JP2003205025A - 透明ゲル状芳香・消臭剤組成物 - Google Patents

透明ゲル状芳香・消臭剤組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】透明で美観に優れ、また、優れた芳香消臭効果
を有し、その効果の持続性及び安定性に優れた芳香バラ
ンスを示し、高温下で長期間保存しても流動化せず、且
つ、使用後の形状をも美観を損なわず、ゲルの形状安定
性に優れた透明ゲル状芳香・消臭剤組成物を提供する。 【解決手段】(a)オクチル酸アルミニウム、(b)C
12〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸、(c)ベン
ジリデンソルビトール誘導体および(d)芳香及び/又
は消臭成分を含有することを特徴とする透明ゲル状芳香
・消臭剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、透明で美観に優
れ、また、香料を添加してもその香料の変質、異臭化な
どの不都合な変化を伴うことなしに優れた芳香消臭効果
を有するとともに、その効果の持続性及び安定性にも優
れた芳香バランス性を示し、容器を逆さまにしても流れ
出さず、且つ、高温下で長期間保存しても流動化しない
ゲル状形態安定性にも優れ、また、多量の香料を含有し
てもその形態安定性を保持できるなどの諸性質を有する
透明ゲル状芳香・消臭剤組成物に関する。 【0002】より詳しくは、オクチル酸アルミニウム、
C12〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸、ベンジリ
デンソルビトール誘導体及び芳香・消臭成分を含有する
透明ゲル状芳香・消臭剤組成物に関する。 【0003】 【従来の技術】従来、ゲル状芳香・消臭剤組成物は固形
香水や室内芳香剤等として用いられており、例えば、ソ
ルビトールとベンズアルデヒドの縮合物であるジベンジ
リデンソルビトールをゲル化剤乃至固化剤成分として用
いる芳香剤として、香料にジベンジリデンソルビトール
及び/又はトリベンジリデンソルビトールと熱可塑性樹
脂を配合した固形香料(特公昭48−37825号公
報)、ジベンジリデンソルビトール、3−メチル−3−
メトキシブタノール及び/又はエチレングリコールモノ
エチルエーテル及び香料を含有してなるゲル状芳香消臭
組成物(特公昭63−64986号公報)等が提案され
ている。 【0004】また、美観を重視した透明なゲル状芳香剤
が求められるようになって、ゲル化剤としてオクチル酸
アルミニウムを用いることが提案され、例えば、オクチ
ル酸アルミニウム、リモネンまたは無臭ケロシンからな
る透明油性ゲル状芳香剤組成物(特開平1−32006
3号公報)や、ジ−2−エチルヘキサン酸アルミニウ
ム、テルペン系炭化水素及び香料からなる透明ゲル状芳
香剤組成物(特開平3−9758号公報)、オクチル酸
アルミニウムおよびその6〜80モル%のC12〜C24高
級脂肪酸アルミニウムをゲル化剤として用いる透明油性
ゲル芳香剤組成物(特開平10−43282号公報)な
どが提案されており、本出願人も、オクチル酸アルミニ
ウムとC12〜C24高級脂肪酸アルミニウムとの混合物、
ベンジリデンソルビトール誘導体、及び芳香及び/又は
消臭成分を含有する透明ゲル状芳香・消臭剤組成物(特
開2001−46482号公報)を提案している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲル化
剤としてオクチル酸アルミニウム(ジ−2−エチルヘキ
サン酸アルミニウム)を単独で用いる特開平1−320
063号公報に記載の芳香剤の製造の場合には60℃以
上の加温を必要とするという欠点があり、また、テルペ
ン系炭化水素を併用した特開平3−9758号公報に記
載の芳香剤組成物は、その製造の際に加温を必要としな
いが、テルペン系炭化水素を多量に使用するため、香料
は柑橘系のものに限られるという欠点がある。 【0006】一方、ゲル化剤としてオクチル酸アルミニ
ウムとC12〜C24高級脂肪酸アルミニウムを併用する特
開平10−43282号公報に記載の芳香剤組成物は、
その製造時に加温する必要がなく製造でき、透明で美観
に優れ、高温においても溶融せず、広範囲の香りを付与
