JP2003207450A - 蛍光強度測定方法および装置 - Google Patents

蛍光強度測定方法および装置

Info

Publication number
JP2003207450A
JP2003207450A JP2002159178A JP2002159178A JP2003207450A JP 2003207450 A JP2003207450 A JP 2003207450A JP 2002159178 A JP2002159178 A JP 2002159178A JP 2002159178 A JP2002159178 A JP 2002159178A JP 2003207450 A JP2003207450 A JP 2003207450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescence intensity
image
region
capillary
sample
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002159178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3731882B2 (ja
Inventor
Toshiji Shiraishi
利治 白石
Teruo Fujii
輝夫 藤井
Shoiku Ko
鍾▲いく▼ 洪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aida Engineering Ltd
Original Assignee
Aida Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aida Engineering Ltd filed Critical Aida Engineering Ltd
Priority to JP2002159178A priority Critical patent/JP3731882B2/ja
Publication of JP2003207450A publication Critical patent/JP2003207450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3731882B2 publication Critical patent/JP3731882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】バックグランドノイズに影響されずに、蛍光強
度の時間変化特性を精度よく測定することができる蛍光
強度測定方法および装置を提供することにある。 【解決手段】この発明は、画像撮像部により撮像された
キャピラリ画像の所定の位置に所定の大きさの領域を設
定して、キャピラリ内を泳動するサンプルに励起光を照
射してサンプルが発する蛍光光の画像を採取して、領域
内の蛍光光の平均値を算出してこの平均値による時間−
蛍光強度の特性を測定するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、蛍光強度測定方
法および装置に関し、詳しくは、マイクロチップ泳動路
(キャピラリ)上で泳動された試料(サンプル)に励起
光を照射してサンプルからの蛍光を受光してその強度を
測定する際に、バックグランドノイズに影響されずに、
蛍光強度の時間変化特性を精度よく測定することができ
るような蛍光強度測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロチップは、板状で実質的
に透明体であり、特開平10−246721号等に記載
されているように、数十μm〜百μm程度の十字の泳動
路溝が透明なプラスチップ基板の内部に基板の面に沿っ
て設けられ、溝の各端部には上部が開口したポッド(2
mmφ程度の穴)がリザーバとして設けられている。こ
のポッドの1つあるいはいくつかから電気泳動液(GE
L)が溝に注入されて充填された後に、ポッドの1つに
サンプルが充填される。そして、そのポッドに対して同
じ溝の対向する側のポッドに+Vの高電圧が印加されて
サンプルを導入溝に沿って電気泳動させる(導入処
理)。所定の時間経過後に泳動の途中で導入溝の十字路
のクロスポイントに目的のものが泳動してきたタイミン
グを見計らって、ポッドの電圧印加を切り換えて泳動溝
を分画溝側に切り換える。さらに、目標のポッドに向け
てサンプルを所定の一定時間泳動させる(分画処理)。
これにより、例えば、DNA解析などでは泳動路で分画
され分離されたサンプル(例えば目的のDNAバンド部
分)を光学的なレーザ光等を用いた検出装置で検出し、
その鎖長解析などが行われる。あるいは、一定時間経過
後に目的の位置に到達した分画されたサンプル、例え
ば、分画された目的のDNAバンド部分に励起光を照射
してその蛍光強度を測定するとともに、目的とするDN
Aを切り出してポッドに回収する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】DNA塩基配列の長い
ものはその長さに応じて泳動速度も遅くなり、発光幅も
広がって、連続塩基による波形の重なりが起こる。この
場合の検出波形信号は、単独塩基による正規波形の信号
とならずに、検出波形が隣接波形信号と重なって連接波
形信号となってしまう。また、泳動の際に発生する各塩
基のスマイリングやピッチ変動によっても波形信号の重
なりが発生して連接波形信号を発生させる原因になる。
さらに、本来のDNA塩基配列と同時にデオキシ状態で
反応が停止したDNA塩基が検出されるので、それが各
完全結合のDNA塩基の検出信号に対してゴースト信号
となって現れてくる。このような信号波形も波形の連接
を発生させる原因になる。しかも、対象となる目的のD
NA自体がポッドに注入されていないのに、あるいは分
画されていない状態で検査や測定が行われることも多々
ある。
【0004】蛍光強度の測定としては、発光ダイオード
からの照射光をサンプルに照射し、受光素子として、例
えば、APD(アバランシ・ホト・ダイオード)を用い
てピンポイントで蛍光強度を測定することが行われてい
る。しかし、キャピラリの泳動路にゴミやほこりがあっ
て、それが蛍光を発し、それがバックグランドノイズと
して測定値に乗り、蛍光強度の測定精度を低下させる問
題がある。また、キャピラリの側壁は、平坦度がよいと
言えず、ギザギザしていて、測定位置が側壁近傍に位置
すると、側壁に滞留した蛍光物質からノイズが発生し
て、それにより誤検出することがある。その結果、サン
プル本来の蛍光強度に対応した測定データが得られない
欠点がある。しかし、現在のところ、ピンポイントの測
定位置がキャピラリの適正な位置になっているか否かを
確認する手段はない。一方、蛍光顕微鏡採取した画像を
CCDカメラを介して電気信号に変換してコンピュータ
を介してその画像表示することで、広い視野の観察画像
を得ることも可能である。しかし、これでは、蛍光強度
の時間的な変化特性を測定することはできない。この発
