JP2003209248A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2003209248A
JP2003209248A JP2002331587A JP2002331587A JP2003209248A JP 2003209248 A JP2003209248 A JP 2003209248A JP 2002331587 A JP2002331587 A JP 2002331587A JP 2002331587 A JP2002331587 A JP 2002331587A JP 2003209248 A JP2003209248 A JP 2003209248A
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plasma
wiring
wiring layer
etching
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JP2002331587A
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Koichi Hashimoto
浩一 橋本
Daisuke Matsunaga
大輔 松永
Masaaki Aoyama
正明 青山
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Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
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Fujitsu VLSI Ltd
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高集積度の絶縁ゲート型電界効果トランジス
タ(IGFET)を含む半導体装置の製造方法に関し、
微細パターンの加工においても、半導体装置の損傷を防
止できる半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体装置の製造方法であって、被加工
物表面上において特性が均一なプラズマを用いて絶縁ゲ
ート型電界効果トランジスタの絶縁ゲートに接続する配
線層6またはその上の絶縁層を加工する際、配線層表面
にほぼ垂直に入射するイオン10と電子11とがほぼ等
量となるように周波数が1MHz以下のrfバイアスを
被加工物に印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造方法
に関し、特に高集積度の絶縁ゲート型電界効果トランジ
スタ(IGFET)を含む半導体装置の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】LSI(大規模集積回路)の微細化に伴
い、パターン転写精度の向上が望まれている。マスクパ
ターンを忠実に配線等の被加工物層に転写するため、R
IE(reactive ion etching)、ECR(electron cyc
lotron resonance)プラズマエッチング等の異方性ドラ
イエッチングが多用されている。これらの異方性ドライ
エッチングはプラズマないしイオンを利用している。
【0003】プラズマプロセスにはプラズマの不均一に
よる損傷等の電気的ストレスが伴いやすい(J. Appl. P
hys.72 (1992) pp. 4865-4872 参照)。特に、微細化と
共に絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)
のゲート絶縁膜は薄くなってきており、10nm以下の
ものも多く、電気的ストレスにより影響、損傷を受けや
すい。たとえば、ゲート絶縁膜を通してファウラ・ノル
ドハイム(Fowler・Nordheim,FN )トンネル電流が流れ
ると、積分電流量に応じた欠陥が生じ、閾値電圧を変化
させる。さらに、絶縁破壊が生じると、ゲート電極と半
導体基板の短絡等が生じる。
【0004】10nm厚のゲート酸化膜は、10〜15
V以上の電圧印加によって破壊されてしまう危険性が高
い。プラズマ中に置かれた被加工物表面上の電位Vdc
は100〜1000Vに達し、その均一性を5%以内に
抑えることは容易ではない。
【0005】したがって、プラズマプロセスによってゲ
ート絶縁膜を破壊してしまう危険性は非常に高い。これ
らの危険性は配線層のパターニングのみでなく、コンタ
クトホール開口、プラズマスパッタによるコンタクトホ
ールクリーニングの際にも存在する。
【0006】従来、これらの損傷現象は、すべて使用す
るプラズマに付随する電気的もしくは磁気的性質の不均
一が原因とされてきた。したがって、損傷を防止する手
段として均一なプラズマを生成して使用することが解決
手段とされてきた。
【0007】より具体的には、プラズマ電位の均一化や
電子移動度の位置依存性を防止することによるバイアス
電圧の均一化等が提案されてきた。たとえば、被加工物
表面上を磁束が横断する構成において、中央部と周辺部
において磁場の表面垂直成分が変化することを防止する
構成が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、プラズ
マの不均一性を是正しても、加工パターンによって損傷
が発生することを新たに見いだした。
【0009】本発明の目的は、微細パターンの加工にお
いても、半導体装置の損傷を防止できる半導体装置の製
造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、半導体装置の製造方法であって、被加工物表
面上において特性が均一なプラズマを用いて絶縁ゲート
型電界効果トランジスタの絶縁ゲートに接続する配線層
またはその上の絶縁層を加工する際、配線層表面にほぼ
垂直に入射するイオンと電子とがほぼ等量となるように
周波数が1MHz以下のrfバイアスを被加工物に印加
する。
【0011】また、本発明の半導体装置の製造方法は、
パターン間隔が1μm以下の導電膜パターンを含む半導
体装置の製造方法であって、半導体基板の一部表面上に
薄い絶縁膜を介して電極層を形成する工程と、前記電極
層を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜
上に前記電極層に接続された導電膜を形成する工程と、
導電膜上に絶縁マスク材層を形成する工程と、絶縁膜マ
スク材層上にレジスト層を塗布する工程と、レジスト層
をパターニングする工程と、レジスト層をマスクとして
絶縁マスク材層をパターニングする工程と、レジスト層
を除去する工程と、絶縁マスク材層をマスクとして導電
膜をプラズマエッチングでパターニングする工程とを含
み、前記絶縁マスク材層の厚さは最小パターン間隔の1
/2以下に設定されている。
【0012】
【作用】薄い絶縁膜上のゲート電極に接続され、真性ゲ
ート領域に対して高いアンテナ比を有する導電パターン
の加工においては、プラズマを均一化してもゲート構造
に損傷が生じ易い。ここで、アンテナ比とは薄い絶縁膜
上のゲート電極(真性ゲート領域)の面積に対する導電
パターンの露出面積の比を言う。
【0013】従来の均一なプラズマは、平面上に入射す
る正電荷と負電荷の量が等しいものであったと考えられ
る。ただし、入射方向まで考慮した時には、均一性は保
証されていない。したがって、マスク間隔の狭い非導電
性マスク間に設けられた開口に垂直方向に入射する電荷
のみを考えれば、不均一性が存在していたと考えられ
る。
【0014】この不均一性を解消すれば、正電荷と負電
荷のバランスがとれ、損傷を防止することができる。プ
ラズマから被加工物に垂直に入射する正電荷と負電荷の
バランスを調整するためには、rfバイアスの周波数を
1MHz以下とすることが有効である。さらに、発散磁
場と補助ミラー磁場を印加することが有効である。
【0015】また、発散磁場と補助カスプ磁場を形成す
ると、被加工物に垂直に入射する電荷のバランスを取る
のに有効である。マスクが非導電性であっても、その側
面の面積が無視できる程度であれば、損傷を防止するこ
とが可能となる。これは、非導電性マスク側面に入射す
る負電荷の絶対量が小さいためと考えられる。より具体
的には、マスクの厚さが最小パターン間隔の1/2以下
であれば損傷防止の効果が大となる。
【0016】
【実施例】従来、プラズマエッチングにおけるプラズマ
に不均一が存在すると、エッチング加工対象物に損傷が
生じやすいことが知られている。
【0017】このようなプラズマの不均一は、いわゆる
アンテナ構造を有するMOSダイオードの破壊率、ある
いはそのフラットバンド電圧のシフトを検出することに
よって測定することができる。
【0018】ここで、アンテナ構造とは、荷電状態に敏
感な構造が、プラズマに露出した広い面積を有する導電
部材に電気的に接続されている構造をいう。すなわち、
広い露出面積を有するアンテナがプラズマから電荷を受
けると、その電荷が荷電状態に敏感な構造の電位を変化
させる構造である。
【0019】また、フラットバンド電圧は、絶縁層等に
トラップされた電荷によって曲がったバンドを、平な状
態に駆動するのに必要な電圧を意味する。プラズマプロ
セス中に一方の極性を有する電荷が対象とする構造に注
入され、トラップされると、フラットバンド電圧が変化
する。フラットバンド電圧のシフトを検出すれば、MO
Sダイオードを流れたFNトンネル電流によって、ゲー
ト絶縁膜中にトラップされた電荷量を知ることができ
る。
【0020】プロセス条件を確立する際には、加工対象
物表面上にアンテナ構造を設けた多数のMOSダイオー
ド構造を形成し、これらのフラットバンド電圧の変化ま
たは破壊率を測定することにより、被加工物表面上に入
射する正電荷、負電荷のアンバランスを検出することが
できる。
【0021】しかしながら、そのようにして検出される
正電荷と負電荷のバランスは、平面上の単位面積に関す
るものであり、入射電荷の入射方向についての情報は伝
えない。
【0022】ホトレジストは、通常絶縁体であり、加工
パターンの微細化と共に、そのアスペクト比は増大する
傾向にある。したがって、レジスト層表面上で入射する
正電荷と負電荷のバランスがとれていても、その入射方
向分布に差があれば、レジスト層下側に配置される導電
性被加工物に入射する電荷量は変化してしまう。
【0023】図2(A)、(B)は、アンテナ構造を示
す断面図および平面図である。図2(A)において、た
とえばp型Siで形成された半導体基板101の表面
に、選択的に厚いフィールド酸化膜102bが形成され
ている。フィールド酸化膜102bは、図2(B)に示
す活性領域108を取り囲むように形成されている。
【0024】活性領域108表面に薄いゲート酸化膜1
02aを形成し、その上にたとえば多結晶Siで形成さ
れたゲート電極103を形成する。ゲート電極103
は、図2(B)に示すように活性領域108の中央部を
横断し、その両側のフィールド酸化膜の上に延在する。
【0025】ゲート電極103両側の活性領域108表
面上にゲート酸化膜は除去され、ソース/ドレイン電極
が形成される。ゲート電極103を覆うように、SiO
2 等で形成された層間絶縁膜104が形成され、ゲート
電極103の一部を露出するためのコンタクトホール1
05が形成される。コンタクトホール105を介してゲ
ート電極103に接続するゲート配線層106が層間絶
縁膜104上に形成される。配線層106は、活性層1
08上のゲート電極103の面積Agと比べ、少なくと
も10倍の広さを有する面積Afを有する。
【0026】半導体基板101、ゲート絶縁膜102
a、ゲート電極103で形成される絶縁ゲート構造の特
性は、ゲート絶縁膜102aを流れるファウラ・ノルド
ハイム(FN)トンネル電流によって影響を受ける。
【0027】図2(C)は、MOSキャパシタの電流電
圧特性を概略的に示す。横軸はMOSキャパシタに印加
される電圧をリニアスケールで示し、縦軸はMOSキャ
パシタを流れる電流を対数スケールで示す。印加電圧の
増大と共に、まずリーク電流IL が流れる。印加電圧が
ある値に達すると(ゲート絶縁膜中の電界がある程度強
度に達すると)、ゲート絶縁膜を貫通してトンネル電流
FNが流れるようになる。さらに印加電圧を増大する
と、ある電圧で電流は急激に増大し、絶縁破壊電流IB
が流れる。絶縁破壊電流IB が流れると、MOSキャパ
シタは破壊されるが、たとえこの絶縁破壊電流が流れな
くても、トンネル電流IFNが流れると、MOSキャパシ
タの特性は変化してしまう。トンネル電流がMOSキャ
パシタに与える影響は、流れた電流量に応じて増大す
る。
【0028】図2(A)、(B)に示すようなアンテナ
構造を有する配線層をパターニングする際、被加工層1
06に入射する正電荷と負電荷のバランスが崩れると、
被加工層106のチャージアップが生じ得る。被加工層
106はゲート電極103に電気的に接続されており、
ゲート電極103と配線層106が半導体基板101に
対して電位差を有するようになる。
【0029】配線層106は半導体基板101との間に
厚い酸化膜102、104を介して配置されているが、
ゲート電極103は薄いゲート絶縁膜102aのみを介
して半導体基板101と対向している。したがって、半
導体基板101と配線層106との間の電圧が増大して
いくと、専らゲート電極103と半導体基板101との
間でゲート絶縁膜102aを介してトンネル電流が流れ
ることになる。
【0030】真性ゲート電極の面積Agに比べ、配線層
106の面積Afの比(アンテナ比)が大きければ大き
いほど、ゲート絶縁膜102aを介して流れるトンネル
電流が増大することになる。したがって、アンテナ比の
大きい配線層を加工する際、入射する正負電荷量のバラ
ンスが崩れると、絶縁ゲート構造は容易にその性質を変
化させてしまう。
【0031】図2(D)は、ゲート配線層の加工プロセ
スを概略的に示す。ゲート配線層の加工は単一の配線を
加工するのみではなく、種々の配線を同時に加工する場
合が多い。層間絶縁膜104の全面上に形成された配線
層106上に、ホトレジストパターン110が形成さ
れ、このホトレジストパターン110をエッチングマス
クとして配線層106がエッチされる。
【0032】エッチング工程初期においては、配線層1
06のいずれかの部分(たとえば、スクライブ領域)が
半導体基板101と電気的に接触していることが多い。
しかしながら、マイクロローディング効果によりパター
ン密度の高い領域においては、エッチング速度が低下す
る。したがって、パターン間隔の広い部分ではエッチン
グが終了しても、パターン間隔の狭い領域では未だ続行
する。
【0033】このような状態においては、図2(D)に
示すように、ゲート電極103に接続された配線層は周
囲の配線と接続され、その外側の配線とは電気的に分離
される状況が生じる。すなわち、図に示す配線層106
は電気的に分離され、ゲート電極103のみに接続され
る。このような状況で、配線層106に入射する正負電
荷量のアンバランスが生じると、配線層106は容易に
チャージアップする。
【0034】配線層106、したがってゲート電極10
3の電位が半導体基板101に対してある程度以上の電
位となると、ゲート絶縁膜102aを介してトンネル電
流が流れ出す。
【0035】図2(A)に示すような平坦な表面を有す
る配線層106は、入射する正電荷と負電荷の量が等し
ければ電荷のアンバランスは生じない。しかしながら、
図2(D)に示すように、ホトレジストパターンで覆わ
れた配線層の場合には、ホトレジストパターン110の
開口を介して配線層106に入射する正電荷と負電荷に
アンバランスが生じればチャージアップが生じてしま
う。
【0036】したがって、平面上に入射する正電荷と負
電荷の量が等しくても、その角度分布が異なると、斜め
に入射する成分はホトレジストパターン110でトラッ
プされ易く、配線層106では垂直に入射する成分が多
い極性にチャージアップしてしまう。
【0037】図2(D)の場合、アンテナ比の基準とな
る配線層の面積Afは、ホトレジストパターン110の
開口に露出された部分の面積となる。アンテナ比の大き
な配線層を加工する場合には、ゲート絶縁膜102aに
増幅された電流が流れるため、容易に絶縁ゲート構造の
特性が変化してしまう。
【0038】図3は、このような観点に基づき、本発明
者らが作成した実験用サンプルの構成を概略的に示す。
図3(A)は、実験用サンプルの1単位の概略平面図を
示し、図3(B)は、その部分的概略断面図を示す。
【0039】図3(A)に示すように、半導体基板表面
上に絶縁膜を介して導電パターン20を形成する。導電
パターン20は、薄いゲート酸化膜を介して半導体基板
と結合するゲート部分20aと、厚い酸化膜上に配置さ
れた広いアンテナ部分20bを有する。本発明者らは、
前述の観点に基づき、この導電パターン20の上にパタ
ーン間隔の異なる複数のレジストパターンを作成した。
【0040】図3(B)は、実験用サンプルの断面構造
を概略的に示す。半導体基板1の表面上には酸化膜2が
形成されている。酸化膜2は、ゲート部分では薄いゲー
ト酸化膜2aであり、その他の部分では厚いフィールド
酸化膜2bである。
【0041】この酸化膜2の上に、図3(A)で示した
ような導電パターン20が形成されている。導電パター
ン20の上には、ストライプ状の絶縁性レジストで形成
されたレジストパターン21を作成する。なお、導電パ
ターン20は酸化膜2の上で分離されており、半導体基
板1とは絶縁されている。
【0042】レジストパターン21のアスペクト比を変
化させた複数のサンプルを作成した。より具体的には、
レジストパターン21の存在しないアスペクト比0の試
料、アスペクト比0.7の試料およびアスペクト比約2
の試料を主に用いた。より具体的には、レジストパター
ンの幅および間隔は、それぞれ約0.7μmとし、その
高さを0.5μmおよび1.6μmに設定した。
【0043】なお、フィールド酸化膜2bで囲まれたゲ
ート酸化膜2aの寸法は、膜厚約8nm、面積1×1μ
mとし、アンテナ部分20bの面積は、約1×1mmと
設定した。すなわち、いわゆるアンテナ比は1,00
0,000である。
【0044】レジストパターンを有さないアンテナ構造
およびフラットバンド電圧によって均一化したプラズマ
中に、これらのサンプルを投入し、その損傷の程度を測
定した。プラズマはECRプラズマとし、基板にrfバ
イアス2.3W/cm2 を印加した。
【0045】このように設定したプラズマにサンプルを
約30秒露出して損傷の程度を調べた。図4(A)の実
験結果のグラフに示すように、レジストパターンがない
アスペクト比0の場合には、MOSゲート酸化膜の破壊
はほとんど見られず、従来のプラズマの均一化による損
傷の防止を証明している。すなわち、別の言葉で言え
ば、均一なプラズマが発生しているといえる。
【0046】ところが、アスペクト比を約0.7、約
2.0と増大するにつれ、ゲートの破壊率、すなわち損
傷の発生が著しく増大している。この現象は、いわゆる
均一プラズマによっては防止することのできない損傷の
存在を示している。
【0047】図4(A)から明らかなように、従来の判
断基準によれば、不均一の問題がないプラズマによって
損傷現象が発生しており、しかも破壊率はレジストパタ
ーンの高さが高いほど大きくなっている。
【0048】レジストパターンがない場合には、アンテ
ナ導体にはプラズマからイオンの正電荷と電子の負電荷
が等量到達していたと考えられる。これが従来の考えに
より、不均一がない場合に損傷が起こらないことの説明
となる。
【0049】ところが、レジストパターンが存在する場
合には、基板rfバイアスによってほぼ基板に垂直に加
速され、入射するイオンはアンテナ導体に到達するのに
対し、散乱されて横方向の速度成分が大きい電子の一部
分は、レジストパターンに衝突してアンテナ導体に到達
することができなくなるものと考えられる。
【0050】この結果、正電荷が過剰にアンテナ導体に
入射し、接続しているMOSダイオードを破壊したもの
と考えられる。この電子遮蔽の程度は、レジストパター
ンが高いほど強くなると考えられ、図4(A)の実験結
果を合理的に説明することができるものと思われる。
【0051】この実験で用いたサンプルは、プラズマが
均一であっても配線層のエッチングが不均一な場合には
損傷を生じることを、実験的に明らかにするために設計
したものである。背景としては、以下のような本発明者
らの実験的発見がある。
【0052】すなわち、配線層のエッチングにおいて問
題となる損傷は、オーバーエッチング時間には依存しな
い部分が大きかった。また、エッチング初期においても
損傷は生じにくい。これらの事実は、エッチング終点直
前の一定期間に損傷が生じやすいことを示している。さ
らに、配線の間隔が狭いパターンでのみこの損傷が見ら
れた。
【0053】アルミ合金のエッチングでは、間隔が狭い
パターンでエッチング速度が低下する、いわゆるマイク
ロローディング効果が存在する。このため、配線間隔の
狭い部分と配線間隔の広い部分が同時に存在するパター
ンをエッチングすると、配線間隔の広い部分において
は、エッチングが終了していても、配線間隔の狭い部分
には導体が残っていて、その導体がゲート電極に接続さ
れている場合が生じる。
【0054】配線間隔の広い部分でエッチングが終了し
ているため、この導体は他の導体から電気的に分離され
ていることが多い。したがって、この導体に入射する電
荷量にアンバランスがあると、ゲート電極に過大な電圧
が印加されてしまう。
【0055】なお、エッチング初期のように、導体が基
板表面全体に広がっている状態においては、スクライブ
ライン等で導体と基板が接続されていることが多い。こ
のような場合、基板は導体と同電位に保たれ、ゲート絶
縁膜の上下に電位差が生じない。このような状況におい
ては、損傷は起こり得ない。
【0056】なお、基板と導体が直接接続されていなく
ても、広い面積に亘って導体が広がっている場合には、
導体の電位は平均化され、基板電位との間に大きな電位
差が生じにくい。
【0057】図4(B)は、この状況を説明するための
概略図である。アルミ合金のエッチングでは、マスク間
隔が狭いパターンでエッチング速度が低下するいわゆる
マイクロローディング効果が存在する。このため、配線
間隔の狭い部分には導体が残っており、配線間隔の広い
部分では、導体がエッチング除去されてしまう状況が生
じる。
【0058】このような状況においては、ゲート電極に
その周辺のいくつかの導体が接続され、離れた導体から
は電気的に分離される状態が発生する。図4(B)は、
このような状況を示す。
【0059】半導体基板1の上に絶縁層2が形成され、
この絶縁層2の上にゲート電極層3が形成されている。
ゲート電極層3の表面は、層間絶縁膜4によって覆われ
ているが、ゲート電極層3の一部分上にビアホールが形
成され、このビアホールを介して配線層6が接続されて
いる。
【0060】配線層6は、当初は基板表面全面に亘って
堆積されたが、ホトレジスト9をマスクとしたエッチン
グによってパターニングが進み、図示の状態において
は、ゲート電極層3に接続された部分およびその両隣り
の配線層のみが互いに接続されている。
【0061】ホトレジストパターン9a、9b、9c間
のパターン間隔は狭く、これらのホトレジスト層の外側
の部分においては、配線層6が消滅した後も、マイクロ
ローディング効果によりその間の配線層6は残存してい
る。
【0062】このような配線層6に対して、イオンの正
電荷10および電子の負電荷11が入射するが、電子は
散乱によって横方向成分を多く有する。このため、ホト
レジスト層9の側面に入射する電荷としては電子が多
く、この反作用として、配線層6に入射する電荷として
は、イオンの正電荷の方が多くなる。
【0063】このため、配線層6に接続されたゲート電
極層3には正電荷が多く流入し、ゲート電極層3は正極
性に荷電してしまう。荷電による電位が所定値を越える
と、ゲート絶縁膜2aを介するトンネル電流や絶縁降伏
放電が開始され、ゲート絶縁膜2aが破壊されてしま
う。
【0064】図4(A)に示す実験結果は、このような
事情を説明しているものと考えられる。実験用サンプル
の構造は、簡単化のために、図3に示すような構成とさ
れている。3種類のサンプルの構成を図5により詳細に
示す。
【0065】図5(A)は、アスペクト比0の場合を示
す。半導体基板1の上に、ゲート絶縁膜2aおよびその
周囲のフィールド絶縁膜2bが形成され、その上にゲー
ト電極層20が形成されている。ゲート電極層20の上
にはホトレジスト層は形成されず、アスペクト比は0で
ある。
【0066】図5(B)は、同様の構成のゲート電極層
20の上にパターン間隔0.7μm、パターン幅0.7
μmのストライプ状レジストパターン21が形成されて
いる。レジストパターンの高さは0.5μmであり、ア
スペクト比は約0.7である。
【0067】図5(C)は、図5(B)と同様のレジス
トパターンが形成されているが、そのレジストパターン
の高さが1.6μmに設定されている。レジストパター
ン間隔およびパターン幅は、図5(B)と同様、それぞ
れ0.7μmである。したがって、アスペクト比は約2
となる。
【0068】図5(D)は、レジストパターンから露出
しているゲート電極層20の形状を概略的に示す。この
ようなサンプル表面上にイオンおよび電子がプラズマ状
態で存在し、正電荷のイオンは表面にほぼ垂直に入射
し、負電荷の電子は斜め方向に入射するものとする。
【0069】すると、図5(A)のアスペクト比0の場
合には、ゲート電極層20に等量のイオンおよび電子が
入射するが、図5(B)、(C)の場合には、斜め方向
に入射する電子はレジストパターン21の側面に一部が
入射し、そこでトラップされてしまう。
【0070】これに対し、レジストパターン21表面上
の開口部を通った正電荷のイオンは、ほぼ垂直方向に進
むため、ゲート電極層20にほぼそのまま入射する。し
たがって、ゲート電極層20に入射する電荷量としては
正電荷の方が多くなる。
【0071】レジストパターン21の高さが高くなるほ
ど、その側面がトラップする負電荷の量が多くなり、ゲ
ート電極層20に入射する電荷量としては正電荷の量が
多くなる。
【0072】このように、パターン間隔が約1μm以下
となる微細パターンにおいては、平面内でのプラズマが
均一であっても、プラズマ内の電荷の運動方向に異方性
があると、レジストパターンに覆われた導電層のエッチ
ングにおいては、入射電荷量のアンバランスが生じてし
まう。
【0073】なお、以上の実験においては、ストライプ
状のパターンを用いたが、電子の遮蔽によって正電荷過
剰を生じ、損傷に繋がる機構は、このような場合に限定
されない。図6は、実験により損傷が認められ、その機
構として上記実験結果を類推適用できる他の状況の例を
示す。
【0074】図6(A)は、コンタクトホールのエッチ
ング工程を示す。ゲート電極層20が層間絶縁膜22で
覆われ、その上にレジストパターン24が形成されてい
る。コンタクトホールのエッチングにおいては、エッチ
ング対象物が層間絶縁膜22であり、配線層20が露出
した時点でエッチングは終了するが、ゲート電極層20
は電気的に分離されていることが多い。
【0075】ゲート電極層20が部分的に露出した状況
ではエッチングが継続しており、上部からゲート電極層
20に入射する電荷にアンバランスがあると、ゲート電
極層20に過大な電位が生じてしまう。
【0076】図6(B)は、コンタクトホールのプラズ
マクリーニングの工程を示す。図6(A)に示すような
コンタクトホールエッチングによって形成されたコンタ
クトホールに、金属等の配線層を埋め込む直前に、コン
タクトホール内をプラズマでクリーニングする。
【0077】この状況においては、ゲート電極層20は
コンタクトホール内で露出しており、コンタクトホール
の周囲は層間絶縁膜22によって囲まれている。コンタ
クトホール上部からゲート電極層20に入射する正、負
電荷にアンバランスが生じる場合、図6(A)の場合と
同様、ゲート電極層20に過大な電位が発生してしま
う。
【0078】このように、プラズマエッチングのマスク
として絶縁物を用い、プラズマ中の正電荷と負電荷の速
度方向分布が異なるプラズマを用いてエッチングを行な
うと、半導体装置に損傷が生じることが判った。したが
って、損傷の防止対策として、図1に示すような方法が
考えられる。
【0079】図1(A)は、エッチングマスクとして導
電性材料を用いる場合を示す。Si基板1の表面上に
は、ゲート絶縁膜2a、フィールド絶縁膜2bを含むS
iO2等の絶縁膜2が形成されており、その上にゲート
電極層3が形成されている。ゲート電極層3表面は、層
間絶縁膜4によって覆われている。
【0080】層間絶縁膜4にはコンタクトホール5が形
成され、ゲート電極層3が露出する。配線層6は、コン
タクトホール5内のゲート電極層3に接続し、層間絶縁
膜4上に形成される。
【0081】配線層6の上には、導電性マスク層として
アモルファスカーボン(a−C)層7が形成される。a
−C層7の上に、レジスト層を塗布し、パターニングす
ることによってレジストマスクを形成する。このレジス
トマスクをエッチングマスクとしてa−C層7がパター
ニングされる。少なくともエッチング終期においては、
a−C層7上のレジスト層は除去され、a−C層が露出
される。
【0082】このエッチングマスクは導電性を有するた
め、エッチングマスクに入射した電荷も全て配線層6に
流れることができる。したがって、均一性のあるプラズ
マを用いる限り、配線層6、a−C層7に入射する正電
荷と負電荷のバランスをとることができる。
【0083】図1(B)は、エッチングマスクとして絶
縁マスク13を用いるが、その厚さを所定条件に選定す
る場合を示す。絶縁マスク13は、パターン間の開口部
8と比べ、その厚さが薄く、より具体的には1/2以下
に設定されている。したがって、電子11が斜め方向に
パターン入射しても、絶縁マスク13に入射する確率は
著しく低い。
【0084】図1(C)は、プラズマ条件自身を調整
し、正電荷と負電荷が等しく、垂直方向に入射する場合
を示す。配線層6上に、従来通りのレジストマスク9を
形成し、エッチングを行なっても、イオン10および電
子11が等量垂直方向に入射すれば、配線層6のチャー
ジアップは生ぜず、損傷を防止することができる。
【0085】イオンおよび電子を垂直方向に等量入射さ
せるためには、まず従来と同様の均一のプラズマを発生
させ、さらにrfバイアスを1MHz以下の低い周波数
にすることが効果的である。さらに、拡散磁場と補助磁
場でカスプ磁場を形成すると有効である。また、拡散磁
場と補助磁場を用い、ミラー磁場を形成することも有効
である。
【0086】図1(D)は、エッチング終期においても
ゲート電極またはゲート電極に接続する配線層が基板か
ら電気的に分離されにくくする構成を示す。配線層6
は、基板コンタクト等においてSi基板1の上に直接形
成されており、接地配線等を構成している。この場合、
ゲート電極層3と配線層6が切り離されてしまうと損傷
が生じ得る。
【0087】マイクロローディング効果により、パター
ン間隔の狭い部分ではエッチングは終了せず、パターン
間隔の広い部分ではエッチングが終了する現象を積極的
に利用する。すなわち、スクライブライン等で基板に直
接接続している配線層6とゲート電極層3とは、全て一
定の狭いパターン間隔によって結合されるようにする。
【0088】中間に広い面積の間隔が存在する場合に
は、その間隔内にダミー配線を形成し、広いパターン間
隔が生じないようにする。以下、これらの方法をより具
体的に説明する。
【0089】図7(A)〜(D)、図8(A)〜(D)
は、本発明の実施例による半導体装置の製造方法の主要
工程を示す断面図である。図7(A)は、Si基板1の
上に酸化膜2を形成する工程を示す。たとえば、Si基
板1の表面を約5nm酸化した後、その上に厚さ約11
5nmの窒化シリコン膜を堆積し、パターニングしてフ
ィールド酸化膜を形成しない領域上にのみ窒化シリコン
膜を残す。
【0090】必要に応じ、ウェルを形成する不純物をイ
オン注入により導入し、熱拡散させる。また、チャネル
ストップ不純物をイオン注入する。パターニングした窒
化シリコン膜を耐酸化マスクとし、水素燃焼酸化による
選択酸化法で厚さ約350nmのフィールド酸化膜2b
を形成する。その後、耐酸化マスクとして用いた窒化シ
リコン膜を除去する。
【0091】次に、ドライ酸素中で活性領域に厚さ約1
5nmの犠牲酸化膜を形成し、MOSトランジスタの閾
値(VTH)制御用の不純物をイオン注入する。次に、
希HF水溶液で犠牲酸化膜を除去する。露出した活性領
域のSi基板上に厚さ約8nmのゲート酸化膜2aをド
ライ酸素雰囲気中の酸化で形成する。このようにして、
図7(A)に示す酸化膜が形成される。
【0092】図7(B)に示すように、酸化膜2の上に
ゲート電極層を形成パターニングしてゲート電極3を作
成する。より詳細に述べると、たとえば非晶質シリコン
膜を厚さ約50nm、タングステンシリサイド膜を厚さ
約150nmCVDにより積層する。このようにして形
成したゲート電極膜に不純物をイオン注入し、ゲート電
極膜を形成する。ゲート電極膜上に減圧CVDにより厚
さ約60nmのキャップ酸化膜を形成し、キャップ酸化
膜とゲート電極膜を一緒にパターニングしてゲート電極
3を形成する。
【0093】ゲート電極3をパターニングした後、不純
物をイオン注入し、図中ゲート電極の前後に配置される
ソース/ドレイン(S/D)領域に不純物を導入し、S
/D領域を作成する。
【0094】なお、S/D領域を作成する際、まず不純
物を軽くイオン注入することによってLDD領域を作成
し、酸化膜を減圧CVDで成長し、異方性エッチングを
行なってサイドウォールスペーサを形成した後、S/D
領域形成用の不純物をさらにイオン注入して、たとえば
1000℃のラピッドサーマルアニール(RTA)で不
純物を活性化してS/D領域を形成してもよい。
【0095】また、電極の抵抗を下げるために、必要に
応じ、メタルシリサイドを自己整合形成(サリサイド)
してもよい。たとえば、Ti膜を約30nm堆積し、熱
処理で活性領域のSiと反応させ、TiSi層を形成し
てもよい。
【0096】このようにしてゲート電極3を形成した
後、CVDにより層間絶縁膜4を形成する。層間絶縁膜
としては、プラズマCVDで形成した窒化酸化シリコン
膜とスピンオングラス(SOG)膜の複合膜等を用いる
ことができる。
【0097】図7(C)に示すように、層間絶縁膜4の
上に、レジスト膜9aを形成し、露光現像してコンタク
トホール形成用の開口5aを作成する。レジスト膜9a
をエッチングマスクとし、層間絶縁膜4をエッチングす
ることにより、層間絶縁膜4を貫通し、ゲート電極3を
露出するコンタクトホール5を形成する。その後、レジ
スト膜9aはアッシング等により除去する。
【0098】図7(D)に示すように、コンタクトホー
ル5を形成した層間絶縁膜4の上に、たとえばスパッタ
リングにより配線層6を堆積する。配線層6は、たとえ
ば厚さ約20nmのTi層、厚さ約50nmのTiN層
の積層からなるバリアメタル上に厚さ約1μmのAl層
をスパッタリングで成膜した積層で形成する。配線層6
の上に、アモルファスカーボン(a−C)膜7をスパッ
タリングまたはプラズマエンハーンスドCVDにより成
膜する。
【0099】図7(D)の構造においては、Si基板1
の表面上に活性領域を画定するフィールド酸化膜2bが
形成され、活性領域のチャネル領域上にはゲート酸化膜
2aが形成されている。ゲート電極層3は、ゲート酸化
膜2a上からフィールド酸化膜2b上にまで延在するよ
うに形成されている。しかしながら、この段階において
は、ゲート電極層3のアンテナ比は未だ低い値を有す
る。
【0100】ゲート電極3の紙面垂直方向両側には、ソ
ース領域およびドレイン領域が形成され、MOSトラン
ジスタが形成されている。コンタクトホール5を介して
ゲート電極3に接続された配線層6は、基板全面上に形
成され、10以上の大きなアンテナ比を有する。配線層
6をパターニングした後においても、配線の長さによっ
てはアンテナ比は極めて高い値を有する。アンテナ比
は、たとえば100以上、場合によっては1000以
上、時には10000以上となる。a−C層7は、たと
えば厚さ約0.2μmを有し、チャージアップに関して
は十分導電体と見なすことができる。
【0101】次に、図8(A)に示すように、a−C層
7の上に、レジスト層9を塗布し、露光、現像すること
によってレジストパターンが形成されている。レジスト
パターンは、最小パターン間隔が約0.8μmである。
【0102】図8(B)に示すように、このレジストパ
ターン9をエッチングマスクとして、CF4 を含むプラ
ズマによってa−C層7を選択的にエッチングする。a
−C層7のエッチング終了後、塩素を含むプラズマでア
ルミ合金の配線層6を約0.9μm程度エッチングす
る。
【0103】この段階では、配線層6はエッチされた部
分においても約0.1μm残っており、基板1上で全て
接続された状態を保持している。したがって、たとえ局
所的に配線層6に入射する正電荷と負電荷のアンバラン
スが生じても、配線層6全体の電位は安定に保たれる。
【0104】配線層6の大部分をエッチングした後、酸
素のプラズマダウンフローによってレジスト層9を除去
する。酸素のプラズマダウンフローはエッチングの選択
性に優れ、レジスト層9をエッチングし、かつa−C層
7をエッチせずに残すことができる。
【0105】次に、図8(C)に示すように、a−C層
7をエッチングマスクとして、配線層6のエッチングを
継続する。たとえば、塩素を含むプラズマで配線層6の
エッチングを完了させる。
【0106】図8(C)に示す状態においては、配線層
6の上を覆うエッチングマスクは、導電性のa−C層7
であり、a−C層7に入射した電荷も配線層6に流れる
ことができる。プラズマの均一性が保たれていれば、配
線層6およびゲート電極層3における電荷の蓄積は生じ
ない。
【0107】配線層6エッチング完了後、酸素プラズマ
を用いてa−C層7を除去する。図8(D)は、このよ
うにしてエッチングを完了した配線層6a、6bの状態
を示す。
【0108】図8(B)に示すエッチング工程において
は、レジスト層9に入射する電子が遮蔽されることによ
り、配線層6およびゲート電極層3に入射する電荷量の
アンバランスが生じ得るが、配線層6が基板全面上で接
続されているため、局所的なアンバランスは全体として
平均化され、中和される。
【0109】このためには、図8(B)に示すエッチン
グは、損傷を生じない。ただし、マスク間隔の広い部分
で配線層6のエッチングが終了すると、配線層6が各パ
ターンで分離され、チャージアップが生じるようにな
る。したがって、図8(B)のエッチングは配線層6が
分断化される前に停止する必要がある。
【0110】エッチング終期においては、図8(C)の
状態となるため、a層7に側面から電子が入射しても、
その電子はa−C層7を通過して配線層6に達し、配線
層6に入射されるイオンを中和する。
【0111】このように、エッチング用補助マスクとし
て導電性のa−C層を用いることにより、絶縁マスクの
電子遮蔽による損傷を防止することができる。なお、a
−C層を10mTorr、1.5kWの条件でスパッタ
リングし、厚さ約0.5μmに成長し、その抵抗率を測
定したところ、約0.25Ωcmであった。
【0112】プラズマからの荷電粒子による電流は、1
0mA/cm2 程度であり、瞬時の最大値を考えても1
A/cm2 程度と考えられる。したがって、このような
抵抗率を有するa−C層をマスクとした場合、膜厚を1
μmとしても膜厚方向の電位差は精々25μVとなり、
損傷を十分防止できる。
【0113】さらに、ゲート絶縁膜が損傷を受けないた
めには、1Vの桁の電位差がないようにすればよいの
で、1μm厚で使用するとして抵抗率104 Ωcm程度
以下の導電性膜であれば導電性マスクとして使用でき
る。
【0114】なお、レジストパターンの厚さを減少し、
エッチング中にレジストパターンが消滅して自動的に導
電性パターンを露出する方法も考えられるが、パターン
精度維持の面からは好ましくない。
【0115】すなわち、エッチング中にはエッチングマ
スクの上端部において横方向エッチングが生じ、いわゆ
るファセットが発生する。レジストパターンが消滅する
までエッチングを継続するとファセットが後退し、レジ
ストパターンが変化してしまう。
【0116】図8においては、エッチングの主要部、特
に前半部はエッチングマスクとしてレジストマスクを用
いてエッチングを行なったが、導電性マスクが十分な厚
さを有している場合には、エッチング開始前にレジスト
マスクを除去することもできる。
【0117】図9は、本発明の他の実施例による半導体
装置の製造方法を示す。図9(A)において、図8
(A)の場合と同様、アルミ合金等の配線層6の上にa
−C層7が成膜されている。本実施例においては、a−
C層7の厚さを約7μmに設定している。他の部分の構
成は図8(A)と同様である。
【0118】図9(B)に示すように、レジストマスク
9を用いてa−C層7をCF4 を含むプラズマによって
選択的にエッチングする。その後、レジストマスク9は
酸素のプラズマダウンフローによって除去する。図9
(B)がこの状態を示す。
【0119】次に、図9(C)に示すように、a−C層
7をエッチングマスクとし、塩素を含むプラズマでアル
ミ合金の配線層6のエッチングを行なう。このエッチン
グにおいては、エッチングマスクが導電性であるため、
a−C層7側面に入射した電子も直ちに配線層6に伝達
され、配線層6に入射されたイオンと中和することがで
きる。
【0120】プラズマの均一性が保たれていれば、a−
C層7と配線層6全体に入射する正電荷と負電荷の量は
ほぼ同量であり、良好な電荷のバランスが保たれる。し
たがって、損傷は発生しにくい。
【0121】図9(D)に示すように、配線層6のエッ
チング終了後、酸素を含むプラズマでa−C層7を除去
する。なお、a−C層上のレジスト除去には酸素のプラ
ズマダウンフローを用いると、a−C層のエッチング速
度を遅くでき、選択エッチングに好適である。さらにC
4 を添加すると、レジストのアッシング速度は増大す
る。
【0122】プラズマエッチングによる損傷は、電気的
に分離された導電層の上に絶縁物のレジストマスクが存
在し、レジストに入射する電子がそこでトラップされて
しまうことによる。
【0123】もし、エッチングにおけるエッチングマス
クが、十分薄い厚さで形成できるとすれば、エッチング
マスク側面に入射する電子の量も相対的に低減し、損傷
の程度は低減する。
【0124】図10(A)〜(C)は、本発明の他の実
施例による半導体装置の製造方法を示す。図10(A)
において、前述の実施例同様、Si基板1の表面上に絶
縁膜2を形成し、絶縁膜2の上にゲート電極層3、層間
絶縁膜4が形成されている。層間絶縁膜4および開口5
で露出したゲート電極層3の上に、たとえば厚さ1μm
のアルミ合金で形成された配線層6を堆積する。
【0125】配線層6の上に、たとえば厚さ約0.3μ
mのSiO2 膜13をプラズマCVDによって成膜す
る。SiO2 膜13の上に、レジスト層を塗布し、最小
マスク間隔0.8μmのレジストパターン9を形成す
る。
【0126】レジストパターン9をエッチングマスクと
し、CF4 を含むプラズマによってSiO2 膜13の選
択エッチングを行なう。SiO2 膜13をエッチングし
た後、酸素プラズマを用いてレジストパターン9を除去
する。レジストを除去し、かつa−C層を残す場合は選
択性の良いプラズマダウンフローを用いるのが好ましい
が、このレジスト除去工程は下地がSiO2 なので、単
なる酸素プラズマで行なえばよい。
【0127】図10(B)は、レジストパターンを除去
した状態を示す。配線層6の上には、SiO2 膜のエッ
チングマスク13が形成されている。マスク開口部を考
察すると、開口幅が約0.8μmに対し、マスクの高さ
は約0.3μmであり、開口内に露出している面積とし
ては、配線層6の面積がSiO2 膜13の面積と比べ、
著しく大きい。
【0128】図10(C)に示すように、塩素を含むプ
ラズマでSiO2 膜13をマスクとしてアルミ合金の配
線層6をエッチングする。SiO2 膜13上面において
は、プラズマの均一性が保証されているため、入射する
正電荷と負電荷の量は等しく、電荷は中和する。
【0129】SiO2 膜13側面に入射する電子とイオ
ンに関しては、電荷のバランスが保証されないが、Si
2 膜13の厚さが薄いため、発生する電荷のアンバラ
ンスも小さい。したがって、SiO2 膜13下の配線層
6に入射する正電荷と負電荷のアンバランスも小さくな
る。
【0130】マスクの高さを低くすることによって電子
遮蔽が低減されると共に、開口部の高さ自身が減少する
ことにより、マイクロローディング効果も減少すると考
えられる。
【0131】図11は、本発明の他の実施例によるプラ
ズマエッチングを説明するためのプラズマエッチング装
置の概略断面図である。気密なプラズマチェンバ31に
は、ガス導入口32と排気口33が設けられている。ガ
ス導入口32がエッチングガス源に接続され、排気口3
3は排気装置に接続される。
【0132】また、プラズマチェンバ31上方にはプラ
ズマ発生室35が接続されており、マイクロ波導入管3
4と気密窓を介して結合されている。プラズマ発生室3
5の周囲には主コイル36が配置されており、プラズマ
チェンバ31およびプラズマ発生室35内に発散磁場を
形成することができる。
【0133】マイクロ波導入管34よりプラズマ発生室
35内にマイクロ波を導入しつつ、主コイル36によっ
て磁場を発生することにより、プラズマ発生室35内に
所望形状のECRプラズマを発生することができる。こ
のプラズマは、プラズマチェンバ31内に移動し、サセ
プタ41上に配置される基板に衝突する。
【0134】サセプタ41の下部には、リング状の外側
コイル38および内側コイル39が配置されている。ま
た、サセプタ41は、rfバイアス源42に接続されて
いる。
【0135】このような発散磁場型ECRプラズマエッ
チング装置を用い、基板に対して垂直方向に運動するイ
オンと電子の量が等しくなる条件を求めた。具体的に
は、パターン間隔0.8μmの密なストライプ状パター
ンを形成した試料を基板として配置し、損傷の発生を検
出した。
【0136】アンテナ面積比106 のアンテナが付いた
MOSキャパシタを、基板表面上に多数形成し、圧力
0.6PaのCl2 +BCl3 ガスでアンテナ導体のア
ルミ合金のエッチングを行なった。表1に、発散磁場型
ECRプラズマ装置での損傷の発生状況をまとめて示
す。
【0137】rfバイアス周波数は、代表的には13.
56MHzと400kHzの2種類を用い、コイル38
とコイル39に流す電流を変化させた。コイル38は、
主コイル36が形成する磁場と逆向きのカスプ磁場を発
生し、コイル39は主コイル36が発生する磁場と同じ
向きのミラー磁場を発生する。
【0138】
【表1】
【0139】表に示す結果から明らかなように、rfバ
イアス周波数を低く設定すると、損傷が減少して良好な
結果が得られている。なお、rfバイアス周波数が高く
ても、コイル38、コイル39の磁場条件によっては損
傷は抑制されている。このような条件依存性は、同様な
アンテナ構造を有するMOSトランジスタの閾値Vth
による評価でも同様な傾向が得られた。
【0140】ここで発生している損傷は、先に説明した
通り、マイクロローディング効果によって発生するアン
テナパターン間の導体に電子が到達しずらく、イオンの
正電荷が過剰になるために発生するものと考えられる。
周波数を下げてもマイクロローディング効果には基本的
に変化がなかったので、周波数の変化により電子の運動
状態が変化したものと考えられる。
【0141】すなわち、基板バイアスの周波数を低く、
好ましくは1MHz以下に下げることにより、少なくと
もパターン近傍で電子が基板に向かって加速される状態
になり、レジストパターンで遮られることが減少するも
のと考えられる。
【0142】なお、ここで用いた発散磁場型ECRエッ
チング装置は、rfバイアスを13.56MHzに設定
した場合にも、従来の定義によるプラズマ不均一は発生
していないものである。
【0143】同様の傾向は、ヘリコン波プラズマを利用
した場合、誘導結合プラズマを利用した場合、トランス
結合プラズマを利用した場合、DECRプラズマを利用
した場合にも成立するものと考えられる。
【0144】このような高密度プラズマ源によるプラズ
マに基板を露出し、基板の下にrf電力を印加して処理
を行なう場合には、バイアス周波数を約1MHz以下に
することで損傷を抑制することができると考えられる。
【0145】図12は、本発明の他の実施例によるプラ
ズマエッチングを説明するためのプラズマエッチング装
置の概略断面図である。このプラズマエッチング装置に
おいては、プラズマチャンバ31の上側、かつ主コイル
36の外側に外側補助コイル38a、内側補助コイル3
9aが配置されている。その他の構成は、図11に示す
エッチング装置と同様である。
【0146】図12に示す発散磁場型ECRプラズマエ
ッチング装置を用い、基板に対して垂直方向に運動する
イオンと電子の量が等しくなる条件を求めた。具体的に
は、パターン間隔0.8μmのストライプ状パターンを
形成した試料を基板上に多数形成し、エッチングを行な
って損傷の検出を行なった。なお、試料のアンテナ比は
前述の実施例同様106 とした。
【0147】圧力0.53PaのCl2 +BCl3 ガス
でアンテナ導体のアルミニウム合金のエッチングを行な
った。rfバイアス源42のバイアス周波数は400k
Hzとし、外側コイル38a、内側コイル39aに流す
電流を変化させた。主コイル36が形成する磁場と同じ
向きのミラー磁場を形成する電流を"+"とし、逆向きの
カスプ磁場を形成する電流の向きを"−"とする。
【0148】表2に実験の結果をまとめて示す。
【0149】
【表2】
【0150】表2に示す結果から明らかなように、主コ
イル36が形成する磁場と同じ向きのミラー磁場を外側
コイル38a、内側コイル39aによって発生すると、
損傷が減少し、良好な結果が得られる。なお、表に示す
前条件において、従来の定義によるプラズマ不均一は発
生していない。従って、発生している損傷は、マイクロ
ローディング効果によって発生するアンテナパターン間
の導体に電子が到達しずらく、イオンの正電荷が過剰に
なるために発生するものと考えられる。補助コイル38
a、39bに流す電流によっては、マイクロローディン
グ効果に基本的に変化は生じなかったため、ミラー磁場
形成によって少なくともパターン近傍で基板に対して垂
直方向に運動するイオンと電子の量が等しくなったもの
と考えられる。
【0151】なお、内側コイルのみに20Aの電流を主
コイルと同一方向に流し、rfバイアス源を13.56
MHzとした場合には損傷が生じた。図13は、本発明
の他の実施例による半導体装置の製造方法を説明するた
めの平面図である。
【0152】図13(A)は、作成する配線パターンを
示している。配線51はゲート電極に接続され、アンテ
ナ比の大きな配線群を示す。配線52は電源配線であ
り、半導体基板もしくはウェルに接続されている。作成
しようとする集積回路上、配線51と配線52の間には
配線は不必要である。したがって、配線51と配線52
の間に広い間隔が生じる。
【0153】このような場合、従来の技術によれば、配
線51と配線52の間の広い間隔はエッチング工程にお
いて容易に除去され、そのエッチングが終了した時点に
おいても配線群51内のエッチングはマイクロローディ
ング効果により終了しない。
【0154】このような場合に、配線群51と配線52
の間に補間ないしダミーパターン53を設け、パターン
間の間隔をなるべく均一に保持する。より具体的には、
配線群51の最小パターン間隔と等しい間隔を有するよ
うに補間パターン53を配置する。
【0155】このようなパターンをエッチングすると、
配線群51の各間隔および補間パターン53と配線群5
1の間の間隔、補間パターン53と電源配線52の間の
間隔がほぼ等しいため、同程度のマイクロローディング
効果が発生し、エッチングの進行が均一化する。したが
って、部分的に配線層が切断され、ゲート電極に過度の
電荷が流れ込むことを防止することが可能となる。
【0156】図13(B)は、アンテナ比の大きな配線
群51と電源配線52の間に信号配線54が存在し、か
つ信号配線54の両側に比較的広い面積が配置される場
合を示す。
【0157】この場合にも、信号配線54の両側の領域
に、補間パターン53a、53bを設け、補間パターン
53a、53b両側のスペース部分がアンテナ比の大き
な配線群51内のパターン間隔とほぼ等しくなるように
設定する。
【0158】このように、最小パターン間隔の揃ったパ
ターンを補間パターンの挿入によって形成することによ
り、マイクロローディング効果が均一に発生し、アンテ
ナ比の大きな配線群51が電源配線52から切り離され
る時期をエッチング終了間際にすることができる。した
がって、ゲート電極に発生する蓄積電荷の不均一が是正
され、損傷が抑圧される。
【0159】以上説明した実施例は、特にアンテナ比の
高い配線層の作成時に有効である。図14は、アンテナ
比が高くなり易い回路構成の例を示す。図14(A)は
NAND回路の等価回路である。電源配線VDD、接地配
線VSSの間に、2入力のNAND回路が接続されてい
る。2つのpチャネルMOSトランジスタQp1、Qp
2のソースが電源配線VDDに接続され、ドレインは共通
に接続されている。このドレインに、直列に接続された
nチャネルMOSトランジスタQn1、Qn2が接続さ
れ、Qn1のソースが接地配線VSSに接続されている。
【0160】入力信号IN1の配線は、pチャネルMO
SトランジスタQp1とnチャネルMOSトランジスタ
Qn1のゲート電極に接続され、他の入力信号IN2の
配線は、pチャネルMOSトランジスタQp2とnチャ
ネルMOSトランジスタQn2のゲート電極に接続され
ている。
【0161】また、2つのpチャネルMOSトランジス
タQp1、QWp2のドレインと、nチャネルMOSト
ランジスタQn2の相互接続点から出力信号OUTが引
き出されている。
【0162】このような論理回路は、前段の論理回路か
ら入力信号を受ける。前段の論理回路が必ずしも近くに
存在するとは限らず、入力信号配線は場合によっては極
めて長くなる。特に、マイクロプロセッサ、ASIC
(application specific IC )、ASSP(applicatio
n specific standard product )、ゲートアレイ等でこ
のような状況が出現する。
【0163】汎用メモリデバイスでは設計時点でアンテ
ナ比検査を行なって素子配置と配線の変更を行ない、ア
ンテナ比を下げたり保護素子を挿入する等の保護対策を
行なえる。これは、設計作業の自動化の程度が比較的低
いことによっている。
【0164】これに対し、論理回路デバイスにおいて
は、機能から論理設計、ゲートレベルの設計、レイアウ
ト設計までCADによる自動化が進んでいる。ここで、
アンテナ比の検査を行なっても、配線の変更、保護素子
の挿入は大きな設計コストの増大を伴ってしまう。した
がって、論理回路デバイスにおいては、デバイス設計の
変更によってダメージ対策を行なうことが難しい。
【0165】図14(B)は、図14(A)のNAND
回路の構成例を示す平面図である。pチャネルMOSト
ランジスタ形成用のn型ウェル61と、nチャネルMO
Sトランジスタ形成用のpウェル62が近接して作成さ
れている。このnウェル61とpウェル62を貫通する
ように、その上にゲート配線63、64が配置されてい
る。
【0166】ゲート配線63、64をマスクとしてイオ
ン注入することにより、nウェル61内にp型ソース領
域Sp1、Sp2およびp型ドレイン領域Dpが作成さ
れる。また、pウェル62の中には、ゲート配線63、
64をマスクとするイオン注入により、n型のソース領
域Sn1、ドレイン領域Dn1およびソース兼ドレイン
領域S/Dnが形成される。
【0167】このような構成の上に、配線65〜70が
第1配線層として形成される。第1配線層を覆う層間絶
縁膜が形成され、コンタクトホールを形成した後、第2
配線層が形成される。電極71〜74が第2配線層によ
って形成される配線を示す。さらに、第2配線層を覆っ
て層間絶縁膜が形成され、コンタクトホールがその中に
形成される。第2配線層上に第3配線層が形成される。
配線75〜77が第3配線層を示す。
【0168】たとえば、ゲート電極63、64を形成し
た後、第1配線層を作成する際、電極67、68はゲー
ト電極63、64に接続された状態で作成される。図示
の場合、この段階においては、アンテナ比はあまり高く
ない。しかしながら、第2配線層を作成する時に、配線
72、73は設計によっては極めて長い長さを有する。
配線72、73作成の際、アンテナ比はゲート電極6
3、64の真性ゲート領域に対する配線72、73の露
出表面積によって決まる。さらに、配線72、73が分
離されるまで、接続されている配線領域もアンテナ比を
実効的に高める役割を果たす。
【0169】また、第3配線層作成の際に、配線75、
76は配線72、73を介してゲート配線63、64に
接続される。この配線層作成の際にもアンテナ比の高い
配線が形成されている可能性が高い。配線77もアンテ
ナ比を増大させる原因となる。
【0170】図15は、このような多層配線の構造を概
略的に示す断面図である。図2(A)に示す構造と同様
の構造により第1配線層106までが形成されている。
この上に層間絶縁膜115、第2配線層117、層間絶
縁膜119、第3配線層120が形成されている。第
3、第2、第1配線層120、117、106はゲート
電極に接続されている。このように、特に論理回路を作
成する場合に、上述の実施例が有効となる。
【0171】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
MOSトランジスタのゲート電極またはゲート電極に接
続される配線層は、多結晶Siのみでなく、高融点金属
ポリサイド(たとえば多結晶Siと高融点金属(たとえ
ばW)のシリサイドの積層)、シリサイド等の金属、T
iN等によって形成することもできる。もちろん製造プ
ロセス中はアモルファスSiであってもよい。
【0172】なお、a−Cのエッチングは、CF4 、C
2 、BCl3 等のエッチングガスを用いて行なうこと
ができる。AlおよびAl合金のエッチングは、C
2 、HCl等のClを含むガスを用いて行なうことが
できる。また、レジストとa−Cのエッチングは、O2
を用いたエッチングによって行なうことができる。な
お、プラズマエッチングはrfプラズマ、μ波プラズマ
等、種々のプラズマを用いて行なうことができる。
【0173】導電性マスクとしてアモルファスカーボン
を用いた場合を説明したが、配線層がAlの場合、導電
性マスクとしてWを用い、エッチャントとしてBr系ガ
スを用いることもできる。
【0174】また、配線層がWの場合、導電性マスクと
してAl、TiN等を用い、エッチャントとしてF系ガ
スを用いることもできる。配線層がWシリサイドやポリ
サイドの場合にも同様の組み合わせが可能である。配線
層と導電性マスクの組み合わせは、エッチングの選択性
が高く、マスクに十分な導電性があればよい。
【0175】パターン間の間隔として0.7μmの場合
と0.8μmの場合を説明したが、パターン間の間隔は
約1μm以下であれば、顕著なマイクロローディング効
果が発生するので、本発明が適用できる。
【0176】その他、種々の変更、改良、組み合わせ等
が可能なことは当業者に自明であろう。
【0177】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
密な配線パターンのエッチング加工、コンタクトホール
の形成、コンタクトホール内のクリーニング等におい
て、プラズマに起因する損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本概念を説明するための概略断面図
である。
【図2】アンテナ構造とトンネル電流を説明するための
断面図、平面図およびグラフである。
【図3】実験用サンプルを説明するための平面図および
断面図である。
【図4】実験結果と解析を説明するためのグラフおよび
断面図である。
【図5】実験条件とその解析を示す断面図および平面図
である。
【図6】実験結果を適用できる他の状況を示す断面図で
ある。
【図7】本発明の実施例による半導体装置の製造方法を
説明するための断面図である。
【図8】本発明の実施例による半導体装置の製造方法を
説明するための断面図である。
【図9】本発明の実施例による半導体装置の製造方法を
説明するための断面図である。
【図10】本発明の実施例による半導体装置の製造方法
を説明するための断面図である。
【図11】本発明の実施例を説明するためのプラズマエ
ッチング装置の概略断面図である。
【図12】本発明の実施例を説明するためのプラズマエ
ッチング装置の概略断面図である。
【図13】本発明の実施例を説明するための配線パター
ンの平面図である。
【図14】本発明の実施例の使用に適したNAND回路
の等価回路図および構成図である。
【図15】多層配線半導体装置の構成を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
1 Si基板 2 絶縁膜 2a ゲート絶縁膜 2b フィールド絶縁膜 3 ゲート電極層 4 層間絶縁膜 5 コンタクトホール 6 配線層 7 a−C層 8 パターン間開口部 9 レジストマスク 10 イオン 11 電子 13 絶縁マスク 20 導電パターン 20a ゲート部分 20b アンテナ部分 21 レジストパターン 22 層間絶縁膜 24 レジスト膜 31 チェンバ 36 主コイル 38、39 コイル 42 rfバイアス源 51 (アンテナ比の大きな)配線群 52 電源配線 53 補間パターン 54 信号配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 大輔 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 青山 正明 愛知県春日井市高蔵寺町二丁目1844番2 富士通ヴィエルエスアイ株式会社内 Fターム(参考) 5F004 BA14 BB07 BB13 CA06 EA03 EB01 EB02 EB03 5F033 HH04 HH08 HH18 HH19 HH25 HH28 HH33 JJ04 JJ08 JJ18 JJ19 JJ25 JJ28 JJ33 KK04 KK05 KK27 KK28 MM07 MM08 NN06 NN07 PP15 QQ08 QQ09 QQ12 QQ21 QQ27 QQ28 QQ37 QQ70 QQ73 RR08 RR09 SS15 VV01 WW00 WW01 5F140 AA26 AA38 AB03 BA01 BC06 BE07 BF01 BF04 BF10 BF11 BF18 BF59 BG08 BG12 BG28 BG32 BG46 BG52 BG53 BH15 BJ01 BJ08 BK02 BK13 BK21 BK34 CA01 CA02 CA03 CB01 CB10 CC01 CC09 CC10 CC12 CC16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物表面上において特性が均一なプ
    ラズマを用いて絶縁ゲート型電界効果トランジスタの絶
    縁ゲートに接続する配線層またはその上の絶縁層を加工
    する際、配線層表面にほぼ垂直に入射するイオンと電子
    とがほぼ等量となるように周波数が1MHz以下のrf
    バイアスを被加工物に印加する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、被加工物に向かって次第に磁束
    密度が減少する発散磁場とミラー磁場とを印加する請求
    項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 被加工物に向かって次第に磁束密度が減
    少する発散磁場の下で、プラズマを発生させ、被加工物
    表面にほぼ垂直に入射するイオンと電子がほぼ等量にな
    るようにカスプ磁場を印加し、被加工物をエッチングす
    る半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 パターン間隔が1μm以下の導電膜パタ
    ーンを含む半導体装置の製造方法であって、 半導体基板の一部表面上に薄い絶縁膜を介して電極層を
    形成する工程と、 前記電極層を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、 前記層間絶縁膜上に前記電極層に接続された導電膜を形
    成する工程と、 導電膜上に絶縁マスク材層を形成する工程と、 絶縁膜マスク材層上にレジスト層を塗布する工程と、 レジスト層をパターニングする工程と、 レジスト層をマスクとして絶縁マスク材層をパターニン
    グする工程と、 レジスト層を除去する工程と、 絶縁マスク材層をマスクとして導電膜をプラズマエッチ
    ングでパターニングする工程とを含み、前記絶縁マスク
    材層の厚さは最小パターン間隔の1/2以下に設定され
    ている半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記層間絶縁膜が前記電極層を露出する
    コンタクトホールを有する請求項4記載の半導体装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記層間絶縁層が他の配線層を中間に挟
    んだ複数の絶縁層である請求項4記載の半導体装置の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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