JP2003204295A - ダイバーシチ・システム、基地局装置およびダイバーシチ制御方法 - Google Patents

ダイバーシチ・システム、基地局装置およびダイバーシチ制御方法

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JP2003204295A JP2002001382A JP2002001382A JP2003204295A JP 2003204295 A JP2003204295 A JP 2003204295A JP 2002001382 A JP2002001382 A JP 2002001382A JP 2002001382 A JP2002001382 A JP 2002001382A JP 2003204295 A JP2003204295 A JP 2003204295A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェージングを抑圧して受信信号の減衰を改
善すると共に、符号間干渉を抑圧する。 【解決手段】 本発明に係る基地局装置1は、複数のア
ンテナ素子3a〜3cを有するスマートアンテナ3と、
受信機4と、送信機5とを備えている。受信機4は、各
アンテナ素子3a〜3cごとに設けられる受信RF回路
11と、受信信号の分離を行う受信S/A回路12と、
到来角・到来時間推定回路13と、相互相関検出回路1
4と、送信方向・ヌル方向決定装置15とを有する。送
信機5は、送信ダイバーシチ回路21と、送信ウェイト
計算回路22と、送信ウェイト乗算部23と、合成回路
24と、送信RF回路25とを有する。合成回路24と
送信RF回路25は、各アンテナ素子3a〜3cごとに
設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナ素
子を用いて送信ダイバーシチを行うダイバーシチ・シス
テム、基地局装置およびダイバーシチ制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】移動体通信においては、フェージングに
より受信信号の減衰が大きくなる。このようなフェージ
ングに対する有効な対策としてダイバーシチ技術があ
る。ダイバーシチ技術では、通常複数の受信信号を用い
て通信品質の高い伝送を実現する。例えば、受信機の2
つのアンテナにおけるフェージング変動が互いに独立と
みなせるほど、2つのアンテナの距離が十分に離れてい
たとすると、2つのアンテナで受信した信号の電力が同
時に減衰する確率は減少する。ダイバーシチ技術では、
この原理を利用して受信機での受信信号の電力の落ち込
みを防止する。
【0003】ダイバーシチ技術において、複数の受信信
号を得るための手段は、ダイバーシチブランチと呼ばれ
る。ここでは、ダイバーシチブランチを2つの受信アン
テナにしている。
【0004】ダイバーシチ技術において、特に受信機の
負担を軽減する目的で、送信側の複数のアンテナそれぞ
れで複数の受信信号を生成する方式は、送信ダイバーシ
チと呼ばれる。複数のアンテナを用いた送信ダイバーシ
チは、IEEE Trans. Information Theory, vol. 44, No.
2, pp744-765, Mar. 1998” Space-time codes forhig
h data rate wireless communication: Performance cr
iterion and code construction”に記載されているよ
うにダイバーシチ利得と符号化利得を組み合わせたSTTC
技術や、IEEE Journal on Select Areas in Communicat
ions, vol. 16,No. 8, pp1451-1458, Oct. 1998 “ A s
imple transmit diversity techniquefor wireless com
munications”に記載されているように受信側の復号処
理を簡略化することを特徴としたSTBC技術が知られてい
る。
【0005】一方、複数のパスを通過した信号が受信機
で受信される際には、それぞれの信号が異なった角度、
異なった遅延時間で受信される。このとき、高速伝送を
行なうと、遅延時間が情報の1シンボル時間に対して長
くなる遅延波が存在し、この遅延波により送信ダイバー
シチの効果が低減してしまう。この現象は、符号間干渉
と呼ばれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】送信ダイバーシチにお
ける符号間干渉の補償の手法としては、IEEE Vehicular
Technology Conference (VTC2000), pp1688-1692, 200
0, “MLSE and equalization of space-time codes sig
nals”や、IEEE Pacific Rim Conference on Communi
cations, ComputerS/And Signal Processing (PACRI
M 1999), pp341-344, 1999, “ Multiple input/ Multi
ple output (MIMO) equalization for spade-time bloc
k coding”が知られている。これらの手法は受信機の設
備を複雑化してしまう。受信機の設備が複雑化すると、
受信機の大型化や価格の増大につながってしまい好まし
くない。
【0007】また、特開2001-111464号公報には、同一
チャネル間干渉の抑圧とフェージングの抑圧とを同時に
行なうための複数のアンテナ素子の位相と振幅を制御可
能にしたスマートアンテナを用いた送信ダイバーシチが
開示されている。ところが、この公報に開示された発明
はアンテナ素子間の距離を大きくしており、アンテナ全
体の構成が大きくなってしまうという問題点がある。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、複数のアンテナ素子を用いた
送信ダイバーシチを行なうことで、フェージングを抑圧
して受信信号の減衰を改善すると共に、符号間干渉を起
こしうるパス方向にヌル点(電界のゼロ点)を向けるこ
とで受信機での符号間干渉を抑圧し、受信信号の劣化を
低減させることができるダイバーシチ・システム、基地
局装置およびダイバーシチ制御方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、複数のアンテナ素子と、前記複数の
アンテナ素子での受信信号に基づいて、多重到来波を角
度ごとに複数のパスに分離するパス分離手段と、前記分
離されたパス同士の相互相関を測定する相互相関検出手
段と、前記測定された相互相関に基づいて、送信ダイバ
ーシチ用の複数の送信方向を決定する送信方向決定手段
と、前記決定された送信方向に送信するための前記複数
のアンテナ素子の送信ウェイトを計算する送信ウェイト
計算手段と、を備える。
【0010】本発明では、角度ごとに分離したパス同士
の相互相関に基づいて送信ダイバーシチ用の複数の送信
方向を決定するため、アンテナ素子の距離を十分に離さ
なくても、空間(角度)ダイバーシチ効果により受信信
号の減衰を抑圧できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るダイバーシチ
・システム、基地局装置およびダイバーシチ制御方法に
ついて、図面を参照しながら具体的に説明する。以下で
は、本発明の一例として、基地局装置について主に説明
する。
【0012】本発明に係る基地局装置1は、図1に示す
ように、通信端末装置2との間で、スマートアンテナ
(S/A)またはアダプティブアレイアンテナ3を用い
て送信ダイバーシチを行うとともに、送信S/A制御を
行う。
【0013】送信ダイバーシチの方式として、クローズ
ドループ送信ダイバーシチとオープンループモード送信
ダイバーシチとの2つの方式がある。本実施形態は、ど
ちらの方式にも適用可能であるが、本明細書では、オー
プンループモード型送信ダイバーシチ方式について説明
する。
【0014】また、本実施形態は、FDD(Frequency Div
