JP2003204684A - 圧電体駆動素子とその製造方法 - Google Patents
圧電体駆動素子とその製造方法Info
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Abstract
金属膜間で短絡が生じにくい圧電体駆動素子を提供す
る。 【解決手段】 基板の一方の面に圧電体薄板が接合さ
れ、その一方の面にさらに圧電体薄板を伸縮させる信号
を印加するための端子電極が設けられてなる圧電体駆動
素子であって、端子電極は圧電体薄板から分離されてな
る圧電体台座を介して基板の一方の面の上に形成されて
いる。
Description
の製造方法に関し、特に、精密な位置制御を行うための
アクチュエータなどに使用される圧電体駆動素子および
その製造方法に関する。
気ディスクの記録密度は、年率数10%の高密度化が続
いている。磁気ディスクに対するデータの記録及び再生
に使用される磁気ヘッドは、通常、スライダに搭載され
ており、磁気ヘッドが搭載されたスライダは、磁気ディ
スク装置内に設けられたヘッド支持機構によって支持さ
れている。磁気ディスクの記録密度を向上させるために
は、磁気ディスクに対して、磁気ヘッドを非常に高精度
に位置決めする必要があり、これを実現するために、圧
電体素子を用いた圧電体駆動素子がヘッド支持機構に設
けられる。この圧電体駆動素子において、圧電体素子は
薄膜圧電体の両主面に電極金属膜が形成されてなり、2
枚の電極金属膜間に電圧が印加されると、薄膜圧電体が
面内方向に伸縮する。このような伸縮運動による変動を
用いて、磁気ヘッドの位置制御が高精度に行われる(例
えば、特許文献1参照)。上記のような薄膜圧電体素子
において、電極金属膜は、その表面に接合されたボンデ
ィングワイヤを介して電圧が印加される。ボンディング
ワイヤは、超音波接合によって、電極金属膜の所定の位
置に接合される。
ィングワイヤを電極金属膜に超音波接合すると、電極金
属膜および薄膜圧電体に亀裂などのダメージが入り、水
分および水蒸気が電極金属膜および薄膜圧電体に浸入し
てしまう。これにより、電極金属膜の金属がイオン化し
て、電位差を有する近接した導体(電極金属膜)間にあ
る薄膜圧電体内で拡散し、対向する導体表面に再び金属
として析出する。このように、導体間が樹枝状の金属で
架橋されることにより、短絡モードの故障(イオンマイ
グレーション)が発生し、結果として、圧電体素子の信
頼性が劣化するという問題がある。このような現象は、
特に高湿度環境下で顕著である。本発明はこのような課
題を解決するためになされたものであり、ボンディング
ワイヤー接合を行っても、電極金属膜間で短絡が生じに
くい、圧電体駆動素子およびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
めに、本発明に係る圧電体駆動素子は、基板の一方の面
に圧電体薄板が接合され、その一方の面にさらに上記圧
電体薄板を伸縮させる信号を印加するための端子電極が
設けられてなる圧電体駆動素子であって、上記端子電極
は上記圧電体薄板から分離された圧電体台座を介して上
記基板の一方の面の上に形成されていることを特徴とす
る。以上のように構成された本発明に係る圧電体駆動素
子は、圧電変位領域である上記圧電体薄板と上記端子電
極が設けられる上記圧電体台座とが分離されているの
で、ワイヤーボンディング時における機械的な衝撃又は
振動の圧電変位領域への伝達を抑制することができ、上
記圧電体薄板における亀裂等の発生を防止できる。
て、上記圧電体薄板と上記圧電体台座とはそれぞれ複数
の層が積層されている場合は、互いに同一積層構造を有
することが好ましい。
て、上記基板として上記圧電体薄板の伸縮に対応して伸
縮が可能な伸縮性基板であってもよいし、たわみ変形が
可能な非伸縮性基板であってもよい。
伸縮性基板は、上記圧電体薄板と対向する金属薄板(例
えば、ステンレス薄板)と上記端子電極に接続される配
線金属とを樹脂により固定することにより構成すること
ができる。
の圧電体駆動部を含み、各圧電体駆動部に対応して上記
圧電体薄板が2つに分離されて設けられていてもよい。
駆動素子では、上記端子電極は、上記2つの圧電駆動部
の一方に接続された信号端子電極と、他方に接続された
信号端子電極と、上記2つの圧電駆動部に共通の1つの
接地端子電極とによって構成することができる。
電体薄板は、それぞれ両面に電極膜が形成された第1の
薄膜圧電体層と第2の薄膜圧電体層が接着剤により接合
された積層構造を有し、上記接着剤を介して対向する電
極膜をそれぞれ接地電極膜とすることが好ましい。
子電極はそれぞれワイヤーボンディング用の端子とする
ことができる。
方法は、第1の基板上に第1電極と第1圧電体薄膜と第
2電極とを形成し、第2の基板上に第3電極と第2圧電
体薄膜と第4電極とを形成する第1の工程と、上記第2
電極と上記第4電極とを対向させて接着剤で接着するこ
とにより上記第1基板と上記第2基板とを貼り合わせ、
上記第1基板と上記第2基板の間に、上記第1電極、上
記第1圧電体薄膜、上記第2電極、上記第4電極、上記
第2圧電体薄膜及び上記第3電極が積層されてなる圧電
積層体層を形成する第2の工程と、上記第2基板を除去
する第3の工程と、上記第1基板上で上記圧電積層体層
の一部を分離することにより、その分離された部分から
なる少なくとも2つの圧電体台座部を形成する第4工程
と、上記2つの圧電体台座部の一方に、上記第2電極と
上記第4電極とに接続された第1のボンディング電極を
形成し、他方に上記第1電極と上記第3電極とに接続さ
れた第2のボンディング電極を形成する第5工程と、上
記圧電積層体層及び上記2つの圧電体台座部上に転写用
基板を接合した後に上記第1基板と上記転写用基板とを
除去し、その除去した第1基板に代えてたわみ変形が可
能な非伸縮性基板を接合する第6工程とを含むことを特
徴とする。以上のように構成された本発明に係る圧電体
駆動素子の製造方法によれば、圧電変位領域として機能
する圧電体積層体層と上記端子電極が設けられる上記圧
電体台座とが分離された圧電体駆動素子を製造すること
ができる。
る実施の形態1のヘッド支持機構について説明する。本
実施の形態1のヘッド支持機構部は、図1に示すよう
に、ロードビーム4と、ロードビーム4の先端部分に設
けられたスライダ2と、そのスライダ2が先端部分に接
続されたフレクシャ7とを用いて構成される。この実施
の形態1のヘッド支持機構では、薄膜圧電体素子10を
用いてフレクシャ7の一部に圧電体駆動部100が形成
されており、その圧電体駆動部100でスライダ2を回
転させることにより、スライダ2の一端面に取り付けら
れた磁気ヘッド1の位置決めを行うことができる構造と
なっている。尚、ロードビーム4は、その基端部4Aで
ベースプレート5にビーム溶接によって固定される。
て、薄膜圧電体素子10は、図3に示すように、台形形
状の圧電積層体を中央部分で左右2つに分離することに
より形成された2つの薄膜圧電体素子10A,10Bに
より構成される。また、薄膜圧電体素子10は、一対の
薄膜圧電体素子10A,10Bにそれぞれ設けられた信
号端子部40と薄膜圧電体素子10A,10Bの共通端
子として設けられたグランド端子部(接地端子部)30
とを備え、印加する電圧に対応させて2つの薄膜圧電体
素子10A,10Bを別々に制御できるように構成され
ている。
層体は、図4(図3のA−A’線についての断面図)に
示すように、上面に上部電極(電極金属膜)12Bが形
成され下面に下部電極(電極金属膜)12Aが形成され
た第1の薄膜圧電体層11Aと、上面に下部電極膜(電
極金属膜)12Cが形成され下面に上部電極(電極金属
膜)12Dが形成された第2の薄膜圧電体層11Bと
を、上部電極膜12Bと上部電極膜12Dが対向するよ
