JP2003210499A - 人工軟骨用生体材料およびその製造方法 - Google Patents

人工軟骨用生体材料およびその製造方法

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JP2003210499A JP2002013674A JP2002013674A JP2003210499A JP 2003210499 A JP2003210499 A JP 2003210499A JP 2002013674 A JP2002013674 A JP 2002013674A JP 2002013674 A JP2002013674 A JP 2002013674A JP 2003210499 A JP2003210499 A JP 2003210499A
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Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮力や引張力を加えたときにJ字型の応力
−歪み曲線を描き、軟骨に近似した変形挙動を示す人工
軟骨用生体材料と、その製造方法を提供する。 【解決手段】 有機の糸で織編された3軸−三次元織組
織体よりなる生体材料であって、X−Y平面内でX軸及
びY軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸2
aの無端折返し配列により形成されたV軸糸配列層2
と、逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸3aの無端折返
し配列により形成されたW軸糸配列層3とがZ軸方向に
交互に多層に積層され、これら配列層2,3がZ方向に
貫通蛇行する無端折返し配列のZ軸糸4aでかしめ結合
された構成の人工軟骨用生体材料1とする。V軸糸配列
層と、W軸糸配列層と、X軸又はY軸方向に蛇行する無
端折返し配列のX軸糸配列層又はY軸糸配列層とを交互
に多層に積層してZ軸糸でかしめ結合した構成の4軸−
三次元織組織体からなる生体材料としてもよい。斯かる
生体材料は、上記配列層の積層工程と、挟圧工程と、Z
軸糸によるかしめ結合工程を含んだ製造方法によって製
造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工椎間板や人工
半月板あるいは種々の関節軟骨等としての使用が見込ま
れる人工軟骨用生体材料と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、生体内に埋め込む生体材料と
して、金属やセラミックス製のものが使用されている。
けれども、これらの生体材料は硬質で変形し難いため、
椎間板等の軟骨用の生体材料として使用することには本
質的に無理である。
【0003】このような問題は、弾性変形が可能な合成
ゴム等のエラストマーを用いて軟骨用の生体材料を造れ
ば、一応解決できるように思われる。しかしながら、椎
間板などの軟骨は、図10の応力−歪み曲線においてA
に示すようなJ字型の曲線を描くのに対し、合成ゴム等
のエラストマーは、一般に図10の応力−歪み曲線にお
いてBに示すようなS字型の曲線を描くため、斯かるエ
ラストマーを用いて人工軟骨用の生体材料を造っても、
軟骨と良く似た変形挙動を示す満足な生体材料を得るこ
とは困難である。そのうえ、体内で長期間(例えば20
年以上にも及ぶ)使用できるだけの強度と耐久性に全く
乏しいものであり、実用性がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
対処すべくなされたもので、その解決課題とするところ
は、J字型の応力−歪み曲線を描き、軟骨に近似した変
形挙動を示す理想的な人工軟骨用生体材料と、その製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る人工軟骨用
生体材料は、有機の糸で織編された織組織体から成る立
体形状の生体材料であって、糸の配列の方位数を軸数で
表し、組織体の幾何学的形状を次元数で表すと、3軸−
三次元の織組織体から成るものと、4軸−三次元の織組
織体から成るものと、これらを組合わせたものとに分け
られる。
【0006】3軸−三次元織組織体から成る立体形状の
人工軟骨用生体材料は、X軸とこれに直角なY軸を含む
X−Y平面内においてX軸方向およびY軸方向に対して
斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸の無端折返し配列によ
り形成されたV軸糸配列層と、X−Y平面内においてX
軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称になる逆斜め
のW軸方向に蛇行するW軸糸の無端折返し配列により形
成されたW軸糸配列層とが、X−Y平面に対して垂直な
Z軸方向に交互に多層に積層され、これらの配列層がZ
軸方向に貫通蛇行する無端折返し配列のZ軸糸によって
かしめ結合されていることを特徴とするものである。
【0007】この生体材料にX軸方向またはY軸方向の
外力、例えば圧縮力が作用すると、初期の段階では、織
組織体の結節間でいくぶん張力のかかっていたV軸糸や
W軸糸に弛みが生じると共に、V軸、W軸、Z軸の各糸
の絡み部分もゆるみながら、圧縮力の作用するX軸方向
又はY軸方向に圧縮変形する。このときの応力は主に有
機の糸の剛性(腰の強さ)により生じるものであるか
ら、変形歪み量に対する応力の増加は少なく、そのため
J字型曲線の初期段階であるヤング率の低い部分にあた
る曲線を描く。そして、更に圧縮されると各糸間の空隙
