以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。また、シリンダから成形材料を吐出する際のスクリュの移動方向を前方とし、シリンダの前部に成形材料を蓄積する際のスクリュの移動方向を後方として説明する。
図1は、本発明の一実施形態による射出成形機を示す一部断面図である。図2は、図1の一部拡大図である。図3は、図2のIII−III線に沿った断面図であって、スプライン連結機構の周りに潤滑油を溜める貯留空間の周辺装置を示す図である。図4は、図2の上面図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図6は、図5のVI−VI線に沿った断面図であって、ボールねじ機構の周りに潤滑油を溜める貯留空間の周辺装置を示す図である。
図1や図4に示すように、射出成形機10は、シリンダ11、シリンダ11内に配設されるスクリュ13、スクリュ13を回転させる回転駆動部としての計量モータ15、およびスクリュ13を前進させる移動駆動部としての射出モータ16などを備える。
シリンダ11の後部には、シリンダ11の内部に成形材料(例えば樹脂ペレット)を供給する材料供給部としてのホッパ14が設けられる。尚、本実施形態の材料供給部は、ホッパ14で構成されるが、供給量を調整できるフィードスクリュなどで構成されてもよい。
スクリュ13は、シリンダ11内において回転自在に且つ進退自在に配設される。スクリュ13には螺旋状の溝13aが形成され、溝13a内にはホッパ14から成形材料が供給される。スクリュ13が回転すると、螺旋状の溝13aに沿って成形材料が前方に送られる。溝13aの深さは、一定でもよいし、場所によって異なってもよい。
スクリュ13から後方に延びる軸部21は、カップリング22を介して駆動軸23に連結される。駆動軸23は、スクリュ13と共に回転し、スクリュ13と共に進退する。駆動軸23には回転軸24が連結される。スクリュ13、軸部21、駆動軸23、および回転軸24は、この順で同軸的に配設される。また、駆動軸23および回転軸24などで回転伝達部26(図1参照)が構成される。
回転伝達部26は、スクリュ13の軸方向後方に配設され、計量モータ15の回転をスクリュ13に伝達する。回転伝達部26は、計量モータ15からスクリュ13への回転伝達経路において、計量モータ15側に配設される第1の伝達部材としての回転軸24と、スクリュ13側に配設される第2の伝達部材としての駆動軸23とを有する。回転軸24と駆動軸23とが相対移動自在に接続される。
回転軸24は、駆動軸23と共に回転し、駆動軸23の進退を許容する。例えば図2に示すように、駆動軸23に形成されるスプラインナット部23aと、回転軸24に形成されるスプライン軸部24aとが噛み合う。スプライン軸部24aは、例えば図3に示すように、棒状部と、棒状部の外周に設けられる複数の凸条部とで構成される。スプラインナット部23aは、例えば筒状部と、筒状部の内周に設けられる複数の凹条部とで構成される。スプラインナット部23aの凹条部とスプライン軸部24aの凸条部とが噛み合う。スプラインナット部23aとスプライン軸部24aとでスプライン連結機構が構成される。
尚、駆動軸23および回転軸24の構成は、多種多様であってよい。例えば、スプライン軸部24aとスプラインナット部23aの配置は逆でもよく、駆動軸23にスプライン軸部が形成され、回転軸24にスプラインナット部が形成されてもよい。また、スプライン軸部の棒状部の外周には、1つ以上の凸条部か、または1つ以上の凹条部が設けられていればよい。スプライン軸部の棒状部の外周に凹条部が設けられる場合、スプラインナット部の筒状部の内周に凸条部が設けられる。さらに、駆動軸23および回転軸24のうち、一方にはピンが固定され、他方にはピンと係合する凹条部が形成されてもよい。一方に固定されたピンは、他方に形成される凹条部に対して進退自在に挿入される。
計量モータ15(図4参照)は、シリンダ11内においてスクリュ13を回転させる。計量モータ15の回転は、ベルトやプーリを介して減速機25に伝達する。減速機25の減速比に応じたトルクで回転軸24が回転され、回転軸24と共にスクリュ13が回転される。尚、ベルトやプーリ、減速機25などはなくてもよく、計量モータ15の出力軸が回転軸24に対して同軸的に連結されてもよい。
計量モータ15は図4に示すようにベース31に対して固定され、ベース31には図1や図2に示すように前方サポート32および後方サポート33が固定される。ベース31は、シリンダ11のノズル12を金型装置87(図7参照)に対して接離するため、射出成形機10のフレームFrに対して進退自在となっている。前方サポート32には、シリンダ11の後端部が取り付けられる。前方サポート32と後方サポート33とは、複数本(例えば4本)のガイドバー34で連結される。ガイドバー34は、前方サポート32と後方サポート33との間に配設されるプレッシャプレート35の進退を案内する。プレッシャプレート35には、ガイドバー34を挿通させる挿通孔が形成される。ベース31、前方サポート32、後方サポート33、およびガイドバー34によって射出フレーム30が構成される。計量モータ15は、射出フレーム30に対して固定されていればよく、ベース31、前方サポート32、後方サポート33、およびガイドバー34のいずれに固定されてもよい。