することができるが、容器を逆さまにするとゲルが流れ
出る流動化や型くずれなどの形状安定性については必ず
しも充分ではなく、更なる改良が求められている。 【0007】また、先に本出願人が提案したオクチル酸
アルミニウムとC12〜C24高級脂肪酸アルミニウムとの
混合物、ベンジリデンソルビトール誘導体及び芳香及び
/又は消臭成分を含有する特開2001−46482号
公報に記載の透明ゲル状芳香・消臭剤組成物は、透明で
美観に優れ、芳香消臭効果の持続性及び安定性に優れる
と共に、高温下での長期保存に際しゲル状形態安定性に
ついてはそれなりの効果はあるが、ゲルの形成する時間
については改善の余地があり、さらに芳香、消臭剤に使
用すると残査が汚く残るという問題があった。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討を行った結果、オクチル酸アルミニウム、C12
〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸をベンジリデンソ
ルビトール誘導体と併用し、さらに芳香及び/又は消臭
成分を配合することにより、上記課題を解決することを
見出した。つまり、C12〜C24高級脂肪酸アルミニウム
の代わりにC12〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸
を使用することにより、ゲルの形成する時間がコントロ
ールでき、さらにゲルの透明性が改善されると共に、容
器を逆さまにしても流れ出さず、長期間の高温暴露によ
っても流動化や型くずれなどを惹起しない形態安定性を
有し、さらにまた、使用後のゲル状組成物の形状は、全
体的に縮小はするが美観を損なわない透明ゲル状芳香・
消臭剤組成物が得られることを見出し本発明を完成する
に至った。 【0009】かくして、本発明は、(a)オクチル酸ア
ルミニウム、(b)C12〜C20ヒドロキシ不飽和高
級脂肪酸、(c)ベンジリデンソルビトール誘導体、及
び(d)芳香及び/又は消臭成分を含有することを特徴
とする透明ゲル状芳香・消臭剤組成物を提供するもので
ある。 【0010】以下、本発明の芳香・消臭剤組成物につい
てさらに詳細に説明する。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明において使用されるオクチ
ル酸アルミニウム(a)としては、例えば、ジ−2−エ
チルヘキサン酸アルミニウムが好適である。オクチル酸
アルミニウムは通常、粒状の固体であり、「ゲル化剤
T」(生研化学社製商品名)などとして市販もされてい
る。本発明では、オクチル酸アルミニウムを、例えば、
イソパラフィン系炭化水素などの溶剤に分散させた形態
で使用することもできる。オクチル酸アルミニウムの使
用量は、一般に、芳香・消臭剤組成物の1〜20重量
%、好ましくは3〜15重量%の範囲内とすることがで
きる。 【0012】本発明で用いられるC12〜C20ヒドロ
キシ不飽和高級脂肪酸(b)としては、例えば、リシノ
ール酸などのヒドロキシ不飽和高級脂肪酸が挙げられ
る。C12〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸の使用
量は厳密に制限されるものではなく、一般に、芳香・消
臭剤組成物の0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜
5重量%の範囲内とすることができる。 【0013】また、本発明で用いられるベンジリデンソ
ルビトール誘導体(c)は、ソルビトールとベンズアル
デヒドとの縮合反応によって得られる縮合物であって、
モノ、ジ又はトリベンジリデンソルビトールのそれぞれ
単独又はそれらの任意の割合の混合物が包含される。該
ベンジリデンソルビトール誘導体は、化学的に中性で、
疎水性且つ耐熱性の固体であり、通常、微粉末の形態
で、例えば、「ゲルオールD」、「ゲルオールT」(い
ずれも新日本理化社製商品名)などの商品名で市販され
ている。該ベンジリデンソルビトール誘導体(c)の使
用量は、上記(a)および(b)成分の使用量にもよる
が、一般には、芳香・消臭剤組成物の0.01〜2重量
%、好ましくは0.02〜0.5重量%の範囲内とする
ことができる。また、(a)成分、(b)成分と(c)
成分は、合計で一般に、芳香・消臭剤組成物の1.01
