JP2003205426A - 放電加工機用電源 - Google Patents

放電加工機用電源

Info

Publication number
JP2003205426A
JP2003205426A JP2002154573A JP2002154573A JP2003205426A JP 2003205426 A JP2003205426 A JP 2003205426A JP 2002154573 A JP2002154573 A JP 2002154573A JP 2002154573 A JP2002154573 A JP 2002154573A JP 2003205426 A JP2003205426 A JP 2003205426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
electric discharge
discharge machine
machine according
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002154573A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4250377B2 (ja
Inventor
Taichiro Tamida
太一郎 民田
Takashi Hashimoto
隆 橋本
Akihiro Suzuki
昭弘 鈴木
Akihiko Iwata
明彦 岩田
Giichi Tsunoda
義一 角田
Akihiro Goto
昭弘 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2002154573A priority Critical patent/JP4250377B2/ja
Publication of JP2003205426A publication Critical patent/JP2003205426A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4250377B2 publication Critical patent/JP4250377B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、仮に少量の電荷量を放電極間に供給し
ても、電極間に電荷がどんどん溜まり、結果として大き
な放電しか発生させることができなかった。 【解決手段】 電荷を蓄積するコンデンサCqと、前記
コンデンサを充電する直流電源Vsと、電極間隙に前記
コンデンサに蓄積された電荷を流してパルス状の放電を
発生させるスイッチSuと、前記電極間隙と並列に接続
され、前記電極間隙を短絡するスイッチSlとを備え
た。 【効果】 非絶縁の状態でもごく微小な放電を安定して
生じさせることができ、ひいては細かい面粗さを得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微小な放電を安
定に生じさせることができ、主に仕上げ用の放電加工機
用電源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放電加工機用電源について図面を
参照しながら説明する。図37は、例えば『放電加工技
術』(斎藤、毛利、高鷲、古谷:日刊工業新聞社(19
97)p.75)に示された従来の放電加工機用電源の
基本的な回路構成を示す図である。また、図38は、図
37の従来の放電加工機用電源の動作を示すタイミング
チャートである。
【0003】図37に示すように、電極1、2間(ワイ
ヤ加工機の場合はワイヤとワーク、形彫加工機の場合は
型電極とワーク)が、スイッチング素子S(ここではF
ET(電界効果トランジスタ)を用いた)と抵抗Rsを
介して、直流電源V0に接続されている。スイッチング
素子SをON、OFFさせることによって、電極間にパ
ルス状の電圧波形が印加される。基本的には、この回路
でパルス電圧を印加できるのであるが、ここにいわゆる
コンデンサ放電の考え方を加えて、電極間にコンデンサ
Csを並列に付加することもある。あるいは、コンデン
サを付加しなくても、電極間には少なくとも放電ギャッ
プと加工液の誘電率によって形成される静電容量が存在
する。
【0004】この場合、電流波形は、図38に示すよう
に、放電開始直後にコンデンサCsからのピーク値の高
い電流パルスが、その後直流電源V0から抵抗Rsを経
由してピーク地の低い電流が流れることになる。
【0005】したがって、放電の強さはコンデンサCs
と抵抗Rs、および電圧値V0で決まる。今、放電の強
さ、つまり移動する電荷量を小さくしようとする場合、
これらの値を小さくしていけばよい。
【0006】まず、印加電圧V0であるが、放電を生じ
させるためにはある程度の電圧が必要であるので、この
値はある一定値以下には小さくすることはできない。
【0007】次に、抵抗Rsを大きくすると、この抵抗
Rsを通って流れる電流は小さくなる。ここで、放電ア
ークの持続にはある一定値以上の電流が必要であること
がわかっており、したがって抵抗Rsをある一定値以上
に大きくすると、抵抗Rsからの電流によってアークが
持続することができなくなり、抵抗Rsからの放電電流
はゼロになる。つまり、抵抗Rsからの放電電流は抵抗
Rsの値を大きくすることによってゼロにすることがで
きる。
【0008】最後に、コンデンサCsの値であるが、こ
れを小さくすればコンデンサCsからの放電電流は小さ
くなる。しかし、前述のように、電極間には電極間の静
電容量など、浮遊の静電容量がある程度存在し、これを
取り除くことはできない。したがって、コンデンサCs
からの放電電流にはある下限値、つまり電極間の浮遊容
量だけで放電するような下限値が存在することになる。
つまり、抵抗Rsを小さくすることによって電極間に流
れる放電の電荷量は小さくすることができるが、電極間
の浮遊容量以下にはすることができない。
【0009】電極間に存在するのは放電ギャップの静電
容量だけではない。その他の機械的な構造に起因する静
電容量や、あるいは加工に複数の電源を用いるため、他
の回路が電極間に接続されている場合、その回路の浮遊
容量などが電極間に並列に存在している。
【0010】あるいは、形彫加工機で電極を回転させる
ためのモータに浮遊する静電容量が存在する。これを示
したのが図39である。図39は、他の従来の放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【0011】一般には、これら電極1、2間の静電容量
以外の静電容量は、機械的な構造あるいは他の電源基板
までのフィーダ線などのインダクタンスLpを介して接
続されている。このようなインダクタンスLpを介して
存在している浮遊容量Cpの場合でも、電極間にDC的
な電圧を印加する場合はコンデンサCsと同等であるた
め、Cs+Cpの静電容量に相当する放電電流が流れる
ことになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】つまり、いくら抵抗R
sを小さくしても、印加電圧をV0として、放電電流の
電荷量は、V0×(Cs+Cp)より小さくすることは
できない。これが従来の放電加工の面粗さの限界を決定
していた。仮に少量の電荷量を放電極間に供給しても、
電極間を短絡するような終端抵抗あるいはスイッチが存
在しないので、電極間に電荷がどんどん溜まり、結果と
して大きな放電しか発生させることができなかった。
【0013】場合によっては仕上げ加工の段階で電極間
に接続されている他の加工電源をリレイ等によって切り
離す、あるいはワークを保持するための定盤を電気的に
絶縁することによって、浮遊容量Cpの値をできるだけ
小さくして仕上げ加工を行うこともある。この場合、た
しかに放電電荷量は小さくなり、面粗さは向上する。し
かし、一連の加工手順の途中で電源の切り離しや絶縁と
いった煩雑な工程が必要であった。電源や機械系に特に
変更を与えることなく(この状態を、「非絶縁」、と呼
ぶ)、荒加工から仕上げ加工までを進めることができ、
かつより良い面粗さを得ることのできる加工方法が必要
とされていた。
【0014】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、非絶縁の状態でもごく微小な放電
を安定して生じさせることができ、ひいては細かい面粗
さを得ることができる放電加工機用電源を得ることを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る放電加工
機用電源は、電荷を蓄積する電荷蓄積素子と、前記電荷
蓄積素子を充電する直流電源と、電極間隙に前記電荷蓄
積素子に蓄積された電荷を流してパルス状の放電を発生
させる第1のスイッチング素子と、前記電極間隙と並列
に接続され、前記電極間隙を短絡する第2のスイッチン
グ素子とを備えたものである。
【0016】この発明に係る放電加工機用電源は、電荷
を蓄積する電荷蓄積素子と、前記電荷蓄積素子を充電す
る直流電源と、電極間隙に前記電荷蓄積素子に蓄積され
た電荷を流してパルス状の放電を発生させる第1のスイ
ッチング素子と、前記電極間隙と並列に接続され、電気
的な容量成分を有する他の回路とを備えたものである。
【0017】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に直列に接続
され、抵抗値が10Ω以上、100kΩ以下である抵抗
素子をさらに備えたものである。
【0018】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に直列に接続
された、抵抗値が1kΩ以下である抵抗素子、及び第3
のスイッチング素子をさらに備えたものである。
【0019】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に直列に接続
された、インダクタンス素子、及び第3のスイッチング
素子をさらに備えたものである。
【0020】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記電荷蓄積素子が、1μF以下の容量を有するも
のである。
【0021】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記他の回路が前記電極間隙に接続されている場
合、前記各素子から構成された電源回路が動作する間は
前記他の回路の出力先において短絡するものである。
【0022】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記第1のスイッチング素子が、複数のトランジス
タが並列に接続されているものである。
【0023】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記電荷蓄積素子が、複数のコンデンサが並列に接
続され、前記第1のスイッチング素子は、前記複数のコ
ンデンサの各々に接続された複数のトランジスタから構
成されているものである。
【0024】さらに、この発明に係る放電加工機用電源
は、前記複数のコンデンサをN個のコンデンサ、前記N
個のコンデンサのうち最小の容量がCMINとすると、
N個のコンデンサの容量を、それぞれ、CMIN×2
(n−1)とし、但し(1≦n≦N)としたものであ
る。
【0025】この発明に係る放電加工機用電源は、電荷
を蓄積する第1の電荷蓄積素子と、前記第1の電荷蓄積
素子を充電する第1の直流電源と、電極間隙に前記第1
の電荷蓄積素子に蓄積された電荷を流してパルス状の放
電を発生させる第1のスイッチング素子と、第2の直流
電源と、前記電極間隙又は電極間隙と並列に存在する電
荷を前記第2の直流電源に引き抜く第4のスイッチング
素子とを備えたものである。
