JP2003211446A - アクリル樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

アクリル樹脂フィルムの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、印刷性に優れるアクリル樹脂フ
ィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 水平に設置された濾材が、該濾材の表面
を基準として水平方向の円運動、及び垂直方向の振幅運
動する濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラテックス中に
含まれる凝集物を除去した後、該アクリル樹脂ラテック
スを凝析して得られるアクリル樹脂をフィルム状に成形
する、本発明のアクリル樹脂フィルムの製造方法によれ
ば、透明性、表面光沢、および印刷性に優れたアクリル
樹脂フィルムを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂フィ
ルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、乳化重合により得られるポリ
ブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体ラテックス、アクリル酸エステル含有アクリル
ゴムラテックスなどは、硬質樹脂の衝撃強度向上のため
のゴム成分、あるいは、紙塗工用のバインダーとして用
いられている。これらのラテックスは、主に粒子径が
0.03〜1μmの粒子からなるものであるが、重合時
における微細凝集物の発生などにより、粒子径が1〜2
00μmの範囲に分布する巨大なポリマー粒子をも含有
している。この1〜200μmの巨大なポリマー粒子
は、得られる乳化ラテックス、あるいは回収されたポリ
マーの品質に悪影響をもたらすものである。例えば、紙
塗工の分野では、紙塗工時の機械汚れ(ストリークトラ
ブル等)や、塗工紙の強度の低下を起こし、また成形板
やフィルムでは、ブツやフィッシュアイの原因となりう
る。
【0003】一般的に、このようなカレットを含むもの
は固液分離法により濾過される。この固液分離法として
は、重力濾過法、真空濾過法、遠心分離法、および加圧
濾過法等により機械的に分離する方法が挙げられる。し
かしながら、重力濾過法は重力を利用して濾過するた
め、濾過速度が非常に遅く、生産性が良くないという欠
点がある。また、真空濾過法は、工業的に広く利用され
ており、連続操作に適した方法であるが、真空源を必要
とし、真空中で濾過するためにラテックスの被膜が濾材
上に形成されやすく、カレットの発生原因となる恐れが
ある。また、遠心分離法は、比重差を利用して分離する
方法であるが、カレットとポリマーの比重差が少ないた
め精度よく分離することは困難であり、分離機能を増す
ために分離板等を使用すれば、流路にカレットが閉塞し
て連続操作が不可能になりやすい。また、加圧濾過法で
は、濾材に捕捉されたカレットを逆方向から洗浄水を吹
き付けて除去し、これを系外に排出する必要があるが、
カレットは加圧されるときに変形しやすい性質を有して
いるため、濾材の目詰まりを起こしやすい。その結果、
ラテックスの濾過能力の低下を招き、更には濾材の損傷
および液漏れを引き起こすなどの問題点があった。
【0004】また、ラテックス中に含まれる凝集物およ
び浮遊物を除去する別の方法としては、塩素を含有する
溶剤を共重合体に対して1〜100質量%添加し、十分
な撹拌操作により、溶剤でラテックス中のポリマーを膨
潤せしめた後、遠心分離機によって処理し、その後、溶
剤を回収除去する方法が特公昭56−5768号公報で
開示されている。しかしながら、この方法では、塩素を
含有する溶剤が必要である上、その溶剤を回収除去しな
ければならないという問題があった。
【0005】一方、特公昭46−32058号公報、特
公平3−65820号公報では、ケイソウ土を用いて濾
過する方法が提案されている。しかしながら、これらの
方法では、濾過によりケイソウ土の層にラテックスの一
部が取り込まれ、濾過後はこのケイソウ土が残り、これ
らは利用価値がないため産業廃棄物となってしまう。ま
た、上記方法は製品の収率にも問題があった。
【0006】また、特開平9−263614号公報に
は、直径80μm以上の異物数が1m 2当たり1個以下
の良好な印刷性を有するアクリル樹脂フィルム、および
その製造方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載のフィルム用原料の製造方法であるアクリル重合
体ラテックスの濾過処理に用いる濾過装置、あるいは濾
過条件について具体的な記載がなく、例えば、乳化ラテ
ックスを平型のプラスチック製メッシュ等を有した濾過
装置で濾過した場合、短時間で目詰まりが生じ、濾過性
が悪くなるという問題点があり、工業的に実用化が困難
であった。一方、濾材上に堆積した凝集物を効率的に除
去することのできる重合体ラテックス用濾過装置が、特
開平9−194529号公報に記載されている。しかし
ながら、該公報には、印刷性に優れたフィルムを得るこ
とを目的としたラテックス濾過装置の利用方法、あるい
は印刷フィルムに発生する印刷抜けの要因の特定や、こ
れを抑制するための原料重合体ラテックスの改良方法に
ついては全く言及されていない。
【0008】また、特開平11−228710号公報に
は、フィルム表面に高さ5μm以上の凹凸のないアクリ
ル樹脂フィルムが記載されている。該公報には、高さ5
μm以上の凹凸のないアクリル樹脂フィルムを得る方法
として、アクリル樹脂ラテックスを目開き50μmのフ
ィルターで濾過することは言及されているが、具体的な
濾過方法、濾過装置等については全く記載されておら
ず、特に工業的に連続濾過によりラテックス中の異物を
除去する、フィルム原料用アクリル樹脂の製造法に関し
ては全く示唆していない。また、押出機に25〜50μ
mのフィルターを設け、溶融押出する方法が記載されて
いるが、この方法でアクリル樹脂フィルムを連続生産し
た場合、フィルターの目詰まりが生じるためアクリル樹
脂が滞留し、フィッシュアイの原因となる熱劣化物が発
生するという問題があった。
【0009】また、フィルム表面を平滑化させる方法と
して、Tダイ法、インフレーション等の溶融押出法やカ
レンダー法等を用いてアクリル樹脂をフィルムに成形す
る際に、鏡面ロールの平滑面を転写させる一方の面の凹
凸をなくすることや、2個の鏡面ロールに挟み込みフィ
ルムの両面の凹凸をなくすることが言及されているが、
鏡面ロールで挟み込む方法では、フィルムの厚みを薄く
する場合など、ロール同士が接触し、ロールに傷が付く
等の問題があるため、薄膜で凹凸のないアクリル樹脂フ
ィルムを製造するのは困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、印刷抜け
の要因が、アクリル樹脂ラテックス中に存在する数十μ
m径のミクロカレットであることを特定し、特定の濾過
装置を用いて処理する際の濾過条件と、濾過処理性、お
よび得られたポリマーを主成分とするアクリル樹脂フィ
ルムの印刷性との関係について鋭意検討したところ、ア
クリル樹脂ラテックスを濾材が該濾材面に対して水平の
円運動および垂直の振幅運動する濾過装置で濾過するこ
とにより目詰まりなく濾過することができ、該ラテック
スを凝析して得られたポリマーをフィルム状に成形した
ものはフィッシュアイが少なく、印刷性に優れることを
見出し本発明に到達した。
【0011】即ち、本発明のアクリル樹脂フィルムの製
造方法は、水平に設置された濾材が、濾材の表面を基準
として水平方向の円運動、及び垂直方向の振幅運動する
濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラテックス中に含まれ
る凝集物を除去した後、アクリル樹脂ラテックスを凝析
して得られるアクリル樹脂をフィルム状に成形すること
を特徴とする。また、上記濾材が円運動、及び振幅運動
することにより、濾材上に残存した凝集物に、50m/
2以上の加速度を与えることが好ましい。また、上記
濾過装置が直径をXとする円形の濾材を有し、濾材によ
る振幅運動の振幅長が、X/60〜X/200であるこ
とが好ましい。また、上記濾材が、線径10〜70μm
のステンレス鋼又はポリエステル製の繊維から形成され
ることが好ましい。また、上記濾材の目の大きさが、1
00〜600メッシュであることが好ましい。また、上
記濾過装置に水洗装置が具備され、水洗装置から0.0
1〜2.0MPaの圧力の水が濾材に対して吹き出すこ