〜17重量%、好ましくは3.02〜9.5重量%の範
囲内で存在することが好ましい。 【0014】本発明の組成物に配合しうる(d)芳香・
消臭成分としては、本発明のゲル形成を弱めたり、さら
にゲルが不透明になったり、また、揮散過程においてゲ
ル表面に芳香・消臭成分がオイルアウトするといった現
象を生じさせないような芳香・消臭成分であればいずれ
でも利用できる。 【0015】そのような芳香・消臭成分の例としては、
特に制限はないが、例えそば、本発明の非流動化油性ゲ
ルに約2〜約90重量%程度の高賦香率で配合できる芳
香・消臭成分が好ましい。かかる芳香・消臭成分として
は、下記(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1種以
上の芳香・消臭成分であり、(1)沸点が約230℃以
下のアルデヒド系化合物、エステル系化合物、ケトン系
化合物及びモノテルペン系化合物;(2)沸点が約28
0℃以下のエーテル系化合物;(3)(1)〜(2)以
外の香料成分として、イソアミルアルコール、リナロー
ル、フェンキルアルコール、ゲラニルアセテート、ジメ
チルベンジルカルビニールブチレート、アリルシクロヘ
キサンプロピオネート、シトロネリルブチレート、イソ
−E−スーパー(1,2,3,4,5,6,7,8−オ
クタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−アセ
トナフタレン)、α−ダマスコン、β−ダマスコンを挙
げることができる。 【0016】(1)のアルデヒド系化合物を具体的に示
せば、例えば、パラアルデハイド、ベンズアルデヒド、
アルデヒドC−6、アルデヒドC−7、 アルデヒドC
−8、アルデヒドC−9、シトロネラール、アルデヒド
C−10、トリプラール、p−エチルジメチルヒドロシ
ンナミックアルデヒド(フローラゾン)、2−トリデセ
ナール、アルデヒドC11などをあげることができる。 【0017】また、(1)のエステル系化合物として
は、例えば、エチルアセテート、エチルプロピオネー
ト、メチルブチレート、エチルイソブチレート、エチル
ブチレート、ブチルアセテート、エチル2−メチルブチ
レート、イソアミルアセテート、エチル2−メチルペン
タノエート(マンザネート)、ヘキシルアセテート、ア
リルヘキサノエート、トリシクロデセニルプロピオネー
ト(VERTOPRO;フロロシクレン)、アリルヘプ
タノエート、イソボルニルアセテート、リナリルアセテ
ート、シトロネリルアセテート、2−ter−ブチルシ
クロヘキシルアセテート(ナルシドール)などを例示す
ることができる。 【0018】さらに、(1)のケトン系化合物として
は、例えば、2−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オ
クタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、メチルヘプテ
ノンなどを例示することができる。 【0019】またさらに、(1)のモノテルペン系化合
物としては、例えば、リモネン、α−ピネン、カンフェ
ン、p−サイメン、フェンチェンなどを例示することが
できる。 【0020】(2)のエーテル系化合物としては、例え
ば、1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロー
ルメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチ
ルエーテル、イソアミルフエェニルエチルエーテル、4
−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキ
サン、アネトールなどを例示することができる。 【0021】本発明では、上記した(1)〜(3)から
選ばれる少なくとも1種の芳香・消臭成分を芳香・消臭
成分の全体の重量を基準として70〜100重量%含有
することができ、好ましくは、85〜95重量%の範囲
を例示することができる。該香料化合物の配合量が少な
いと、ゲルが形成しなかったり、ゲル形成が弱かった
り、またゲルが不透明になるなどの不具合があり、ま
た、ゲル表面に香料組成物がオイルアウトするといった
現象が現れるゲルの不具合が生じる。 【0022】また、本発明では、上記した(1)〜