【0026】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、請求項11記載の放電加工機用電源において、前記
第2の直流電源と並列に電荷を蓄積するための第2の電
荷蓄積素子をさらに備えたものである。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る放電加工機用電源について図面を参照しな
がら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。なお、各
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0028】図1において、図39と同様、電極1、2
間は、静電容量Csと水の抵抗Rwが存在する。図39
との違いはまず、電荷を一端蓄えておくコンデンサCq
がスイッチSuの前に存在することと、抵抗Rsは放電
電流を制限するための抵抗ではなく、むしろコンデンサ
Cqを充電するための抵抗の役割を果たしていること、
である。
【0029】また、コンデンサCqから放電間隙に至る
までの経路は、できるだけインピーダンスが少ないこと
が望ましい。放電用のスイッチSuが存在しているが、
例えばこのスイッチとしてFETを用いる場合、ON時
の抵抗は十分小さいと考えてよい。また実際には、その
経路にはフィーダ線などのインダクタンスLsが存在し
ている。さらに、この回路の特徴として、電極間に並列
に、電極間を短絡するようなスイッチSlが設けられて
いる。
【0030】つぎに、この実施の形態1に係る放電加工
機用電源の動作について図面を参照しながら説明する。
図2は、この発明の実施の形態1に係る放電加工機用電
源の動作を示すタイミングチャートである。
【0031】図2において、(a)はスイッチ2つの動
作タイミング、(b)はコンデンサCq両端の電圧の変
化、(c)は電極間にかかる電圧をそれぞれ示す。
【0032】ここで放電は生じなかったものとする。ま
ず、時刻t=0ではコンデンサCqの両端には電圧Vs
が印加され、電荷Cq×Vsが蓄積されているとする。
また、スイッチSuおよびSlは共にOFFであるとす
る。この状態で、時刻t=t1にスイッチSuがONに
なる。すると、コンデンサCqに蓄積された電荷はイン
ピーダンスの小さい経路を通って電極間に印加される。
【0033】まず、経路のインピーダンスが十分小さい
場合、電極間には瞬間的に、コンデンサCqに蓄えられ
ていた電圧値Vsとほぼ同じ程度の電圧Vpが印加され
る。実際には、経路のインピーダンスLsの影響で、電
圧VpはVsよりも小さくなる。
【0034】その後、コンデンサCqに蓄えられた電荷
Cq×Vsが、コンデンサCqと電極間のキャパシタン
スCsに分圧された電圧値Vdに漸近する。つまり、最
初に高いピークの電圧がかかり、だんだん低くなる。ス
イッチSuは電荷を吐き出した後、OFFするが、その
後電極間が電圧Vdに漸近する間でスイッチSlをON
にすると、電極間に溜まった電荷がこのスイッチSlを
通って短絡され、電極間の電圧はゼロに戻る。
【0035】ここで、電極間には水の抵抗Rwが存在す
るが、この値は一般に十分大きいので、抵抗Rwを介し
て電圧がゼロになるにはかなり時間がかかる。またスイ
ッチSuがOFFになるとコンデンサCqは再び充電を
始め、この充電の時定数はCq×Rsである。
【0036】さて、ここで放電が生じた場合を考える。
放電が生じると電極間のインピーダンスが急激に低下
し、電極間電圧が低下して、あるアーク電圧になる。そ
して電極間に電流が流れる。このとき、流れる電流はス
イッチSuがONされている間は、コンデンサCqある
いは抵抗Rsから供給され、図37のようなものにな
る。
【0037】ここで、もし抵抗Rsが十分に大きな値で
あり、抵抗Rsからの電流ではアークが持続できない場
合、流れる電流はコンデンサCqからの電流だけにな
る。このことはつまり、スイッチSuのタイミングによ
らず、放電で流れる電流の量を、回路上の既知のコンデ
ンサCqによって制御できる、と言うことを意味する。
前述のように、放電痕の深さは流れる電流の電荷量で決
まる。つまり、加工の面粗さをコンデンサCqの値で制
御することができる。
【0038】例えば図37の場合では、スイッチSのO
N時間によって放電の電荷量を制御していた。しかし、
目的とする電荷量の値が小さくなるとスイッチSのON
時間が短くなり、スイッチS例えばFETの立ち上がり
速度等の関係で、あまり短い時間のスイッチSの開閉は
困難になる。図1のような回路構成の場合、スイッチS
uのON時間ではなく、コンデンサCqおよび印加電圧
Vsによって電荷量を制御できる。これが本発明の実施
の形態1の特徴である。
【0039】ここで、スイッチSlの必要性であるが、
もしスイッチSlがなければ、放電が何回か連続して生
じなかった場合、電極間の静電容量Csにどんどん電圧
が蓄積されていき、例えばn回放電電荷の投入が行われ
た場合、電極間の電圧はVd×nとなる(但し、Vd×
n<Vs)。従って、その後放電が生じた場合は、通常
のn倍の電荷量が流れることになり、面粗さを悪くす
る。つまり、常に一定の電荷量を放電させる、という本
発明の本来の目的を達することができなくなるからであ
る。
【0040】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図3は、この発明の実施の形態2に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。また、図4は、こ
の発明の実施の形態2に係る放電加工機用電源の動作を
示すタイミングチャートである。
【0041】図3に示す回路構成は、図1と同様、電極
間は静電容量Csと水の抵抗Rwが存在する。また、図
39との違いは図1と同様、電荷を一端蓄えておくコン
デンサCqが、スイッチSuの前に存在することと、抵
抗Rsは放電電流を制限するための抵抗ではなく、むし
ろコンデンサCqを充電するための抵抗の役割を果たし
ていること、である。コンデンサCqから放電間隙に至
るまでの経路は、できるだけインピーダンスが少ないこ
とが望ましい。
【0042】図1の場合と異なるのは、電極間に他の回
路あるいは機械的構造に起因する浮遊の静電容量Cpが
接続されていることである。多くの場合この浮遊の静電
容量Cpと電極間の間にはインダクタンスLpが存在し
ている。
【0043】まず、時刻t=0でコンデンサCqの両端
の電圧はVs、電極間の電圧はゼロであるとする。時刻
t=t1でスイッチSuがONになる。すると、コンデ
ンサCqから電極間に電流が流れ込む。ここで、その経
路の抵抗成分が十分に小さい場合、電極間には短パルス
で高ピークな電圧パルスが印加される。
【0044】このとき電圧値のピークVpはこの経路の
インダクタンスLsがインダクタンスLpと比較して十
分小さければ、もともとコンデンサCqに充電されてい
た電圧値Vsと同じくらいになる。十分小さくなくて
も、おおよそVp=Lp/(Lp+Ls)×Vsの電圧
が印加される。
【0045】電圧パルスはしばらく共振して振動波形を
示した後、ある一定値Vdになる。ここで、Vd=Vs
×Cq/〔Cq+Cs+Cp〕である。今、コンデンサ
Cqは浮遊の静電容量Cpと比較して十分に小さいもの
を想定しているので、Vdの値はVsと比較して十分に
小さい。
【0046】今、電源に接続されている抵抗Rsが、放
電アークを維持することができない程度に十分大きいと
する。このとき、時刻t=t1で電圧パルスが印加さ
れ、電極間に放電が生じた場合、電極間には電流が流れ
るが、抵抗Rsは十分大きく電流を供給できないので、
電極間に流れる電荷量は最大でコンデンサCqに蓄積さ
れた電荷量である。つまり、電極間に流れる電荷量をコ
ンデンサCqの値で制御することができる。
【0047】そして、このコンデンサCqの値を小さく
しても、放電の経路の抵抗が十分小さく、インダクタン
スLsも十分小さければ、電極間に印加される電圧値は
十分高くすることができる。したがって、十分小さいコ
ンデンサCqで十分高い電圧パルスを印加して、放電を
生じさせ、かつその放電の電荷量を十分小さく制限する
ことができる。
【0048】例えば、従来の回路では電荷を制限する素
子Cqが存在せず、電極間に接続された容量あるいは寄
生している容量Cp+Csに直接電荷を蓄積することに
よって電極間への電圧印加が行われていた。したがっ
て、電極間の電圧値が放電できるまでに高くなった時に
は、ここに蓄積された電荷量もその分だけ大きくなり、
その電荷量が放電によって電極間に流れるために弱い放
電をさせることができなかった。今回の発明では電荷を
蓄積する素子をスイッチング素子の外部に設けインピー
ダンスの小さい経路を介してこれを電極間に印加するこ
とで高いピーク値の電圧を瞬間的に印加することができ
る。ここで、電極間に寄生している大きな静電容量Cp
までにはインダクタンスLpが存在するので、急激な電
圧パルスに対しては静電容量Cpが見えなくなる。
【0049】さて、図3では、図1のように電極間を短
絡するスイッチSlが存在していない。これは、後述す
るように並列に接続されている電源あるいは機械的構造
に、場合によっては抵抗成分Rp(点線)が存在し、も
し放電が生じなかった場合は電極間に蓄積された電荷量
Cq×Vsが抵抗成分Rpを通って流れ、極間の電位差
がゼロに戻るからである。
【0050】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図5は、この発明の実施の形態3に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。また、図6は、こ
の発明の実施の形態3に係る放電加工機用電源の動作を
示すタイミングチャートである。
【0051】抵抗成分Rpが存在しない場合、あるいは
十分大きいため、高繰り返しに動作させるためにはスイ
ッチによって電極間を短絡する必要がある場合は、上記
実施の形態1のように、電極間を短絡するようなスイッ
チSlを設ければよい。このことを示したのが、図5お
よび図6である。
【0052】実施の形態1の場合と比較して、電極間の
静電容量はCs+Cpと十分大きいので、一定値に達し
たときの電圧値Vdは図2よりも十分小さいが、それで
も放電をしなかった場合には電荷がCpとCsに蓄積し
ていく。このまま何度もスイッチSuをONして、その
たびに電荷量Cq×Vsを流し込んだ場合、電極間の電
圧は徐々に上昇し、いつかは放電できるような電圧に達
して、Cpに蓄えられた大量の電荷の流れる大きな放電
が生じてしまうことになる。このため、この回路におい
てはCpやCsに蓄積した電荷を一回ごとにゼロにして
しまうことが望ましい。
【0053】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図7は、この発明の実施の形態4に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【0054】ここで、短絡させるためのスイッチSlで
あるが、短絡経路に存在するのがスイッチSlだけの場
合、溜まった電荷のエネルギーを全てスイッチSlで消
費させることになるので、スイッチSlにかかる熱的な
負荷が問題となる。
【0055】この場合、図7に示すように、スイッチS
lに直列に抵抗器Rlを挿入すると、エネルギーの一部
あるいはほとんどを抵抗器Rlで消費させることができ
るので、FETであるスイッチSlにかかる負荷は少な
くなる。但し、繰り返しを十分に早くするためには、抵
抗器Rlはある程度小さい値でなくてはならない。
【0056】電荷が短絡してゼロになる時定数は、 (SlのON抵抗+Rl)×(Cs+Cp) で決まるが、今、スイッチSlとしてFETを想定して