尚、本実施形態の射出フレーム30は、ベース31、前方サポート32、後方サポート33、およびガイドバー34によって構成されるが、その構成は特に限定されない。例えば、ガイドバー34の代わりに、ガイドレールがベース31上に設けられ、ガイドレールがプレッシャプレート35の進退を案内してもよい。
プレッシャプレート35は、ベース31に対して進退自在な可動部材である。プレッシャプレート35は、図2に示すように駆動軸23を回転自在に支持する軸受36、37を保持し、ベース31に対して駆動軸23と共に進退する。
射出モータ16(図4、図5参照)は、シリンダ11内においてスクリュ13を移動させる。射出モータ16は、例えばベース31に対してプレッシャプレート35を進退させることで、駆動軸23を進退させる。射出モータ16の回転運動は図5に示すボールねじ機構27によって駆動軸23の直線運動に変換され、駆動軸23と共にスクリュ13が進退される。
ボールねじ機構27は、ボールねじ軸27aと、ボールねじ軸27aと螺合するボールねじナット27bとで構成される。ボールねじ軸27aは、射出モータ16の出力軸と同軸的に連結されるが、ベルトやプーリなどを介して射出モータ16の出力軸と連結されてもよい。射出モータ16はプレッシャプレート35に対して固定され、ボールねじナット27bは前方サポート32に対して固定される。
射出モータ16を駆動すると、ボールねじ軸27aが回転しながら進退し、プレッシャプレート35が進退する。尚、射出モータ16を駆動したときのボールねじ機構27の動作は、上記の動作に限定されない。例えば、射出モータ16を駆動すると、ボールねじ軸27aが回転し、ボールねじナット27bが進退することにより、プレッシャプレート35が進退してもよい。このような場合としては、例えば、ボールねじナット27bがプレッシャプレート35に固定され、射出モータ16が前方サポート32または後方サポート33に固定される場合が挙げられる。また、射出モータ16を駆動すると、ボールねじナット27bが回転し、ボールねじ軸27aが進退することにより、プレッシャプレート35が進退してもよい。このような場合としては、例えば、ボールねじ軸27aから延びる軸部を回転自在に支持する軸受がプレッシャプレート35に固定され、ボールねじナット27bを回転自在に支持する軸受が前方サポート32または後方サポート33に固定される場合が挙げられる。
図1に示すように、スクリュ13の軸方向後方に配設され計量モータ15の回転をスクリュ13に伝達する回転伝達部26は、互いに相対移動自在に接続される駆動軸23と回転軸24とを有する。よって、射出モータ16を駆動して駆動軸23を移動させるとき、駆動軸23と接続される回転軸24や回転軸24を回転させる計量モータ15が移動しなくてよい。そのため、従来のように射出モータが計量モータを移動させる場合に比べて、射出モータ16の消費エネルギーが削減できる。また、射出モータ16の小型化が可能である。
射出モータ16は、図4に示すように複数設けられてよく、射出モータ16の回転をプレッシャプレート35の進退に変換するボールねじ機構27が複数設けられてよい。複数のボールねじ機構27は、スクリュ13の中心線を中心に対称に配設される。プレッシャプレート35を前方に押す力がスクリュ13の中心線を中心に対称に生じ、スクリュ13の撓み変形が抑制できる。
図7は、本発明の一実施形態による射出成形機の型締装置を示す図である。型締装置の説明では、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方として説明する。
射出成形機10の型締装置は、固定プラテン81、可動プラテン82、トグルサポート83、タイバー84、トグル機構90、および型締めモータ96などで構成される。
固定プラテン81は、フレームFrに固定されてよい。固定プラテン81と間隔をおいてトグルサポート83が配設される。トグルサポート83と、固定プラテン81とは、複数本(例えば4本)のタイバー84で連結されている。型締め時のタイバー84の伸びを許容するため、トグルサポート83はフレームFrに対して進退可能に載置される。
可動プラテン82は、固定プラテン81とトグルサポート83との間に配設され、フレームFrに敷設されるガイドGdに沿って進退自在とされる。可動プラテン82における固定プラテン81との対向面には、可動金型85が取り付けられる。一方、固定プラテン81における可動プラテン82との対向面には、固定金型86が取り付けられる。固定金型86と可動金型85とで金型装置87が構成される。可動プラテン82が前進すると、可動金型85と固定金型86とが接触し、型閉じが行われる。また、可動プラテン82が後退すると、可動金型85と固定金型86とが離れ、型開きが行われる。