とにより、濾材表面を洗浄することが好ましい。また、
最内重合体(A)、架橋弾性重合体(B)層、最外重合
体(C)層を基本構造とする多層構造重合体を用いたア
クリル樹脂フィルムの製造方法において、最内層重合体
(A)の構成成分として、炭素数1〜8のアルキル基を
有するアルキルアクリレートおよび/または炭素数1〜
4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートおよび
グラフト交叉剤を含有し、架橋弾性重合体(B)層の構
成成分として、炭素数1〜8のアルキル基を有するアル
キルアクリレート、及びグラフト交叉剤を含有し、最外
重合体(C)層の構成成分として、炭素数1〜4のアル
キル基を有するアルキルメタクリレートを含有し、更
に、架橋弾性重合体(B)層と最外重合体(C)層の間
に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリ
レートと、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル
メタクリレートと、グラフト交叉剤を含み、かつアルキ
ルアクリレート成分量が、架橋弾性重合体(B)層から
最外重合体(C)層に向かって単調減少する、中間重合
体(D)層を少なくとも一層有することが好ましい。ま
た、最内重合体(A)の構成成分である、炭素数1〜8
のアルキル基を有するアルキルアクリレート及び/又は
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ
ート、及びグラフト交叉剤を含む単量体混合物を水及び
界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応容器に供給
し重合した後、架橋弾性重合体(B)層、中間重合体
(D)層、最外重合体(C)層を構成する単量体、ある
いは単量体混合物をそれぞれ順に反応容器に供給して、
多層構造重合体を重合することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル樹脂フィルムの
製造方法は、後述する濾過装置、濾過条件によって、ア
クリル樹脂ラテックス中に含まれる凝集物及び浮遊物等
を除去することにより、印刷性に優れたアクリル樹脂フ
ィルムを製造することができる。以下、本発明の製造方
法により得られる多層構造重合体、アクリル樹脂ラテッ
クス、及びアクリル樹脂フィルムについて説明する。
【0013】本発明の製造方法で得られるアクリル樹脂
フィルムの好ましい例としては、アルキルアクリレート
及び/又はアルキルメタクリレートを構成成分とする重
合体をフィルム状に成形したものが挙げられる。また、
上記重合体の好ましい具体例としては、内側から順に、
炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレー
ト及び/又は炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキ
ルメタクリレート、及びグラフト交叉剤を含有する最内
重合体(A)、炭素数1〜8のアルキル基を有するアル
キルアクリレート、及びグラフト交叉剤を含有する架橋
弾性重合体(B)層、炭素数1〜4のアルキル基を有す
るアルキルメタクリレートを含有する最外重合体(C)
層を基本構造として有し、更に架橋弾性重合体(B)層
と最外重合体(C)層の間に、炭素数1〜8のアルキル
基を有するアルキルアクリレートと、炭素数1〜4のア
ルキル基を有するアルキルメタクリレートと、グラフト
交叉剤を含有し、かつアルキルアクリレート成分量が架
橋弾性重合体(B)層から最外重合体(C)層に向かっ
て単調減少する中間重合体(D)層を少なくとも一層有
する多層構造重合体である。
【0014】以下、多層構造重合体の構成について説明
する。上記最内重合体(A)は、炭素数1〜8のアルキ
ル基を有するアルキルアクリレート及び/又は炭素数1
〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート(A
1)と、グラフト交叉剤(A2)を少なくとも含有し、
必要に応じて、共重合可能な二重結合を有する他の単量
体(A3)と、多官能性単量体(A4)を含む重合体で
あって、上記多層構造の中心部分を構成する。
【0015】上記炭素数1〜8のアルキル基を有するア
ルキルアクリレートとしては、直鎖状、分岐状のいずれ
でもよく、その具体例としては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オ
クチルアクリレート等が挙げられる。これらは、単独又
は二種以上を混合して使用できる。
【0016】また、上記炭素数1〜4のアルキル基を有
するアルキルメタクリレートとしては、直鎖状、分岐状
のいずれでもよく、その具体例としては、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらは
単独又は二種以上を混合して使用できる。
【0017】炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキ
ルアクリレート及び/又は炭素数1〜4のアルキル基を
有するアルキルメタクリレート(A1)は、成分(A
1)、(A3)及び(A4)の合計量100質量部に対
し、80〜100質量部の範囲内で用いることが好まし
い。また、最内重合体(A)で用いた種類の成分(A
1)を、その後の全多段層((B)、(C)、(D))
においても統一して用いるのが最も好ましい。ただし、
全多段層の各々において、二種以上のアルキル(メタ)
アクリレートを混合したり、別種のアクリレートを用い
たりしても構わない。なお「(メタ)アクリレート」と
は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリ
レート及び/又は炭素数1〜4のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレートを意味するものとする。
【0018】最内重合体(A)を構成するグラフト交叉
剤(A2)としては、共重合性のα、β−不飽和カルボ
ン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリルまたはクロ
チルエステル等が挙げられる。特に、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸またはフマル酸のアクリルエステ
ルが好ましい。これらの中でも、特にアリルメタクリレ
ートが優れた効果を奏する。また上記以外に、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も有効
である。グラフト交叉剤(A2)は、主としてそのエス
テルの共役不飽和結合が、アリル基、メタリル基または
クロチル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合す
る。この間、アリル基、メタリル基、またはクロチル基
の大部分は、次層重合体の重合中に有効に働き、隣接二
層間にグラフト結合を与える。
【0019】上記グラフト交叉剤(A2)の使用量は極
めて重要であり、成分(A1)、(A3)及び(A4)
の合計量100質量部に対し0.1〜5質量部が好まし
く、0.5〜2質量部がより好ましい。グラフト交叉剤
の使用量が0.1質量部未満の場合、最内重合体(A)
内に形成される有効量のグラフト結合が得られず、逆
に、5質量部を超えると、二段目に重合形成される架橋
弾性重合体(B)との反応量が増し、二層弾性体構造か
らなる二層架橋ゴム弾性体の弾性が低下してしまう。
【0020】上記共重合可能な二重結合を有する他の単
量体(A3)は、必要に応じて用いればよい。その具体
例としては、炭素数9以上のアルキル基を有する高級ア
ルキルアクリレート、低級アルコキシアクリレート、シ
アノエチルアクリレート等のアクリレート単量体、アク
リルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、ア
ルキル置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等が挙げられる。この共重合可能な二重結合を有
する他の単量体(A3)の使用量は、成分(A1)、
(A3)及び(A4)の合計100質量部に対し、0〜
20質量部の範囲内で用いることが好ましい。
【0021】上記多官能性単量体(A4)の具体例とし
ては、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−
ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレ
ングリコールジメタクリレート、プロピレングリコール
ジメタクリレート等のアルキレングリコールジメタクリ
レートを用いることが好ましい。また、ジビニルベンゼ
ン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼンなども
使用可能である。ただし、多官能性単量体(A4)が全
く作用しない場合でも、グラフト交叉剤(A2)が存在
する限り、安定な多層構造重合体を与えるため、必要に
応じて使用することができる。例えば、熱間強度等が厳
しく要求されたりする場合など、その添加目的に応じて
任意に用いればよい。多官能性単量体(A4)の使用量
は、成分(A1)、(A3)及び(A4)の合計100
質量部に対し、0〜10質量部の範囲内で用いることが
好ましい。
【0022】上述した構成を有する最内重合体(A)
は、多層構造重合体中の5〜35質量%含有されている
ことが好ましく、より好ましくは5〜15質量%であ
る。また、後述する架橋弾性重合体(B)層の含有量よ
りも少ないほうが好ましい。
【0023】上記架橋弾性重合体(B)層は、多層構造
重合体にゴム弾性を与える主要な成分であり、炭素数1
〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート(B
1)と、グラフト交叉剤(B2)を少なくとも含有し、
必要に応じて、共重合可能な二重結合を有する他の単量
体(B3)と、多官能性単量体(B4)とを含有する架
橋弾性重合体である。上記成分(B1)〜(B4)の好
ましい具体例は、最内重合体(A)を構成するそれぞれ
の成分(A1)〜(A4)で挙げたものと同様のものが
適用される。
【0024】上記炭素数1〜8のアルキル基を有するア
ルキルアクリレート(B1)の使用量は、80〜100
質量部が好ましい。また、上記グラフト交叉剤(B2)
の使用量は、0.1〜5質量部が好ましい。また、上記
共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B3)の使
用量は、0〜20質量部が好ましい。また、上記多官能
性単量体(B4)の使用量は、0〜10質量部が好まし
い。なお、これら使用量の範囲は、成分(B1)、(B
3)及び(B4)の合計100質量部を基準とする。
【0025】架橋弾性重合体(B)単独のTgは、0℃
以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。Tgが
0℃以下であると、優れた弾性を示す傾向があるためで
ある。また、多層構造重合体中の架橋弾性重合体(B)
の含有量は、10〜45質量%が好ましく、最内重合体
(A)の含有量よりも多いことが好ましい。
【0026】上記最外重合体(C)層は、多層構造重合
体の成形性、機械的性質等に関与する成分であり、炭素
数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
(C1)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合
を有する他の単量体(C3)とを構成成分として含有
し、多層構造重合体の最外層を構成する。
【0027】上記炭素数1〜4のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレート(C1)及び共重合可能な二重結
合を有する他の単量体(C3)の好ましい具体例は、そ
れぞれ最内重合体(A)の成分炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルメタクリレート、共重合可能な二重
結合を有する他の単量体(A3)で挙げたものと同様の
ものが適用される。また、上記炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルメタクリレート(C1)の使用量
は、51〜100質量部が好ましい。また、上記共重合
可能な二重結合を有する他の単量体(C3)の使用量
は、0〜49質量部が好ましい。これら使用量の範囲
は、成分(C1)及び成分(C3)の合計100質量部
を基準とする。
【0028】最外重合体(C)単独のTgは、60℃以
上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、多層
構造重合体中の最外層重合体(C)の含有量は、10〜
80質量%が好ましく、より好ましくは40〜60質量
%である。
【0029】本発明のアクリル樹脂フィルムの製造に適
用される多層構造重合体としては、上記最内層重合体
(A)、架橋弾性重合体(B)層、最外層重合体(C)
層を基本構造として有し、更に架橋弾性重合体(B)層
と最外重合体(C)層の間に、中間重合体(D)層を少
なくとも一層設けることが好ましい。上記中間重合体
(D)層は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキ
ルアクリレート及び炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレート(D1)と、グラフト交叉剤
(D2)と、必要に応じて、共重合可能な二重結合を有
する他の単量体(D3)と多官能性単量体(D4)とを
重合体の構成成分とし、かつ成分(D1)中のアルキル
アクリレート成分量が、架橋弾性重合体(B)層から最
外層重合体(C)層に向かって単調減少する。ここで単
調減少するとは、中間重合体 (D)層が架橋弾性重合
体 (B)層と最外重合体 (C)層の中間のある一点の
組成を有するもの、架橋弾性重合体 (B)層から最外
重合体 (C)層に組成が連続的に近づくもの、及び組
成が段階的に近づくことをいい、特に、中間のある1点
の組成を有するものが生産性の点でよい。
【0030】上記成分(D1)〜(D4)の好ましい具
体例は、それぞれ最内重合体(A)の成分(A1)〜
(A4)で挙げたものと同様のもが適用される。特に、
中間重合体(D)層に用いるグラフト交叉剤(D2)
は、各重合体層を密に結合させ、優れた諸性質を得る為
に必要な成分である。また、炭素数1〜8のアルキル基
を有するアルキルアクリレート、及び炭素数1〜4のア
ルキル基を有するアルキルメタクリレート(D1)の使
用量は、10〜90質量部が好ましい。また、グラフト
交叉剤(D2)の使用量は、0.1〜5質量部が好まし
い。また、上記共重合可能な二重結合を有する他の単量
体(D3)の使用量は、0〜20質量部が好ましい。ま
た、上記多官能性単量体(D4)の使用量は、0〜10
質量部が好ましい。これら使用量の範囲は、成分(D
1)〜(D4)の合計100質量部を基準とする。
【0031】上述した構成を有する中間重合体(D)層
は、多層構造重合体中5〜35質量%含有されているこ
とが好ましい。中間重合体(D)層は、その含有量が5
質量%以上35質量%以下であれば、優れた柔軟性、加
工性を有するアクリル樹脂フィルムを得ることができ
る。
【0032】上述した構成要素から構成される多層構造
重合体の平均粒子径としては、これを主成分とするアク
リル樹脂フィルムの機械特性、透明性を考慮すると、
0.08〜0.2μmであることが好ましい。また、上
記多層構造重合体を主成分とするフィルム組成物は、そ
の熱変形温度(ASTM D648に基づく測定)が7
0℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃
以上である。アクリル樹脂フィルムを表面に有する積層
体を製造する際、熱変形温度が70℃未満であると、加
熱後、表面荒れが発生しやすくなる。また、熱変形温度
が80℃以上であれば、表面をエンボス加工等により粗
面化処理した積層体を熱加工する際に、エンボス面の艶
戻りによる意匠性低下を抑制することができる。
【0033】以下、ASTM D648に基づく熱変形
温度の測定方法を説明する。半径3.175mm以上の
接触端を有する金属製支持具上に、127×12.7×
(3.18〜12.7)mmの試験片を水平に置き、室
温の液浴につける。4.64kg/cm2±2.5%の
ファイバーストレスが作用するように中央部に垂直に5
分間荷重をかけ、0点を記録して液温を2±0.2℃/
minで上昇させ、0.254mmのたわみを生ずる温
度を4.64kg/cm2± 2.5%におけるたわみ
温度が熱変形温度である。
【0034】このような多層構造重合体は、これを原料
として製造されるアクリル樹脂フィルムの耐侯性、透明
性及び耐ストレス白化性において非常に優れているた
め、アクリル樹脂フィルムの製造に好適に用いられる。
