JP2003206964A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JP2003206964A
JP2003206964A JP2002004494A JP2002004494A JP2003206964A JP 2003206964 A JP2003206964 A JP 2003206964A JP 2002004494 A JP2002004494 A JP 2002004494A JP 2002004494 A JP2002004494 A JP 2002004494A JP 2003206964 A JP2003206964 A JP 2003206964A
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brake
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disc
heat radiation
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Koji Shima
孝爾 嶋
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両におけるディスクブレーキ装置では、制
動時にブレーキパッドが制動板に圧接するとこれが加熱
されるが、制動板が所定の温度以上に加熱されてしまう
と制動力の低下が発生してしまう。 【解決手段】 ブレーキディスク4の連結環部52に空
気孔53を形成し、この空気孔53と制動板37,38
間の放熱路40との間で冷却用空気61の通路62を形
成し、空気孔53を、その径方向外側位置が径方向内側
位置を基準として径方向面内で径方向に対して軸心10
に向けて傾斜するよう形成して、ブレーキディスク4が
回転した際に、連結環部52の径方向外方から径方向内
方に向けて冷却用空気61を導入し易くしているので、
冷却用空気61によって、制動時に加熱された各制動板
37,38を充分に冷却することができ、従来のディス
クブレーキ装置に比べて、制動性能の低下を抑えること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用のデ
ィスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば車両用のディスクブレーキ装置に
は、ベンチレーテッド・ブレーキと呼ばれるディスクブ
レーキ装置がある。
【0003】このディスクブレーキ装置は、転がり軸受
のハブホイールに、軸心回りに回転一体に取付けられる
ブレーキディスクと、このブレーキディスクの両側面で
ある制動面に、ブレーキキャリパに支持されたブレーキ
パッドを軸心方向両側から押付けてブレーキディスクに
制動力を付与する構成である。
【0004】そして前記ブレーキディスクは、ブレーキ
パッドが押付けられる環状の制動板と、前記ハブホイー
ルに取付けられて制動板よりも小径の固定部(ハット部
ともいう)とから一体的に形成されている。
【0005】前記制動板は、軸心方向に一対で設けら
れ、これら制動板どうしは円周方向に配置した複数の放
熱フィンを介して一体化され、これら放熱フィンの間に
は、制動板の径方向内側から径方向外側に亙って、放熱
路が形成されている。
【0006】前記固定部は、前記ハブホイールのハブフ
ランジの板面に重ねて固定される、軸心方向に垂直な径
方向に沿った固定環と、この固定環の径方向外側部と前
記一方の制動板の径方向内側部とを連結する軸心方向に
沿った連結環とが一体的に形成されてなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、車両における
ディスクブレーキ装置では、制動時にブレーキパッドが
制動板に圧接するとこれが加熱されるが、制動板が所定
の温度以上に加熱されてしまうと制動力の低下が発生し
てしまう。
【0008】このため、制動板を冷却する必要がある
が、上記従来のディスクブレーキ装置では、制動板が加
熱された際に放熱するための手段として、放熱フィンの
間に放熱路が形成されているだけであるので、放熱の効
果が低い場合があった。
【0009】そこで本発明は、上記課題を解決し得るデ
ィスクブレーキ装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、転がり軸受の回転輪に軸心回りに回転一
