JP2003205235A - 傾斜膜の製造方法および装置 - Google Patents
傾斜膜の製造方法および装置Info
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- JP2003205235A JP2003205235A JP2002006942A JP2002006942A JP2003205235A JP 2003205235 A JP2003205235 A JP 2003205235A JP 2002006942 A JP2002006942 A JP 2002006942A JP 2002006942 A JP2002006942 A JP 2002006942A JP 2003205235 A JP2003205235 A JP 2003205235A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 膜厚方向に連続的または不連続的に組成変化
を持つ膜を、低コストで且つ容易に成膜する方法を提供
する。 【解決手段】 スプレー熱分解法を用いて、異種元素の
組成変化に対し、噴霧前に複数の原料を混合する方法
と、噴霧しながら混合するマルチノズルを用いる方法で、
連続的な組成変化を有する組成傾斜膜や、不連続な多層
膜を容易に作成した。
を持つ膜を、低コストで且つ容易に成膜する方法を提供
する。 【解決手段】 スプレー熱分解法を用いて、異種元素の
組成変化に対し、噴霧前に複数の原料を混合する方法
と、噴霧しながら混合するマルチノズルを用いる方法で、
連続的な組成変化を有する組成傾斜膜や、不連続な多層
膜を容易に作成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明方法は、例えば光学素
子の表面にコーティングする光学薄膜材料等において、
膜厚方向に向かって連続的に膜原料の組成比が変化す
る、いわゆる組成傾斜膜等において、スプレー熱分解法
により行いほぼ無段階に所望の組成比をもつ傾斜膜を作
成する方法および装置に関する。また、連続的な組成傾
斜のみならず、不連続に変化する組成変化膜の作成も容
易に行うことができる。
子の表面にコーティングする光学薄膜材料等において、
膜厚方向に向かって連続的に膜原料の組成比が変化す
る、いわゆる組成傾斜膜等において、スプレー熱分解法
により行いほぼ無段階に所望の組成比をもつ傾斜膜を作
成する方法および装置に関する。また、連続的な組成傾
斜のみならず、不連続に変化する組成変化膜の作成も容
易に行うことができる。
【0002】
【従来の技術】組成変化膜として連続的に成分組成を変
化させる、いわゆる組成傾斜膜の製造方法としては、P
VD法がもっとも一般的である。また、ゾルゲル法を用
いたウェットプロセスなどもローコスト成膜方法として
利用されることがある。その際、特に膜厚方向に特性変
化が要求されるような特殊用途における成膜方法として
は、特開平06−212410や、特開2000−28
2233のように、ターゲットへの電子照射の割合を変
化させたり、導入ガス比を成膜中に変化させたりするこ
とで、スパッタ法により組成比を変化させた傾斜膜の作
成をする方法が一般的である。
化させる、いわゆる組成傾斜膜の製造方法としては、P
VD法がもっとも一般的である。また、ゾルゲル法を用
いたウェットプロセスなどもローコスト成膜方法として
利用されることがある。その際、特に膜厚方向に特性変
化が要求されるような特殊用途における成膜方法として
は、特開平06−212410や、特開2000−28
2233のように、ターゲットへの電子照射の割合を変
化させたり、導入ガス比を成膜中に変化させたりするこ
とで、スパッタ法により組成比を変化させた傾斜膜の作
成をする方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら反応性ス
パッタによる方法は、複数種材料のターゲットを用いた
場合には、スパッタ率の違う材料のターゲットを個別に
制御して、基板上に堆積する組成を調整するが、そのた
めには、導入パワー、ガス分圧、スパッタ粒子の分布な
どを考慮しなければならない上に、真空プロセスである
ため装置コスト、ランニングコストも非常に高価なもの
となってしまう。一方、ディッピングや、スピンコート
などの一般的なウェットプロセスにおいては、PVD法
などに用いるターゲットと比較すると、原料コスト的に
は安価なものになるが、一般にはPVD法に比べて膜性
能の信頼性に劣るところがある他、組成傾斜膜の作成に