【0035】上記多層構造重合体を原料として製造され
るアクリル樹脂フィルムの厚みは、特に限定されるもの
ではないが、好ましくは10〜500μmであり、より
好ましくは15〜200μmであり、更に好ましくは4
0〜200μmである。10〜500μmであると、適
度な剛性、ラミネート性、二次加工性等が良好になる。
【0036】次に、本発明で用いられる濾過装置につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は濾過装置の模
式図である。上記濾過装置は円形構造を基本とし、濾材
3と、ボトムボウル5とを備えた装置本体と、装置本体
の下方に設けられた振動モーター7と、振動モーター7
の下部に設けられたフライウエイト1とから概略構成さ
れている。また、濾材3の上部外周の一部には排出口が
設けられ、ボトムボウル5の上部外周の一部にはラテッ
クス排出口6が設けられている。更に、濾材3の上方に
は、ラテックス供給管2が、その吐出口2aが濾材3の
中央部に位置するように設けられている。なお、装置本
体はスプリング8により取り付けられている。
【0037】濾過前のアクリル樹脂ラテックスは、制御
弁、流量制御装置(図示略)によって適当な流量に調整
され、ラテックス供給管2の端部にある吐出口2aか
ら、濾材3のほぼ中央に供給され濾過される。濾材3を
透過したアクリル樹脂ラテックスは、ボトムボウル5に
受けられ、ラテックス排出口6から濾過装置外に排出さ
れ回収される。この際、上記フライウエイト1を適度に
調整することによって、濾材3が濾材3面に対して水平
方向の円運動、及び垂直方向の振幅運動をする。一方、
濾材3上に残った凝縮物や浮遊物等は、後述する濾材3
による円運動及び振幅運動により、濾材3上をらせん状
に移動して、連続的に排出口4から排出される。
【0038】本発明で用いられる濾過装置は、濾材3が
該濾材面に対して、水平方向の円運動、及び垂直方向の
振幅運動をするものであり、濾材3の円運動及び振幅運
動により、濾材3上に残った凝集物に50m/s2以上
の加速度を与えることができる。濾材3上に残った凝集
物にかかる加速度を50m/s2以上にすることで、凝
集物を円滑に排出することができる。逆に、加速度が5
0m/s2未満の場合は、濾材3上に残った凝集物等の
排出が困難になり、目詰まりを起こしやすくなる傾向が
ある。また、濾材3上に残った凝集物にかかる加速度は
下記の計算式で与えられる。
【0039】
【数1】 K;最大加速度(m/s2)、r;スクリーン振幅
(m)、ω;角速度(rad/sec) N;モーター回転数(rpm) 例えば、スクリーン振幅3.5mm、モーター回転数18
00rpmの場合 K= 3.5×10-3×(2π × 1800/60)2 =
124m/s2 となる。
【0040】また、上記濾過装置は、直径をXとする円
形の濾材3を有し、この濾材3面に対する垂直方向の振
幅長がX/60〜X/200であることが望ましい。垂
直方向の振幅長がX/200未満の場合は、濾材3上に
残った凝集物の排出がされにくく、目詰まりを起こしや
すくなる傾向にある。また、振幅がX/60より大きい
と濾材3に対する負荷が大きく、耐久性が短くなりやす
い。
【0041】濾材3は、ステンレス鋼、あるいはポリエ
ステル製の繊維で形成されていることが好ましく、特に
ステンレス鋼が好ましい。それは、上述した水洗装置に
よる濾材3の洗浄において、ステンレス鋼材では比較的
水圧を高くでき、目詰まりの防止効果を上げることがで
きるためである。また、濾材3の線径は10〜70μm
であることが好ましい。線径が10μmより小さい場合
は、濾材3の強度が弱いため破れを起こしやすい。一
方、70μmより太いと、開口度が小さくなり濾過面積
が狭くなるため、濾過効率が悪くなる傾向を示すためで
ある。
【0042】上記濾材3は、その目の大きさが100か
ら600メッシュであることが好ましく、より好ましく
は150〜400メッシュである。目の大きさが100
メッシュより大きい場合は、乳化ラテックス中に含まれ
る凝集物及び浮遊物等の固形物が、濾過したアクリル樹
脂ラテックス中に混入しやすくなるため、このアクリル
樹脂ラテックスから得たポリマーを用いた樹脂成型板や
フィルムに、ブツやフィッシュアイが発生しやすくなる
傾向にある。一方、目の大きさが600メッシュを超え
た範囲では、濾材3の目詰まりが起こりやすくなる傾向
にある。
【0043】また、本発明で用いられる濾過装置は、図
2に示すように、水流により濾材3の表面を洗浄できる
水洗装置10が付設されていることが望ましい。また、
この濾過装置は、上述した濾過装置と基本的な構造は同
じであるため、水洗装置のみについて説明する。上記水
洗装置の一例としては、濾材3を洗浄する水(洗浄水)
を濾材3に対して吹きつけるノズル11と、このノズル
11が設けられている円形導水管17と、水洗装置を固
定するための接合部18と、円形導水管17と接合部1
8を連結している連結部19と、水洗装置外部から水を
導入する導水管20とから概略構成された水洗装置を用
いることができる。上記水洗装置は、装置外部から導水
管20に導入された水が、接合部18内に設けられた導
管(図示略)を通って、連結部19内に設けられた導管
(図示略)を通り、更に円形導水管17内に供給され、
ノズル11から濾材3に吹き付けられるようになってい
る。
【0044】上記ノズル11から噴射される水は、0.
01〜2.0MPaの圧力で濾材3に対して吹き出さ
れ、これにより濾材3の細部にある異物が除かれ、安定
的に目詰まりを防止できる。ノズル11から噴射される
水の圧力が0.01MPa未満の場合、圧力が低く、目
詰まりの防止効果が少ない。また、2.0MPaを超え
ると、濾材3の耐久性を損なう恐れがあるため好ましく
ない。
【0045】このような濾過装置を用いて濾過を行うこ
とにより、濾材3上に残った凝集物等の除去作業の必要
がなくなり、濾材3が破損して交換する頻度を少なくす
ることができるため、多層構造重合体を含有するアクリ
ル樹脂ラテックスの濾過を連続的に行うことが可能とな
る。また、上記の水洗装置により、濾材3の微細な網目
構造の目の中に残留した凝集物が除去されるため、安定
に濾材3の目詰まりを防止することができる。また、水
洗装置から濾材3に対して水を吹き付ける間、濾材3を
円運動及び振幅運動させておけば、濾材3の全面にまん
べんなく水を吹き付けることができるので、洗浄効果が
向上する。
【0046】以下、本発明のアクリル樹脂フィルムの製
造方法について説明する。本発明のアクリル樹脂フィル
ムの製造方法は、まず多層構造重合体を含有するアクリ
ル樹脂ラテックスを製造し、これを上述した濾過装置を
用いて濾過後、その濾液を凝析して多層構造重合体を回
収して、これをフィルム状に成形する。
【0047】多層構造重合体を含有するアクリル樹脂ラ
テックスの製造方法としては、例えば、多層構造重合体
の中心部分となる最内重合体(A)を与える炭素数1〜
8のアルキル基を有するアルキルアクリレート及び/又
は炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリ
レート(A1)、及びグラフト交叉剤(A2)を少なく
とも含む単量体混合物を供給し、重合した後、架橋弾性
重合体(B)層、中間重合体(D)層、及び最外重合体
(C)層を与える単量体、あるいは単量体混合物をそれ
ぞれ順に反応容器に供給し、多層構造重合体を重合し
て、アクリル樹脂ラテックスを得る方法がある。また、
多層構造重合体の中心部分となる最内重合体(A)を与
える炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリ
レート及び/又は炭素数1〜4のアルキル基を有するア
ルキルメタクリレート(A1)、及びグラフト交叉剤
(A2)を少なくとも含む単量体混合物を水および界面
活性剤と混合して、乳化液を調製し、該乳化液を反応容
器に供給し、重合した後、架橋弾性重合体(B)層、中
間重合体(D)層、及び最外重合体(C)層を与える単
量体、あるいは単量体混合物をそれぞれ順に反応容器に
供給し、多層構造重合体を重合して、アクリル樹脂ラテ
ックスを得る方法がある。
【0048】上記乳化液を調製する方法としては、攪拌
翼を備えた攪拌機、ホモジナイザー、ホモミキサー等の
各種強制乳化装置、膜乳化装置等の混合装置に、水と単
量体混合物を仕込んだ後、界面活性剤を投入する方法、
混合装置に水と界面活性剤を仕込んだ後、単量体混合物
を投入する方法、混合装置に単量体混合物と界面活性剤
を仕込んだ後、水を投入する方法等が挙げられる。これ
らのうち、水中に単量体混合物を仕込んだ後、界面活性
剤を投入する方法、及び水中に界面活性剤を仕込んだ
後、単量体混合物を投入する方法が、上述した多層構造
重合体を得る方法として好適である。
【0049】乳化液を調製する際の単量体混合物と水と
の質量比としては、単量体混合物100部に対し水10
〜500部が好ましく、より好ましくは、単量体混合物
100部に対し水100〜300部である。
【0050】乳化液の調製に使用される界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性
剤が使用できるが、特にアニオン系の界面活性剤が好ま
しい。アニオン系界面活性剤としては、ロジン酸石鹸、
オレイン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ミリス
チン酸ナトリウム、N−ラウロイルザルコシン酸ナトリ
ウム、アルケニルコハク酸ジカリウム系等のカルボン酸
塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ヂオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジス
ルホン酸ナトリウム系等のスルホン酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム系等
のリン酸エステル塩等が挙げられる。
【0051】また、乳化液は、W/O型、O/W型のい
ずれの分散構造でも使用することができるが、特に水中
に単量体混合物の油滴が分散したO/W型で、分散相の
油滴の直径が100μm以下であることが好ましく、さ
らに好ましくは50μm以下、さらに好ましくは15μ
m以下である。分散相の油滴の直径が100μmを超え
ると、得られるアクリル樹脂ラテックス中に含まれる1
〜200μmの範囲に分布する巨大なポリマー粒子の数
が増える傾向にあるため好ましくない。
【0052】このようにして調製された乳化液を用い
て、多層構造重合体を含有するアクリル樹脂ラテックス
を製造するには、例えば、反応容器に重合開始剤を投入
して、重合温度まで昇温した後、最内重合体(A)を形
成する乳化液を供給して重合する。次いで、過酸化物等
の重合開始剤を含む架橋弾性重合体(B)層、中間重合
体(D)層および最外重合体(C)層を与える単量体、
あるいは単量体混合物を順次、反応容器に供給して、多
層構造重合体を含有するアクリル樹脂ラテックスを製造
することができる。
【0053】上記重合開始剤としては、公知のものが使
用できるが、その具体例としては、過酸化物、アゾ系開
始剤、又は酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系
開始剤が挙げられる。また、これらの中でもレドックス
系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオ
キサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤が好
ましい。
【0054】以上説明したように、最内重合体(A)を
形成する上記乳化液を反応容器に供給し重合した後、架
橋弾性重合体(B)、中間重合体(D)層、最外重合体
(C)層を構成する単量体、あるいは単量体混合物をそ
れぞれ順に反応容器に供給して、多層構造重合体を重合
する方法では、アクリル樹脂ラテックス中に存在する1
〜200μmの範囲に分布する巨大ポリマー粒子を低減
することができるため、印刷性に優れたアクリル樹脂フ
ィルムを製造することができる。
【0055】このようにして得られた多層構造重合体を
含有するアクリル樹脂ラテックスは、上述した濾過装置
によって、その中に含まれる凝集物や浮遊物が除去され
る。以下、図1を用いて、アクリル樹脂ラテックスの濾
過方法について説明する。例えば、送液ポンプ(図示
略)などで、多層構造重合体を含有するアクリル樹脂ラ
テックスをラテックス供給管2に送り、その吐出口2a
から濾材3上に供給する。この際、流量制御装置や制御
弁(図示略)によって、アクリル樹脂ラテックスの流量
を適当に調整することができる。そして、濾材3を透過
した濾液、即ち凝集物や浮遊物が除去されたアクリル樹
脂ラテックスを、ボトムボウル5により回収することが
できる。
【0056】濾過条件としては、流速0.1〜20m3
/Hとし、濾材3による円運動及び振幅運動をアクリル
樹脂ラテックスに与える加速度が50m/s2以上にな
るように設定することが好ましい。また、濾材3面に対
する垂直方向の振幅長の好ましい範囲は、X/60〜X
/200(Xは、濾材3の直径を示す)であり、水平方
向の円運動の好ましい回転数の範囲は、60×(50/
(X/60))1/2/2πrpm以上である。このよう
に濾過処理を行うことによって、短時間での目詰まりを
防止でき、濾過性を損なうことなく、アクリル樹脂フィ
ルムの品質に悪影響を及ぼす巨大ポリマー等を除去する
ことができるので、フィッシュアイ等を低減し、印刷性
に優れたアクリル樹脂フィルムを製造することができ
る。
【0057】上記のように濾過処理を施したアクリル樹
脂ラテックス中から多層構造重合体を回収する方法とし
ては、特に限定されないが、塩析、酸析凝固、噴霧乾
燥、又は凍結乾燥等が挙げられ、これらの方法により、
多層構造重合体は粉状で回収される。
【0058】上記多層構造重合体からアクリル樹脂フィ
ルムを成形する方法としては、特に限定されるものでは
ないが、公知の溶液流延法、Tダイ法、インフレーショ
ン法等の溶融押出法等が挙げられ、これらの中でも、T
ダイ法が経済性の点で最も好ましい。
【0059】上記のようにして製造されるアクリル樹脂
フィルムには、必要に応じて、一般の配合剤を添加する
ことができる。上記配合剤としては、例えば、安定剤、
滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填
剤、抗菌剤、防カビ剤、発泡剤、離型剤、帯電防止剤、
着色剤、艶消剤、紫外線吸収剤等を挙げることができ
る。特に基材の保護の点では、耐候性を付与するため
に、紫外線吸収剤を添加することが好ましい。
【0060】紫外線吸収剤を添加する場合は、その分子
量は300以上であることが好ましく、特に好ましくは
400以上である。分子量が300より小さな紫外線吸
収剤を使用すると、フィルムを製造する際に転写ロール
等に揮発し、ロール汚れを発生させることがある。ま
た、紫外線吸収剤の種類は、特に限定されないが、分子
量400以上のベンゾトリアゾール系または分子量40
0以上のトリアジン系のものが特に好ましく使用でき、
前者の具体例としては、商品名チヌビン234(チバガ
イギー社製)、商品名アデカスタブLA−31(旭電化
工業社製)、後者の具体例としては、商品名チヌビン1
577(チバガイギー社製)等が挙げられる。
【0061】配合剤の添加方法としては、多層構造重合
体を用いてフィルムを製膜するための製膜機に、多層構
造重合体とともに供給する方法と、予め多層構造重合体
に配合剤を添加した混合物を各種混練機にて混練混合す
る方法がある。後者の方法に使用する混練機としては、
通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリミキサー、ロ
ール混練機等が挙げられる。
【0062】本発明の製造方法によれば、フィッシュア
イが少ないアクリル樹脂フィルムを製造することが可能
ため、特に印刷抜けが発生し易い印圧の低い淡色の木目
柄やメタリック調、漆黒調等の全面(ベタ塗り)のグラ
ビア印刷を施した場合でも、印刷抜けが少なく、従来知
られている多層構造重合体を原料として使用したアクリ
ル樹脂フィルムでは決して得られない高いレベルの印刷
性を有する。一般に、グラビア印刷を施した時の印刷抜
けの数が20個/m2以下の場合は、意匠性の観点より各
種工業用途への使用が可能となるが、特に高いレベルの
意匠性が必要となる車両内装用表皮用途等では、印刷抜
けの数が1個/m2以下であることが印刷フィルムに求め
られる。本発明の製造方法によれば、印刷抜けの発生し
やすい全面(ベタ刷り)印刷等の条件でも、印刷抜けの
数が1個/m2以下のアクリル樹脂フィルムが得られるた
め、高いレベルの意匠性付与が可能であり、工業的利用
価値が極めて高い。
【0063】本発明の製造方法によって得られるアクリ
ル樹脂フィルムには、各種基材に意匠性を付与するため
に、必要に応じて適当な印刷法により印刷を施し使用す
ることできる。この場合、アクリル樹脂フィルムに片側
印刷処理を施したものを用いることが好ましく、印刷面
を基材樹脂との接着面に配する裏面印刷が、印刷面の保
護や高級感の付与の点から好ましい。また、基材の色調
を生かし、透明な塗装の代替として用いる場合には、透
明のまま使用することができる。特に、このように基材
の色調を生かす用途に対し、アクリル樹脂フィルムは、
ポリ塩化ビニルフィルムやポリエステルフィルムに比
べ、透明性、深み感や高級感の点で優れている。
【0064】また、本発明の製造方法で得られたアクリ
ル樹脂フィルムは、基材に積層することもできる。積層
する基材としては、各種樹脂成形品、木工製品および金
属成形品が挙げられる。また、樹脂成形品のうち、本発
明のアクリル樹脂フィルムと溶融接着可能な熱可塑性樹
脂成形品としては、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル系樹脂、あるいはこれらを主成
分とする樹脂が挙げられるが、接着性の点でABS樹
脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂
あるいはこれらの樹脂を主成分とする樹脂が好ましい。
ただし、ポリオレフィン樹脂等の熱融着しない基材樹脂
でも接着性の層を用いることでアクリル樹脂フィルムと
基材を接着させることは可能である。
【0065】本発明のアクリル樹脂フィルムを表面に有
する積層体の製造において、2次元形状の積層体に成形
する場合は、熱融着できる基材に対しては熱ラミネーシ
ョン等の公知の方法を用いることができる。また、熱融
着しない基材に対しては、接着剤を介して貼り合わせる
ことが可能である。
【0066】また、3次元形状の積層体に成形する場合
は、予め形状加工したアクリル樹脂フィルムを射出成形
用金型に挿入するインサート成形法や、金型内で真空成
形後、射出成形を行うインモールド成形法等の公知の成
形方法を用いることができる。インモールド成形法は、
フィルムを加熱した後、真空引き機能を持つ型内で真空
成形を行う。この方法によると、フィルムの成形と射出
成形を一工程で行えるため、作業性、経済性の点から好
ましい。加熱温度としては、アクリル樹脂フィルムが軟
化する温度以上、通常70℃以上であることが望まし
い。これはアクリル樹脂フィルムの熱的性質、あるいは
成形品の形状に左右される。また、あまり温度が高いと
表面外観が悪化したり、離型性が悪くなる。これもフィ
ルムの熱的性質、あるいは成形品の形状に左右される
が、通常170℃以下であることが好ましい。インモー
ルド成形法は、このように真空成形で三次元形状を付与
した後、射出成形により、アクリル樹脂フィルムと基材
樹脂を溶融一体化させることで、表層にアクリル樹脂フ
ィルム層を有するアクリル積層成形品を得ることができ
る。
【0067】また、本発明の製造方法で得られるアクリ
ル樹脂フィルムは、必要に応じて、各種機能付与のため
の表面処理を施すことができる。機能付与のための表面
処理としては、シルク印刷、インクジェットプリント等
の印刷処理、金属調付与あるいは反射防止のための金属
蒸着、スパッタリング、湿式メッキ処理、表面硬度向上
のための表面硬化処理、汚れ防止のための撥水化処理あ
るいは光触媒層形成処理、塵付着防止、あるいは電磁波
カットを目的とした帯電防止処理、反射防止層形成、防
眩処理等が挙げられる。
【0068】また、本発明の製造方法で得られるアクリ
ル樹脂フィルムの別の用途として、液晶ディスプレイ等
の偏光板に使用される偏光膜保護フィルム、あるいは視
野角補償、位相差補償のための位相差板に使用される位
相差フィルムがある。これら偏光膜保護フィルム、及び
位相差フィルムにおいては、光学的な均一性、透明性と
同時に光学的欠陥となるフィッシュアイ由来の光学歪が
ないことが必要であり、本発明の製造方法で得られるア
クリル樹脂フィルムは、従来にない高いレベルの低フィ
ッシュアイ数を生かし、上記光学用フィルムへの使用が
可能となる。
【0069】また、本発明の製造方法により得られるア
クリル樹脂フィルムを表面に有する積層体の別の工業的
利用分野として、道路標識、表示板あるいは視認性を目
的とした安全器具に使用される高輝度反射材がある。高
輝度反射材の種類としては、アルミニウム蒸着を施した
ガラスビーズを基材に埋め込んだカプセル型反射材、プ
リズム加工した樹脂シートを反射体として使用したプリ
ズム型反射材等があり、いずれのタイプにおいても、上
述した多層構造重合体を使用したアクリル樹脂フィルム
は、反射材の表面に積層して使用する保護フィルムとし
て好適に用いることができる。即ち、本発明の製造方法
で得られるアクリル樹脂フィルムを表面に有する高輝度
反射材は、フィッシュアイに由来する高輝度反射材の視
認性の低下が少ないため、高輝度反射材の保護フィルム
として工業的利用価値が極めて高い。
【0070】
【実施例】実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
尚、実施例、及び比較例中の「部」は「質量部」を
「%」は「質量%」をそれぞれ表す。また、略号は以下
の通りである。MMAはメチルメタクリレート、BAは
ブチルアクリレート、AMAはアリルメタクリレート、
1.3BDは1.3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、tBHはt−ブチルハイドロパーオキサイド、C
HPはクメンハイドロパーオキサイド、nOMはn−オ
クチルメルカプタンを示す。 乳化剤(1):モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル)リン酸40%とジ(ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル)リン酸60%混合物の水酸化ナ
トリウム部分中和物(商品名「フォスファノールLO5
29」、東邦化学(株)製)。
【0071】後述する実施例、比較例で得られた多層構
造重合体、アクリル樹脂ラテックス、及びアクリル樹脂
フィルムについて、以下の試験法により諸物性を評価し
た。 (1) 固形分濃度の測定 アクリル樹脂ラテックス中の固形分は、アクリル樹脂ラ
テックス30mlをギアオーブン(300℃)で30分
間乾燥させて、固形分を測定して求めた。
【0072】(2) 平均粒子径の測定 多層構造重合体の平均粒子径は、吸光度法により求め
た。 (3)凝集物量の測定 ラテックス中の凝集物量は、ラテックス100mlを3
30メッシュのナイロンフィルターで濾過し、濾材上に
残った濾過物の質量を測定することで求めた。
【0073】(4)濾過状況 濾過を12時間連続して実施し、運転安定性から判断し
た。 ◎:濾材の状態が、濾過開始直後と変化なく、極めて良
好 ○:濾材上に若干泡があるが濾過性に変化無く良好 ×:濾過不能
【0074】(5)乳化液中の分散相の数平均粒子径測
定 ガラス板上に乳化液を1滴滴下し、光学顕微鏡にて乳化
液中の分散相20個の直径を計測し、これらの平均値よ
り平均粒子径を求めた。
【0075】(6)多層構造重合体のゲル含有率 秤量した多層構造重合体をアセトン溶媒中還流下で抽出
処理、この処理液を遠心分離により分別、固形分を乾燥
後、質量測定(抽出後質量)し、以下の式にて求めた。 ゲル含有率(%)=(抽出前質量(g)−抽出後質量
(g))/抽出前質量(g) (7)フィルム組成物の熱変形温度 フィルム組成物のペレットを、射出成形にてASTM
D648にもとづく熱変形温度測定試片に成形し、80
℃で24時間アニール後、低荷重(0.45MPa)で
ASTM D648に従って測定した。
【0076】(8)フィルムの全光線透過率および曇価 JIS K6714に従って評価した。 (9)フィルムの表面光沢 フィルムの表面光沢は、グロスメーター(ムラカミカラ
ーリサーチラボラトリー製 GM−26D型)を用い、
60゜での表面光沢を測定した。
【0077】(10)フィッシュアイ数 厚さ0.125mmのフィルム1m2中のフィッシュア
イ数を、高速・高機能表面欠陥検査装置LSC−100
(三菱レイヨン(株)製)で、光の透過率が75%以下
となる1画素(0.4mm×0.5mm)以上の数を測
定。 (11)印刷抜け数 フィルムに黒色全面(ベタ刷り)のグラビア印刷を行
い、20m2のフィルム中の印刷抜けした数を目視にて
測定し、1m2当たりの印刷抜け個数を求めた。
【0078】(多層構造重合体を含有するアクリル樹脂
ラテックス(1)の製造)冷却器付き重合容器内に、イ
オン交換水195部を投入し、70℃に昇温し、さら
に、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、
EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を一括
投入した。次いで、窒素下で撹拌しながら、MMA0.
3部、BA4.5部、BD0.2部、AMA0.05部、
CHP0.025部からなる単量体混合物および乳化剤
(1)1.3部からなる混合物を8分間かけて重合容器
に滴下した後、15分間反応を継続させ、最内重合体
(A−1)の重合を完結した。続いて、MMA1.5
部、BA22.5部、BD1.0部、AMA0.25部か
らなる単量体混合物をCHP0.016部と共に90分
間で添加した後、60分間反応を継続させ、架橋弾性重
合体(B−1)層を形成させた。続いて、MMA6部、
BA4部、AMA0.075部、およびCHP0.012
5部の混合物を45分間かけて重合容器に滴下した後、
60分間反応を継続させ、中間重合体(D−1)層を形
成させた。続いて、MMA55.2部、BA4.8部、
n−OM0.19部、およびt−BH0.08部からなる
単量体混合物を140分間かけて重合容器に滴下した
後、60分間反応を継続させ、最外重合体(C−1)層
を形成し、多層構造重合体を含有するアクリル樹脂ラテ
ックス(1)を得た。
【0079】(多層構造重合体を含有するアクリル樹脂
ラテックス(2)の製造)攪拌機を備えた容器に、イオ
ン交換水8.5部を仕込んだ後、MMA0.3部、BA
4.5部、BD0.2部、AMA0.05部、CHP0.
025部からなる単量体混合物を投入し、攪拌混合し
た。そこに乳化剤(1)1.3部を攪拌しながら投入
し、更に20分間攪拌を継続し、乳化液(N−2)を調
整した。得られた乳化液中の分散相の平均粒子径は10
μmであった。次に、冷却器付き重合容器内に、イオン
交換水186.5部を投入し、70℃に昇温し、さら
に、イオン交換水5部にソジウムホルムアルデヒドスル
ホキシレート0.20部、硫酸第一鉄0.0001部、
EDTA0.0003部を加えて調製した混合物を一括
投入した。続いて、窒素下で撹拌しながら、乳化液(N
−2)を8分間かけて重合容器に滴下した後、15分間
反応を継続させ、最内重合体(A−2)の重合を完結し
た。続いて、MMA1.5部、BA22.5部、BD1.
0部、AMA0.25部からなる単量体混合物をCHP
0.016部と共に90分間で添加した後、60分間反
応を継続させ、架橋弾性重合体(B−2)層を形成させ
た。続いて、MMA6部、BA4部、AMA0.075
部、およびCHP0.0125部の混合物を45分間か
けて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続させ、
中間重合体(D−2)層を形成させた。続いて、MMA
55.2部、BA4.8部、n−OM0.19部、および
t−BH0.08部からなる単量体混合物を140分間
かけて重合容器に滴下した後、60分間反応を継続さ
せ、最外重合体(C−2)層を形成し、多層構造重合体
を含有するアクリル樹脂ラテックス(2)を得た。
【0080】(実施例1)濾材にステンレス鋼製のメッ
シュ(線径 50μm、235メッシュ)を取り付けた
図1の構成を有する濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラ
テックス(1)を12時間、流速3m3/Hで濾過し
た。この際、振幅長5.0mmの振幅運動、回転数を1
000rpmの円運動により、濾材3上に残った凝集物
に与える加速度を55m/s2に調整して、運転性多層
構造重合体の評価、濾過後のアクリル樹脂ラテックスの
諸物性を調べた。その結果を表1に示す。なお、濾材3
は、直径600mmであり、後述の実施例2〜6、及び
比較例1、2においても、同じ大きさの濾材3を使用し
た。また、上記のごとく濾過して得られたアクリル樹脂
ラテックス(1)に含有される多層構造重合体を酢酸カ
ルシウム3部含む水溶液中で塩析させ、水洗回収後、乾
燥し、粉体状の多層構造重合体を得た。多層構造重合体
のゲル含有率は、60%であった。
【0081】次に、上記多層構造重合体100部、配合
剤として、アデカスタブLA−31RG(旭電化(株)
製)2.1部、アデカスタブAO−50(旭電化(株)
製)0.1部、アデカスタブLA−57(旭電化(株)
製)0.3部を添加した後、ヘンシェルミキサーを用い
て混合し、この混合物を230℃に加熱した脱気式押出
機(池貝鉄工(株)製PCM−30)に供給し、混練し
てペレットを得た。得られたペレットの熱変形温度の結
果を表1に示す。上記の方法で製造したペレットを80
℃で一昼夜乾燥し、300mm幅のTダイを取り付けた
40mmφのノンベントスクリュー型押出機(L/D=
26)を用いて、シリンダー温度200℃〜240℃、
Tダイ温度250℃、冷却ロール温度70℃で、50μ
m厚みのアクリル樹脂フィルムを製膜した。得られたア
クリル樹脂フィルムの諸物性を表1に示す。
【0082】(実施例2)アクリル樹脂ラテックス
(1)の代わりに、アクリル樹脂ラテックス(2)を用
いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、アクリル樹
脂フィルムを得た。本実施例で得られた運転性多層構造
重合体の評価、濾過後のアクリル樹脂ラテックス、及び
アクリル樹脂フィルムの諸物性を表1に示す。
【0083】(実施例3)濾材にポリエステル製のメッ
シュ(線径 50μm、235メッシュ)を取り付けた
図1の装置を用い、アクリル樹脂ラテックス(1)を1
2時間、流速3m 3/Hで濾過した。その際、濾材3の
振幅長を3.5mm、回転数を1700rpmとし、凝
集物に与える加速度を111m/s2に調整した以外
は、実施例1と同様の方法で、アクリル樹脂フィルムを
得た。本実施例で得られた運転性多層構造重合体の評
価、濾過後のアクリル樹脂ラテックス、及びアクリル樹
脂フィルムの諸物性を表1に示す。
【0084】(実施例4)濾材にポリエステル製のメッ
シュ(線径 48μm、282メッシュ)を取り付けた
図1の構成を有する濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラ
テックス(1)を12時間、流速3m3/Hで濾過し
た。この際、振幅長3.5mmの振幅運動、及び回転数
1200rpmの円運動により、濾材3上に残った凝集
物に与える加速度を55m/s2に調整した以外は実施
例1と同様の方法により、アクリル樹脂フィルムを得
た。本実施例で得られた運転性多層構造重合体の評価、
濾過後のアクリル樹脂ラテックス、及びアクリル樹脂フ
ィルムの諸物性を表1に示す。
【0085】(実施例5)濾材にステンレス鋼製のメッ
シュ(線径50μm、235メッシュ)、及び濾材上部
に水洗装置を取り付けた図3の構成を有する濾過装置を
用い、アクリル樹脂ラテックス(1)を12時間、流速
3m3/Hで、定期的に水洗(各ノズルの水圧0.7M
Pa、5分間隔で10秒間水洗)しながら濾過した。こ
の際、振幅長5.0mmの振幅運動、及び回転数100
0rpmの円運動により、濾材3上に残った凝集物に与
える加速度を55m/s2に調整して、運転性多層構造
重合体の評価、濾過後のアクリル樹脂ラテックス(1)
の諸物性を調べた。その結果を表1に示す。また、上記
のごとく濾過して得られたアクリル樹脂ラテックス
(1)を用いて、実施例1と同様の方法で、アクリル樹
脂フィルムを得た。得られたアクリル樹脂フィルムの諸
物性を表1に示す。
【0086】(実施例6)多層構造重合体を含有するア
クリル樹脂ラテックス(1)の製造において、最外重合
体(C−1)層を形成させるのに使用する単量体混合物
をMMA58.2部、BA1.8部、n−OM0.19
部、及びt−BH0.08部に変更する以外は、同様の
方法で乳化重合を実施し、多層構造重合体を含有するア
クリル樹脂ラテックス(3)を得た。アクリル樹脂ラテ
ックス(3)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方
法で、アクリル樹脂フィルムを得た。本実施例で得られ
た運転性多層構造重合体の評価、濾過後のアクリル樹脂
ラテックス、及びアクリル樹脂フィルムの諸物性を表1
に示す。
【0087】(比較例1)濾材にステンレス鋼製のメッ
シュ(線径 50μm、235メッシュ)を取り付けた
図1の構成を有する濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラ
テックス(1)を流速3m3/Hで濾過した。この際、
振幅長0mmの振幅運動、回転数1200rpmの円運
動、即ち水平方向の円運動はあるが、垂直方向の振幅運
動がない状態に調整して行った。濾過開始後、濾材3上
に残った凝集物の排出が不能になり、すぐに目詰まりが
起こり濾過不能となった。本比較例で得られた運転性多
層構造重合体の評価、濾過後のアクリル樹脂ラテックス
を表1に示す。
【0088】(比較例2)濾過処理しない以外は、実施
例1と同様の方法で、アクリル樹脂フィルムを得た。本
比較例で得られた運転性多層構造重合体の評価、アクリ
ル樹脂ラテックスを表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】表1から明らかなように、実施例1〜6で
得られたアクリル樹脂フィルムは、透明性、表面光沢、
および印刷性に優れている。一方、比較例1では、濾材
面に対して、垂直方向の振幅運動がなく、水平方向の円
運動のみで濾過を行ったため、濾材上に残った凝集物の
排出が不能となり、アクリル樹脂フィルムを製造するこ
とができなかった。また、比較例2で得られたアクリル
樹脂フィルムは、アクリル樹脂ラテックスの濾過処理を
行わなかったために、フィッシュアイ数、印刷抜け数が
多い品質に劣ったものであった。
【0091】
【発明の効果】本発明のアクリル樹脂フィルムの製造方
法によれば、濾材上に残った凝集物等の除去作業の必要
がなくなり、濾材が破損して交換する頻度を少なくする
ことができるため、多層構造重合体を含有するアクリル
樹脂ラテックスの濾過を連続的に行うことが可能とな
る。また、濾過装置に具備された水洗装置により、濾材
の微細な網目構造の目の中に残留した凝集物が除去され
るため、安定に濾材の目詰まりを防止することができ
る。本発明のアクリル樹脂フィルムの製造方法によれ
ば、フィルム成形性、透明性、表面光沢、および印刷性
に優れ、印刷後の印刷抜け等の外観不良が少ないアクリ
ル樹脂フィルムを製造することができる。また、そのア
クリル樹脂フィルムは各種工業材料、とりわけ積層用フ
ィルム材料としての利用価値が高く、工業的に極めて有
益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 濾過装置を側面から示す図である。
【図2】 水洗装置を付設した濾過装置を上面から示す
図である。
【符号の簡単な説明】
1 フライウエイト 2 ラテックス供給管 2a 吐出口 3 濾材 4 排出口 5 ボトムボウル 6 ラテックス排出口 7 振動モーター 8 スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33:06 C08L 33:06 (72)発明者 松田 薫 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 (72)発明者 長谷川 孝雄 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4D071 AA05 AA06 AB33 AB42 AB44 AB49 AB63 BB01 BB06 DA20 4F071 AA22X AA32 AA32X AA33 AA33X AA34X AA35X AA77 AE02A AF29 BA01 BB05 BB06 BC01 BC07 4F201 AA20 AC05 AG01 AM10 BA09 BC13 BC31 BD05 BL03 BP26 BP27 BQ44 BQ53 4F213 AA21 AG01 AH03 WA23 WB01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平に設置された濾材が、該濾材の表面
    を基準として水平方向の円運動、及び垂直方向の振幅運
    動する濾過装置を用いて、アクリル樹脂ラテックス中に
    含まれる凝集物を除去した後、該アクリル樹脂ラテック
    スを凝析して得られるアクリル樹脂をフィルム状に成形
    することを特徴とするアクリル樹脂フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記濾材が円運動、及び振幅運動するこ
    とにより、濾材上に残存した凝集物に、50m/s2
    上の加速度を与えることを特徴とする請求項1記載のア
    クリル樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記濾過装置が直径をXとする円形の濾
    材を有し、該濾材による振幅運動の振幅長が、X/60
    〜X/200であることを特徴とする請求項1又は2記
    載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記濾材が、線径10〜70μmのステ
    ンレス鋼又はポリエステル製の繊維から形成されること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル
    樹脂フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記濾材の目の大きさが、100〜60
    0メッシュであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記濾過装置に水洗装置が具備され、該
    水洗装置から0.01〜2.0MPaの圧力の水が濾材
    に対して吹き出すことにより、濾材表面を洗浄すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル
    樹脂フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アクリル樹脂が、内側から順に、最
    内重合体(A)、架橋弾性重合体(B)層、最外重合体
    (C)層を基本構造とする多層構造重合体であって、 最内重合体(A)の構成成分として、炭素数1〜8のア
    ルキル基を有するアルキルアクリレート及び/又は炭素
    数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
    ト、及びグラフト交叉剤を含有し、 架橋弾性重合体(B)層の構成成分として、炭素数1〜
    8のアルキル基を有するアルキルアクリレート、及びグ
    ラフト交叉剤を含有し、 最外重合体(C)層の構成成分として、炭素数1〜4の
    アルキル基を有するアルキルメタクリレートを含有し、 更に、架橋弾性重合体(B)層と最外重合体(C)層の
    間に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアク
    リレートと、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキ
    ルメタクリレートと、グラフト交叉剤を含み、かつ該ア
    ルキルアクリレート成分量が、架橋弾性重合体(B)層
    から最外重合体(C)層に向かって単調減少する中間重
    合体(D)層を少なくとも一層有することを特徴とする
    請求項1〜6記載のいずれかに記載のアクリル樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 最内重合体(A)の構成成分である、炭
    素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレート
    及び/又は炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル
    メタクリレート、及びグラフト交叉剤を含む単量体混合
    物を水及び界面活性剤と混合して調製した乳化液を反応
    容器に供給し重合した後、架橋弾性重合体(B)層、中
    間重合体(D)層、最外重合体(C)層を構成する単量
    体あるいは単量体混合物をそれぞれ順に反応容器に供給
    して、多層構造重合体を重合することを特徴とする請求
    項7に記載のアクリル樹脂フィルムの製造方法。
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