JP2003206259A - フェニルエステルの製造法 - Google Patents

フェニルエステルの製造法

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JP2003206259A
JP2003206259A JP2002002089A JP2002002089A JP2003206259A JP 2003206259 A JP2003206259 A JP 2003206259A JP 2002002089 A JP2002002089 A JP 2002002089A JP 2002002089 A JP2002002089 A JP 2002002089A JP 2003206259 A JP2003206259 A JP 2003206259A
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catalyst
tellurium
reaction
catalyst containing
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Tetsuo Asakawa
哲夫 浅川
Takao Doi
孝夫 土井
Yoshihiko Mori
嘉彦 森
Takanori Miyake
孝典 三宅
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Tosoh Corp
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、ベンゼン、有機カルボン酸及
び分子状酸素を、触媒の存在下で反応させるにあたり、
触媒成分である高価なパラジウムの損失を低減させると
共に、触媒反応を安定化させ、効率的にフェニルエステ
ルを製造する方法を提供することである。 【解決手段】ベンゼン、有機カルボン酸および分子状酸
素を、触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造
するにあたり、パラジウムを含む触媒とテルルを含む触
媒を組み合わせることにより、反応により溶出したパラ
ジウムを回収すると共に、触媒反応を安定化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンゼン、有機カ
ルボン酸および分子状酸素を特定の触媒の存在下で反応
させフェニルエステルを製造するにあたり、パラジウム
を含む触媒とテルルを含む触媒を組み合わせることによ
り、反応によりパラジウムを含む触媒から溶出したパラ
ジウムをテルルを含む触媒により吸着・回収することに
より高価なパラジウムの溶出を防止すると伴に、テルル
を含む触媒にパラジウムを吸着させることにより触媒と
しての活性を付与し反応系を安定化させ、効率的にフェ
ニルエステルを製造する方法に関するものである。ま
た、本発明の生成物であるフェニルエステル、例えばフ
ェニルアセテートは、容易に加水分解しフェノールを製
造することができる。
【0002】
【従来の技術】ベンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸
素を特定の触媒の存在下、気相もしくは液相で反応させ
てフェニルエステルを製造する方法は、従来種々提案さ
れている。この反応では、触媒として周期律表第VII
I属の貴金属、特にパラジウムが用いられている。
【0003】例えば、特公昭46−33024号公報で
は、パラジウム又は白金を触媒として用いてフェニルエ
ステルを製造する方法が開示されている。特公昭48−
18219号公報では、更に高い活性の触媒を得るため
に、パラジウム又は白金触媒の活性促進剤として周期律
表第IV、V、VI族元素、特にビスマス、テルルを添
加した触媒を用い、アルカリ金属の酢酸塩の共存下で反
応する方法も提案されている。しかし、この方法では、
触媒の活性は低く、また、多量のアルカリ金属の酢酸塩
が必要であり、必ずしも工業的に実用的とは言えない。
【0004】特公昭55−15455号公報では、カド