体に取付けられるブレーキディスクの両側面である制動
面に、支持部材に支持されたブレーキパッドを軸心方向
両側から押付けてブレーキディスクに制動力を付与する
ディスクブレーキ装置であって、前記ブレーキディスク
が、前記ブレーキパッドが押付けられる環状の制動部
と、前記回転輪に取付けられて制動部よりも小径の固定
部とから構成され、前記制動部は、軸心方向で一対の制
動板と、これら制動板どうしを一体的に連結する複数の
放熱フィンとを備え、これら放熱フィンの間には制動板
の径方向内側から径方向外側に亙って放熱路が形成さ
れ、前記固定部は、前記回転輪に固定される軸心方向に
垂直な径方向に沿った固定環と、この固定環の径方向外
側部と前記一方の制動板の径方向内側部とを連結する軸
心方向に沿った連結環とを備え、この連結環に、径方向
に貫通する空気孔が形成され、この空気孔と放熱路と
で、前記制動部を冷却するための冷却用空気の通路が形
成されている。
【0011】上記構成のように、空気孔と放熱路とで、
制動部を冷却するための冷却用空気の通路が形成された
ことによれば、ブレーキディスクが軸心回りに回転する
と、冷却用空気が空気孔から放熱路へ、あるいは放熱路
から空気孔へ流れて、ブレーキパッドが押付けられるこ
とで、加熱された制動部が冷却され、これにより制動性
能の低下が抑えられる。
【0012】また、前記放熱路の径方向外側位置が、放
熱路の径方向内側位置を基準として径方向面内で径方向
に対して軸心に向けて傾斜するよう形成された構成によ
れば、ブレーキディスクの回転に伴なって、いっそう冷
却用空気が空気孔から放熱路へ、あるいは放熱路から空
気孔へ流れ易くなり、加熱された制動部がより確実に冷
却され、制動性能の低下が抑えられる。
【0013】さらに、空気孔の径方向外側位置が、空気
孔の径方向内側位置を基準として径方向面内で径方向に
対して軸心に向けて傾斜するよう形成された構成におい
ても、ブレーキディスクの回転に伴なって、いっそう冷
却用空気が空気孔から放熱路へ、あるいは放熱路から空
気孔へ流れ易くなり、加熱された制動部がより確実に冷
却され、制動性能の低下が抑えられる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るデ
ィスクブレーキ装置を、車両用軸受装置に適用させた場
合について、図面に基づいて説明する。まず、本発明の
第一の実施形態を説明する。
【0015】図1はディスクブレーキ装置を含む車輪用
軸受装置の断面図、図2はブレーキディスクの単体斜視
図、図3はブレーキディスクの単体断面図、図4は図3
におけるC−C線矢視図、図5は図3におけるD−D線
矢視図である。
【0016】はじめに、車輪用軸受装置(転がり軸受装
置)6の概略構成を説明する。この車輪用軸受装置6
は、従動輪側に使用される構成を有している。この車輪
用軸受装置6は、車体に組込まれたナックル2に非回転
に取付けられる外輪部材7と、この外輪部材7に、冠形
保持器8によって円周方向等配位置で転動自在に保持さ
れる二列の玉9を介して軸心10回りに回転自在に支持
される内輪部材11とを有している。
【0017】外輪部材7の外周面途中には、径方向外向
きに突出する支持フランジ12が形成され、この支持フ
ランジ12が取付けボルト13を介してナックル2に固
定されている。
【0018】内輪部材11は、ハブホイール3と、この
ハブホイール3の車両インナ側(以下単に「インナ側」
という)A端部に嵌着された筒状部材15とから構成さ
れている。ハブホイール3のインナ側A端部は拡径され
て筒状部材15の端面に対してかしめられることで、ハ
ブホイール3と筒状部材15とが軸心10回りに回転一
体に取付けられるとともに、両列の玉9に対して必要な
予圧が付与されている。
【0019】ハブホイール3の外周面途中に一方列の玉
9の内輪軌道面が形成され、筒状部材15の外周面に他
方列の玉9の内輪軌道面が形成され、外輪部材7の内周
面に各列の玉9の外輪軌道面が形成されている。
【0020】外輪部材7と内輪部材11との間の環状軸
受空間16を、軸心10方向両側でシールするためのシ
ール装置17が設けられている。これらシール装置17
は、それぞれ外輪部材7の端部内周面に嵌着された芯金
(符号省略)と、この芯金に取付けられて内輪部材11
