JP5372095B2 - 放電加工装置 - Google Patents
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Description
これにより、スイッチング回路1の直流電源V1の電圧が極間に現れると同時に、浮遊容量C1が直流電源V1の電圧まで充電される。
なお、電極Eと被加工物W間の距離は、極間に放電が発生するように、数値制御装置やサーボ駆動制御装置により制御されている。
駆動制御系は、この導電路を維持するためには、浮遊容量C1に蓄電されている電荷の全てが放電された後でも、極間に電流を流し続けておく必要があるので、スイッチング素子S1とS4のオン状態を維持するとともに、スイッチング素子S2,S3のオフ状態を維持する。
したがって、この放電維持電流IRは電流値が比較的小さく、加工エネルギーとしても弱いため、大電流の放電加工電流ISを流すための予備放電電流の役割を担っている。
ただし、スイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4と、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12がすべてオンになると、電圧の異なる複数の直流電源が接続された回路を形成することになり、サージ電圧を含む電位差によって回路中の素子が破壊に至る危険があるため、駆動制御系は、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12をオンするときには、スイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4をオフする。
これにより、大電流の放電加工電流ISによって被加工物Wが加工される。
特に、大型の放電加工機では、電源装置と機械本体の極間との距離が長くなり、その間を結ぶ給電ケーブルの長さも長くなるため、回路中のインダクタンスが大きくなり、放電開始電流ICが消滅した後も、放電維持電流IRが立ち上がらず、極間に形成されていた導電路が絶たれてしまうことがある。また、抵抗器R1においても、抵抗巻線によるインダクタンス成分が存在し、必要な抵抗値を得るために、結果的に抵抗器のインダクタンスが大きくなる場合には、さらに、放電維持電流IRの立ち上がりを妨げる影響を及ぼす。
なお、予備放電のための極間最適電圧により、スイッチング回路1の直流電源V1の電圧が規定されているため、予備電流強化のために電源電圧を増加させることはできない。
即ち、極間の導電路が絶たれている状態では、スイッチング回路10の出力が開放状態になるので、放電加工電流ISが流れず、正常な放電加工が行なわれなくなる。このような状態が発生する頻度が高くなると、有効な放電回数が低下して、本来得られるはずの加工速度が得られなくなる。
逆回復電流IrrはダイオードD1,D2、スイッチング素子S5、スイッチング素子S1、インダクタンスL1、被加工物W、電極E、回路インダクタンスL2、スイッチング素子S4、直流電源V1、ダイオードD1,D2の経路で流れる。
このように、逆回復電流Irrは、被加工物Wと電極Eの極間に出力されるため、予備放電電流が強化されることになり、カラ放電発生の防止効果が得られる(例えば、特許文献1参照)。
また、電源装置のスイッチング素子S5は放電を検出してからオンになるため、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12と同様に、放電の検出処理やスイッチング動作に伴う遅れが存在し、逆回復電流Irrをタイミングよく電極Eと被加工物Wの極間に流すことが困難であり、カラ放電の発生を防止することができない場合がある課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1による放電加工装置を示す構成図であり、図において、第1のスイッチング回路であるスイッチング回路1は電極Eと被加工物Wの極間にパルス電圧を印加して、予備放電電流(=放電開始電流IC+放電維持電流IR)を電極Eと被加工物Wの間隙に供給する。
スイッチング回路1は直流電源V1、例えばFETなどの半導体のスイッチング素子S1,S2,S3,S4及び抵抗器R1から構成されている。
スイッチング回路10は直流電源V11、例えばFETなどの半導体のスイッチング素子S11,S12及びダイオードD11,D12から構成されている。
なお、抵抗器R3は図1に示すようにスイッチング回路1に内蔵されていてもよいが、スイッチング回路1の外部に接続されていてもよい。
ドライブ回路34は発振制御回路32から出力されるパルス信号がHレベルであれば、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,12をオンし、そのパルス信号がLレベルであれば、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12をオフする。
この実施の形態1では、スイッチング回路1,10と並列に抵抗器R3を接続して、予備放電に必要な極間の最適電圧をスイッチング回路1の電源電圧V1から分圧して設定することを特徴としている。
この実施の形態1の放電加工装置は、ワイヤ放電加工装置、特に極間溶液として水を使用する装置について説明するが、電源回路の適用範囲としては、この装置形態に限るものではなく、形彫り放電加工装置であってもよいし、ワイヤ放電加工であっても加工溶液に油を使用するものでもよい。
また、加工は、通常、荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工、高仕上げ加工など、何段階もの手順を経て行うことが一般的であるが、この実施の形態1では、特に高速化の要求が高い荒加工について述べるものである。
駆動制御系のドライブ回路33は、発振制御回路32から上記のようなパルス信号を受けると、そのパルス信号にしたがってスイッチング回路1のスイッチング素子S2,S3をオフにして、スイッチング素子S1,S4を同時にオンにする
具体的には、直流電源V1の設定電圧を140V、抵抗器R1を8Ω、抵抗器R3を10Ωとすると、浮遊容量C1に充電される電圧は77.8Vとなる。
予備放電に必要な最適電圧は、被加工物Wが鉄、加工液が水である場合、約50V〜100Vの範囲であり、充電電圧77.8Vは適正である。もちろん、この最適な電圧は被加工物Wや加工液等により変化するため、これらの数値に限るものではない。
なお、電極Eと被加工物W間の距離は、極間に放電が発生するように、数値制御装置やサーボ駆動制御装置により制御されている。
駆動制御系の発振制御回路32は、この導電路を維持するためには、浮遊容量C1に蓄電されている電荷の全てが放電された後でも、極間に電流を流し続けておく必要があるので、スイッチング素子S1,S4のオン状態を維持するとともに、スイッチング素子S2,S3のオフ状態を維持する。
これに対して、直流電源V1の電源電圧の設定値を78Vとし、抵抗器R3が接続されていない場合には(特許文献1:国際公開 W2001/087526)、放電電流が(78V−20V)/8Ω=7.3Aとなる。したがって、予備放電電流は、抵抗器R3を並列に接続することにより、約1.8倍強化できたことになる。
駆動制御系のドライブ回路34は、発振制御回路32から上記のようなパルス信号を受けると、そのパルス信号にしたがってスイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12を同時にオンにする。
また、スイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4と、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12がすべてオンになると、電圧の異なる複数の直流電源が接続された回路を形成することになり、サージ電圧を含む電位差によって回路中の素子が破壊に至る危険があるため、駆動制御系の発振制御回路32は、スイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12をオンするときには、スイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4をオフする。
これにより、大電流の放電加工電流ISによって被加工物Wが加工されるが、その放電加工電流ISを十分な大電流とするために、直流電源V11の電圧は、直流電源V1の電圧と比べて十分大きな電圧(例えば300V)に設定される。
このとき、一般的にはワイヤがΦ0.3であれば、ピーク電流が1000A程度であり、抵抗器R3に流れる電流が2A程度であることを考えると、無視できる程度のものと考えてよい。もちろん、抵抗器R3に流れる無効電力は抵抗器R3の抵抗値に依存する。
このとき、予備放電電流の強化の観点からは、低抵抗値である0.8Ωと1Ωの分圧比がより望ましく、無効電力(加工と関係なく損失する電力)の低減の観点からは高抵抗である8kΩと10kΩの分圧比がより望ましいと言うことができる。また、極間インピーダンスを考えれば、抵抗器R3の抵抗値は、0.1Ω以上、より好ましくは1Ω以上が適しており、無効電力削減の観点からは1kΩ以下、より好ましくは100Ω以下での設計が適している。
また、この実施の形態1では、スイッチング素子S1,S4をオン(スイッチング素子S2,S3をオフ)したときに放電を検出して、放電加工電流ISを流すものについて示したが、スイッチング素子S2,S3をオン(スイッチング素子S1,S4をオフ)したときに放電を検出して、放電加工電流ISを流すようにしてもよいことは言うまでもない。あるいは、これらパターンは必ずしも交互である必要もないし、場合によってはスイッチング素子S1,S4(逆動作の場合はスイッチング素子S2,S3)をオンして、パルス電圧を印加するが、放電を検出しても放電加工電流ISを流さないような動作条件があってもかまわない。
また、電圧クランプ素子である抵抗器R3に電流が流れる前に浮遊容量C1に充電電流が流れ(いわばスピードアップコンデンサとして働くため)、従来より電源電圧V1が高く設定される分だけ充電時間が早くなり、放電周波数が増加して加工速度が向上する効果も得られる。
上記実施の形態1では、スイッチング回路1,10と並列に電圧クランプ素子である抵抗器R3を接続することにより、スイッチング回路1の電源電圧V1を電極Eと被加工物Wの極間に印加するパルス電圧より高めに設定するものについて示したが、スイッチング回路1の電源電圧V1を電極Eと被加工物Wの極間に印加するパルス電圧より高めに設定できるように作用するものであれば、電圧クランプ素子は抵抗器に限るものではない。
図1の抵抗器R3の代わりに、ツェナーダイオードZ1と抵抗器R4の直列回路を電圧クランプ素子として接続すれば、抵抗における損失分を軽減することができる。
例えば、78VでオンするツェナーダイオードZ1と抵抗器R4の直列回路を接続する場合、直流電源V1の設定を140Vにすれば、78Vまでは浮遊容量C1を充電し、78V以上になると、ツェナーダイオードZ1がオンして抵抗器R4で損失するように働くが、抵抗器R4の損失は78V以上の領域となるため損失が小さくなる。また、ツェナーダイオードZ1により電圧が規定できるため、抵抗器R4の抵抗値は任意に選定することができる。
そこで、このような場合には、放電加工電流ISを流すための放電検出を常にスイッチング素子S1,S4がオンしたときに行うように規定する必要がある。
図4はこの発明の実施の形態3による放電加工装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
電圧クランプ回路21はスイッチング回路1,10と並列に接続され、電圧クランプ素子である抵抗器R5と、その抵抗器R5と直列に接続されたダイオードD5と、その抵抗器R5と並列に接続されたコンデンサC5とから構成されている。
電圧クランプ回路22はスイッチング回路1,10と並列に接続され、電圧クランプ素子である抵抗器R6と、その抵抗器R6と直列に接続されたダイオードD6(ダイオードD6の極性はダイオードD5の極性と反対向きである)と、その抵抗器R6と並列に接続されたコンデンサC6とから構成されている。
駆動制御系の発振制御回路32がスイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4をオンして、スイッチング素子S2,S3をオフすることにより、電極Eと被加工物Wの極間が放電や短絡以外の状態であれば、スイッチング回路1の直流電源V1の出力電圧は抵抗器R1と抵抗器R6により分圧されて浮遊容量C1に印加される。
これにより、上記実施の形態1同様に、スイッチング回路1の直流電源V1の設定電圧を最適極間電圧以上に設定することができる。
一方、直流電源V1から抵抗器R1、スイッチング素子S1を通して浮遊容量C1に電流が流れ、浮遊容量C1が充電を開始するが、このとき浮遊容量C1と並列となるコンデンサC6も浮遊容量C1と同様に充電を開始し、抵抗器R6にはダイオードD6を通して常に電流が流れ続ける。即ち、ダイオードD6には電流Ifが流れている。
一方、コンデンサC5,C6の値が小さければ、抵抗器R5,R6の時定数が小さくなるため、極間が放電中のときはコンデンサC5,C6の電圧が速く低下することになる。
詳細は後述するが、放電開始から放電加工電流ISが流れ始めるまでの時間が数百nsであることを考えれば、コンデンサC5,C6の値は1nF〜1μFの間、より望ましくは10nF〜100nFに設定すればよい。
コンデンサC6は、ダイオードD6により放電開始前の電圧が保持されており、抵抗器R6とコンデンサC6の時定数で電圧が低下する。
ダイオードD6には、当初は順方向に電流が流れるが、放電開始により、直流電源V1からの電流が放電維持電流IRとなって極間に流れるため、もはや順方向電流としての供給が絶たれる。そのため、ダイオードD6には、逆回復電流IrrがダイオードD6、インダクタンスL1、被加工物W、電極E、インダクタンスL2、コンデンサC6、ダイオードD6の経路で流れる。即ち、逆回復電流rrが極間に出力される。
したがって、スイッチング回路1からは、IR+Irrの電流が極間に出力されることになる。この出力電流IR+Irrにより、放電開始電流ICによって極間に形成された導電路が維持される。
しかしながら、ダイオードD5,D6の逆回復電流Irrが発生する時間である逆回復時間trrが100ns程度以上あるので、放電開始電流ICが出力された後、放電加工電流ISが現れるまでの遅れ時間の期間中、逆回復電流Irrにより、極間電流が途切れることなく、極間に形成された導電路を維持することができる。
また、この実施の形態3では、抵抗器R5,R6とダイオードD5,D6をそれぞれ直列に接続しているが、ダイオードD5,D6の代わりにFETを抵抗器R5,R6と直列に接続し、そのFETの内部に存在する既成ダイオードが、ダイオードD5,D6の役割を担うようにしてもよい。
上記実施の形態1では、発振制御回路32が放電検出回路31から発生される指令に応じてスイッチング回路1,10のスイッチング素子をオン/オフを制御するためのパルス信号を出力するものについて示している。
しかし、カラ放電検出手段を構成する放電検出回路31がスイッチング回路10から放電加工電流ISが供給される前に、スイッチング回路1から供給されている予備放電電流が途切れると、カラ放電の検出信号を出力し、供給中止手段を構成する発振制御回路32が放電検出回路31からカラ放電の検出信号を受けると、スイッチング回路10による放電加工電流ISの供給を中止させるようにしてもよい。
図6はこの発明の実施の形態4による放電加工装置の駆動制御系の処理内容を示すフローチャートであり、図7は各種の信号波形を示す説明図である。図7において、Vweは極間電圧の波形、Iweは極間電流の波形、Vken+及びVken−は放電検出回路31の出力波形を示している。
駆動制御系のドライブ回路33が発振制御回路32により生成されたパルス信号にしたがってスイッチング素子S2,S3をオンにして、スイッチング素子S1,S4をオフすることにより、電極Eと被加工物Wの極間にパルス電圧を印加する。
このとき、タイミングAで、極間電圧が放電検出レベルを上回り、放電検出回路31の出力Vken+がHレベルになる。放電を開始したタイミングBでは、放電によって極間電圧が放電検出レベルを下回るため、放電検出回路31の出力Vken+がLレベルになる。
次に、駆動制御系の発振制御回路32がタイミングDで、スイッチング素子S11,S12をオフすると、放電加工電流IS(極間電流Iwe)が還流を開始し、タイミングEで放電加工電流ISが途絶える。
タイミングGで駆動制御系の放電検出回路31が放電を検出し、発振制御回路32がスイッチング回路10のスイッチング素子S11,S12をオンにすることにより、タイミングHから極間に放電加工電流ISが流れる。
以降同様の動作を繰り返して被加工物Wの加工を行うが、次のサイクルでは、カラ放電が発生するものとして説明を継続する。
この場合、極間電圧Vweが浮遊インダクタンスL1,L2によりサージパルスとして跳ね上がる。仮に浮遊インダクタンスL1,L2が接続されていない場合でも、直流電源V1の電圧値まで上昇する。
このときの直流電源V11の電圧値は、比較的高電圧であり、少なくとも直流電源V1よりも高いため、マイナス側の放電検出レベルを上回り、放電検出回路31の出力Vken−が反応してHレベルになる。
上述したように、カラ放電の検出は、(1)予備放電により一度放電検出レベルを下回ったVken+がカラ放電により再度、放電検出レベルを上回った状態、(2)放電加工電流ISが流れるべきタイミングでマイナス側の放電検出レベルを上回った状態、のいずれかを検出すればよい。もちろん、カラ放電検出は放電検出回路31を用いているが、それぞれカラ放電検出器を別途設け、最適電圧となるよう調整すれば更によい。
ただし、制御の簡略化を図るため、放電検出回路31の出力Vken+のみ、あるいは放電検出回路31の出力Vken−のみを利用してもよい。あるいは、両方の検出器に同時に反応した場合(Vken+がL→Hで、かつ、Vken−がL→H)のときにスイッチング素子S11,S12を停止させるようにしてもよい。
カラ放電を誤検出(カラ放電でないにもかかわらずカラ放電と判断して、加工エネルギーをさげてしまう)が多く発生する場合は、このようなロジックを使用することにより、加工エネルギーを不用意に落とす不具合の発生を防止することができる。
この実施の形態4では、図7のタイミングAからタイミングFの一連の動作中にカラ放電が発生する場合について説明したが、予備放電パルスの極性が反転したタイミングFからタイミングJであっても同様の検出ロジック(Vken−とVken+の役割も反転する)でカラ放電を検出して、対カラ放電制御を行うことができる。
上記実施の形態1〜4では、特に言及していないが、カラ放電が発生するタイミングの一つに予備放電パルスの切り替え時がある。
通常、予備放電パルスが印加された後、放電検出を待ってスイッチング回路10が放電加工電流ISを供給するが、一定時間経過しても、放電が検出されない場合は、電蝕の発生を防止するために予備放電パルスの極性を反転させることがある。
このとき、駆動制御系の発振制御回路32がスイッチング回路1のスイッチング素子S1,S4をオンすると同時に、スイッチング素子S2,S3をオフすると(逆に、スイッチング素子S2,S3をオンすると同時に、スイッチング素子S1,S4をオフする)、スイッチング素子S1,S2,S3,S4に対するパルス信号が同時にLレベルになるタイミングが存在しない。
このため、スイッチング素子S1,S2,S3,S4の切り替えタイミング時に、ちょうど放電が発生すると、放電維持電流IRが十分に流れないことにより、カラ放電が発生することがある。
具体的には次の通りである。
その後、スイッチング素子S3をオン、スイッチング素子S4をオフにすることで、予備放電パルスの極性を切り替えるようにする。このように、還流時間を設けることで極間Vweが一時的にGNDレベルとなり、予備放電パルスの極性切り替えタイミングにゼロ期間を作ることができる。
即ち、タイミングAで予備放電パルスの極性が切り替わり、スイッチング素子S1,S4がオンからオフになり、スイッチング素子S2,S3がオフからオンになる。
その後、数十〜数百ns後のタイミングBで、すべてのスイッチング素子を一度オフにする。この短い時間は、浮遊容量C1に蓄積されていた電荷が反転して逆充電されない時間であり、極間電圧Vweが略ゼロ電位となる。
その後、タイミングCで、再度スイッチング素子S2,S3をオンすることにより、予備放電パルスの極性が反転する。逆側に極性を反転させる場合も上記と同様の動作を繰り返すことにより行う。
例えば、上記実施の形態1のように極間と並列に抵抗器R3を設ける場合は、すべてのスイッチング素子をオフするタイミングを設けるだけでも、CR時定数によりゼロ電位期間を設けることができるし、上記動作と組み合わせるようにしてもよい。
Claims (3)
- 電極と被加工物との間の極間に放電させて被加工物を加工する放電加工装置であって、
第1の直流電源と、前記第1の直流電源に接続されている第1のスイッチング回路と、
前記第1の直流電源と前記極間との間に直列に挿入される第1の抵抗器と、
前記第1の直流電源よりも高い電圧値に設定される第2の直流電源と、前記第2の直流電源に接続されている第2のスイッチング回路とを備え、
第2の抵抗器と、前記第2の抵抗器と直列に接続されるツェナーダイオードにより電圧クランプ素子を構成し、
前記極間と前記第1のスイッチング回路に対して並列に前記電圧クランプ素子を接続し、
前記第1の直流電源の電圧設定値と、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の分圧比により、予備放電パルスの電圧値を決定し、
前記予備放電パルス印加中の放電発生を検知して、前記第1のスイッチング回路を停止し、前記第2のスイッチング回路を動作させて前記第2の直流電源から前記極間に加工電流を供給する放電加工装置。 - 電極と被加工物との間の極間に放電させて被加工物を加工する放電加工装置であって、
第1の直流電源と、前記第1の直流電源に接続されている第1のスイッチング回路と、
前記第1の直流電源と前記極間との間に直列に挿入される第1の抵抗器と、
前記第1の直流電源よりも高い電圧値に設定される第2の直流電源と、前記第2の直流電源に接続されている第2のスイッチング回路とを備え、
第2の抵抗器と、前記第2の抵抗器と並列接続されるコンデンサと、前記第2の抵抗器および前記コンデンサに対して直列に接続されるダイオードにより電圧クランプ素子を構成し、
前記極間と前記第1のスイッチング回路に対して並列に前記電圧クランプ素子を接続し、
前記第1の直流電源の電圧設定値と、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の分圧比により、予備放電パルスの電圧値を決定し、
前記予備放電パルス印加中の放電発生を検知して、前記第1のスイッチング回路を停止し、前記第2のスイッチング回路を動作させて前記第2の直流電源から前記極間に加工電流を供給する放電加工装置。 - 電極と被加工物との間の極間に放電させて被加工物を加工する放電加工装置であって、
第1の直流電源と、前記第1の直流電源に接続されている第1のスイッチング回路と、
前記第1の直流電源と前記極間との間に直列に挿入される第1の抵抗器と、
前記第1の直流電源よりも高い電圧値に設定される第2の直流電源と、前記第2の直流電源に接続されている第2のスイッチング回路とを備え、
前記極間と前記第1のスイッチング回路に対して並列に第2の抵抗器を接続し、
前記第1の直流電源の電圧設定値と、前記第1の抵抗器及び前記第2の抵抗器の分圧比により、予備放電パルスの電圧値を決定し、
前記予備放電パルス印加中の放電発生を検知して、前記第1のスイッチング回路を停止し、前記第2のスイッチング回路を動作させて前記第2の直流電源から前記極間に加工電流を供給する放電加工装置。
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