ミウム、亜鉛、ウラン、錫、鉛、アンチモン、ビスマ
ス、テルル及びタリウムを助触媒として添加し、アルカ
リ金属の脂肪酸塩と硝酸の混合共存下でフェニルアセテ
ートを製造する方法が開示されているが、触媒の活性は
十分とは言えず、また、多量のアルカリ金属の酢酸塩が
必要であることに加え硝酸を使用することで設備の腐食
などの問題があり工業的観点から実用的ではない。
【0005】さらに、上記例のような気相で反応を行う
場合は、短時間に触媒の活性低下が生ずるという欠点を
有している。
【0006】一方、液相での反応の場合、触媒成分であ
るパラジウムが反応溶液中に溶出し、触媒活性が経時的
に低下するという欠点がある。
【0007】特開昭63−174950号公報では、こ
の触媒活性の経時的低下を抑制する方法としてビスマス
や鉛を反応系内に存在させる方法が提案されている。し
かし、この方法では、ビスマスや鉛を供給することによ
って、原料酸素濃度が低い場合には触媒成分であるパラ
ジウムの溶出を改善できるが、工業的実用レベルまで原
料酸素濃度を増すとパラジウムの溶出が起こり、長時間
の連続的な運転は困難であると共に高価なパラジウムを
損失してしまうために経済的でない。
【0008】以上のように従来の方法は工業的な実用性
の面で満足なものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ベ
ンゼン、有機カルボン酸及び分子状酸素を、触媒の存在
下で反応させるにあたり、触媒成分である高価なパラジ
ウムの損失を低減させると共に、触媒反応を安定化さ
せ、効率的にフェニルエステルを製造する方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【発明を解決するための手段】本発明者らは前述のよう
な従来技術の課題を解決するするため、鋭意検討した。
その結果、ベンゼン、有機カルボン酸および分子状酸素
を、特定の触媒の組み合わせの下で反応させフェニルエ
ステルを製造することにより、反応により溶出したパラ
ジウムを回収すると共に、触媒反応を安定化させ、効率
的にフェニルエステルを製造することができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、ベンゼン、有機カルボン
酸および分子状酸素を、触媒の存在下で反応させフェニ
ルエステルを製造するにあたり、触媒としてパラジウム
を含む触媒及びテルルを含む触媒を組み合わせることを
特徴とするフェニルエステルの製造方法に関するもので
ある。
【0012】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の製造方法は、ベンゼン、有機カル
ボン酸および分子状酸素を、触媒の存在下で反応させフ
ェニルエステルを製造するにあたり、触媒としてパラジ
ウムを含む触媒及びテルルを含む触媒を組み合わせるこ
とにより、反応の進行とともにパラジウムを含む触媒か
ら溶出するパラジウムを、テルルを含む触媒により吸着
・回収し、高価なパラジウムを効率良く回収すると伴
に、テルルを含む触媒の活性を高め生産効率良くフェニ
ルエステルを製造する方法に関するものである。
【0014】本発明に用いられるパラジウムを含む触媒
は、ベンゼン、有機カルボン酸および分子状酸素からフ
ェニルエステルを製造する活性を有し、パラジウムが担
体に担持された触媒あることが好ましく、特に助触媒と
してテルルがパラジウムと共に担持された触媒が、活性
が高く、好ましい。
【0015】担体を用いる場合の担体としては、例えば
シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ジルコニア、活性
炭、ケイソウ土、ゼオライト等が挙げられ、特にシリ
カ、ジルコニアが好ましい。
【0016】パラジウムを含む触媒において担体に担持
されるパラジウム量は担体及び助触媒を含む触媒全重量
に対して、パラジウム金属として0.01〜10重量%
であることが好ましく、特に0.1〜5重量%が好まし
い。
【0017】また、パラジウムを含む触媒がパラジウム
及び助触媒であるテルルを担持した触媒である場合のテ
ルル量は、テルル/パラジウム金属原子比(以下、Te
/Pd比と記す。)=0.01〜10であることが好ま
しい。
【0018】パラジウムを含む触媒、特にパラジウム、
又は、パラジウム及びテルルを含む触媒を調製する場合
の調製に使用するパラジウム又はテルルの出発原料は、
適宜選択することが可能であり、パラジウムとする場合
のパラジウム原料としては、通常のパラジウム触媒を調
製するために用いられる原料が使用でき、例えばパラジ
ウム金属、ヘキサクロロパラジウム酸アンモニウム、ヘ
キサクロロパラジウム酸カリウム、ヘキサクロロパラジ
ウム酸ナトリウム、テトラクロロパラジウム酸アンモニ
ウム、テトラクロロパラジウム酸カリウム、テトラクロ
ロパラジウム酸ナトリウム、テトラブロモパラジウム酸
カリウム、酸化パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラ
ジウム、ヨウ化パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラ
ジウム、ジニトロサルファイトパラジウム酸カリウム、
クロロカルボニルパラジウム、ジニトロジアンミンパラ
ジウム、テトラアンミンパラジウム、ジクロロジアミン
パラジウム、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウ
ム、テトラシアノパラジウム酸カリウム等を挙げること
ができる。
【0019】また、テルルを用いる場合のテルル原料と
しては、例えば金属テルル、塩化テルル(II)、塩化
テルル(IV)、酸化テルル(IV)、酸化テルル(V
I)、テルル酸(H6TeO6)、テルル酸カリウム、テ
ルル酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0020】パラジウムを含む触媒の調製法は、適宜選
択することが可能であり、一般的に用いられる方法で担
体にパラジウム等を担持させることができ、例えば含浸
法、沈着法、イオン交換法等が用いられる。
【0021】本発明に用いられるテルルを含む触媒は、
それ自体ではフェニルエステル製造触媒として活性を有
しないものであるが、上記のパラジウムを含む触媒から
溶出するパラジウムを吸着することにより高価なパラジ
ウムを効率良く回収すると共に、吸着したパラジウムに
よりフェニルエステル製造触媒としての活性を発現し、
フェニルエステル製造反応を安定化させ効率的にフェニ
ルエステル製造反応を進行するものである。
【0022】テルルを含む触媒はテルルが担体に担持さ
れた触媒あることが好ましい。その際の担体としては、
例えばシリカ、シリカアルミナ、アルミナ、ジルコニ
ア、活性炭、ケイソウ土、ゼオライト等が挙げられ、特
にシリカ、ジルコニアが好ましい。
【0023】該テルルを含む触媒におけるテルルとは特
に制限はなく、例えば金属テルルのほか、酸化テルル
(IV)、酸化テルル(VI)、テルル酸(H6Te
6)、テルル酸カリウム、テルル酸ナトリウム等のテ
ルル化合物を挙げることができる。
【0024】また、テルルを担体に担持させる場合のテ
ルル原料としては、例えば金属テルル、塩化テルル(I
I)、塩化テルル(IV)、酸化テルル(IV)、酸化
テルル(VI)、テルル酸(H6TeO6)、テルル酸カ
リウム、テルル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】テルルを担体に担持する場合の調製法は特
に限定されるものではなく、一般的に用いられる方法で
担体にテルルを担持させることができる。例えば、含浸
法、沈着法、イオン交換法等が挙げられる。
【0026】本発明の方法は、ベンゼン、有機カルボン
酸及び分子状酸素との反応に用いられる有機カルボン酸
としては、目的とする生成物であるフェニルエステルに
対応する任意の有機カルボン酸が使用でき、例えば酢
酸、プロピオン酸、酪酸等の脂肪族カルボン酸;安息香
酸等の芳香族カルボン酸が使用できる。得られたフェニ
ルエステルを加水分解してフェノールを製造する場合に
は、安価で大量に入手可能な酢酸、プロピオン酸が好ま
しく、特に酢酸が好ましい。
【0027】また、ベンゼンと有機カルボン酸の比率は
適宜選択することができ、ベンゼン/有機カルボン酸
(モル比)=1/0.1〜1/100であることが好ま
しい。
【0028】本発明の方法では、分子状酸素をベンゼン
と有機カルボン酸と共に用いる。分子状酸素とは、通常
酸素と称されているものでよく、酸素をそのまま用いて
も良いが、ガス組成を爆発範囲以下にするために、窒
素,ヘリウム,二酸化炭素等の不活性なガスで希釈され
た酸素又は空気を分子状酸素として用いることもでき
る。 分子状酸素の供給量は、反応形式や触媒量によっ
て適宜設定されるが、触媒層内の酸素分圧として0.0
01〜100kg/cm2が好ましく、特に0.01〜
50kg/cm2が好ましい。
【0029】ベンゼンと有機カルボン酸の供給量と触媒
量との関係は、反応方法により適宜選択することがで
き、例えば固定床の場合、単位触媒体積、単位時間当た
りのベンゼンと有機カルボン酸の合計供給量(以下、L
HSVと記す。)として、0.1〜50h-1が、特に
0.1〜30h-1が好ましい。また、懸濁床の場合に
は、触媒濃度は、ベンゼンと有機カルボン酸の供給量に
対し0.05〜30重量%が好ましい。
【0030】反応温度は、高い生産効率でのフェニルエ
ステルの製造が可能となることから、100〜300℃
が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。
【0031】反応圧力は、ベンゼン及び有機カルボン酸
の一部が液相となり、反応の進行が効率的になることか
ら常圧以上の圧力が好ましく、特に1〜200kg/c
2であることが好ましい。
【0032】本発明のフェニルエステルの製造方法とし
ては、触媒としてパラジウムを含む触媒及びテルルを含
む触媒を組み合わせて、ベンゼン、有機カルボン酸およ
び分子状酸素からフェニルエステルを製造することが可
能であれば、いかなる方法も選択することが可能であ
り、例えば1)パラジウムを含む触媒及びテルルを含む
触媒を同一反応器内に充填しフェニルエステルの製造と
溶出パラジウムの回収を同一反応器内で行う方法、2)
パラジウムを含む触媒とテルルを含む触媒を別々の反応
器に充填する方法等を挙げることができる。
【0033】そして、1)同一反応器内にパラジウムを
含む触媒及びテルルを含む触媒を充填する方法において
は、反応器入り口部にパラジウムを含む触媒含量を多く
し、反応器出口部にテルルを含む触媒含量を多くするこ
とがフェニルエステルへの反応効率及び溶出パラジウム
の回収の面で好ましい。
【0034】また、2)パラジウムを含む触媒とテルル
を含む触媒を別々の反応器に充填する方法においては、
前段反応器にパラジウムを含む触媒を充填しフェニルエ
ステルを製造した後に、テルルを含む触媒を充填した後
段反応器に該反応系を移し、溶出パラジウムの回収と同
時にテルルを含む触媒の活性向上を行いフェニルエステ
ルを製造することが好ましい。また、パラジウムを含む
触媒とテルルを含む触媒を別々の反応器に充填する場
合、前段反応器から流出する溶出パラジウムを含む反応
液をテルルを含む触媒を充填した後段反応器に、そのま
ま全量供給する方法,前段反応器の反応液の一部を分離
して後段反応器供給する方法,若しくは,前段反応器の
反応液の一部を分離し、精製して後段反応器に供給する
方法等を行うこともできる。さらに、前段反応器の反応
液を連続して後段反応器に供給する方法、若しくは、断
続して供給する方法のいずれでも良い。
【0035】反応液を断続して供給する場合、反応液の
供給を停止した時に、パラジウムが補足したテルルを含
む触媒を取り出し、パラジウムを分離しパラジウム化合
物として回収することもできる。さらに、テルルを含む
触媒が別の反応器に充填された場合のテルルを含む触媒
での反応条件は、パラジウムを含む触媒と同一、若しく
はテルルを含む触媒のフェニルエステル製造機能に応じ
て適宜設定したものでも良い。
【0036】本発明の方法では、反応器は特に限定され
ることはなく、従来の公知の、例えば、固定床流通型反
応器、多管式の反応器、回分式反応器、懸濁床反応器等
が用いられる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0038】なお、実施例は、本発明の特徴であるパラ
ジウムを含む触媒とテルルを含む触媒を組み合わせによ
り反応により溶出したパラジウムを回収すると共に、触
媒反応を安定化させる効果を明確にするために、あらか
じめパラジウム含有濃度が明らかな原料を用いてテルル
を含む触媒の溶出パラジウム回収効果の実施例(実施例
1,2,3及び4)と、パラジウムを含む触媒とテルル
を含む触媒を組み合わせた場合の溶出パラジウム回収及
び触媒反応安定化効果の実施例(実施例5)とを記載し
た。
【0039】実施例1 純水9mLにテルル酸0.389gを溶解させた。この
水溶液をジルコニア(ノートン社製)30gに含浸した
後、50℃、0.02kg/cm2で減圧乾燥した。乾
燥後、水素気流中600℃で還元しテルルを担持した触
媒を調製した。
【0040】この触媒10mlを内径13mmのステン
レス製反応管に充填し、反応温度190℃、反応圧力4
0kg/cm2で、酢酸パラジウムを金属パラジウム換
算で0.5ppm含むベンゼンと酢酸が等モルの混合溶
液を2.2g/分、酸素を37ml/分(0℃、1気圧
換算)、窒素を173ml/分(0℃、1気圧換算)で
供給し反応させた。
【0041】供給開始後、22時間目に反応生成物を捕
集し、原子吸光分光分析計で分析すると、流出した反応
液中のパラジウム濃度は金属パラジウム換算で0.02
ppm、パラジウムの回収率は96%であった。この
時、テルル量と供給したパラジウム量との原子比は、T
e/Pd比で205であった。また、ガスクロマトグラ
フィーでの分析から、フェニルアセテートの生成量は
0.023mmol/時間であった。
【0042】実施例2 実施例1の後に引き続き反応を継続し、供給開始後27
時間に、供給する溶液を酢酸パラジウムを金属パラジウ
ム換算で1ppm含むベンゼンと酢酸が等モルの混合溶
液に切り替えて供給した以外は、実施例1と同条件でベ
ンゼンと酢酸が等モルの混合溶液を供給し反応を継続し
た。供給開始後29時間及び190時間後の、流出反応
液中のパラジウムの濃度及びパラジウム回収率は、それ
ぞれ、0.02ppm、98%、及び0.04ppm及
び96%であった。また、テルル量と供給したパラジウ
ム量との原子比及びフェニルアセテート生成量は、それ
ぞれ、Te/Pd比で147、0.045mmol/時
間、及びTe/Pd比で13、0.058mmol/時
間であった。
【0043】比較例1 触媒の代わりにジルコニアのみを充填した以外は、実施
例1と同様の条件で0.5ppmの酢酸パラジウムを含
むベンゼンと酢酸の混合溶液を供給した。22時間後
の、流出反応液中のパラジウムの濃度及びパラジウム回
収率は、それぞれ、0.49ppm及び2%であった。
また、フェニルアセテート生成量は、0.017mmo
l/時間であり、パラジウム回収率は著しく低下した。
【0044】比較例2 触媒の代わりにガラスビーズのみを充填した以外は、実
施例1と同様の条件で0.5ppmの酢酸パラジウムを
含むベンゼンと酢酸の混合溶液を供給した。22時間後
の、流出反応液中のパラジウムの濃度及びパラジウム回
収率は、それぞれ、0.48ppm及び4%であった。
また、フェニルアセテート生成量は、0.014mmo
l/時間であり、パラジウム回収率は著しく低下した。
【0045】実施例3 金属パラジウム換算で10ppmの酢酸パラジウムを含
むこと以外は、実施例1と同じ条件でベンゼンと酢酸が
等モルの混合溶液を供給した。流出液中のパラジウム濃
度及びパラジウム回収率は、それぞれ、供給開始後23
時間で0.32ppm及び96.8%、供給開始後19
1時間で2.05ppm、79.5%であった。また、
テルル量と供給したパラジウム量との原子比及びフェニ
ルアセテート生成量は、それぞれ、Te/Pd比で9.
9、0.267mmol/時間及びTe/Pd比で1.
2、0.81mmol/時間であった。
【0046】実施例4 純水9mLにテルル酸0.389gを溶解させた。この
水溶液をジルコニア(ノートン社製)30gに含浸した
後、50℃、0.02kg/cm2で減圧乾燥した。乾
燥後、空気気流中500℃で焼成しテルルを担持した触
媒を調製した。
【0047】この触媒10mlを内径13mmのステン
レス製反応管に充填し、反応温度190℃、反応圧力4
0kg/cm2で、酢酸パラジウムを金属パラジウム換
算で10ppm含むベンゼンと酢酸が等モルの混合溶液
を2.2g/分、酸素を37ml/分(0℃、1気圧換
算)、窒素を173ml/分(0℃、1気圧換算)供給
した。
【0048】流出反応液中のパラジウム濃度及びパラジ
ウム回収率は、それぞれ、供給開始後23時間で0.0
8ppm、99.2%、143時間後で0.69pp
m、93.1%であった。また、テルル量と供給したパ
ラジウム量との原子比及びフェニルアセテート生成量
は、それぞれ、Te/Pd比で9.9、0.189mm
ol/時間及びTe/Pd比で1.6、0.526mm
ol/時間であった。
【0049】比較例3 ジルコニアのみを充填した以外は、実施例4と同様の条
件で10ppmの酢酸パラジウムを含むベンゼンと酢酸
の混合溶液を供給した。
【0050】流出反応液中のパラジウム濃度、パラジウ
ム回収率及びフェニルアセテート生成量は、供給開始後
23時間で、それぞれ、9.78ppm、2.2%及び
0.047mmol/時間、143時間後で、それぞ
れ、9.83ppm、1.7%及び0.049mmol
/時間であり、パラジウム回収率は著しく低下した。
【0051】実施例5 8.3重量%のジニトロジアンミンパラジウム硝酸水溶
液10.83gにテルル酸0.194gを溶解させた。
この水溶液をジルコニア(ノートン社製)30gに含浸
した後、50℃、0.02kg/cm2で減圧乾燥し
た。乾燥後、空気気流中500℃で焼成した後、水素気
流中400℃で還元しパラジウム及びテルルが担持され
た触媒を調製した。
【0052】この触媒10mlを内径13mmのステン
レス製反応管に充填し、反応温度195℃、反応圧力8
0kg/cm2で、ベンゼンと酢酸が等モルの混合原料
を4.4g/分、酸素を68ml/分(0℃、1気圧換
算)、窒素を352ml/分(0℃、1気圧換算)供給
し反応させた。反応器からの流出液を捕集し、原子吸光
分光分析計で分析すると、0.74ppmのパラジウム
が溶存していた。
【0053】この反応液を用いたこと以外は実施例1と
同じ条件で、反応液の供給を行った。供給開始後、23
時間目及び143時間目での流出液中のパラジウム濃
度、パラジウム回収率は、それぞれ、0.02ppm、
97.3%、及び0.03ppm、95.9%であっ
た。また、テルル量と供給したパラジウム量との原子比
及びフェニルアセテート生成量は、それぞれ、Te/P
d比で134、13.57mmol/時間及びTe/P
d比で21、13.62mmol/時間であった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ベンゼン、有機カルボ
ン酸および分子状酸素を、触媒の存在下で反応させフェ
ニルエステルを製造するにあたり、パラジウムを含む触
媒とテルルを含む触媒を組み合わせることにより、反応
により溶出したパラジウムを回収すると共に、高収率で
安定した反応をさせることが可能となり、フェニルエス
テルを経済的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/155 C07C 69/155 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA03 AA06 AA08 AA10 BA05B BA21B BC72A BC72B BD10A BD10B BE08B CB75 DA02 DA06 FA01 FB04 FB14 GA20 4H006 AA02 AC48 BA15 BA25 BA30 BA32 BA55 BA83 BE30 BJ50 KA13 4H039 CA66 CD10 CD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゼン、有機カルボン酸および分子状酸
    素を、触媒の存在下で反応させフェニルエステルを製造
    するにあたり、触媒としてパラジウムを含む触媒及びテ
    ルルを含む触媒を組み合わせることを特徴とするフェニ
    ルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】パラジウムを含む触媒及びテルルを含む触
    媒を同一反応系内に存在させ、反応中にパラジウムを含
    む触媒から溶出するパラジウムを、テルルを含む触媒に
    吸着・回収させることを特徴とする請求項1に記載のフ
    ェニルエステルの製造法。
  3. 【請求項3】パラジウムを含む触媒による反応を行った
    後に、反応系をテルルを含む触媒が存在する反応場に移
    し、反応系に溶出しているパラジウムをテルルを含む触
    媒に吸着・回収させることを特徴とする請求項1に記載
    のフェニルエステルの製造法。
  4. 【請求項4】テルルを含む触媒が担体に担持された触媒
    であることを特徴する請求項1乃至請求項3のいずれか
    に記載のフェニルエステルの製造法。
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