関しては、一度の塗膜厚に規定される段階的な組成変化
膜となってしまうため、高度に連続的な勾配を有する組
成傾斜膜を作成するためには、塗工厚を極めて小さくす
る必要があり、それは塗工・加熱の行程の煩雑さを考慮
すると、現実的には困難である。
パッタによる方法は、複数種材料のターゲットを用いた
場合には、スパッタ率の違う材料のターゲットを個別に
制御して、基板上に堆積する組成を調整するが、そのた
めには、導入パワー、ガス分圧、スパッタ粒子の分布な
どを考慮しなければならない上に、真空プロセスである
ため装置コスト、ランニングコストも非常に高価なもの
となってしまう。一方、ディッピングや、スピンコート
などの一般的なウェットプロセスにおいては、PVD法
などに用いるターゲットと比較すると、原料コスト的に
は安価なものになるが、一般にはPVD法に比べて膜性
能の信頼性に劣るところがある他、組成傾斜膜の作成に
関しては、一度の塗膜厚に規定される段階的な組成変化
膜となってしまうため、高度に連続的な勾配を有する組
成傾斜膜を作成するためには、塗工厚を極めて小さくす
る必要があり、それは塗工・加熱の行程の煩雑さを考慮
すると、現実的には困難である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記の課題
を達成するために、スプレー熱分解法を用いた組成変化
膜形成技術を提供する。
を達成するために、スプレー熱分解法を用いた組成変化
膜形成技術を提供する。
【0005】スプレー熱分解法は、加熱基板上に成膜し
たい成分を含んだ溶液を直接噴霧することで、溶媒の蒸
発反応と、化合物の熱反応が瞬時に起こり、膜を堆積さ
せる方法であり、特開平10−053418には、酸化
錫膜の効果的な成膜方法として紹介されている。
たい成分を含んだ溶液を直接噴霧することで、溶媒の蒸
発反応と、化合物の熱反応が瞬時に起こり、膜を堆積さ
せる方法であり、特開平10−053418には、酸化
錫膜の効果的な成膜方法として紹介されている。
【0006】この方法を用いれば、酸化錫の他にも、酸
化チタン、銅、亜酸化銅、錫ドープ酸化インジウム(I
TO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンド
ープ酸化錫(ATO)など主に金属酸化物系の成膜が容
易である。このスプレー熱分解法は原料に溶液を用いる
ウェットプロセスであり、スパッタ等と比較するとター
ゲットを用いないため直材費も安価である上に、大気雰
囲気下での成膜が可能であるため、真空設備を必要とせ
ず、装置コストも安価である。
化チタン、銅、亜酸化銅、錫ドープ酸化インジウム(I
TO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンド
ープ酸化錫(ATO)など主に金属酸化物系の成膜が容
易である。このスプレー熱分解法は原料に溶液を用いる
ウェットプロセスであり、スパッタ等と比較するとター
ゲットを用いないため直材費も安価である上に、大気雰
囲気下での成膜が可能であるため、真空設備を必要とせ
ず、装置コストも安価である。
【0007】また、ウェットプロセスでの課題であった
傾斜の連続性に関しても一般的な方法であるディッピン
グやスピン法よりも有利である。一般に、ディッピング
やスピンコート法では、所定の膜厚になるまで塗付と焼
成の行程を繰り返すが、その際、操作の煩雑さや基板に
対する熱履歴を考慮すると、一度にできるだけ厚く堆積
したい、という要望がある。
傾斜の連続性に関しても一般的な方法であるディッピン
グやスピン法よりも有利である。一般に、ディッピング
やスピンコート法では、所定の膜厚になるまで塗付と焼
成の行程を繰り返すが、その際、操作の煩雑さや基板に
対する熱履歴を考慮すると、一度にできるだけ厚く堆積
したい、という要望がある。
【0008】ところが、一度の塗付で堆積する膜は、塗
付液の組成を変化させられないため、高度に膜厚方向に
組成を変化させることが困難である。一方、スプレー熱
分解法においては、一般的な成膜条件で、一度の噴霧に
よる膜厚が非常に小さく、数nm〜数十nm程度ずつ堆
積していく程度であるため、非常に高度に組成変化する
膜を作成できる。
付液の組成を変化させられないため、高度に膜厚方向に
組成を変化させることが困難である。一方、スプレー熱
分解法においては、一般的な成膜条件で、一度の噴霧に
よる膜厚が非常に小さく、数nm〜数十nm程度ずつ堆
積していく程度であるため、非常に高度に組成変化する
膜を作成できる。
【0009】また、そのナノメートルオーダーの一度の