ision Duplex)方式とTDD (Time Division Duplex)方式
のどちらにも適用可能であるが、本明細書では、TDD方
式について説明する。
【0015】図2は本発明に係る基地局装置1の一実施
形態の概略構成を示すブロック図である。図2の基地局
装置1は、複数のアンテナ素子3a〜3cを有するスマ
ートアンテナ3と、受信機4と、送信機5とを備えてい
る。なお、図2では、3つのアンテナ素子3a〜3cを
有するスマートアンテナ3の例を示しているが、アンテ
ナ素子の数には特に制限はない。
【0016】受信機4は、各アンテナ素子3a〜3cご
とに設けられる受信RF回路11と、受信信号の分離を
行う受信S/A回路12と、到来角・到来時間推定回路
13と、相互相関検出回路14と、送信方向・ヌル方向
決定装置15とを有する。
【0017】送信機5は、送信ダイバーシチ回路21
と、送信ウェイト計算回路22と、送信ウェイト乗算部
23と、合成回路24と、送信RF回路25とを有す
る。合成回路24と送信RF回路25は、各アンテナ素
子3a〜3cごとに設けられる。
【0018】通信端末装置2から送信された信号は、ス
マートアンテナ3の複数のアンテナ素子3a〜3cで受
信されて受信RF回路11に送られる。受信RF回路1
1は、受信信号に対して所定の無線受信処理(例えば、
ダウンコンバートやA/D変換処理など)を行う。
【0019】受信RF回路11で無線受信処理された信
号は、到来角・到来時間推定回路13と受信S/A回路
12の両方に送られる。
【0020】到来角・到来時間推定回路13は、後に詳
述するように、多重到来波のパスごとの到来角と到来時
間を測定する。到来角を推定する際に得られたスマート
アンテナ3のモードベクトルは受信S/A回路12に送
られる。また、推定された到時間に関する情報は、送信
方向・ヌル方向決定装置15に送られる。
【0021】受信S/A回路12は、後に詳述するよう
に、到来角を推定する際に得られたスマートアンテナ3
のモードベクトルに基づいて、多重到来波をパスごとに
分離する。分離された信号は、後段の相互相関検出回路
14に送信されるとともに、合成回路16にて選択合成
または重み付け合成されて受信信号になり、復調回路1
7に送られる。
【0022】相互相関検出回路14は、後に詳述するよ
うに、パスごとの相互相関を測定する。測定された相互
相関は、送信方向・ヌル方向決定装置15に送られる。
【0023】送信方向・ヌル方向決定装置15は、到来
角・到来時間推定回路13からの到来時間と、相互相関
検出回路14からの相互相関と、予め設定された到来時
間のしきい値とに基づいて、ある送信パターンの最大利
得が生じるパス方向で残りの送信パターンの利得が小さ
くなり、かつ符号間干渉を起こしうるパス方向での利得
が小さくなるような送信方向のセット、すなわちダイバ
ーシチブランチを決定する。送信方向のセットは、送信
ダイバーシチに用いるブランチと同じ数だけ生成され
る。例えば、ブランチの数をMとすると、Mセットが生
成される。送信方向のセットの生成手法については後述
する。生成された送信方向のセットは、送信機5内の送
信ウェイト計算回路22に送られる。
【0024】一方、送信用のデジタル変調処理を施され
た信号は送信機5内の送信ダイバーシチ回路21に送ら
れる。送信ダイバーシチ回路21は、送信ダイバーシチ
制御回路26の制御の下で、ダイバーシチ処理を行う。
以下では、オープンループの送信ダイバーシチとして、
STBC技術について説明する。
【0025】STBC技術では、連続する2シンボル(S1,S
2)ごとに、もう一方のブランチから同時刻に送信する信
号として(-S2*,S1*)を求める演算を行う。ここで、"*"
は複素共役を表している。演算が施された信号はそれぞ
れのブランチに送られる。各ブランチは、送信ウェイト
のセットと対応している。
【0026】送信ウェイト乗算部23は、送信信号と個
々のアンテナ素子に対応した送信ウェイトとの乗算を行
う複数の乗算器27を有する。これら乗算器27の演算
は、ブランチごとに並列に行われる。
【0027】合成回路24は、スマートアンテナ3を構