明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するも
のであって、バックグランドノイズに影響されずに、蛍
光強度の時間変化特性を精度よく測定することができる
蛍光強度測定方法および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためのこの第1の発明の蛍光強度測定方法および装置
の特徴は、画像撮像部により撮像されたキャピラリ画像
の所定の位置に所定の大きさの領域を設定して、キャピ
ラリ内を泳動するサンプルに励起光を照射し、サンプル
が発する蛍光光の画像を採取して、採取された画像に基
づいて領域内の蛍光光の強度の平均値を算出してこの平
均値による時間−蛍光強度の特性測定をするものであ
る。さらに、第2の発明の蛍光強度測定方法および装置
の特徴は、前記の領域内の蛍光光の強度の最大値あるい
はその平均値が前記の領域において試料が発する蛍光光
の強度あるいはその平均値の最大値を越えた所定値以上
あるいはバックグランドノイズを排除できる所定値以上
のときに前記の領域をキャピラリ画像上で移動させるも
のである。
【0006】
【発明の実施の形態】このように、第1の発明にあって
は、キャピラリ内を泳動するサンプルに励起光を照射し
てサンプルが発する蛍光光の画像を採取して、キャピラ
リ画像の所定の位置に所定の大きさで設定された領域内
での蛍光光の平均値を算出して時間−蛍光強度の特性を
測定するようにしている。このように、ある限定された
領域における平均値を算出して蛍光強度を得るようにし
ているので、ゴミやほこりなどからの蛍光光が検出デー
タに混在していてもほとんど影響されないで所望の測定
値を得ることができる。また、ここで設定される領域
は、サンプル、例えば、目的とするDNAバンドの泳動
時間に合わせた大きさの領域を設定することが可能であ
り、かつ、ゴミやほこり、キャピラリの側壁などを避け
て領域設定することができる。これによりバックグラン
ドノイズに影響されずに、精度の高い測定値を得ること
ができる。さらに、第2の発明にあっては、設定された
領域内にあるいはその近傍にゴミ等があるときに、さに
には、測定位置が側壁近傍の不適切な位置に設定されて
いるときなどに、設定領域をキャピラリ画像上で移動さ
せることにより、そのような位置を回避して領域設定が
できるので、蛍光強度の大きいゴミやほこりなどからの
蛍光光が検出データに混在することがなくなり、所望の
測定値を得ることができる。その結果、蛍光強度の時間
変化特性を精度よく測定することができる蛍光強度測定
方法および装置を容易に実現できる。
【0007】
【実施例】図1は、この発明の蛍光強度測定方法を適用
したDNA蛍光強度測定装置の一実施例のブロック図、
図2は、その測定処理のタイミングチャート、図3は、
その外観説明図、図4は、蛍光強度の測定波形の説明
図、図5は、観測画像の説明図、図6は、観測画像にお
ける領域設定と泳動時間対蛍光特性の説明図、そして図
7は、指定領域内の蛍光強度測定処理のフローチャー
ト、図8は、この発明の蛍光強度測定方法を適用したD
NA蛍光強度測定装置の他の実施例のブロック図、そし
て図9は、キャピラリにおける指定領域とゴミとの関係
の説明図である。図1において、1は、DNA蛍光強度
測定装置であって、図3に示すように、マイクロチップ
2を挟んで、上部に観察画像撮像部3が設けられ、下部
に一点蛍光強度の蛍光強度測定部4が設けられている。
観察画像撮像部3により生成されたビデオ信号は、画像
処理・制御装置5とVTR6とに入力され、蛍光強度測
定部4により検出された信号は、画像処理・制御装置5
に入力されて所定の処理(後述)が行われる。
【0008】観測画像撮像部3は、図1に示すように、
励起光照射系31と受光系32、ビデオ信号処理回路3
3、そしてシャッタ駆動回路34とが内蔵されていて、
励起光照射系31は、冷陰極放電灯(例えば、水銀放電
灯、メタルハライドランプなどの蛍光励起波長を有する
白色光源)の光源311からの光をシャッター312、
バンドパスフィルタ313を経て波長λ=510〜56
0nmの光を通過させて、これをマイクロチップ2に対
して垂直な受光系の光軸L1に対して波長分離面が45
°の角度で配置されたダイクロイックミラー314に照
射する。このダイクロイックミラー314により照射光
は、落射方向に反射されて、マイクロチップ2の表面に
対峙する形でこれの垂直上部に設けられた対物レンズ3
21を経てマイクロチップ2の表面にキャピラリを含む
広い視野範囲で照射される。この波長λ=510〜56
0nmの光の照射により、マイクロチップ2のキャピラ
リ(泳動路)上を泳動する蛍光強度測定途上のサンプル
は、励起されて蛍光を発生する。その蛍光光は、受光系
32の対物レンズ321を経てダイクロイックミラー3
14に至り、上部へと抜けて蛍光光の波長に対応するλ
=590nmの通過帯域を持つロングパスフィルタ32
2を通り、CCDイメージセンサ323により受光され
る。これによる受光光は、電気信号に変換され、その検
出信号は、CCDイメージセンサ323からビデオ信号
処理回路33のビデオ信号生成回路324に入力され
る。ここで検出信号は、ビデオ信号として生成され、ビ
デオ信号処理回路33に内蔵されたA/D変換器(A/
D)325によりA/D変換されてデジタル値として画
像処理・制御装置5の画像メモリ(フレームメモリ)5
1に転送される。なお、A/D325は、コントローラ
326からの制御によりA/D変換処理をする。ところ
で、励起光は、ショートパスフィルタあるいはバンドパ
スフィルタを通して試料に照射されるので、ここでのシ
ョートパスフィルタはバンドパスフィルタが用いられて
もよい。また、試料からの蛍光は、ロングパスフィルタ
あるいはバンドパスフィルタを通して受光されるので、
ここでのロングパスフィルタはバンドパスフィルタが用
いられてもよい。これらのことは、後述する蛍光強度測
定部4においても同様である。
【0009】ビデオ信号生成回路324は、ビデオ信号
処理回路33のコントローラ326の制御下でA/D変
換前のビデオ信号をVTR6に転送して観測画像として
VTR6に記録する。ビデオ信号生成回路324は、ビ
デオ信号生成回路324でビデオ信号を生成する際に偶
数番目のフレームコマ落とし制御をするコントローラ3
26を有していて、奇数番目のフレームのビデオ信号の
み、VTR6と画像メモリ51に送出する。このとき、
奇数番目のフレームのビデオ信号を次の偶数番目のフレ
ームに差し込んで送出する。また、このとき同時にコマ
落としタイミング信号FSを画像処理・制御装置5に送
出する。さらに、ビデオ信号生成回路324は、このコ
マ落としタイミング信号FSをシャッタ駆動回路34に
も送出する。シャッタ駆動回路34は、この信号FSを
受けて奇数番目のフレームの期間(タイミング信号FS
がHIGHレベル(以下“H”),図2(a)参照)の
間にシャッター312をONにして開き、偶数番目のフ
レームの期間の間(タイミング信号FSがLOWレベル
(以下““L”))、シャッター312をOFFにして
閉じる。なお、タイミング信号FSは、垂直同期信号V
sync信号をフリップフロップ等を介して1/2分周する
ことで得ることができる。コントローラ326は、画像
処理・制御装置5からの制御信号SRを受けたときに
は、これに応じてVTR6から記録されたビデオ信号を
読出してA/D変換器325によりA/D変換してそれ
を画像メモリ51に順次転送して記録する処理を行う。
なお、画像処理・制御装置5からの制御信号は、前記の
制御信号SRのほか、VTR6に対する録画、再生、巻
き戻し、早送りなど、通常のVTR6の操作のための制
御信号が送出される。コントローラ326は、これら制
御信号を画像処理・制御装置5から受けて、これらに応
じてVTR6に対して指定された操作する。
【0010】蛍光強度測定部4は、図1に示すように、
励起光照射系41と受光系42とが内蔵されていて、励
起光照射系41は、青色LEDの光源411からの光を
バンドパスフィルタ412を経て波長λ=510〜56
0nmの光を通過させて、これをマイクロチップ2に対
して垂直な受光系の光軸L2に対して波長分離面が45
°の角度で配置されたダイクロイックミラー413に照
射する。ダイクロイックミラー413により照射光は、
ここで垂直上方に反射されて、マイクロチップ2の裏面
に対峙する形でこれの垂直上部に設けられた対物レンズ
421を経てマイクロチップ2の裏面から測定位置にピ
ンポイントで照射される。マイクロチップ2の測定位置
の泳動路にこの波長λ=510〜560nmの光がピン
ポイント照射されると、マイクロチップ2の泳動路を泳
動する測定対象のサンプルは、蛍光を発し、その蛍光光
は、受光系42の対物レンズ421を経てダイクロイッ
クミラー413に至り、蛍光光の波長に対応するλ=5
90nmを下方に通過させ、ロングパスフィルタ422
を通って、APD(アバランシー・ホト・ダイオード)
センサ423により受光される。これによる受光光の検
出信号は、APDセンサ423からバッファアンプ42
4に入力されてここで増幅され、A/D変換回路(A/
D)425に入力されてA/D変換回路425によりA
/D変換されてデジタル値として画像処理・制御装置5
に転送される。なお、A/D425の制御信号は、図示
していないが、画像処理・制御装置5から変換制御のタ
イミング信号を受けてもよい。
【0011】画像処理・制御装置5は、マイクロプロセ
ッサ(MPU)50と、画像メモリ51、波形メモリ5
2、メモリ53、CRTディスプレイ(CRT)54、
キーボード55、マウス55a、プリンタ(図示せ
ず)、そしてインタフェース56等からなり、バス57
を介してこれら回路がMPU50と相互に接続されてい
る。APDセンサ423で受光した蛍光強度を示す信号
は、インタフェース56を介して受けて時間対蛍光強度
の波形データ(図4参照)として波形データメモリ52
に記憶され、CRTディスプレイ54あるいはプリンタ
に出力される。さらに、バス57を介して接続されたH
DD(ハードディスク装置)等の記憶装置58には測定
した画像データ(画像メモリ51に記憶されたもの)が
ファイルとして記憶され、また、測定に必要な各種デー
タファイル、プログラムなどがこれに格納されている。
【0012】MPU50は、バス57を介してコマ落と
しタイミング信号FSの立下がり信号(図2(a)参
照、タイミング信号FSが“H”から“L”の時点)を
割込み信号として受けて、このタイミング信号FSに同
期してインタフェース56を介して青色LEDの光源4
11を駆動する。そのための駆動信号DSを光源411
に送出する(図2(c)参照)。これにより、この信号
DSを受けて奇数番目のフレームの期間の間光源411
がOFFし、偶数番目のフレームの期間の間、光源41
1がONになって、サンプルを励起して蛍光を発生させ
る。発生した蛍光は、透明なマイクロチップ2から外部
へと放射される。その結果、図2に示すように、シャッ
ター312が閉じているとき、言い換えれば、マイクロ
チップ2に光源311からの光が照射されていないとき
に光源411からの光がマイクロチップ2(そのキャピ
ラリ部分)に照射されて、これによりサンプルの蛍光強
度を測定することができる。逆に、シャッター312が
開いているときには、言い換えれば、マイクロチップ2
に光源411からの光が照射されていないときには光源
311からの光がマイクロチップ2に照射されて、蛍光
による映像を観測画像として採取することができる。な
お、シャッター312は、インタフェース56、シャッ
タ駆動回路34を介してMPU50により開閉制御され
る。
【0013】APDセンサ423により検出された蛍光
強度は、バッファアンプ423,A/D変換回路424
を経てデジタル値としてインタフェース56に入力され
る。そして、コマ落としタイミング信号FSに同期し
て、MPU50は、インタフェース56,バス58を介
してこのデジタル値を受けて、これをMPU50が波形
メモリ52に順次測定データとして記憶する。その結
果、波形メモリ52には、タイミング信号FSをサンプ
ルタイミングとして時間対蛍光強度のデータがデジタル
値でそれぞれの測定時点(1/30秒間隔)においてそ
れぞれ検出された蛍光強度が順次記憶されていき、結果
として、例えば、図4に示すような波形信号が記憶され
る。なお、横軸は時間(秒)であり、縦軸は蛍光強度で
ある。また、コマ落としタイミング信号FSは、ビデオ
信号の各フレームに対応して発生するので、インターレ
ースをしない場合には、その周期は1/30秒となる。
そこで、図2に示すようなタイミングで、観測画像デー
タと測定データ(蛍光強度の時間的な変化)とが採取さ
れることになる。一方、画像メモリ51には、図5に示
すような蛍光による画像が記憶される。
【0014】さて、メモリ53には、観測画像表示処理
プログラム53a、領域設定・データ抽出プログラム5
3bと、蛍光強度特性表示プログラム53c、作業領域
53d、パラメータ領域53e、そして各種の処理プロ
グラム(図示せず)が格納されている。観測画像表示処
理プログラム53aは、MPU50により実行されて、
MPU50は、VTR6から記録されたビデオ信号を読
出す制御信号SRを発生して画像メモリ51に各フレー
ムの画像データを順次受けてそれを表示データに展開し
て観測画像としてCRT54に表示する処理をする(図
5参照)。領域設定・データ抽出プログラム53bは、
領域設定の機能キー入力に応じてMPU50により実行
されて、MPU50は、シャッター312を開き、バン
ドパスフィルタ313と、ロングパスフィルタ322を
光路から外して(これらフィルタの移動機構は図示せ
ず)、マイクロチップ2の視野範囲の画像を画像メモリ
51に採取し、それを画像メモリ51から読出して、表
示データに展開し、CRT54の画面上に表示する。こ
のとき白色光がマイクロチップ2に照射されて、図6
(a)に示すようなキャピラリ画像が表示され、これに
加えて矩形の設定領域60を測定画面上に重ね表示す
る。そして、重ね表示された設定領域60の大きさをマ
ウス操作に応じて変更する制御をする。このとき、マウ
ス55aの操作で決定された矩形枠の大きさのデータを
パラメータ領域53dに領域設定データとして記憶す
る。なお、このときには蛍光強度測定部4は動作してい
ない。また、領域設定・データ抽出プログラム53b
は、所定測定開始機能キーに応じてメインプログラムか
らコールされて、パラメータ領域53dに記憶されてい
る、観測画像データにおいて図6(a)に示す領域60
の範囲を示す領域設定データを読出してこれに従って、
タイミング信号FSの立下がり信号(1/30秒)に同
期して動作して1/30秒ごとに画像メモリ51に記憶
された観測画像データ(ビデオ信号処理回路33から得
られるビデオ信号のA/D変換データからなる画像デー
タ)から指定された領域60内のデータのみを抽出す
る。そして、その領域60内のデータ値の平均値(蛍光
強度の平均値)を明るさの平均値として算出して作業領
域53cに時間経過(1/30秒ごと)に対応して順次
記憶していく。さらに、作業領域53cに記憶された新
規の平均値を時間経過対応の測定データとしてHDD5
8に転送して特定データの所定の領域に順次記憶する。
そして、蛍光強度特性表示プログラム53cをコールす
る。
【0015】蛍光強度特性表示プログラム53cは、M
PU50により実行されて、所定の機能キー入力によ
り、波形データメモリ55のデータを読出して表示デー
タを生成して、CRT54の画面上に表示する。これに
より図4に示すような波形信号を表示する。また、領域
設定・データ抽出プログラム53bの実行後にコールさ
れて、このプログラムがMPU50に実行されたときに
は、MPU50は、HDD58から前記の記憶された測
定データを所定の領域から読出して、リアルタイムで平
均値のデータを追加したグラフとして縦軸と横軸を加え
た形でCRT54に表示する。その結果、図6(b)に
示すような蛍光強度の時間に対する明るさのグラフがC
RT54の画面上に表示される。なお、こでの領域設定
・データ抽出プログラム53bは、キャピラリ上の複数
箇所に設定領域60を設定することが可能である。ま
た、リアルタイムで時間対蛍光強度の特性表示が可能で
ある。この領域設定・データ抽出プログラム53bのM
PU50の処理を除いて、全体的なプログラム処理につ
いては、所定の機能キーに押下に応じて前記した各プロ
グラムがメインプログラムからコールされて順次実行さ
れていくだけでの単純な流れとなるので、その説明は割
愛する。
【0016】図7は、MPU50による領域設定・デー
タ抽出プログラム53bの実行による指定領域内の蛍光
強度測定処理のフローチャートである。以下、これにつ
いて具体的に説明する。所定の領域設定の機能キーの入
力により、まず、領域設定・データ抽出プログラム53
bがMPU50に実行されて、シャッター312を開
き、バンドパスフィルタ313と、ロングパスフィルタ
322を光路から外す(ステップ101)。これにより
光源311からの光がマイクロチップ2に照射される。
そして、マイクロチップ2の視野範囲の画像を画像メモ
リから読込み、画面上に表示する(ステップ102)。
次に、マウスの操作に応じて設定領域60の位置と大き
さの設定待ちに入り(ステップ103、104)、設定
が終了すると、ステップ104でYESとなり、設定領
域60の位置と面積(大きさ)のデータが読込まれ、パ
ラメータ領域53eに記憶される(ステップ105)。
次に、次の領域設定あるか否かの判定をして(ステップ
106)。視野範囲で別の箇所に領域を設定する場合
(設定領域60を2個以上する場合)には、ここでYE
Sとなり、ステップ103へと戻る。そして、ステップ
105でパラメータ領域53eにさらに別に設定領域の
位置と面積とが記憶される。
【0017】ステップ106の判定でNOとなると、所
定の測定開始キー入力待ちに入り(ステップ107)、
測定開始キーが押下された時点で、シャッター312を
閉じて、バンドパスフィルタ313と、ロングパスフィ
ルタ322を光路に挿入する(ステップ108)。次
に、実際の測定に入り、シャッター312をタイミング
信号FSに応じて1/30秒おきに開閉制御して、タイ
ミング信号FSの立下がり信号の入力待ちに入り(ステ
ップ109)、タイミング信号FSの立下がり信号を受
けた時点で画像メモリ51から設定領域60のデータを
抽出する(ステップ110)。そして、抽出したデータ
値の平均値を算出して(ステップ111)、その平均値
を作業領域53cに記憶する(ステップ112)。作業
領域53cに記憶された新規の平均値データは、時間経
過対応の測定データ(特性データ)としてHDD58の
所定の領域に転送されて追加記憶される(ステップ11
3)。ここで、蛍光強度特性表示プログラム53cをコ
ールして、HDD58の所定の領域に記憶された測定デ
ータを読出して図6(b)に示す波形をCRT54上の
画面上に表示する(ステップ114)。そして、次に所
定の終了キーの入力の有無により、処理終了かの判定を
して(ステップ115)、ここでNOのときにはステッ
プ109へと戻り、次の平均値を算出して作業領域53
cに記憶する。そして、ステップ114においては、図
6(b)のグラフに新しく測定したデータが加えられ、
そのグラフが画面上に表示されていく。ここで、測定と
してある時間が経過して所定量の平均値が測定データと
してグラフ表示された時点で、ステップ115におい
て、測定終了判定がなされ、ステップ115の判定でY
ESとなると、ここでの処理が終了する。
【0018】このような処理によりリアルタイムで順次
図6(b)に示す波形がCRT54上の画面上に表示さ
れていく。また、前記のステップ106では、次の領域
を設定するようにしているので、複数の領域を設定した
ときには、それぞれの領域に対応して画像メモリ51に
記憶された観測画像からデータを抽出してそれぞれに平
均値を算出することができる。このときには、それぞれ
別の測定データとしてHDD58の各領域にそれぞれ記
憶するようにし、それぞれ別の特性グラフとして順次表
示する。このことで、効率よく、キャピラリの泳動路の
複数の箇所から蛍光特性を採取でき、かつ、比較判定で
きる。さらに、設定領域60の大きさが自由に選択でき
ることにより、ゴミ,ほこりなどから発する蛍光のバッ
クグランドノイズを排除することができる。また、DN
A等のサンプルの泳動速度に合わせた大きさを設定領域
60として選択することが可能になる。さらに、この設
定領域60は、その位置が選択できるので、測定位置を
適正な位置に設定できる。これによりキャピラリの側壁
に発生する蛍光ノイズを排除して精度の高い測定ができ
る。実施例では、タイミング信号FSに応じてピンポイ
ント蛍光強度の測定と観察画像による設定領域における
蛍光強度の平均値の測定とを交互に行っているが、この
ような切換えを行うと、測定タイミングが一定の周期と
なるので、蛍光強度の測定が連続的にできない問題があ
る。そこで、蛍光強度の平均値を算出する場合に、設定
領域の大きさによっては1個分に対応した検出ができな
くなることがある。このような場合においては、特に、
泳動速度が速いときには、進行方向に長い設定領域を設