側に接触するリップを有する弾性シール体を有してい
る。
【0021】ハブホイール3の外周面途中には、径方向
外向きに突出するハブフランジ21が形成され、このハ
ブフランジ21の円周方向等配位置には、複数(例えば
5個)のハブボルト22が圧入されている。
【0022】本発明の第一の実施形態に係るディスクブ
レーキ装置1は、ベンチレーテッド・ディスクブレーキ
と呼ばれ、前記車輪用軸受装置6に付設されるものであ
って、前記ハブホイール3に固定されるブレーキディス
ク4と、前記ナックル2に取付けられる、支持部材とし
てのブレーキキャリパ5とから構成されている。
【0023】ブレーキディスク4は、ブレーキキャリパ
5に軸心10方向に往復動自在に支持されたブレーキパ
ッド56,57が押付けられることで制動力が付与され
る環状で軸心10方向に一対の制動板(制動部)37,
38と、前記ハブホイール3に取付けられて制動板3
7,38よりも小径の重ね合せ凹部(固定部)47とを
備えている。
【0024】これら制動板37,38どうしは、それら
の間で円周方向等配位置に放射状に配置した複数の放熱
フィン50を介して一体化され、これら放熱フィン50
の間の空間は、制動板37,38の径方向内側から径方
向外側に亙る放射状の放熱路40とされている。
【0025】図4に示すように、前記放熱フィン50お
よび放熱路40は、放熱路40の径方向外側の円周方向
の幅が径方向内側の円周方向の幅より大きくなってい
る。
【0026】このブレーキディスク4の重ね合せ凹部4
7は、前記ハブフランジ21に固定される軸心10方向
に垂直な径方向に沿った固定環部51と、この固定環部
51の径方向外側部と前記一方(アウタ側A)の制動板
38の径方向内側部とを連結する軸心10方向に沿った
スリーブ状の連結環部52とから一体的に形成されてい
る。
【0027】そして、前記固定環部51の円周方向等配
位置に形成された挿通孔34に、前記ハブボルト22が
挿通されるようにして、かつ中心開口36がハブホイー
ル3のアウタ側B端部に嵌合されることで、ブレーキデ
ィスク4がハブフランジ21に重ねられる。なお、この
ハブフランジ21のアウタ側Bには、重ね合せ凹部47
を介して図示しないタイヤホイールが重ねて取付けられ
ている。ブレーキディスク4は、図示しないホイールナ
ットをハブボルト22に螺着することで、ハブホイール
3に非分離かつ軸心10回りに回転一体に取付けられ
る。
【0028】前記連結環部52の環面に径方向に貫通し
た空気孔53が、円周方向等配位置に形成され、これら
空気孔53と前記放熱路60とで、前記制動板37,3
8を冷却するための冷却用空気61の通路62が形成さ
れている。
【0029】図5に示すように、前記連結環部52に形
成された空気孔53は、その壁面53a,53bの径方
向外側位置が、空気孔53の径方向内側位置を基準とし
て径方向面内で径方向に対して軸心10に向けて傾斜す
る(ブレーキディスク4の回転方向Eへ向けて傾斜す
る)よう形成されている。これにより、ブレーキディス
ク4が図の反時計方向(回転方向)Eに回転した際に、
連結環部52の径方向外方から径方向内方に向けて冷却
用空気61を導入し易くなっている。
【0030】上記構成において、制動時にブレーキキャ
リパ5に設けた図示しないシリンダ室に作動用圧油を供
給すると、油圧によってシリンダ室に支持されているピ
ストン部材が車両アウタ側Bへ押圧されて移動する。さ
らに作動用圧油をシリンダ室に供給すると、作動用圧油
の反力によって今度はキャリパ本体45が、インナ側A
に移動し、各ブレーキパッド56,57が、ブレーキデ
ィスク4の各制動板37,38における側面(制動面)
に軸心10方向両側から押付けられる。これにより、ブ
レーキディスク4が制動される。
【0031】ところで、車輪とともにブレーキディスク
4が軸心10回りに回転した場合、ブレーキディスク4
の制動板37,38の径は、重ね合せ凹部47よりも大
径に形成されており、重ね合せ凹部47よりも制動板3
7,38の角速度が大きいため、重ね合せ凹部47雰囲
気に対して制動板37,38が負圧になっている。この
ため空気は、重ね合せ凹部47側から制動板37,38
側へ流れ易い状態となっている。
【0032】このように、本発明の第一の実施形態にお
けるディスクブレーキ装置1では、連結環部52に形成
された空気孔53は、その壁面の径方向外側位置が、空