が狭くなり、ついには糸が密集して接するようになるた
め、これに伴って応力が指数関数的に上昇し、その結
果、J字型の応力−歪み曲線を描くことになる。
【0008】一方、この生体材料にX軸方向またはY軸
方向の延伸力が作用すると、圧縮とは逆の現象が起こ
り、初期の段階では、結節間でいくぶん弛んでいたV軸
糸やW軸糸が次第に引っ張られ、各糸の絡み部分も締ま
りながら、引張力の作用するX軸方向またはY軸方向に
生体材料が延伸変形する。この段階までは低いヤング率
の曲線を描くが、更に延伸されるとV軸糸やW軸糸の緊
張による抵抗が指数関数的に上昇し、その結果、圧縮の
場合と同様にJ字型の応力−歪み曲線を描くことにな
る。
【0009】そして、ストレス(圧縮力や延伸力)が解
除されると、この生体材料は生体の軟骨とほとんど同様
のヒステリシス曲線を描いて元の状態に戻る。このヒス
テリシスの挙動は数百万回のストレス−ストレイン曲線
においてもほとんど変化することなく続く。これは極め
て耐久性が優れていることの証左であり、真に実用的で
ある。
【0010】尚、この生体材料にZ軸方向の圧縮力が作
用する場合は、V軸糸配列層およびW軸糸配列層がZ軸
糸によりかしめ結合されて、これらの配列層が接してい
るため、圧縮歪み量に対して応力が急峻な略斜線型に増
加し、また、Z軸方向の延伸力が作用する場合も、Z軸
糸の長さ方向に延伸力が作用するため、延伸歪み量に対
して応力が急峻な略斜線型に増加し、いずれの場合もJ
字型の応力−歪み曲線を描かない。従って、この3軸−
三次元織組織体よりなる生体材料は、X軸方向またはY
軸方向が外力の作用方向となるようにする必要がある。
【0011】このような3軸−三次元織組織体から成る
立体形状の人工軟骨用生体材料は、以下の工程を含む本
発明の製造方法、即ち、基板のX−Y平面に、これと垂
直なZ方向の中空ガイドピンをX軸方向およびこれと直
角なY軸方向に一定間隔をあけて抜取り可能に植設した
織編治具を使用し、この織編治具の中空ガイドピンに有
機の糸を引掛けて走らせることにより、X軸方向および
Y軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し
配列のV軸糸配列層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸
方向と線対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折
返し配列のW軸糸配列層とを、Z軸方向に交互に多層に
積層する工程と、積層されたV軸糸配列層とW軸糸配列
層とをZ軸方向に挟圧する工程と、Z軸糸を中空ガイド
ピンに通して中空ガイドピンを抜き取り、Z軸方向に貫
通蛇行させた無端折返し配列のZ軸糸によってV軸糸配
列層とW軸糸配列層とをかしめ結合する工程と、を含む
本発明の製造方法によって製造される。
【0012】また、4軸−三次元織組織体から成る本発
明の立体形状の人工軟骨用生体材料は、X軸とこれに直
角なY軸を含むX−Y平面内においてX軸方向およびY
軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸の無端
折返し配列により形成されたV軸糸配列層と、X−Y平
面内においてX軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対
称になる逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸の無端折返
し配列により形成されたW軸糸配列層と、X−Y平面内
においてX軸方向またはY軸方向に蛇行するX軸糸また
はY軸糸の無端折返し配列により形成されたX軸糸配列
層またはY軸糸配列層とが、X−Y平面に対して垂直な
Z軸方向に交互に多層に積層され、これらの配列層がZ
軸方向に貫通蛇行する無端折返し配列のZ軸糸によって
かしめ結合されていることを特徴とするものである。
【0013】この人工軟骨用生体材料は、前述した3軸
−三次元織組織体から成る生体材料に更にX軸糸配列層
またはY軸糸配列層が追加されたものであり、X軸糸配
列層が追加された生体材料では、Y軸方向に圧縮力また
は延伸力が作用すると、前記と同様の現象によってJ字
型の応力−歪み曲線を描きながら圧縮変形または延伸変
形し、Y軸糸配列層が追加された生体材料では、X軸方
向に圧縮力または延伸力が作用すると、前記と同様の現
象によってJ字型の応力−歪み曲線を描きながら圧縮変
形または延伸変形する。そして、ストレス(圧縮力また
は延伸力)が解除されると、この生体材料も生体の軟骨
とほとんど同様のヒステリシス曲線を描いて元の状態に
戻る。このヒステリシスの挙動は数百万回のストレス−
ストレイン曲線においてもほとんど変化することなく続
く。これは極めて耐久性が優れていることの証左であ
り、真に実用的である。
【0014】尚、X軸糸配列層が追加された生体材料に
Z軸方向やX軸方向の圧縮力または延伸力が作用した場
合や、Y軸糸配列層が追加された生体材料にZ軸方向や
Y軸方向の圧縮力または延伸力が作用した場合は、前記
と同様の理由でJ字型の応力−歪み曲線を描かず、急峻
な略斜線型の応力−歪み曲線を描くことになる。従っ
て、この4軸−三次元織組織体よりなる生体材料は、X
軸糸配列層が追加されている場合はY軸方向が外力の作
用方向となるように、また、Y軸糸配列層が追加されて
いる場合はX軸方向が外力の作用方向となるようにする
必要がある。
【0015】このような4軸−三次元織組織体から成る
本発明の人工軟骨用生体材料は、以下の工程を含む本発
明の製造方法、即ち、基板のX−Y平面に、これと垂直
なZ方向の中空ガイドピンをX軸方向およびこれと直角
なY軸方向に一定間隔をあけて抜取り可能に植設した織
編治具を使用し、この織編治具の中空ガイドピンに有機
の糸を引掛けて走らせることにより、X軸方向およびY
軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し配
列のV軸糸配列層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方
向と線対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返
し配列のW軸糸配列層と、X軸方向またはY軸方向に蛇
行する無端折返し配列のX軸糸配列層またはY軸糸配列
層とを、Z軸方向に交互に多層に積層する工程と、積層
されたV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層また
はY軸糸配列層とをZ軸方向に挟圧する工程と、Z軸糸
を中空ガイドピンに通して中空ガイドピンを抜き取り、
Z軸方向に貫通蛇行させた無端折返し配列のZ軸糸によ
ってV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層または
Y軸糸配列層とをかしめ結合する工程と、を含む本発明
の製造方法によって製造される。
【0016】また、組合わせに係る本発明の立体形状の
人工軟骨用生体材料は、有機の糸で織編された3軸−三
次元織組織体から成る部分と、有機の糸で織編された4
軸−三次元織組織体から成る部分とを具備した生体材料
であって、3軸−三次元織組織体から成る部分は、X軸
とこれに直角なY軸を含むX−Y平面内においてX軸方
向およびY軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行するV
軸糸の無端折返し配列により形成されたV軸糸配列層
と、X−Y平面内においてX軸方向の線を挟んで上記V
軸方向と線対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸
糸の無端折返し配列により形成されたW軸糸配列層と
が、X−Y平面に対して垂直なZ軸方向に交互に多層に
積層され、これらの配列層がZ軸方向に貫通蛇行する無
端折返し配列のZ軸糸によってかしめ結合されており、
4軸−三次元織組織体から成る部分は、上記のV軸糸配
列層と、上記のW軸糸配列層と、上記のX−Y平面内に
おいてX軸方向またはY軸方向に蛇行するX軸糸または
Y軸糸の無端折返し配列により形成されたX軸糸配列層
またはY軸糸配列層とが、上記のZ軸方向に交互に多層
に積層され、これらの配列層が上記のZ軸糸によってか
しめ結合されていることを特徴とするものである。
【0017】この人工軟骨用生体材料は、3軸−三次元
織組織体から成る部分と4軸−三次元織組織体から成る
部分が、それぞれ上記と同様の現象によってJ字型の応
力−歪み曲線を描きながら圧縮変形または延伸変形し、
圧縮力または延伸力が解除されると、この生体材料も生
体の軟骨とほとんど同様のヒステリシス曲線を描いて元
の状態に戻る。そして、このヒステリシスの挙動は数百
万回のストレス−ストレイン曲線においてもほとんど変
化することなく続くので、この生体材料も耐久性に優れ
真に実用的である。
【0018】このような本発明の立体形状の人工軟骨用
生体材料は、以下の工程を含む本発明の製造方法、即
ち、基板のX−Y平面に、これと垂直なZ方向の中空ガ
イドピンをX軸方向およびこれと直角なY軸方向に一定
間隔をあけて抜取り可能に植設した織編治具を使用し、
この織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を引掛けて走
らせることにより、X軸方向およびY軸方向に対して斜
めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV軸糸配列層
と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称になる
逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列のW軸糸配
列層とを、Z軸方向に交互に多層に積層する工程と、上
記の織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を引掛けて走
らせることにより、X軸方向およびY軸方向に対して斜
めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV軸糸配列層
と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称になる
逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列のW軸糸配
列層と、X軸方向またはY軸方向に蛇行する無端折返し
配列のX軸糸配列層またはY軸糸配列層とを、Z軸方向
に交互に多層に積層する工程と、積層された上記のV軸
糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層またはY軸糸配
列層とをZ軸方向に挟圧する工程と、Z軸糸を中空ガイ
ドピンに通して中空ガイドピンを抜き取り、Z軸方向に
貫通蛇行させた無端折返し配列のZ軸糸によって上記の
V軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層またはY軸
糸配列層とをかしめ結合する工程と、を含む本発明の製
造方法によって製造される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体的な実施形態を詳述する。
【0020】図1は本発明の一実施形態に係る人工軟骨
用生体材料の概略斜視図、図2は同生体材料をそのV軸
糸配列層が見えるようにX−Y平面に沿って切断した模
式断面図、図3は同生体材料をそのW軸糸配列層が見え
るようにX−Y平面に沿って切断した模式断面、図4は
同生体材料をY−Z平面に沿って切断した模式断面図、
図9は同生体材料の使用状態説明図である。
【0021】この人工軟骨用生体材料1は、有機の糸で
織編された3軸−三次元織組織体から成る立体形状の生
体材料であって、椎間板の代替品として使用されるもの
であり、図1に示すような長方形と半円形を結合した略
前方後円形の平面形状を有するブロック状に織編形成さ
れている。
【0022】更に詳しく説明すると、この人工軟骨用生
体材料1は、図2に示すようなV軸糸配列層2、即ち、
X軸とこれに直角なY軸を含むX−Y平面内においてX
軸方向およびY軸方向に対して斜めのV軸方向(図2で
は斜め左上がりのV軸方向)に蛇行するV軸糸2aの無
端折返し配列により形成されたV軸糸配列層2と、図3
に示すようなW軸糸配列層3、即ち、X−Y平面内にお
いてX軸方向(またはY軸方向)の線を挟んで上記のV
軸方向と線対称になる逆斜めのW軸方向(図3では斜め
右上がりのW軸方向)に蛇行するW軸糸3aの無端折返
し配列により形成されたW軸糸配列層3とが、X−Y平
面に対して垂直なZ軸方向(図2、図3では紙面に垂直
な方向)に交互に多層に積層されている。そして、これ
らのV軸糸配列層2とW軸糸配列層3が、図4に示すよ
うにチェーンステッチ方式でZ軸方向に貫通蛇行する無
端折返し配列のZ軸糸4aによりかしめ結合されて、3
軸−三次元織組織体よりなる生体材料1が構成されてい
る。
【0023】有機のV軸糸2a、W軸糸3a、Z軸糸4
aとしては、生体不活性な合成樹脂糸、例えば、ポリエ
チレン、超高分子量ポリエチレン、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン等の糸(撚糸または単糸)や、有機の芯糸を
上記の生体不活性な合成樹脂で被覆して生体不活性とし
た被覆糸などが好ましく使用される。特に、超高分子ポ
リエチレンの芯糸(撚糸)を直鎖状の低密度ポリエチレ
ンの被膜で被覆した直径が0.2〜0.5mm程度の被
覆糸は、強度、硬さ、弾力性、織編のしやすさ等の点で
最適な糸であり、この被覆糸を用いて織編すると、椎間
板等の軟骨と同程度の機械的強度、柔軟性、変形挙動を
示すバイオミメティック(生体模倣的)な3軸−三次元
織組織体よりなる生体材料1を得ることができる。ま
た、超高分子量ポリエチレンやポリビニルアルコールや
エチレン−ビニルアルコール共重合体よりなる撚糸など
も被覆樹脂なしで好適に使用でき、特に、撚糸を構成す
る繊維の太さが3〜30μm程度で撚糸の太さが0.2
〜0.5mm程度のものが好ましく使用される。
【0024】また、場合によっては、有機の糸として生
体活性(骨伝導能や骨誘導能等)を有する糸、例えば、
生体活性なバイオセラミックス粉体を含有させた合成樹
脂で芯糸を被覆した被覆糸などを使用してもよく、その
場合は骨組織との結合が可能な生体材料1を得ることが
できる。更には、また軟骨細胞増殖の生体類似の物理的
強度を有する足場として使用し、最終的に自己の軟骨細
胞と完全に置き換わることを目的とする場合は、生体内
分解吸収性の有機ポリマー(例えば、ポリ乳酸や、それ
をベースにした共重合体、キチン、キトサン、コラーゲ
ン等)の糸で本発明の生体材料1を造ってもよい。
【0025】この3軸−三次元織組織体よりなる生体材
料1は、20〜90容量%の内部空隙率を有することが
好ましい。20容量%を下回る場合は、生体材料1が緻
密になり過ぎて柔軟性や変形性が損なわれるため、人工
軟骨用の生体材料としては不満足なものとなり、一方、
90容量%を上回る場合は、生体材料1の圧縮強度や保
形性が低下するので、やはり人工軟骨用の生体材料とし
ては不適当である。
【0026】生体材料1の内部空隙率は、V軸糸配列層
2におけるV軸糸2aの糸間隔、W軸糸配列層3におけ
るW軸糸3aの糸間隔、Z軸糸4aによるかしめ結合の
強さ等を加減することによって調節することができ、上
記のように20〜90容量%の範囲に調節すると、生体
各部の人工軟骨とほぼ同程度の圧縮強度(1〜5MP
a)、柔軟性、変形性等を有する生体材料となる。
【0027】上記構成の生体材料1は、人工椎間板とし
て使用されるものであり、図9に示すように、椎体9と
椎体9の間において該材料1の方形の前半部分が腹側
(図9では左側)となるように装着される。従って、上
下の椎体9,9による挟圧力は、この生体材料1のY軸
方向に作用することになる。このように生体材料1にY
軸方向の挟圧力が作用すると、既述したように、初期の
段階では、織組織体の結節間でいくぶん張力のかかって
いたV軸糸2aやW軸糸3aに弛みが生じると共に、V
軸、W軸、Z軸の各糸2a,3a,4aの絡み部分もゆ
るみながら、挟圧力の作用するY軸方向に圧縮変形し、
変形歪み量に対する応力の増加は少ない。そして、更に
圧縮されると各糸間の空隙が狭くなり、ついには糸が密
集して接するようになるため、これに伴って応力が指数
関数的に上昇する。従って、この生体材料1はJ字型の
応力−歪み曲線を描き、椎間板に酷似した変形挙動をと
るので、椎間板の代替品としての役目を充分に果たすこ
とができる。
【0028】なお、この生体材料1にY軸方向(または
X軸方向)の延伸力が作用する場合は、既述したよう
に、圧縮とは逆の現象によって、初期の段階では応力の
増加が少なく、やがては応力が指数関数的に上昇し、圧
縮の場合と同様にJ字型の応力−歪み曲線を描いて延伸
変形することになる。
【0029】次に、図5〜図7を参照して本発明の一実
施形態に係る上記生体材料1の製造方法を説明する。
【0030】図5は本発明の製造方法に用いる織編治具
の概略斜視図、図6は同製造方法におけるV軸糸配列層
とW軸糸配列層の挟圧工程の説明図、図7は同製造方法
におけるZ軸糸によるかしめ結合工程の説明図である。
【0031】本発明の製造方法は、V軸糸配列層とW軸
糸配列層を交互に積層する工程と、これらの配列層を挟
圧する工程と、これらの配列層をZ軸糸でかしめ結合す
る工程とを含むものであり、最初の積層工程において、
図5に示すような織編治具5を用いてV軸糸配列層とW
軸糸配列層をZ軸方向に交互に積層する。
【0032】即ち、この織編治具5は、基板5aのX−
Y平面に、これと垂直なZ方向の多数の中空ガイドピン
5bをX軸方向およびY軸方向に一定間隔をあけて抜取
り可能に植設したものであり、この中空ガイドピン5b
の間をニードル5cがマイコン制御されて走行するよう
に構成されている。
【0033】最初の積層工程では、この織編治具5のニ
ードル5cの先端の孔に有機の糸6(2a)を通し、ま
ず、ニードル5cをX軸方向およびY軸方向に対して斜
めのV軸方向に蛇行させながら中空ガイドピン5bの間
を走行させて糸6を中空ガイドピン5bに引っ掛けるこ
とにより、図2に示すような斜めのV軸方向に蛇行する
無端折返し配列のV軸糸配列層2を形成する。次いで、
ニードル5cを逆斜めのW軸方向に蛇行させながら中空
ガイドピン5bの間を走行させて糸6(3a)を中空ガ
イドピン5bに引っ掛けることにより、図3に示すよう
な逆斜めW軸方向に蛇行する無端折返し配列のW軸糸配
列層3をV軸糸配列層2の上に積層形成する。そして、
この操作を交互に繰り返すことにより、V軸糸配列層2
とW軸糸配列層3をZ軸方向に交互に多層に積層する。
【0034】積層工程が終わると、次の挟圧工程におい
て、図6に示すような押え具7、即ち、枠体7a内に複
数の押え棒7bを平行に設けた押え具7を使用し、その
押え棒7bを上記織編治具5の中空ガイドピン5bの間
に挿入して、多層に積層されたV軸糸配列層2とW軸糸
配列層3を、上記押え具の押え棒7bと上記織編治具の
基板5aとでZ軸方向に挟圧する。
【0035】挟圧工程が終わると、最後のかしめ結合工
程において、織編治具5の基板5aを除去し、図7に示
すようにチェーンステッチ方式で有機の糸6(4a)を
Z軸方向に貫通蛇行させて無端折返し配列となし、この
Z軸方向に貫通蛇行する糸6(4a)によってV軸糸配
列層2とW軸糸配列層3をかしめ結合して、3軸−三次
元織組織体より成る生体材料1を得る。即ち、図7
(a)に示すように中空ガイドピン5bにフック針8を
通して糸6に引掛け、図7(b)に示すようにフック針
8を引き上げて糸6を無端折返し状に貫通させ、図7
(c)に示すように糸6が貫通した箇所の中空ガイドピ
ンを抜き取ると共に、貫通した糸6の折返し部分6aを
ルーピングしてフック針8を該ルーピング部分6aから
隣りの中空ガイドピン5bに通して糸6に引っ掛ける。
そして、図7(d)に示すようにフック針8を再び引き
上げて糸6を無端折り返し状に貫通させ、図7(e)に
示すように糸6の貫通した箇所の中空ガイドピンを抜き
取ると共に、ルーピングした糸6の折り返し部分6aを
その前のルーピング部分6aに絡ませて、そこからフッ
ク針8を更に隣りの中空ガイドピン5bに通す操作を繰
り返し、チェーンステッチ方式でZ軸方向に貫通蛇行さ
せた無端折り返し配列の糸6(4a)によって、V軸糸
配列層2とW軸糸配列層3をかしめ結合する。
【0036】上記の製造方法で3軸−三次元織組織体よ
り成る生体材料1を製造すると、中空ガイドピン5bの
相互間隔を変更したり、挟圧工程における挟圧力を増減
することによって、生体材料1の内部空隙率を所望の値
に容易に調節することが可能であり、また、大掛かりな
製造装置も不要であるから経済的である。
【0037】図8は本発明の他の実施形態に係る人工軟
骨用生体材料の模式説明図である。
【0038】この生体材料10は4軸−三次元織組織体
から成るものであって、X軸とこれに直角なY軸を含む
X−Y平面内においてX軸方向およびY軸方向に対して
斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸2aの無端折返し配列
により形成されたV軸糸配列層と、X−Y平面内におい
て逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸3aの無端折返し
配列により形成されたW軸糸配列層と、X−Y平面内に
おいてX軸方向に蛇行するX軸糸11aの無端折返し配
列により形成されたX軸糸配列層とが、X−Y平面に対
して垂直なZ軸方向(図8では紙面に垂直な方向)に交
互に多層に積層され、これらの配列層がZ軸方向に貫通
蛇行する無端折返し配列のZ軸糸4aによってかしめ結
合されている。この生体材料10においても、Z軸糸4
aはチェーンステッチ方式で貫通蛇行している。
【0039】この生体材料10のV軸糸2a、W軸糸3
a、X軸糸11a、Z軸糸4aとしては、前述した有機
の糸がいずれも好適に使用され、また、内部空隙率も前
述した生体材料1と同様に20〜90容量%に調節する
ことが好ましい。
【0040】このような構成の4軸−三次元織組織体か
らなる生体材料10は、前述した3軸−三次元織組織体
から成る生体材料1に更にX軸糸配列層が追加されたも
のであり、Y軸方向に圧縮力が作用した場合には、既述
したように生体材料1と実質的に同様の現象によってJ