成膜厚さも一度に噴霧する量や原料濃度によって調整す
ることができるため、自由度が高い。さらに、ウェット
プロセスでありながら、高温雰囲気下で微粒状態とし、
非常に気相に近い反応条件で成膜していくため、膜質の
性能も他のウェット成膜に比べて高く、例えばITOの
ような透明導電性膜においても、PVDと同等レベルの
成膜ができることが実験的に確かめられている。
成膜厚さも一度に噴霧する量や原料濃度によって調整す
ることができるため、自由度が高い。さらに、ウェット
プロセスでありながら、高温雰囲気下で微粒状態とし、
非常に気相に近い反応条件で成膜していくため、膜質の
性能も他のウェット成膜に比べて高く、例えばITOの
ような透明導電性膜においても、PVDと同等レベルの
成膜ができることが実験的に確かめられている。
【0010】このように諸特性に優れたスプレー熱分解
法を用いれば、図1のように膜厚方向に組成傾斜を持つ
膜を作成する際に、予め、それぞれの原料成分を含むL
A、LBをスプレータイミングを同期させながら、噴霧量
の割合を順次変化させていけば、容易に組成傾斜膜を形
成できる。
法を用いれば、図1のように膜厚方向に組成傾斜を持つ
膜を作成する際に、予め、それぞれの原料成分を含むL
A、LBをスプレータイミングを同期させながら、噴霧量
の割合を順次変化させていけば、容易に組成傾斜膜を形
成できる。
【0011】この、噴霧液を混合するための方法として
は、図2のように、噴霧ノズルの前に複数の噴霧液を混
合してもよいし、図3のように、別々の液をそれぞれ別
々のノズルから適量噴出してもよい。
は、図2のように、噴霧ノズルの前に複数の噴霧液を混
合してもよいし、図3のように、別々の液をそれぞれ別
々のノズルから適量噴出してもよい。
【0012】特に、図3のようなマルチノズルによる成
膜を行う場合、成膜可能な組成変化膜の中には、組成比
が連続的に変化する組成傾斜膜の他、不連続に任意の組
成を持つ膜のほか、完全に異なった成分となる多層膜
も、非常に容易に成膜することができる。
膜を行う場合、成膜可能な組成変化膜の中には、組成比
が連続的に変化する組成傾斜膜の他、不連続に任意の組
成を持つ膜のほか、完全に異なった成分となる多層膜
も、非常に容易に成膜することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に基づく実施例を
具体的な材料・装置に基づいて説明するが、本発明はこ
れらの材料・装置に限定されるものではない。
具体的な材料・装置に基づいて説明するが、本発明はこ
れらの材料・装置に限定されるものではない。
【0014】(第1の実施例)(噴霧液混合型による傾斜
膜の組成変化) 組成変化膜として、Corning1737ガラス基板
上に、ITO:0.5μmをスプレー熱分解法によって
成膜する際に、図4のように錫の含有量を0〜10%ま
で組成傾斜させた成膜を行った。
膜の組成変化) 組成変化膜として、Corning1737ガラス基板
上に、ITO:0.5μmをスプレー熱分解法によって
成膜する際に、図4のように錫の含有量を0〜10%ま
で組成傾斜させた成膜を行った。
【0015】以下にその装置構成および、噴霧液調整の
具体例を示す。装置構成の概略は図2のようにした。噴
霧液溜め201と202にそれぞれ噴霧液A、Bを入れ
制御盤203によって所望の混合比になるように流量調
節機204、205で調整し、混合された噴霧液は、電
磁弁206と流量調節機207を経て、スプレーノズル
208で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子
化されて、350℃に設定したホットプレート209上
に設置したCorning1737ガラス基板210上
に噴霧した。キャリアガスとしては、オイルトラップと
ダストフィルターを備えた1次圧約0.7MPaの工場
エアー211を用い、レギュレーター212によって、
0.2MPaとした。これを電磁弁213の開閉を制御
盤203で行いスプレーのタイミングおよび、噴霧時間
を制御した。
具体例を示す。装置構成の概略は図2のようにした。噴
霧液溜め201と202にそれぞれ噴霧液A、Bを入れ
制御盤203によって所望の混合比になるように流量調
節機204、205で調整し、混合された噴霧液は、電
磁弁206と流量調節機207を経て、スプレーノズル
208で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子
化されて、350℃に設定したホットプレート209上
