JP2003207592A - 放射性物質収納容器とその底板構造 - Google Patents

放射性物質収納容器とその底板構造

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JP2003207592A
JP2003207592A JP2002322295A JP2002322295A JP2003207592A JP 2003207592 A JP2003207592 A JP 2003207592A JP 2002322295 A JP2002322295 A JP 2002322295A JP 2002322295 A JP2002322295 A JP 2002322295A JP 2003207592 A JP2003207592 A JP 2003207592A
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JP2002322295A
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Kazuo Asada
和雄 浅田
Yuichi Saito
雄一 齋藤
Shigeru Matsumoto
繁 松元
Kazuo Murakami
和夫 村上
Kenichi Matsunaga
健一 松永
Masahiro Okada
正廣 岡田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒体との溶接部で放射線試験を実施するため
の高さを確保でき、しかも安価に製造できる放射性物質
収納容器とその底部構造を提供する。 【解決手段】 筒体の一端に底板を溶接して容器本体を
形成し、該容器本体内部空間に放射性物質を収納してか
ら他端開口を蓋材で密閉するように構成された放射性物
質収納容器の底板構造であって、内部空間を形成する底
板40の上面42に、外周側において所定の幅で突出す
る接合部41と、該接合部41に隣接する凹溝部43
と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済み核燃料集
合体や放射性廃棄物などの放射性物質を内部空間に収容
して密封する容器としてのキャニスタの底板構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉において所定の燃焼を終えた核燃
料集合体、いわゆる使用済み核燃料集合体(以下、「使
用済燃料」と呼ぶ)は、原子力発電所等の冷却ピットで
所定期間冷却された後、輸送及び貯蔵を行うためヘリウ
ムガスと共にキャニスタに収納して密封される。こうし
て使用済燃料を密封収納したキャニスタは、輸送用の容
器である金属キャスクに収容した状態で中間貯蔵施設や
再処理施設等の目的地まで運ばれる。
【0003】中間貯蔵施設等における使用済燃料の貯蔵
方式には、従来より下記に示す3つの方式がある。 (1)ボールド方式 キャニスタを半地下式建屋内に貯蔵する方式であり、半
地下式建屋で放射能の遮蔽を行うと共に、貯蔵エリアの
自然通気により冷却している。 (2)金属キャスク方式 キャニスタを金属キャスク内に収納した状態で建屋内に
貯蔵する方式であり、金属キャスクで放射能の遮蔽を行
うと共に、貯蔵エリアの自然通気により冷却している。 (3)コンクリートキャスク方式 建屋内に設置されたコンクリートキャスク内にキャニス
タを収納する方式であり、コンクリートキャスク及び建
屋で放射能の遮蔽を行うと共に、コンクリートキャスク
内部及び建屋の自然通気により冷却している。
【0004】上述したいずれの貯蔵方式においても、細
長い形状の使用済燃料を多数収納してヘリウムガスと共
に密封するキャニスタが使用される。キャニスタは、円
筒形状の底部を底板で塞いだ容器本体内に使用済燃料を
収納した後、上部開口に蓋をして密閉する金属製の容器
である。このキャニスタは、多数の使用済燃料をバスケ
ットに挿入した状態で内部空間に収納保持し、注入した
ヘリウムガスと共に密閉される。ここで注入されるヘリ
ウムガスは、使用済燃料の冷却促進を目的としており、
このヘリウムガスにより熱伝導性が向上して対流による
冷却効率が高められる。
【0005】上述したキャニスタの容器本体1は、図1
1に示すように、筒体2の下端に底板3を溶接してバス
ケット及び使用済燃料の収納スペースとなる内部空間4
を形成している。筒体2と底板3との溶接は、キャニス