成するアンテナ素子ごとに、対応するブランチの乗算器
の出力を合成する。
【0028】送信RF回路25は、すべての合成回路2
4の出力に対して所定の無線通信処理(例えば、D/A
変換やアップコンバートなど)を行う。無線通信処理さ
れた送信信号は、各アンテナ素子3a〜3cから通信端
末装置2に向けて無線送信される。
【0029】次に、図2の基地局装置1の動作を説明す
る。スマートアンテナ3の各素子で受信された信号は、
アンテナ素子ごとに受信RF回路11で受信された後、
到来角・到来時間推定回路13に送られる。
【0030】到来角・到来時間推定回路13は、多重到
来波のパス毎の角度とそのパスの到来時間とを推定す
る。この情報は送信方向・ヌル方向決定装置15に送ら
れる。また到来角推定に用いたモードベクトルは受信S
/A回路12に送られる。多重到来波から到来角や到来
時間を測定する手法には種々のものが考えられる。例え
ば、MUSIC法と呼ばれ、IEEE Trans. , vol.AP-34, No.,
3,pp276-280, Mar. 1986“ Multiple Emitter Location
and Signal Parameter Estimation”に記載されている
手法が適用可能である。あるいは、IEEE Trans. ,vol.A
SSP-37, pp984-995, July. 1989 “ ESPRIT − Estimat
ion of Signal Parameters via Rotational Invariance
Techniques”に記載されたESPRIT法と呼ばれる手法も
適用可能である。ここでは、MUSIC法を用いる。
【0031】到来時間推定に関しても、例えばMUSIC法
やESPRIT法が適用可能である。いずれの手法も、菊間信
良著 科学技術出版社「アレーアンテナによる適応信号
処理」に記載されている。
【0032】上記の手法で測定された到来角と到来時間
は、送信方向・ヌル方向決定装置15に送られる。ま
た、到来角の推定に用いたモードベクトルは受信S/A
回路12に送られる。
【0033】受信S/A回路12は、到来角・到来時間
推定回路13で到来角を推定する際に得られたモードベ
クトルから、多重到来波を分離受信するための受信ウェ
イトを算出する。この手法は、菊間信良著の科学技術出
版社「アレーアンテナによる適応信号処理」に記載され
ている。ここで得られた受信ウェイトそれぞれを受信信
号に乗算することで、パス毎に信号を分離することがで
きる。
【0034】なお、ここでは、多重到来波の分離にMUSI
C法のモードベクトルを用いる手法を説明したが、上述
の科学技術出版社「アレーアンテナによる適応信号処
理」等に記載されているアルゴリズムも適用可能であ
る。
【0035】ここで、lパスを受信するための受信ウェ
イトをwlとすると、この受信ウェイトで重み付けされた
状態でのl番目のパスの出力yl(t)は以下の(1)式のよ
うになる。
【0036】
【数1】 (1)式において、x(t)は時刻tにおける受信ベクト
ル、n(t)は時刻tでのノイズベクトルである。
【0037】(1)式の出力yl(t)は、各パス同士の相
互相関を測定するために相互相関検出回路14に送られ
る。
【0038】相互相関検出回路14は、受信S/A回路
12で分離した受信信号の相互相関を計算する。i番目
のパスとj番目のパスの相互相関値は(2)式のように
なる。
【0039】
【数2】 (2)式中のNtはサンプリング時間である。得られた相
関値は送信方向・ヌル方向決定装置15に送られる。
【0040】図3は送信方向・ヌル方向決定装置15の
処理動作を示すフローチャートである。
【0041】まず、パス毎の到来角、到来時間および相
互相関値を到来角・到来時間推定回路13から取り込む
(ステップS1)。
【0042】続いて、パスの種類を表す変数aを「1」
に初期化する(ステップS2)。以下では、L個のパス
が存在するものとし、a番目のパスの遅延時間が先行波
に対してτaの遅延時間を持っているとする。
【0043】このような無線通信システムにおいて、遅
延波が符号間干渉を生じる最小の遅延時間がτth(例え
ばビット誤り率が10-3を満たす最小の遅延時間)だとす
れば、遅延時間がτth以上のパス方向に送信すると、受
信端末においても符号間干渉が生じる確率が大きいと考
えられる。そこで、τaがτth以上か否かを判定し(ス
テップS3)、遅延時間τaがτth以上のパスaを、ヌ
ル点を向ける方向Nulln =θaとして登録する(ステップ
S4)。ここで、nはヌル点として登録したヌルの番号
である。すなわち、ステップS4では、符号間干渉を起
こしうるパスの方向をヌル方向として送信候補から除外
する。
【0044】続いて、変数aが(L-1)に等しいか否かを
判定し(ステップS5)、等しくなければ変数aを
「1」だけ加算して(ステップS6)、ステップS3以
降の処理を繰り返す。
【0045】変数aが(L-1)に等しくなると、ヌル方向
を向ける方向Nullnに登録されていないM個のパスの組合
せのそれぞれについて、相互相関値ρaveを計算する
(ステップS7)。ここで、送信ダイバーシチに用いる
ブランチ数をM、登録したヌル点の総数をN、パスの総数
を(L-1-N)とすると、選択されるペアの組合せは、L-1-N
C M通り存在する。
【0046】続いて、いずれかのパスの組合せを選択す
る(ステップS8)。ペアを選択する簡易的な手法とし
て、以下の3通りが考えられる。
【0047】すべてのパスのペアの中から平均値の最
も低くなるペアを選ぶ。
【0048】最低限のダイバーシチランクを確保する
ため、相互相関が最も低いパスの組を順にP個確保し、
それ以外のペアは平均値が低いペアを算出する。
【0049】相互相関値が閾値ρth以下のペアの中か
ら平均値の最も低いパスのペアを算出する。
【0050】ここでは、の手法を説明する。平均値を
求める手法として相加平均と相乗平均があるが、ここで
は相加平均を用いる場合について説明する。議論を簡単
にするため、いまθ,θ,θ,θの到来角を持
つ4つのパスが存在し、3つのブランチの送信ダイバー
シチを行う場合を考える。
【0051】θ4の到来角を持つパスがヌル点を向ける
角度として除外されたとし、θ1、θ 2およびθ3の到来
角を持つ3つのパスの相互相関に着目する。ρの相加平
均ρav e は以下の(3)式のようになる。
【0052】
【数3】 上述したステップS8では、相加平均が全ての組み合わ
せの中で最も小さい場合は、このときのパスの組み合わ
せを選択する。続いて、3つのブランチ毎にそれぞれDO
D11、DOD22およびDOD33として送信角を登録す
る。このとき、一つの送信パターンの最大利得が生じる
送信方向に残りの送信パターンのヌル点が向くように登
録を行う(ステップS9)。
【0053】図4はこのようにして登録したパターンか
ら計算されるスマートアンテナ3の指向性の概念図であ
る。図4は2つのブランチを考えているが、一方のパタ
ーンの送信角には他方のパターンのヌル角が向いてお
り、符号間干渉を起こすパス方向にはどちらもヌル角が
向いている。
【0054】以上の処理により、送信ウェイト計算回路
22には図5に示されるような送信角、ヌル角に対応す
る送信方向情報が送られる。
【0055】送信ウェイト計算回路22は、この送信方
向に基づき送信ウェイトを計算する。この手法では、符
号間干渉を生じさせるパスの数が多い場合に、アンテナ
素子の制限により他のウェイトセットの方向にヌルを向
けることが出来ない場合がある。この場合は、符号間干
渉を生じさせるパス方向のみにヌルを形成するか、ダイ
バーシチブランチの数を減らして対応する。
【0056】本実施形態は、ダイバーシチブランチとな
るパスの相互相関値を基地局で測定しているため、相互
相関値が低いペアの数がダイバーシチブランチの数より
少ない場合などは、ダイバーシチブランチ数およびパス
選択時の閾値を適応的に変化させることで常に効果的な
送信ダイバーシチを行なうことができる。
【0057】送信ウェイト計算回路22が送信方向情報
から送信ウェイトを計算する手法はいくつかあるが、こ
こではDCMPアルゴリズムを用いたウェイト計算法につい
て述べる。DCMPアルゴリズムについては、IEEE Trans.
Antennas & Propag. vol. AP-24, No., 5, pp662-669,
Sept. 1996 “ An Adaptive Antenna Array under Dir
ectional Constraint” に述べられている。この内容の
概略を以下に説明する。
【0058】上述の文献によれば、DCMPアルゴリズムで
は、送信角やヌル角等の複数の拘束条件を課すことがで
きる。そこで、図5に示したような条件でDCMPアルゴリ
ズムの拘束行列と拘束応答ベクトルを作成する。具体例
として、拘束行列C、m番目のブランチの拘束応答ベクト
ルHmは以下の(4)〜(9)式のようになる。
【0059】
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】 (4)〜(9)式において、Ψは各アンテナ素子間の位
相差、Tはベクトルの転置、Kはアンテナ数である。送信
ウェイト計算回路22は、拘束行列および拘束応答ベク
トルを用いたDCMPアルゴリズムにより所望の送信ウェイ
トを計算する。
【0060】送信ウェイト乗算部23は、送信ウェイト
とブランチ毎のアンテナ素子に対応したウェイトとを乗
算する。乗算後の信号は、合成回路24を介して送信R
F回路25で無線送信処理が行われた後、各アンテナか
ら送信される。
【0061】このように、スマートアンテナ3を用いた
送信ダイバーシチを行うことで、受信端末ではダイバー
シチ効果によりフェージングを抑圧すると共に、符号間
干渉の低減が行なわれ、通信品質の劣化を抑えることが
できる。
【0062】なお、本実施の形態では3ブランチの例を
説明したが、本発明は、4ブランチ以上のシステムにも
同様に適用でき、ブランチ数を増やすことで、更なる性
能の向上が図られる。
【0063】以上に説明したように、本実施形態によれ
ば、複数のアンテナ阻止を有するスマートアンテナ3を
用いて受信時に測定した多重到来波の到来角や到来時間
情報に基づいて、多重波を到来波毎に角度的に分離した
パスをダイバーシチブランチとして用いるため、基地局
装置1のアンテナ素子の間隔を特開2001-111464よりも
狭くでき、アンテナ全体の規模を小型化できる。
【0064】また、適切なヌル点を生成して、符号間干
渉を生じさせるような遅延時間が長いパス方向には送信
を行わないようにするため、受信機での符号間干渉を低
減でき、受信機における通信品質の向上が図れる。ま
た、従来のように受信機に等化器などの余剰設備を設け
る必要がなく、受信機の小型化が図れる。
【0065】また、送信ダイバーシチ時に、ある一つの
送信パターンの高利得方向に他の送信パターンも高い利
得を持つとこの角度方向に同じパスを形成してしまい、
フェージングの変動が類似してしまう可能性が高い。と
ころが、本実施形態では、ある送信パターンの最大送信
利得が向いているパス方向には他の送信パターンの利得
が低くなるため、送信方向が互いに近接した場合でも、
送信信号間の直交化の効果によりフェージング変動の類
似を抑制でき、ダイバーシチ効果が期待できる。
【0066】上述した実施形態では、複数のアンテナ素
子の位相および振幅を制御可能なスマートアンテナを用
いた送信ダイバーシチの手法について説明したが、本発
明は、スマートアンテナの代わりに、位相および振幅を
制御しないアンテナを用いる場合にも同様に適用可能で
ある。この場合、スマートアンテナを用いて生成した一
つの送信パターンが一つのアンテナ素子に対応する。
【0067】また、上述した実施形態では、基地局装置
から端末局装置への下り回線の送信ダイバーシチについ
て説明したが、本発明は端末局装置から基地局装置への
上り回線の送信ダイバーシチにも適用可能である。さら
に、屋内LAN(Local AreaNetwork)システムにも適用
可能である。
【0068】なお、本実施形態では、送信ウェイトの生
成にDCMPアルゴリズムを用いたが、受信信号を用いたMM
SE規範で送信ウェイトを生成させることも可能である。
このとき、符号間干渉の方向以外に、他のダイバーシチ
・ブランチ方向にもヌルを生成する必要があるために、
該角度に対する擬似干渉信号を受信信号に加算してアル
ゴリズムを動作させる。このようにすることで、送信信
号間の直交性を保つことが可能になり、ダイバーシチ利
得の増大が可能になる。
【0069】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、多重到来波を角度ごとに分離したパス同士の相互相
関に基づいて、送信ダイバーシチ用の複数の送信方向を
決定し、更に送信方向が近接した場合でも、送信信号間
の直交化を行うことで、受信端末でのフェージングを確
実に抑圧できる。また、本発明によれば、適切なヌル点
を生成できるため、長遅延波による符号間干渉を低減で
きる。さらに、本発明によれば、従来よりも狭い間隔で
アンテナ素子を配置できるため、アンテナ全体を小型化
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基地局装置周辺の構成を示す概略
的なブロック図。
【図2】本発明に係る基地局装置の一実施形態の概略構
成を示すブロック図。
【図3】送信方向・ヌル方向決定装置の処理動作を示す
フローチャート。
【図4】スマートアンテナの指向性の概念図。
【図5】送信角、ヌル角に対応する送信方向を示す図。
【符号の説明】
1 基地局装置 2 通信端末装置 3 スマートアンテナ(S/A) 4 受信機 5 送信機 11 受信RF回路 12 受信S/A回路 13 到来角・到来時間推定回路 14 相互相関検出回路 15 送信方向・ヌル方向決定装置 21 送信ダイバーシチ回路 22 送信ウェイト計算回路 23 送信ウェイト乗算回路 24 合成回路 25 送信RF回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月10日(2002.5.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のアンテナ素子と、 前記複数のアンテナ素子での受信信号に基づいて、多重
    到来波を角度ごとに複数のパスに分離するパス分離手段
    と、 前記分離されたパス同士の相互相関を測定する相互相関
    検出手段と、 前記測定された相互相関に基づいて、送信ダイバーシチ
    用の複数の送信方向を決定する送信方向決定手段と、 前記決定された送信方向に送信するための前記複数のア
    ンテナ素子の送信ウェイトを計算する送信ウェイト計算
    手段と、を備えることを特徴とするダイバーシチ・シス
    テム。
  2. 【請求項2】前記複数のアンテナ素子での受信信号に基
    づいて、複数の多重到来波の到来時間および到来角情報
    を測定する到来波情報測定手段を備え、 前記パス分離手段は、前記測定された到来時間および到
    来角情報に基づいて複数のパスに分離し、 前記送信方向決定手段は、前記測定された到来時間およ
    び到来角情報と、前記測定された相互相関と、に基づい
    て、送信ダイバーシチ用の複数のダイバーシチブランチ
    および各ブランチの送信方向を決定することを特徴とす
    る請求項1に記載のダイバーシチ・システム。
  3. 【請求項3】前記送信方向決定手段は、複数の多重到来
    波それぞれの到来時間に基づいて符号間干渉を生じさせ
    るパスを決定し、決定されたパス以外で互いの相互相関
    が所定のしきい値以下のパスの組を前記ダイバーシチブ
    ランチとすることを特徴とする請求項1または2に記載
    のダイバーシチ・システム。
  4. 【請求項4】前記送信方向決定手段は、一つの送信パタ
    ーンの最大利得が生じる送信方向において残りの送信パ
    ターンの利得がしきい値以下になり、かつ符号間干渉を
    起こしうる送信方向の利得がしきい値以下になるよう
    に、前記複数のダイバーシチブランチおよび各ブランチ
    の送信方向を決定することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のダイバーシチ・システム。
  5. 【請求項5】複数のアンテナ素子と、 前記複数のアンテナ素子での受信信号に基づいて、複数
    の多重到来波の到来時間および到来角情報を測定する到
    来波情報測定手段と、 前記測定された到来時間および到来角情報に基づいて複
    数のパスに分離するパス分離手段と、 前記分離されたパス同士の相互相関を測定する相互相関
    検出手段と、 前記測定された到来時間および到来角情報と、前記測定
    された相互相関と、に基づいて、送信ダイバーシチ用の
    複数のダイバーシチブランチおよび各ブランチの送信方
    向を決定する送信方向決定手段と、 前記決定された送信方向に送信するための前記複数のア
    ンテナ素子の送信ウェイトを計算する送信ウェイト計算
    手段と、を備えることを特徴とする基地局装置。
  6. 【請求項6】複数のアンテナ素子にて無線信号の送受信
    を行うダイバーシチ制御方法において、 前記複数のアンテナ素子での受信信号に基づいて、複数
    の多重到来波の到来時間および到来角情報を測定するス
    テップと、 前記測定された到来時間および到来角情報に基づいて複
    数のパスに分離するステップと、 前記分離されたパス同士の相互相関を測定するステップ
    と、 前記測定された到来時間および到来角情報と、前記測定
    された相互相関と、に基づいて、送信ダイバーシチ用の
    複数のダイバーシチブランチおよび各ブランチの送信方
    向を決定するステップと、 前記決定された送信方向に送信するための前記複数のア
    ンテナ素子の送信ウェイトを計算するステップと、を備
    えることを特徴とする基地局装置。
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