定するとよい。逆に、狭い間隔で連続して流れて来るサ
ンプルに対しては、進行方向に短い設定領域として、必
要に応じてキャピラリの横断方向に長く領域を設定する
とよい。
【0019】さて、一般的にゴミ等は、強い蛍光および
反射光を発生する。そのため設定領域60として指定さ
れた領域あるいはその近傍にゴミ等がある場合には、的
確な蛍光強度が測定できない。図8は、このような問題
に対処する実施例である。図8の実施例では、オペレー
タが指定した設定領域60あるいはこれの近傍にゴミ等
がある場合に設定領域60を移動させる処理を行う。図
8の画像処理・制御装置5のメモリ53にはゴミ等の検
出・指定領域移動プログラム53fが設けられている。
画像処理・制御装置5の内部は、図1の実施例ほど詳細
に説明していないが、前記のゴミ等の検出・指定領域移
動プログラム53fとパラメータ領域53eに記憶する
データを除いては、図1の構成と同一であるので、同一
の符号で示してある。その他の構成要素も図1に示す構
成要素と同一のものは同一の符号で示してある。それら
の説明はここでは割愛する。図9は、ゴミと設定領域6
0との関係を示すものである。図9において、点線枠で
示す7は、マイクロチップ2のキャピラリ2a上に設定
されたイメージセンサ323の視野であり、8は、キャ
ピラリ2a上に付着したゴミである。指定された設定領
域60は、図示するように、ゴミ8がある場所か、その
近傍に位置している。この状態をゴミ等の検出・指定領
域移動プログラム53fの処理により検出して、設定領
域60(指定領域)を視野7内のキャピラリ2a上にお
いて、一定距離Dだけ別の場所に移動させて、例えば、
点線で示す位置に設定領域60を設定して、この領域の
データを撮像した画像データから抽出して蛍光強度を検
出する。
【0020】ゴミ等の検出・指定領域移動プログラム5
3fは、図7に示す蛍光強度測定処理のフローチャート
において、ステップ106の、領域設定あるか否かの判
定でNOとなったときに、MPU50によりコールされ
てMPU50により実行される。そして、点線で示すよ
うに、この処理の終了後にステップ107の所定の測定
開始キー入力待ちに入ることはせずに、ステップ108
の処理に移る。これにより画像データを採取してこのデ
ータから設定領域60において視野に試料が入っていな
い状態で蛍光強度を測定するモードに入る。すなわち、
MPU50は、このプログラム53fを実行して、図7
のステップ108からステップ109へと入り、ステッ
プ111の処理に至り、点線で示すステップ111aの
処理へと移る。ここで、ステップ111で算出された設
定領域60における平均値が所定値K以上か否かの判定
をする。この判定の結果、平均値が所定値K未満である
ときには、点線で示すステップ107の測定キーの入力
待ち処理に入り、本来の測定モードとなる。ここで、所
定値Kは、試料が発する蛍光光の強度の平均値の最大値
を越える値であり、ゴミ等からの受光と区分けできる値
である。ここで検出される設定領域60内での蛍光光の
強度は、平均値に限定されるものではなく、ピーク値あ
るいは合計値等であってもよい。この場合には、ステッ
プ111で平均値を算出するのではなく、ピーク値ある
いは合計値を算出することになる。また、ステップ11
1aの判定処理のときには、試料はキャピラリ上(ある
いは設定領域60)を流れていないので、ゴミ等からの
受光強度が測定できる。ステップ111aの判定で平均
値が所定値K以上であるときには、設定領域60を所定
の距離Dだけキャピラリ2a上において上流側あるいは
下流側に移動した後に、図7のステップ109からステ
ップ111の処理を再び行う。そして、設定領域60に
おける平均値が所定値K以上か否かの判定をする(ステ
ップ111a)。この判定においても前記の判定で平均
値が所定値K以上であるときには、さらに所定の距離D
だけキャピラリ2a上において、例えば、流れを横断す
る方向へ移動した後に、同じ処理する。このようにし
て、平均値が所定値K未満になる位置を探し出して、設
定領域60を指定された位置の近傍の位置に再設定す
る。なお、前記距離Dの値と前記所定値Kの値は、キー
ボード55から入力されてパラメータ領域53eにあら
かじめ記憶されているものである。
【0021】さて、図8では、ロングパスフィルタ32
2とCCDイメージセンサ323との間にイメージイン
テンシファイア(IIF,これは映像増倍管,マイクロ
チャネルプレート型映像増倍装置など)324が設けら
れている。このイメージインテンシファイア324の増
倍率をコントローラ326からの制御信号Siで制御す
ることで、撮像できる画像のダイナミックレンジを拡大
することができる。ところで、3μm〜10μm角程度
のピンポイント測定点を持つAPDセンサ423を備え
る蛍光強度測定部4は、例えば、1.2mm×1.0m
m程度の所定の視野を持つCCDイメージセンサ323
等のいわゆるCCDカメラよりも撮像対象の明暗に対す
る検出ダイナミックレンジが広い。そこで、この蛍光強
度測定部4の広いダイナミックレンジの蛍光強度検出を
利用して観察画像撮像部3が撮像できる画像の明暗の範
囲を広げる撮像感度制御をイメージインテンシファイア
324の制御で行う。そのために、画像処理・制御装置
5は、1/30秒ごとに蛍光強度測定部4により検出さ
れ、波形メモリ52に記憶された蛍光強度に応じてコン
トローラ326を制御して制御信号Siを発生させる。
この制御信号Siの値に応じてイメージインテンシファ
イア324は、蛍光強度に応じて適正な映像を撮影でき
る増幅率に設定される。なお、前記の撮像感度制御の制
御は、CCDイメージセンサ323において行ってもよ
い。
【0022】先に説明したように、図8の実施例におい
ては、ステップ111aにおいて比較基準とされる所定
値Kは、試料が発する蛍光光の強度の平均値の最大値を
越える値であり、ゴミ等からの受光と区分けできる値で
ある。ここで、試料をDNAとした場合に、ほとんどの
物質は、蛍光を発し、DNAより明るい光が検出される
が、中にはDNAより暗い異物もある。このような場合
には、所定値Kを前記した値より小さくする必要があ
る。ところで、所定値と比較対象とされる平均値の測定
は、前記したように、設定領域60において視野に試料
が入っていない状態で行われる。言い換えれば、これ
は、試料、例えば、DNAがキャピラリの視野に流れて
くる前に行われる。この状態で異物がないときには、泳
動液や外乱ノイズなどにより発生するそのときのバック
グランドノイズによる蛍光強度が検出される。そこで、
DNAより暗い異物に対処するためには、前記の所定値
Kは、そのときのバックグランドノイズによる蛍光強度
とDNAより暗い異物の蛍光強度との間の値に設定する
とよい。すなわち、このような所定値Kの設定は、測定
される試料よりも暗い蛍光を発生し、測定に影響を与え
る異物の蛍光強度を別途測定して、それをメモリに記憶
しておくか、入力する。そして、蛍光強度の測定に当た
ってキャピラリの視野におけるバックグランドノイズに
よる蛍光強度の平均値を測定する。このノイズの平均値
と、入力されたあるいはメモリ記憶してある前記の異物
の蛍光強度との間の値を前記所定値Kとして算出してメ
モリに記憶し、ステップ111aの比較基準とするもの
である。なお、試料よりも暗い蛍光を発生し、測定に影
響を与える異物の蛍光強度がバックグランドノイズより
も比較的大きいときには、別途測定することは不要であ
り、単にバックグランドノイズによる蛍光強度の平均値
あるいはその最大値よりも少し多きな値を所定値K、言
い換えれば、バックグランドノイズを排除できるような
値を設定するだけであってもよい。
【0023】以上説明してきたが、実施例においては、
観測画像は、蛍光光をロングパスフィルタ322を通し
て観測しているが、ロングパスフィルタ322を削除し
て直接蛍光光をCCDにより受光して蛍光光の観測画像
を採取してもよい。また、領域設定・データ抽出プログ
ラム53bをMPU50が実行したときには、シャッタ
ー312を開き、バンドパスフィルタ313と、ロング
パスフィルタ322を光路から外すことができ、このと
きには、マイクロチップ2の視野範囲の画像を白色光を
照射した形で画像メモリ51に採取することができる。
これによりキャピラリ内にゲルが正常に入っているかど
うか、キャピラリ内にあわが入っていないかどうかなど
の観察映像を蛍光強度測定系の励起光に影響されること
なく、判定することができる。さらに、一点蛍光測定系
の位置が適正な位置にあるか否かの判定も可能である。
このような観測をする場合には白色照射が非常に有効に
なるが、白色照射ではなく、励起光を照射して領域設定
等をすることができることはもちろんである。また、実
施例では、CCD323にシャッタがある場合に言及し
ていないが、CCD323にシャッタがある場合には、
このシャッタをタイミング信号FSに同期させて、シャ
ッタ312の開閉動作とは逆になるように開閉動作をさ
せるとよい。さらに、蛍光映像をCCDイメージセンサ
323(撮像するカメラ)は、CCDのイメージセンサ
に限定されるものではなく、MOS型BBD等のイメー
ジセンサ等を用いることができることはもちろんであ
る。またさらに、実施例では、領域設定60の選択設定
の後に蛍光強度測定に入り、設定領域の蛍光強度の平均
値を得て、時間−蛍光強度特性を画面上に表示している
が、領域設定60の設定と蛍光強度の測定とは、切り離
して、それぞれ独立に行ってもよいことはもちろんであ
る。なお、ここでの平均値には、設定領域の合計値とし
て算出されたものも含むものである。設定領域の平均値
と合計値は、算出して得た結果を割り算して算出する
か、否かの相違でしかないからである。
【0024】実施例では、波形メモリ、画像メモリをプ
ログラムを格納したメモリと独立に設けているが、波形
メモリ、画像メモリをプログラムを格納したメモリに領
域として確保し、これらメモリを一体的に形成してもよ
い。実施例において、観測画像の採取と蛍光強度の測定
を切換える周期は、ビデオ信号の各フレームに対応して
発生するようにしているが、インターレースをする場合
には、1フィールドが1/60秒となるので、採取画像
がインターレースとなように、奇数番目のフィールドと
次の偶数番目のフィールドとの連続する2フィールドを
1/30秒で採取し、次の奇数番目のフィールドと次の
偶数番目のフィールドとの連続する2フィールドをコマ
落としするようにすればよい。採取画像や一点蛍光測定
の期間は、1/30秒のうちのある一定期間で行われて
もよいことはもちろんである。また、1フレームの画像
をより高速に採取する場合には、切換える周期は、1/
30秒に限定されないことはもちろんである。さらに、
実施例でのコマ落としは、1フレームおきにしている
が、泳動速度が遅いサンプルの場合には、コマ落としフ
レームを数フレームとして観測画像を数フレームおきに
採取してもよい。逆に、泳動速度が速いサンプルの場合
には、コマ落としフレームを数フレームに1回として観
測画像のフレームを増加させてもよい。さらに、VTR
6は、HDDを内蔵するデジタルの録画再生装置であっ
てもよく、ビデオテープに記憶するものに限定されな
い。また、実施例では、設定領域60を矩形として説明
しているが、これは、矩形に限定されるものではなく、
例えば、キャピラリの泳動路が湾曲している場合などに
はそれに併せて湾曲させてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上の説明のとおり、この発明にあって
は、キャピラリ内を泳動するサンプルに励起光を照射し
てサンプルが発する蛍光光の画像を採取して、キャピラ
リ画像の所定の位置に所定の大きさで設定された領域内
での蛍光光の平均値を算出して時間−蛍光強度の特性を
測定するようにしている。このように、ある限定された
領域における平均値を算出して蛍光強度を得るようにし
ているので、ゴミやほこりなどからの蛍光光が検出デー
タに混在していてもほとんど影響されないで所望の測定
値を得ることができる。その結果、蛍光強度の時間変化
特性を精度よく測定することができる蛍光強度測定方法
および装置を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の蛍光強度測定方法を適用し
たDNA蛍光強度測定装置の一実施例のブロック図であ
る。
【図2】図2は、その処理のタイミングチャートであ
る。
【図3】図3は、その外観説明図である。
【図4】図4は、蛍光強度の測定波形の説明図である。
【図5】図5は、観測画像の説明図である。
【図6】図6(a)は、観測画像における領域設定の説
明図、図6(b)は、泳動時間対蛍光特性の説明図であ
る。
【図7】図7は、指定領域内の蛍光強度測定処理のフロ
ーチャートである。
【図8】図8は、この発明の蛍光強度測定方法を適用し
たDNA蛍光強度測定装置の他の実施例のブロック図で
ある。
【図9】図9は、キャピラリにおける指定領域とゴミと
の関係の説明図である。
【符号の説明】
1…DNA蛍光強度測定装置、2…マイクロチップ、3
…観察画像撮像部、4…一点蛍光強度測定部、5…画像
処理・制御装置、6…VTR、31,41…励起光照射
系、32,42…受光系、33…ビデオ信号処理回路、
34…シャッタ駆動回路、50…マイクロプロセッサ
(MPU)、51…画像メモリ(フレームメモリ)、5
2…波形メモリ、53…メモリ、54…CRTディスプ
レイ(CRT)、55…キーボード、56…インタフェ
ース、57…バス、58…外部記憶装置、53a…観測
画像表示処理プログラム、53b…領域設定・データ抽
出プログラム、53c…蛍光強度特性表示プログラム、
53d…作業領域、53e…パラメータ領域、53f…
ゴミ等の検出・指定領域移動プログラム53f、312
…シャッター、313,412…ショートパスフィル
タ、314,413…ダイクロイックミラー、321,
421…対物レンズ、322,422…ロングパスフィ
ルタ、323…CCDイメージセンサ、324…ビデオ
信号生成回路、325…A/D変換器、326…制御回
路、411…青色LEDの光源、423…APDセン
サ、424…バッファアンプ、425…A/D変換回路
(A/D)。
フロントページの続き (72)発明者 洪 鍾▲いく▼ アメリカ合衆国、カリフォルニア州91106 −1824、パサディナ、ノースミシガンアヴ ェニュー165−207 Fターム(参考) 2G043 AA01 BA16 CA03 DA05 EA01 EA19 FA01 FA03 GA08 GB28 HA01 HA02 HA11 HA15 JA02 KA02 KA05 LA03 NA01 NA06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロチップのキャピラリ画像を採取し
    てこの画像から蛍光強度を測定する蛍光強度測定方法に
    おいて、 画像撮像部により撮像された前記キャピラリ画像の所定
    の位置に所定の大きさの領域を設定して、前記キャピラ
    リ内を泳動する試料に励起光を照射し、前記試料が発す
    る蛍光光の前記画像を採取して、採取された前記画像に
    基づいて前記領域内の蛍光光の強度の平均値を算出して
    この平均値による時間−蛍光強度の特性測定をすること
    を特徴とする蛍光強度測定方法。
  2. 【請求項2】前記前記所定の大きさの領域は、その位置
    と大きさが任意に選択できるものであり、さらに、前記
    蛍光光を受光してその受光信号に基づいて前記試料の蛍
    光強度を検出する蛍光強度測定部を有し、前記画像撮像
    部の撮像光学系と前記蛍光強度測定部の前記蛍光強度の
    検出光学系とが前記マイクロチップを挟んで対向して配
    置され、所定の周期で前記撮像光学系の蛍光励起光と前
    記検出光学系の蛍光励起光とを交互に前記試料に照射
    し、前記画像の採取と前記蛍光強度の測定とがそれぞれ
    の前記照射光の照射タイミングに合わせて行われる請求
    項1記載の蛍光強度測定方法。
  3. 【請求項3】前記画像撮像部は、前記蛍光強度測定部の
    測定範囲に対してより広い視野を有するものであり、さ
    らに、ビデオ信号録画再生装置を有し、前記所定の周期
    は、1/30秒であり、前記画像撮像部は、1/30秒
    おきに1フレームの画像を採取して前記ビデオ信号録画
    再生装置に記憶する請求項2記載の蛍光強度測定方法。
  4. 【請求項4】前記所定の大きさの領域は、前記キャピラ
    リ上の複数の箇所に設定され、同時に複数の箇所に測定
    データを得る請求項1記載の蛍光強度測定方法。
  5. 【請求項5】前記領域内の蛍光光の強度あるいはその平
    均値が前記領域において前記試料が発する蛍光光の強度
    の最大値あるいはその平均値の最大値を越えた所定値以
    上のときに前記領域を前記キャピラリ画像上で移動させ
    る請求項1記載の蛍光強度測定方法。
  6. 【請求項6】前記領域内の蛍光光の強度あるいはその平
    均値が前記領域におけるバックグランドノイズを排除で
    きる値として設定された所定値か、これ以上のときに前
    記領域を前記キャピラリ画像上で移動させる請求項1記
    載の蛍光強度測定方法。
  7. 【請求項7】マイクロチップのキャピラリ画像を採取し
    てこの画像から蛍光強度を測定する蛍光強度測定装置に
    おいて、 画像撮像部により撮像された前記キャピラリ画像の所定
    の位置に所定の大きさの領域を設定する設定手段と、前
    記キャピラリ内を泳動する試料に励起光を照射する照射
    光学系と、前記試料が発する蛍光光の前記画像を採取す
    る画像撮像部と、前記領域内の蛍光光の強度の平均値を
    算出する平均値算出手段とを備え、前記強度による時間
    −蛍光強度の特性測定をすることを特徴とすることを特
    徴とする蛍光強度測定装置。
  8. 【請求項8】前記設定手段による前記所定の大きさの領
    域は、その位置と大きさが任意に設定できるものであ
    り、さらに、前記蛍光光を受光してその受光信号に基づ
    いて前記試料の蛍光強度を検出する蛍光強度測定部と、
    所定の周期で前記撮像光学系の励起光と前記検出光学系
    の励起光とを交互に前記試料に照射する制御手段とを有
    し、前記画像撮像部の撮像光学系と前記蛍光強度測定部
    の前記蛍光強度の検出光学系とが前記マイクロチップを
    挟んで対向して配置されていて、前記画像の採取と前記
    蛍光強度の測定とがそれぞれの前記励起光の照射タイミ
    ングに合わせて行われる請求項7記載の蛍光強度測定装
    置。
  9. 【請求項9】前記画像撮像部は、前記蛍光強度測定部の
    測定範囲に対してより広い視野を有するものであり、さ
    らに、ビデオ信号録画再生装置を有し、前記所定の周期
    は、1/30秒であり、前記画像撮像部は、1/30秒
    おきに1フレームの画像を採取して前記ビデオ信号録画
    再生装置に記憶する請求項8記載の蛍光強度測定装置。
  10. 【請求項10】前記所定の大きさの領域は、前記キャピ
    ラリ上の複数の箇所に設定され、同時に複数の箇所に測
    定データを得る請求項7記載の蛍光強度測定装置。
  11. 【請求項11】前記領域内の蛍光光の強度あるいはその
    平均値が前記領域において前記試料が発する蛍光光の強
    度の最大値あるいはその平均値の最大値を越えた所定値
    以上のときに前記領域を前記キャピラリ画像上で移動さ
    せる請求項7記載の蛍光強度測定装置。
  12. 【請求項12】前記領域内の蛍光光の強度あるいはその
    平均値が前記領域におけるバックグランドノイズを排除
    できる値として設定された所定値か、これ以上のときに
    前記領域を前記キャピラリ画像上で移動させる請求項7
    記載の蛍光強度測定装置。
JP2002159178A 2001-11-09 2002-05-31 蛍光強度測定方法および装置 Expired - Fee Related JP3731882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002159178A JP3731882B2 (ja) 2001-11-09 2002-05-31 蛍光強度測定方法および装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001344446 2001-11-09
JP2001-344446 2001-11-09
JP2002159178A JP3731882B2 (ja) 2001-11-09 2002-05-31 蛍光強度測定方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003207450A true JP2003207450A (ja) 2003-07-25
JP3731882B2 JP3731882B2 (ja) 2006-01-05

Family

ID=27667044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002159178A Expired - Fee Related JP3731882B2 (ja) 2001-11-09 2002-05-31 蛍光強度測定方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3731882B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005234435A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Olympus Corp 顕微観察装置、顕微観察方法および顕微観察プログラム
JP2005233802A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Yokogawa Electric Corp 物理量計測装置およびその装置を用いて行う物理量校正方法
WO2006049180A1 (ja) * 2004-11-01 2006-05-11 Olympus Corporation 発光測定装置及び発光測定方法
US7327459B2 (en) 2003-12-30 2008-02-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Fluorescence detector for detecting microfluid
JP2008537146A (ja) * 2005-04-19 2008-09-11 プレジデント・アンド・フエローズ・オブ・ハーバード・カレツジ 蛇行する幅の広いチャネルを備える流体構造

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7327459B2 (en) 2003-12-30 2008-02-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Fluorescence detector for detecting microfluid
JP2008116446A (ja) * 2003-12-30 2008-05-22 Samsung Electronics Co Ltd 微細流体検出のための蛍光検出器
JP2005233802A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Yokogawa Electric Corp 物理量計測装置およびその装置を用いて行う物理量校正方法
JP2005234435A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Olympus Corp 顕微観察装置、顕微観察方法および顕微観察プログラム
JP4578822B2 (ja) * 2004-02-23 2010-11-10 オリンパス株式会社 顕微観察装置、顕微観察方法および顕微観察プログラム
WO2006049180A1 (ja) * 2004-11-01 2006-05-11 Olympus Corporation 発光測定装置及び発光測定方法
US7602479B2 (en) 2004-11-01 2009-10-13 Olympus Corporation Light emission measuring apparatus and light emission measuring method
JP2008537146A (ja) * 2005-04-19 2008-09-11 プレジデント・アンド・フエローズ・オブ・ハーバード・カレツジ 蛇行する幅の広いチャネルを備える流体構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3731882B2 (ja) 2006-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3290786B2 (ja) 粒子分析装置
JP3084296B2 (ja) フローイメージサイトメータ
US7591583B2 (en) Transient defect detection algorithm
US5159397A (en) Flow imaging cytometer
US5159398A (en) Flow imaging cytometer
JP3121849B2 (ja) フローイメージサイトメータ
JP4459390B2 (ja) 蛍光測定方法、蛍光測定装置及びそれを用いた試料評価装置
JPS6332356A (ja) 蛍光信号の解析と画像表示のための装置
JP3574607B2 (ja) 3次元画像入力装置
EP2455891A1 (en) Methods and systems for automatic capture of an image of a faint pattern of light emitted by a specimen
CN108234892A (zh) 摄像装置及摄像方法
JP2005528985A (ja) 感圧性塗料に係る改良
EP1417924B1 (en) Ophthalmologic image taking apparatus
JP3731882B2 (ja) 蛍光強度測定方法および装置
JP2008203138A (ja) 蛍光検出装置
JP3734769B2 (ja) 蛍光強度測定方法および装置
JP3218108B2 (ja) イメージングフローサイトメータ
JP3861396B2 (ja) 顕微鏡用画像取得装置
JPH0431054B2 (ja)
JPH05281038A (ja) パルスレーザ光の光強度分布測定装置
JP3079341B2 (ja) 蛍光x線膜厚計
JPH06221986A (ja) フロー式粒子画像解析方法及びフロー式粒子画像解析装置
JPH036444A (ja) 蛍光検査装置
JPH0670614B2 (ja) 細胞内イオンの測定方法
JP3375413B2 (ja) 変位量測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050902

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051007

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091021

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101021

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101021

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111021

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121021

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees