JPH09166696A - 放射性物質乾式貯蔵設備 - Google Patents

放射性物質乾式貯蔵設備

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JPH09166696A
JPH09166696A JP7328566A JP32856695A JPH09166696A JP H09166696 A JPH09166696 A JP H09166696A JP 7328566 A JP7328566 A JP 7328566A JP 32856695 A JP32856695 A JP 32856695A JP H09166696 A JPH09166696 A JP H09166696A
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直己 熊谷
Hideaki Kurokawa
秀昭 黒川
Masami Matsuda
将省 松田
Masashi Oda
将史 小田
Tsuneyasu Yamanaka
庸靖 山中
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】放射性物質乾式貯蔵設備1は、複数の外側
密封容器10を内部に貯蔵する燃料貯蔵室6を備える。
外側密封容器10は、使用済燃料集合体13を内蔵した
内側密封容器11を収納する。上部プレナム24が、各
外側密封容器10の上端と燃料貯蔵室6の天井スラブ1
8との間に形成される。下部プレナム20に流入した空
気は、外側密封容器10相互間に形成される空間を上昇
して上部プレナム24に達する。 【効果】各外側密封容器の上端と天井スラブとの間に形
成される上部プレナムは、流路面積が著しく増大し、圧
力損失が著しく減少する。そのため、燃料貯蔵室内を流
れる空気の通風量が増大し、外側密封容器内の使用済燃
料集合体の冷却効率を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発熱を伴う放射性物
質の乾式貯蔵設備に係り、特に高レベル放射性廃棄物や
原子力発電所から発生する使用済燃料等の放射性物質を
貯蔵する設備に係る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済燃料集
合体は、再使用可能なウラン及びプルトニウム等の核燃
料物質を回収するために再処理される。このときに発生
する高レベル放射性廃棄物はガラス固化される。この放
射性廃棄物ガラス固化体は、崩壊熱が発生するため、発
熱量が小さくなり処分が可能となるまでの間、冷却しな
がら貯蔵する必要がある。また、使用済燃料集合体は、
再処理されるまでの間、原子力発電所内の貯蔵プールに
保管される。しかしながら、年々増大する使用済燃料集
合体を長期間貯蔵可能な新たな貯蔵設備の建設が望まれ
ている。
【0003】これらの目的に対応した放射性物質貯蔵施
設としては、放射性廃棄物ガラス固化体及び使用済燃料
集合体を周囲に流れる空気によって冷却しながら貯蔵す
る放射性物質乾式貯蔵設備がある。放射性物質の乾式貯
蔵設備の例としては、特公平5−11598号公報,実公平5
−9680 号公報及び実開昭62−49799 号公報に記載され
た貯蔵設備がある。
【0004】特公平5−11598号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵施設は、コンクリート製建屋内の貯蔵室に設
置された収納管内に、放射性廃棄物ガラス固化体または
使用済燃料集合体を収納して貯蔵する。収納管は上端部
が貯蔵室の天井スラブに保持され貯蔵室の床スラブまで
達している。収納管内の放射性物質から発生する崩壊熱
は、天井スラブと床スラブとの間に形成される冷却空気
通路内を水平方向に流れる空気によって除去される。こ
の冷却空気は、収納管相互間を水平方向に流れる。
【0005】実公平5−9680 号公報及び実開昭62−4979
9 号公報に示された放射性物質乾式貯蔵設備も、貯蔵室
の天井スラブに上端部が保持されて下方に伸びる収納管
内に放射性廃棄物ガラス固化体または使用済燃料集合体
を収納して貯蔵し、収納管の周囲に空気を流して収納管
内の放射性物質から発生する崩壊熱を除去するものであ
る。これらの公報に示された放射性物質乾式貯蔵設備
は、各収納管の周囲を取り囲む筒状体を設けている。水
平方向に伸びる下部仕切部材が筒状体の下端の位置に設
けられる。水平方向に伸びる上部仕切部材が筒状体の上
端の位置に設けられる。床スラブと下部仕切部材との間
に形成される下部プレナムは空気入口に連絡される。天
井スラブと上部仕切部材との間に形成される上部プレナ
ムは空気出口に連絡される。本放射性物質乾式貯蔵設備
では、特公平5−11598号公報に示された放射性物質乾式
貯蔵施設と違って、空気は、下部プレナム,収納管と筒
状体との間に形成される環状通路及び上部プレナムと順
に流れる。空気は環状通路内を上方に向かって流れるの
である。上部及び下部仕切部材が設けられているので、
空気は下部及び上部プレナムから筒状体相互間に流入す
ることはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特公平5−11598号公報
の放射性物質乾式貯蔵設備は、空気が水平方向に流れて
各収納管から崩壊熱を除去していくので、貯蔵室の空気
入口側に位置する収納管内の放射性物質の冷却効率が良
い。しかしながら、貯蔵室の空気出口側に位置する収納
管内の放射性物質の冷却効率は低下する。
【0007】これに対して、実公平5−9680 号公報及び
実開昭62−49799 号公報にそれぞれ記載された放射性物
質乾式貯蔵施設は、空気が貯蔵室内を垂直方向に流れる
ので、各収納管を取り囲むそれぞれの環状通路の入口に
おける空気の温度が等しくなる。このため、貯蔵室の空
気入口側及び空気出口側に位置する各収納管内の放射性
物質の冷却効率はほぼ同じである。
【0008】放射性物質乾式貯蔵設備は、空気の自然循
環力を利用して空気を内部に供給するため、空気が流れ
る通路の圧力損失を低くすることが望ましい。空気通路
の圧力損失が低いほど貯蔵室内に供給される空気量が増
加し、収納管内の放射性物質の除熱効率が増大する。
【0009】実開昭62−49799 号公報,実公平5−9680
号公報記載の放射性物質乾式貯蔵施設では、収納管に沿
って上昇した空気が上部プレナムを水平方向に流れる。
しかしながら、多数の収納管が上部プレナムを垂直方向
に貫通しているので、上部プレナムの圧力損失が大き
い。本放射性物質乾式貯蔵施設における空気通路の圧力
損失は、特公平5−11598号公報の放射性物質乾式貯蔵設
備におけるその圧力損失よりも大きい。空気が収納管に
沿って上昇するタイプの本放射性物質乾式貯蔵設備は、
空気通路の圧力損失を減少させることが望まれる。
【0010】本発明の目的は、貯蔵室内の上部プレナム
の圧力損失を低減できる放射性物質乾式貯蔵設備を提供
することにある。
【0011】本発明の他の目的は、貯蔵室内での密封容
器の横転を防止できる放射性物質乾式貯蔵設備を提供す
ることにある。
【0012】本発明の他の目的は、貯蔵室内での密封容
器の貯蔵密度を高めことができる放射性物質乾式貯蔵設
備を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、外側密封容器相互間
に存在する空気通路の圧力損失を低減できる放射性物質
乾式貯蔵設備を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、外側密封容器を横方
向支持部間に容易に導くことができる放射性物質乾式貯
蔵設備を提供することにある。
【0015】本発明の目的は、貯蔵室内の上部プレナム
の圧力損失を更に低減できる放射性物質乾式貯蔵設備を
提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、効率よく内部の放射
性物質を冷却できる放射性物質乾式貯蔵設備を提供する
ことにある。
【0017】本発明の他の目的は、安全性の高い放射性
物質乾式貯蔵設備を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、冷却効率を更に向上
できる放射性物質乾式貯蔵設備を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、内部収納管の気密性
を確認できる放射性物質乾式貯蔵設備を提供することに
ある。
【0020】本発明の他の目的は、内部収納管内に収納
した放射性物質の未臨界状態を維持できる放射性物質乾
式貯蔵設備を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する請
求項1の発明の特徴は、放射性物質を内蔵した内側密封
容器を収納する複数の外側密封容器を内部に貯蔵する貯
蔵室を備え、前記外側密封容器の下端を前記貯蔵室の床
より上方に離した状態で前記外側密封容器を支持する垂
直方向支持部を、前記床に設け、前記各外側密封容器の
下端と前記貯蔵室の床との間に形成される下部プレナム
が、外部から空気を取り込む空気取り込み口に連絡さ
れ、上部プレナムが、前記各外側密封容器の上端と前記
貯蔵室の天井との間に形成され、前記上部プレナムは外
部に前記空気を排出する空気排出口に連絡されることに
ある。
【0022】上部プレナムが各外側密封容器の上端と貯
蔵室の天井との間に形成されるので、上部プレナムの流
路面積が著しく増大する。このため、上部プレナムの圧
力損失が著しく減少する。これは、空気取り込み口から
貯蔵室を経て空気排出口に至る空気通路を流れる空気の
通風量を増加させ、密封容器内の放射性物質の冷却効率
が向上する。
【0023】上記の他の目的を達成する請求項2の発明
の特徴は、請求項1の発明の特徴に加えて、前記外側密
封容器を水平方向において支持する横方向支持部を、前
記外側密封容器の相互間に設け、この横方向支持部は前
記貯蔵室の水平断面において前記外側密封容器の周囲に
形成される空間の一部を占有していることにある。
【0024】貯蔵室の水平断面において外側密封容器の
周囲に形成される空間の一部を占有している横方向支持
部が、外側密封容器を水平方向に支持していることによ
り、外側密封容器の横転を防止できる。特に、横方向支
持部のこの作用は、地震時において十分に威力を発揮す
る。横方向支持部はその空間の水平断面でその空間の一
部を占有するだけであるので、その空間内を上昇する空
気流による外側密封容器の冷却は十分に行える。
【0025】上記の他の目的を達成する請求項3の発明
の特徴は、請求項1又は請求項2の発明の特徴に加え
て、前記貯蔵室の天井部は前記貯蔵室内の複数の前記外
側密封容器ごとに設けられた開口を複数個有し、これら
の開口のそれぞれに着脱可能の蓋を設けたことにある。
【0026】天井部に形成される開口を貯蔵室内の複数
の前記外側密封容器ごとに設けることにより、1つの開
口の下方に配置される複数の外側密封容器の間隔を狭く
することができる。従って、貯蔵室内での外側密封容器
の貯蔵密度が増大する。
【0027】上記の他の目的を達成する請求項4の発明
の特徴は、請求項3の発明の特徴に加えて、前記天井部
は、前記床に設置され前記外側密封容器間を上方に伸び
る天井支持部によって支持されていることにある。
【0028】天井支持部が天井部を支持するので、開口
相互間の幅を狭くすることができる。すなわち、天井支
持部がない場合は天井部の強度を確保するために開口相
互間の幅を大きくしなければならない。天井支持部が天
井部の荷重を支えるので、その分、開口相互間の幅を狭
くできる。これによって天井部に設ける開口の個数を増
加できるので、貯蔵室内での外側密封容器の貯蔵密度が
増大する。天井支持部の設置により、開口相互間の幅を
狭くする替りに天井部の厚みを減少させることも考えら
れるが、天井部の厚みの減少は放射線遮へいの観点から
望ましくない。上記の他の目的を達成する請求項5の発
明の特徴は、請求項4の発明の特徴に加えて、前記外側
密封容器が水平方向において前記天井支持部によって支
持されている。
【0029】請求項5の発明は、天井支持部が横方向支
持部の機能を発揮するので、天井支持部の個数だけ横方
向支持部を別途設ける必要がない。このため、外側密封
容器相互間に形成される空気通路の圧力損失を低減でき
る。
【0030】上記の他の目的を達成する請求項6の発明
の特徴は、請求項5の発明の特徴に加えて、残りの前記
横方向支持部は前記天井部の下面に接触せず前記残りの
横方向支持部と前記天井部の下面との間に前記上部プレ
ナムの一部が存在することにある。
【0031】残りの前記横方向支持部は前記天井部の下
面に接触しないので、上部プレナムの圧力損失を低減で
きる。
【0032】上記の他の目的を達成する請求項7の発明
の特徴は、請求項2の発明の特徴に加えて、前記横方向
支持部は、下降する前記外側密封容器をガイドするガイ
ドを上端部に設けたことにある。
【0033】横方向支持部が下降する外側密封容器をガ
イドするガイドを上端部に設けているので、外側密封容
器を横方向支持部間に容易に導くことができる。
【0034】上記の他の目的を達成する請求項8の発明
の特徴は、放射性物質を貯蔵する貯蔵室を備え、前記貯
蔵室の天井部に上端部が保持されて前記貯蔵室の床に向
かって伸び、下端が前記床より上方に位置し、かつ上端
部が開閉可能に密封され内部に前記放射性物質が収納さ
れる複数の収納管と、前記各収納管の周囲にそれぞれ配
置され前記収納管との間に環状通路を形成する筒状体と
を備え、前記各収納管の下端と前記貯蔵室の床との間に
形成される下部プレナムが、外部から空気を取り込む空
気取り込み口に連絡され、上部プレナムが、前記各筒状
体の上端と前記貯蔵室の天井との間に形成され、前記上
部プレナムは外部に前記空気を排出する空気排出口に連
絡され、前記筒状体相互間に形成される空間は、前記上
部プレナムに対して開放され、前記各筒状体に取り付け
られた仕切部材によって遮断されて前記下部プレナムと
連通していないことにある。
【0035】収納管を取り囲んでいる筒状体相互間に形
成される空間は、上部プレナムに対して開放され、各筒
状体に取り付けられた仕切部材によって遮断されて下部
プレナムと連通していないので、上記環状通路から上部
プレナムに流出された空気は、仕切部材より上方で筒状
体相互間に形成される空間内にも流れる。これは、環状
通路から流出された空気が流れる上部プレナムの流路断
面積が筒状体相互間に形成される空間のうち仕切部材よ
り上方の部分まで実質的に増加したことになる。このた
め、上部プレナムの圧力損失が減少する。これは、空気
取り込み口から貯蔵室を経て空気排出口に至る空気通路
を流れる空気の通風量を増加させ、収納管内の放射性物
質の冷却効率が向上する。
【0036】上記の他の目的を達成する請求項9の発明
の特徴は、請求項8の発明の特徴に加えて、前記仕切部
材は前記筒状体の下端部に取り付けられていることにあ
る。仕切部材が筒状体の下端部に設けられることによ
り、上部プレナムの流路断面積が実質的に最大限に拡大
されることになる。このため、上部プレナムの圧力損失
がより低下する。
【0037】上記の他の目的を達成する請求項10の発
明の特徴は、請求項8又は請求項9の発明の特徴に加え
て、前記各収納管が、前記貯蔵室の天井部に上端部が保
持されて上端部が開閉可能に密封される外部収納管と、
この外部収納管内にそれぞれ放射性物質を収納しない状
態で設置されており、かつ設置後に内部に前記放射性物
質が収納される内部収納管とを備えたことにある。
【0038】内部に放射性物質が収納される内部収納管
が、外部収納管内にそれぞれ放射性物質を収納しない状
態で設置されているので、設置後に内部収納管を外部収
納管内で移動させる必要がなく、外部収納管と内部収納
管との間に形成される間隙の幅を従来よりも狭くでき
る。このため、外部収納管と内部収納管との間における
伝熱量が増大し、内部収納管内に収納された放射性物質
の冷却効率を向上できる。これは、内部収納管内におけ
るより多くの放射性物質を収納でき、放射性乾式貯蔵設
備における放射性物質の貯蔵密度を高めることにつなが
る。
【0039】上記の他の目的を達成する請求項11の発
明の特徴は、請求項10の発明の特徴に加えて、前記外
部収納管の上端部に着脱可能に取り付けられた第1の
蓋、及び前記内部収納管の上端部に着脱可能に取り付け
られた第2の蓋を備えたことにある。
【0040】外部収納管及び内部収納管が別々の蓋によ
り密封されるので、放射性物質を二重の収納管内に貯蔵
できる。これは、万一、内部収納管の気密性が損なわれ
ても放射性物質が外部に飛散することを外部収納管で防
止できる。このように、安全性の高い放射性物質乾式貯
蔵設備が得られる。
【0041】上記の他の目的を達成する請求項12の発
明の特徴は、請求項10の発明の特徴に加えて、前記内
部収納管の外面の一部が前記外部収納管の内面に接触し
ており、前記内部収納管の外面または前記外部収納管の
内面に溝を形成したことにある。
【0042】内部収納管と外部収納管との接触部を通し
て内部収納管から外部収納管に伝わる伝熱量が増加する
ので、崩壊熱を発生する放射性物質の冷却効率を更に向
上させることができる。
【0043】上記の他の目的を達成する請求項13の発
明の特徴は、請求項10,請求項11又は請求項12の
発明の特徴に加えて、前記内部収納管の気密性を検出す
る手段が備えられていることにある。
【0044】気密検出手段が設けられているので、内部
収納管の気密性を容易に確認できる。
【0045】上記の他の目的を達成する請求項16の発
明の特徴は、請求項10,請求項11又は請求項12の
発明の特徴に加えて、前記内部収納管内に、この内部収
納管内面に接し使用済燃料集合体が間に挿入される仕切
格子部材を設けたことにある。
【0046】仕切格子部材を通して内部収納管に伝えら
れる熱量が増加するので、崩壊熱を発生する放射性物質
の冷却効率を更に向上させることができる。
【0047】上記の他の目的を達成する請求項17の発
明の特徴は、請求項16の発明の特徴に加えて、前記仕
切格子部材が中性子吸収材で構成されていることにあ
る。
【0048】仕切格子部材が放射性物質から放射される
中性子を吸収するので、内部収納管内に収納した放射性
物質の未臨界状態を維持できる。
【0049】
【発明の実施の形態】
(実施例1)本発明の好適な一実施例である放射性物質
乾式貯蔵設備を、図1,図2及び図3を用いて説明す
る。本実施例の放射性物質乾式貯蔵設備1は、原子力発
電所から発生した使用済燃料集合体を貯蔵する設備であ
って、コンクリート製の建屋を有する。この建屋は、内
部に、燃料取り出し室2,燃料移送室3,燃料密封室
4,燃料装荷室5,燃料貯蔵室6を有する。燃料装荷室
5は燃料貯蔵室6の上方に位置する。
【0050】燃料貯蔵室6内の構造を以下に詳細に説明
する。この構造の一部が図4に拡大して示される。燃料
貯蔵室6は、上部に位置する天井スラブ18によって燃
料装荷室5と隔離される。天井スラブ18は、複数の開
口19を有する。各開口19は、通常、着脱可能な蓋2
1によって封鎖されている。各開口19は、燃料貯蔵室
6に収納された4体の外側密封容器10ごとに設けら
れ、4体の外側密封容器10の真上に位置する。天井支
持部7及び水平方向支持部8が、燃料貯蔵室の床スラブ
9の上面に設置される。天井支持部7の上端は、天井ス
ラブ18の下面を支持する。水平方向に伸びる密封容器
支持部14が、天井支持部7及び水平方向支持部8の下
部に設けられる。水平方向支持部8の上端は、天井スラ
ブ18の下面よりも下方に位置する。
【0051】天井支持部7及び水平方向支持部8は、図
5及び図6に示すように、燃料貯蔵室6内に収納されて
隣接している外側密封容器10間に位置する。水平方向
支持部8は、蓋21の真下に位置する4体の外側密封容
器10の間に位置する。天井支持部7及び水平方向支持
部8の横断面は、矩形である。天井支持部7の横断面積
は、水平方向支持部8のそれよりも大きい。密封容器支
持部14は、格子状をしており、外側密封容器10の下
に位置するように天井支持部7及び水平方向支持部8に
取り付けられる(図5)。十字形の連結部15A,15B
及び15Cは、外側密封容器10相互間に配置される。
連結部15Aは、4つの水平方向支持部8に取り付けら
れる(図6)。連結部15Bは、2つの水平方向支持部8
及び2つの天井支持部7に取り付けられる。連結部15
Cは、4つの天井支持部7に取り付けられる。燃料貯蔵
室6内の全ての天井支持部7及び全ての水平方向支持部
8の横断面積の合計は、燃料貯蔵室6内において全ての
外側密封容器10間に形成される空間33の水平断面積
の一部を占めているだけである。天井支持部7及び全て
の水平方向支持部8の横断面積の合計に、全ての連結部
15A,15B及び15Cの横断面積を加えても、その
空間33の水平断面積よりもはるかに小さい。
【0052】下部プレナム20が、燃料貯蔵室6内の各
外側密封容器10の下端より下方、具体的には密封容器
支持部14より下方で床スラブ9の上面との間に形成さ
れる。下部プレナム20は、空気流入ダクト22を介し
て空気流入口23に連絡される。上部プレナム24は、
各外側密封容器10の上端と天井スラブ18の下面との
間に形成される。この上部プレナム24は、空気排出ダ
クト25を介して空気排出口26に連絡される。
【0053】原子力発電所から移送用キャスク27内に
収納されて放射性物質乾式貯蔵設備1に運ばれた使用済
燃料集合体13は、燃料取り出し室2において移送用キ
ャスク8より取り出される。この使用済燃料集合体13
は、クレーン28により燃料移送室3を経由して燃料密
封室4に運ばれる。ここで使用済燃料集合体13は、検
査された後、二重構造の燃料密封容器内に収納される。
この燃料密封容器は、図7に示すように、内側密封容器
11を外側密封容器10内に収納したものである。中性
子吸収材で作られた格子状の仕切板12が、内側密封容
器11内に設置されている。仕切板12最も外側の部分
は、内側密封容器11の内面に接触している。
【0054】使用済燃料集合体13は、内側密封容器1
1の仕切板12内に挿入される。その後、内側密封容器
11は、自動溶接機29にて蓋を溶接する。内側密封容
器11内の雰囲気は、ヘリウム置換機30により熱伝導
率の高いヘリウムガスと置換される。ヘリウムガスを注
入するために内側密封容器11に設けられた孔が自動溶
接機29にて密封される。密封された内側密封容器11
は、外側密封容器10内に収納する。外側密封容器10
は、蓋を自動溶接機29にて溶接され密封される。内側
密封容器11内のヘリウムガスの圧力は、内側密封容器
11及び外側密封容器10が破損した場合にも、内側密
封容器11内の放射性物質が外部に漏洩しないように、
大気圧よりも低くなっている。内側密封容器11から外
側密封容器10への伝熱量を大きくするために、内側密
封容器11と外側密封容器10との間にも、ヘリウムガ
スを充填することが望ましい。このヘリウムガスの圧力
は、内側密封容器11内のヘリウムガスの圧力よりも低
くする。圧力計31が外側密封容器10内に設けられ
る。
【0055】内部に内側密封容器11を収納した外側密
封容器10は、燃料装荷室5内の燃料装荷機32によっ
て開口19より燃料貯蔵室6内の密封容器支持部14上