気孔53の径方向内側位置を基準として径方向面内で径
方向に対して軸心10に向けて傾斜するよう形成され
る。従って、連結環部52の径方向外方から径方向内方
に向けて冷却用空気61を導入し易くなっている。
【0033】さらに、制動板37,38どうしを一体化
する放熱フィン50の間には放熱路40が形成されてお
り、連結環部52の環面に径方向の空気孔53が形成さ
れて、これら空気孔53と放熱路60とで冷却用空気6
1の通路62が形成されている。この構成により、ブレ
ーキディスク4が反時計方向Eに回転すると、冷却用空
気61が通路62を通って制動板37,38側へ流れ易
くなり、各ブレーキパッド56,57が、ブレーキディ
スク4の各制動板37,38における側面に押付けられ
て、ブレーキディスク4が制動されることで加熱された
各制動板37,38が充分に冷却される。
【0034】このように、本発明の第一の実施形態に係
るディスクブレーキ装置1では、連結環部52に空気孔
53を形成し、この空気孔53を、その壁面53a,5
3bの径方向外側位置が、空気孔53の径方向内側位置
を基準として径方向面内で径方向に対して軸心10に向
けて傾斜するよう形成した。この構成によって、ブレー
キディスク4が回転した際に、連結環部52の径方向外
方から径方向内方に向けて冷却用空気61を導入し易く
している。従って、この冷却用空気61によって、制動
時に加熱された各制動板37,38を充分に冷却するこ
とができ、従来のディスクブレーキ装置に比べて、制動
性能の低下を抑えることができる。
【0035】なお上記実施形態では、従動輪側の転がり
軸受装置に本発明のディスクブレーキ装置1を適用した
例を示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち
本発明のディスクブレーキ装置1は、駆動側の転がり軸
受装置にも適用できる。
【0036】次に図6の断面図に基づいて、本発明の第
二の実施形態に係るディスクブレーキ装置1を説明す
る。この第二の実施形態が第一の実施形態と異なる点
は、放熱路40の構成である。すなわち、上記第一の実
施形態では、放熱路40の径方向外側の円周方向の幅を
径方向内側の円周方向の幅より大きく形成した。これに
対し、本発明の第二の実施形態では、放熱路40の径方
向外側位置が、放熱路40の径方向内側位置を基準とし
て径方向面内で径方向に対して軸心10に向けて軸心1
0方向(ブレーキディスク4の回転方向E)へ湾曲して
傾斜するよう形成されている。
【0037】他の構成は上記第一の実施形態と同様であ
るので、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】上記構成において、放熱路40の径方向外
側位置が、放熱路40の径方向内側位置を基準として径
方向面内で径方向に対して軸心10に向けて軸心10方
向へ湾曲して傾斜するよう形成されている。また、各制
動板37,38の外周部雰囲気の負圧が大きくなり易
い。また図5に示したように、連結環部52に形成され
た空気孔53は、その壁面53a,53bの径方向外側
位置が、空気孔53の径方向内側位置を基準として径方
向面内で径方向に対して軸心10に向けて傾斜するよう
形成されるので、連結環部52の径方向外方から径方向
内方に向けて冷却用空気61を導入し易くなっている。
このため、上記第一の実施形態に比べて通路62を通る
冷却用空気61の量が大きく(流速が速く)なり、従っ
て、各ブレーキパッド56,57が、ブレーキディスク
4の各制動板37,38における側面に押付けられて、
ブレーキディスク4が制動されることで加熱された各制
動板37,38が充分に冷却され、制動性能の低下を抑
えることができる。
【0039】次に図7、図8の断面図に基づいて本発明
の第三の実施形態を説明する。本発明の第三の実施形態
に係るディスクブレーキ装置1は、上記第一の実施形態
および第二の実施形態に比べてさらに冷却用空気61の
流れを良好にするよう工夫したものである。
【0040】すなわち、連結環部52の空気孔53は上
記各実施形態と同様に、その壁面53a,53bの径方
向外側位置が、空気孔53の径方向内側位置を基準とし
て径方向面内で径方向に対して軸心10に向けて傾斜す
るよう形成され、ひとつの空気孔53を形成する円周方
向両側の壁面53a,53bのうち回転方向側の壁面5
3aの径方向外側端部に、径方向外向きでかつ回転方向