タが原子力仕様であるため、溶接部Wの非破壊検査とし
て放射線透過試験(RT)を実施することが義務づけら
れている。このため、溶接部Wの裏側には、RTフィル
ム5を貼り付けるための面を確保する必要がある。な
お、RTフィルム5を貼り付ける面を確保する場合に
は、底板3の角部3aから溶接部Wまで少なくとも母材
厚さ程度の距離を設け、溶接部Wへの応力集中を軽減す
ることが望ましい。従って、たとえば図13(a)及び
(b)に示す一般容器のように、底板3の端部を筒体2
の内周面に突き合わせ溶接して溶接部W1を形成する構
造や、筒体2の端部を底板3の一面に突き合わせ溶接し
て溶接部W2を形成する構造を採用できないというのが
実状である。
【0006】そこで、図12に示すように、これまでの
キャニスタにおいては、想像線で示す板材(素材)Pを
切削加工するか鍛造することによって製造した底板3が
使用されている。この底板3には、外周部に溶接面3b
を備えた側壁部3cが突設され、中央部を低くした構造
が採用されており、側壁部3cの高さhによってRTフ
ィルム5を貼り付ける面を確保している。
【0007】また、筒体2と底板3とをTIG溶接で溶
接すると、板厚が比較的薄い場合には溶接歪みが大きく
なる。従って、キャスク内に収納するため外径が制限さ
れるキャニスタにはTIG溶接は不向きであり、溶接に
よる歪みの小さい電子ビーム溶接(以下、EBW)を採
用するのがより好ましい。なお、EBWでは、電子ビー
ムの影響が対向面に及ぶのを防止するため、電子ビーム
を遮断するEBW用裏当てが必要となる。(特許文献1
の図2、符号14のキャニスタ正面図参照。但し底板構
造は記載されていない。)
【0008】
【特許文献1】 特開2001−318185号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のキャニスタにおいては、平板の素材を切削加工して側
壁部3cの高さhを確保した底板3を採用していたた
め、高さhを大きくするほど切削量が多くなる。従っ
て、底板3の成型には多大の作業工数が必要となって加
工コストが嵩むこととなる。また、精度よくフラット形
状の底板3を削り出すには、上側から削りだし、加工歪
みが大きい場合には底面側も削る作業が必要となるの
で、加工コストがさらに嵩むという問題がある。
【0010】さらに、鍛造によって底板3を成型する場
合は、大掛かりな設備が必要になることに加えて、製造
する数が少なければ型のコストが大きく影響するため、
やはり加工コストが嵩むという問題がある。
【0011】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、筒体との溶接部で放射
性透過試験RTなどの非破壊試験を実施し易くして十分
な品質を確保でき、しかも安価に製造できる放射性物質
収納容器とその底部構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
放射性物質収納容器の底部構造は、筒体の一側に底板を
溶接して容器本体を形成し、該容器本体の内部空間に放
射性物質を収納してから他側開口を蓋材で密閉するよう
に構成された放射性物質収納容器の底板構造であって、
前記内部空間を形成する前記底板の上面に、外周側にお
いて所定の幅で突出する接合部と、該接合部に隣接する
凹溝部と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】このような放射性物質収納容器の底部構造
によれば、凹溝部を形成するのに必要な部分のみ切削す
ればよいので、切削量を低減して作業工数を削減でき
る。また、底板の中央部を切削しなくてすむため大きな
板厚を確保でき、収納物の荷重に対する撓みを低減する
ことができる。
【0014】請求項2に記載の放射性物質収納容器の底
部構造は、前記凹溝部より内側となる前記底板の上面を
中心から外側へ下がる傾斜面としたことを特徴とするも
のであり、これにより、集水性を向上させることができ
る。
【0015】請求項3に記載の放射性物質収納容器の底
部構造は、前記接合部を外側へ下がる傾斜面としたこと
を特徴とするものであり、これにより、電子ビームを斜
め上向きに照射することができるため、電子ビーム溶接
(EBW)用の裏当てを底板の上面に設置して凹溝部の
幅を最小限に狭め、切削量をさらに減らすことができ
る。
【0016】請求項4に記載の放射性物質収納容器の底