いる場合、一般にON抵抗は十分小さいので、概ね、 Rl×(Cs+Cp) と考えてよい。この値がスイッチSlのON時間以下で
ある必要がある。
【0057】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図8は、この発明の実施の形態5に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【0058】さて、スイッチSuあるいはSlは、スイ
ッチング速度が速く、高速、高繰り返しの動作を行う必
要があることと、ON時の抵抗も十分小さいことなどか
ら、FETを用いることが適当である。FETはドレイ
ン−ソース間に電圧を印加すると、ON時にはドレイン
からソースへ電流が流れ、OFF時にはそれが遮断され
る。ここで、FETには通常、ソース−ドレイン方向に
ダイオードが寄生している。つまり、スイッチング素子
のON、OFFにかかわらず、もしもソースがドレイン
よりも高電位になった場合はソースからドレインに向か
って電流が流れる。
【0059】本発明(実施の形態5)の場合、例えば図
2や図4のような電流が流れるが、その波形は放電極間
あるいは接続されている他の電源などによって変化し、
複雑な共振波形となる。この場合、通常ドレインからソ
ースに向かって電流が流れるはずのところが、波形のリ
ンギングなどで逆に電圧がかかって、ソースがドレイン
よりも高電圧になって、電流が逆流する可能性がある。
これを防ぐためには、FETに直列に、逆流を防ぐよう
なダイオードを挿入することがよく行われる。図8に、
この場合の回路図を示す。この図8では、スイッチS
u、Slの両方に直列なダイオード3、4を挿入してい
るが、かならずしも両方必要であるわけではない。目的
とする波形あるいは目的とする性能を達成できるように
調節するべきものである。
【0060】実施の形態6.この発明の実施の形態6に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図9は、この発明の実施の形態6に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【0061】上記実施の形態5では、FETでの電流の
逆流を防ぐ意味でFETの寄生ダイオードと逆向きのダ
イオード3、4を挿入したが、この場合、逆流は防げる
が、リンギングなどによってマイナスに振れた電極間電
圧はそのままである。プラスマイナスに振動している波
形を積極的にプラス方向に整流するためには、図9に示
すように、電極間にダイオードDsを挿入すればよい。
このとき、このダイオードDsは十分高速である必要が
ある。
【0062】実施の形態7.この発明の実施の形態7に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図10は、この発明の実施の形態7に係る放電加
工機用電源の回路構成を示す図である。
【0063】電荷量を一旦蓄えるコンデンサCqは、蓄
えた電荷を高速に瞬間的に吐き出さなければならないの
で、その周波数応答性は十分高い必要がある。目的とす
るパルス幅は数十nsからμs程度であるので、少なく
とも10kHz以上の、より望ましくは1MHz以上の
周波数に対応できる必要がある。このような高速のコン
デンサとして、例えばフィルムコンデンサが挙げられ
る。
【0064】コンデンサCqから電荷が一気に放電する
際、その経路のインダクタンスのために、リンギングが
生じ、コンデンサCqの両端の電圧が一時マイナスにな
ることがある。これを避けるために、図10に示すよう
に、コンデンサCqに並列に高速なダイオード5を挿入
する方法がある。
【0065】実施の形態8.この発明の実施の形態8に
係る放電加工機用電源について説明する。
【0066】さて、コンデンサCqが放電して、一旦、
コンデンサCqの両端の電圧がゼロになった後、このコ
ンデンサCqに再びVsだけの電圧が充電されるために
はある程度の時間がかかる。この時間は、例えばCqと
Vsが抵抗Rsで接続されている場合、Cq×Rsがそ
の時定数になる。この値はあくまで時定数であって、充
電が完了するまではこの倍以上の時間が必要である。
【0067】従って、抵抗Rsの値が大きくなると高繰
り返しの動作ができなくなる。コンデンサCqの値は、
0.1〜10nF程度であることが多いので、抵抗Rs
の値が、例えば100kΩ以上であれば、その時定数は
1msと十分な繰り返しを得ることができなくなる。従
って、抵抗Rsの値としては100kΩ以下、望ましく
はkHz以上の繰り返しが可能なように10kΩ以下で
ある必要がある。
【0068】一方、抵抗Rsの下限値であるが、図37
において、抵抗Rsからの電流が無くなるためには、ア
ークの持続ができなくなる程度に抵抗Rsからの電流値
が小さくなくてはならない。この電流は理想的には、ア
ーク電圧をVaとすると、(Vs−Va)/Rsで見積
もることができ、アークが維持できる最小の電流値は条
件にも因るが1A前後である。従って、抵抗Rsの値は
最も小さくても10Ω以上、望ましくは100Ω以上で
ある必要がある。この場合、抵抗Rsからの電流供給で
はアークは持続できなくなり、放電電荷量を最小限に抑
えることができる。
【0069】実施の形態9.この発明の実施の形態9に
係る放電加工機用電源について図面を参照しながら説明
する。図11は、この発明の実施の形態9に係る放電加
工機用電源の回路構成を示す図である。また、図12
は、この発明の実施の形態9に係る放電加工機用電源の
動作を示すタイミングチャートである。
【0070】上記実施の形態8によれば、抵抗Rsの値
にはある制限が存在する。実際には、抵抗Rsからの後
続電流はゼロにしたいので、抵抗Rsはある値以上とな
り、かつ充電に必要な時間をできるだけ短くしたい、つ
まり放電の周波数をできるだけ高くしたいので、抵抗R
sは許容される一番小さな値に設定される。逆に言う
と、アークを切るための抵抗Rsの値の下限が、最大動
作周波数を決めてしまう。
【0071】これ以上に動作周波数を上げる方法の一例
を図11に示す。抵抗Rsと直列に、スイッチSrが挿
入されている。このスイッチSrは、同じくFETなど
の素子が用いられる。
【0072】スイッチSrの動作タイミングを図12で
示す。スイッチSuがONして、コンデンサCqから電
荷が流入しているときはスイッチSrはOFFである。
その後、スイッチSuがOFFするとスイッチSrがO
Nして、抵抗Rsを経由した充電が始まる。
【0073】つまり、充電経路の抵抗値を時間的に変化
させることによって、コンデンサCqに充電するときに
は経路の抵抗値を低くして充電時間を短くし、コンデン
サCqが放電するときは十分抵抗値を大きくして抵抗R
sからの後続電流がなくなるようにする。
【0074】この方式の場合は、抵抗Rsとして抵抗値
の十分小さなもの用いても構わないし、小さいだけ充電
に要する時間は短くなるので高繰り返しの動作が可能に
なる。極端な場合、抵抗Rsは必要なく、スイッチSr
のON抵抗だけでも構わない。但し、充電経路には多少
のインダクタンスが存在し、抵抗があまりに小さいとリ
ンギングなど波形の乱れが生じる可能性がある。
【0075】また、熱の問題がある。一回の充電によっ
て抵抗で損失されるエネルギーはCq×Vs^2/2で
あり、抵抗Rsの値によらない。従って、抵抗Rsの抵
抗値が小さくなっても消費する熱量は同じである。一
方、抵抗値があまりに小さくなり、スイッチSrのON
抵抗と同程度になれば、スイッチSrのON抵抗によっ
てスイッチでの発生熱が大きくなる、という問題が生じ
る。従って、抵抗Rsの値としては、繰り返し周波数の
許す範囲で大きい値、例えば1kΩ以下が望ましい。
【0076】尚、図12において、スイッチSu、スイ
ッチSlを使用する回路構成におけるそれぞれの動作タ
イミングはON期間が重ならないように表現している。
しかし、その必然性はなく、スイッチSuがスイッチS
lよりも先にONしており、且つその時間内にコンデン
サCqから電流が流しきれれば、それ以降両パルスのO
N期間が重なっていても問題はない。スイッチSuが十
分長い時間ONしたとしても電極間に流れる電流形状は
コンデンサCq、電極間までのインダクタンスLsによ
りおよそ規定されているし、この状態でスイッチSu、
スイッチSlの両方がONしたとしても電源Vsとの間
には大きな抵抗Rsが存在するため電流はほとんど流れ
ない。
【0077】スイッチSuとスイッチSlのON期間が
重なるように設計すれば、スイッチSuを高速スイッチ
ングする必要がなく、回路設計を容易に行うことができ
る。
【0078】実施の形態10.この発明の実施の形態1
0に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図13は、この発明の実施の形態10に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。また、図
14は、この発明の実施の形態10に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【0079】図13に、コンデンサCqの充電方法の他
の例を示す。この図13では、抵抗Rsの代わりにイン
ダクタンスLsが故意に挿入されている。この場合、ス
イッチSrがONになると、CとLの共振で振動しなが
ら、コンデンサCq両端の電位差はVsに近づいてい
く。
【0080】図14の点線で示すように、電圧がVs付
近に達したときにスイッチSrをOFFにすると、コン
デンサCqがVsに充電される。このとき、抵抗充電の
場合に発生していたCq×Vs^2/2の損失エネルギ
ーが発生しない。従って、効率の良い充電が可能にな
る。
【0081】実施の形態11.この発明の実施の形態1
1に係る放電加工機用電源について説明する。
【0082】ここで、コンデンサCqの値について考え
る。コンデンサCqの値とはつまり、放電させる電荷量
である。この電荷量の大きさは、仕上げ面の面粗さを決
定する。本発明の目的は、従来の方法ではどうしても
(Cs+Cp〕×Vsだけの電荷が入ってしまっていた
のに、それをCq×Vsに制限して、より小さな電荷量
を制御しつつ投入しようと言うものである。
【0083】従って、コンデンサCqは、Cs+Cpよ
りも小さいものでなければ、本回路方式を用いる必要が
ない。もちろん、荒加工から順次仕上げ加工に移って行
く間に、より大量の電荷を投入して、面粗さは悪くとも
加工能力の高い加工を行う必要もある。今、コンデンサ
Cpの値は、数十nF程度と見積もっているが、これは
機械の構成等で大きく変化する。従って、コンデンサC
qの値としては概ね1μF以下と考えてよい。なお、コ
ンデンサCqの値を0FFにしても、回路の浮遊容量が
必ず存在するが、実際には回路の浮遊容量だけでは十分
な放電をさせることができないため、電荷蓄積用のコン
デンサCqを挿入する必要がある。
【0084】実施の形態12.この発明の実施の形態1
2に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図15は、この発明の実施の形態12に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。
【0085】図15では、コンデンサCqとスイッチS
uとの間に、故意にインダクタンスLuが挿入されてい
る。これによって、放電極間に印加されるパルスのピー
ク値は低くなるが、そのパルス幅は広くなる。つまり、
インダクタンスLuを調節することによって印加パルス
のピーク値とパルス幅を調節することができる。
【0086】放電には遅れ時間があり、電圧を印加して
直ちに放電が生じるわけではなく、あまりに電圧パルス
の幅が短いと放電が生じにくくなる。従って、ピーク値
を多少低くしてもパルス幅を長くしたほうが放電が生じ