Eに膨出する空気導入片45が形成されている。
【0041】また上記第二の実施形態と同様に、放熱路
40の径方向外側の円周方向の幅が径方向内側の円周方
向の幅より大きくなるよう形成され、放熱フィン50の
両壁面50a,50bのうち回転方向側の壁面50aの
径方向内側部に、径方向内向きでかつ回転方向Eに膨出
する空気導入片46が形成されている。他の構成は上記
第二の実施形態と同様である。
【0042】上記構成において、車輪およびブレーキデ
ィスク4が反時計方向(回転方向)Eに回転すると、ブ
レーキディスク4における連結環部52では、空気孔5
3を形成する円周方向両側の壁面53aに形成した空気
導入片45によって、空気孔53内に冷却用空気61が
確実に導入される。
【0043】また、車輪およびブレーキディスク4が反
時計方向Eに回転すると、放熱フィン50の壁面50a
に形成した空気導入片46によって、放熱路40内に、
空気孔53内を通ってきた冷却用空気61が確実に導入
される。
【0044】これにより、各ブレーキパッド56,57
が、ブレーキディスク4の各制動板37,38における
側面に押付けられて、ブレーキディスク4が制動される
ことで加熱された各制動板37,38が充分に冷却する
ことができ、制動性能の低下を抑えることができる。
【0045】ところで上記各実施形態では、空気は、重
ね合せ凹部47側から制動板37,38側へ流れること
になる、ということを前提に、冷却用空気61が、さら
に重ね合せ凹部47側から制動板37,38側へ流れ易
くするような構成とした。
【0046】しかし場合によっては、制動板37,38
側から重ね合せ凹部47側へ流れるようにすることも考
えられる。
【0047】この場合、制動板37,38の間に設けた
放熱路40と、連結環部52の空気孔53の傾斜方向
を、図9および図10の断面図に示すように、上記第二
の実施形態とは逆向きにし、その傾斜角度を調節するこ
とにより可能となる。
【0048】この場合は、冷却用空気61を、放熱路4
0から空気孔53に向けて通路62内を通すことで、各
ブレーキパッド56,57が、ブレーキディスク4の各
制動板37,38における側面に押付けられて、ブレー
キディスク4が制動されることで加熱された各制動板3
7,38が充分に冷却することができ、制動性能の低下
を抑えることができる。
【0049】さらに、上記各実施形態では、図2の斜視
図に示したように、空気孔53は連結環部52の環面
に、軸心10方向に沿うように形成したが、これに限定
されるものではない。例えば、図11の斜視図に示すよ
うに、冷却用空気61を各制動板37,38側へ流し易
いように、あるいは冷却用空気61を各制動板37,3
8側から取り入れ易いように軸心10に対して傾斜させ
るようにすることも考えられる。
【0050】さらに、上記各実施形態では、ブレーキデ
ィスク4の重ね合せ凹部47は、ハブホイール3に固定
される軸心10方向に垂直な径方向に沿った固定環部5
1と、この固定環部51の径方向外側部と一方の制動板
38の径方向内側部とを連結する、軸心10方向に沿っ
たスリーブ状の連結環部52とから一体的に形成したデ
ィスクブレーキ装置1の例を示した。しかし本発明はこ
れに限定されるものではなく、例えば図12の断面図に
示すように、連結環部52がインナ側Aの制動板37に
一体的に形成されるディスクブレーキ装置1にも適用で
きる。
【0051】この場合の冷却用空気61の流れとして
は、図に示すように、連結環部52の径方向内側から空
気孔53を通過して連結環部52の外側へ抜けて空気孔
53を通って放熱路40へ到り、制動板37,38が冷
却される。
【0052】なお、放熱路40、空気孔53の傾斜を、
上記図9および図10に示したように傾斜させることに
より、冷却用空気61の流れを放熱路40から空気孔5
3に到るように設定することもできる。そしてこの場合
も、上記各実施形態と同様に、制動板37,38を冷却
することができる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、ブレーキディスクの連結環に形成した空気孔と制動
板どうしを一体的に連結する放熱フィンの間の放熱路と
で、制動部を冷却するための冷却用空気の通路を形成し
たので、ブレーキディスクが軸心回りに回転すると、冷
却用空気が空気孔から放熱路へ、あるいは放熱路から空