部構造は、前記凹溝部より低い集水部を設け、該集水部
と前記凹溝部との間を流路で連結したことを特徴とする
ものであり、これにより、集水部を排水ポンプの取水管
挿入位置と一致させておけば、排水をより確実に行うこ
とができる。
【0017】請求項5に記載の放射性物質収納容器は、
筒体の一側に底板を溶接して容器本体を形成し、該容器
本体の内部空間に放射性物質を収納して他側開口を蓋材
で密閉するように構成された放射性物質収納容器であっ
て、かつ請求項1から4のいずれかに記載の底板構造と
なっていることを特徴とするものであり、撓みを低減で
きるので構造的に強固な容器となり、確実にRTやUT
の非破壊検査を行う事ができるので機器の信頼性も向上
し、しかも容器の製造コストを低減できる。
【0018】なお、本発明での放射性物質収納容器と
は、使用済み核燃料を保管するキャニスタやキャスクな
どばかりではなく、再処理後の核分裂生成物(ゴミ)を
ガラス固化した保管容器であっても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る放射性物質収
納容器として、キャニスタの底板構造の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図9に示すように、キャニスタ
10は、円筒形状の底部を底板で塞いだ容器本体11
と、上部の開口部を塞ぐ蓋部12とによって構成される
金属製(鋼製またはステンレススチール製など)の容器
である。蓋部12は、内側の一次蓋12aと外側の二次
蓋12bとによって構成され、一次蓋12aの内側には
さらに、遮蔽ブロック13が設けられている。
【0020】キャニスタ10は、多数の使用済燃料14
をバスケット15に挿入した状態で内部空間Sに収納保
持し、ヘリウムガスを注入すると共に蓋部12を溶接し
て密閉される。ここで注入されるヘリウムガスは、使用
済燃料14の冷却促進を目的としており、このヘリウム
ガスにより熱伝導性が向上して対流による冷却効率が高
められる。なお、図中の符号16は、一次蓋12aに設
けられて水抜き等に使用される開口部を閉じる蓋材であ
る。また、バスケット15は、格子状断面を有する使用
済燃料14の保持容器であり、各格子15a毎に1本の
使用済燃料14を収納して保持する機能を有している。
【0021】上述したキャニスタ10は、たとえばコン
クリートキャスク方式の場合、図10に示すように、コ
ンクリートキャスク20の中に収納して貯蔵される。こ
のコンクリートキャスク20は、キャニスタ10を収納
する円柱状の収納スペース21を形成して底部が閉じら
れた円筒形状のキャスク本体22と、キャニスタ10を
出し入れするための上部開口23を塞ぐ蓋部24とによ
って構成されている。
【0022】キャスク本体22は、金属板22a及びコ
ンクリート層22bによって構成され、収納スペース2
1を形成する内周面側に金属板22aが貼り付けられた
コンクリート製となっている。蓋部24は、金属板24
a及びコンクリート層24b等によって構成され、キャ
ニスタ10の二次蓋12bと対向する底面を除くコンク
リート層24bの周囲に金属板24aが貼り付けられた
コンクリート製となっている。
【0023】キャスク本体22に形成された収納スペー
ス21の底面21aには、所定の収納位置でキャニスタ
10の荷重を支持すると共に、キャニスタ10との間に
対流冷却を行う冷却空気CAの流通路(空間)を形成す
るように、支持部材25が設けられている。この支持部
材25は、たとえば底面に放射状に配置して垂直に立設
された複数枚の板材よりなり、ハンドリング時にキャニ
スタ10が落下した場合等の異常時には、変形によって
落下エネルギを吸収するショックアブソーバとしての機
能も備えている。
【0024】また、収納スペース21内を自然通気によ
って対流冷却するため、キャスク本体22の下部側面に
は冷却空気CAを導入する空気導入口26が複数箇所に
設けられている。この空気導入口26から導入された冷
却空気CAは、屈曲した流路を経て収納スペース21内
に入り、キャニスタ10の側面に沿って上昇した後、キ
ャスク本体22と蓋部24との間に屈曲して形成された
流路を経て、上部側面に開口する複数の空気出口27か
ら外部へ流出する。この結果、コンクリートキャスク2
0の収納スペース21内は、冷却空気CAとして導入し
た外気の自然通気によって換気・冷却される。
【0025】さて、上述したキャニスタ10の容器本体
11は、図2に示すように、筒体30と底板40とを溶
接部Wにおいて溶接し、一体化したものである。溶接部
Wは、筒体30の一方の端面31と底板40の接合部4
1とを突き合わせ、全周にわたってEBWまたはTIG
溶接することで一体化している。以下の説明では、比較
的板厚が薄い場合でも溶接歪みが小さいEBWを採用し
て一体化するものとして説明する。
【0026】ここで使用する底板40は、図1(b)に
示すように、想像線で示した板材Pを切削することによ
って成型される。この底板40は、容器本体11の内部
空間Sを形成する上面42が、接合部41及び凹溝部4
3を備えている。接合部41は、外周側において所定の
幅で突出する部分であり、この接合部41の内側に凹溝
部43が設けられている。図示の例では、接合部41と
上面43とが同一平面状にあり、底板40の一面に一段
低い凹溝部42が全周にわたって形成されたようになっ
ている。なお、接合部41及び上面43の高さについて
は、必ずしも同じにする必要はない。
【0027】このような構成とすれば、接合部41から
凹溝部43にかけて段差が形成されるので、この段差部
には側壁部44が存在している。従って、原子力仕様の
キャニスタ10が義務づけられているRTの実施に必要
なRTフィルム5の貼り付け面として側壁部44を利用
できるので、RTフィルム5の貼り付け面を容易に確保
することができる。また、凹溝部43については、容器
本体11の外側から照射された電子ビームが容器本体1
1の反対側内周面(対向面)に到達するのを防止するた
め、EBW用裏当て50の設置が可能な幅を確保すれば
よい。なお、EBWの場合、底面からある程度の高さを
とった位置に溶接部Wを設ける必要があるため、この点
でも凹溝部43の存在は好都合である。
【0028】上述したような構成の底板40とすれば、
図12に示した従来構造の底板3と比較して、切削量を
大幅に低減することができる。具体的には、ここで低減
可能な切削量は、おおよそ上面42の面積に凹溝部43
の深さを乗じて得られる体積分となる。このような切削
量の低減は、底板40の加工工数低減に大きく貢献する
ので、製造コストの削減に有効である。
【0029】また、上述した構成の底板40は、上面4
2の厚さを大きくとれるので、収納物の荷重、すなわち
バスケット15に挿入して収納される使用済燃料14の
荷重による撓み量を低減できるという利点がある。ま
た、凹溝部43を設けて底面から溶接部Wまでの距離を
とることにより、溶接部Wへの熱応力集中を緩和し、さ
らに、厚板部である上面42に発生する熱応力を薄肉部
である凹溝部43によって緩和することもできる。
【0030】ところで、上述したキャニスタ10は、使
用済燃料14をバスケット15に収納する作業等を水中
で行うため、容器本体11を密封する前に水抜き作業が
必要となる。この水抜き作業は、一次蓋12aを容器本
体11に溶接した後、図8に示すように、一次蓋12a
に設けられた開口部17に排水ポンプ60を装着して実
施される。この排水ポンプ60には取水管61が連結さ
れ、その先端部は底板40の近傍まで延びている。な
お、水抜き作業が完了した後には、容器本体11の内部
が真空乾燥される。
【0031】このような排水作業を効率よく行うために
は、特に最終段階において容器本体11内の水をできる
だけ狭い範囲に集めることが望ましい。このため、図4
に示す第1変形例のように、底板40Aの上面42Aに
傾斜をつけ、上面42Aの中心から外側の凹溝部43へ
下がる傾斜面とする。このような構成の底板40Aとす
れば、容器本体11内の水は傾斜した上面42Aを流
れ、最終的には凹溝部43へ落下して集水される。この
ため、凹溝部43に溜まった水を取水管61で排水すれ
ば、排水できずに容器本体11内に残る水量を最小限に
することができ、従って、最終的な真空乾燥の負担を低
減することができる。
【0032】続いて、図5に示す第2変形例について説
明する。この場合の底板40Bは、接続部41Bを外側
へ下がる傾斜面とした点が異なっている。このような構
成の底板40Bとすれば、EBWによって筒体30Aと
溶接する時、電子ビームを斜めに照射することができる
ので、凹溝部43の幅を小さくすることができる。すな
わち、電子ビームが斜め上向きに照射されることから、
EBW用裏当て50を上面42に設置することが可能に
なるので、凹溝部43の幅については、EBW用裏当て
50の設置を考慮する必要がなくなり、RTフィルム5
の貼り付けが可能な最小限の幅とすればよい。なお、筒
体30Aの端部については、接合部41Bの形状に合わ
せた加工が必要となる。
【0033】この結果、凹溝部43の幅が狭くなった分
だけ上面42が広がるので、全体としての切削量はさら
に少なくなり、従って、作業工数及びコストの低減に有
効である。なお、この構造の底板40Bは、EBWで溶
接する場合に有効であるが、TIG溶接を採用する場合
には、EBW用裏当て50を設置する必要がないため、
図1及び図4の構造でも凹溝部43の幅を狭くできる。
【0034】最後に、第3変形例を図6ないし図8に基
づいて説明する。この変形例では、上面42または傾斜
した上面42Aの適所に凹溝部43より低い集水部44
を設け、さらに、この集水部44と凹溝部43との間を
流路45をもって連結している。この流路45は、凹溝
部43から集水部44へスムーズに水を流すように傾斜
している。上述した集水部44の好適な位置は、一次蓋
12aに設けられている開口部の真下、すなわち図10
において蓋材16により閉じられる開口部の真下とな
る。
【0035】この水抜き作業は、図8に示すように、一
次蓋12aを容器本体11に溶接した後、一次蓋12a
に設けられている開口部17に排水ポンプ60を装着し
て実施される。この排水ポンプ60には取水管61が連
結され、取水管61の先端部が集水部44の底面近くま
でまっすぐ延びている。なお、図8における符号18
は、円滑に排水できるよう設けた外気の導入口を示して
いる。
【0036】このような構成とすれば、容器本体11の
内部に溜まっている水は、上面42から凹溝部43に流
れる。この時、傾斜面とした上面42Aを形成してあれ
ば、水はよりスムーズに凹溝部43へ流れていく。凹溝
部43に流れ込んだ水のほとんどは、流路45を通って
最終的に最も低い集水部44に導かれて溜まる。従っ
て、排水ポンプ60は、集水部44内の底面近傍に位置
している取水管61の先端からこの水を吸い上げ、容器
本体11の外へ排水することができる。このため、容器
本体11内の水はほとんど全量が排水されるので、水抜
き作業が完了した後に実施する容器本体内部の真空乾燥
がより一層容易になる。
【0037】以上説明したように、本発明のキャニスタ
の底板構造を採用すれば、原子力仕様の容器で必須とな
る溶接部Wの非破壊検査、例えば超音波探傷試験(U
T)放射線透過試験(RT)が可能な底板構造を、加工
に要する作業工数を低減して提供することができる。ま
た、溶接による歪みが小さいEBWには欠かせないEB
W用裏当ての設置も可能であり、キャニスタ10にとっ
ては好都合な底板構造となる。また、上述した実施形態
及び各変形例では、溶接部WをEBWによって溶接する
ものとして説明したが、TIG溶接にも適用可能なこと
は言うまでもない。
【0038】なお、本発明の構成は上述した実施形態に
限定されるものではなく、たとえば底板に設ける凹溝部
について、応力集中を防止する観点から角部をR加工す
るなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜
変更することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明の放射性物質収納容器の底板構造
によれば、以下の効果を奏する。請求項1記載の発明に
よれば、凹溝部を形成するのに必要な部分のみ切削すれ
ばよいので、切削量を低減して作業工数を削減でき、底
板の製造コスト低減に大きな効果を奏する。また、底板
の中央部を切削しなくてすむため、収納物の荷重が作用
する部分の板厚を確保できるようになるので、撓みを低
減することができる。
【0040】また、凹溝部より内側となる底板の上面を
凹溝部側へ下る傾斜面とすれば、凹溝部への集水性を向
上させることができる。また、接合部を外側へ下がる傾
斜面とすれば、EBW時に電子ビームを上向きに照射す
るため、EBW用の裏当てを底板の上面におくことがで
きる。従って、凹溝部の幅を決めるとき、EBW用裏当
ての設置スペースを考慮しなくてすむので、最小限の幅
に狭めて切削量をさらに減らすことができる。
【0041】また、凹溝部より低い集水部を設け、該集
水部と凹溝部との間を流路で連結したので、集水部を排
水ポンプの取水管挿入位置と一致させておけば、排水を
より確実に行うことができる。
【0042】更に本発明の放射性物質収納容器は、筒体
の一側に底板を溶接して容器本体を形成し、該容器本体
の内部空間に放射性物質を収納して他側開口を蓋材で密
閉するように構成された放射性物質収納容器であって、
かつ上記のいずれかの底板構造としたので、構造的に強
固な容器となり、機器の信頼性も向上し、しかも容器の
製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射性物質収納容器の底板構造の
一実施形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は断面
図である。
【図2】図1の底板を用いた容器本体の構成を示す図
で、(a)は容器本体の断面図、(b)は(a)のA部
拡大図である。
【図3】図1に示した底板の効果を説明する要部断面図
である。
【図4】図1に示した放射性物質収納容器の底板構造に
係る第1変形例を示す断面図である。
【図5】図1に示した放射性物質収納容器の底板構造に
係る第2変形例を示す図で、(a)は容器本体の要部断
面図、(b)は底板の要部断面図である。
【図6】図1に示した放射性物質収納容器の底板構造に
係る第3変形例を示す平面図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】容器本体内の水を排水する状態を示す断面図で
ある。
【図9】放射性物質収納容器の構造例を示す部分断面斜
視図である。
【図10】コンクリートキャスクに放射性物質収納容器
を収納した状態を示す要部断面斜視図である。
【図11】従来のキャニスタについて、容器本体の構造
例を示す要部断面図である。
【図12】図11に示した従来構造の底板を示す断面図
である。
【図13】一般容器の溶接部を示す要部断面図で、
(a)は底板の端部を筒体に突き合わせて溶接した溶接
構造、(b)は筒体の端部を底板に突き合わせて溶接し
た溶接構造である。
【符号の説明】
10…キャニスタ 11…容器本体 12…蓋部 20…コンクリートキャスク 30…筒体 31…端面 40,40A,40B,40C…底板 41…接合部 42,42A…上面 43…凹溝部 44…集水部 45…流路 50…EBW用裏当て 60…排水ポンプ
フロントページの続き (72)発明者 村上 和夫 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 松永 健一 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 岡田 正廣 兵庫県神戸市兵庫区和田宮通七丁目1番14 号 西菱エンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒体の一側に底板を溶接して容器本体を
    形成し、該容器本体の内部空間に放射性物質を収納して
    から他側開口を蓋材で密閉するように構成された放射性
    物質収納容器の底板構造であって、 前記内部空間を形成する前記底板の上面に、外周側にお
    いて所定の幅で突出する接合部と、該接合部に隣接する
    凹溝部と、を備えていることを特徴とする放射性物質収
    納容器の底板構造。
  2. 【請求項2】 前記凹溝部より内側となる前記底板の上
    面を中心から外側へ下がる傾斜面としたことを特徴とす
    る請求項1記載の放射性物質収納容器の底板構造。
  3. 【請求項3】 前記接合部を外側へ下がる傾斜面とした
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の放射性物質収納
    容器の底板構造。
  4. 【請求項4】 前記凹溝部より低い集水部を設け、該集
    水部と前記凹溝部との間を流路で連結したことを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の放射性物質収納
    容器の底板構造。
  5. 【請求項5】 筒体の一側に底板を溶接して容器本体を
    形成し、該容器本体の内部空間に放射性物質を収納して
    他側開口を蓋材で密閉するように構成された放射性物質
    収納容器であって、かつ請求項1から4のいずれかに記
    載の底板構造となっていることを特徴とする放射性物質
    収納容器。
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