やすくなる場合もある。また、ピーク値が低くなること
によって、FETのスイッチングにともなう損失が大幅
に軽減される。
【0087】実施の形態13.この発明に係る放電加工
機用電源を含むワイヤ放電加工機について図面を参照し
ながら説明する。図16は、この発明に係る放電加工機
用電源を含むワイヤ放電加工機の構成を示す図である。
【0088】上記実施の形態12では、インダクタンス
を故意に挿入してパルス幅を調節する方法について述べ
たが、一般には回路と電極間を繋くインダクタンスLs
が少なからず存在し、その結果、電極間にはVsと比較
してかなり低い値の電圧パルスしかかからない場合が多
い。この場合は、逆にできるだけ経路のインダクタンス
を小さくする必要がある。
【0089】図16はワイヤ放電加工機の場合につい
て、本発明の電源を実際に搭載するときに、どのような
形で放電極間や電源が接続されるかを示した図である。
ここで、放電極間はワイヤ1とワーク2の間の間隙のこ
とを指している。ワーク2は、一般に加工テーブル6の
上に固定され、給電は加工テーブル6と給電端子7から
行われる。従って、本発明の電源10のほかに、他の加
工電源20がある場合は、図16のように加工テーブル
6と給電端子7間に電圧を印加するような形になってい
る。
【0090】本発明の電源10も、同様に何らかの給電
フィーダ8を用いて加工テーブル6と給電端子7に電圧
を印加する必要がある。一般に、この給電フィーダ8お
よび給電点から放電ギャップ迄のインダクタンスがLs
になる。
【0091】まず、給電フィーダ8のインダクタンスを
いかに小さくするかであるが、フィーダの長さをできる
だけ短くする等のほかには、給電フィーダ8に同軸ケー
ブルを用いることが有効である。
【0092】一方、同軸ケーブルはインダクタンスが少
ない代わりに、ケーブルの浮遊容量が大きい、という特
徴がある。この浮遊容量は、逆に、極間に印加される電
圧値を低くするため、好ましくない。もしもインダクタ
ンスが少なくなることによる効果よりも、ケーブルの浮
遊容量による効果の方が大きくなると、同軸ケーブルを
用いることは逆に不利となる。この場合はインダクタン
スは同軸ケーブルよりも大きいが、浮遊容量の小さいツ
イストケーブルを用いるか、あるいはツイストケーブル
を多数束ねて用いるなどの方法が有効である。
【0093】実施の形態14.この発明に係る放電加工
機用電源を含む他のワイヤ放電加工機について図面を参
照しながら説明する。図17及び図18は、この発明に
係る放電加工機用電源を含む他のワイヤ放電加工機の構
成を示す図である。
【0094】この実施の形態14では、給電フィーダの
給電点から放電ギャップまでのインダクタンスをいかに
減らすかについて述べる。例えば、図17では、給電点
をできるだけワーク2に近くした例が示されている。こ
の場合、ワーク2に直接給電しているので、ワーク2の
取りつけ時に電極を取り付ける必要があるが、その分イ
ンダクタンスはかなり小さくなる。
【0095】さらに極端には、図18のように、電源1
0自体を給電端子7に取り付け、そこからワーク2まで
接続線を出すだけであれば、フィーダ線も必要なくな
り、接続に伴うインダクタンスは大幅に抑えられる。
【0096】実施の形態15.この発明の実施の形態1
5に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図19は、この発明の実施の形態15に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。
【0097】もしインダクタンスLsを十分小さくする
ことが困難であれば、逆にLpを故意に大きくする、と
いう方法が考えられる。電極間にはおおよそVp=Lp
/(Lp+Ls)×Vsの電圧が印加されると、上記実
施の形態2で述べたが、このLpを大きくすれば電極間
にかかる電圧は高くなる。図19にその例を示す。Lp
に加えて、インダクタンスLaが故意に挿入されてい
る。
【0098】ただし、この場合、この他の加工電源から
電極間までのインダクタンスが増えることになり、この
加工電源の加工性能が低下する恐れがある。例えば、こ
の電源が荒加工に用いられるような、大電流を流して加
工を行うような電源の場合、回路のインダクタンスは電
極間にどれだけたくさんの電流を流せるかを制限するも
のなので、加工能力に直接影響する。従って、直列に接
続したインダクタンスLaを短絡するようなスイッチS
aを設けておき、加工の段階で切り替えればよい。この
スイッチSaは、ON時には十分小さい抵抗値である必
要があるので、FETなどの素子よりは、コンダクタの
ようなものが適当である。
【0099】実施の形態16.この発明の実施の形態1
6に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図20は、この発明の実施の形態16に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。
【0100】本発明の目的は面粗さを良くするために、
できるだけ小さい電荷量の放電を発生させることにあ
る。そのために、電荷量をコンデンサCqで制限するの
であるが、しかし実際上はおのずと限界がある。まず、
放電を生じさせるためにはある程度以上の電圧が電極間
にかからなければいけない。コンデンサCqを小さくし
ていった場合、Vsを大きくすることも可能であるが、
回路の耐圧などの関係でVsにもおのずと上限がある。
実際の装置の構造上、Lsを小さくすることにも限界が
ある。
【0101】図20では、Cq×Vsで決定された電荷
量よりも更に小さい電荷量の放電を生じさせる方法につ
いて述べる。
【0102】まず、本回路方式で、かつ外部に他の加工
用の電源回路が接続されている場合、電圧波形は最初に
電極間に印加されるパルス幅の短い急峻なパルスと、一
旦、Cpに行ってから、反射して電極間に戻ってくる2
つ目のパルスの、2つのパルスが観測されることが多
い。これは、コンデンサCqのエネルギーの一部が、一
旦、Cpまで行って戻ってきていることを示す。このと
きの電圧波形模式図を図21(a)に示す。
【0103】ここで、図20に示すように、抵抗器Rp
でCpを短絡するような径路を設ける。抵抗器Rpの値
は非常に小さいもので、あるいは抵抗値ゼロつまり直接
短絡しても良い。なお、他の回路の動作のために、この
短絡経路を切り離すスイッチSpを設けておく必要があ
る。
【0104】これは実際の装置の構成では、他の回路
と、放電極間を結ぶ、フィーダ線の根元を短絡すること
になる。あるいはまた他の回路の内部(図20における
電源20の内部)にスイッチSp、抵抗器Rpを構成し
てもよい。スイッチSpは双方向スイッチなどを用いて
電気的に開閉してもよいし、リレーを利用して機械的に
開閉してもよい。双方向スイッチなど(あるいは電源2
0の種類によっては単方向スイッチ)を利用すれば電源
20内部に容易にスイッチSp、抵抗器Rpを形成する
ことができる。
【0105】このように電極間と並列に短絡ループを設
けたときの電圧波形模式図を図21(b)に示す。電圧
波形は、1つ目の急峻なパルスだけになり、2つ目のパ
ルスが観察されなくなる。フィーダ線の終端が短絡され
ているために、Cpまで行って反射してくるエネルギー
が無くなるためである。従って、もし1つ目のパルスで
放電が生じた場合、電荷量の一部が短絡経路を流れてし
まうために、流れる電荷量はCqよりも小さくなり、従
って、Cq×Vsで規定される電荷量よりも更に小さい
電荷量の放電を生じさせることができる。
【0106】尚、図20では、フィーダ線と他の加工用
電源回路(浮遊の容量成分Cp)との間に抵抗器Rp及
びスイッチSpが設けられているが、これらは放電極間
とフィーダ線との間に設けてもよい。設置個所を極間に
近づければ近づけるほど浮遊容量の影響を排除すること
ができる。例えば、前述のごとくフィーダ線が同軸ケー
ブルで構成されている場合、これもまた浮遊容量として
働くが、この影響をよりよく排除するためには抵抗器R
p及びスイッチSpの設置個所は放電極間とフィーダ線
との間に設けた方がよい。尚、この場合、スイッチSp
はリレーなどを用いた機械的なものが簡便であり望まし
い。
【0107】本実施の形態ではワイヤ放電加工機を主体
に説明してきたが、形彫放電加工機をはじめとする他の
構成においても適用は可能である。すなわち、浮遊容量
Cpと極間とがフィーダ線で接続されていない場合にお
いても抵抗器RpとスイッチSpとを電極間近くに形成
することにより浮遊容量Cpの影響を軽減することがで
きる。
【0108】実施の形態17.上記の実施の形態16で
は、抵抗器Rp及びスイッチSpを用いて浮遊容量Cp
を短絡し浮遊容量の影響を軽減する方法について述べて
きた。このときの抵抗器Rpは小さければ小さいほど浮
遊容量Cpから電極間に入り込む電荷を抑えることがで
きるが、極端に小さいと電極間に電圧がかかりにくくな
り放電しなくなる可能性がある。従って、より理想的に
は放電する直前まではスイッチSpがOFF状態で電極
間には十分な電圧が印加されており、放電する瞬間にス
イッチSpがON状態となり浮遊容量Cpの電荷が終端
抵抗により消費されることが望ましい。また、更に言え
ば、実施の形態16は浮遊容量Cpを抵抗Rpを介して
接地していると言い換えることができるが、抵抗Rpを
介して逆電位を印加すればより確実に浮遊容量Cpに蓄
えられた電荷が排除できるということができる。つま
り、タイミングを見計らって浮遊容量Cpに蓄えられた
電荷を引き抜けば接地(短絡)以上の効果が期待でき
る。
【0109】そこで、この実施の形態17では、上記の
実施の形態16以上に積極的に浮遊容量Cpの影響を排
除し、よりよい面粗さを得る加工電源、ならびに加工方
法について述べる。
【0110】この発明の実施の形態17に係る放電加工
機用電源について図面を参照しつつ説明する。図22
は、この発明の実施の形態17に係る放電加工機用電源
の回路構成を示す図である。また、図23は、この発明
の実施の形態17に係る放電加工機用電源の動作を示す
タイミングチャートである。
【0111】図22に示すように、抵抗Rs、電源V
s、コンデンサCq、スイッチSuならびにスイッチS
lで構成される電源10は、上記の実施の形態16と同
じである。ただし、後述の逆電源ブロック30からスイ
ッチSlに電流が逆流しないようにダイオードD1を挿
入している。給電フィーダ9と浮遊容量Cpとの間にリ
レーRe、スイッチSt、抵抗器Rp、電源Vtで構成
される逆電源ブロック30が電極間と並列に接続されて
いる。印加電圧の極性によってはスイッチStだけで構
成してもよいが、荒加工、仕上げ加工と確実にそれぞれ
の回路の影響を排除するためにリレーも併用している。
すなわち、荒加工時にはリレーReはOFFしており、
仕上げ加工時にはリレーReはONするものとする。ス
イッチStはFETを使用するものとして図示している
が、それ以外の回路素子を利用してもよい。
【0112】接続場所は実施の形態16で述べたように
電極間と給電フィーダLpの間としてもよいし、逆電源
ブロック30の設置場所がない場合は電極間(近辺)か
らツイスト線などを引き出して接続してもよい。
【0113】スイッチSuがONするとコンデンサCq
に蓄えられた電荷が電極間、浮遊容量Cpに移行し始め
る。それとともに電極間電圧も上昇し始め、およそピー
ク値となる時にスイッチStをONする。このときワー
ク2からみて電源Vsはプラス極性であり、電源Vtは
マイナス極性となる。浮遊容量Cp、電極間容量Csに
蓄えられた電荷は、スイッチSt、抵抗Rpを介して電
源Vtに流れようとする。図23に示す電極間電圧波形
において、点線は実施の形態16のように抵抗Rpを介
して接地したときの波形、実線は本実施の形態17のよ
