JP2003208056A - 定着装置及び画像形成装置及び離型剤塗布ローラ - Google Patents

定着装置及び画像形成装置及び離型剤塗布ローラ

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JP2003208056A
JP2003208056A JP2002007606A JP2002007606A JP2003208056A JP 2003208056 A JP2003208056 A JP 2003208056A JP 2002007606 A JP2002007606 A JP 2002007606A JP 2002007606 A JP2002007606 A JP 2002007606A JP 2003208056 A JP2003208056 A JP 2003208056A
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roller
fixing
release agent
sheet
fixing device
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JP2002007606A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshinaga
洋 吉永
Genichi Yasui
元一 安井
Hideo Furukawa
英男 古川
Masanao Ebara
正尚 江原
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に発泡体を有する離型剤塗布ローラを用
いても、OHPシートの光の透過率の低下や色のくすみ
を防止する定着装置及びこれを有する画像形成装置およ
びこれらに備えられた、表面に発泡体を有する離型剤塗
布ローラの提供。 【解決手段】 シート状媒体を搬送しつつトナー像を定
着するシート搬送部材2に離型剤を塗布するための離型
剤塗布ローラ32が、その少なくとも表面に発泡体66
を有し、発泡体66における発泡の径の平均値が75μ
m以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着ベルト、加圧
ローラ、加熱ローラ等のシート搬送部材に離型剤を塗布
する離型剤塗布ローラ及びこれを有する定着装置及びこ
れらを有する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷
機等の画像形成装置に備えられた、被定着画像としての
トナー像を形成されたシート状媒体に、トナー像を定着
するための定着装置が一般に知られている。シート状媒
体には、一般にコピー等に用いられる普通紙としての用
紙と、OHPシート、厚紙、封筒等の、用紙よりも熱容
量が大きないわゆる特殊シートとがある。
【0003】定着装置としては、加熱手段としてのヒー
タにより加熱される加熱ローラと、この加熱ローラに当
接し加熱ローラとの当接領域であるニップ部において加
熱ローラと同方向に回転する加圧ローラ等を構成要素と
し、かかるニップ部に、両ローラの回転により、トナー
を定着されるシート状媒体を搬送して通過させ、加熱及
び加圧してトナー像を定着する熱ローラ対タイプの定着
装置が知られている。
【0004】また定着装置としては、加熱手段としての
ヒータにより加熱され、トナーを定着されるシート状媒
体を搬送するための無端の定着ベルト、定着ベルトを巻
き掛けられた加熱ローラ及び定着ローラ、定着ベルトを
介して定着ローラに対向して配置される加圧部材として
の加圧ローラ等を構成要素とし、定着ベルトと加圧ロー
ラとによって形成される当接領域であるニップ部に、こ
れらの回転により、トナーを定着されるシート状媒体を
搬送して通過させ、加熱加圧してトナー像を定着するす
るタイプのいわゆるベルト定着装置が知られている。
【0005】何れのタイプの定着装置においても、トナ
ー像は、回転部材の回転により搬送されるシート状媒体
上に所定温度の加熱による溶融及び所定の大きさの圧力
によって定着され、これによりかかる定着装置を備えた
画像形成装置における画像形成の一工程である定着工程
が行われるようになっている。
【0006】このような定着装置において、加熱ロー
ラ、加圧ローラ、定着ベルト等のシート搬送部材の離型
性を高めるために離型剤を塗布する離型剤塗布ローラを
備えた構成が一般に知られている。かかる離型剤塗布ロ
ーラとしては、耐熱性繊維を有する多孔質円筒状成形体
と、この多孔質円筒状成形体の外周にフェルトもしくは
多孔質膜を巻き付けたタイプのものと、少なくとも表面
に発泡体を有するタイプのものとが知られている。
【0007】前者のタイプでは、離型剤は予めかかる多
孔質円筒状成形体に含浸させてあり、外周のフェルトも
しくは多孔質膜からシート搬送部材に塗布され消費され
た分の離型剤は、外部から供給されるのではなく、多孔
質円筒状成形体からかかるフェルト若しくは多孔質膜に
供給され、離型剤塗布ローラの表面が離型剤で濡れた状
態となるようになっている。
【0008】後者のタイプでは、離型剤塗布ローラとは
別に、離型剤塗布ローラに離型剤を供給するための、離
型剤貯留槽及びこれに接続された供給部材を備えた離型
剤供給手段が配設されており、離型剤の消費に応じて適
宜かかる離型剤供給手段から離型剤塗布ローラ表面を構
成する発泡体に離型剤が供給され、離型剤塗布ローラの
表面が離型剤で濡れた状態となるようになっている。
【0009】両タイプを対比すると、前者のタイプでは
離型剤供給手段を必要としないことから構成が比較的簡
易となるものの、多孔質円筒状成形体から、周面を構成
するフェルト若しくは多孔質膜に、適当な量の離型剤を
塗布することが困難であるとともに、多孔質円筒状成形
体からの離型剤の供給量が比較的少なくなるという問題
があるが、後者のタイプでは、離型剤供給手段を要する
ため比較的構造が複雑となるものの、周面を構成する発
泡体に適当な量の離型剤を塗布することが比較的容易で
あるとともに、離型剤貯留槽を用いるので、離型剤の供
給量を多孔質円筒状成形体による離型剤の供給量に比べ
てが多くすることができるという利点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発泡体を表面
に有する離型剤塗布ローラでは、これによりシート搬送
部材に離型剤を塗布すると、発泡の形により離型剤の微
小な塗布ムラが生じ、特に、シート状媒体がOHPシー
トである場合に、離型剤の微小な塗布ムラがOHPシー
トの光の透過率のムラを生じさせかかる透過率を低下さ
せ、また、カラー画像を形成する場合に、かかる塗布ム
ラが黄色のベタ部において全体的な色のくすみとなって
顕在化してしまうといった不具合がある。
【0011】本発明は、表面に発泡体を有する離型剤塗
布ローラを用いても、OHPシートの光の透過率の低下
や色のくすみを防止する定着装置及びこれを有する画像
形成装置およびこれらに備えられた、表面に発泡体を有
する離型剤塗布ローラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、シート状媒体を搬送しつつ
トナー像を定着するシート搬送部材に離型剤を塗布する
ための離型剤塗布ローラと、この離型剤塗布ローラに離
型剤を供給する離型剤供給手段とを有し、上記離型剤塗
布ローラがその少なくとも表面に発泡体を有する定着装
置において、上記発泡体における発泡の径の平均値が7
5μm以下であることを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の定
着装置において、上記離型剤供給手段を上記離型剤塗布
ローラに対して接離する接離機構を有し、この接離機構
により上記離型剤供給手段を上記離型剤塗布ローラに対
して接離することにより、上記離型剤塗布ローラに間欠
的に離型剤を供給することを特徴とする。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の定着装置において、上記離型剤供給手段は離型剤
を含浸するフェルトを有することを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか1つに記載の定着装置において、トナー像を定
着されるシート状媒体を搬送するための無端の定着ベル
トと、上記定着ベルトを巻き掛けられた加熱ローラ及び
定着ローラと、上記定着ベルトを介して上記定着ローラ
に対向して配置される加圧ローラとを具備し、上記シー
ト搬送部材が上記定着ベルト及び/又は上記加圧ローラ
であることを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置に
ある。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか1つに記載の定着装置または請求項5記載の画
像形成装置に備えられた離型剤塗布ローラにある。
【0018】
【実施例】図1に本発明を適用した定着装置及びこの定
着装置を有する画像形成装置の概略を示す。画像形成装
置は複写機、ファクシミリ、プリンタ等周知のものであ
り、その何れでも良く、またカラー画像を形成可能なも
のに限らず単色画像を形成するものであっても良い。本
実施例の画像形成装置はカラー画像の形成が可能なプリ
ンタである。
【0019】画像形成装置20は、一般にコピー等に用
いられる普通紙(以下単に普通紙という)と、OHPシ
ートや、カード、ハガキといった90K紙以上、坪量約
100g/m相当以上の厚紙や、封筒等の、普通紙よ
りも熱容量が大きないわゆる特殊シート(以下単に特殊
シートという)との何れをもシート状媒体として用いる
ことが可能である。
【0020】画像形成装置20は、原稿画像に対応した
画像信号に応じて各色ごとの画像を形成する作像装置2
1Y、21M、21C、21BKと、作像装置21Y、
21M、21C、21BKに対向して配置された転写装
置22と、各作像装置21Y、21M、21C、21B
Kと転写装置22とが対向する転写領域に各種シート状
媒体を供給するシート状媒体供給手段としての給紙カセ
ット23、24とを有している。
【0021】また、定着装置1は、給紙カセット23、
24から搬送されてきたシート状媒体を作像装置21
Y、21M、21C、21BKによる作像のタイミング
にあわせて供給するレジストローラ30と、転写領域に
おいて転写後のシート状媒体の定着を行う定着装置1
と、筐体26と、筐体26の上部に配設された、定着装
置1を通過しトナー像が定着したシート状媒体を積載す
るための排紙トレイ27とを有している。
【0022】また、定着装置1は、給紙カセット23、
24それぞれからシート状媒体を送り出すピックアップ
ローラ41、42と、シート状媒体の送りを受け継いで
搬送する搬送ローラ43と、給紙カセット23、24か
ら搬送されてきたシート状媒体をレジストローラ30に
向けて搬送するローラ構造44と、排紙トレイ27に向
け符号46で示した開口から筐体26外部へシート状媒
体を排出する排出ローラ45とを有している。
【0023】各作像装置21C、21Y、21M、21
BKはそれぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラック
の各色の現像を行うものである。各作像装置21C、2
1Y、21M、21BKは互いに用いるトナーの色が異
なるが、その構成はほぼ同様であるから、作像装置21
Cの構成を各作像装置21C、21Y、21M、21B
Kの代表として説明する。
【0024】作像装置21Cは、静電潜像担持体として
の感光体ドラム25C、感光体ドラム25Cの回転方向
Aにおいて順に配置されている図示しない周知の帯電装
置、現像装置、クリーニング装置等を有し、帯電装置と
現像装置との間で図示しない周知のポリゴンミラーを備
えた走査手段による露光光29Cを受ける周知の構成で
ある。
【0025】静電潜像担持体はドラム状でなく、ベルト
状としても良い。ブラックの作像装置21BKにおける
露光光29BKは2ビームとすることができ、作像装置
21BKは他の各作像装置21Y、21M、21Cに比
して速く作像を行うことが可能となっている。給紙カセ
ット23にはA4サイズのシート状媒体が、給紙カセッ
ト24にはA3サイズのシート状媒体が、それぞれ図の
左右方向が長手方向となるように載置されている。
【0026】転写装置22は、画像形成装置20が図の
左右方向において小型になるよう、斜め方向に配設さ
れ、矢印Bで示すシート状媒体搬送方向が斜め方向とな
っている。これにより、画像形成装置20は、図の左右
方向における筐体26の幅が、A3サイズのシート状媒
体の長手方向の長さよりも僅かに長い大きさとなってい
る。すなわち、画像形成装置20は、内部にシート状媒
体を収容するために最低限必要な大きさとされることで
大幅に小型化されている。
【0027】図2に示すように、定着装置1は、トナー
を定着されるシート状媒体を搬送するためのシート搬送
部材としての無端の定着ベルト2と、定着ベルト2を巻
き掛けられた加熱ローラ3及び定着ローラ4と、定着ベ
ルト2を介して定着ローラ4に対向して配置された加圧
ローラ5と、加熱ローラ3、加圧ローラ5の内部に備え
られたヒータ6、7とを有している。
【0028】定着装置1はまた、加熱ローラ3に対向し
当接するよう配置され加熱ローラ3の温度を検知する温
度検知手段としてのサーミスタ8と、加圧ローラ5に対
向し当接するよう配置され加圧ローラ5の温度を検知す
る温度検知手段としてのサーミスタ48と、定着ベルト
2を介して定着ローラ4に対向して配置されたクリーニ
ングローラ31とを有している。
【0029】定着装置1はまた、離型剤塗布手段である
離型剤塗布ローラとしての塗布ローラ32と、塗布ロー
ラ32に離型剤を供給する離型剤供給手段50と、ケー
シング33と、ケーシング33に固設された入口ガイド
12、出口ガイド36、取っ手37と、加熱ローラ3、
定着ローラ4及び定着ベルト2を一体的に支持する支持
体38と、ケーシング33に対し支持体38及び加圧ロ
ーラ5を支持する支持体39等を有している。
【0030】定着ベルト2に適当な所定の張力を与える
ため、加熱ローラ3と定着ローラ4とは、バネなどの図
示しない弾性体により、互いに離間する向きに付勢され
ている。定着ローラ4は、芯金9と、この芯金9を被覆
し定着ローラ4の表面をなす耐熱性の弾性体層10とを
有し、芯金9が、その軸11により、図示しない駆動手
段により回転駆動されることで、定着ローラ4が矢印C
方向に回転駆動され、加熱ローラ3の矢印D方向への従
動回転により定着ベルト2が矢印E方向に駆動され、ま
たこれに従動することで、加圧ローラ5が矢印F方向に
回転駆動される。
【0031】加圧ローラ5と定着ローラ4とは、支持体
38と支持体39とがバネなどの図示しない弾性体によ
り、互いに近接する向きに付勢されていることにより、
互いに圧接する向きに、10kgf以上の圧接力で付勢
される。加圧ローラ5は、定着ローラ4の軸心を頂点と
し定着ローラ4の軸心と加熱ローラ3の軸心、定着ロー
ラ4の軸心と加圧ローラ5の軸心をそれぞれ結ぶ2本の
直線によって挟まれる角が鋭角をなすように定着ローラ
4に当接されており、これにより、シート状媒体にトナ
ーを定着する定着領域としての、加圧ローラ5が定着ロ
ーラ4に対向しない部位で定着ベルト2のみに当接する
第1の定着部15と、加圧ローラ5が定着ベルト2を介
して定着ローラに当接する第2の定着部16とが形成さ
れる。
【0032】ケーシング33は転写装置22に対向する
位置に設けられ転写装置22によって搬送されてくるシ
ート状媒体を受け入れるための開口34と、第1の定着
部15及び第2の定着部16を挟んで開口34の反対側
に設けられ定着済みのシート状媒体を排出する開口35
とを有している。入口ガイド12は、その基部が開口3
4の下方においてケーシング33の外面に固着され、先
端が開口34からケーシング33の内部に入り込み第1
の定着部15に向かって伸びている。
【0033】定着ベルト2は、ニッケル製の厚さ100
μmの基体上に200μmのシリコンゴム製の離型層が
形成されたものであり、熱容量が小さく、熱応答性を良
好にされている。定着ベルト2の長さは、同ベルト2が
円状をなすときに径が60mmとなる長さとされてい
る。基体はSUS製、ポリイミド製でもよく、可撓性を
考慮すると厚さは30〜150μm程度であればよい。
離型層は、シリコンゴムを用いる場合は厚さ50〜30
0μm程度が望ましく、フッ素樹脂系を用いる場合は厚
さ10〜50μm程度が望ましい。また離型層はシリコ
ンゴムの上にフッ素樹脂系を重ねた構成でもよい。
【0034】定着ベルト2は瞬時に加熱され、かつ、ホ
ットオフセットを生じない程度に、定着領域でベルト表
面が自己冷却される特性が望まれるが、他方では、定着
領域において、トナーを十分に溶かして定着させるのに
必要な熱容量を有していなければならない。定着ベルト
2の上記材質及びその厚さはこの条件を満たすものであ
る。自己冷却とは、定着領域の、シート状媒体の未定着
画像側に、加熱源がないことにより、定着工程において
ベルトが冷える現象をいう。
【0035】定着ベルト2は、加熱ローラ3と定着ロー
ラ4とが互いに離間する向きに付勢されていることによ
り、3kgf/片側の張力を与えられている。この張力
は、図示しない上記弾性体の付勢力を調整することによ
り設定でき、1kgf(9.8N)〜3kgf(29.
4N)の範囲で設定することが、良好な定着を行う上で
好ましい。
【0036】加熱ローラ3と加圧ローラ5とは、それぞ
れ薄肉円筒状の芯金からなり低熱容量化が図られてい
る。加熱ローラ3の芯金の径は20mm以上30mm以
下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上2.0mm以下
であり、加圧ローラ5の芯金の径は30mm以上50m
m以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上1.5mm
以下である。これにより、加熱ローラ3の熱容量は26
cal/℃以下、加圧ローラ5の熱容量は36cal/
℃以下とされている。
【0037】本実施例において、加熱ローラ3の芯金
は、アルミニウム製であり、径を30mm、肉厚を0.
7mmとされている。材質は、比熱が小さく、熱伝導率
が大きいものが好ましく、他にも鉄、銅、ステンレス等
の金属を使用することができる。他にも、アルミニウム
製でローラ径が30mmのときは肉厚を0.6mm〜
1.4mmの範囲、鉄製でローラ径が20mmのときは
肉厚を0.3mm〜0.9mmの範囲で設定することが
できる。径が大きいほど肉厚を薄くするのは、ローラの
軸方向の曲がりを考慮したものである。
【0038】これら肉厚の下限の値は、上述した定着ベ
ルト2の張力による加熱ローラ3の変形を考慮したとき
の許容値、上限の値は所望の立上り時間を得るための許
容値を示している。ローラ径を20mm以上とするのは
ベルトの張力を確保してローラの軸方向の曲がりが発生
しない範囲とするためである。またローラ径を20mm
〜30mmとするのは、シート状媒体搬送速度を200
mm/s以下とした場合に、連続通紙中も定着ベルト2
の温度が定着に必要な一定温度を保つための、26ca
l/℃程度の熱容量を得るためである。
【0039】このように加熱ローラ3を低熱容量とする
ことにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うこ
とが少なく、定着に悪影響を与えることや立上り時間が
長引くことが防止されている。さらに連続定着等により
温度が低下してもその回復までの時間が短縮される。ヒ
ータ6は、加熱ローラ3及び加熱ローラ3を介して定着
ベルト2を加熱するものであり、ヒータ6の温度はサー
ミスタ8による検知信号として図示しない制御手段に入
力され、目標の定着温度と比較され、検知温度が定着温
度より低い場合にはヒータ6への通電が行われ、検知温
度が定着温度より高い場合にはヒータ6への通電が停止
される。
【0040】このようにサーミスタ8の検知信号がフィ
ードバックされることで定着温度が制御され、定着ベル
ト2の表面温度は110℃以上に保たれる。なおサーミ
スタ8は、加熱ローラ3の回転による互いの摩耗を減じ
るように、加熱ローラ3の回転方向に対して鈍角をなす
ように加熱ローラ3に当接している。また定着温度は、
ホットオフセットを生じない範囲で最も高い温度となる
ように設定されているものである。このことは、フルカ
ラー画像を形成する場合においては画像の光沢度が高い
ことが望ましく、光沢度を高めるには多くの熱量を与え
ることが効果的であることにも適っている。
【0041】定着ローラ4の弾性体層10は、ゴム製の
ゴム層である。その材質は、具体的にはシリコーンスポ
ンジゴム製である。すなわち、発泡体であり、気泡の径
は500μmとされ、特に表面近傍すなわち定着ローラ
4周面近傍における径は300μm以下である。弾性体
層10が発泡体であることにより、定着時におけるその
温度低下は抑制される一方、発泡体であるが故に、定着
圧が得られず光沢がでない、表面が粗く光沢ムラがで
る、といった不具合が起こりうるが、発泡径を上述のよ
うにしたため、光沢不良、光沢ムラといった不具合は防
止されている。弾性体層10の表面に無発泡の1mm程
度の層であるスキン層を形成しても良い。
【0042】弾性体層10の表面硬度はアスカCで20
HS以上とされているが、これは弾性体層10上のスキ
ン層の有無にかかわらず、弾性体層10が発泡体である
ことによる表面粗さが画質に影響を与えず、光沢ムラを
防止して良好な定着品質を得ることができるからであ
る。定着ローラ4の外径は30mmで、弾性体層10の
材質は、熱伝導率が小さく断熱作用のある耐熱多孔質の
弾性体であるから、ベルトの熱を奪うことを低減し、立
上り後の温度落ち込みを小さくするとともに温度回復の
ためのプレ回転時間を短縮している。また、弾性体層1
0が比較的低硬度であるため、加圧ローラ5の圧接力が
小さくても十分なニップ幅を得ることができ、比較的低
温かつ低圧の条件下でも良好な定着性能を得ることがで
きる。
【0043】加圧ローラ5の芯金は、鉄製であり、径を
40mm、肉厚を1.0mmとしている。材質は、比熱
が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にもア
ルミニウム、銅、ステンレス等の金属を使用することが
できる。他にも、鉄製でローラ径が30mmのときは肉
厚を0.4mm〜1.0mmの範囲、鉄製でローラ径が
50mmのときは肉厚を0.3mm〜0.8mmの範
囲、アルミニウム製でローラ径が30mmのときは肉厚
を1.3mm〜1.5mmの範囲、アルミニウム製でロ
ーラ径が50mmのときは肉厚を0.6mm〜1.2m
mの範囲で設定することができる。径が大きいほど肉厚
を薄くするのは、ローラの軸方向の曲がりを考慮したも
のである。
【0044】これら肉厚の下限の値は、定着圧の下限値
に相当する0.6kg/cmの面圧による加圧ローラ
5の変形を考慮したときの許容値、上限の値は所望の立
上り時間を得るための許容値を示している。ローラ径を
30mm以上とするのは定着圧を確保してローラの軸方
向の曲がりが発生しない範囲とするためである。またロ
ーラ径を30mm〜50mmとするのは、シート状媒体
搬送速度を200mm/s以下とした場合に、連続通紙
中も定着ベルト2の温度が定着に必要な一定温度を保つ
ための、36cal/℃程度の熱容量を得るためであ
る。
【0045】このように加圧ローラ5を低熱容量とする
ことにより、定着ベルト2が回転してもその熱を奪うこ
とが少なく、特に本実施例においては加圧ローラ5はヒ
ータ7を有するので定着ベルト2の温度を低下させて定
着に悪影響を与えることや立上り時間が長引くことが防
止されている。さらに連続定着等により温度が低下して
もその回復までの時間が短縮される。ヒータ7は、加圧
ローラ5の温度を上げ、立ち上げ時間を短縮するととも
に、定着の際にはシート状媒体の背面からも熱を供給し
てより安定した定着性能を得るものである。
【0046】また、加圧ローラ5は芯金上に10μm〜
300μmの離型層を形成することができる。ヒータ7
は、加圧ローラ5を加熱するものであり、ヒータ7の温
度はサーミスタ48による検知信号として図示しない制
御手段に入力され、目標の定着温度と比較され、検知温
度が定着温度より低い場合にはヒータ7への通電が行わ
れ、検知温度が定着温度より高い場合にはヒータ7への
通電が停止される。
【0047】このようにサーミスタ48の検知信号がフ
ィードバックされることで定着温度が制御され、定着ベ
ルト2の表面温度は110℃以上に保たれる。なおサー
ミスタ48は、加圧ローラ5の回転による互いの摩耗を
減じるように、加圧ローラ5の回転方向に対して鈍角を
なすように加圧ローラ5に当接している。
【0048】このように加熱ローラ3、加圧ローラ5を