(3)に記載した芳香・消臭成分以外にも、本発明の芳
香・消臭剤のゲル形成に悪影響を及ぼさない範囲で、他
の天然または合成の広い範囲の芳香・消臭成分を配合す
ることができる。かかる芳香・消臭成分としては、例え
ば、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油、イランイ
ラン油、パチュリ油、シトロネラ油、レモングラス油、
ボアドローズ油、チョウジ油、ユーカリ油、セダー油、
ラベンダー油、ビャクダン油、ベチバー油、ゼラニウム
油、ラブダナム油、ペパーミント油、ローズ油、ジャス
ミン油、リッツアキュベバ油などの天然源植物性精油、
これらより分離されたゲラニオール、シトロネロール、
オイゲノールなどの単離香料類;ムスク、シベット、ア
ンバーグリス、カストリウムなどの天然源動物性香料
類;フェニルエチルアルコール、ジヒドロミルセノー
ル、ベンジルアセテート、バニリン、シンナミックアル
デヒド、ヘリオトロピン、アニスアルコール、アニスア
ルデヒド、イオノン、シス−3−ヘキセノール、ベンジ
ルアルコール、アミルシンナミックアルコール、ジメチ
ルベンジルカルビニルアセテート、シンナミルアセテー
ト、イソアミルサリシレート、メチルジヒドロジャスモ
ネート、α−ピペロニルプロパナール、ゲラニルニトリ
ル、シトロネリルニトリル、ヘキシルシンナミックアル
デヒド、リリアール、シクラメンアルデヒド、γ−ウン
デカラクトン、ベロネート、アンブロキサン、ガラクソ
ライドなどの合成香料をあげることができる。また、香
料の溶剤として、イソパラフィンノルマルパラフィンな
どを用いることもできる。 【0023】また、消臭成分としては、例えば、ラウリ
ルメタアクリレート、ゲラニルクロトネート、クロロフ
ィルの如き化学的消臭剤も例示することができる。 【0024】上記(d)芳香・消臭成分の使用量は、本
発明の透明ゲル状芳香・消臭剤組成物の利用目的により
異なるが、通常、芳香・消臭剤組成物の2〜90重量
%、好ましくは10〜70重量%の範囲を例示すること
ができる。 【0025】本発明の組成物には、さらに、他の添加剤
として、例えば、パラジクロールベンゼン、ナフタリ
ン、カンフアーの如き防虫剤;オルトフェニルフェノー
ル、安息香酸、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノ
ールの如き防腐・殺菌剤;アセトキシフェニルブタノ
ン、メチルオイゲノールの如き誘引、忌避剤等を配合例
示することもできる。 【0026】また、上記添加物以外に、ゲル化を促進さ
せ及び/又は(a)成分と(b)成分の混合を促進する
ために、例えば、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコー
ル、ジメチルスルフオキシド、N−メチルピロリドンな
どの溶剤を配合することもできる。 【0027】本発明の透明ゲル状芳香・消臭剤組成物の
製造方法は、上記したベンジリデンソルビトール誘導体
(c)、芳香及び/又は消臭成分(d)およびC12〜
C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸との混合物に、オク
チル酸アルミニウム(a)を、−20〜15℃、好まし
くは−10〜10℃、更に好ましくは−5〜5℃の低温
条件下に混合することを特徴とする。−20℃より低温
では、オクチル酸アルミニウム(a)の溶剤への分散が
悪くなり不都合であり、15℃を超える温度範囲では、
ゲル化が早く進み、製造の際の作業性が悪く、工業的に
容易に製造することができないため好ましくない。 【0028】本発明の一実施態様によれば、ゲルオール
D溶液(溶媒:ジメチルスルフオキシド;新日本理化社
製)に芳香及び/又は消臭成分およびC12〜C20ヒ
ドロキシ不飽和高級脂肪酸を添加混合し、−20〜15
℃の低温条件下に、オクチル酸アルミニウムを加えて撹
拌溶解し、適宜な容器に充填することにより固化する時
間がコントロールでき、製造の際の作業性を改善し、工
業的に容易に製造することができると共に、容器を逆さ
まにしても流れでないゲル状形態安定性に優れた透明ゲ
ル状芳香・消臭剤組成物を得ることができる。 【0029】本発明の透明ゲル状芳香・消臭剤組成物
は、非流動化透明油性ゲル中にC12〜C20ヒドロキ
シ不飽和高級脂肪酸を配合することにより、ゲルの形成
する時間がコントロールでき、さらにゲルの透明性が改
善されると共に、容器を逆さまにしても流れでない優れ
たゲル状形態安定性を示し、たとえば45〜50℃の室
温を超える温度条件に、たとえば2ヶ月の如き長期間放
置しても不都合な型くずれや液だれ、液浸みだしを生じ
ない。また、本発明の透明ゲル状芳香・消臭剤組成物は
香料の保留効果が優れているので、たとえば室内などの
芳香・消臭剤として使用すると、香料成分が一定のバラ
ンスを保ちながら揮散する徐放性を示し、例えば、2ケ
月以上の長期間にわたって芳香・消臭効果をバランスよ
く持続することができる。またさらに、使用後のゲル状
組成物の形状は、全体的に縮小はするが美観を損なわな
い。 【0030】上記のように、本発明の透明ゲル状芳香・
消臭剤組成物は、芳香・消臭成分の変質、変色、異臭化
などの不都合な変化を伴うことなしに、優れた芳香・消
臭効果の持続性及び芳香バランス性を示し、且つ、ゲル
状形態安定性に優れ、多量の香料を含有してもその形状
を保持できるなどの優れた諸性質を示し、車内、船舶
内、トイレ内、浴場内、居室内などの室内芳香・消臭剤
として、更には固型香水、固型芳香・消臭塗布剤、ポマ
ンダーなどの香粧品として、その他広い分野において有
用である。 【0031】以下実施例により本発明の実施の態様をさ
らに具体的に説明する。 【0032】 【実施例】実施例1 ゲルオールD15%溶液(溶媒:ジメチルスルフオキシ
ド;新日本理化社製)0.5gにラベンダーNo.23
60香料(長谷川香料社製)50gおよびリシノール酸
1.5gを混合し(以下、(A)成分とする)、別にオ
クチル酸アルミニウム10gをIPソルベント1620
(出光石油化学社製、イソパラフィン系炭化水素の商品
名)38gに分散したもの(以下、(B)成分とする)
を調製した。(A)成分および(B)成分を5℃の条件
下に混合し、容器に充填した。充填時にはゲル化が起こ
らず作業性は良好であった。容器に充填後、室温に放置
したところ、時間の経過と共に徐々に透明感を増しなが
らゲル化し、約1時間後には、容器を逆さまにしても流
れでない強固な透明ゲル状芳香剤組成物が得られた。こ
の組成物を2ヶ月間50℃で保存したが、2ヶ月後でも
製造時のままの形状を保持していた。 【0033】比較例1 実施例1において、リシノール酸1.5gの代わりにオ
レイン酸アルミニウム1.5gを用いた以外は、実施例
1と全く同様にしてゲル状芳香剤組成物を得た。得られ
たゲル状芳香剤組成物は実施例1で得られたゲル状芳香
剤組成物に比べて常温で完全にゲル化を形成し、容器か
ら流れでない強固な透明ゲル状芳香組成物にするために
は8時間を要した。 【0034】 【発明の効果】本発明によれば、透明で美観に優れ、ま
た、芳香・消臭剤を添加してもその芳香・消臭剤の変
質、異臭化などの不都合な変化を伴うことなしに優れた
芳香・消臭効果を有するとともに、その効果の持続性及
び安定性にも優れた芳香バランス性を示し、容器を逆さ
まにしても流れ出ることがなく、且つ、高温下で長期間
保存しても流動化しないゲルの形状安定性にも優れるな
どの諸性質を有し、さらにまた、使用後のゲル状組成物
の形状は、全体的に縮小はするが美観を損なわない透明
ゲル状芳香・消臭剤組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江森 章一 千葉県市川市市川二丁目二番十一号 生研 化学株式会社内 Fターム(参考) 4C080 AA04 BB02 BB03 BB05 BB07 BB09 HH07 KK03 LL05 LL06 LL09 MM12 MM13 MM15 MM16 NN12 QQ03 4H059 BC12 CA51 CA56 DA09 DA14 EA01 EA15 EA31

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 (a)オクチル酸アルミニウム、(b)
    C12〜C20ヒドロキシ不飽和高級脂肪酸、(c)ベ
    ンジリデンソルビトール誘導体および(d)芳香及び/
    又は消臭成分を含有することを特徴とする透明ゲル状芳
    香・消臭剤組成物。
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