容に基づいて、ボ
ールねじ部50の潤滑不良が発生していること、ボール
ねじ部50が使用限界にきていること等の使用状態を認
識することができる。なお、油路L−2を介して油タン
ク101に回収された潤滑油Lbに含有される摩耗粉
は、油タンク101内に配設された摩耗粉回収除去装置
105によって除去され、廃棄される。
【0049】また、前記油路L−2における検出装置1
11より下流側に油冷却装置112が配設され、該油冷
却装置112は、潤滑油収容室88から排出された潤滑
油Lbを冷却する。したがって、冷却された後の潤滑油
Lbによって、射出用モータ90を冷却することができ
るだけでなく、被潤滑部を冷却することもできる。ま
た、潤滑油Lbが熱によって劣化するのを防止すること
もできる。
【0050】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有する
ものについては、同じ符号を付与することによってその
説明を省略する。
【0051】図4は本発明の第2の実施の形態における
ケース内の構造を示す図である。
【0052】図において、51はジャケット部、52は
内スリーブ91cの外周面に、所定のパターン、本実施
の形態においては、螺旋状に形成された壁体、53は該
壁体52に沿って螺旋状に形成された油溝、71は前記
ジャケット部51と潤滑油収容室88(図1)とを連通
させる連通路である。
【0053】この場合、前記潤滑油Lbは油溝53内を
長い距離にわたって前進(図において左方に移動)させ
られるので、その間に、第2の駆動部としての射出用モ
ータ90を十分に冷却することができる。
【0054】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有する
ものについては、同じ符号を付与することによってその
説明を省略する。
【0055】図5は本発明の第3の実施の形態における
油圧回路を示す図である。
【0056】この場合、油路L−2に、上流側から下流
側にかけて、圧力センサ121、フィルタ122及び油
冷却装置112が配設され、潤滑油Lbに含有される摩
耗粉の量を検出するために、前記圧力センサ121は油
路L−2における潤滑油Lbの圧力を検出し、検出信号
を図示されない制御部に送る。
【0057】ところで、潤滑油Lbに含有される摩耗粉
の量が多くなると、前記フィルタ122によって除去さ
れ、フィルタ122内に溜(た)められる摩耗粉が多く
なり、油路L−2における潤滑油Lbの圧力損失を表
す、フィルタ122より上流側の圧力が高くなる。そこ
で、制御部は、前記検出信号を受けると、前記圧力セン
サ121によって検出された圧力が閾値を超えたかどう
かを判断し、閾値を超えた場合、図示されない表示装置
に第2の運動方向変換部としてのボールねじ部50(図
1)の使用状態を表示する。なお、前記圧力センサ12
1及びフィルタ122によって摩耗粉検出部が構成され
る。
【0058】本実施の形態においては、ボールねじ部5
0における被潤滑部について説明しているが、可塑化移
動装置、型締装置等における被潤滑部に適用することも
できる。
【0059】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させ
ることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除す
るものではない。
【0060】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、射出成形機の冷却装置においては、駆動部と、該
駆動部に形成されたジャケット部と、前記駆動部を駆動
することによって発生させられた回転を受け、回転運動
を直進運動に変換する運動方向変換部と、油供給源と、
該油供給源から供給された潤滑油を前記ジャケット部及
び運動方向変換部に供給する油供給装置とを有する。
【0061】この場合、駆動部に形成されたジャケット
部に潤滑油が供給されるので、駆動部を駆動するのに伴
って発生させられた熱を十分に放熱することができる。
したがって、駆動部の熱定格出力をその分大きくするこ
とができる。
【0062】また、潤滑油の循環性が良いので、被潤滑
部の全体を均一に潤滑することができる。
【0063】本発明の他の射出成形機の冷却装置におい
ては、さらに、前記運動方向変換部は第1、第2の変換
要素を備える。そして、潤滑油収容室内の潤滑油の液面
レベルは運動方向変換部における被潤滑部の最下端より
高くされる。
【0064】この場合、前記潤滑油収容室内の潤滑油の
液面レベルは被潤滑部の最下端より高くされるので、運
動方向変換部の変換要素の回転に対する抵抗を小さくす
ることができる。したがって、駆動部の効率を高くする
ことができる。
【0065】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、潤滑油に含有される摩耗粉の量を検
出する摩耗粉検出部を有する。
【0066】この場合、摩耗粉の量を検出することによ
って、運動方向変換部の潤滑不良が発生していること、
運動方向変換部が使用限界にきていること等の使用状態
を検出することができる。
【0067】本発明の更に他の射出成形機の冷却装置に
おいては、さらに、潤滑油を冷却するための油冷却装置
を有する。
【0068】この場合、冷却された後の潤滑油によっ
て、駆動部を冷却することができるだけでなく、被潤滑
部を冷却することもできる。また、潤滑油が熱によって
劣化するのを防止することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における射出装置の
要部を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における射出装置の
概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における被潤滑部を
示す横断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるケース内の
構造を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における油圧回路を
示す図である。
【符号の説明】
22 ベアリングボックス 32 ボールねじ軸部 35 ボールナット 50 ボールねじ部 51、98 ジャケット部 52 壁体 53 油溝 71、99 連通路 88 潤滑油収容室 90 射出用モータ 100 油圧回路 102 ポンプ 111 検出装置 112 油冷却装置 121 圧力センサ 122 フィルタ Lb 潤滑油 L−2 油路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)駆動部と、(b)該駆動部に形成
    されたジャケット部と、(c)前記駆動部を駆動するこ
    とによって発生させられた回転を受け、回転運動を直進
    運動に変換する運動方向変換部と、(d)油供給源と、
    (e)該油供給源から供給された潤滑油を前記ジャケッ
    ト部及び運動方向変換部に供給する油供給装置とを有す
    ることを特徴とする射出成形機の冷却装置。
  2. 【請求項2】 (a)前記運動方向変換部は密閉された
    潤滑油収容室内に配設され、(b)該潤滑油収容室とジ
    ャケット部とは連通路によって連通させられる請求項1
    に記載の射出成形機の冷却装置。
  3. 【請求項3】 (a)前記運動方向変換部は第1、第2
    の変換要素を備え、(b)前記潤滑油収容室内の潤滑油
    の液面レベルは運動方向変換部における被潤滑部の最下
    端より高くされる請求項2に記載の射出成形機の冷却装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ジャケット部には、所定のパターン
    で形成された壁体によって油溝が形成される請求項1に
    記載の射出成形機の冷却装置。
  5. 【請求項5】 潤滑油に含有される摩耗粉の量を検出す
    る摩耗粉検出部を有する請求項1に記載の射出成形機の
    冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記摩耗粉検出部は電磁誘導により摩耗
    粉の量を検出する請求項5に記載の射出成形機の冷却装
    置。
  7. 【請求項7】 前記摩耗粉検出部は潤滑油の油路におけ
    る圧力損失により摩耗粉の量を検出する請求項5に記載
    の射出成形機の冷却装置。
  8. 【請求項8】 潤滑油を冷却するための油冷却装置を有
    する請求項1に記載の射出成形機の冷却装置。
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