に置かれる。下降する外側密封容器10は、水平方向支
持部8の上端部に設けられた傾斜面17によってガイド
されるので、2つの水平方向支持部8及び2つの天井支
持部7間に容易に装荷することができる。燃料装荷機3
2は、外側密封容器10を装荷した後、蓋21を開口1
9内に挿入して開口19を封鎖する。天井支持部7及び
水平方向支持部8それぞれは、装荷された外側密封容器
10に向かって支持突起部を有する。この支持突起部
は、天井支持部7及び水平方向支持部8の軸方向におい
て少なくとも一個所、好ましくは連結部15A,15B
及び15Cの設置レベルに設けられる。各支持突起部によ
って、天井支持部7及び水平方向支持部8における側面
の軸方向の全面が外側密封容器10に接触することを防
止できるので、外側密封容器10の側面の面積のうち冷
却空気と接触する面積が増加し、内部の使用済燃料集合
体13の冷却効率が増大する。各支持突起部の長さは、
天井支持部7及び水平方向支持部8と外側密封容器10
の側面との接触面積減少できればよいので、あまり長く
する必要がない。天井支持部7も、水平方向支持部8と
同様に装荷された外側密封容器10の横転を防止する作
用を有する。更に、外側密封容器10が装荷された後、
図8に示すように、L字型の押さえ部材34が天井支持
部7にボルト32によって取り付けられる。この押さえ
部材34の下面は、装荷された外側密封容器10の上面
に接触している。押さえ部材34によって、装荷された
外側密封容器10の耐震性が著しく向上する。
【0056】建屋外の空気は、空気流入口23から取り
入れられ、空気流入ダクト22を介して下部プレナム2
0に達する。この空気は、下部プレナム20内において
天井支持部7及び水平方向支持部8のそれぞれの間を通
って水平方向に流れ、それぞれの外側密封容器10の下
に達する。空気は、密封容器支持部14の間を通って外
側密封容器10相互間に形成される空間33に流入し、
空間33内を上昇する。空気は、外側密封容器10の側
面と接触し内側密封容器11内の使用済燃料集合体から
発生する崩壊熱を除去する。温度が上昇した空気は、上
部プレナム24に達し上部プレナム24内で天井支持部
7間を水平方向に流れる。空気排出ダクト25を通った
空気は、空気排出口26より建屋外に排出される。燃料
貯蔵室6内において空気を流す駆動力は、自然循環力で
あり、崩壊熱によって加熱された空気の浮力、及び空気
排出ダクト25の煙突効果である。
【0057】本実施例は、下部プレナム20内で空気が
それぞれの外側密封容器10の下に達するので、空間3
3に流入する空気の温度がそれぞれの外側密封容器10
の下で等しくなる。このため、燃料貯蔵室6内に装荷さ
れた各外側密封容器10の冷却効率はほぼ同じである。
【0058】本実施例では、上部プレナム24が各外側
密封容器10の上端と天井スラブ18との間に形成され
るので、従来例に比べて上部プレナム24の流路面積が
著しく増大する。天井支持部7が上部プレナム24を垂
直方向に横切っているが、天井支持部7の大きさは従来
例において上部プレナムを垂直方向に横切っている収納
管よりも極めて小さい。本実施例は、従来例に比べて上
部プレナム24の流路面積が著しく増大するので、上部
プレナム24の圧力損失が著しく減少する。これは、空
気流入口23から燃料貯蔵室6を経て空気排出口26に
至る空気通路を流れる空気の通風量の増加につながる。
従って、外側密封容器10内の使用済燃料集合体13の
冷却効率が向上する。
【0059】燃料貯蔵室6の水平断面において外側密封
容器10の周囲に形成される空間33の一部を占有して
いる水平方向支持部8が、外側密封容器10を水平方向
に支持していることにより、外側密封容器10の横転を
防止できる。特に、水平方向支持部8のこの作用は、地
震時において十分に威力を発揮し、外側密封容器10の
耐震性を向上する。水平方向支持部8は空間33の水平
断面で空間33の一部を占有するだけであるので、空間
33内を上昇する空気流による外側密封容器10の冷却
は十分に行なえる。
【0060】天井スラブ18に形成される開口19が燃
料貯蔵室6内に装荷された4体の外側密封容器10ごと
に1つ設けられるので、1つの開口19の下方に配置さ
れる4体の外側密封容器10の間隔を狭くすることがで
きる。これにより、燃料貯蔵室6内での外側密封容器1
0の貯蔵密度が増大する。
【0061】天井支持部7が天井スラブ18を支持する
ので、天井スラブ18における開口19相互間の部分の
幅を狭くすることができる。これによって天井スラブ1
8に設ける開口19の個数を増加できる。開口19に対
応して4体ずつ外側密封容器10が燃料貯蔵室6内に装
荷されるので、燃料貯蔵室6内での外側密封容器10の
貯蔵密度が増大できる。天井支持部7の設置により、天
井スラブ18における開口19相互間の部分の幅を狭く
する替りに天井スラブ18の厚みを減少させることも考
えられるが、天井スラブ18の厚みの減少は放射線遮へ
いの観点から望ましくない。すなわち、天井スラブ18
の厚みの減少は、燃料装荷室5内で作業する作業員の被
爆の危険性が増大する。
【0062】天井支持部7が水平方向支持部8の機能、
すなわち外側密封容器10の横転防止を発揮するので、
天井支持部7の個数だけ水平方向支持部8を別途設ける
必要がない。このため、外側密封容器10相互間に形成
される空気通路(空間33)の圧力損失を低減できる。
【0063】水平方向支持部8の上端が天井スラブ18
の下面よりも下方に位置することは、上部プレナム24
の圧力損失の低減に貢献する。
【0064】水平方向支持部8が上端部に傾斜面17を
有するので、開口19より下降する外側密封容器10を
傾斜面17に沿ってガイドすることができる。従って、
外側密封容器10を2つの天井支持部7及び2つの水平
方向支持部8によって囲まれた領域内に容易に装荷する
ことができる。
【0065】内側密封容器11内の仕切板12の中性子
吸収効果により、内部の使用済燃料集合体13が未臨界
状態に保持される。仕切板12は使用済燃料集合体13
の転倒を防止する。更に、仕切板12は、数個所におい
て内側密封容器11の内面と接触しており、使用済燃料
集合体14の崩壊熱を熱伝導によって内側密封容器11
に伝える機能も有する。
【0066】(実施例2)本発明の他の実施例(実施例
2)である放射性物質乾式貯蔵設備を、図9,図10,
図11及び図12を用いて説明する。実施例1と同一の
構成は、同一符号で示す。本実施例の放射性物質乾式貯
蔵設備1Aは、主に、燃料貯蔵室6内の構造が実施例1
と異なっている。
【0067】横断面が矩形の複数の垂直サポート38
が、燃料貯蔵室6内で、床スラブ9の上面に設置されて
いる。垂直サポート38の上端は、天井スラブ18に取
り付けられる。水平サポート37が、垂直サポート38
の下端部に設置される。複数の燃料収納管10Aが、水
平サポート37上に設置される。水平サポート37は、
燃料収納管10Aの真下で支持部材35によって支持さ
れる。支持部材35は、床スラブ9の上面に設置され
る。各燃料収納管10Aを取り囲む筒状体39が、水平
サポート37上に設置される。垂直サポート38は、図
11及び図12に示すように筒状体39の間に配置され
る。環状通路42が、燃料収納管10Aと筒状体39と
の間に形成される。断面が矩形の連結部材40が、環状
通路42内でこの上端部で半径方向に4個配置される。
連結部材40は、必要に応じて環状通路42内でこの軸
方向中央部に配置してもよい。各連結部材40は、燃料
収納管10A及び筒状体39に取り付けられ、燃料収納
管10Aの耐震性を向上させる。連結部材40の個数
は、環状通路42の圧力損失を低く保つためにも、必要
最小限にすることが望ましい。各垂直サポート8は、筒
状体39の上端部の位置で、断面が矩形の連結部材41
で連結されている。
【0068】下部プレナム20は、水平サポート37と
床スラブ9の上面との間に形成される。仕切板43が、
筒状体39の下端部で筒状体39の外側に取り付けられ
る。仕切板43は、筒状体39相互間に形成される空間
44を下部プレナム20と遮断している。上部プレナム
24は、燃料収納管10A及び筒状体39の各上端と天
井スラブ18との間に形成される。天井スラブ18に設
けられた開口19Aは、燃料収納管10Aごとに設けら
れる。
【0069】使用済燃料集合体は、燃料密封室4(図示
せず)にて実施例1における内側密封容器11に相当す
る密封容器45内に収納される。密封容器45は、内部
に、大気圧より低い圧力でヘリウムガスを充填してい
る。この密封容器45は、燃料装荷機32Aによって、
開口19Aを通して上端部が開放されている燃料収納管
10A内に装荷される。その後、燃料収納管10Aは、
上端に蓋36がボルトで取り付けられて密封される。開
口19Aも、蓋21Aにより密封される。
【0070】下部プレナム20に流入した空気は、環状
通路42内を上昇して上部プレナムに達する。下部プレ
ナム20に流入した空気は、いずれかの環状通路42に
流入する。このため、実施例1に比べて使用済燃料集合
体13を収納している燃料収納管10Aの周囲に多量の
空気が供給されるので、使用済燃料集合体13から発生
する崩壊熱の除熱効率が向上する。空気は、仕切板43
によって下部プレナム20から空間44への流入を阻止
される。
【0071】燃料収納管10Aが垂直方向で上部プレナ
ム24を横切っていないので、上部プレナム24の圧力
損失は減少する。このため、燃料収納管10A内の使用
済燃料集合体13の冷却効率が向上する。垂直サポート
38が天井スラブ18を支持しているので、実施例1と
同様に、天井スラブ18における開口19A相互間の部
分の幅を狭くすることができる。これは、燃料収納管1
0Aの数を増加させることにつながり、使用済燃料集合
体13の貯蔵密度を向上させる。
【0072】更に、空間44は上部プレナム24に連通
しているので、環状通路42から上部プレナム24に流
出した空気は、空間44内にも流入する。本実施例は、
上部プレナム24の流路が実質的に空間44の部分まで
増加したことになる。これによっても、上部プレナム2
4の圧力損失が減少する。
【0073】(実施例3)本発明の他の実施例(実施例
3)である放射性物質乾式貯蔵設備1Bを、図13を用
いて説明する。実施例1と同一の構成は、同一符号で示
す。本実施例の放射性物質乾式貯蔵設備1Bも、主に、
燃料貯蔵室6内の構造が実施例1と異なっている。
【0074】対向する一対のコンクリート壁45A及び
45Bが燃料貯蔵室6内に設けられる。これらのコンク
リート壁間に、多数の外側密封容器10を貯蔵する貯蔵
領域が設けられる。多数の水平方向支持部8がこの貯蔵
領域に設置される。外側密封容器10は、水平方向支持
部8間で密封容器支持部14上に置かれる。外側密封容
器10は、使用済燃料集合体13を内部に有する内側密
封容器11を収納している。
【0075】実施例1と同様に使用済燃料集合体13及
び内側密封容器11を収納した外側密封容器10が、ク
レーン46により、燃料装荷室5から燃料貯蔵室6内の
燃料装荷場所48に1つの搬入口47を通して搬入され
る。この外側密封容器10は、燃料貯蔵室6内に設置さ
れたクレーン49により、貯蔵領域内で水平方向支持部
8間に装荷される。ガスサンプリング装置50が設けら
れたモニタリング領域51がコンクリート壁45Bと建
屋側壁との間に形成される。ガスサンプリング装置50
は、定期的にクレーン49によってモニタリング領域5
1に運ばれた外側密封容器10を対象に、外側密封容器
10と内側密封容器11との間の領域のガスをサンプリ
ングして内側密封容器11の健全性を確認する。本実施
例も、外側密封容器10の上端と天井スラブ18の下面
との間に上部プレナム24が形成されるので、実施例1
と同様に上部プレナム24の圧力損失が低減され、外側
密封容器10内の使用済燃料集合体13の冷却効率が向
上する。また、本実施例は、天井スラブ18に開口とし
て搬入口47を1つだけ設ければよいので、天井スラブ
18の構造が極めて単純化される。
【0076】(実施例4)本発明の他の実施例である放
射性物質乾式貯蔵設備1Cを図14を用いて説明する。
本実施例は、上下一対のレール53を燃料貯蔵室6内に
設けたものである。これらのレール53は、天井支持部
7の相互間に設置される。
【0077】外側密封容器10は、実施例3と同様に、
天井スラブ18の一ヶ所に搬入口47を通して燃料貯蔵
室6内の燃料装荷場所52に搬入される。外側密封容器
10は、ここで、レール53に沿って走行する台車54
に乗せられ、天井支持部7の相互間の位置まで運ばれ
る。外側密封容器10は、図示されていないが、台車5
4にボルトにより固定される。本実施例も、実施例1と
同様に、外側密封容器10の上端よりも上方に上部プレ
ナム24が形成されるので、上部プレナム24の圧力損
失を著しく減少できる。
【0078】(実施例5)本発明の他の実施例である放
射性物質乾式貯蔵設備1Dを図15を用いて説明する。
放射性物質乾式貯蔵設備1Dは、燃料貯蔵室6内に燃料
収納管56が配置される。燃料収納管56の上端部が天
井スラブ18に保持される。筒状体39が燃料収納管5
6を取り囲み、燃料収納管56と同心円状に配置され
る。環状通路42が、燃料収納管56と筒状体39との
間に形成される。仕切板43が、筒状体39相互間に配
置され、筒状体39の下端部で筒状体39の外面に取り
付けられる。仕切板43は、燃料貯蔵室6の側壁にも取
り付けられ、筒状体39相互間に形成された空間44を
下部プレナムと遮断する。空間44は、上部プレナム2
4に連通している。下部プレナム20内に配置されたサ
ポート57が、燃料収納管56の下端を支持する。仕切
板43の下面をサポート57によって支持してもよい。
蓋21Bが、燃料収納管56の上端部に取り付けられ、
燃料収納管56を密封する。圧力計31が、蓋21B内
に設けられる。上部プレナム24は、筒状体39の上端
と天井スラブ18との間で燃料収納管56相互間に形成
されている。
【0079】使用済燃料集合体13を内蔵した燃料密封
容器45が、燃料装荷機32によって蓋21Bを取り外
された燃料収納管56内に装荷される。燃料密封容器4
5は内部にヘリウムが充填されている。燃料密封容器4
5が収納された燃料収納管56は、蓋21Bによって密
封される。
【0080】下部プレナムに流入した空気は、環状通路
42内を上昇しながら燃料密封容器45を冷却する。温
度が上昇した空気は、上部プレナム24内に流出する。
上部プレナム24内の空気の一部は、空間44内に流入
し、空間44内を水平方向に流れる。残りの空気は、上
部プレナム24内を水平方向に流れる。これらの空気
は、空気排出ダクト25を通って空気排出口26より外
部に排出される。
【0081】前述した各実施例は、天井支持部7のよう
な横断面積の小さな構造物が、垂直方向において上部プ
レナム24を横断する。本実施例は、天井支持部7より
も横断面が大きな燃料収納管56が上部プレナム24を
横断する。上部プレナム24の部分に限れば、従来技術
の上部プレナムと同様に圧力損失が大きい。しかしなが
ら、本実施例では、空間44が上部プレナム24に連通
しているので、上部プレナム24の垂直方向の断面積が
空間44の部分まで実質的に増加したことになる。この
ため、上部プレナム24の圧力損失が減少する。これ
は、空気流入口23から空気排出口26に至る、下部プ
レナム20,環状通路42、及び上部プレナム24(空
間44を含む)を流れる空気の通風量を増加させる。燃
料収納管56内の燃料密封容器45の冷却効率が向上す
る。
【0082】(実施例6)本発明の他の実施例である放
射性物質乾式貯蔵設備1Eを図16を用いて説明する。
放射性物質乾式貯蔵設備1Eは、実施例5において燃料
収納管56を外部燃料収納管とし、燃料収納管56内に
内部燃料収納管である燃料収納管56Aをあらかじめ設
置したものである。燃料収納管56Aの下端が燃料収納
管56内の底面と接触している。燃料収納管56の上端
部は、着脱可能な一次蓋21Cで密封される。燃料収納
管56Aの上端部は、着脱可能な二次蓋21Dで密封さ
れる。一次蓋21Cは放射線遮蔽材にて作られている。
【0083】図17に示すように、中性子吸収材で作ら
れた仕切板58が、燃料収納管56A内に設置される。使
用済燃料集合体13は、燃料収納管56A内で仕切板5
8間に形成される空間に収納されている。
【0084】図18を用いて燃料収納管の詳細構造を以
下に説明する。一次蓋21Cには、圧力計31が取り付
けられる。一次蓋21Cに設けられた圧力導入通路22
が、一次蓋21Cと二次蓋21Dとの間に形成される間
隙65の圧力を圧力計31に導く。間隙65は、燃料収
納管56と燃料収納管56Aとの間に形成される間隙6
6と連通する。一次蓋21Cに取り付けられるサンプリ
ング管70も、間隙65に連絡される。計測信号を伝送
する信号線(図示せず)が、圧力計31に接続され、放
射性物質乾式貯蔵設備1Eの建屋外に設けられた監視室
(図示せず)の表示装置に接続される。サンプリング管7
0も、監視室に導かれる。一次蓋21Cは、ボルト60に
よって燃料収納管56のフランジ59に取り付けられ
る。機密性を保つシール材27が、一次蓋21Cとフラ
ンジ59との間に設けられる。二次蓋21Dは、ボルト
62によって燃料収納管56Aのフランジ61に取り付
けられる。機密性を保つシール材29が、二次蓋21D
とフランジ61との間に設けられる。
【0085】不活性ガス注入孔67が二次蓋21Dに設
けられる。二次蓋21Dが燃料収納管56Aにボルト6
2によって取り付けられた後、不活性ガス注入孔67よ
り燃料収納管56A内にヘリウムが注入される。ヘリウ
ムを充填した後、不活性ガス注入孔67は、栓68を溶
接にて取り付けることにより封鎖される。燃料収納管5
6A内へのヘリウムの注入、及び不活性ガス注入孔67
の栓68による封鎖は、燃料収納管56を一次蓋21C
で密封する前に行われる。
【0086】燃料装荷機32は、使用済燃料集合体を装
荷する燃料収納管56Aの上に達したとき、移動が停止
される。燃料装荷機32は、使用済燃料集合体13を燃
料収納管56A内に下降させ、使用済燃料集合体13を
燃料収納管56A内に装荷する。二次蓋21Dが燃料収
納管56Aに取り付けられ、そして一次蓋21Cが燃料
収納管56に取り付けられる。燃料収納管56A内に
は、ヘリウムが充填されている。間隙65及び66内に
は空気が充填される。
【0087】収容した使用済燃料集合体13の崩壊熱に
よって、燃料収納管56及び56Aは熱膨張する。燃料
収納管56は、下部プレナム20に向かって熱膨張が可
能である。燃料収納管56Aは燃料収納管56よりも高
温となるが、間隙65は燃料収納管56Aの軸方向の熱
膨張を吸収できる程度の幅を有している。
【0088】下部プレナム20に流入した空気は、実施
例5と同様に、環状通路42を通り、上部プレナム24
内に流出する。この空気の一部は空間44内を水平方向
に流れ、残りは上部プレナム24内を水平方向に流れ
る。空気は、空気排出口26より外部に排出される。
【0089】本実施例は、使用済燃料集合体13を直接
収納する燃料収納管56Aを燃料収納管56内に予め設
置しているので、燃料収納管56と燃料収納管56Aと
の間の間隙66の幅を著しく小さくできる。すなわち、
工場等で燃料収納管56Aを燃料収納管56内に予め設
置できるので、燃料収納管56Aの外形を燃料収納管5
6の内径に限りなく近づけることができる。このため、
燃料収納管56Aと燃料収納管56との間の温度ギャッ
プ(熱抵抗)を大幅に低減でき、燃料収納管56Aから燃料
収納管56に伝えられる熱量が大幅に増大するので、冷
却空気による使用済燃料集合体13の崩壊熱の除去効率
が著しく向上する。従来のように、使用済燃料集合体を
収納し密封されたキャニスタを一重の燃料収納管内に収
納する場合には、キャニスタが燃料収納管内でスムーズ
に移動できるようにキャニスタと燃料収納管内面との間
隙の幅を大きくする必要がある。本実施例は、間隙66
の幅がキャニスタと燃料収納管内面との間隙の幅よりも
著しく狭くできるので、従来に比べて使用済燃料集合体
13の冷却効率を向上できるのである。本実施例は、温
度が高くなる燃料収納管56Aの半径方向中央部での使
用済燃料集合体の温度を大幅に低減できるので、従来の
キャニスタにそれを収納する場合に比べて燃料収納管5
6A内に収納する使用済燃料集合体の体数を増加でき
る。これは、放射性物質乾式貯蔵設備における使用済燃
料集合体の貯蔵密度を増大させる。燃料収納管が二重に
なっているので、内部の燃料収納管56Aに万一亀裂等
が入っても、外部の燃料収納管56によって放射能が外
部に飛散することを防止できる。本実施例は、このよう
に安全性も高い。
【0090】燃料収納管56A内に熱伝導率の高いヘリ
ウムが充填されているので、使用済燃料集合体13の崩
壊熱の外部への放熱が効率良く行われる。
【0091】仕切板58の中性子吸収効果により、内部
の使用済燃料集合体13が未臨界状態に保持される。仕
切板58は使用済燃料集合体13の転倒を防止する。更
に、仕切板58は、数個所において燃料収納管56Aと
接触しており、使用済燃料集合体13の崩壊熱を熱伝導
によって燃料収納管56Aに伝える機能も有する。
【0092】一次蓋21C及び二次蓋21Dはボルトに
より取り付けられているので、使用済燃料集合体13を
燃料収納管56A内に収納するとき、及びその中から取
り出すときの作業が容易に行える。
【0093】燃料収納管56A内の使用済燃料集合体1
3の腐食防止、更には前述したような崩壊熱の外部への
放熱向上のため、燃料収納管56及び56A内にヘリウ
ムが充填されている。この充填には燃料収納管56A内
を一度真空にした後、ヘリウムを封入する必要がある。
燃料収納管56A内のヘリウム圧力は、燃料収納管5
6、すなわち間隙65及び66の空気圧力よりも高くな
っている。二次蓋21Dに設けられた不活性ガス注入孔6
7を通してヘリウムを燃料収納管56A内に充填するの
で、燃料収納管56A内へのヘリウムの充填が容易に行
える。直径の小さな不活性ガス注入孔67に栓68を挿
入して栓68を溶接するので、燃料収納管56A内への
ヘリウムの封入が簡単にできる。
【0094】燃料収納管56Aに何らかの原因で亀裂が
発生したとき、燃料収納管56A内の圧力の高いヘリウ
ムが間隙66に流出し、間隙66の圧力を上昇させる。
圧力計31は、この圧力の上昇を測定する。測定された
圧力は、監視室の表示装置に表示される。表示装置を見
ることによって、燃料収納管56Aに亀裂等が発生した
ことを知ることができる。また、サンプリング管70で
サンプリングされたガスは、監視室にある質量分析装置
まで導かれ成分が分析される。ここで、ヘリウムが分析
されると、燃料収納管56Aに亀裂等の損傷が発生した
ことが分かる。本実施例は間隙65及び66に空気を充
填したが、この部分の伝熱量を増加させるために、熱伝
導率の高いヘリウムを間隙66等に充填しても良い。こ
の場合、質量分析装置による燃料収納管56Aの損傷を
検出できるように、燃料収納管56A内のヘリウムに他
の種類のガス(例えばアルゴン)を少量添加するとよい。
燃料収納管56Aの損傷を検出するためには、圧力計3
1及びサンプリング管70の少なくとも一方を設置すれ
ばよい。
【0095】燃料収納管56Aの外面を燃料収納管56
の内面に接触させることによって、燃料収納管56Aか
ら燃料収納管56への伝熱量は最も大きくなる。
【0096】本実施例は、従来、一重の燃料収納管内に
使用済燃料集合体を収納するために用いていたキャニス
タが不要となる。従来は、キャニスタ内に使用済燃料集
合体を密封し、このキャニスタを燃料収納管内に収納し
ている。このため、使用済燃料集合体を収納した後に密
封のためにキャニスタを溶接し、溶接部の検査等を、従
来行っている。本実施例では、このような作業も不要に
なる。
【0097】放射性物質乾式貯蔵設備1Eは、使用済燃
料集合体13の替りに放射性廃棄物の固化体を燃料収納
管56A内に収納しても今までに述べた機能を発揮でき
る。使用済燃料集合体13の替りに放射性廃棄物の固化
体を貯蔵することは、実施例1から実施例5のいずれに
おいても可能である。
【0098】(実施例7)本発明の他の実施例である放
射性物質乾式貯蔵設備を、図19,図20及び図21を
用いて以下に説明する。本実施例の放射性物質乾式貯蔵
設備は、実施例6における燃料収納管56Aの外面を燃
料収納管56の内面に接触させたものである。すなわ
ち、本実施例は、燃料収納管56の内径と等しい外径を
有する燃料収納管56Bを備える。燃料収納管56Bの
外面を燃料収納管56の内面に接触させる方法として
は、燃料収納管56Bを燃料収納管56内に挿入した
後、燃料収納管56Bを拡管させる方法、及び燃料収納
管56Bを燃料収納管56よりも熱膨張率の大きな材料
で構成する方法等がある。燃料収納管56Bの外面に
は、複数の溝71が形成されている。これらの溝71
は、実施例1の間隙66に相当し、間隙65に連通す
る。間隙65及び溝71には空気が充填される。以上述
べた以外における本実施例の構成は、実施例6と同じ構
成である。
【0099】燃料収納管56Bに亀裂が発生した場合に
は、燃料収納管56B内のヘリウムが溝内に漏洩する。
これによる間隙65の圧力上昇が圧力計31で測定さ
れ、サンプリング管70でサンプリングされた空気中の
ヘリウムが分析されることにより、燃料収納管56Bの
損傷を検知できる。
【0100】燃料収納管56Bの外面の一部が燃料収納
管56に接触しているので、使用済燃料集合体13の崩
壊熱で加熱された燃料収納管56Bの熱量が燃料収納管
56に伝わり易くなる。これは、使用済燃料集合体13
の冷却効率が向上する。
【0101】本実施例は、実施例6と同じ効果も得るこ
とができる。
【0102】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、上部プレナム
の流路面積が増大するので、上部プレナムの圧力損失が
著しく減少する。このため、空気取り込み口から貯蔵室
を経て空気排出口に至る空気通路を流れる空気の通風量
が増加する。
【0103】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
で得られる効果を生じると共に、横方向支持部が外側密
封容器を水平方向に支持するので、外側密封容器の横転
を防止できる。この効果は、地震時において十分に威力
を発揮する。
【0104】請求項3の発明によれば、請求項1又は請
求項2の発明で得られる効果を生じると共に、1つの開
口の下方に配置される複数の外側密封容器の間隔を狭く
することができることにより、貯蔵室内での外側密封容
器の貯蔵密度が増大する。
【0105】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
で得られる効果を生じると共に、開口相互間の幅を狭く
できることによって天井部に設ける開口の個数を増加で
き、貯蔵室内での外側密封容器の貯蔵密度を増大でき
る。
【0106】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
で得られる効果を生じると共に、天井支持部の個数だけ
横方向支持部を別途設ける必要がないため、外側密封容
器相互間に形成される空気通路の圧力損失を低減でき
る。
【0107】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
で得られる効果を生じると共に、残りの横方向支持部は
前記天井部の下面に接触しないので、上部プレナムの圧
力損失を低減できる。
【0108】請求項7の発明によれば、請求項2の発明
で得られる効果を生じると共に、横方向支持部がガイド
を上端部に設けているので、下降する外側密封容器を横
方向支持部間に容易に導くことができる。
【0109】請求項8の発明によれば、環状通路から流
出された空気が流れる上部プレナムの流路断面積が筒状
体相互間に形成される空間のうち仕切部材より上方の部
分まで実質的に増加したことになり、上部プレナムの圧
力損失が著しく減少する。
【0110】請求項9の発明によれば、請求項8の発明
で得られる効果を生じると共に、仕切部材が筒状体の下
端部に設けられることにより、上部プレナムの流路断面
積が実質的に最大限に拡大されることになる。このた
め、上部プレナムの圧力損失がより低下する。
【0111】請求項10の発明によれば、請求項8又は
請求項9で得られる効果を生じると共に、外部収納管と
内部収納管との間における伝熱量が増大するので、内部
収納管内に収納された放射性物質の冷却効率を向上でき
る。これは、内部収納管内におけるより多くの放射性物
質を収納でき、放射性乾式貯蔵設備における放射性物質
の貯蔵密度を高めることにつながる。
【0112】請求項11の発明によれば、請求項10の
発明で得られる効果を生じると共に、外部収納管及び内
部収納管を別々の蓋により密封するので、安全性の高い
放射性物質乾式貯蔵設備が得られる。
【0113】請求項12の発明によれば、請求項10の
発明で得られる効果を生じると共に、内部収納管から外
部収納管に伝わる伝熱量が増加するので、崩壊熱を発生
する放射性物質の冷却効率を更に向上させることができ
る。
【0114】請求項13の発明によれば、請求項10,
請求項11又は請求項12の発明で得られる効果を生じ
ると共に、気密検出手段により内部収納管の気密性を容
易に確認できる。
【0115】請求項16の発明によれば、請求項10,
請求項11又は請求項12の発明で得られる効果を生じ
ると共に、仕切格子部材を通して内部収納管に伝えられ
る熱量が増加するので、崩壊熱を発生する放射性物質の
冷却効率を更に向上させることができる。
【0116】請求項17の発明によれば、請求項16の
発明で得られる効果を生じると共に、仕切格子部材の中
性子吸収機能により、内部収納管内に収納した放射性物
質の未臨界状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I断面を示し、本発明の好適な一実
施例である放射性物質乾式貯蔵設備の縦断面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図1の燃料貯蔵室の一部分の拡大縦断面図であ
る。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】図4のVI−VI断面図である。
【図7】図1の燃料密封容器の横断面図である。
【図8】図4における燃料密封容器10の上端の押さえ
構造の拡大縦断面図である。
【図9】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式貯
蔵設備の縦断面図である。
【図10】図9の燃料貯蔵室の一部分の拡大縦断面図で
ある。
【図11】図10のXI−XI断面図である。
【図12】図10のXII−XII断面図である。
【図13】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備の縦断面図である。
【図14】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備の縦断面図である。
【図15】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備の縦断面図である。
【図16】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備の縦断面図である。
【図17】図16の燃料収納管の横断面図である。
【図18】図16の燃料収納管の上端部の拡大縦断面図
である。
【図19】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備における燃料貯蔵室の一部分の拡大縦断面図で
ある。
【図20】図19のXX−XX断面図である。
【図21】図20のXXI 部の拡大図である。
【符号の説明】
1,1A,1B,1C,1D,1E…放射性物質乾式貯
蔵設備、6…燃料貯蔵室、7…天井支持部、8…水平方
向支持部、10…外側密封容器、10A,56,56A
…燃料収納管、11…内側密封容器、12,43…仕切
板、13…使用済燃料集合体、17…傾斜面、18…天
井スラブ、20…下部プレナム、21,21A,21B
…蓋、21C…一次蓋、21D…二次蓋、24…上部プ
レナム、31…圧力計、33,44…空間、39…筒状
体、42…環状通路、45…燃料密封容器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 将史 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 山中 庸靖 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性物質を内蔵した内側密封容器を収納
    する複数の外側密封容器を内部に貯蔵する貯蔵室を備
    え、 前記外側密封容器の下端を前記貯蔵室の床より上方に離
    した状態で前記外側密封容器を支持する垂直方向支持部
    を、前記床に設け、 前記各外側密封容器の下端と前記貯蔵室の床との間に形
    成される下部プレナムが、外部から空気を取り込む空気
    取り込み口に連絡され、 上部プレナムが、前記各外側密封容器の上端と前記貯蔵
    室の天井との間に形成され、 前記上部プレナムは外部に前記空気を排出する空気排出
    口に連絡されることを特徴とする放射性物質乾式貯蔵設
    備。
  2. 【請求項2】前記外側密封容器を水平方向において支持
    する横方向支持部を、前記外側密封容器の相互間に設
    け、この横方向支持部は前記貯蔵室の水平断面において
    前記外側密封容器の周囲に形成される空間の一部を占有
    している請求項1の放射性物質乾式貯蔵設備。
  3. 【請求項3】前記貯蔵室の天井部は前記貯蔵室内の複数
    の前記外側密封容器ごとに設けられた開口を複数個有
    し、これらの開口のそれぞれに着脱可能の蓋を設けた請
    求項1又は請求項2の放射性物質乾式貯蔵設備。
  4. 【請求項4】前記天井部は、前記床に設置され前記外側
    密封容器間を上方に伸びる天井支持部によって支持され
    ている請求項3の放射性物質乾式貯蔵設備。
  5. 【請求項5】前記外側密封容器が水平方向において前記
    天井支持部によって支持されている請求項4の放射性物
    質乾式貯蔵設備。
  6. 【請求項6】残りの前記横方向支持部は前記天井部の下
    面に接触せず前記残りの横方向支持部と前記天井部の下
    面との間に前記上部プレナムの一部が存在する請求項5
    の放射性物質乾式貯蔵設備。
  7. 【請求項7】前記横方向支持部は、下降する前記外側密
    封容器をガイドするガイドを上端部に設けた請求項2の
    放射性物質乾式貯蔵設備。
  8. 【請求項8】放射性物質を貯蔵する貯蔵室を備え、 前記貯蔵室の天井部に上端部が保持されて前記貯蔵室の
    床に向かって伸び、下端が前記床より上方に位置し、か
    つ上端部が開閉可能に密封され内部に前記放射性物質が
    収納される複数の収納管と、前記各収納管の周囲にそれ
    ぞれ配置され前記収納管との間に環状通路を形成する筒
    状体とを備え、 前記各収納管の下端と前記貯蔵室の床との間に形成され
    る下部プレナムが、外部から空気を取り込む空気取り込
    み口に連絡され、 上部プレナムが、前記各筒状体の上端と前記貯蔵室の天
    井との間に形成され、 前記上部プレナムは外部に前記空気を排出する空気排出
    口に連絡され、 前記筒状体相互間に形成される空間は、前記上部プレナ
    ムに対して開放され、前記各筒状体に取り付けられた仕
    切部材によって遮断されて前記下部プレナムと連通して
    いないことを特徴とする放射性物質乾式貯蔵設備。
  9. 【請求項9】前記仕切部材は前記筒状体の下端部に取り
    付けられている請求項8の放射性物質乾式貯蔵設備。
  10. 【請求項10】前記各収納管が、前記貯蔵室の天井部に
    上端部が保持されて上端部が開閉可能に密封される外部
    収納管と、この外部収納管内にそれぞれ放射性物質を収
    納しない状態で設置されており、かつ設置後に内部に前
    記放射性物質が収納される内部収納管とを備えた請求項
    8又は請求項9の放射性物質乾式貯蔵設備。
  11. 【請求項11】前記外部収納管の上端部に着脱可能に取
    り付けられた第1の蓋、及び前記内部収納管の上端部に
    着脱可能に取り付けられた第2の蓋を備えた請求項10
    の放射性物質乾式貯蔵設備。
  12. 【請求項12】前記内部収納管の外面の一部が前記外部
    収納管の内面に接触しており、前記内部収納管の外面ま
    たは前記外部収納管の内面に溝を形成した請求項10の
    放射性物質乾式貯蔵設備。
  13. 【請求項13】前記内部収納管の気密性を検出する手段
    が備えられている請求項10,請求項11又は請求項1
    2の放射性物質乾式貯蔵設備。
  14. 【請求項14】前記気密検出手段が前記外部収納管と前
    記内部収納管との間の圧力を検出手段である請求項13
    の放射性物質乾式貯蔵設備。
  15. 【請求項15】前記気密検出手段が、前記外部収納管と
    前記内部収納管との間のガスをサンプリングする手段、
    及びサンプリングしたガスを分析する手段を含む請求項
    13の放射性物質乾式貯蔵設備。
  16. 【請求項16】前記内部収納管内に、この内部収納管内
    面に接し使用済燃料集合体が間に挿入される仕切格子部
    材を設けた請求項10,請求項11又は請求項12の放
    射性物質乾式貯蔵設備。
  17. 【請求項17】前記仕切格子部材が中性子吸収材で構成
    されている請求項16の放射性物質乾式貯蔵設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6501814B1 (en) * 1998-12-24 2002-12-31 Hitachi, Ltd. Dry radioactive substance storage facility
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JP2015172501A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 株式会社大林組 燃料搬送装置及び燃料搬送方法

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