気孔へ流れて、ブレーキパッドが押付けられることで加
熱された制動部を確実に冷却することができ、制動性能
の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施形態を示すディスクブレ
ーキ装置を含む車輪用軸受装置の断面図である。
【図2】 同じくブレーキディスクの単体斜視図であ
る。
【図3】 同じくブレーキディスクの単体断面図であ
る。
【図4】 図3におけるC−C線矢視図である。
【図5】 図3におけるD−D線矢視図である。
【図6】 本発明の第二の実施形態を示すブレーキディ
スクの制動板の断面図である。
【図7】 本発明の第三の実施形態を示すブレーキディ
スクの制動板の断面図である。
【図8】 同じく固定部の断面図である。
【図9】 別の実施形態を示すブレーキディスクの制動
板の一部断面図である。
【図10】 同じく固定部の一部断面図である。
【図11】 別の実施形態を示すブレーキディスクの単
体斜視図である。
【図12】 さらに別の形態のブレーキディスクを有す
る車輪用軸受装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクブレーキ装置 2 ナックル 3 ハブホイール 4 ブレーキディスク 5 ブレーキキャリパ 6 車輪用軸受装置 7 外輪部材 10 軸心 11 内輪部材 15 筒状部材 21 ハブフランジ 22 ハブボルト 37,38 制動板 40 放熱路 47 凹部 50 放熱フィン 51 固定環部 52 連結環部 53 空気孔 53a,53b 壁面 56,57 ブレーキパッド 60 放熱路 61 冷却用空気 62 通路 A インナ側 B アウタ側 C 反時計方向 E 車輪の回転方向

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受の回転輪に軸心回りに回転一
    体に取付けられるブレーキディスクの両側面である制動
    面に、ブレーキパッドを軸心方向両側から押付けてブレ
    ーキディスクに制動力を付与するディスクブレーキ装置
    であって、 前記ブレーキディスクが、ブレーキパッドが押付けられ
    る環状の制動部と、前記回転輪に取付けられて制動部よ
    りも小径の固定部とから構成され、前記制動部は、軸心
    方向で一対の制動板と、これら制動板どうしを一体的に
    連結する複数の放熱フィンとを備え、これら放熱フィン
    の間には制動板の径方向内側から径方向外側に亙って放
    熱路が形成され、前記固定部は、前記回転輪に固定され
    る軸心方向に垂直な径方向に沿った固定環と、この固定
    環の径方向外側部と前記一方の制動板の径方向内側部と
    を連結する軸心方向に沿った連結環とを備え、 この連結環に、径方向に貫通する空気孔が形成され、こ
    の空気孔と放熱路とで、前記制動部を冷却するための冷
    却用空気の通路が形成されたことを特徴とするディスク
    ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 放熱路の径方向外側位置が、放熱路の径
    方向内側位置を基準として径方向面内で径方向に対して
    軸心に向けて傾斜するよう形成されたことを特徴とする
    請求項1記載のディスクブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 空気孔の径方向外側位置が、空気孔の径
    方向内側位置を基準として径方向面内で径方向に対して
    軸心に向けて傾斜するよう形成されたことを特徴とする
    請求項1または請求項2記載のディスクブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1522755A1 (de) * 2003-10-08 2005-04-13 DaimlerChrysler AG Innenbelüftete Bremsscheibe
JP2010534813A (ja) * 2007-07-31 2010-11-11 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト ディスクブレーキ

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