字型の応力−歪み曲線を描きながら圧縮変形し、延伸力
が作用した場合も、J字型の応力−歪み曲線を描きなが
らに延伸変形する。従って、この生体材料10も軟骨に
近似した変形挙動を示し、且つ、軟骨と同等の機械的強
度や柔軟性を有するので、軟骨の代替品として好適に使
用される。
【0041】上記の生体材料10は、前述した3軸−三
次元織組織体よりなる生体材料1の製造方法を少し改変
し、最初の積層工程において、ニードル5cをX軸方向
に蛇行させながら中空ガイドピン5bの間を走行させて
糸6(11a)を中空ガイドピン5bに引っ掛けること
により、X軸方向に蛇行する無端折返し配列のX軸糸配
列層を積層形成する操作を追加することによって、容易
に製造することができる。なお、X軸糸配列層の積層
は、V軸糸配列層の前でも、V軸糸配列層とW軸糸配列
層との間でも、W軸糸配列層の後でもよい。
【0042】上記実施形態の生体材料10ではX軸糸配
列層を追加しているが、本発明の4軸−三次元織組織体
から成る生体材料は、X軸糸配列層に代えて、X−Y平
面内においてY軸方向に蛇行するY軸糸の無端折返し配
列により形成されたY軸糸配列層を設けた構成としても
よい。このような生体材料も、X軸方向に圧縮力や延伸
力が作用すると、同様にJ字型の応力−歪み曲線を描き
ながら圧縮変形または延伸変形するので、軟骨の代替品
として好適に使用することができる。
【0043】また、本発明の更に他の実施形態に係る人
工軟骨用生体材料は、有機の糸で織編された前述の3軸
−三次元織組織体から成る部分と、有機の糸で織編され
た前述の4軸−三次元織組織体から成る部分とを組み合
わせたものであって、3軸−三次元織組織体から成る部
分では、前述のV軸糸配列層と前述のW軸糸配列層がZ
軸方向に交互に多層に積層され、また、4軸−三次元織
組織体から成る部分では、前述のV軸糸配列層と前述の
W軸糸配列層と前述のX軸糸配列層またはY軸糸配列層
とがZ軸方向に交互に多層に積層されて、これらの配列
層が共通のZ軸糸によりかしめ結合されている。
【0044】このような生体材料も、3軸−三次元織組
織体から成る部分および4軸−三次元織組織体から成る
部分が、前記と同様の現象によってJ字型の応力−歪み
曲線を描きながら圧縮変形または延伸変形し、圧縮力ま
たは延伸力が解除されると、この生体材料も生体の軟骨
とほとんど同様のヒステリシス曲線を描いて元の状態に
戻るので、軟骨に近似した変形挙動を示し、軟骨の代替
品として好適に使用される。
【0045】上記の3軸−三次元織組織体と4軸−三次
元織組織体を組み合わせた生体材料は、前述した3軸−
三次元織組織体や4軸−三次元織組織体からなる生体材
料1,10の製造方法において最初の積層工程を少し改
変し、ニードル5cをX軸方向に蛇行させながら中空ガ
イドピン5bの間を走行させて糸6を中空ガイドピン5
bに引っ掛けることによりV軸糸配列層とW軸糸配列層
とをZ軸方向に交互に多層に積層する工程と、同じく中
空ガイドピン5bの間を走行させて糸6を中空ガイドピ
ン5bに引っ掛けることによりV軸糸配列層とW軸糸配
列層とX軸糸配列層またはY軸糸配列層とをZ軸方向に
交互に多層に積層する工程を採用することによって、容
易に製造することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の人工軟骨用生体材料は、3軸−
三次元織組織体より成るものも、4軸−三次元織組織体
より成るものも、これらを組み合わせたものも、J字型
の応力−歪み曲線を描きながら圧縮変形または延伸変形
して、生体各部の軟骨(例えば椎間板や半月板あるいは
他の関節軟骨等)に酷似した変形挙動を示し、その機械
的強度や柔軟性等も軟骨と略同程度であるから、損傷し
た軟骨の代替品として満足に使用できるといった効果を
奏する。
【0047】そして、本発明の製造方法は、大型の製造
装置類を使用することなく、簡便な織編治具によって容
易且つ安価に本発明の生体材料を製造できるといった効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る人工軟骨用生体材料
の概略斜視図である。
【図2】同生体材料をそのV軸糸配列層が見えるように
X−Y平面に沿って切断した模式断面図である。
【図3】同生体材料をそのW軸糸配列層が見えるように
X−Y平面に沿って切断した模式断面である。
【図4】図4は同生体材料をY−Z平面に沿って切断し
た模式断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る製造方法に用いる織
編治具の概略斜視図である。
【図6】同製造方法におけるV軸糸配列層とW軸糸配列
層の挟圧工程の説明図である。
【図7】同製造方法におけるZ軸糸によるかしめ結合工
程の説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る人工軟骨用生体材
料の模式説明図である。
【図9】本発明に係る人工軟骨用生体材料の一使用例の
説明図である。
【図10】軟骨(A)と合成ゴムエラストマー(B)の
応力−歪み曲線を示したグラフである。
【符号の説明】
1,10 人工軟骨用生体材料 2 V軸糸配列層 2a V軸糸 3 W軸糸配列層 3a W軸糸 4a Z軸糸 5 織編治具 5a 基板 5b 中空ガイドピン 5c ニードル 6 有機の糸 7 押え具 11a X軸糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C081 AB05 AC03 BA02 BB07 BB08 BC02 CA021 CA051 CB011 CC01 CD35 4C097 AA03 AA07 AA10 BB01 BB09 CC02 CC03 CC12 DD02 EE01 EE02 EE06 EE08 EE16 EE19 SC07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機の糸で織編された3軸−三次元織組織
    体から成る生体材料であって、X軸とこれに直角なY軸
    を含むX−Y平面内においてX軸方向およびY軸方向に
    対して斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸の無端折返し配
    列により形成されたV軸糸配列層と、X−Y平面内にお
    いてX軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称になる
    逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸の無端折返し配列に
    より形成されたW軸糸配列層とが、X−Y平面に対して
    垂直なZ軸方向に交互に多層に積層され、これらの配列
    層がZ軸方向に貫通蛇行する無端折返し配列のZ軸糸に
    よってかしめ結合されていることを特徴とする立体形状
    の人工軟骨用生体材料。
  2. 【請求項2】有機の糸で織編された4軸−三次元織組織
    体から成る生体材料であって、X軸とこれに直角なY軸
    を含むX−Y平面内においてX軸方向およびY軸方向に
    対して斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸の無端折返し配
    列により形成されたV軸糸配列層と、X−Y平面内にお
    いてX軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称になる
    逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸の無端折返し配列に
    より形成されたW軸糸配列層と、X−Y平面内において
    X軸方向またはY軸方向に蛇行するX軸糸またはY軸糸
    の無端折返し配列により形成されたX軸糸配列層または
    Y軸糸配列層とが、X−Y平面に対して垂直なZ軸方向
    に交互に多層に積層され、これらの配列層がZ軸方向に
    貫通蛇行する無端折返し配列のZ軸糸によってかしめ結
    合されていることを特徴とする立体形状の人工軟骨用生
    体材料。
  3. 【請求項3】有機の糸で織編された3軸−三次元織組織
    体から成る部分と、有機の糸で織編された4軸−三次元
    織組織体から成る部分とを具備した生体材料であって、 3軸−三次元織組織体から成る部分は、X軸とこれに直
    角なY軸を含むX−Y平面内においてX軸方向およびY
    軸方向に対して斜めのV軸方向に蛇行するV軸糸の無端
    折返し配列により形成されたV軸糸配列層と、X−Y平
    面内においてX軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対
    称になる逆斜めのW軸方向に蛇行するW軸糸の無端折返
    し配列により形成されたW軸糸配列層とが、X−Y平面
    に対して垂直なZ軸方向に交互に多層に積層され、これ
    らの配列層がZ軸方向に貫通蛇行する無端折返し配列の
    Z軸糸によってかしめ結合されており、 4軸−三次元織組織体から成る部分は、上記のV軸糸配
    列層と、上記のW軸糸配列層と、上記のX−Y平面内に
    おいてX軸方向またはY軸方向に蛇行するX軸糸または
    Y軸糸の無端折返し配列により形成されたX軸糸配列層
    またはY軸糸配列層とが、上記のZ軸方向に交互に多層
    に積層され、これらの配列層が上記のZ軸糸によってか
    しめ結合されている、ことを特徴とする立体形状の人工
    軟骨用生体材料。
  4. 【請求項4】Z軸糸が、交互に積層されたV軸糸配列層
    とW軸糸配列層をチェーンステッチ方式で貫通蛇行して
    いる請求項1に記載の人工軟骨用生体材料。
  5. 【請求項5】Z軸糸が、交互に積層されたV軸糸配列層
    とW軸糸配列層とX軸糸配列層またはY軸糸配列層とを
    チェーンステッチ方式で貫通蛇行している請求項2に記
    載の人工軟骨用生体材料。
  6. 【請求項6】Z軸糸が、3軸−三次元織組織体から成る
    部分において交互に積層されたV軸糸配列層とW軸糸配
    列層、および、4軸−三次元織組織体から成る部分にお
    いて交互に積層されたV軸糸配列層とW軸糸配列層とX
    軸糸配列層またはY軸糸配列層とを、チェーンステッチ
    方式で貫通蛇行している請求項3に記載の人工軟骨用生
    体材料。
  7. 【請求項7】X軸方向またはY軸方向が外力の作用方向
    となる請求項1または請求項2に記載の人工軟骨用生体
    材料。
  8. 【請求項8】内部空隙率が20〜90容量%である請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載の人工軟骨用生体
    材料。
  9. 【請求項9】有機の糸が、超高分子量ポリエチレンの芯
    糸を低密度ポリエチレンの被膜で被覆した直径が0.2
    〜0.5mmの糸である請求項1ないし請求項3のいず
    れかに記載の人工軟骨用生体材料。
  10. 【請求項10】有機の糸が、超高分子量ポリエチレン、
    ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共
    重合体のいずれかよりなる撚糸である請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載の人工軟骨用生体材料。
  11. 【請求項11】有機の糸が生体内分解吸収性のポリマー
    からなるものである請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の人工軟骨用生体材料。
  12. 【請求項12】基板のX−Y平面に、これと垂直なZ方
    向の中空ガイドピンをX軸方向およびこれと直角なY軸
    方向に一定間隔をあけて抜取り可能に植設した織編治具
    を使用し、この織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を
    引掛けて走らせることにより、X軸方向およびY軸方向
    に対して斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV
    軸糸配列層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線
    対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列
    のW軸糸配列層とを、Z軸方向に交互に多層に積層する
    工程と、 積層されたV軸糸配列層とW軸糸配列層とをZ軸方向に
    挟圧する工程と、 Z軸糸を中空ガイドピンに通して中空ガイドピンを抜き
    取り、Z軸方向に貫通蛇行させた無端折返し配列のZ軸
    糸によってV軸糸配列層とW軸糸配列層とをかしめ結合
    する工程と、を含むことを特徴とする立体形状の人工軟
    骨用生体材料の製造方法。
  13. 【請求項13】基板のX−Y平面に、これと垂直なZ方
    向の中空ガイドピンをX軸方向およびこれと直角なY軸
    方向に一定間隔をあけて抜取り可能に植設した織編治具
    を使用し、この織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を
    引掛けて走らせることにより、X軸方向およびY軸方向
    に対して斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV
    軸糸配列層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線
    対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列
    のW軸糸配列層と、X軸方向またはY軸方向に蛇行する
    無端折返し配列のX軸糸配列層またはY軸糸配列層と
    を、Z軸方向に交互に多層に積層する工程と、 積層されたV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層
    またはY軸糸配列層とをZ軸方向に挟圧する工程と、 Z軸糸を中空ガイドピンに通して中空ガイドピンを抜き
    取り、Z軸方向に貫通蛇行させた無端折返し配列のZ軸
    糸によってV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸配列層
    またはY軸糸配列層とをかしめ結合する工程と、を含む
    ことを特徴とする立体形状の人工軟骨用生体材料の製造
    方法。
  14. 【請求項14】基板のX−Y平面に、これと垂直なZ方
    向の中空ガイドピンをX軸方向およびこれと直角なY軸
    方向に一定間隔をあけて抜取り可能に植設した織編治具
    を使用し、この織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を
    引掛けて走らせることにより、X軸方向およびY軸方向
    に対して斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV
    軸糸配列層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線
    対称になる逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列
    のW軸糸配列層とを、Z軸方向に交互に多層に積層する
    工程と、 上記の織編治具の中空ガイドピンに有機の糸を引掛けて
    走らせることにより、X軸方向およびY軸方向に対して
    斜めのV軸方向に蛇行する無端折返し配列のV軸糸配列
    層と、X軸方向の線を挟んで上記V軸方向と線対称にな
    る逆斜めのW軸方向に蛇行する無端折返し配列のW軸糸
    配列層と、X軸方向またはY軸方向に蛇行する無端折返
    し配列のX軸糸配列層またはY軸糸配列層とを、Z軸方
    向に交互に多層に積層する工程と、 積層された上記のV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸
    配列層またはY軸糸配列層とをZ軸方向に挟圧する工程
    と、 Z軸糸を中空ガイドピンに通して中空ガイドピンを抜き
    取り、Z軸方向に貫通蛇行させた無端折返し配列のZ軸
    糸によって上記のV軸糸配列層とW軸糸配列層とX軸糸
    配列層またはY軸糸配列層とをかしめ結合する工程と、
    を含むことを特徴とする立体形状の人工軟骨用生体材料
    の製造方法。
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