うに抵抗Rpを介して逆電圧を印加したときの波形であ
る。逆電圧を印加して電荷を極間から引き抜くことによ
り電圧波形は実施の形態16以上に短パルスとなる。す
なわち、浮遊容量から電極間への電荷の流入を抑えるこ
とができる。
【0114】さて、逆電源ブロック30に電源Vtを設
けてしまうとスイッチStの負担が大きくなる可能性も
ある。ある程度高速スイッチングしなければ電極間電圧
が逆にマイナス側に高電圧となってしまう可能性がある
からである。
【0115】そこで、コンデンサCqを用いた電源10
と同様に、逆電源ブロックにもコンデンサCrを用いた
構成(逆電源ブロック40)について図24をもとに、
またそのときの動作を図25のタイミングチャートをも
とに説明する。
【0116】図24に示すように、逆電源ブロック40
は、電源Vt、電荷制限コンデンサCr、充電抵抗Rr
とスイッチSt、逆流防止ダイオードD3、D4、なら
びに抵抗Rpで構成する。電源10にも、また逆流防止
ダイオードD1、D2を付加する。あらかじめ、コンデ
ンサCq、コンデンサCrには電荷が蓄えられていると
する。このとき、スイッチSuをONするとコンデンサ
Cqから電極間に電荷が移行し始める。図25に示すよ
うに、少し遅れたタイミングでスイッチStをONすれ
ば、電極間には逆電圧が印加されることになるので電極
間、ならびに浮遊容量Cpに蓄積しつつある電荷がコン
デンサCrに向かって流れ込むように動作する。図23
との違いは、スイッチStのON時間である。引き込む
電荷量(電極間に印加される逆電圧)はコンデンサCr
に依存しており、充電抵抗Rrが十分に大きければもは
やスイッチStのON時間は関係なくなる。すなわち、
スイッチStは高速スイッチングの必要性がなくなる。
その後、スイッチSlをONすれば電極間に振動波形が
残っていたとしてもすみやかに取り除くことができる。
このように、電源10といわば反対向きに逆電源ブロッ
ク40を構成すれば、スイッチStの損失を少なくする
ことができ、回路構成を簡素化することができる。
【0117】実施の形態18.この発明の実施の形態1
8に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図26は、この発明の実施の形態18に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。また、図
27及び図28は、この発明の実施の形態18に係る放
電加工機用電源の動作を示すタイミングチャートであ
る。
【0118】加工能力を上げるためには、放電の周波数
を高くする必要がある。また、放電と放電との間の時間
が短いと放電が生じやすくなるため、周波数を高くする
ことによって放電の確率を上げて、加工能力を更に向上
させることも可能である。従って、この回路においてパ
ルスの周波数をいかに上げるかは重要な技術である。
【0119】この回路において周波数を上げるための障
害となる要素は主に2つある。1つは、抵抗Rsによる
コンデンサCqの充電時間である。これは抵抗Rsから
のアーク電流の供給を止めるために抵抗Rsをある程度
以上大きくしなければいけない、という理由による。上
記実施の形態8において述べたように、スイッチを抵抗
Rsに直列に配して、抵抗Rs自体の値を小さくするこ
とが、一つの解決策である。
【0120】もう1つは、放電および電極間の短絡を行
うFETである、スイッチSu、Slの発熱である。特
に放電を行うFETである、スイッチSuは、非常に急
峻な電流が流れるため、スイッチング時およびON時の
抵抗損失が大きく、発熱する。これを避けるためには、
FETを並列にいくつも配置して、一つ一つのFETの
負荷を軽減させることが考えられる。
【0121】図26は、これらの方法を用いて抵抗Rs
にスイッチを配し、かつFETを上下とも4並列にした
場合の回路構成図を示している。
【0122】ここで、上下の、スイッチSu、Slであ
るFETのパラ数は必ずしも同じでなくても良い。ま
た、場合によってはFETである、スイッチSrの熱負
荷の問題も生じるので、この場合はスイッチSrを複数
個並列にすればよい。例えば、図26では2パラになっ
ている。
【0123】次に、動作について、図27にまずその一
例を示す。電流ピークが高い場合は複数のFETを同時
にONすることによって、全体のON抵抗を減らし、F
ETでの損失を少なくする、ということがよく行われ
る。図27はそのような方式を用いた例であり、パルス
の発生タイミングに上側のFET4個がすべて同時にO
Nしている。電極間短絡時にも下側のFET4個が同時
にONしている。充電用のFETについても同様であ
る。電流値が高い場合、あるいは経路のON抵抗を十分
小さくしたい場合にはこの方式が有効である。
【0124】一方、図28ではこの動作方法の他の一例
が示されている。ここでは、パルスの発生タイミングで
どれかひとつのFETがONし、次のパルス発生時には
別のFETがONする、というふうに、常にひとつずつ
のFETが放電にもちいられる。その間、他のFETに
は電流が流れないので、ひとつのFETにかかる実質的
な周波数を、4分の1にすることができる。
【0125】下側のFETについても同様な動作をして
いるので、下側のFETへの負荷も同様に4分の1にな
る。抵抗充電のためのFETについては2パラになって
いるので、負荷は2分の1になる。このように、各FE
TのONのタイミングをずらして周波数を上げる方法も
ある。この方法では、全ての電流が一つのFETに流れ
るため、電流値が大きくFETの定格以上であれば用い
ることができない。ただ、現在目的としているのは非常
に小さな放電を生じさせることであり、電流値が高すぎ
るということはなく、またFETのON抵抗も一個で十
分小さいと見なせるならば、図28のような方式が有効
である。
【0126】さらに、図27のように同時に複数のFE
TをONさせる場合、複数のFETを完全に同じタイミ
ングで動作させることは一般に難しい。それぞれのゲー
ト電圧のジッタなどで、それぞれのFETのONのタイ
ミングが少しずれると、全体のターンオンの時間が長く
なることになり、回路の特性と同時に素子への影響とし
ても不利である。従って、この意味においても、図27
のような動作よりは図28のような動作の方が有利であ
る。
【0127】もちろん、同時に動作するFETの数が少
なければそれだけ同時駆動も容易になるので、図27と
図28の中間方式、例えば2つずつのFETをタイミン
グをずらしてONさせる、ということも考えられる。つ
まり、回路の構成や要求性能、実際に用いる状況によっ
て、駆動方法は最適化する必要がある。
【0128】実施の形態19.この発明の実施の形態1
9に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図29は、この発明の実施の形態19に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。また、図
30は、この発明の実施の形態19に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【0129】図26ではFETのみを並列にしたが、コ
ンデンサCqおよび抵抗Rsも複数個を並列に配するこ
とも考えられる。これを示したのが図29である。
【0130】図29では、放電側のFETである、スイ
ッチSu、およびコンデンサCqと抵抗Rsの組み合わ
せが4並列に、短絡用のスイッチSlも4並列なってい
る。
【0131】この方式の特長は、4つのコンデンサCq
を、時間をずらして充電することによって、コンデンサ
Cqの充電時間を実質4倍長くすることができることで
ある。抵抗Rsの値として十分大きな値を選ぶことがで
きるため、スイッチSrが不要になる。このため、スイ
ッチSrのコスト、およびスイッチSrの誤動作など動
作上の困難を解決することができる。
【0132】次に、図30に動作の例を示す。図28の
動作と同様、各放電タイミングで一つずつのFETがO
Nするようになっている。このときに、4つあるコンデ
ンサCqのうちの対応する一つが放電する。4つのFE
Tがタイミングをずらしながらパルスを発生していく過
程での、各コンデンサCqの電圧変化は、したがって図
30のようになる。各時間において各コンデンサCqの
電位差は異なるので、逆流を防ぐためにコンデンサCq
と抵抗Rsの間にダイオードが必要である。
【0133】図29では、短絡側のFETである、スイ
ッチSlも4つ配されているが、これも同様に何個でも
構わないし、各FETの熱負荷を考慮して決められるべ
きものである。
【0134】実施の形態20.この発明の実施の形態2
0に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図31は、この発明の実施の形態20に係る
放電加工機用電源の動作を示すタイミングチャートであ
る。なお、この実施の形態20に係る放電加工機用電源
の構成は、上記実施の形態19と同様である。
【0135】さて、図29に示す放電加工機用電源であ
るが、図30では一回の放電で一つのコンデンサを放電
していた。
【0136】今、仮に、4つのコンデンサCqあるいは
抵抗Rsの値は同じであるとする。このとき、コンデン
サCqの充電が間に合えば(間に合わなければスイッチ
Srをつけることが考えられる)、同時に2つあるいは
複数のスイッチをONにして、複数のコンデンサから放
電させることも可能である。
【0137】例えば、図31のように動作させることを
考える。図30よりは、コンデンサCqの充電時間が半
分になっているが、そのように抵抗Rsを選んだとす
る。一回の放電で2つのスイッチがONになり、2つの
コンデンサCqからの電荷が流れる。従って、このよう
な駆動の方法では、図30のような駆動と比較して、2
倍の電荷量の放電を生じさせることができる。
【0138】従来の技術において述べたように、放電加
工では面粗さを上げながら何度かの加工を繰り返すこと
が多く、始めは高速に加工するために大電流を流し、次
第に電荷量を小さくして面粗さを上げていく。図30お
よび図31のような動作を行えば、放電の電荷量を2段
階にコントロールすることができ、仕上げの段階に応じ
た投入電荷量の切り替えを行うことができ、実用上非常
に有意義である。
【0139】今、同じパルスを高周波で出力する、とい
う前提で説明を行ったため、図29の各コンデンサCq
の値および抵抗Rsの値は同じである。この場合は、上
述のようにそのうち2つないし複数を同時に放電させる
ことによって放電の電荷量を変化させることができるこ
とを示した。あるいは、コンデンサCqの値を変化させ
ても、放電の大きさを変化させることができる。
【0140】実施の形態21.この発明の実施の形態2
1に係る放電加工機用電源について説明する。
【0141】コンデンサCqの値を変化させて放電の強
さを変化させることを考えた場合、異なるCqと複数の
スイッチを同時にONさせて組み合わせる場合、下記の
ような方法をとれば少ないコンデンサの数で多段階の出
力が可能である。
【0142】例えば、図29において、各電荷量の比が
Cq1:Cq2:Cq3:Cq4=1:2:4:8であ
るとする。この場合、スイッチSu1〜Su4のOnお
よびOFFの組み合わせによって、2の4乗、つまり0
を含め16段階の電荷量の組み合わせができることにな
る。
【0143】つまり、たった4つのコンデンサを用いる
ことによって、15段階の出力が得られる。このように
比較的簡単な回路構成によって、電荷量の値を自由に変
化させることができる。
【0144】実施の形態22.この発明の実施の形態2
2に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図32は、この発明の実施の形態22に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。
【0145】図32は、図26および図29を組み合わ
せたものである。各コンデンサCqに一つのFETであ
る必要はなく、FETの熱負荷が高くなるようであれば
図32のように並列に配せばよい。つまり、コンデンサ
Cqのパラ数、スイッチSuのパラ数、スイッチSlの
パラ数はそれぞれ別の理由で決められるべきであり、つ
まりコンデンサCqのパラ数はおそらく充電時間との兼
ね合い、あるいは上記実施の形態20、20などのよう
な場合には出力したい電荷量のパターンに従って決めら
れるべきである。
【0146】スイッチSu、Sl各FETのパラ数は熱
負荷によって決められるべきであり、これは回路の構成
や放熱の方法、実際の波形などによって最適化されるべ
きである。図32では、コンデンサCqは3パラ、スイ
ッチSuはそれぞれに対して2パラで合計6パラ、スイ
ッチSlは2パラ、という構成になっている。
【0147】実施の形態23.この発明の実施の形態2
3に係る放電加工機用電源について説明する。
【0148】これまでパルスを出力する、あるいは高周
波化する、という議論を行っていたが、単純にパルスを
高周波化するのではなく、パルスをバースト(間欠的
に)出力する事も考えられる。
【0149】つまり、パルスを群パルスとして何発か連
続して発生させ、しばらくの休止の後にまた群パルスを
印加する、という方法である。もちろん、休止が全くな
い場合がパルスの数が最も多くなり加工能力は最大にな
るが、放電加工には面精度や真直性といった問題も生
じ、またパルスの間隔が放電のしやすさと密接に関連し
ているため、バースト出力にはさまざまな利点がある。
【0150】まず、放電のしやすさはパルスの間隔が短
いほど高いので、パルスの間隔はできるだけ短くした方
が良い。パルスの間隔は、コンデンサCqの充電時間な
ど回路の制限条件で決まることが多い。
【0151】一方、面精度を高くするためには、面の真
直性が大きな問題となる。真直性はワイヤとワーク間に
働く力、放電反力と静電気力の兼ね合いで生じると考え
られている。静電気力はパルスの印加時間で決まるの
で、パルスの印加時間を調節することによって真直度を
調節できる可能性がある。従って、むやみやたらにパル
ス数を多くするのではなく、真直度が良くなるように単
位時間内のパルスの回数を調節する必要があることがわ
かる。
【0152】このように、バーストでパルスを発生させ
ることは放電加工での、とくに仕上げ加工の段階におい
て非常に有益な手法であるが、本発明の回路は基本的に
FETのスイッチングによってパルスの発生タイミング
を自由にコントロールできるので、こういった制御には
まさにふさわしい回路方式である、ということができ
る。
【0153】実施の形態24.この発明の実施の形態2
4に係る放電加工機用電源について図面を参照しながら
説明する。図33は、この発明の実施の形態24に係る
放電加工機用電源の回路構成を示す図である。また、図
34は、この発明の実施の形態24に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【0154】以上の実施の形態では、全て、ワイヤ側に
プラス極のパルスを印加するような回路を示してきた。
これは本回路の目的は仕上げ加工が主であり、ワイヤ側
にプラス極性のパルスを印加するほうが、面粗さが良く
なる、という傾向があり、従ってワイヤ側にプラスのパ
ルスを印加するほうが実用性が高いためである。
【0155】ただこの場合、電蝕効果の問題が生じる。
つまり、電極間にDC的に電圧を印加することによっ
て、電気分解が生じ、ワークや加工基本体が腐食する、
という問題がある。これを避けるためには、片極性のパ
ルスではなく、プラスマイナス両極のパルスを出力し、
全体としてDC的な電圧成分がなくなるようにすればよ
い。
【0156】本発明の、図5の回路方式に対して、プラ
ス、マイナス両方のパルスを出力できるような回路構成
を図33に示す。図33において、4つのFETによる
Hブリッジ回路を基本としている。
【0157】これの動作を図34で説明する。図34に
示すように、各スイッチSu1、Su2、Sl1、Sl
2をON、OFFすることにより、プラス方向、マイナ
ス方向両方に自由にパルスを印加することが可能であ
る。
【0158】実施の形態25.上記の実施の形態24で
は、Hブリッジ回路構成を用いて電極間に両極性のパル
スを印加する方法について述べた。本実施の形態25で
は、フルブリッジ回路構成を用いて両極性パルスを印加
する方法について説明する。
【0159】この発明の実施の形態25に係る放電加工
機用電源について、図35をもとに説明する。およその
回路構成は実施の形態17で説明したものと等しく、ワ
ークに対してワイヤが正極となるパルスを発生させるた
めのコンデンサCq、スイッチSuとワークに対してワ
イヤが負極となるパルスを発生させるためのコンデンサ
Cr、スイッチSt、コンデンサCq、コンデンサCr
に充電するための抵抗Rs、Rr、逆電流防止用のダイ
オードD1、D2、D3、D4からなる。
【0160】上記の実施の形態17との違いの一つに電
極間への配線方法がある。実施の形態17は、浮遊容量
Cpに入り込む電荷をいわば浮遊容量Cpの直前で抵抗
Rpを介して消費させるという概念であった。すなわ
ち、電極間に電荷を供給する電源10との配線と、浮遊
容量Cpあるいは電極間から電荷を引き抜く電源40と
の配線は異なるようにしていた。しかし、本実施の形態
25は、どちらかといえば電極間へ印加する電圧波形を
制御するという意味合いが強いため、電極間への電荷の
供給も、電極間からの電荷の引き抜きも同一配線で行う
ようにしている。また、同じ理由から抵抗Rpは使用し
ていない。
【0161】図36は、この発明の実施の形態25に係
る放電加工機用電源の動作を示すタイミングチャートで
ある。上記の実施の形態24と同様に、正極側、負極側
をそれぞれ片側だけ単独に動作させ交流波形を作成して
もよいが、本実施の形態25では、実施の形態17と同
様に途中で電荷を引き抜き、電圧波形の短パルス化を図
る方法について説明する。
【0162】図36に示すように、スイッチSuのON
とともにコンデンサCqからダイオードD2、スイッチ
Suを通り電極間に電荷が移行する。それとともに極間
電圧は上昇する。少し遅れてスイッチStがONすると
電極間の電荷はダイオードD3、スイッチStを通って
コンデンサCrに引き抜かれる。これとともに電極間電
圧も低下する。スイッチSl、スイッチSvは電極間に
電圧が残っていた場合、あるいは波形が振動していた場
合に初期状態(0V)に戻すために使われる。理想的に
容量移行が行われた場合、これらのスイッチは必ずしも
必要ではない。また、スイッチSl、スイッチSvの変
わりに抵抗を挿入してもよい。これにより電極間に電圧
が残っていたとしても放電極間容量Cs、浮遊容量Cp
の合成容量と挿入する抵抗との時定数で簡単に0Vにす
ることができる。
【0163】通常、放電加工機は、安全面からワーク2
がGNDとなるように設計するのが基本である。上記の
実施の形態24で述べたようなHブリッジ構成にしてし
まうと、電源がフローティングとなるため他の回路との
影響を考えると必ずしも望ましい構成とはいえない。し
かし、本実施の形態25のように、フルブリッジ構成と
すれば電源Vs、Vtは接地することができ、GND基
準で回路設計することができる。また、これらは上記実
施の形態18〜22で示したように複数のスイッチング
素子を並列に配置し、組み合わせてもよい。
【0164】
【発明の効果】この発明に係る放電加工機用電源は、以
上説明したとおり、電荷を蓄積する電荷蓄積素子と、前
記電荷蓄積素子を充電する直流電源と、電極間隙に前記
電荷蓄積素子に蓄積された電荷を流してパルス状の放電
を発生させる第1のスイッチング素子と、前記電極間隙
と並列に接続され、前記電極間隙を短絡する第2のスイ
ッチング素子とを備えたので、非絶縁の状態でもごく微
小な放電を安定して生じさせることができ、ひいては細
かい面粗さを得ることができるという効果を奏する。
【0165】この発明に係る放電加工機用電源は、以上
説明したとおり、電荷を蓄積する電荷蓄積素子と、前記
電荷蓄積素子を充電する直流電源と、電極間隙に前記電
荷蓄積素子に蓄積された電荷を流してパルス状の放電を
発生させる第1のスイッチング素子と、前記電極間隙と
並列に接続され、電気的な容量成分を有する他の回路と
を備えたので、非絶縁の状態でもごく微小な放電を安定
して生じさせることができ、ひいては細かい面粗さを得
ることができるという効果を奏する。
【0166】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記電荷蓄積素子と前記直流
電源の間に直列に接続され、抵抗値が10Ω以上、10
0kΩ以下である抵抗素子をさらに備えたので、非絶縁
の状態でもごく微小な放電を安定して生じさせることが
でき、ひいては細かい面粗さを得ることができるという
効果を奏する。
【0167】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記電荷蓄積素子と前記直流
電源の間に直列に接続された、抵抗値が1kΩ以下であ
る抵抗素子、及び第3のスイッチング素子をさらに備え
たので、非絶縁の状態でもごく微小な放電を安定して生
じさせることができ、ひいては細かい面粗さを得ること
ができるという効果を奏する。
【0168】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記電荷蓄積素子と前記直流
電源の間に直列に接続された、インダクタンス素子、及
び第3のスイッチング素子をさらに備えたので、効率の
良い充電ができるという効果を奏する。
【0169】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記電荷蓄積素子が、1μF
以下の容量を有するので、非絶縁の状態でもごく微小な
放電を安定して生じさせることができ、ひいては細かい
面粗さを得ることができるという効果を奏する。
【0170】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記他の回路が前記電極間隙
に接続されている場合、前記各素子から構成された電源
回路が動作する間は前記他の回路の出力先において短絡
するので、より小さい電荷量の放電を生じさせることが
できるという効果を奏する。
【0171】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記第1のスイッチング素子
が、複数のトランジスタが並列に接続されているので、
放電の周波数を高くでき、ひいては加工能力を向上でき
るという効果を奏する。
【0172】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記電荷蓄積素子が、複数の
コンデンサが並列に接続され、前記第1のスイッチング
素子は、前記複数のコンデンサの各々に接続された複数
のトランジスタから構成されているので、仕上げの段階
に応じた投入電荷量の切り替えを行うことができるとい
う効果を奏する。
【0173】さらに、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記複数のコンデンサをN個
のコンデンサ、前記N個のコンデンサのうち最小の容量
がC MINとすると、N個のコンデンサの容量を、それ
ぞれ、CMIN×2(n−1 とし、但し(1≦n≦
N)としたので、電荷量の値を自由に変化させることが
できるという効果を奏する。
【0174】この発明に係る放電加工機用電源は、以上
説明したとおり、電荷を蓄積する第1の電荷蓄積素子
と、前記第1の電荷蓄積素子を充電する第1の直流電源
と、電極間隙に前記第1の電荷蓄積素子に蓄積された電
荷を流してパルス状の放電を発生させる第1のスイッチ
ング素子と、第2の直流電源と、電極間隙又は電極間隙
と並列に存在する電荷を引き抜く第4のスイッチング素
子とを備えているので、非絶縁の状態でもごく微小な放
電を安定して生じさせることができ、ひいては細かい面
粗さを得ることができるという効果を奏する。
【0175】また、この発明に係る放電加工機用電源
は、以上説明したとおり、前記第2の直流電源と並列に
電荷を蓄積するための第2の電荷蓄積素子をさらに備え
たので、簡単な回路構成で非絶縁の状態でもごく微小な
放電を安定して生じさせることができ、ひいては細かい
面粗さを得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態3に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る放電加工機用
電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態4に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態5に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6に係る放電加工機用
電源の回路構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態7に係る放電加工機
用電源の回路構成を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態9に係る放電加工機
用電源の回路構成を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態9に係る放電加工機
用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】 この発明の実施の形態10に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態10に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態12に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態13に係る、放電加
工機用電源を含むワイヤ放電加工機の構成を示す図であ
る。
【図17】 この発明の実施の形態14に係る、放電加
工機用電源を含む他のワイヤ放電加工機の構成を示す図
である。
【図18】 この発明の実施の形態14に係る、放電加
工機用電源を含む別の他のワイヤ放電加工機の構成を示
す図である。
【図19】 この発明の実施の形態15に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図20】 この発明の実施の形態16に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図21】 この発明の実施の形態16に係る放電加工
機用電源の放電極間に印加される電圧波形を説明するた
めの模式図である。
【図22】 この発明の実施の形態17に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態17に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図24】 この発明の実施の形態17に係る別の放電
加工機用電源の回路構成を示す図である。
【図25】 この発明の実施の形態17に係る別の放電
加工機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図26】 この発明の実施の形態18に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図27】 この発明の実施の形態18に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図28】 この発明の実施の形態18に係る放電加工
機用電源の他の動作を示すタイミングチャートである。
【図29】 この発明の実施の形態19に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図30】 この発明の実施の形態19に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図31】 この発明の実施の形態20に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図32】 この発明の実施の形態22に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図33】 この発明の実施の形態24に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図34】 この発明の実施の形態24に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図35】 この発明の実施の形態25に係る放電加工
機用電源の回路構成を示す図である。
【図36】 この発明の実施の形態25に係る放電加工
機用電源の動作を示すタイミングチャートである。
【図37】 従来の放電加工機用電源の回路構成を示す
図である。
【図38】 従来の放電加工機用電源の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図39】 他の従来の放電加工機用電源の回路構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 電極(ワイヤ)、2 電極(ワーク)、3 ダイオ
ード、4 ダイオード、5 ダイオード、6 加工テー
ブル、7 給電端子、8 給電フィーダ、9給電フィー
ダ、10 電源、20 電源、Cs 静電容量、Cq
コンデンサ、Ls インダクタンス、Rs 抵抗、Rw
水の抵抗、Sl スイッチ、Suスイッチ、Vs 電
源、Sv スイッチ、St スイッチ、Vt 電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩田 明彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 角田 義一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 後藤 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3C059 AA01 BA03 BA11

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電荷を蓄積する電荷蓄積素子と、 前記電荷蓄積素子を充電する直流電源と、 電極間隙に前記電荷蓄積素子に蓄積された電荷を流して
    パルス状の放電を発生させる第1のスイッチング素子
    と、 前記電極間隙と並列に接続され、前記電極間隙を短絡す
    る第2のスイッチング素子とを備えたことを特徴とする
    放電加工機用電源。
  2. 【請求項2】 電荷を蓄積する電荷蓄積素子と、 前記電荷蓄積素子を充電する直流電源と、 電極間隙に前記電荷蓄積素子に蓄積された電荷を流して
    パルス状の放電を発生させる第1のスイッチング素子
    と、 前記電極間隙と並列に接続され、電気的な容量成分を有
    する他の回路とを備えたことを特徴とする放電加工機用
    電源。
  3. 【請求項3】 前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に
    直列に接続され、抵抗値が10Ω以上、100kΩ以下
    である抵抗素子をさらに備えたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の放電加工機用電源。
  4. 【請求項4】 前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に
    直列に接続された、抵抗値が1kΩ以下である抵抗素
    子、及び第3のスイッチング素子をさらに備えたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の放電加工機用電源。
  5. 【請求項5】 前記電荷蓄積素子と前記直流電源の間に
    直列に接続された、インダクタンス素子、及び第3のス
    イッチング素子をさらに備えたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の放電加工機用電源。
  6. 【請求項6】 前記電荷蓄積素子は、1μF以下の容量
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の放電加
    工機用電源。
  7. 【請求項7】 前記他の回路が前記電極間隙に接続され
    ている場合、前記各素子から構成された電源回路が動作
    する間は前記他の回路の出力先において短絡することを
    特徴とする請求項2記載の放電加工機用電源。
  8. 【請求項8】 前記第1のスイッチング素子は、複数の
    トランジスタが並列に接続されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の放電加工機用電源。
  9. 【請求項9】 前記電荷蓄積素子は、複数のコンデンサ
    が並列に接続され、 前記第1のスイッチング素子は、前記複数のコンデンサ
    の各々に接続された複数のトランジスタから構成されて
    いることを特徴とする請求項8記載の放電加工機用電
    源。
  10. 【請求項10】 前記複数のコンデンサをN個のコンデ
    ンサ、前記N個のコンデンサのうち最小の容量がC
    MINとすると、 N個のコンデンサの容量が、それぞれ、CMIN×2
    (n−1)であり、但し(1≦n≦N)であることを特
    徴とする請求項9記載の放電加工機用電源。
  11. 【請求項11】 電荷を蓄積する第1の電荷蓄積素子
    と、 前記第1の電荷蓄積素子を充電する第1の直流電源と、 電極間隙に前記第1の電荷蓄積素子に蓄積された電荷を
    流してパルス状の放電を発生させる第1のスイッチング
    素子と、 第2の直流電源と、 前記電極間隙又は電極間隙と並列に存在する電荷を前記
    第2の直流電源に引き抜く第4のスイッチング素子とを
    備えたことを特徴とする放電加工機用電源。
  12. 【請求項12】 前記第2の直流電源と並列に電荷を蓄
    積するための第2の電荷蓄積素子をさらに備えたことを
    特徴とする請求項11記載の放電加工機用電源。
JP2002154573A 2001-11-06 2002-05-28 放電加工機用電源 Expired - Fee Related JP4250377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002154573A JP4250377B2 (ja) 2001-11-06 2002-05-28 放電加工機用電源

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001340389 2001-11-06
JP2001-340389 2001-11-06
JP2002154573A JP4250377B2 (ja) 2001-11-06 2002-05-28 放電加工機用電源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003205426A true JP2003205426A (ja) 2003-07-22
JP4250377B2 JP4250377B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=27666922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002154573A Expired - Fee Related JP4250377B2 (ja) 2001-11-06 2002-05-28 放電加工機用電源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4250377B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009096026A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Mitsubishi Electric Corporation 放電加工装置
US7709764B2 (en) 2004-04-19 2010-05-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Power supply apparatus for electric discharge machine and power supply control method
JP4850318B1 (ja) * 2011-02-25 2012-01-11 三菱電機株式会社 放電加工機用電源装置およびその制御方法
EP2939781A1 (en) 2014-04-30 2015-11-04 Fanuc Corporation Machining power supply device for electric discharge machine
US9533365B2 (en) 2012-10-31 2017-01-03 Mitsubishi Electric Corporation Electric discharge machining apparatus
US9855616B2 (en) 2014-03-27 2018-01-02 Mitsubishi Electric Corporation Control device for wire electric discharge machine and control method for wire electric discharge machine
CN110091013A (zh) * 2018-01-29 2019-08-06 上海东熠数控科技有限公司 电火花电路及电火花加工装置
US20210069809A1 (en) * 2019-09-09 2021-03-11 Fanuc Corporation Wire electrical discharge machine and control method

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7709764B2 (en) 2004-04-19 2010-05-04 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Power supply apparatus for electric discharge machine and power supply control method
JP5264788B2 (ja) * 2008-01-31 2013-08-14 三菱電機株式会社 放電加工装置
DE112008003658T5 (de) 2008-01-31 2010-12-30 Mitsubishi Electric Corp. Elektrische Entladungsbearbeitungsvorrichtung
DE112008003658B4 (de) * 2008-01-31 2015-12-10 Mitsubishi Electric Corp. Elektrische Entladungsbearbeitungsvorrichtung
CN101932403B (zh) * 2008-01-31 2012-02-08 三菱电机株式会社 放电加工装置
WO2009096026A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Mitsubishi Electric Corporation 放電加工装置
US8350177B2 (en) 2008-01-31 2013-01-08 Mitsubishi Electric Corporation Electric discharge machining device that applies a voltage pulse between a processing electrode and a workpiece
WO2012114524A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 三菱電機株式会社 放電加工機用電源装置およびその制御方法
JP4850318B1 (ja) * 2011-02-25 2012-01-11 三菱電機株式会社 放電加工機用電源装置およびその制御方法
DE112011104963T5 (de) 2011-02-25 2013-11-28 Mitsubishi Electric Corporation Energieversorgungsvorrichtung für eine Funkenerosionsmaschineund ein Steuerverfahren dafür
US9533365B2 (en) 2012-10-31 2017-01-03 Mitsubishi Electric Corporation Electric discharge machining apparatus
US9855616B2 (en) 2014-03-27 2018-01-02 Mitsubishi Electric Corporation Control device for wire electric discharge machine and control method for wire electric discharge machine
EP3566805A1 (en) 2014-04-30 2019-11-13 Fanuc Corporation Machining power supply device for electric discharge machine
EP2939781A1 (en) 2014-04-30 2015-11-04 Fanuc Corporation Machining power supply device for electric discharge machine
US10220458B2 (en) 2014-04-30 2019-03-05 Fanuc Corporation Machining power supply device for electric discharge machine
CN110091013A (zh) * 2018-01-29 2019-08-06 上海东熠数控科技有限公司 电火花电路及电火花加工装置
US20210069809A1 (en) * 2019-09-09 2021-03-11 Fanuc Corporation Wire electrical discharge machine and control method
JP2021041475A (ja) * 2019-09-09 2021-03-18 ファナック株式会社 ワイヤ放電加工機および制御方法
EP3812073A2 (en) 2019-09-09 2021-04-28 Fanuc Corporation Wire electrical discharge machine and control method
US11666978B2 (en) 2019-09-09 2023-06-06 Fanuc Corporation Wire electrical discharge machine and control method
JP7311366B2 (ja) 2019-09-09 2023-07-19 ファナック株式会社 ワイヤ放電加工機および制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4250377B2 (ja) 2009-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8735763B2 (en) Power supply device for electrical discharge machine
EP1806197B1 (en) Electric discharge machining power supply apparatus, and small-hole drilling electric discharge machining
JP4509457B2 (ja) 放電加工用電源装置
WO2009096026A1 (ja) 放電加工装置
TW590833B (en) Power unit for discharge processing
JP2003205426A (ja) 放電加工機用電源
JP2014036502A (ja) パルス発生回路
JP3788926B2 (ja) 半導体装置及びトランジスタの駆動方法
EP2883641B1 (en) Electric discharge machining device
US6566823B2 (en) Discharge pulse generator
JP2008067140A (ja) スイッチング回路
JP4437612B2 (ja) 放電加工装置
US6727455B1 (en) Power supply system for applying a voltage of both positive and negative polarities in electric discharge machining
JP4418212B2 (ja) 高電圧パルス発生回路
EP1116541B1 (en) Power supply for electrodischarge machining and method of electrodischarge machining
JP7226099B2 (ja) ゲート駆動回路
JP5372095B2 (ja) 放電加工装置
JP2005328653A (ja) 高電圧パルス発生回路
JP5406802B2 (ja) 負荷制御装置
JP4425056B2 (ja) 放電加工電源装置
JP2734887B2 (ja) 放電加工機用電源装置
JPS6080522A (ja) 放電加工装置
JPH048165B2 (ja)
SU1449261A1 (ru) Генератор импульсов дл электроэрозионной обработки
JP2005297164A (ja) 放電加工装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070306

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070724

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070823

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070928

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees