JP2004083475A - 液体入浴剤用香料組成物及びそれを含有する液体入浴剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ClogPが2.4以上6.0未満であり、浴湯中に投入直後のニオイ強度が5段階評価で3以上で、かつ浴湯中に投入直後と投入1時間後のニオイ強度との差が0.3以下である香料成分の1種又は2種以上を50質量%以上含有することを特徴とする液体入浴剤用香料組成物。該液体入浴剤用香料組成物を0.01〜10質量%含有する液体入浴剤。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体入浴剤用香料組成物に関する。さらに詳細には、入浴中の芳香が、一定の強度、拡散性を維持し、さらに香りがほとんど変化することなく持続する液体入浴剤用香料組成物とその製法、及びこの液体入浴剤用香料組成物を含有する液体入浴剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、入浴剤を浴湯に投入してから香りを長時間一定の強さと質を維持する方法としては、例えば、珪酸カルシウムやデキストリン等の多孔質物質に香料を含浸、分散させる方法や、香料に二塩基酸ジエステル類を添加する方法(特開昭54−140742号公報)、アジピン酸を含む有機酸と炭酸塩と特定香料成分とを配合する方法(特開平3−109317号公報)、香料をマイクロカプセル化させる方法(特開平5−17338号公報)、サイクロデキストリンで香料分子を包接化・錯形成化することによって水中からの揮散を遅らせる方法(特開昭50−63126号公報、特開昭63−8309号公報)などが知られている。
しかしながら、これらの方法は、何れも粉末或いは錠剤の入浴剤であり液体入浴剤に関する報告ではない。
【0003】
また、液体入浴剤としては、香料を主体に、エタノールと、比重1以下の多価アルコール、及び油性成分を配合することにより、分散安定性及び良好な持続性を有する液体入浴剤(特開平11−35448号公報)が報告されている。
しかしながら、この入浴剤は、香料、エタノール、多価アルコール、油性成分に加えて、HLB10以下の界面活性剤を含有する5種の成分系であるため、良好な分散安定性及び持続性を得るためには各々の成分の量バランスが重要であり、この量バランスが崩れると好ましい安定性及び持続性を得ることができないという問題がある。それ故、単純な系で良好な香気の持続性を有する液体入浴剤が望まれていた。
【0004】
一方、最近の入浴剤市場では、単に温浴効果だけではなく、保湿等のスキンケアを機能をも備えた入浴剤に対する要望が強くなってきており、これに適した液体入浴剤市場が急速に拡大してきている。この様な液体入浴剤の場合、界面活性剤が配合されていることによって香料成分が可溶化されているため、入浴時必要な香料の拡散が得られず、充分な香りの強度を引き出すことが難しいという問題があった。
【0005】
ところで、一般家庭において入浴剤を使用する目的は、その香りによってリラックスしたり、リフレッシュしたりして香りを楽しむことばかりでなく、家族が順番に入浴しても、湯が汚れて不快な匂いを生じないことにある。しかしながら、液体入浴剤では、単純な系で、前述したように一定の香りを長時間持続させることが極めて難しいという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記の要望を満足する浴湯に投入してから香りが長時間一定の強度と香質を維持して家族全員は入浴を楽しむことができる液体入浴剤用香料組成物及びそれを含有する液体入浴剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような事情において、本発明者らは前記目的を達成するため、鋭意検討した結果、極めて選択された特定の香料成分の組合せを行うことにより、浴湯に投入してから香りが長時間一定の強度と香質を維持することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、以下の各発明を包含する。
【0008】
(1)ClogPが2.4以上6.0未満であり、浴湯中に投入直後のニオイ強度が5段階評価で3以上で、かつ浴湯中に投入直後と投入1時間後のニオイ強度との差が0.3以下である香料成分の1種又は2種以上を50質量%以上含有することを特徴とする液体入浴剤用香料組成物。
【0009】
(2)香料成分が、10−ウンデセナール、ウンデカナール、2−メチルウンデカナール、n−オクタナール、n−ノナナール、ドデカナール、γ−ウンデカラクトン、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、ヘプタン酸アリル、シクロヘキサデセノン、α−アミルシンナミックアルデヒド、アネトール、バクダノール、ボルネオール、酢酸シンナミル、シトロネロール、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸シクロヘキシル、ダマセノン、ダマスコン、アンスラニル酸ジメチル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、α−ダイナスコン、カプロン酸エチル、エチルリナロール、桂皮酸エチル、ガラクソライド、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、ヨノン、イソ−E−スパー、イソオイゲノール、シスジャスモン、シトラール、レボサンドール、リリアール、ローズオキサイド、メチルナフチルケトン、メチルヨノン、ムスクケトン、エチレンブラシレート、イソ吉草酸フェニルプロピル、サンダルマイソール、プロピオン酸スチラリル、テサロン、アセチルセドレン、トナライド、β−ナフチルエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種以上の香料からなることを特徴とする(1)記載の液体入浴剤用香料組成物。
【0010】
(3)前記(1)又は(2)に記載の液体入浴剤用香料組成物を0.01〜10質量%含有することを特徴とする液体入浴剤。
【0011】
(4)前記液体入浴剤用香料組成物と共に、油性成分、多価アルコール類及び界面活性剤を含有することを特徴とする(3)記載の液体入浴剤。
【0012】
(5)前記液体入浴剤用香料組成物と共に、精製水、炭素数2〜3の低級アルコール、多価アルコール及び界面活性剤を含有することを特徴とする(3)記載の液体入浴剤。
【0013】
(6)前記液体入浴剤用香料組成物と共に、精製水、油性成分、多価アルコール類及び界面活性剤を含有することを特徴とする(3)記載の液体入浴剤。
【0014】
(7)前記液体入浴剤が透明であることを特徴とする(3)〜(6)のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
【0015】
(8)前記液体入浴剤が乳液状であることを特徴とする(3)〜(6)のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
【0016】
(9)前記液体入浴剤が浴湯中に透明に溶解することを特徴とする(3)〜(8)のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
【0017】
(10)前記液体入浴剤が浴湯中で乳白色に白濁することを特徴とする(3)〜(8)のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明で用いられる香料成分は、ClogPが2.4以上6.0未満であり、浴剤投入直後のニオイ強度が5段階評価で3以上で、かつ投入直後と投入から1時間後のニオイ強度との差が0.3以下のものである。
【0019】
ClogPが2.4未満の香料成分は親水性が高いために、浴湯投入時に浴湯中に溶解してしまい、充分なニオイ強度を感じるために必要な揮発をさせることができない。また、ClogPが6.0以上の香料成分は水との親和性が極めて低いために、浴湯に投入時は浴湯中に溶け込まず直ちに揮発するので投入直後のニオイ強度は強くなるが、長時間ニオイ強度を維持できず、経時的な変化が大きい。さらに、ClogPが2.4以上6.0未満の香料成分であっても、ニオイ強度が弱い香料成分では、他の香料成分のニオイ強度変化及び香調変化の影響を受けて本来の香料を長時間維持できない。
【0020】
ここで、ClogPとは、化学物質の1−オクタノール/水分配係数で、f値法(疎水性フラグメント定数法)により計算で求められた値をいう。具体的には化合物の化学構造を、その構造要素に分解し、各フラグメントの有する疎水性フラグメント定数(f値)を積算して求められる(CLOGP3 Reference Manual Daylight Software 4. 34, Albert Leo, David Weininger, Version 1, March 1994)。
【0021】
また、本発明のおけるニオイ強度は、専門パネラー及び/又は一般パネラーにより、入浴時の温度(一般に40℃前後)の湯に適当量の液体入浴剤を撹拌分散された際の、浴槽のニオイ強度と、一定時間(例えば1時間)経過したのちの浴槽のニオイ強度を比較評価することより求められた値をいう。
【0022】
このような香料成分としては、例えば、表1の化合物を挙げることができる。
【0023】
【表1】
【0024】
表中の成分名の表記は、「合成香料」化学と商品知識、印藤元一著、化学工業日報社、1996年3月6日発行、に基づく。
但し、*印を付した成分名は、高砂香料工業株式会社の商品名である。
【0025】
また、表中の香料成分を主成分として含有する天然精油も用いることができ、これら香料成分を50質量%以上含有する精油が好ましい。例えば、アニス油、スターアニス油、フェンネル油、樟脳油、シトロネラ油、クミン油、ローズ油、パルマローズ油、ゲラニウム油等が挙げられる。
