JP2003204686A - 車両用モーターファン制御装置 - Google Patents

車両用モーターファン制御装置

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JP2003204686A
JP2003204686A JP2002001460A JP2002001460A JP2003204686A JP 2003204686 A JP2003204686 A JP 2003204686A JP 2002001460 A JP2002001460 A JP 2002001460A JP 2002001460 A JP2002001460 A JP 2002001460A JP 2003204686 A JP2003204686 A JP 2003204686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な方法でモーターファン停止時のラジエ
ーターへの流入空気量を抑制する。 【解決手段】 モーター1への電源3の供給を停止した
ときに、モーター1の端子1a、1bを短絡する。走行
時の車速風によりファンが回されてモーター1が回転し
たときに、モーター1の端子1a、1bに誘起した逆起
電力が短絡され、モーター1に短絡電流が流れる。これ
により、モーター1にブレーキ力が発生してモーター1
の回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデン
サーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデ
ンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジエーターやコ
ンデンサーに送風する車両用モーターファンの制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】ラジエーターやコンデンサーに送風して
エンジン冷却水や車両用空調装置(以下、エアコンと呼
ぶ)の冷媒を冷却するモーターファンの制御装置が知ら
れている。
【0003】図8に従来のモーターファン制御装置の構
成を示す。モーター50はリレー接点51aを介してバ
ッテリー電源52に接続されており、リレー接点51a
が閉路するとバッテリー電源52からモーター50に電
力が供給され、モーター50が回転してファン(不図
示)を駆動する。リレーコイル51bはイグニッション
電源53とコントローラー54に接続され、コントロー
ラー54によりオン、オフされる。なお、イグニッショ
ン電源53は車両のイグニッションキー(電気自動車お
よびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位置
に設定されると有効になる電源である。
【0004】コントローラー54には、エアコン装置5
5、エアコン冷媒吐出圧力Pdを検出するエアコン冷媒
圧力センサー56、車速Vを検出する車速センサー5
7、エンジン冷却水温Twを検出するエンジン冷却水温
センサー58が接続されている。コントローラー54
は、エアコン装置55のオン、オフ、エアコン冷媒吐出
圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づい
て、リレーコイル51bのオン、オフを行い、モーター
50の運転と停止を行う。
【0005】また、エンジン冷却水温が低く、かつ車速
が高いときには、サーモスイッチによりモーターの両端
にアクチュエーターコイルを接続し、走行時の車速風
(ラム圧)によりファンが回されてモーターが回転する
と、モーターの逆起電力をアクチュエーターコイルへ供
給し、アクチュエーターにより導風板を開放するように
した車両用モーターファン制御装置が知られている(実
開平03−075027号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両用モーターファン制御装置では、モーターファンを
停止しているときは走行時の車速風によりファンが回さ
れてしまい、ファンがラジエーターの通気抵抗にならな
いために次のような問題が発生する。すなわち、ラジ
エーターおよびコンデンサーへの流入空気量が増加して
車両のCd値(空気抵抗係数)が大きくなり、燃費性能
が悪化する。低外気温時や冷機時に過剰にエンジンル
ームやラジエーターを冷却してしまうため、エンジンの
冷却水温および駆動系の油温が上昇しにくくなり、燃費
性能が悪化する。
【0007】上記の問題を解決するために、例えばラ
ジエーターの開口面積を予め小さくするといった方法が
考えられるが、ラジエーターや冷却ファンといった冷却
系部品の性能向上が必要となり、車両コストが増加す
る。また、上記の問題を解決するためにラジエーター
シャッターを設置してラジエーターへの流入空気量を抑
制する方法があるが、ラジエーターシャッターを車両に
搭載する際のレイアウト上の制約や、車両コストアップ
の問題がある。
【0008】本発明の目的は、安価な方法でモーターフ
ァン停止時のラジエーターへの流入空気量を抑制するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の発明
は、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器に送
風するファンと、前記ファンを駆動するモーターと、前
記モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、前
記モーターの端子を短絡する短絡手段と、前記開閉手段
により前記モーターへの電源の供給を停止したときに、
前記短絡手段により前記モーターの端子を短絡する制御
手段とを備える。 (2) 請求項2の車両用モーターファン制御装置は、
車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、前記
制御手段によって、前記周囲温度検出値が予め設定した
値以上の場合は、前記開閉手段により前記モーターへの
電源の供給が停止されても前記短絡手段により前記モー
ターの端子を短絡しないようにしたものである。 (3) 請求項3の車両用モーターファン制御装置は、
前記モーターを、直流モーターまたは永久磁石同期モー
ターとしたものである。 (4) 請求項4の発明は、車両走行時の風を受けて熱
交換を行う熱交換器に送風する複数のファンと、前記複
数のファンをそれぞれ駆動する複数の直流モーターと、
前記複数の直流モーターへの電源の供給と停止を行う開
閉手段と、前記複数の直流モーターの異極端子どうしを
接続して前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を
形成する直列閉回路形成手段と、前記開閉手段により前
記複数の直流モーターへの電源の供給を停止したとき
に、前記直列閉回路形成手段により前記複数の直流モー
ターによる直列の閉回路を形成する制御手段とを備え
る。 (5) 請求項5の車両用モーターファン制御装置は、
車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、前記
制御手段によって、前記周囲温度検出値が予め設定した
値以上の場合は、前記開閉手段により前記複数の直流モ
ーターへの電源の供給が停止されても前記直列閉回路形
成手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回
路を形成しないようにしたものである。
【0010】
【発明の効果】(1) 請求項1の発明によれば、走行
時の車速風によりファンが回されてモーターが回転した
ときに、モーターの端子に誘起した逆起電力が短絡さ
れ、モーターに短絡電流が流れる。これにより、モータ
ーにブレーキ力が発生してモーターの回転が抑制される
ため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が
増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入する空
気量の増加が抑制される。したがって、車両のCd値
(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性能を
維持することができる。また、ラジエーターの過剰冷却
による燃費性能を悪化を防止することができる。さら
に、モーター停止時にモーター端子を短絡するだけの安
価な方法で実現できる。 (2) 請求項2の発明によれば、請求項1の上記効果
に加え、不必要にモーターを短絡して短絡電流を流すの
が避けられ、モーターの長寿命化を図ることができる。 (3) 請求項4の発明によれば、走行時の車速風によ
りいずれかのモーターに連結されるファンが回されてモ
ーターが回転すると、モーターの両端子に誘起した逆起
電力が他のモーターの回転子を介して短絡され、モータ
ーに短絡電流が流れる。この結果、モーターにブレーキ
力が発生してモーターの回転が抑制されるため、ラジエ
ーターおよびコンデンサーへの通気抵抗が増加してラジ
エーターおよびコンデンサーへ流入する空気量の増加が
抑制される。したがって、車両のCd値(空気抵抗係
数)の増大が防止され、良好な燃費性能を維持すること
ができる。また、ラジエーターの過剰冷却による燃費性
能を悪化を防止することができる。さらに、モーター停
止時にモーターの異極端子どうしを接続して直列閉回路
を形成するだけの安価な方法で実現できる。 (4) 請求項5の発明によれば、請求項4の上記効果
に加え、不必要にモーターを短絡して短絡電流を流すの
が避けられ、モーターの長寿命化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】《発明の第1の実施の形態》図1
は第1の実施の形態の構成を示す。モーター1は直流モ
ーターであり、ラジエーターとコンデンサー(いずれも
不図示)のいずれか一方または両方に送風するためのフ
ァン(不図示)を駆動する。ラジエーターとコンデンサ
ーは、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換器で
ある。なお、ラジエーターとコンデンサーに送風するフ
ァンには、カップリングを介してエンジンにより駆動さ
れるファンと、モーターにより駆動されるファンとがあ
る。後者のファンをモーターファンと呼び、本願発明は
このモーターファンの制御装置に関するものである。
【0012】モーター1の一方の端子1aはリレー接点
2aを介してバッテリー電源3に接続され、他方の端子
1bはリレー接点4aを介してコモン(車体)に接続さ
れる。リレー接点2aはa接点であり、リレーコイル2
bが励磁(オン)されると閉路する。リレー接点4aは
c接点であり、リレーコイル4bが励磁されるとモータ
ー1の他方の端子1bがコモン(車体)に接続され、リ
レーコイル4bが釈放(オフ)されるとモーター1の一
方の端子1aと他方の端子1bとが接続され、モーター
1が短絡される。
【0013】リレーコイル2b、4bはイグニッション
電源5とコントローラー6に接続され、コントローラー
6により各リレーコイル2b、4bの励磁と釈放が行わ
れる。なお、イグニッション電源5は車両のイグニッシ
ョンキー(電気自動車およびハイブリッド車両の場合は
メインキー)がON位置に設定されると有効になる電源
である。コントローラー6によりリレーコイル2b、4
bが励磁されると、バッテリー電源3からリレー接点2
aを介してモーター端子1aに電力が供給されるととも
に、モーター端子1bがリレー接点4aを介してコモン
(車体)に接続される。これにより、モーター1が回転
してファン(不図示)を駆動し、ラジエーターとコンデ
ンサーに送風する。
【0014】コントローラー6はマイクロコンピュータ
ーとメモリ(不図示)などの周辺部品から構成され、後
述する制御プログラムを実行してリレーコイル2b、4
bのオン、オフを制御する。コントローラー6にはエア
コン装置(空調装置)7、エアコン冷媒吐出圧力Pdを
検出するエアコン冷媒圧力センサー8、車速Vを検出す
る車速センサー9、エンジン冷却水温Twを検出するエ
ンジン冷却水温センサー10が接続されている。コント
ローラー6は、エアコン装置55のオン、オフ、エアコ
ン冷媒吐出圧力Pd、車速Vおよびエンジン冷却水温Tw
に基づいてリレーコイル2b、4bを制御し、モーター
1の運転と停止を行う。
【0015】図2は、第1の実施の形態のモーターファ
ン制御プログラムを示すフローチャートである。コント
ローラー6は、車両のイグニッションキー(電気自動車
およびハイブリッド車両の場合はメインキー)がON位
置に設定されるとこのモーターファン制御プログラムを
繰り返し実行する。
【0016】ステップ1において、車速センサー9から
現在の車速Vを読み込み、予め設定した所定値V1、V
2(V2>V1とする)と比較する。ここで、V1を例
えば50km/h、V2を例えば80km/hとする。車速Vが
V1未満の場合はステップ2へ進み、エアコン装置7が
運転(オン)されているかどうかを確認する。エアコン
装置7が運転されている場合はステップ3へ進み、リレ
ーコイル2b、4bを励磁(オン)してモーター1にバ
ッテリー電源3を供給し、モーター1を運転してファン
を回転させる。
【0017】一方、車速VがV1未満で、且つエアコン
装置7が停止(OFF)されている場合はステップ4へ
進み、エンジン冷却水温センサー10からエンジン冷却
水温Twを読み込み、予め設定した所定値Tw2と比較す
る。ここで、Tw2を例えば100℃とする。水温Twが
Tw2以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2
b、4bを励磁(オン)してモーター1にバッテリー電
源3を供給し、モーター1を運転してファンを回転させ
る。一方、水温TwがTw2未満の場合はステップ5へ進
み、リレーコイル2b、4bを釈放(オフ)してモータ
ー1を停止する。リレーコイル2b、4bをオフする
と、リレー接点4aによりモーター1の両端子1a、1
bが短絡される。
【0018】ステップ1において車速VがV1以上でV