に設置したCorning1737ガラス基板210上
に噴霧した。キャリアガスとしては、オイルトラップと
ダストフィルターを備えた1次圧約0.7MPaの工場
エアー211を用い、レギュレーター212によって、
0.2MPaとした。これを電磁弁213の開閉を制御
盤203で行いスプレーのタイミングおよび、噴霧時間
を制御した。
【0016】噴霧液AおよびBについては、0〜10%
まで錫の量を変化させるために、錫の含有量のことなる
二種類の噴霧液を調整した。Aにはエタノール1000
ml中に塩化インジウム(III)n水和物を56.8g
加え十分に攪拌したものを用いた。またBにはエタノー
ル1000ml中に塩化インジウム(III)n水和物を
56.8gと、塩化錫(II)2水和物を9.02g(I
n:Sn=100:10)加え十分に攪拌したものを用
いた。
まで錫の量を変化させるために、錫の含有量のことなる
二種類の噴霧液を調整した。Aにはエタノール1000
ml中に塩化インジウム(III)n水和物を56.8g
加え十分に攪拌したものを用いた。またBにはエタノー
ル1000ml中に塩化インジウム(III)n水和物を
56.8gと、塩化錫(II)2水和物を9.02g(I
n:Sn=100:10)加え十分に攪拌したものを用
いた。
【0017】なお、制御盤へのパラメータ入力によりA
とBの混合比は任意に調整可能であるが、本実施系で
は、0.5μm成膜中にA液100%から、B液100
%に切り替えるように設定した。噴霧条件は、1.0m
l/secの流量となる条件で、ノズル径およびキャリ
アガス圧力を設定し、20secサイクルで0.5se
c噴霧した。
とBの混合比は任意に調整可能であるが、本実施系で
は、0.5μm成膜中にA液100%から、B液100
%に切り替えるように設定した。噴霧条件は、1.0m
l/secの流量となる条件で、ノズル径およびキャリ
アガス圧力を設定し、20secサイクルで0.5se
c噴霧した。
【0018】この条件で、100サイクルの噴霧を行う
ことで、0.50μmの膜厚となった。この条件で成膜
を行った際には、AとBはそれぞれ、N(/100)回
目の噴霧時において、 X=(101−N)/100 Y=(N−1)/100 A:Xml/sec、B:Yml/secの流量でスプ
レー時間と同期(この場合0.5Sec)させながら混
合するように流量調整器を制御している。
ことで、0.50μmの膜厚となった。この条件で成膜
を行った際には、AとBはそれぞれ、N(/100)回
目の噴霧時において、 X=(101−N)/100 Y=(N−1)/100 A:Xml/sec、B:Yml/secの流量でスプ
レー時間と同期(この場合0.5Sec)させながら混
合するように流量調整器を制御している。
【0019】これを、SIMSによりエッチングをしな
がら元素分析を行ったところ、表面の元素は噴霧液混合
比に比例し、図5のように錫の濃度変化による組成傾斜
膜を作成した。
がら元素分析を行ったところ、表面の元素は噴霧液混合
比に比例し、図5のように錫の濃度変化による組成傾斜
膜を作成した。
【0020】(第2の実施例)(マルチノズルによる傾斜
膜の組成変化) 実施例1と同様の噴霧液を用い、同様の成膜を行った。
以下にその装置構成および、噴霧液調整の具体例を示
す。装置構成の概略は図3のようにした。
膜の組成変化) 実施例1と同様の噴霧液を用い、同様の成膜を行った。
以下にその装置構成および、噴霧液調整の具体例を示
す。装置構成の概略は図3のようにした。
【0021】噴霧液溜め301と302にそれぞれ実施
例1と同じように調整した噴霧液A、Bを入れ制御盤3
03によって所望の濃度比になるように流量調節機30
4、305で噴霧量調整し、スプレーノズル306、3
07で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子化
されて、350℃に設定したホットプレート308上に
設置したCorning1737ガラス基板309上に
噴霧した。
例1と同じように調整した噴霧液A、Bを入れ制御盤3
03によって所望の濃度比になるように流量調節機30
4、305で噴霧量調整し、スプレーノズル306、3
07で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子化
されて、350℃に設定したホットプレート308上に
設置したCorning1737ガラス基板309上に
噴霧した。
【0022】なお、この際306、307は噴霧領域の
重なりを大きくするため、適当な傾きを持たせても良い
し、持たせなくても良い。
重なりを大きくするため、適当な傾きを持たせても良い
し、持たせなくても良い。
【0023】本実施系では、図6のようにノズルと基板
の垂直方向を300mmとし、それぞれサンプル中心か
ら50mmずつ話した位置から、9.6°のチルト角を
持たせて、サンプル基板309上でもっとも重なりが大
きくなるように設定した。
の垂直方向を300mmとし、それぞれサンプル中心か
ら50mmずつ話した位置から、9.6°のチルト角を
持たせて、サンプル基板309上でもっとも重なりが大
きくなるように設定した。
【0024】キャリアガス310は、実施例1と同様で
あり、レギュレーター311、312によって、0.2
MPaとした。これを電磁弁313、314の開閉を制
御盤303で行いスプレーのタイミングおよび、噴霧時
間を制御した。
あり、レギュレーター311、312によって、0.2
MPaとした。これを電磁弁313、314の開閉を制
御盤303で行いスプレーのタイミングおよび、噴霧時
間を制御した。
【0025】制御盤への入力によりAとBの噴霧比は任
意に調整可能であるが、本実施系では、0.5μm成膜
中にA液100%から、B液100%に切り替えるよう
に設定した。噴霧条件は、A、BそれぞれXml/se
cおよびYml/secの流量となる条件で選択したノ
ズル径およびキャリアガス圧力(0.2MPa)を設定
し、20secサイクルで0.5sec噴霧した。
意に調整可能であるが、本実施系では、0.5μm成膜
中にA液100%から、B液100%に切り替えるよう
に設定した。噴霧条件は、A、BそれぞれXml/se
cおよびYml/secの流量となる条件で選択したノ
ズル径およびキャリアガス圧力(0.2MPa)を設定
し、20secサイクルで0.5sec噴霧した。
【0026】この条件で、100サイクルの噴霧を行う
ことで、0.50μmの膜厚となった。なお、流量調整
は実施例1と同様に行った。
ことで、0.50μmの膜厚となった。なお、流量調整
は実施例1と同様に行った。
【0027】これを、SIMSによりエッチングをしな
がら元素分析を行ったところ、表面の元素は噴霧液混合
比に比例し、図7のように錫の濃度変化による組成傾斜
膜を作成した。
がら元素分析を行ったところ、表面の元素は噴霧液混合
比に比例し、図7のように錫の濃度変化による組成傾斜
膜を作成した。
【0028】(第3の実施例)(マルチノズルによる多層
膜) 組成の大幅に異なる不連続な多層膜の実施例として、図
8のようにCorning1737ガラス基板上に、I
TO:0.5μmをスプレー熱分解法によって成膜する
際に、錫の含有量を0〜10%まで組成傾斜させる際
に、0.1μm毎に酸化錫(TO)膜を約80nm挿入
しながら成膜を行った。
膜) 組成の大幅に異なる不連続な多層膜の実施例として、図
8のようにCorning1737ガラス基板上に、I
TO:0.5μmをスプレー熱分解法によって成膜する
際に、錫の含有量を0〜10%まで組成傾斜させる際
に、0.1μm毎に酸化錫(TO)膜を約80nm挿入
しながら成膜を行った。
【0029】以下にその装置構成および、噴霧液調整の
具体例を示す。装置構成の概略は図9のようにした。噴
霧液溜め901と902にそれぞれ実施例2と同じよう
に調整した噴霧液A、Bを入れ、噴霧液溜め903に
は、1265ml中に、ジブチル錫ジアセテート4.0
gを加え十分に攪拌したものを噴霧液Cとして入れた。
具体例を示す。装置構成の概略は図9のようにした。噴
霧液溜め901と902にそれぞれ実施例2と同じよう
に調整した噴霧液A、Bを入れ、噴霧液溜め903に
は、1265ml中に、ジブチル錫ジアセテート4.0
gを加え十分に攪拌したものを噴霧液Cとして入れた。
【0030】これらを制御盤904によって所望の濃度
比になるように流量調節機905、906、907で噴
霧量を調整し、スプレーノズル908、909、910
で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子化され
て、350℃に設定したホットプレート911上に設置
したCorning1737ガラス基板912上に噴霧
した。なお、この際908、909、910は噴霧領域
の重なりを大きくするため、適当な傾きを持たせても良
いし、持たせなくても良い。
比になるように流量調節機905、906、907で噴
霧量を調整し、スプレーノズル908、909、910
で、0.2MPaのキャリアガスによって微粒子化され
て、350℃に設定したホットプレート911上に設置
したCorning1737ガラス基板912上に噴霧
した。なお、この際908、909、910は噴霧領域
の重なりを大きくするため、適当な傾きを持たせても良
いし、持たせなくても良い。
【0031】本実施系では、図10のようにノズルと基
板の垂直方向を300mmとし、それぞれサンプル中心
から半径50mmの円に内接する正三角形の位置にノズ
ルをセットし、それぞれ中心に向けて9.6°のチルト
角を持たせて、サンプル基板911上でもっとも重なり
が大きくなるように設定した。
板の垂直方向を300mmとし、それぞれサンプル中心
から半径50mmの円に内接する正三角形の位置にノズ
ルをセットし、それぞれ中心に向けて9.6°のチルト
角を持たせて、サンプル基板911上でもっとも重なり
が大きくなるように設定した。
【0032】なお、噴霧液の数を増やす場合には同様の
考え方に基づき、円に内接する多角形の頂点の位置にノ
ズルをセットして、半径とサンプル距離をTangen
tにする角度のチルト角を持たせれば、サンプル上でも
っとも効率良く重なりを持たせることができる。
考え方に基づき、円に内接する多角形の頂点の位置にノ
ズルをセットして、半径とサンプル距離をTangen
tにする角度のチルト角を持たせれば、サンプル上でも
っとも効率良く重なりを持たせることができる。
【0033】キャリアガス913は、実施例1と同様で
あり、レギュレーター914、915、916によっ
て、0.2MPaとした。これを電磁弁917、91
8、919の開閉を制御盤907で行いスプレーのタイ
ミングおよび、噴霧時間を制御した。
あり、レギュレーター914、915、916によっ
て、0.2MPaとした。これを電磁弁917、91
8、919の開閉を制御盤907で行いスプレーのタイ
ミングおよび、噴霧時間を制御した。
【0034】制御盤への入力によりAとBの噴霧比は任
意に調整可能であるが、本実施系では、実施例2と同様
に0.5μm成膜中にA液100%から、B液100%
に切り替えるように設定するが、0.1μm毎に酸化錫
膜を挿入する際のN回目の噴霧(N=10M±2、M=
1〜9、99、100)時にはA、Bはそれぞれ完全に
停止し、Cを0.5ml/secで20secサイクル
で4回噴霧により約80nmずつの膜を挿入するように
設計し、成膜した。
意に調整可能であるが、本実施系では、実施例2と同様
に0.5μm成膜中にA液100%から、B液100%
に切り替えるように設定するが、0.1μm毎に酸化錫
膜を挿入する際のN回目の噴霧(N=10M±2、M=
1〜9、99、100)時にはA、Bはそれぞれ完全に
停止し、Cを0.5ml/secで20secサイクル
で4回噴霧により約80nmずつの膜を挿入するように
設計し、成膜した。
【0035】これを、SIMSによりエッチングをしな
がら元素分析を行ったところ、噴霧液混合比に比例し、
図11のように錫の濃度変化による組成傾斜膜を作成し
た。
がら元素分析を行ったところ、噴霧液混合比に比例し、
図11のように錫の濃度変化による組成傾斜膜を作成し
た。
【0036】
【発明の効果】本発明を用いれば、組成比を連続的に変
化させた組成傾斜膜でも、不連続に組成が変化する膜で
も、大幅に成分が異なる多層膜でも、容易に成膜するこ
とができる。
化させた組成傾斜膜でも、不連続に組成が変化する膜で
も、大幅に成分が異なる多層膜でも、容易に成膜するこ
とができる。
【図1】 膜厚方向に組成傾斜を持つ膜の図
【図2】 ノズルに導入する前に、噴霧液を混合して噴
霧する装置の概略図
霧する装置の概略図
【図3】 噴霧液を複数のノズルで噴霧する装置の概略
図
図
【図4】 錫の含有量を0〜10%まで変化させた酸化
インジウムの模式図
インジウムの模式図
【図5】 混合液噴霧による成膜サンプルのSIMSに
よる分析のプロット図
よる分析のプロット図
【図6】 2ノズル使用時のサンプル・ノズル間の位置
関係図
関係図
【図7】 複数ノズルによる成膜サンプルのSIMSに
よる分析のプロット図
よる分析のプロット図
【図8】 0.1μm毎に酸化錫層を挿入しながら、錫
の含有量を0〜10%まで変化させた酸化インジウムの
模式図
の含有量を0〜10%まで変化させた酸化インジウムの
模式図
【図9】 マルチノズルによる多層膜成膜装置の概略図
【図10】 複数ノズル使用時のサンプル・ノズル間の
位置関係図
位置関係図
【図11】 複数ノズルによる多層膜サンプルのSIM
Sによる分析のプロット図
Sによる分析のプロット図
101 基板