薄肉として低熱容量化できるのは、定着装置1が定着ベ
ルト2を用いるいわゆるベルト定着装置だからである。
すなわち、定着は、定着部15、16という、距離的に
比較的長い部位によって行われるため、定着圧を減じる
ことができ、加圧ローラ5の強度を下げることができ、
また加熱ローラ3は加圧ローラ5と圧接されないため、
薄肉化できる。
【0049】定着を距離的に比較的長い部位によって行
うことは、比較的低温での定着を可能とし、これは立上
り時間を短縮することにも寄与している。また、定着ベ
ルト2を用いると、ヒータ6により加熱された定着ベル
ト2が搬送される過程で定着に適当な温度に冷却され、
オフセットを防止できるという利点もある。ヒータ6、
7の出力は電源スイッチ投入時の突入電流、ヒータのオ
ン、オフ時の蛍光灯のちらつき現象を考慮して700W
以下とされている。
【0050】クリーニングローラ31と塗布ローラ32
とは互いに隣り合う位置に配設されており、クリーニン
グローラ31は塗布ローラ32に対し、定着ベルト2の
移動方向Eにおける上流側に位置している。クリーニン
グローラ31、塗布ローラ32はともに定着ベルト2に
当接している。クリーニングローラ31は矢印H方向、
塗布ローラ32は矢印G方向に、図示しない駆動手段に
より定着ベルト2との対向部において定着ベルト2の移
動方向Eと同じ方向に、定着ベルト2と等速で移動する
ように駆動されている。
【0051】クリーニングローラ31は定着ベルト2に
当接していることにより、シート状媒体から定着ベルト
2に転移したトナーを拭い取り、転写ベルト2の表面を
クリーニングしてリフレッシュするようになっている。
塗布ローラ32は芯金をなす金属軸65と、この金属軸
65上に形成されたシリコンゴムの発泡体66とを有し
ている。塗布ローラ32は離型剤供給手段50からシリ
コンオイルを主成分とした離型剤を発泡体66に供給さ
れ、供給された離型剤を適当な所定量、定着ベルト2に
塗布するものである。
【0052】離型剤供給手段50は、離型剤を貯留した
離型剤貯留槽としてのタンク51と、一端をタンク51
内の離型剤に浸すことで離型剤を含浸するとともに他端
を塗布ローラ32に当接することで離型剤を供給するフ
ェルト製の供給部材52と、タンク51と供給部材52
の略全部とを収容した、定着装置1本体に対して着脱自
在の筐体53と、筐体53外部に固設された、金属製の
溶断部材54とを有し、これらにより定着装置1本体に
対して着脱自在の離型剤供給ユニットを構成している。
供給部材52はその毛管現象によりタンク51内の離型
剤を塗布ローラ32に塗布することで供給する。
【0053】離型剤供給手段50が定着装置1本体に装
着された状態で、溶断部材54は、その一端に係合する
コネクタとしての受け部55を介し、ケーシング33に
配設された検出手段としての基板56に電気的に接続さ
れる。溶断部材54は加熱ローラ3の上方に位置してお
り、加熱ローラ3の温度が上昇して、溶断部材54の周
囲における定着装置1本体内の雰囲気温度が略70℃以
上となると、溶断するようになっている。溶断部材54
が溶断したことは基板56により検知され、基板56は
溶断部材54が溶断した旨を上述の制御手段に知らせる
ようになっている。
【0054】離型剤供給手段50はタンク51内の離型
剤が消費されると新規のものに交換されるが、この時溶
断部材54も新規のものとなるため、新規の離型剤供給
手段50が定着装置1本体に装着されると、基板56
が、新規の溶断部材54による通電、すなわち溶断部材
54の非溶断状態を検出する。
【0055】その後定着装置1において後述するプレヒ
ートが行われ溶断部材54が溶断し通電状態が解除され
ると基板56がこれを検知して制御手段に発信する。制
御手段は溶断部材54の溶断を受信することで新規の離
型剤供給手段50が装着されたことを検知し、この時画
像形成枚数、言い換えると定着枚数をリセットし、定着
枚数を新たにカウントし始める。溶断部材54と基板5
6と制御手段とは、離型剤供給手段50が新規であるこ
とを検知する新規検知手段を構成している。
【0056】図3に示すように、定着装置1は、離型剤
供給手段50を塗布ローラ32に対して接離し、離型剤
を塗布ローラ32に間欠的に供給するための接離機構5
7を有している。接離機構57は、一端をケーシング3
3に、他端を筐体53に固定された引っ張りバネ58
と、一端が筐体53に突設された凸部59に係合し、軸
60を中心に揺動する揺動部材61と、揺動部材61の
他端に一端が係合した引っ張りバネ62と、ケーシング
33に固設され引っ張りバネ62の他端に係合したソレ
ノイド63と、筐体53に突設されその揺動中心となる
軸部64とを有している。
【0057】ソレノイド63は通常非通電状態とされ、
通常の状態においては、筐体53が引っ張りバネ58に
より上方に引っ張られ、軸部64を中心に上方に揺動す
ることで、供給部材52が塗布ローラ32に対して離間
しているが、図3に示すように、ソレノイド63に通電
されると、ソレノイド63は引っ張りバネ58の付勢力
に反して引っ張りバネ62を介して揺動部材61を揺動
させ凸部59を押し下げることで、供給部材52が塗布
ローラ32に当接し、離型剤を供給するようになってい
る。
【0058】ソレノイド63に対する通電制御は、上述
の制御手段により次のようにして行う。すなわち、塗布
ローラ32に対する供給部材の当接時間は、ソレノイド
63に対する通電時間により決まるが、この通電時間
は、画像形成装置20の待機時間、画像形成装置20に
よる連続画像形成枚数言い換えると定着装置1への連続
通紙枚数、定着を行うシート状媒体の種類、及び離型剤
供給手段50を新規のものに交換してからの定着枚数に
応じて可変としている。
【0059】具体的には、画像形成装置20の待機時間
については、この待機時間が長いほど通電時間を短く
し、供給部材の当接時間を短くして塗布ローラ32への
離型剤供給量を少なくしようとする。ここで、待機時間
とは、前回の画像形成時における最終シートの排出後
に、画像形成装置20内の駆動系、例えば感光体ドラム
25が停止してから、操作者が画像形成を開始する周知
の操作、例えばスタートキーの押下等を行うまでの時間
をいう。
【0060】連続通紙枚数については、連続通紙枚数が
多いほど通電時間を長くし、供給部材の当接時間を長く
して塗布ローラ32への離型剤供給量を多くしようとす
る。通紙が連続して行われたか否かの判断は、最終シー
トの排出後、次の画像形成開始の操作までの時間が30
秒以内であれば連続通紙と判断し、30秒を超えると新
たな通紙開始であると判断する。
【0061】シート状媒体の種類については、特殊シー
ト、具体的にはOHPシートのときの方が普通紙のとき
に比して通電時間を短くし、供給部材の当接時間を短く
して塗布ローラ32への離型剤供給量を少なくしようと
する。離型剤供給手段50を新規のものに交換してから
の定着枚数については、この定着枚数が多いほど通電時
間を長くし、供給部材の当接時間を長くして塗布ローラ
32への離型剤供給量を多くしようとする。
【0062】本実施例においては、制御手段に接続され
た記録手段としての図示しないROMに記録された、所
定の制御テーブルにしたがって、制御手段がソレノイド
63への通電制御を行うようになっている。制御テーブ
ルに基づいてソレノイド63に対する通電時間が決定さ
れ、そのシート状媒体がレジストローラ30から送り出
されて所定時間経過後、決定された通電時間だけソレノ
イド63への通電が行われる。
【0063】ソレノイド63に通電を開始するタイミン
グは、レジストローラ30がシート状媒体を送り出して
から所定時間経過後とされるが、離型剤が塗布ローラ3
2によりムラなく定着ベルト2に塗布されるに十分な時
間が確保されている。シート状媒体の後端が定着装置1
から排出されるタイミングは、シート状媒体の大きさ及
び定着ベルト2の搬送速度に応じて、シート状媒体がレ
ジストローラ30から送り出されてから所定時間経過し
たときとされるが、定着装置1の開口35近傍に、シー
ト状媒体の通過を検知するセンサを配設し同センサがシ
ート状媒体を検知した後検知しなくなったときを、シー
ト状媒体の後端が排出されたときとすることもできる。
【0064】定着を繰り返し行われるに連れ、タンク5
1内の離型剤が消費されるが、消費量は、画像形成枚
数、言い換えると定着枚数が消費量に変換されることで
検知される。また、タンク51内に離型剤が無くなった
ことは、定着枚数が所定枚数に達した場合、または定着
ローラ4を駆動するモータの回転数が所定の回転数に達
した場合の何れか早い方のタイミングで検出することと
し、これが検出された場合には、画像形成装置20の外
部に備えられた図示しない表示手段に、離型剤供給手段
50を新規のものに交換すべき旨が表示されるようにな
っている。
【0065】接離機構57をこのように制御し、供給部
材52を塗布ローラ32に接離することで塗布ローラ3
2への離型剤供給量を調節し、塗布ローラ32から定着
ベルト2への離型剤の供給量を定着に適した量に保つ。
よって定着ベルト2からのシート状媒体の離型性は最適
な状態に維持されているのであるが、塗布ローラ32の
表面は発泡体66によって形成されているため、すでに
述べたように、この発泡径によりOHPシートの透過率
の低下や色のくすみが生じる恐れがある。
【0066】また、塗布ローラ32には接離機構の接離
制御により離型剤供給手段50から適当の量の離型剤が
供給されるようになっているものの、塗布ローラ32に
直接離型剤を供給する供給部材32がフェルトであるた
め、連続して通紙された時間や待機時間を含む放置時間
等によっては、離型剤の塗布量が2mg/A4〜15m
g/A4の範囲でばらつきを持ち得ることが発明者らの
実験により判った。ここで、mg/A4とは、A4サイ
ズのシート状媒体1枚当たりに塗布される離型剤の量を
示している。
【0067】そこで発明者らが、塗布ローラ32の表面
が発泡体によって形成されていること及びシート状媒体
への離型剤塗布量のばらつきによる定着品質の影響と、
発泡径との関係を実験を行って調べたところ、シート状
媒体がOHPシートである場合のヘイズ度と、離型剤塗
布量との間には、発泡径に応じた相関があることが判っ
た。
【0068】図4に、その実験結果を示す。同図におい
て、シート状媒体がOHPシートである場合のヘイズ度
はOHPヘイズ度と、離型剤塗布量はオイル塗布量とし
て示した。OHPヘイズ度とはくすみの度合いを意味
し、値が大きいほどくすみが大きい。実験は、離型剤塗
布量を2mg/A4〜20mg/A4の範囲とし、発泡
体66を構成するシリコンゴムの発泡径の平均値を50
μm、75μm、100μm、150μm、200μm
と変化させて行った。ここで、OHPには3M社製PP
2260を、測定器としては日本電色製300A型濁度
計を用いている。ヘイズ度の測定部はYellow単色
で網点面積率80%の部分とした。
【0069】図4から、発泡径の平均値が150μm以
上では、オイル塗布量が10mg/A4以上のときにお
いて、ヘイズ度の規格値30以下を満足せず、OHPの
くすみやムラが生じることが判った。また発泡径の平均
値が100μmでは、オイル塗布量が15mg/A4の
ときヘイズ度が25〜30の間であって、オイル塗布量
が極端なばらつきを有する場合を考慮すると余裕度が少
なく、OHPのくすみやムラが生じるおそれがある。
【0070】一方、発泡径の平均値が75μm以下で
は、オイル塗布量が20mg/A4であっても、ヘイズ
度の規格値30以下を満足し、オイル塗布量が極端なば
らつきを有する場合を考慮してもヘイズ度の規格値30
以下であることを十分に満たし、OHPシートに対して
常に良好な定着性を確保し、良好な定着品質を得ること
ができることが判った。
【0071】そこで、発泡体66の発泡径は75μm以
下の50μmとされ、これによりOHPシートの透過率
の低下や色のくすみが防止されている。また、発泡体6
6は、離型剤の塗布性能を確保することが可能であれば
塗布ローラ32の少なくとも表面を覆っていれば良く、
塗布ローラ32のうち芯金65を除く部分すべてが発泡
体66である必要はない。
【0072】本実施例は以上の構成により、画像形成装
置20の電源が投入されると、サーミスタ8、48の温
度検知に基づきヒータ6、7への通電及びプレ回転を行
うことで、良好な定着を行うことができる状態となって
立上りが完了し、画像形成及び定着が可能な状態とな
る。立ち上がりは定着装置1がベルト定着装置であるこ
とから速やかに完了する。画像形成装置20の電源投入
後、または前回の画像形成後において離型剤供給手段5
0が新規のものに交換されている場合は、かかるプレヒ
ートの際に、離型剤供給手段50が新規のものに交換さ
れたことが検知される。
【0073】操作者が画像形成を開始する周知の操作を
行うと、感光体25Yの方向Aへの回転にともない、感
光体ドラム25Yは帯電装置より帯電され、露光光29
Yにより原稿画像に応じた静電潜像が形成され、この静
電潜像が現像装置により現像される。給紙カセット23
または24からピックアップローラ41または42によ
り送り出されたシート状媒体は搬送ローラ43によりさ
らに搬送されローラ構造44を経てレジストローラ30
に至り、レジストローラ30により画像形成のタイミン
グをとって転写装置22へ向けて送られる。
【0074】感光体25Y上に形成されたトナー像が転
写装置22上を矢印B方向に搬送されるシート状媒体上
に転写され、転写後に感光体25Y上に残留しているト
ナーがクリーニング装置によって掻き取られて感光体2
5Yがクリーニングされ、次の帯電に供される。イエロ
ーのトナーが転写されたシート状媒体は、転写装置22
により矢印B方向に搬送されつつ、作像装置21Yにお
ける上述の作像工程と同様の作像工程を行う作像装置2
1M、21C、21BKにより順次それぞれマゼンタ、
シアン、ブラックのトナーを適宜転写され、画像形成に
必要なすべてのトナーを転写された後、転写装置22か
らガイド入口12に受け渡され、入口ガイド12によっ
て定着領域に案内される。
【0075】シート状媒体がレジストローラ30から送
り出された後所定時間が経過すると、待機時間、連続通
紙枚数、シート状媒体の種類、当該離型剤供給手段50
による定着枚数に応じて決定された時間だけソレノイド
63への通電が行われ、適量の離型剤が塗布ローラ32
に供給されるとともに、定着ベルト2の回転にともなっ
て塗布ローラ32に供給された離型剤が定着ベルト2に
転移していくが、塗布ローラ32は発泡の径の平均値が
75μmの発泡体を表面に有しているため、適量の離型
剤がムラなく定着ベルト2に塗布される。
【0076】シート状媒体は所定の移動速度に制御され
た定着ベルト2の移動により搬送されながら、第1の定
着部15及び第1の定着部15に連続する第2の定着部
16において、その定着モードによって制御された温度
下で、トナーを加熱加圧して溶融定着される。具体的に
は、シート状媒体が第1の定着部15を通過する際、定
着ベルト2から熱を与えられたトナーが徐々に溶融し、
シート状媒体の表面に仮定着され、第2の定着部16に
おいては、定着ローラ3と加圧ローラ5との圧接力によ
ってトナーがシート状媒体上に完全に定着される。定着
ベルト2には適量の離型剤が塗布されているので、シー
ト状媒体及びトナーの離型性は良好に保たれる。
【0077】弾性体層10の材質、発泡度、硬度等が上
述のようになされているので、一枚の定着のみならず、
連続定着が行われる場合であっても、ヒータ7による加
熱で、ホットオフセットが生じない程度に熱が供給され
良好な定着が行われるとともに、定着を中断して再加熱
を行う必要が生じることはない。定着の際の設定温度及
びシート状媒体の搬送速度が各モードに対応して制御さ
れているため良好な定着が行われ、定着後のシート状媒
体は搬送ローラ43、排出ローラ45を経て開口46か
ら画像形成装置20外に排出され、排紙トレイ27上に
積載される。
【0078】このように、ベルト定着装置によれば、定
着領域の長さが十分に長いので、良好な定着が行われ、
特にOHPシートの定着を行う場合、ホットオフセット
等の定着品質の低下を招かない範囲で充分に大きな定着
熱量の供給が可能であるから、OHPシート表面が平滑
となって乱反射が抑制されて光沢度すなわちHEIZ度
が向上する。特に、塗布ローラ32が発泡の径の平均値
が75μmの発泡体を有していることで、ヘイズ度は良
好となっている。またトナー内部においても透過光の吸
収、散乱が抑制されるので良好な画像形成を行うことが
できる。
【0079】以上本発明を適用した定着装置及びこの定
着装置を備えた画像形成装置について説明したが、ヒー
タは加熱ローラ、加圧ローラのうち加熱ローラのみに備
えられていてもよい。定着ベルトの肉厚、材質、加熱ロ
ーラ、加圧ローラの径、肉厚、材質等は適宜組み合わせ
が可能である。加熱ローラ、加圧ローラが低熱容量であ
って、定着を良好に行うことができるのであれば、定着
部を、定着ローラと加圧ローラとが定着ベルトを介して
圧接された部分のみとする構成とすることもできる。
【0080】上記実施例においては、定着ベルト2のみ
を離型剤塗布ローラを配設したシート搬送部材として説
明したが、加圧ローラ5もシート状媒体を搬送しつつト
ナー像を定着するものであるから、定着ベルト2ととも
に、あるいは定着ベルト2に代えて、加圧ローラ5をシ
ート搬送部材とし本発明を適用した離型剤塗布ローラを
配設しても良い。
【0081】また上記実施例においては、本発明を適用
した定着装置としてベルト定着装置を説明したが、定着
装置は図5に示す熱ローラ対タイプの定着装置であって
もよい。定着装置72は、トナー像を定着されるシート
状媒体を加熱するとともに搬送するための加熱ローラ7
3と、加熱ローラ73に圧接される加圧ローラ5とを有
している。
【0082】加熱ローラ73はシート搬送部材をなし、
加熱ローラ73に離型剤塗布部材としての塗布ローラ3
2が配設されている。符号74は加熱ローラ73内に配
設されたヒータを示しており、ヒータ74は加熱ローラ
73を内部から加熱することで加熱ローラ73を昇温
し、シート状媒体を加熱するようになっている。符号K
は加熱ローラ73の回転方向を示している。
【0083】上記実施例と同様の部材には同じ符号を付
すか、または、図示を省略している。図示を省略したも
のとしては、例えばケーシング33、入口ガイド12、
取っ手37、加熱ローラ3に対してと同様に加熱ローラ
73に対して配設されているヒータ6、接離機構57等
がある。定着装置72においてはシート搬送部材を加熱
ローラ73のみとし、これに塗布ローラ32を配設した
が、加熱ローラ73及び加圧ローラ5、あるいは加圧ロ
ーラ5のみをシート搬送部材としてこれに塗布ローラ3
2を配設しても良い。
【0084】離型剤供給ユニットにおいては、タンクが
供給部材とは別に定着装置に対して着脱自在であっても
良い。接離機構は、上述の実施例のものに限らず、ソレ
ノイドの代わりに偏心カムを備えたモータを用いて揺動
部材61を揺動させるなど、他の種々の機構を採用する
ことができる。待機時間の開始タイミングは、画像形成
装置内の駆動系の停止でなく最終シートの排出等であっ
ても良い。待機時間の終了タイミングは、画像形成開始
操作でなく、画像形成装置や定着装置の駆動系の駆動開
始等であっても良い。
【0085】連続通紙であるか否かの判断は、最終シー
トの排出後、次の画像形成開始の操作までの時間が30
秒以内かどうかに限らず、他の時間をしきい値として用
いても良いし、始めに設定された画像形成枚数のみを連
続通紙枚数と判断する等しても良い。当接部材の当接開
始タイミングは、レジストローラがシート状媒体を送り
出してから所定時間経過後でなく、レジストローラがシ
ート状媒体を送り出したとき、プレヒートが終了したと
き等であっても良い。離型剤の消費量は、定着枚数によ
って間接的に検知するのでなく、タンク内に離型剤量を
検知するセンサを設けてもよいし、供給部材を離型剤塗
布部材に当接させた総時間によって検知しても良い。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、シート状媒体を搬送し
つつトナー像を定着するシート搬送部材に離型剤を塗布
するための離型剤塗布ローラと、この離型剤塗布ローラ
に離型剤を供給する離型剤供給手段とを有し、上記離型
剤塗布ローラがその少なくとも表面に発泡体を有する定
着装置において、上記発泡体における発泡の径の平均値
が75μm以下であるので、シート状媒体をシート搬送
部材から良好に分離することができ、また離型剤の総供
給量を離型剤塗布ローラが多孔質円筒状成形体を有する
場合における多孔質円筒状成形体による離型剤の総供給
量に比べて多くすることができるとともに、離型剤塗布
量が極端なばらつきを有する場合を考慮してもヘイズ度
の要求を十分に満たし、OHPシートの光の透過率の低
下や色のくすみを防止することができる定着装置を提供
することができる。
【0087】離型剤供給手段を離型剤塗布ローラに対し
て接離する接離機構を有し、この接離機構により離型剤
供給手段を離型剤塗布ローラに対して接離することによ
り、離型剤塗布ローラに間欠的に離型剤を供給すること
とすれば、離型剤塗布ローラの周面を構成する発泡体に
適当な量の離型剤を塗布することができ、OHPシート
の光の透過率の低下や色のくすみを防止することがで
き、高品質の定着を行うことができる定着装置を提供す
ることができる。
【0088】離型剤供給手段が離型剤を含浸するフェル
トを有することとすれば、構成が比較的容易であり、離
型剤供給手段のユーザーによる交換が容易であるととも
に安価な定着装置を提供することができる。
【0089】トナー像を定着されるシート状媒体を搬送
するための無端の定着ベルトと、上記定着ベルトを巻き
掛けられた加熱ローラ及び定着ローラと、上記定着ベル
トを介して上記定着ローラに対向して配置される加圧ロ
ーラとを具備し、上記シート搬送部材が上記定着ベルト
及び/又は上記加圧ローラであることとすれば、上述の
かかる効果を奏することに加え、立ち上がりの早いベル
トタイプの定着装置を提供することができる。
【0090】本発明は、請求項1ないし4の何れか1つ
に記載の定着装置を有する画像形成装置にあるので、O
HPシートの光の透過率の低下や色のくすみを防止する
ことができ、高品質の定着を行うことができるから、高
画質の画像形成を行うことができ、ユーザーの信頼性の
高い画像形成装置を提供することができる。
【0091】本発明は、請求項1ないし4の何れか1つ
に記載の定着装置または請求項5記載の画像形成装置に
備えられた離型剤塗布ローラにあるので、上述のかかる
効果を奏する定着装置、画像形成装置においてかかる効
果を奏するに必要不可欠な離型剤塗布ローラを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した離型剤塗布ローラ、定着装置
及び画像形成装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示した定着装置の側断面図である。
【図3】接離機構を示す側面図である。
【図4】シート状媒体がOHPシートである場合のヘイ
ズ度と、離型剤塗布量との、発泡径に応じた相関を示す
相関図である。
【図5】本発明を適用した熱ローラ対タイプの定着装置
の要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 定着装置 2 シート搬送部材としての定着ベルト 3 加熱ローラ 4 定着ローラ 5 加圧ローラ 20 画像形成装置 32 離型剤塗布ローラ 50 離型剤供給手段 52 フェルト 57 接離機構 66 発泡体 72 定着装置 73 シート搬送部材としての加熱ローラ
フロントページの続き (72)発明者 古川 英男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 江原 正尚 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H033 AA02 AA13 AA45 BA11 BA12 BA43 BA44 BA45 BB01 4F040 AA05 AB08 BA14 CB02 CB21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状媒体を搬送しつつトナー像を定着
    するシート搬送部材に離型剤を塗布するための離型剤塗
    布ローラと、 この離型剤塗布ローラに離型剤を供給する離型剤供給手
    段とを有し、 上記離型剤塗布ローラがその少なくとも表面に発泡体を
    有する定着装置において、 上記発泡体における発泡の径の平均値が75μm以下で
    あることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、上記離
    型剤供給手段を上記離型剤塗布ローラに対して接離する
    接離機構を有し、この接離機構により上記離型剤供給手
    段を上記離型剤塗布ローラに対して接離することによ
    り、上記離型剤塗布ローラに間欠的に離型剤を供給する
    ことを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の定着装置におい
    て、上記離型剤供給手段は離型剤を含浸するフェルトを
    有することを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れか1つに記載の定
    着装置において、トナー像を定着されるシート状媒体を
    搬送するための無端の定着ベルトと、上記定着ベルトを
    巻き掛けられた加熱ローラ及び定着ローラと、上記定着
    ベルトを介して上記定着ローラに対向して配置される加
    圧ローラとを具備し、上記シート搬送部材が上記定着ベ
    ルト及び/又は上記加圧ローラであることを特徴とする
    定着装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れか1つに記載の定
    着装置を有する画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし4の何れか1つに記載の定
    着装置または請求項5記載の画像形成装置に備えられた
    離型剤塗布ローラ。
JP2002007606A 2002-01-16 2002-01-16 定着装置及び画像形成装置及び離型剤塗布ローラ Pending JP2003208056A (ja)

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