2未満であると判別された場合はステップ6へ進み、エ
アコン装置7が運転(オン)されているかどうかを確認
する。エアコン装置7が運転されている場合はステップ
7へ進み、エアコン冷媒圧力センサー8からエアコン冷
媒吐出圧力Pdを読み込み、予め設定した所定値Pd1と
比較する。ここで、Pd1を例えば1.68MPaとす
る。エアコン冷媒吐出圧力PdがPd1以上の場合はステ
ップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励磁してモー
ター1にバッテリー電源3を供給し、モーター1を運転
してファンを回転させる。
【0019】ステップ6でエアコン装置7が停止(オ
フ)されていると判別された場合、またはステップ7で
エアコン冷媒吐出圧力PdがPd1未満であると判別され
た場合はステップ8へ進み、エンジン冷却水温センサー
10からエンジン冷却水温Twを読み込み、予め設定し
た所定値Tw1(<Tw2)と比較する。ここで、Tw1を例
えば95℃とする。エンジン冷却水温TwがTw1以上の
場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4bを励
磁してモーター1にバッテリー電源3を供給し、モータ
ー1を運転してファンを回転させる。一方、エンジン冷
却水温TwがTw1未満の場合はステップ5へ進み、リレ
ーコイル2b、4bを釈放してモーター1を停止する。
このとき、上述したようにモーター1の両端子1a、1
bはリレー接点4aにより短絡される。
【0020】ステップ1において車速VがV2以上であ
ると判別された場合はステップ9へ進み、エンジン冷却
水温Twを上記Tw3(>Tw2)と比較する。ここで、Tw
3を例えば105℃とする。エンジン冷却水温TwがTw3
以上の場合はステップ3へ進み、リレーコイル2b、4
bを励磁してモーター1にバッテリー電源3を供給し、
モーター1を運転してファンを回転させる。一方、エン
ジン冷却水温TwがTw3未満の場合はステップ5へ進
み、リレーコイル2b、4bを釈放してモーター1を停
止する。このとき、上述したようにモーター1の両端子
1a、1bはリレー接点4aにより短絡される。
【0021】以上のコントローラー6によるリレーコイ
ル2b、4bのオン、オフ制御をまとめると次表のよう
になる。
【表1】 表1において、A/Cはエアコン(空調装置)を表す。
【0022】なお、エンジン冷却水温Tw、エアコン冷
媒吐出圧力Pd、車速Vに基づくモーター1のオン、オ
フ制御には、図3(a)、(b)、(c)に示すようなヒステ
リシス特性を設定し、モーター1の頻繁な運転と停止の
切り替わりを防止する。
【0023】このように、第1の実施の形態によれば、
車速V、エアコン装置7のオン、オフ、エアコン冷媒吐
出圧力Pdおよびエンジン冷却水温Twに基づいてモータ
ー1の運転と停止を制御するとともに、モーター1を停
止したときはリレー接点4aによりモーター1の両端子
1a、1bを短絡するようにしたので、走行時の車速風
(ラム圧)によりファンが回されてモーター1が回転し
たときに、モーター1の両端子1a、1bに誘起した逆
起電力が短絡され、モーター1に短絡電流が流れる。こ
れにより、モーター1にブレーキ力が発生してモーター
1の回転が抑制されるため、ラジエーターおよびコンデ
ンサーへの通気抵抗が増加してラジエーターおよびコン
デンサーへ流入する空気量の増加が抑制される。したが
って、車両のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止さ
れ、良好な燃費性能を維持することができる。また、ラ
ジエーターの過剰冷却による燃費性能を悪化を防止する
ことができる。さらに、モーター停止時にモーター端子
を短絡するだけの安価な方法で実現できる。
【0024】なお、上述した第1の実施の形態では直流
モーターを用いた例を示したが、永久磁石回転子を備え
た同期モーターを用い、停止時に固定子側の交流巻線端
子を短絡することによって、上述した直流モーターを用
いた場合と同様な効果が得られる。この場合には、車載
バッテリーの直流電力をインバーターにより交流電力に
変換して同期モーターへ供給する。
【0025】《発明の第2の実施の形態》上述した第1
の実施の形態は1台のモーターによりファンを駆動し、
ラジエーターとコンデンサーのいずれか一方または両方
に送風する例を示したが、2台の直流モーター1A、1
Bによりそれぞれファンを駆動し、ラジエーターとコン
デンサーのいずれか一方または両方に送風するようにし
た第2の実施の形態を説明する。
【0026】図4は第2の実施の形態の構成を示す。な
お、図1に示す機器と同様な機器に対しては同一の符号
を付して相違点を中心に説明する。モーター1Aの正極
端子1cはリレー接点12aを介してバッテリー電源3
に接続され、負極端子1dはリレー接点15aを介して
コモン(車体)とモーター1Bの正極端子1eに接続さ
れる。モーター1Bの正極端子1eはリレー接点13a
を介してバッテリー電源3に接続され、負極端子1fは
リレー接点14aを介してモーター1Aの正極端子1c
とコモン(車体)に接続される。
【0027】リレー接点12a、13aはともにa接点
であり、それぞれリレーコイル12b、13bが励磁
(オン)されると閉路する。リレー接点14aはc接点
であり、リレーコイル14bが励磁されるとモーター1
Bの負極端子1fがコモン(車体)に接続され、リレー
コイル14bが釈放(オフ)されるとモーター1Bの負
極端子1fがモーター1Aの正極端子1cに接続され
る。リレー接点15aはc接点であり、リレーコイル1
5bが励磁されるとモーター1Aの負極端子1dがコモ
ン(車体)に接続され、リレーコイル15bが釈放され
るとモーター1Aの負極端子1dがモーター1Bの正極
端子1eに接続される。
【0028】リレーコイル12b、13b、14b、1
5bはイグニッション電源5とコントローラー6Aに接
続され、コントローラー6Aにより各リレーコイル12
b、13b、14b、15bの励磁と釈放が行われる。
コントローラー6Aによってすべてのリレーコイル12
b、13b、14b、15bが励磁されると、バッテリ
ー電源3からリレー接点12aを介してモーター1Aの
正極端子1cに電力が供給されるとともに、モーター1
Aの負極端子1dがリレー接点15aを介してコモン
(車体)に接続され、モーター1Aにバッテリー電源3
から電流が流れて回転する。これにより、モーター1A
に連結された一方のファンが回転し、ラジエーターとコ
ンデンサーに送風する。
【0029】また同時に、バッテリー電源3からリレー
接点13aを介してモーター1Bの正極端子1eに電力
が供給されるとともに、モーター1Bの負極端子1fが
リレー接点14aを介してコモン(車体)に接続され、
モーター1Bにバッテリー電源3から電流が流れて回転
する。これにより、モーター1Bに連結された他方のフ
ァンが回転し、ラジエーターとコンデンサーに送風す
る。
【0030】一方、コントローラー6Aによってすべて
のリレーコイル12b、13b、14b、15bが釈放
されると、モーター1A、1Bへのバッテリー電源3の
供給が停止され、モーター1A、1Bが停止する。同時
に、モーター1Aの正極端子1cがリレー接点14aを
介してモーター1Bの負極端子1fに接続され、またモ
ーター1Aの負極端子1dがリレー接点15aを介して
モーター1Bの正極端子1eに接続される。つまり、モ
ーター1A、1Bの停止時には、2台のモーター1A、
1Bの内のいずれか一方のモーターの正極端子が他方の
モーターの負極端子へ接続され、一方のモーターの負極
端子が他方のモーターの正極端子へ接続される。
【0031】コントローラー6Aはマイクロコンピュー
ターとメモリ(不図示)などの周辺部品から構成され、
後述する制御プログラムを実行してリレーコイル12
b、13b、14b、15bをオン、オフ制御する。
【0032】図5は、第2の実施の形態のモーターファ
ン制御プログラムを示すフローチャートである。なお、
図2に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては
同一の符号を付して相違点を中心に説明する。エアコン
装置7の運転または停止、エアコン冷媒吐出圧力Pd、
車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づくモーター1
A、1Bの運転と停止の条件は、図2に示すモーター1
の運転と停止の条件と同様である。モーター1A、1B
の運転が決定されると、ステップ3Aですべてのリレー
コイル12b、13b、14b、15bを励磁する。こ
れにより、モーター1A、1Bにバッテリー電源3が供
給されてモーター1A、1Bが回転し、各モーター1
A、1Bに連結されているファンが回転駆動される。
【0033】一方、モーター1A、1Bの停止が決定さ
れると、ステップ5Aですべてのリレーコイル12b、
13b、14b、15bを釈放する。これにより、モー
ター1A、1Bへのバッテリー電源3の供給が停止され
るとともに、一方のモーター1Aの正極端子1cが他方
のモーター1Bの負極端子1fへ接続され、一方のモー
ター1Aの負極端子1dが他方のモーター1Bの正極端
子1eへ接続される。
【0034】これにより、走行時の車速風によりモータ
ー1Aに連結されるファンが回されてモーター1Aが回
転すると、モーター1Aの両端子1c、1dに誘起した
逆起電力が他方のモーター1Bの回転子を介して短絡さ
れ、モーター1Aに短絡電流が流れる。この結果、モー
ター1Aにブレーキ力が発生してモーター1Aの回転が
抑制されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの
通気抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ
流入する空気量の増加が抑制される。したがって、車両
のCd値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃
費性能を維持することができる。また、ラジエーターの
過剰冷却による燃費性能を悪化を防止することができ
る。さらに、モーター停止時にモーターの異極端子どう
しを接続して直列閉回路を形成するだけの安価な方法で
実現できる。
【0035】同様に、走行時の車速風によりモーター1
Bに連結されるファンが回されてモーター1Bが回転す
ると、モーター1Bの両端子1e、1fに誘起した逆起
電力が他方のモーター1Aの回転子を介して短絡され、
モーター1Bに短絡電流が流れる。この結果、モーター
1Bにブレーキ力が発生してモーター1Bの回転が抑制
されるため、ラジエーターおよびコンデンサーへの通気
抵抗が増加してラジエーターおよびコンデンサーへ流入
する空気量の増加が抑制される。したがって、車両のC
d値(空気抵抗係数)の増大が防止され、良好な燃費性
能を維持することができる。また、ラジエーターの過剰
冷却による燃費性能を悪化を防止することができる。さ
らに、モーター停止時にモーターの異極端子どうしを接
続して直列閉回路を形成するだけの安価な方法で実現で
きる。
【0036】なお、第2の実施の形態では2台のモータ
ー1A、1Bを並列に運転する例を示したが、エアコン
装置7の運転または停止、エアコン冷媒吐出圧力Pd、
車速Vおよびエンジン冷却水温Twに基づく運転条件に
よって、2台のモーター1A、1Bを高速運転と低速運
転に運転速度を切り換えることができる。具体的には、
すべてのリレーコイル12b、13b、14b、15b
を励磁した場合には、2台のモーター1A、1Bがバッ
テリー電源3に並列に接続され、2台のモーター1A、
1Bは高速運転を行う。一方、リレーコイル13b、1
5bのみを励磁した場合には、2台のモーター1A、1
Bが直列に接続されてバッテリー電源3に接続され、2
台のモーター1A、1Bは低速運転を行う。
【0037】なお、上述した第2の実施の形態では2台
の直流モーターを用いた例を示したが、3台以上の直流
モーターにそれぞれファンを連結して駆動するモーター
ファン制御装置に対しても本願発明を適用することがで
きる。3台以上の直流モーターを用いる場合には、モー
ター停止時にモーターの異極端子どうしを接続して直列
の閉回路を形成すればよい。
【0038】《発明の第3の実施の形態》図6は第3の
実施の形態の構成を示す。なお、図1に示す構成機器と
同様な機器に対しては同一の符号を付して相違点を中心
に説明する。外気温センサー11は車両の周囲温度Ta
を検出する。コントローラー6Bは、エアコン装置7の
オン、オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速V、エン
ジン冷却水温Twおよび外気温Taに基づいてリレーコイ
ル2b、4bのオン、オフ制御を行い、モーター1の運
転と停止を行う。
【0039】図7は、第3の実施の形態のモーターファ
ン制御プログラムを示すフローチャートである。なお、
図2に示す処理と同様な処理を行うステップに対しては
同一のステップ番号を付して相違点を中心に説明する。
コントローラー6Bは、車両のイグニッションキー(電
気自動車およびハイブリッド車両の場合はメインキー)
がON位置に設定されるとこのモーターファン制御プロ
グラムを繰り返し実行する。
【0040】この第3の実施の形態におけるモーター1
の停止条件は、図2および表1に示す第1の実施の形態
の条件と同様である。車速V、エアコン装置7のオン、
オフ、エアコン冷媒吐出圧力Pdおよびエンジン冷却水
温Twに基づいて、モーター1を停止する条件が成立す
ると、ステップ5Aでリレーコイル2bだけを釈放(オ
フ)し、リレーコイル4bは励磁(オン)のままとす
る。リレーコイル2bを釈放するからリレー接点2aが
開放され、モーター端子1aへのバッテリー電源3の供
給が停止される。これにより、モーター1が停止し、フ
ァンの回転駆動は行われない。
【0041】しかし、このときリレーコイル4bは励磁
されたままであるから、モーター1bはコモン(車体)
に接続されたままとなり、モーター1の両端子1a、1
bは短絡されていない。モーター1の両端子1a、1b
が短絡されないと、モーター1のローター(不図示)に
は上述したブレーキ力が発生せず、モーター1は走行時
の車速風により回されることになる。
【0042】続くステップ10において、外気温センサ
ー11から車両の周囲温度Taを読み込み、予め設定し
た所定値Ta1と比較する。ここで、Ta1を例えば30℃
とする。モーター1の両端子1a、1bを短絡して走行
時の車速風によるファンの回転を抑制しない場合には、
ラジエーターおよびコンデンサーへ流入する風量が増加
するが、車両周囲温度TaがTa1以上の場合はラジエー
ターのエンジン冷却水やコンデンサーのエアコン冷媒を
過剰に冷却するようなことはない。したがって、車両周
囲温度TaがTa1以上の場合は、モーター1の両端子1
a、1bを短絡せず、ステップ1へ戻る。
【0043】一方、車両周囲温度TaがTa1未満の場合
はステップ11へ進み、リレーコイル4bを釈放(オ
フ)してモーター1の両端子1a、1bを短絡する。こ
れにより、走行時の車速風によるファンの回転にともな
ってモーター1が回されると、モーター1に短絡電流が
流れ、モーター1にブレーキ力が発生して車速風による
ファンの回転を抑制する。したがって、車両周囲温度T
aが低いときにラジエーターやコンデンサーへ流入する
空気量の増加が抑制され、エンジン冷却水やエアコン冷
媒が過剰に冷却されるのを防止することができる。
【0044】このように第3の実施の形態によれば、車
両周囲温度Taが予め設定した所定値Ta1以上の場合は
モーターファン停止時にモーター1を短絡せず、車両周
囲温度TaがTa1未満の場合のみモーターファン停止時
にモーター1を短絡するようにしたので、上述した第1
および第2の実施の形態の効果に加え、不必要にモータ
ー1を短絡して短絡電流を流すのが避けられ、モーター
1の長寿命化を図ることができる。
【0045】なお、この第3の実施の形態では1台のモ
ーター1によりファンを駆動する例を示したが、第2の
実施の形態で示した複数台のモーターにより複数台のフ
ァンを駆動する場合にも、この第3の実施の形態と同様
に車両周囲温度に基づいてモーターファンを制御するこ
とができる。すなわち、車両周囲温度Taが予め設定し
た所定値Ta1以上の場合はモーターファン停止時に複数
台のモーターによる直列閉回路を形成せず、車両周囲温
度TaがTa1未満の場合のみモーターファン停止時に複
数台のモーターによる直列閉回路を形成する。
【0046】特許請求の範囲の構成要素と第1〜第3の
実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。
すなわち、車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交換
器として、第1〜第3の一実施の形態ではラジエーター
とコンデンサーを例に上げて説明したが、ラジエーター
とコンデンサー以外の熱交換器に対しても本願発明を適
用することができる。また、開閉手段として第1および
第3の実施の形態ではリレー接点2aとリレーコイル2
bから構成されるリレーを用い、第2の実施の形態では
リレー接点12aとリレーコイル12b、リレー接点1
3aとリレーコイル13bから成る2個のリレーを用い
た。さらに、短絡手段として第1および第3実施の形態
ではリレー接点4aとリレーコイル4bから構成される
リレーを用いた。一方、直列閉回路形成手段として第2
の実施の形態ではリレー接点14aとリレーコイル14
b、リレー接点15aとリレーコイル15bから成る2
個のリレーを用いた。制御手段として第1〜第3の一実
施の形態ではマイクロコンピューターとその周辺部品を
備えたコントローラー6を用いた。さらに、周囲温度検
出手段として第3の実施の形態では外気温センサー11
を用いた。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限
り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】 第1の実施の形態のモーターファン制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施の形態のエンジン冷却水温Tw、
エアコン冷媒吐出圧力Pd、車速Vに基づくモーターの
オン、オフ制御のヒステリシス特性を示す図である。
【図4】 第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図5】 第2の実施の形態のモーターファン制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図6】 第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】 第3の実施の形態のモーターファン制御プロ
グラムを示すフローチャートである。
【図8】 従来のモーターファン制御装置の構成を示す
図である。
【符号の説明】
1 モーター 2a、4a リレー接点 2b、4b リレーコイル 3 バッテリー電源 5 イグニッション電源 6、6A、6B コントローラー 7 エアコン装置 8 エアコン冷媒圧力センサー 9 車速センサー 10 エンジン冷却水温センサー 11 外気温センサー 12a、13a、14a、15a リレー接点 12b、13b、14b、15b リレーコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F24F 11/02 102 F24F 11/02 102X Fターム(参考) 3D038 AA05 AB01 AC14 3L060 AA01 CC01 DD08 EE06 5H530 AA12 BB18 CC18 CC20 CD21 CD30 CE15 CF01 DD19 DD22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交
    換器に送風するファンと、 前記ファンを駆動するモーターと、 前記モーターへの電源の供給と停止を行う開閉手段と、 前記モーターの端子を短絡する短絡手段と、 前記開閉手段により前記モーターへの電源の供給を停止
    したときに、前記短絡手段により前記モーターの端子を
    短絡する制御手段とを備えることを特徴とする車両用モ
    ーターファン制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用モーターファン制
    御装置において、 車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、 前記制御手段は、前記周囲温度検出値が予め設定した値
    以上の場合は、前記開閉手段により前記モーターへの電
    源の供給が停止されても前記短絡手段により前記モータ
    ーの端子を短絡しないことを特徴とする車両用モーター
    ファン制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用モ
    ーターファン制御装置において、 前記モーターは直流モーターまたは永久磁石同期モータ
    ーであることを特徴とする車両用モーターファン制御装
    置。
  4. 【請求項4】車両走行時の風を受けて熱交換を行う熱交
    換器に送風する複数のファンと、 前記複数のファンをそれぞれ駆動する複数の直流モータ
    ーと、 前記複数の直流モーターへの電源の供給と停止を行う開
    閉手段と、 前記複数の直流モーターの異極端子どうしを接続して前
    記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する直
    列閉回路形成手段と、 前記開閉手段により前記複数の直流モーターへの電源の
    供給を停止したときに、前記直列閉回路形成手段により
    前記複数の直流モーターによる直列の閉回路を形成する
    制御手段とを備えることを特徴とする車両用モーターフ
    ァン制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の車両用モーターファン制
    御装置において、 車両の周囲温度を検出する周囲温検出手段を備え、 前記制御手段は、前記周囲温度検出値が予め設定した値
    以上の場合は、前記開閉手段により前記複数の直流モー
    ターへの電源の供給が停止されても前記直列閉回路形成
    手段により前記複数の直流モーターによる直列の閉回路
    を形成しないことを特徴とする車両用モーターファン制
    御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101316230B1 (ko) * 2011-12-02 2013-10-08 기아자동차주식회사 액티브 에어플랩의 제어방법
US9929687B2 (en) 2014-10-17 2018-03-27 Denso Corporation Motor control device
CN110749052A (zh) * 2019-10-12 2020-02-04 中国联合网络通信集团有限公司 一种散热设备及控制方法
WO2023276891A1 (ja) 2021-06-28 2023-01-05 芝浦機械株式会社 織機およびその制御方法

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