うに接着剤18により接合することにより構成される。
この第1と第2の薄膜圧電体層11A,11Bはそれぞ
れ、上部電極膜12Bと上部電極膜12Dとを接地し、
第1の薄膜圧電体層11Aの下部電極膜12Aと第2の
薄膜圧電体層11Bの下部電極(電極金属膜)12Cに
同一の電圧を与えた時に、同一方向に変化するように構
成される。ここで、同一方向に変化するとは、第1の薄
膜圧電体層11Aが伸びた場合に第2の薄膜圧電体層1
1Bも伸び、第1の薄膜圧電体層11Aが収縮した場合
には第2の薄膜圧電体層11Bも収縮することをいう。
また、薄膜圧電体素子10の全体は、柔軟性のあるコー
ティング樹脂41,50で覆われている。尚、薄膜圧電
体素子10Aの下部電極膜12Cと薄膜圧電体素子10
Bの下部電極膜12Cは電気的に分離され、薄膜圧電体
素子10Aの下部電極膜12Aと薄膜圧電体素子10B
の下部電極膜12Aは電気的に分離されている。
において、フレクシャ7は、図2,図5に示すように、
磁気ヘッド1に接続される金属配線7Hと、薄膜圧電体
素子10が貼り合わされることにより圧電体駆動部10
0を構成する金属板15(15A,15B)とが図6
(図5のX−X’線についての断面図)に示すようにポ
リイミド樹脂等の絶縁材料16により保持された柔軟性
を有するフィルム状の基板であり、スライダ取付部7X
と配線部9とスライダ取付部7Xと配線部9との間に位
置する薄膜圧電体貼付部8(8A,8B)とからなる。
ここで、金属板15A,15Bはそれぞれ、薄膜圧電体
素子10A及び薄膜圧電体素子10Bと略同一の平面形
状に形成され、圧電体貼付部8において薄膜圧電体素子
10A及び薄膜圧電体素子10Bにそれぞれ対向するよ
うに配置される。
用端子9A,9Dはそれぞれ、薄膜圧電体素子10A,
10Bの信号端子部40に近接するように、配線部9と
薄膜圧電体貼付部8A,8Bとの境界付近に設けられ、
薄膜圧電体用端子9B,9Cは、2つの薄膜圧電体素子
の共通のグランド端子部30に近接するように、配線部
9と薄膜圧電体貼付部8との境界付近に設けられる。
尚、薄膜圧電体用端子9B,9Cは、いずれか一方が共
通のグランド端子部30に接続されればよく、1つの端
子で構成してよい。さらに、スライダ取付部7Xには、
各金属配線の接続端子電極であり、磁気ヘッド1の入出
力端子と接続するための磁気ヘッド用端子6が形成され
ている。
0とフレクシャ7とは、他の部品とともにロードビーム
4上に図2及び図7に示すように組み合わされる。フレ
クシャ7の薄膜圧電体貼付部8上には、金属板15A,
15Bにそれぞれ薄膜圧電体素子10A,10Bが対向
するように薄膜圧電体素子10が貼り付けられる。そし
て、フレクシャ7のスライダ取付部7X上にスライダ2
(磁気ヘッド1が搭載されている)が配置され、そのス
ライダ2の反対側(スライダ取付部7Xの下面側)には
スライダ保持板3Aが配置され、フレクシャ7の配線部
9の下に配線部保持板3が配置されて、ロードビーム4
の先端部分にスライダ2が位置するようにロードビーム
4上に取り付けられる。尚、スライダ保持板3Aと配線
部保持板3とは例えば、同一の厚さのステンレス板によ
り作成される。
すように突起部3Bが形成され、さらにロードビーム4
の先端部分にはディンプル4Gが形成されており、スラ
イダ保持板3Aは突起部3Bがディンプル4Gによって
押圧されることにより、ディンプル4Gを中心として回
転可能に保持される。
ッド支持機構部は、以下のように動作させることができ
る。図8(a)に示すように、接地端子である薄膜圧電
体用端子9B及び9Cを接地し、薄膜圧電体用端子9
A,9Dに図8(b)(c)に示すようにバイアス電圧
V0を中心として互いに逆相で電圧を印加する。このよ
うにすると、薄膜圧電体素子10A,10Bは常に同じ
方向に湾曲した状態で湾曲の度合いが、薄膜圧電体用端
子9A,9Dに印加される電圧に対応して変化する。こ
れによって、図9(a)に示すように、例えば、薄膜圧
電体素子10Aの湾曲が小さく、薄膜圧電体素子10B
の湾曲が大きい場合には、19Aで示す部分が緩み19
Bで示す部分が引っ張られることにより、スライダ保持
板3Aを回転させることができる。
用いて磁気ヘッドを位置決めをするヘッド支持機構部
は、従来のボイスコイルモータを用いて磁気ヘッドを位
置決めするヘッド支持機構部や他の圧電素子を用いたヘ
ッド支持機構に比較して、高精度に磁気ヘッドの位置決
めをすることが可能である。
おける特徴的な部分である薄膜圧電体素子10の端子構
成と薄膜圧電体用端子9A〜9Dとの接続について説明
する。図10は、薄膜圧電体素子10の端子構造を詳細
に示す透過図であり、図11は、断面図である。尚、図
11の断面図は薄膜圧電体素子10とフレクシャ7と接
合した状態における断面図(図5のY−Y’線に沿って
切断したもの)である。
薄膜素子10は、独立して駆動することができる2つの
圧電体薄膜素子10A,10Bによって構成されてい
る。本実施の形態1では、この2つの圧電体薄膜素子1
0A,10Bは、台形形状の圧電積層体がその中心部分
で2つに分離されることにより形成され、その台形形状
の圧電積層体の下底に沿った部分に2つの圧電体薄膜素
子10A,10Bの外部接続用の電極が形成される。
実施の形態1の圧電体駆動部100の製造方法について
説明することにより、製造方法及び圧電体駆動部100
の詳細な構成を明らかにする。尚、薄膜圧電体素子10
Aと薄膜圧電体素子10Bとは、図11に示したように
同様の構造(左右対称)を有するので、本製造方法を説
明するための以下の図においては、薄膜圧電体素子10
Bの部分を省略して示している。
は、まず、図12に示すように、単結晶基板13Bの一
方の主面に、単結晶基板13B側から電極金属膜12
C、薄膜圧電体11B及び電極金属膜12Dをこの順に
成膜する。同様に、図13に示すように、単結晶基板1
3Aの一方の主面に、単結晶基板13A側から電極金属
膜12A、薄膜圧電体11A及び電極金属膜12Bをこ
の順に成膜する。
単結晶基板13Aと単結晶基板13Bとを、電極金属膜
12Dと電極金属膜12Bとを対向させて、接着剤層1
8を用いて接着する。これにより、単結晶基板13Aの
一方の主面に、単結晶基板13A側から電極金属膜12
A、薄膜圧電体11A、電極金属膜12B、接着剤層1
8、電極金属膜12D、薄膜圧電体11B及び電極金属
膜12Cがこの順に積層された積層体が構成される。な
お、本実施の形態1では、接着剤層18を用いて接着し
たが、本発明では接着剤層18を用いること無く、超音
波振動を利用した熱溶着によって電極金属膜12Dと電
極金属膜12Bとを接着するようにしても良い。そし
て、図15に示すように、一方の単結晶基板13Bをエ
ッチングで除去する。
(a)の平面図及び図16(b)の断面図に示すよう
に、ドライエッチングによって、積層体を圧電変位領域
51Aと圧電変位領域51B(図示せず)と信号端子用
圧電体台座40Aと接地端子用圧電体台座30Aとに分
離する。 (第2エッチング工程)次に、図17(a)の平面図及
び図17(b)の断面図に示すように、ドライエッチン
グによって(図17(b)においてE1及びE2で示す
部分を除去することによって)、圧電変位領域51Aの
周りに電極金属膜12Aを露出させる。尚、図17
(b)にE2の符号を付して示す部分は、その部分を除
去することにより露出される電極金属膜12A(接続部
分)の幅が、圧電変位領域51Aの周りに露出される電
極金属膜の幅に比較して広くなるように設定される。
(a)の平面図及び図17(b)の断面図に示すよう
に、ドライエッチングによって、圧電変位領域51Aの
接地端子領域30Aに近接した部分において、電極金属
膜12C及び薄膜圧電体11Bを除去することにより凹
部20Aを形成し、その凹部20Aの底面に電極金属膜
12Dを露出させる。
(a)及び図18(b)に示すように、ドライエッチン
グによって、凹部20Aの底面において、電極金属膜1
2D及び接着剤層18を除去することにより、凹部20
Bを形成して、その凹部20Bの底面に電極金属膜12
Bを露出させる。尚、凹部20Bは凹部20Aの底面の
中央部に形成され、凹部20Bの周りには、電極金属膜
12Dが少なくとも後述の金属端子膜21Cにより確実
に接続できる程度に露出されている。
19(a)(b)に示すように、以下の部分を露出させ
る以外は、薄膜圧電体素子10のほぼ全体を覆うよう
に、コーティング膜41を形成する。コーティング膜4
1が形成されないで露出される部分は、(i)凹部20
B底部の電極金属膜12Bと、(ii)凹部20Bの周り
に露出された電極金属膜12D(凹部20Aの底部に露
出された凹部20Bの周りの電極金属膜12D)と、
(iii)信号端子用圧電体台座40Aに隣接して露出さ
れた電極金属膜12Aと、(iv)凹部20Aと信号端子
用圧電体台座40Aに隣接して露出された電極金属膜1
2Aと間において、その電極金属膜12Aに近接するよ
うにコーティング膜41に形成された開口部12COに
より露出された電極金属膜12Cである。
(b)に示すように、(i)凹部20B底部の電極金属
膜12Bと(ii)凹部20Bの周りに露出された電極金
属膜12Dとに接続された金属端子膜21Cを接地端子
領域30A上に延在するように形成し、(iii)信号端
子用圧電体台座40Aに隣接して露出された電極金属膜
12Aと(iv)開口部12COにより露出された電極金
属膜12Cとに接続された金属端子膜21Aを信号端子
用圧電体台座40A上に延在するように形成する。
21(a)(b)に示すように、接地端子用圧電体台座
30A上に形成された金属端子膜21Cと信号端子用圧
電体台座40A上に形成された金属端子膜21Aを露出
させるように、薄膜圧電体素子10のほぼ全体を覆うコ
ーティング膜50を形成する。 (転写工程)次に、図22に示すように、コーティング
膜50の上に転写用基板60を接合し、その後、単結晶
基板13Aを例えばエッチングにより除去し、さらに転
写用基板60を除去する。そして、その除去した側に単
結晶基板13Aに代えてたわみ変形が可能な非伸縮性基
板であるフレクシャ7を接合する。
端子用圧電体台座40A,40B上にそれぞれ露出され
た金属端子膜21A,21B表面からなるワイヤーボン
ディング部40と信号端子9A,9Dとをそれぞれワイ
ヤー25により接続する。また、信号端子用圧電体台座
30A上に露出された金属端子膜21C表面からなるワ
イヤーボンディング部30とグランド端子9B又はグラ
ンド端子9Cとをワイヤー25により接続する。ここ
で、本ボンディング工程においては、超音波ボンディン
グなど種々のボンディングマシンを適用できる。以上の
ようにして、図11に示すように、フレクシャ7の薄膜
圧電体貼付部8上に薄膜圧電体素子10が接合されて本
実施の形態1の圧電体駆動部が作製される。
ッド支持機構における圧電体駆動部は、圧電変位領域5
1A,51Bと、ワイヤーボンディング部30,40が
形成される端子用圧電体台座30A,40Aとが分離さ
れているので、ワイヤーボンディング時における機械的
な衝撃又は振動の圧電変位領域51A,51Bへの伝達
が分離された部分により抑制され、圧電変位領域51
A,51Bの亀裂等の発生を防止できる。これにより、
本実施の形態1のヘッド支持機構は歩留まり良く製造す
ることができかつ高い信頼性を確保できる。
形態2のヘッド支持機構について説明する。実施の形態
2のヘッド支持機構部は、フレクシャの薄膜圧電体貼付
部に金属板15A,15Bが設けられていない点で実施
の形態1のヘッド支持機構部と異なる他は、実施の形態
1のヘッド支持機構部と基本構成は同様である。すなわ
ち、実施の形態1のヘッド支持機構部では、薄膜圧電体
素子10A,10Bと金属板15A,15Bとによって
圧電体駆動部100が構成され、薄膜圧電体素子10
A,10Bの湾曲を伴なう動作によって、スライダ保持
板3Aを回転させていた。これに対して、本実施の形態
2のヘッド支持機構部では、金属に比べて伸縮性を有す
るポリイミド上に、金属板15A,15Bを設けること
なく、薄膜圧電体素子10A,10Bを貼り付けること
によって、薄膜圧電体素子10A,10Bの伸縮を直接
的に利用してスライダ保持板3Aを回転させるように構
成している。
に貼り付けられた薄膜圧電体素子10A,10Bからな
る実施の形態2の圧電体駆動部は、薄膜圧電体素子10
A,10Bの伸縮により若干の湾曲は生じるものの、ポ
リイミド基板が薄膜圧電体素子10A,10Bとともに
伸縮するために、薄膜圧電体素子10A,10Bの伸縮
により直接的にスライダ保持板3Aを回転させる駆動力
を得ることができる。
施の形態2のヘッド支持機構部の詳細について説明す
る。尚、以下の図面において、実施の形態1と同様のも
の(形状が異なっていても機能が同様のものも含む)に
は同様の符号を付して示している。
の分解斜視図であり、磁気ヘッド1、スライダ2、薄膜
圧電体素子10、ロードビーム4は、実施の形態1のヘ
ッド支持機構と同様に構成されており、フレクシャー7
0は、図26(図25のX−X’線についての断面図)
に示すように、薄膜圧電体貼付部16A,16Bに金属
板15A,15Bを含んでいない点で、実施の形態1と
相違する。この薄膜圧電体貼付部16A,16Bは、ポ
リイミド樹脂等の絶縁材料16により作製された柔軟性
を有するフィルム状の基板の一部であり、薄膜圧電体素
子10A及び薄膜圧電体素子10Bと略同一の平面形状
に形成される。尚、フレクシャ70は、磁気ヘッド1に
接続される金属配線7Hの配線パターンが実施の形態1
とは異なり、また、実施の形態1では2つであった薄膜
圧電体用端子9B,9Cが1つの端子9Bで構成されて
いるが、基本的な動作に影響を与えるものではない。
上のように構成されたフレクシャ70と圧電体薄膜素子
10とが他の部品とともにロードビーム4上に組み合わ
されて、図27に示すように、ロードビーム4上に圧電
体駆動部が構成される。尚、実施の形態2のヘッド支持
機構部では、薄膜圧電体10の伸縮動作に寄与しない部
分である端子形成部分(端子用圧電体台座30A,40
Aが形成された部分)に対向して配線部保持板3が設け
られ、端子形成部分により圧電変位領域の伸縮運動が妨
げられないように構成されている。
ッド支持機構部は、以下のように動作させることができ
る。実施の形態1と同様にして、接地端子である薄膜圧
電体用端子9Bを接地し、薄膜圧電体用端子9A,9D
に図8(b)(c)に示すようにバイアス電圧V0を中
心として互いに逆相で電圧を印加する。このようにする
と、薄膜圧電体素子10A,10Bの伸縮の度合いが、
薄膜圧電体用端子9A,9Dに印加される電圧に対応し
て変化する。これによって、例えば、薄膜圧電体素子1
0Aの伸びが大きく、薄膜圧電体素子10Bの伸びが小
さい場合には、19Aで示す部分が緩み19Bで示す部
分が引っ張られることにより、スライダ保持板3Aを回
転させることができる。
薄膜圧電素子を用いて磁気ヘッドを位置決めをするヘッ
ド支持機構部は、従来のボイスコイルモータを用いて磁
気ヘッドを位置決めするヘッド支持機構部や他の圧電素
子を用いたヘッド支持機構に比較して、高精度に磁気ヘ
ッドの位置決めをすることが可能である。尚、実施の形
態2のヘッド支持機構における特徴的な部分である薄膜
圧電体素子10の端子構成と薄膜圧電体用端子9A,9
B,9Dとの接続については、図28に示すとおりであ
る。
機構は、実施の形態2のヘッド支持機構において、図2
9の断面図に示す薄膜圧電体素子を用いて構成した以外
は、実施の形態2のヘッド支持機構と同様に構成され
る。すなわち、変形例の薄膜圧電体素子は、第1の薄膜
圧電体層11Aと第2の薄膜圧電体層11Bをエッチン
グする際にそれぞれ、2段階でエッチングをすることに
より、第1の薄膜圧電体層11A及び第2の薄膜圧電体
層11Bのエッチング断面にステップ部S11A,S1
1Bが形成されるようにしている。
製造過程のドライエッチング工程においてエッチング方
向に平行な壁に付着する導電性を有する側壁付着物がス
テップ部S11A,S11Bにより電気的に分離され
る。従って、変形例の薄膜圧電体素子は、リーク電流を
少なくでき、より信頼性の高いヘッド支持機構を実現で
きる。
る圧電体駆動素子は、上記端子電極は上記圧電変位領域
から分離されてなる圧電体台座を介して上記基板の一方
の面の上に形成されているので、ワイヤーボンディング
時における機械的な衝撃又は振動の圧電変位領域への伝
達を抑制することができ、上記圧電体薄板における亀裂
等の発生を防止できる。これにより、ボンディングワイ
ヤー接合を行っても、電極金属膜間で短絡が生じにく
い、圧電体駆動素子を提供することができる。また、本
発明に係る圧電体駆動素子の製造方法によれば、信頼性
の高い圧電体駆動素子を容易に製造することができる。
の全体構成を示す斜視図である。
である。
膜圧電体素子の平面図である。
レクシャの平面図である。
る。
の動作を説明するための断面図と印加する電圧の波形を
示すグラフである。
するための平面図である。
薄膜圧電体素子の電極構成を示す一部透視平面図であ
る。
薄膜圧電体素子の電極構成を示す断面図である。
ける、電極及び薄膜圧電体の成膜工程を説明するための
断面図(その1)である。
ける、電極及び薄膜圧電体の成膜工程を説明するための
断面図(その2)である。
ける接着工程を説明するための断面図である。
いて、接着後に基板を剥離した状態を示す断面図であ
る。
ける第1エッチング工程を説明するための平面図と断面
図である。
ける第2,3エッチング工程を説明するための平面図と
断面図である。
ける第4エッチング工程を説明するための平面図と断面
図である。
ける第1コーティング膜形成工程を説明するための平面
図と断面図である。
ける金属端子膜形成工程を説明するための平面図と断面
図である。
ける第2コーティング膜形成工程を説明するための平面
図と断面図である。
ける転写工程を説明するための断面図である。
ける転写後の状態を示す断面図である。
構の分解斜視図である。
フレクシャの平面図である。
る。
ある。
薄膜圧電体素子の電極構成を示す断面図である。
極構成を示す断面図である。
A…スライダ保持板、3B…突起部、4…ロードビー
ム、4A…基端部、4G…ディンプル、5…ベースプレ
ート、7,70…フレクシャ、7H…金属配線、7X…
スライダ取付部、8(8A,8B),16(16A,1
6B)…薄膜圧電体貼付部、9…配線部、9A,9B,
9C,9D…薄膜圧電体用端子、10…薄膜圧電体素
子、10A,10B…薄膜圧電体素子、11A…第1の
薄膜圧電体層、11B…第2の薄膜圧電体層、12A,
12B,12C,12D…電極金属膜、12CO…開口
部、13…接着剤、13A,13B…単結晶基板、15
(15A,15B)…金属板、16…絶縁材料、18…
接着剤、20A,20B…凹部、21A、21B、21
C…金属端子膜、25…ボンディングワイヤ、30…グ
ランド端子部(接地端子部)、30A…接地端子用圧電
体台座、40…信号端子部、40A…信号端子用圧電体
台座、41,50…コーティング樹脂、51A,51B
…圧電変位領域、100…圧電体駆動部。
Claims (11)
- 【請求項1】 基板の一方の面に圧電体薄板が接合さ
れ、その一方の面にさらに上記圧電体薄板を伸縮させる
信号を印加するための端子電極が設けられてなる圧電体
駆動素子であって、 上記端子電極は上記圧電体薄板から分離された圧電体台
座を介して上記基板の一方の面の上に形成されているこ
とを特徴とする圧電体駆動素子。 - 【請求項2】 上記圧電体薄板と上記圧電体台座とはそ
れぞれ複数の層が積層されてなり、かつ互いに同一積層
構造を有する請求項1記載の圧電体駆動素子。 - 【請求項3】 上記基板は上記圧電体薄板の伸縮に対応
して伸縮が可能な基板である請求項1又は2記載の圧電
体駆動素子。 - 【請求項4】 上記基板はポリイミドからなる請求項3
記載の圧電体駆動素子。 - 【請求項5】 上記基板はたわみ変形が可能な非伸縮性
基板である請求項1又は2記載の圧電体駆動素子。 - 【請求項6】 上記非伸縮性基板は、上記圧電体薄板と
対向する金属薄板と上記端子電極に接続される配線金属
とが樹脂により固定されてなる請求項5記載の圧電体駆
動素子。 - 【請求項7】 上記圧電体駆動素子は2つの圧電体駆動
部からなり、各圧電体駆動部に対応して上記圧電体薄板
が2つに分離されて設けられている請求項1〜6のうち
のいずれか1つに記載の圧電体駆動素子。 - 【請求項8】 上記端子電極は、上記2つの圧電駆動部
の一方に接続された信号端子電極と、他方に接続された
信号端子電極と、上記2つの圧電駆動部に共通の1つの
接地端子電極とからなる請求項7記載の圧電体駆動素
子。 - 【請求項9】 上記圧電体薄板は、それぞれ両面に電極
膜が形成された第1の薄膜圧電体層と第2の薄膜圧電体
層が接着剤により接合された積層構造を有し、上記接着
剤を介して対向する電極膜をそれぞれ接地電極膜とした
請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の圧電体駆動
素子。 - 【請求項10】 上記端子電極はそれぞれワイヤーボン
ディング用の端子である請求項1〜9のうちのいずれか
1つに記載の圧電体駆動素子。 - 【請求項11】 第1の基板上に第1電極と第1圧電体
薄膜と第2電極とを形成し、第2の基板上に第3電極と
第2圧電体薄膜と第4電極とを形成する第1の工程と、 上記第2電極と上記第4電極とを対向させて接着剤で接
着することにより上記第1基板と上記第2基板とを貼り
合わせ、上記第1基板と上記第2基板の間に、上記第1
電極、上記第1圧電体薄膜、上記第2電極、上記第4電
極、上記第2圧電体薄膜及び上記第3電極が積層されて
なる圧電積層体層を形成する第2の工程と、 上記第2基板を除去する第3の工程と、 上記第1基板上で上記圧電積層体層の一部を分離するこ
とにより、その分離された部分からなる少なくとも2つ
の圧電体台座部を形成する第4工程と、 上記2つの圧電体台座部の一方に、上記第2電極と上記
第4電極とに接続された第1のボンディング電極を形成
し、他方に上記第1電極と上記第3電極とに接続された
第2のボンディング電極を形成する第5工程と、 上記圧電積層体層及び上記2つの圧電体台座部上に転写
用基板を接合した後に上記第1基板と上記転写用基板と
を除去し、その除去した第1基板に代えてたわみ変形が
可能な非伸縮性基板を接合する第6工程とを含むことを
特徴とする圧電体駆動素子の製造方法。
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JP2013093428A (ja) * | 2011-10-25 | 2013-05-16 | Stanley Electric Co Ltd | 基板パッケージ |
JP2014154185A (ja) * | 2013-02-08 | 2014-08-25 | Suncall Corp | 磁気ヘッドサスペンション |
-
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- 2002-11-01 JP JP2002319570A patent/JP3713258B2/ja not_active Expired - Fee Related
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