102 組成変化膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2K009 AA00 BB02 CC03 CC06 DD04
EE00
4G075 AA24 AA30 BA05 BB02 BB10
CA02 DA02 EA06 EC01 EC03
FA11
4K030 FA10 JA05 JA06 LA11
5F045 AA03 AB40 EB02 EF09
Claims (5)
- 【請求項1】 二種類以上の異種元素からなり、膜厚方
向に対して連続的、または不連続的に組成が変化してい
る組成変化膜をスプレー熱分解法により成膜する方法。 - 【請求項2】 二種類以上の異種元素からなり、膜厚方
向に対して連続的、または不連続的に組成が変化する組
成変化膜をスプレー熱分解法により成膜する方法におい
て、異なる組成のスプレー噴霧液をスプレーノズルに導
入する前に所望の噴霧量比で混合した後、一つのスプレ
ーノズルから噴霧することにより、傾斜膜の組成を変化
させる方法。 - 【請求項3】 二種類以上の異種元素からなり、膜厚方
向に対して連続的、または不連続的に組成が変化する組
成変化膜をスプレー熱分解法により成膜する方法におい
て、異なる組成のスプレー噴霧液をそれぞれ異なるスプ
レーノズルから所望の噴霧量比でスプレーすることによ
り、傾斜膜の組成を変化させる方法。 - 【請求項4】 二種類以上の異種元素からなり、膜厚方
向に対して連続的、または不連続的に組成が変化する組
成変化膜をスプレー熱分解法により成膜する方法におい
て、異なる組成のスプレー噴霧液をスプレーノズルに導
入する前に所望の噴霧量比で混合した後、一つのスプレ
ーノズルから噴霧することにより、傾斜膜の組成を変化
させるために予め設定した組成比のとおりに噴霧液を混
合させる機構を備えたスプレー熱分解装置。 - 【請求項5】 二種類以上の異種元素からなり、膜厚方
向に対して連続的、または不連続的に組成が変化する組
成変化膜をスプレー熱分解法により成膜する方法複数の
ノズルを有し、予め設定した組成比となるように噴霧量
を調整する機構を備えたスプレー熱分解装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006942A JP2003205235A (ja) | 2002-01-16 | 2002-01-16 | 傾斜膜の製造方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002006942A JP2003205235A (ja) | 2002-01-16 | 2002-01-16 | 傾斜膜の製造方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003205235A true JP2003205235A (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=27645565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002006942A Pending JP2003205235A (ja) | 2002-01-16 | 2002-01-16 | 傾斜膜の製造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003205235A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN107359277A (zh) * | 2016-12-16 | 2017-11-17 | 广东聚华印刷显示技术有限公司 | 有机电致发光器件的薄膜沉积方法及装置 |
JP2018142637A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 株式会社Flosfia | 処理方法 |
JP2020011858A (ja) * | 2018-07-17 | 2020-01-23 | トヨタ自動車株式会社 | 成膜方法、及び、半導体装置の製造方法 |
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-
2002
- 2002-01-16 JP JP2002006942A patent/JP2003205235A/ja active Pending
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