トグル機構90は、可動プラテン82とトグルサポート83との間に配設される。トグル機構90は、例えば、フレームFrに対して進退自在なクロスヘッド91、クロスヘッド91に入力される推進力を可動プラテン82に伝達する複数のリンクとで構成される。
型締めモータ96は、トグル機構90を作動させるものであって、サーボモータであってよい。型締めモータ96は、回転運動を直線運動に変換する運動変換部としてのボールねじ機構97などを介して、トグル機構90を作動させる。
ボールねじ機構97は、ボールねじ軸97aと、ボールねじ軸97aと螺合するボールねじナット97bとで構成される。ボールねじ軸97aは、ベルトやプーリなどを介して型締めモータ96の出力軸と連結されているが、出力軸と同軸的に連結されてもよい。ボールねじ軸97aを回転自在に支持する軸受がトグルサポート83で保持され、ボールねじナット97bはクロスヘッド91に固定される。
型締めモータ96を駆動すると、ボールねじ軸97aが回転し、ボールねじナット97bが進退することにより、クロスヘッド91が進退し、可動プラテン82が固定プラテン81に対して接離する。尚、型締めモータ96を駆動したときのボールねじ機構97の動作は上記の動作に限定されない。
次に、射出成形機10の動作について説明する。射出成形機10は、金型装置87を閉じる型閉じ工程、金型装置87を締める型締め工程、型締め状態の金型装置87内に溶融した成形材料を流し込む充填工程、流し込んだ成形材料に圧力をかける保圧工程、保圧工程後に金型装置87内で成形材料を固化させる冷却工程、次の成形品のための成形材料を計量する計量工程、金型装置87を開く型開き工程、および型開き後の金型装置87から成形品を突き出す突き出し工程を行う。射出成形機10は、これらの工程を繰り返し行うことにより、成形品を繰り返し製造する。成形サイクルの短縮のため、計量工程は、冷却工程の間に行われてよい。
計量工程では、計量モータ15を駆動して、スクリュ13を回転させ、スクリュ13に形成される螺旋状の溝13a内に供給された成形材料を前方に送る。シリンダ11の外周には複数のバンドヒータ17が設けられ、複数のバンドヒータ17の熱はシリンダ11に伝わりシリンダ11内を前進する成形材料を徐々に溶融させる。溶融させた成形材料がスクリュ13の前方に送られ、シリンダ前部に蓄積されるにつれて、スクリュ13が後退させられる。
計量工程では、スクリュ13の急激な後退を制限すべく、スクリュ13に対して所定の背圧を加えるように、射出モータ16を駆動してよい。スクリュ13が所定位置まで後退し、スクリュ13の前方に所定量の成形材料が蓄積すると、計量モータ15や射出モータ16が駆動停止される。
充填工程では、射出モータ16を駆動して、スクリュ13を設定速度で前進させ、スクリュ13の前方に蓄積された成形材料を、シリンダ前部に設けられるノズル12から吐出させ、ノズル12と接触する金型装置87内のキャビティ空間に充填させる。スクリュ13が所定位置(所謂V/P切換位置)まで前進すると、保圧工程が開始される。尚、充填工程開始からの経過時間が所定時間に達すると、保圧工程が開始されてもよい。スクリュ13の設定速度は、一定でもよいし、スクリュ位置または経過時間に応じて変更してもよい。
保圧工程では、射出モータ16を駆動して、スクリュ13を設定圧力で前方に押し、キャビティ空間における成形材料の冷却による体積収縮分の成形材料を補充する。キャビティ空間の入口(所謂ゲート)が固化した成形材料でシールされ、キャビティ空間からの成形材料の逆流が防止された後、冷却工程が開始される。冷却工程の間に、次の成形品のための成形材料を計量する計量工程が行われてよい。スクリュ13の設定圧力は、一定でもよいし、経過時間などに応じて変更してもよい。
次に、図2〜図3を再度参照して射出成形機10の一特徴について説明する。射出成形機10は、図2〜図3に示すように、回転軸(第1の摩擦部材)24および駆動軸(第2の摩擦部材)23の周りに潤滑油42を溜める貯留空間43を形成する伸縮部材41を備える。第1の摩擦部材は軸部材であって、第2の摩擦部材は軸部材に対して軸方向における位置を変位可能に連結され、軸部材を挿入させる挿入孔を有する孔部材である。
伸縮部材41は、後方サポート(第1の取付部材)33とプレッシャプレート35(第2の取付部材)との間に配設され、その間隔に応じて伸縮する。伸縮部材41の一端部は後方サポート33に取り付けられ、伸縮部材41の他端部はプレッシャプレート35に取り付けられる。後方サポート33に対するプレッシャプレート35の位置と、回転軸24に対する駆動軸23の位置とは連動して変位する。
伸縮部材41は、潤滑油42の飛散を防止するため、駆動軸23および回転軸24の周りを囲むように筒状に形成されてよい。伸縮部材41は、例えばテレスコピック型であってよく、プレッシャプレート35に取り付けられる可動側筒状部41aと、後方サポート33に取り付けられる固定側筒状部41bとで構成される。
伸縮部材41は、プレッシャプレート35と後方サポート33との間において駆動軸23および回転軸24の周りに潤滑油42を溜める貯留空間43を形成する。潤滑油42は、駆動軸23と回転軸24との間に供給され、駆動軸23と回転軸24との間を潤滑する。潤滑油42は、駆動軸23や回転軸24の少なくとも一部と接触していればよい。潤滑油42は、貯留空間43に保持できるので、駆動軸23と回転軸24との間に保持できる。
貯留空間43内の潤滑油42は、駆動軸23を回転自在に支持する軸受36、37、および、回転軸24を回転自在に支持する軸受38の摺動部分に供給されてよい。例えば転がり軸受の場合、外輪と内輪との間の空間が貯留空間43と連通しており、外輪と内輪との間に配設される転動体(ボール、または、ころ)に潤滑油42が供給される。
駆動軸23はプレッシャプレート35に形成される挿通孔35aに挿通され、挿通孔35aの壁面と駆動軸23との間の隙間はシール56で塞がれる。このシール56は、駆動軸23の軸受36、37の前方に配設され、当該軸受36、37の潤滑油が貯留空間43と反対側に流出するのを防止する。
同様に、回転軸24は後方サポート33に形成される挿通孔33aに挿通され、挿通孔33aの壁面と回転軸24との間の隙間はシール57で塞がれる。このシール57は、挿通孔33a内に配設される回転軸24の軸受38の後方に配設され、当該軸受38の潤滑油が貯留空間43と反対側に流出するのを防止する。
供給部50は、図3に示すように、貯留空間43に潤滑油42を供給する。供給部50は、例えば供給モータ51、供給ポンプ52、供給タンク53、および供給管54などで構成される。供給モータ51は、供給ポンプ52を駆動して、供給タンク53内に蓄えられた潤滑油を供給管54に送り貯留空間43に供給する。尚、供給部50の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、供給管54はなくてもよく、貯留空間43の入口44に供給ポンプ52が直結されてもよい。
貯留空間43の入口44は、伸縮部材41に形成される場合、可動側筒状部41aではなく、固定側筒状部41bに形成されてよい。供給ポンプ52が射出フレーム30に固定される場合、プレッシャプレート35の進退時に供給ポンプ52と貯留空間43の入口44との位置関係が変わらないので、供給ポンプ52と貯留空間43の入口44との接続が容易である。尚、貯留空間43の入口44は、固定側筒状部41bが取り付けられる後方サポート33に形成されてもよい。
排出部60は、貯留空間43から外部に潤滑油42を排出する。排出部60は、例えば排出管61などで構成される。排出管61は、貯留空間43内の余分な潤滑油を重力によって自然に排出させ、供給タンク53に戻す。伸縮部材41の伸縮に伴って貯留空間43の容積が変動するとき、余分な潤滑油42が重力によって自然に排出され、貯留空間43における潤滑油42の量が自動で調節できる。潤滑油42の量が自動で調節されるため、供給部50は貯留空間43に対して潤滑油42を所定の流量で連続的に供給してよい。
尚、排出部60の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、排出部60は、貯留空間43内の潤滑油42を吸引する排出ポンプと、排出ポンプを駆動する排出モータとを含んでもよい。貯留空間43内の潤滑油42の量が上限値を超えたとき、貯留空間43内の潤滑油42を強制的に排出させることができる。また、排出部60は、貯留空間43から排出された潤滑油を回収する回収タンクを含んでもよい。
貯留空間43内の潤滑油42は、駆動軸23や回転軸24の運動によって撹拌され、温められる。潤滑油42が貯留空間43から外部に排出されることで、熱が外部に持ち出され、貯留空間43の温度上昇が抑制できる。
貯留空間43から排出された潤滑油が供給タンク53に戻される場合、潤滑油42を冷却する冷却器55が設けられてよい。冷却器55は、例えば供給管54に設けられ、供給管54と熱交換することで、潤滑油を冷却する。尚、冷却器55は、潤滑油の循環経路のどこに設けてもよい。
貯留空間43の出口45は、駆動軸23や回転軸24の少なくとも一部が潤滑油42に浸るように、駆動軸23の下端や回転軸24の下端よりも上方に設けられる。貯留空間43の出口45は、伸縮部材41に形成される場合、可動側筒状部41aではなく、固定側筒状部41bに形成されてよい。供給タンク53が射出フレーム30に固定される場合、プレッシャプレート35の進退時に供給タンク53と貯留空間43の出口45との位置関係が変わらないので、供給タンク53と貯留空間43の出口45との接続が容易である。尚、出口45は、固定側筒状部41bの代わりに、固定側筒状部41bが取り付けられる後方サポート33に形成されてもよい。
検出部46は、貯留空間43における潤滑油42の量を検出する。貯留空間43における潤滑油42の量が管理できる。検出部46は、液面レベルセンサなどで構成される。液面レベルセンサは、非接触式、接触式のいずれでもよい。非接触式としては、例えば潤滑油42の液面に向けて超音波などを発信してから、反射波を受信するまでの時間を計測するものがある。超音波の代わりに、光などの電磁波が用いられてもよい。接触式としては、例えば潤滑油42の液面の変動に応じて上下するフロートの位置を検出するものがある。
検出部46は、流路47を介して貯留空間43と連通する検出空間48における潤滑油の液面レベルを検出することで、貯留空間43における潤滑油42の液面レベルを検出してよい。検出空間48は検出容器49内に形成され、検出空間48の容積は一定とされる。伸縮部材41の伸縮に伴って貯留空間43の容積が変動するとき、貯留空間43における潤滑油42の液面レベルが変動し、潤滑油42が流路47を通る。このとき、流動抵抗が生じ、検出空間48における潤滑油42の液面レベルの変動が抑えられる。液面レベルの検出結果が平滑化できる。
検出部46は、検出結果をコントローラ18に出力する。コントローラ18は、CPUやメモリなどを備え、メモリなどに記憶されるプログラムをCPUで実行させることにより各種機能を実現する。
コントローラ18は、検出部46の検出結果に基づいて、警報を出力する出力部19を作動させる。例えば、コントローラ18は、貯留空間43における潤滑油42の量が設定範囲から外れたとき(上限値を超えたとき、または、下限値を下回るとき)、出力部19を作動させる。出力部19が出力する警報は、画像や文字、音などの形態で発せられる。
また、コントローラ18は、検出部46の検出結果に基づいて、貯留空間43における潤滑油42の量を制御してもよい。例えば、コントローラ18は、貯留空間43における潤滑油42の量が下限値を下回るとき、供給モータ51を駆動して、貯留空間43における潤滑油42の量を増やす。また、コントローラ18は、貯留空間43における潤滑油42の量が上限値を超えるとき、図示されない排出モータを駆動して、貯留空間43における潤滑油42の量を減らしてよい。
次に、図5〜図6を再度参照して射出成形機10の他の一特徴について説明する。射出成形機10は、図5〜図6に示すように、ボールねじ軸(第1の摩擦部材)27aおよびボールねじナット(第2の摩擦部材)27bの周りに潤滑油142を溜める貯留空間143を形成する伸縮部材141を備える。第1の摩擦部材は軸部材であって、第2の摩擦部材は軸部材に対して軸方向における位置を変位可能に連結され、軸部材を挿入させる挿入孔を有する孔部材である。
伸縮部材141は、前方サポート(第1の取付部材)32と、プレッシャプレート(第2の取付部材)35との間に配設され、その間隔に応じて伸縮する。伸縮部材141の一端部は前方サポート32に取り付けられ、伸縮部材141の他端部はプレッシャプレート35に取り付けられる。前方サポート32に対するプレッシャプレート35の位置と、ボールねじナット27bに対するボールねじ軸27aの位置とは連動して変位する。
伸縮部材141は、潤滑油142の飛散を防止するため、ボールねじ軸27aおよびボールねじナット27bの周りを囲むように筒状に形成されてよい。伸縮部材141は、例えばテレスコピック型であってよく、プレッシャプレート35に取り付けられる可動側筒状部141aと、前方サポート32に取り付けられる固定側筒状部141bとで構成される。
伸縮部材141は、プレッシャプレート35と前方サポート32との間においてボールねじ軸27aおよびボールねじナット27bの周りに潤滑油142を溜める貯留空間143を形成する。潤滑油142は、ボールねじ軸27aとボールねじナット27bとの間に供給され、ボールねじ軸27aとボールねじナット27bとの間を潤滑する。潤滑油142は、ボールねじ軸27aやボールねじナット27bの少なくとも一部と接触していればよい。潤滑油142は、貯留空間143に保持できるので、ボールねじ軸27aとボールねじナット27bとの間に保持できる。
貯留空間143内の潤滑油142は、ボールねじ軸27aと射出モータ16の出力軸とをつなぐ軸部28を回転自在に支持する軸受136、137の摺動部分に供給されてよい。例えば転がり軸受の場合、外輪と内輪との間の空間が貯留空間143と連通しており、外輪と内輪との間に配設される転動体(ボール、または、ころ)に潤滑油142が供給される。
軸部28はプレッシャプレート35に形成される挿通孔35bに挿通され、挿通孔35bの壁面と軸部28との間の隙間はシール156で塞がれる。このシール156は、軸部28の軸受136、137の後方に配設され、当該軸受136、137の潤滑油が貯留空間143と反対側に流出するのを防止する。
ボールねじ軸27aは、前方サポート32に形成される挿通孔32bに挿通される。挿通孔32bを介して貯留空間143から供給される潤滑油142を内部に溜めるカバー部材138が前方サポート32に設けられてよい。
供給部150は、図6に示すように、貯留空間143に潤滑油142を供給する。供給部150は、例えば供給モータ151、供給ポンプ152、供給タンク153、および供給管154などで構成される。供給モータ151は、供給ポンプ152を駆動して、供給タンク153内に蓄えられた潤滑油を供給管154に送り貯留空間143に供給する。尚、供給部150の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、供給管154はなくてもよく、貯留空間143の入口144に供給ポンプ152が直結されてもよい。
貯留空間143の入口144は、伸縮部材141に形成される場合、可動側筒状部141aではなく、固定側筒状部141bに形成されてよい。供給ポンプ152が射出フレーム30に固定される場合、プレッシャプレート35の進退時に供給ポンプ152と貯留空間143の入口144との位置関係が変わらないので、供給ポンプ152と貯留空間143の入口144との接続が容易である。尚、貯留空間143の入口144は、固定側筒状部141bが取り付けられる前方サポート32に形成されてもよい。
排出部160は、貯留空間143から外部に潤滑油142を排出する。排出部160は、例えば排出管161などで構成される。排出管161は、貯留空間143内の余分な潤滑油を重力によって自然に排出させ、供給タンク153に戻す。伸縮部材141の伸縮に伴って貯留空間143の容積が変動するとき、余分な潤滑油142が重力によって自然に排出され、貯留空間143における潤滑油142の量が自動で調節できる。潤滑油142の量が自動で調節されるため、供給部150は貯留空間143に対して潤滑油142を所定の流量で連続的に供給してよい。
尚、排出部160の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、排出部160は、貯留空間143内の潤滑油142を吸引する排出ポンプと、排出ポンプを駆動する排出モータとを含んでもよい。貯留空間143内の潤滑油142の量が上限値を超えたとき、貯留空間143内の潤滑油142を強制的に排出させることができる。また、排出部160は、貯留空間143から排出された潤滑油を回収する回収タンクを含んでもよい。
貯留空間143内の潤滑油142は、ボールねじ軸27aの運動によって撹拌され、温められる。潤滑油142が貯留空間143から外部に排出されることで、熱が外部に持ち出され、貯留空間143の温度上昇が抑制できる。
貯留空間143から排出された潤滑油が供給タンク153に戻される場合、潤滑油142を冷却する冷却器155が設けられてよい。冷却器155は、例えば供給管154に設けられ、供給管154と熱交換することで、潤滑油を冷却する。尚、冷却器155は、潤滑油の循環経路のどこに設けてもよい。
貯留空間143の出口145は、ボールねじ軸27aやボールねじナット27bの少なくとも一部が潤滑油142に浸るように、ボールねじ軸27aの下端やボールねじナット27bの下端よりも上方に設けられる。貯留空間143の出口145は、伸縮部材141に形成される場合、可動側筒状部141aではなく、固定側筒状部141bに形成されてよい。供給タンク153が射出フレーム30に固定される場合、プレッシャプレート35の進退時に供給タンク153と貯留空間143の出口145との位置関係が変わらないので、供給タンク153と貯留空間143の出口145との接続が容易である。尚、出口145は、固定側筒状部141bの代わりに、固定側筒状部141bが取り付けられる前方サポート32に形成されてもよい。
検出部146は、貯留空間143における潤滑油142の量を検出する。貯留空間143における潤滑油142の量が管理できる。検出部146は、液面レベルセンサなどで構成される。液面レベルセンサは、非接触式、接触式のいずれでもよい。
検出部146は、流路147を介して貯留空間143と連通する検出空間148における潤滑油の液面レベルを検出することで、貯留空間143における潤滑油142の液面レベルを検出してよい。検出空間148は検出容器149内に形成され、検出空間148の容積は一定とされる。伸縮部材141の伸縮に伴って貯留空間143の容積が変動するとき、貯留空間143における潤滑油142の液面レベルが変動し、潤滑油142が流路147を通る。このとき、流動抵抗が生じ、検出空間148における潤滑油142の液面レベルの変動が抑えられる。液面レベルの検出結果が平滑化できる。
検出部146は、検出結果をコントローラ18に出力する。コントローラ18は、検出部146の検出結果に基づいて、警報を出力する出力部19を作動させる。例えば、コントローラ18は、貯留空間143における潤滑油142の量が設定範囲から外れたとき(上限値を超えたとき、または、下限値を下回るとき)、出力部19を作動させる。出力部19が出力する警報は、画像や文字、音などの形態で発せられる。
また、コントローラ18は、検出部146の検出結果に基づいて、貯留空間143における潤滑油142の量を制御してもよい。例えば、コントローラ18は、貯留空間143における潤滑油142の量が下限値を下回るとき、供給モータ151を駆動して、貯留空間143における潤滑油142の量を増やす。また、コントローラ18は、貯留空間143における潤滑油142の量が上限値を超えるとき、図示されない排出モータを駆動して、貯留空間143における潤滑油142の量を減らしてよい。
図8は、本発明の別の一実施形態による射出成形機の要部を示す断面図であって、図2に相当する断面図である。図9は、図8のIX−IX線に沿った断面図である。図9において、供給部を図示する。図10は、図8のX-X線に沿った断面図である。図10において、排出部、検出容器、および給排気弁を図示する。
図8〜図10に示すように、伸縮部材41Aの一端部は後方サポート33に取り付けられ、伸縮部材41Aの他端部はプレッシャプレート35に取り付けられる。伸縮部材41Aは、後方サポート33とプレッシャプレート35との間隔に応じて伸縮する。ここでは、後方サポート33が特許請求の範囲に記載の第1の取付部材に相当し、プレッシャプレート35が特許請求の範囲に記載の第2の取付部材に相当する。尚、後方サポート33が第2の取付部材に、プレッシャプレート35が第1の取付部材に相当してもよい。図2などに示す実施形態において同様である。
伸縮部材41Aは、潤滑油42の飛散を防止するため、駆動軸23および回転軸24の周りを囲むように筒状に形成されてよい。ここでは、回転軸24が特許請求の範囲に記載の第1の摩擦部材に相当し、駆動軸23が特許請求の範囲に記載の第2の摩擦部材に相当する。尚、回転軸24が第2の摩擦部材に、駆動軸23が第1の摩擦部材に相当してもよい。図2などに示す実施形態において同様である。
伸縮部材41Aは、例えばテレスコピック型であってよく、可動側のプレッシャプレート35に取り付けられる可動側筒状部41Aaと、固定側の後方サポート33に取り付けられる固定側筒状部41Abとで構成される。
固定側筒状部41Abは、後方サポート33の貫通孔に後方から嵌め込まれ、後方サポート33に後方から取り付けられてよい。作業性が良い。この場合、後方サポート33が固定側筒状部41Abを介して回転軸24の軸受38(図2参照)を保持してもよいが、本実施形態では軸受38は図1に示す減速機25に備えられる。
固定側筒状部41Abと回転軸24との間の隙間は、シール57Aで塞がれる。
伸縮部材41Aは、プレッシャプレート35と後方サポート33との間において駆動軸23および回転軸24の周りに潤滑油42を溜める貯留空間43を形成する。駆動軸23と回転軸24との間に潤滑油42が保持できる。
伸縮部材41Aの下方には、伸縮部材41Aから漏出する潤滑油42を貯める貯油槽63が配設されてよい。貯油槽63は、ベース31の一部として形成されてよく、ベース31の上面に形成されてよい。貯油槽63は、例えば可動側筒状部41Aaと固定側筒状部41Abとの間から漏出する潤滑油42を貯める。
プレッシャプレート35には供給ポート58(図9参照)が配設され、後方サポート33には排出ポート68(図10参照)が配設される。供給ポート58には供給部50が接続され、排出ポート68には排出部60が接続される。供給ポート58から供給された潤滑油は、貯留空間43を通り、排出ポート68から排出される。潤滑油42が外部に持ち出す熱量が多く、冷却効率が良い。
供給ポート58から供給された潤滑油42は、駆動軸23の軸受36、37を潤滑した後、貯留空間43に供給され、排出ポート68から排出されてよい。比較的温度の低い潤滑油42が軸受36、37を潤滑するので、軸受36、37の過熱が防止しやすい。
尚、本実施形態では図2に示す軸受38は減速機25に備えられるが、上述のように後方サポート33が固定側筒状部41Abを介して回転軸24の軸受38を保持する場合や図2に示すように後方サポート33が回転軸24の軸受38を直接保持する場合も、潤滑油42の流れは同様であってよい。つまり、潤滑油42は、駆動軸23の軸受36、37を潤滑した後、回転軸24の軸受38を潤滑してよい。駆動軸23の軸受36、37は、回転軸24の軸受38と異なり、前方のスクリュ13からスラスト荷重を受ける。駆動軸23と回転軸24とはスプライン結合されるため、後方の回転軸24の軸受38にはスラスト荷重がほとんどかからない。高いスラスト荷重を受ける軸受36、37は、先に潤滑されるため、後で潤滑される場合よりも低い温度の潤滑油42によって冷却される。よって、高温になりうる軸受36、37の過熱が防止しやすい。供給ポート58と排出ポート68の配置は逆でもよく、供給ポート58が後方サポート33に、排出ポート68がプレッシャプレート35に配設されてもよい。但し、上述のように供給ポート58がプレッシャプレート35に、排出ポート68が後方サポート33に配設される方が軸受36、37の過熱防止には有利である。
後方サポート33には、図10に示すように、検出容器49、給排気弁64、メンテナンス用の排出ポート69が配設されてよい。