これらの香料成分は、1種又は2種以上用いることができ、液体入浴剤用香料組成物中に50質量%以上、特に60質量%以上配合するのが、より香りが長時間一定の香質を維持する効果は得られるので好ましい。
【0026】
本発明の液体入浴剤香料組成物に、上記香料成分の他に使用することができる香料としては、特に制限はなく、合成香料及び天然香料のいずれも用いることができる。例えば、Arctander S.,“Perfume and Flavor Chemicals”,published by the author,Montclair,N.J.(U.S.A.)1969年に記載されているような広い範囲の香料成分を使用することができる。
【0027】
代表的な天然香料としては、例えば、アニシード、イランイラン、エレミ、オリス、オレンジ、ガルバナム、クラリーセージ、クローブ、コリアンダー、サンダルウッド、シトロネラ、シナモン、ジャスミン、スペアーミント、セダーウッド、ゼラニウム、セロリ、タンジェリン、トンカビーンズ、ネロリ、バイオレット、パチョリ、ピーチ、ベチバー、ペチグレン、ペパーミント、ペルーバルサム、ベルガモット、ユーカリ、ライラック、ラズベリー、ラベンダー、リリーオブザバレー、レモン、レモングラス、ライム、ローズなどの天然精油;アンバー、カストリウム、シベット、ムスクなどの動物性チンキ等が挙げられる。
【0028】
代表的な合成香料としては、例えば、ピネン、リモネン、カリオフィレン、ロンギホレン、ミルセンなどの炭化水素類;シス−3−ヘキセノール、p−t−ブチロシクロヘキサノール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、メントール、イソボルネオール、イソカンフィルシクロヘキサノール、ファルネソール、ベンジルアルコール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、シンナミックアルコール、アミルシンナミックアルコール、チモール、オイゲノールなどのアルコール類;シネオール、エストラゴール、β−ナフチルメチルエーテル、ジフェニルオキサイド、セドリルメチルエーテル、イソアミルフェニルエチルエーテル、アンブロキサン(Henkel社)、グリサイバ(IFF社)、ジヒドロローズオキサイド、リモネンオキサイド、メントフラン、アンバーコア(花王株式会社)などのエーテル類;シトロネラール、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、マイラックアルデヒド(IFF社)、コバノール(高砂香料工業株式会社)、ベルンアルデヒド(Givaudan社)、ベンズアルデヒド、スザラール(高砂香料工業株式会社)、シンナミックアルデヒド、メチルシンナミックアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘリオブーケ(高砂香料工業株式会社)などのアルデヒド類;ジヒドロジャスミン、ヘディオン(Firmenich社)、シクロテン、カシュメラン(IFF社)、カルボン、メントン、イソロンギホラノン、ラズベリーケトン、アセトフェノン、などのケトン類;クマリン、ギ酸リナリル、ギ酸シトロネリル、リナリルアセテート、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、テロペニルアセテート、セドリルアセテート、2−t−ブチルシクロヘキシルアセテート(ベルドックス;IFF社)、ベンジルアセテート、フェニルアリルアセテート、スチラリルアセテート、イソアミルアセテート、ローズフェノン、ジャスマール(IFF社)、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリチレート、ヘキシルサリチレート、メチルアトラレート、メチルアンスラニレート、エチルアンスラニレート、フルテート(花王株式会社)などのエステル類;ムスコン、ムスコール、シベトン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン、シクロペンタデカノリド、エチレンドデカンジオエート、セレストリド(IFF社)、トラセオライド(Quest International社)などのムスク類等がそれぞれ挙げられる。これらの香料は単独で用いてもよいし、2種以上を調合して調合香料として用いてもよい。
【0029】
また、通常使用される香料保留剤の1種又は2種以上を配合しても良く、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレート、ハーコリン(アビエチン酸メチル)等と併用することも可能である。
さらに、生薬成分を1種又は2種以上を配合して利用することができる。生薬成分を配合することにより、生薬成分の香りのマスキングのほか、液体入浴剤用香料組成物の有する効能効果と生薬成分が有する効能効果の相乗効果が期待できる生薬成分としては、一般に入浴剤に使用される生薬成分を適宜に添加することができる[周知・慣用技術集(香料)第三部 香粧品用香料 4・3・3 入浴剤 平成13年6月15日発行]。
【0030】
本発明の液体入浴剤用香料組成物は、表1の成分の1種又は2種以上に加えて、従来より液体入浴剤用香料組成物に配合されている種々の香料成分を必要とする香調などに応じて適宜選択して使用することができる。
本発明の液体入浴剤香料組成物は各種液体入浴剤への配合量は、特に制限されず、また香料や香粧品組成物の種類によって異なる。従って、この配合量は、これらの種類や組み合わせを特定して調製を行うことによって、容易に決定することができる。
本発明の液体入浴剤用香料組成物は、液体入浴剤に賦香するもので、入浴特に良好な嗜好性、持続性と適度な香り強度を付与するため、液体入浴剤中に、0.1〜10質量%、好ましくは、0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%となるように配合する。
【0031】
本発明の液体入浴剤には、油性成分、多価アルコール、炭素数2〜3の低級アルコール、界面活性剤を、その液体入浴剤のタイプに応じて、適宜配合することができる。
本発明の液体入浴剤に用いられる油性成分としては、スクワラン、流動パラフィン、イソステアリン酸、ホホバ油等の入浴剤一般に使用される油性成分を使用することができる。
【0032】
本発明の液体入浴剤に用いられる多価アルコールとしては、グリセリン、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
本発明の液体入浴剤に用いられる炭素数2〜3の低級アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
本発明の液体入浴剤に用いられる界面活性剤としては、一般的に入浴剤に使用できる界面活性剤であれば特に限定されるものではない。また、液体入浴剤のタイプにより、油性成分を乳化又は可溶化するために用いられる界面活性剤を適宜に使用すればよい。
【0033】
本発明の液体入浴剤組成物には、必要に応じて他の任意原料成分を配合することができ、例えば、その浴剤の目的とする効能、効果に応じてビタミン類、生薬類、色素類などから選ばれる一種又は二種以上の原料を適宜選択して配合することができる。
ビタミン類としては、レチノール、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、シアノコバラミン、アスコルビン酸、コレカルシフェロール、トコフェロール、カルニチン、フェルラ酸、オロット酸、γ−オキザノールなどが挙げられる。
【0034】
生薬類としては、センキュウ、トウヒ、ケイガイ、ショウキョウ、オウガン、オウレン、サンシン、ガイヨウ、アロエ、ケイヒ、シャクヤク、カンゾウ、チンピ、カミツレ、マロニエ、ショウブなどが挙げられる。
色素類としては、赤色104号の(1)、赤色105号の(1)、赤色106号、青色1号、青色2号、赤色213号、赤色214号、赤色230号の(1)、赤色231号、赤色232号、だいだい色205号、黄色202号の(1)、青色202号、青色203号などが挙げられる。
【0035】
本発明の液体入浴剤の製造方法としては、特に限定されないが、一般に液体入浴剤を製造する方法を用いることができる[周知・慣用技術集(化粧料及び類似品)V 浴用剤 昭和59年8月21日発行]。
【0036】
本発明の液体入浴剤としては、(1)製品状態では油性であって浴湯に投入すると油性成分が浴湯に白濁分散するタイプの液体入浴剤組成物、(2)低級アルコールや多価アルコールを主成分とした透明タイプの液体入浴剤で浴湯に投入時も透明に溶解するタイプの液体入浴剤組成物、(3)製品そのものが乳液状で、浴湯に投入した時も白濁するタイプの液体入浴剤組成物のいずれにも用いることができ、製品状態で液体の入浴剤であれば特に制限することなく使用することができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されものではない。
【0038】
実施例1及び比較例1
実施例1及び比較例1として表2に示す配合の液体入浴剤用香料組成物を調製した。
【0039】
【表2】
【0040】
ここで、1〜19の香料成分は表1記載の成分でかつ本香料組成物の香りの特徴であるフローラルフルーティーの骨格を形成する成分であり、20〜30はフルーティーフローラルのニオイを修飾し、香りの嗜好性等を上げるための成分である。実施例1及び比較例1の両香料組成物から20〜30の成分を除いてしまうと液体入浴剤香料としての価値を著しく低下してしまうことが判明した。
また、香料組成物が含有する1〜19の香料成分の合計量と20〜30の香料成分の合計量の比率がある範囲にあることが、浴湯中に投入した際に、芳香が一定の強度、拡散性を維持し、香りが殆ど変化することなく持続することに大きく寄与することも判明した。
【0041】
すなわち、表2に示されるように、実施例1と比較例1の香料組成物を構成する各成分のうち、20〜30の香料成分の中でジャスミン用香気を有する成分である酢酸ベンジル量を実施例1では80mgとし、比較例1では130mgとすると共に、同じジャスミン用香気を有する成分であり、本発明の条件を満足する表1の香料成分であるジヒドロジャスモン酸メチルについては、比較例1では使用せず、実施例1においてのみ、100mg添加した。
【0042】
また、ローズ用香気を有する成分であるβ−フェニルエチルアルコールについては、実施例1では140mgであるのに対して比較例1では240mg添加した。そして、実施例1と比較例1の香料成分の総量が等しくなるように、酢酸−p−tert−ブチルシクロヘキシルを実施例1では120mgとし、比較例1では170mgとすることで調整し、実施例1の香料組成物については前記1〜19の成分の含有量を56.1%とし、比較例1の香料組成物については、1〜19の成分の含有量を36.1%とした。
【0043】
実施例2及び比較例2
次に、表3の白濁タイプ液体入浴剤を調製し、これに、実施例1の液体入浴剤用香料組成物を用いた「白濁タイプ液体入浴剤1」(実施例2)、及び比較例1の液体入浴剤用香料組成物を用いた「白濁タイプ液体入浴剤2」(比較例2)を各々調製した。
【0044】
【表3】
【0045】
このように調製された「白濁タイプ液体入浴剤1」(実施例2)及び「白濁タイプ液体入浴剤2」(比較例2)について、専門パネル8名により、液体入浴剤の香りの「持続性」及び「香調の変化」を評価した。
「持続性」の評価は、液体入浴剤30gを40℃の湯200Lを入れた浴槽中に添加し撹拌分散させた後、1時間40℃に保つ。次に1時間後に新たに同一条件で液体入浴剤を投入し、一時間経過の浴槽と新たに入浴剤を投入した浴槽のニオイ強度を以下の5段階で比較評価した。
【0046】
5段階評価尺度
5:投入直後の浴槽のニオイと同等の強度
4:投入直後の浴槽のニオイに比べ若干弱い
3:投入直後の浴槽のニオイに比べやや弱い
2:投入直後の浴槽のニオイに比べ弱い
1:投入直後の浴槽のニオイに比べ非常に弱い又は殆ど匂わない
【0047】
上記の評価方法においては、評価値が5の場合は投入直後のニオイ強度と投入後1時間を経過した浴槽のニオイ強度が同じとなり極めて持続性がよいと判断したことを示している。また3程度は十分実用価値がある強度であることを示しているが、3未満の評価値になった場合には、入浴剤としても必要なニオイ強度は既に無くなっていることを示している。以下、表4にその結果を示す。
【0048】
「香調の変化」の評価は、前述の持続性の評価と全く同じ方法で行い、以下の5段階で評価した。以下、表4にその結果を示す。
5段階評価尺度
5:投入直後の浴槽のニオイと同等の香質である
4:投入直後の浴槽のニオイに比べ若干変化がみられる
3:投入直後の浴槽のニオイに比べやや変化がみられる
2:投入直後の浴槽のニオイに比べ変化している
1:投入直後の浴槽のニオイに比べ著しく変化又は殆ど匂わない
【0049】
評価値が5の場合は投入直後のニオイと投入後1時間を経過した浴槽のニオイは香調的に変化が全くないと判断したことを示している。また、評価値が3以上であれば十分実用価値があることを示しているが、3未満の評価値になった場合には、香りの変化が大きく本来の香調が維持できていないことを示している。
【0050】
【表4】
【0051】
表4に示した結果から明らかなように、実施例1の液体入浴剤用香料組成物を用いた「白濁タイプ液体入浴剤1」(実施例2)の場合は、非常に良好な持続性を示し、香りの変化も殆ど起きていないことが明らかである。一方、比較例1の液体入浴剤用香料組成物を用いた「白濁タイプ液体入浴剤2」(比較例2)の場合では、持続性の低下が激しく、また、香りの質も大きく変化し、全くことなるベースノートだけの香りとなり明らかな劣化を示している。
【0052】
実施例3〜4及び比較例3〜4
実施例3及び比較例3として表5に示すフローラルブーケ調の液体入浴剤用香料組成物を調製した。
次に、表6の乳液タイプ液体入浴剤を調製し、これに、実施例3の液体入浴剤用香料組成物を用いた「乳液タイプ液体入浴剤1」(実施例4)、及び比較例3の液体入浴剤用香料組成物を用いた「乳液タイプ液体入浴剤2」(比較例4)を各々調製した。
このように調製された液体入浴剤を実施例1〜2に示した方法と同じ方法で評価した。その結果を表7に示す。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】
表7に示した結果から明らかなように、実施例3の液体入浴剤用香料組成物を用いた「乳液タイプ液体入浴剤1」(実施例4)の場合は、非常に良好な持続性を示し、香りの変化も殆ど起きていないことが明らかである。一方、比較例3の液体入浴剤用香料組成物を用いた白濁タイプ液体入浴剤2」(比較例4)の場合では、持続性の低下が激しく、また、香りの質も大きく変化している。
【0057】
実施例5〜6及び比較例5〜6
実施例5及び比較例5として表8に示すハーバルグリーン調の液体入浴剤用香料組成物を調製した。
次に、表9の透明ローションタイプ液体入浴剤を調製し、これに、実施例5の液体入浴剤用香料組成物を用いた「透明ローションタイプ液体入浴剤1」(実施例6)、及び比較例5の液体入浴剤用香料組成物を用いた「透明ローションタイプ液体入浴剤2」(比較例6)を各々調製した。
このように調製させた液体入浴剤60gを40℃の湯200Lを入れた浴槽中に添加し撹拌分散させた後、1時間40℃に保つ。次に1時間後に新たに同一の条件で液体入浴剤を投入し、一時間経過の浴槽と新たに入浴剤を投入した浴槽のニオイ強度を実施例1〜2に示した方法と同じ方法で評価した。その結果を表10に示す。
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
表10に示した結果から明らかなように、実施例5の液体入浴剤用香料組成物を用いた「液体ローションタイプ液体入浴剤1」(実施例6)の場合は、良好な持続性、香調の変化も非常に少ない結果であった。一方、比較例5の液体入浴剤用香料組成物を用いた「液体ローションタイプ液体入浴剤2」(比較例6)の場合では、持続性、香調変化とも激しく明らかな劣化がみられた。
【0062】
【発明の効果】
本発明の液体入浴剤用香料組成物によれば、液体入浴剤の香りに良好な持続性と安定性を与えることができる。また、液体入浴剤の組成に影響されない香料組成物を容易に調合できる。
Claims (10)
- ClogPが2.4以上6.0未満であり、浴湯中に投入直後のニオイ強度が5段階評価で3以上で、かつ浴湯中に投入直後と投入1時間後のニオイ強度との差が0.3以下である香料成分の1種又は2種以上を50質量%以上含有することを特徴とする液体入浴剤用香料組成物。
- 香料成分が、10−ウンデセナール、ウンデカナール、2−メチルウンデカナール、n−オクタナール、n−ノナナール、ドデカナール、γ−ウンデカラクトン、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、ヘプタン酸アリル、シクロヘキサデセノン、α−アミルシンナミックアルデヒド、アネトール、バクダノール、ボルネオール、酢酸シンナミル、シトロネロール、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸シクロヘキシル、ダマセノン、ダマスコン、アンスラニル酸ジメチル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、α−ダイナスコン、カプロン酸エチル、エチルリナロール、桂皮酸エチル、ガラクソライド、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、ヨノン、イソ−E−スパー、イソオイゲノール、シスジャスモン、シトラール、レボサンドール、リリアール、ローズオキサイド、メチルナフチルケトン、メチルヨノン、ムスクケトン、エチレンブラシレート、イソ吉草酸フェニルプロピル、サンダルマイソール、プロピオン酸スチラリル、テサロン、アセチルセドレン、トナライド、β−ナフチルエチルエーテルの群から選ばれる少なくとも1種以上の香料からなることを特徴とする請求項1記載の液体入浴剤用香料組成物。
- 請求項1又は2に記載の液体入浴剤用香料組成物を0.01〜10質量%含有することを特徴とする液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤用香料組成物と共に、油性成分、多価アルコール類及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項3記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤用香料組成物と共に、精製水、炭素数2〜3の低級アルコール、多価アルコール及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項3記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤用香料組成物と共に、精製水、油性成分、多価アルコール類及び界面活性剤を含有することを特徴とする請求項3記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤が透明であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤が乳液状であることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤が浴湯中に透明に溶解することを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
- 前記液体入浴剤が浴湯中で乳白色に白濁することを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載の液体入浴剤。
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