検出容器49は、後方サポート33のブラケット65に取り付けられてよい。検出容器49と後方サポート33との間には配管が設けられ、配管の流路47−1、47−2を介して検出空間48と貯留空間43とが連通する。検出容器49は、潤滑油42の液面レベルが見える透明窓49aを有してよい。検出空間48の潤滑油42の液面レベルは、貯留空間43の潤滑油42の液面レベルに対応する。
給排気弁64は、後方サポート33の上部に取り付けられ、潤滑油42の液面レベルの変動に応じて給排気を行い、貯留空間43内の気圧の変動を抑制する。給排気弁64は、貯留空間43の気圧が設定圧よりも高い場合に貯留空間43から空気を排気し、貯留空間43の気圧が設定圧よりも低い場合に貯留空間43へ空気を給気する。給排気弁64は、例えばエアブリーザで構成される。小型のエアブリーザが複数取り付けられてよい。幅や高さが抑制できる。
尚、給排気弁64の取付位置は、後方サポート33の上部に限定されず、後方サポート33の上部、伸縮部材41Aの上部、およびプレッシャプレート35の上部のいずれでもよく、これらのうちの複数でもよい。
メンテナンス用の排出ポート69は、後方サポート33に配設され、液面レベル調整用の排出ポート68よりも下方から貯留空間43の潤滑油42を排出する。潤滑油42の大部分が排出でき、メンテナンス作業が容易である。メンテナンス用の排出ポート69は、通常時に閉塞され、メンテナンス時に開放される。
尚、メンテナンス用の排出ポート69の配設位置は、後方サポート33に限定されず、後方サポート33、伸縮部材41A、およびプレッシャプレート35のいずれでもよく、これらのうちの複数でもよい。
尚、本実施形態では駆動軸23および回転軸24の周りに形成される貯留空間43の潤滑油42の流れについて説明したが、ボールねじ軸27aおよびボールねじナット27bの周りに形成される貯留空間143の潤滑油142の流れも同様であってよい。ボールねじ軸27aが特許請求の範囲に記載の第1の摩擦部材に相当し、ボールねじナット27bが特許請求の範囲に記載の第2の摩擦部材に相当する。尚、ボールねじ軸27aが第2の摩擦部材に、ボールねじナット27bが第1の摩擦部材に相当してもよい。図5などに示す実施形態において同様である。
例えば、前方サポート32には供給ポートが配設され、プレッシャプレート35には排出ポートが配設される。ここでは、前方サポート32が特許請求の範囲に記載の第1の取付部材に相当し、プレッシャプレート35が特許請求の範囲に記載の第2の取付部材に相当する。尚、前方サポート32が第2の取付部材に、プレッシャプレート35が第1の取付部材に相当してもよい。図5などに示す実施形態において同様である。
前方サポート32の供給ポートから供給された潤滑油142は、貯留空間143を通り、プレッシャプレート35の排出ポートから排出されてよい。潤滑油142が外部に持ち出す熱量が多く、冷却効率が良い。潤滑油142は、ボールねじ機構27を潤滑した後、軸部28の軸受136、137を潤滑してよい。
尚、ボールねじ機構27と軸受136、137の配置が逆の場合、供給ポートと排出ポートの配置も逆であってよい。つまり、ボールねじナット27bがプレッシャプレート35に取り付けられ、軸受136、137が前方サポート32に保持される場合、プレッシャプレート35に供給ポートが配設され、前方サポート32に排出ポートが配設されてよい。潤滑油142は、ボールねじ機構27を潤滑した後、軸受136、137を潤滑する。
尚、潤滑油142は、軸受136、137を潤滑した後、ボールねじ機構27を潤滑してもよい。供給ポートおよび排出ポートの配置は、摩擦部材の種類、軸受の種類に応じて適宜設定されてよい。
以上、射出成形機の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
例えば、上記実施形態の射出成形機10は、スクリュ・インライン式であるが、スクリュ・プリプラ式でもよい。スクリュ・プリプラ式では、可塑化シリンダ内で溶融させた成形材料を射出シリンダに供給し、射出シリンダから金型装置87内に成形材料を射出する。可塑化シリンダと射出シリンダとが別に設けられるため、可塑化シリンダ内に配設されるスクリュは充填工程や保圧工程で回転駆動させることが可能である。
また、上記実施形態の伸縮部材41、41A、141は、テレスコピック型であるが、伸縮するものであればよく、例えば蛇腹型でもよい。
また、上記実施形態では、射出モータ16の回転運動を直線運動に変換するボールねじ機構27の周りに潤滑油を溜める貯留空間を形成するが、型締めモータ96の回転運動を直線運動に変換するボールねじ機構97の周りに潤滑油を溜める貯留空間を形成してもよい。この場合、伸縮部材の一端部はトグルサポート83に取り付けられ、伸縮部材の他端部はクロスヘッド91に取り付けられる。
また、上記実施形態では、ボールねじ軸27aとボールねじナット27bとの間を潤滑するが、ボールを介さずに螺合するねじ軸とナットとの間を潤滑してもよい。