JP2005027179A - 受信装置および受信回路 - Google Patents
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- Y02D30/00—Reducing energy consumption in communication networks
- Y02D30/70—Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks
Abstract
【課題】マルチパス波の電力を有効に利用し、かつ精度の高い復号を行うことが可能な受信装置を提供する。
【解決手段】加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、演算装置50が加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、重み付けを行う。そして、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施し、それぞれ検出される信号判定の尤度情報の信頼度を高めた後、硬出力復号器40が硬出力を行うようにしたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、演算装置50が加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、重み付けを行う。そして、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施し、それぞれ検出される信号判定の尤度情報の信頼度を高めた後、硬出力復号器40が硬出力を行うようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信に用いられるものであって、特にアレーアンテナを用いた無線通信システムに好適する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチパス伝搬路において、送受信間の伝搬遅延時間が異なる複数の信号が到来する環境では、符号間干渉による波形歪みが通信品質を劣化させる大きな要因となる。このような環境で、アレーアンテナを用いた適応受信装置で特定の伝搬遅延時間の信号のみを受信し、他の伝搬遅延時間で到来する信号を抑圧する手法(例えば非特許文献1)が存在する。
【0003】
一方、復調機に等化器を搭載する場合や、変調方式として直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: 以下OFDMと記述する)方式を用いるシステムでは伝搬遅延時間の異なる信号を受信しても、符号間干渉に起因する波形歪みを補償することができる。伝搬遅延時間の異なる各信号は同一の情報を含んでいるため、上記のようなシステムでは複数の伝搬遅延時間の信号を受信することによってマルチパス波のエネルギーを有効に利用することができる。
【0004】
このような概念の下、異なる伝搬遅延時間の複数の信号を適応受信装置で合成し、等化器を適用する手法(例えば非特許文献2)や、OFDMシステムにおいて異なる伝搬遅延時間で到来する複数の信号を適応受信装置で合成する手法(例えば非特許文献3)が存在する。しかし、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信する場合、一つの加重合成器で全ての到来信号を合成することはできない。
【0005】
これに対して従来は、複数の加重合成器を用いることによって解決している。例えば非特許文献4では、複数の加重合成器を用いて、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信し、各加重合成器の出力を用いて多入力最尤系列推定を行っている。
【0006】
しかしながら、非特許文献4の手法では、各加重合成器の出力に含まれる不要信号に相関が生じるため、最尤系列推定を行ってもその効果を十分に発揮することができず、精度の高い復号を行うことができないという問題がある。
【0007】
【非特許文献1】
Y. Ogawa, M. Ohmiya, and K. Itoh, ``An LMS adaptive array for multipath fading reduction,’’ IEEE Aerosp. Electron. Syst., vol. AES−23, no. 1, pp. 17−−23, Jan. 1987.
【0008】
【非特許文献2】
J.−W. Liang, J.−T. Chen, and A. J. Paulraj, ``A two−stage hybrid approach for CCI/ISI reduction with space−time processing,’’ IEEE Communications Letters, vol. 1, no. 6, pp. 163−−165, Nov. 1997.
【0009】
【非特許文献3】
M. Okada, A. Hashizume, and S. Komaki, ``A joint frequency and space diversity scheme for OFDM,’’ Proc. IEEE VTC’99 Fall, Amsterdam, The Netherlands, vol. 5, pp. 2939−−2943, Sept. 1999.
【0010】
【非特許文献4】
M. Fujii, ``Path diversity reception employing steering vector arrays and sequence estimation techniques for ISI channels,’’ {¥em IEEE J. Select. Areas Commun.}, vol. 17, no. 10, pp. 1735−−1746, Oct. 1999.
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受信装置では、複数の加重合成器を用いることで、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信しているが、各加重合成器の出力に含まれる不要信号に相関があるため、最尤系列推定を行ってもその効果を十分に発揮することができないという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、マルチパス波の電力を有効に利用し、かつ精度の高い復号を行うことが可能な受信装置および受信回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、無線信号を受信する複数の受信手段と、この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信装置を構成するようにした。
【0013】
またこの発明は、複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信回路を構成するようにした。
【0014】
上記構成の受信装置および受信回路では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0015】
したがって、上記構成の受信装置および受信回路によれば、不要波成分に相関が生じない2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、精度の高い復号を行うことができる。
【0016】
さらにこの発明は、無線信号を受信する複数の受信手段と、この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力と第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信装置を構成するようにした。
【0017】
またこの発明は、複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力と第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信回路を構成するようにした。
【0018】
上記構成の受信装置および受信回路では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0019】
したがって、上記構成の受信装置および受信回路によれば、互いに異なる伝搬遅延時間の信号を含む2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、マルチパス波の電力を有効に利用した精度の高い復号を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる受信装置の構成を示すものである。この図に示すように受信装置は、アンテナ素子10〜13と、受信機20〜23と、加重合成器100,110と、軟出力復号器30,31と、硬出力復号器40と、演算装置50とを備える。加重合成器100は、アンテナ素子10〜13にそれぞれ対応する乗算器101〜104と、加算器105とを備える。同様に、加重合成器110は、アンテナ素子10〜13にそれぞれ対応する乗算器111〜114と、加算器115とを備える。
【0021】
アンテナ素子10〜13は、指向性アンテナであってもよいし、無指向性アンテナであってもよく、所望の周波数帯域において到来する電波を受信するように設計してさえあればよい。なお、ここでは、アンテナ素子数が4素子の場合の例を示しているが、これに制限されるものではない。
【0022】
受信機20〜23は、周波数変換機やフィルタ、増幅器、AGC(Automatic Gain Control)、AFC(Automatic Frequency Control)、A/D変換機などから構成される一般的な受信機であり、それぞれ対応するアンテナ素子10〜13で受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するものである。受信機20〜23により得られたディジタル信号は、加重合成器100,110と、演算装置50に出力される。
【0023】
乗算器101〜104は、後述する演算装置50によりそれぞれ重み係数w101〜w104が与えられ、それぞれ対応する受信機20〜23から出力されるディジタル信号に乗算し、乗算結果を加算器105に出力する。加算器105は、乗算器101〜104により得られる乗算結果を加算し、軟出力復号器30に出力する。
【0024】
同様に、乗算器111〜114は、演算装置50によりそれぞれ重み係数w111〜w114が与えられ、それぞれ対応する受信機20〜23から出力されるディジタル信号に乗算し、乗算結果を加算器115に出力する。加算器115は、乗算器111〜114により得られる乗算結果を加算し、軟出力復号器31に出力する。
【0025】
演算装置50は、受信機20〜23から入力されるディジタル信号に基づいて、乗算器101〜104,111〜114に設定する重み係数w101〜w104,w111〜w114を、動的に算出し、それぞれに設定する。
【0026】
軟出力復号器30は、加算器105の加算結果と後述する軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、加算器115の加算結果と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。
【0027】
そして、軟出力復号器30の判定処理と、軟出力復号器31の判定処理は、所定の回数だけ反復して実施すると、軟出力復号器31にて得られる尤度が硬出力復号器40に出力される。硬出力復号器40は、軟出力復号器31から与えられる尤度に基づいて、ビット単位で受信データの「0/1」を判定する。
【0028】
次に、上記構成の受信装置の動作について説明する。
受信機20〜23にてそれぞれ受信された受信信号は、ディジタル信号に変換され、それぞれ対応する乗算器101〜104,111〜114と、演算装置50に出力される。
【0029】
これに対して演算装置50は、上記ディジタル信号を分析し、加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、乗算器101〜104,111〜114に設定する重み係数w101〜w104,w111〜w114を算出する。
【0030】
この算出法の一例として、同一チャネル干渉波が存在せず、不要信号は各アンテナ素子で独立に発生する熱雑音のみの場合について説明する。この場合、上記ディジタル信号から得られる相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを加重合成器100に設定し、2番目に大きい固有値に対応する固有ベクトルを加重合成器110に設定することで、上述したような重み係数を設定することができる。
【0031】
なお、重み係数の設定法は、この方法に限定するものではなく、加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するようなものであれば、他の手法を用いても構わない。
【0032】
図2に、3方向から互いに異なる伝搬遅延時間で3波の信号が到来している場合に、上述したような重み付けを加重合成器100と加重合成器110とに行った場合のアレー指向性を例示する。この図において、実線が加重合成器100に設定される重み係数w101〜w104によって得られるアレー指向性を示し、破線が加重合成器110に設定される重み係数w111〜w114によって得られるアレー指向性を示している。また、図中の矢印は、0度、10度、−30度方向であり、それぞれ異なる伝搬遅延時間で到来する3波の信号の到来方向を示している。なお、この図では、アンテナ素子10〜13により、アレーアンテナを4素子の半波長間隔直線アレーで構成した場合を例に挙げている。
【0033】
この図に示すように、実線で示したアレー指向性を見ると、0度および10度方向にビームが向けられており、これらの信号を強く受信するように重み付けを行っている。しかし、−30度方向の利得は、0度および10度方向の利得より、約10dB小さくなっており、−30度方向の信号はそれほど強く受信しない。
【0034】
一方、破線で示したアレー指向性を見ると、実線で示したアレー指向性とは逆に、−30度方向にビームを向けて強く受信するように重み付けを行っており、実線で示したアレー指向性で強く受信できなかった信号を強く受信することができる。このように、加重合成器100と加重合成器110とで、異なる重み付けを行うことで、単一の重みでは受信しきれなかった信号も強く受信できる。
【0035】
このようにして、加重合成器100と加重合成器110にて、それぞれの出力信号における不要信号が無相関になり、かつ互いに異なる伝搬遅延時間の信号が強く受信され、それぞれ軟出力復号器30,31に出力される。
【0036】
これに対して、軟出力復号器30,31では、それぞれ加重合成器100,110から与えられる出力に対して、軟出力を行う。
軟出力復号器30は、加重合成器100の出力と軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、加重合成器110の出力と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。この軟出力では、符号が「0」か「1」かを判定するのではなく、信号検出の信頼度情報である尤度を出力する。
【0037】
ここで、加重合成器100および110は、伝搬遅延時間が互いに異なる複数の信号を受信しているため、各加重合成器の出力は符号間干渉が存在している。このため、軟出力復号器30,31は、加重合成器100と加重合成器110とが受信した信号間の最大伝搬遅延時間差によって決定される拘束長を有する。
【0038】
また軟出力復号器30,31で用いられる軟出力検出の手法の一例として、最大事後確率(Maximum A Posteriori probability: 以下MAPと呼ぶ)検出が挙げられる。MAP検出は受信信号から送信した確率が最大の符号を、送信された符号と判定する検出方法であり、符号誤り率を最小にする検出法として知られている。この検出法は、ターボ復号等の繰り返し処理を行う復号法で用いられている。
【0039】
そして、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施する。
【0040】
軟出力復号器30と軟出力復号器31との間でなされる復号処理では、まず、第1のステップとしては、軟出力復号器30が、加重合成器100から出力された信号と、軟出力復号器31から出力された信号とを用いて、軟出力検出を行う。ただし、初段では軟出力復号器31からの出力が得られないため、加重合成器100の出力信号のみを用いて行う。
【0041】
次に、第2のステップとして、軟出力復号器31が、軟出力復号器30から出力された信号と、加重合成器110から出力された信号とを用いて、軟出力検出を行う。
【0042】
そして、このような2つのステップを予め定められた回数だけ繰り返した後、軟出力復号器31から出力される信号判定の尤度に基づいて、硬出力復号器40がビット単位で受信データの「0/1」を判定し、受信データを得る。以後、図示しないデータ再生回路によりデータを再生出力する。
【0043】
以上のように、上記構成の受信装置では、加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、演算装置50が加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になるように重み付けを行った後それぞれ軟出力し、この軟出力の結果に基づいて硬出力を行って復号するにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、軟出力復号器30や軟出力復号器31において精度の高い尤度情報を検出することができるので、精度の高い復号を行うことができる。
【0044】
また、上記構成の受信装置では、加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、重み付けを行うようにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、マルチパス波の電力を有効に利用した受信を行うことができるので、精度の高い復号を行うことができる。
【0045】
さらに、上記構成の受信装置では、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施するようにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、軟出力復号器30と軟出力復号器31とで検出される信号判定の尤度情報の信頼度を高めることができ、これにより精度の高い復号を行うことができる。
【0046】
なお、このような復号法を実現する符号化方式としてとしてターボ符号が知られている。ターボ符号は複数の符号化器にインターリーバを介して信号を入力し、複数の符号化信号を多重化して送信する方式である。
本発明がターボ符号と異なる点は、本発明では複数の符号化器が不要な点である。本発明では、符号間干渉が発生する伝搬路において複数の加重合成器(30,31)を用いて複数の受信信号を得ており、各加重合成器の出力におけるインパルス応答が異なるように演算装置50が動作する。
【0047】
よって、軟出力復号器30と軟出力復号器31において、異なる信号の信頼度が高くなり、ターボ符号におけるインターリーバを介した連接符号化と同様の効果が得られる。このように、複数の重みを用いて受信することによって複数の符号化器を用いて送信した場合と同様の効果を得られる。
【0048】
また、非特許文献4に示されている手法は複数の加重合成器から得られる信号を用いて最尤系列推定を行っている。最尤系列推定は信号の発生確率が等しい場合にMAP検出と等価な復号結果が得られるが、信号の発生確率が異なるとMAP検出よりも特性が劣化してしまう。しかも、従来の手法では各加重合成器の出力に含まれる不要信号間に相関が生じるため、有効な最尤系列推定を行うことができず、さらに特性が劣化する。これに対して上述した構成の受信装置によれば、このような特性の劣化を防ぐことができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、軟出力復号器30,31で用いられる軟出力検出の手法として、最大事後確率(MAP)を例に挙げて説明したが、その他の軟出力検出の方法としては、軟出力MAP検出、およびその近似を行う代表的な手法として、BCJR、Max−Log−MAP、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)等を適用することができる。この発明で用いられる軟出力検出の手法は、上記3つのいずれのアルゴリズムでも構わない。また、この発明は軟出力検出を上記の3つのアルゴリズムに限定するものではなく、他の軟出力検出の手法を適用することも可能である。
【0050】
次に、この発明の第2の実施形態に係わる受信装置ついて説明する。図3は、その構成を示すものであって、上述した第1の実施形態の受信装置と異なる点は、第2の実施形態ではマルチキャリア伝送方式を用いている点である。マルチキャリア伝送方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式が考えられる。
【0051】
このため、本実施形態の受信装置では、第1の実施形態の受信装置の構成に加え、加重合成器100と軟出力復号器30との間に、フーリエ変換器60とディジタル信号処理機70を設け、同様に、加重合成器110と軟出力復号器31との間に、フーリエ変換器61とディジタル信号処理機71を設けたものである。以下の説明では、第1の実施形態の受信装置と異なる点を中心に説明する。
【0052】
フーリエ変換器60は、加重合成器100の出力を、時間領域から周波数領域の信号に変換して、ディジタル信号処理機70に出力する。同様に、フーリエ変換器61は、加重合成器110の出力を、時間領域から周波数領域の信号に変換して、ディジタル信号処理機71に出力する。
【0053】
OFDM方式の場合、時間領域の離散信号を離散フーリエ変換(Digital Fourier Transform: 以下DFTと呼ぶ)、または高速離散フーリエ変換(Fast Fourier Transform: 以下FFTと呼ぶ)することにより周波数領域の信号に変換して復調を行う。なお、この発明においてはDFTを用いてもFFTを用いても構わない。
【0054】
ディジタル信号処理機70は、フーリエ変換器60の出力から各搬送波のチャネル応答を求め、各副搬送波の信号を復調する。またディジタル信号処理機70は、信号がスクランブル処理を施されている場合はデスクランブルを行う必要がある。さらに、信号が畳み込み符号化されており、符号語がインターリーブされている場合はデインターリーブを行う必要がある。
【0055】
なお、畳み込み符号化およびインターリーブが施され、かつQAM等の多値変調が行われている場合は受信信号とチャネル応答から各ビットの軟出力値を出力する必要がある。本実施の形態におけるディジタル信号処理機70は、必要に応じてこれらの処理を行うものである。
【0056】
ディジタル信号処理機71についても、フーリエ変換器61の出力に対して同様の処理を施す。ディジタル信号処理機70によって処理された信号は、軟出力復号器30に出力され、一方、ディジタル信号処理機71によって処理された信号は、軟出力復号器31に出力される。
【0057】
軟出力復号器30は、ディジタル信号処理機70の出力と後述する軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、ディジタル信号処理機70の出力と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。
【0058】
そして、軟出力復号器30の判定処理と、軟出力復号器31の判定処理は、所定の回数だけ反復して実施すると、軟出力復号器31にて得られる尤度が硬出力復号器41に出力される。硬出力復号器41は、軟出力復号器31から与えられる尤度に基づいて、ビット単位で受信データの「0/1」を判定する。
【0059】
図4に、上記構成の受信装置によって、加重合成器100と加重合成器110により得られる受信信号の周波数特性の一例を示す。この図において、横軸は副搬送波番号を表し、縦軸は電力を表している。なお、副搬送波0は直流成分に相当し、この例では用いていない。またこの図では、実線が加重合成器100から得られる受信信号の周波数特性、破線が加重合成器110から得られる受信信号の周波数特性をそれぞれ表しているものとする。
【0060】
図4の実線からわかるように加重合成器100から得られる受信信号は、副搬送波「18」付近、および副搬送波「−9」付近の電力が小さくなっており、これらの副搬送波で送信された信号の復調精度は劣化してしまう。一方、加重合成器110から得られる受信信号の周波数特性を見ると加重合成器100で受信電力が小さくなっていた副搬送波「18」および「−9」付近の電力が大きくなっていることがわかる。
【0061】
すなわち、上記構成の受信装置によれば、マルチキャリア伝送方式に適用することにより、各加重合成器100,110が互いに異なる副搬送波の信号を強く受信し、それぞれの復調により得られた信頼度情報を相互に受け渡すことにより精度の高い復号を実現することができる。また、畳込み符号のように複数の副搬送波に渡って信号が関与する場合は繰り返し処理を行う事によって徐々に復号精度を高めていくことができる。
【0062】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0063】
その一例として例えば、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、受信機20〜23による受信信号を2つの加重合成器100,110で重み付けを行うようにしているが、3以上の加重合成器を設けて、各加重合成器の出力信号に含まれる不要信号が互いに無相関で、かつ各加重合成器が互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように重み付けを行うようにしてもよい。
【0064】
また、第1の実施形態における加重合成器100,110、軟出力復号器30,31、硬出力復号器40および演算装置50は、1つのDSP(Digital Signal Processor)チップで実現することも可能である。同様に、第2の実施形態における加重合成器100,110、軟出力復号器32,33、硬出力復号器41、演算装置50、フーリエ変換器60,61およびディジタル信号処理機70,71は、1つのDSPチップで実現することも可能である。このようにDSPチップを用いて受信回路を構成することができる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0066】
したがって、この発明によれば、不要波成分に相関が生じない2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、精度の高い復号を行うことが可能な受信装置を提供できる。
【0067】
またこの発明では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0068】
したがって、この発明によれば、互いに異なる伝搬遅延時間の信号を含む2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、マルチパス波の電力を有効に利用した精度の高い復号を行うことが可能な受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる受信装置の第1の実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した受信装置のアレー指向性を示す図。
【図3】この発明に係わる受信装置の第2の実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図2に示した受信装置による受信信号の周波数特性を示す図。
【符号の説明】
10…アンテナ素子、20〜23…受信機、30,31,32,33…軟出力復号器、40,41…硬出力復号器、50…演算装置、60,61…フーリエ変換器、70,71…ディジタル信号処理機、100,110…加重合成器、101〜104…乗算器
105,115…加算器、111〜114…乗算器。
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信に用いられるものであって、特にアレーアンテナを用いた無線通信システムに好適する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチパス伝搬路において、送受信間の伝搬遅延時間が異なる複数の信号が到来する環境では、符号間干渉による波形歪みが通信品質を劣化させる大きな要因となる。このような環境で、アレーアンテナを用いた適応受信装置で特定の伝搬遅延時間の信号のみを受信し、他の伝搬遅延時間で到来する信号を抑圧する手法(例えば非特許文献1)が存在する。
【0003】
一方、復調機に等化器を搭載する場合や、変調方式として直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: 以下OFDMと記述する)方式を用いるシステムでは伝搬遅延時間の異なる信号を受信しても、符号間干渉に起因する波形歪みを補償することができる。伝搬遅延時間の異なる各信号は同一の情報を含んでいるため、上記のようなシステムでは複数の伝搬遅延時間の信号を受信することによってマルチパス波のエネルギーを有効に利用することができる。
【0004】
このような概念の下、異なる伝搬遅延時間の複数の信号を適応受信装置で合成し、等化器を適用する手法(例えば非特許文献2)や、OFDMシステムにおいて異なる伝搬遅延時間で到来する複数の信号を適応受信装置で合成する手法(例えば非特許文献3)が存在する。しかし、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信する場合、一つの加重合成器で全ての到来信号を合成することはできない。
【0005】
これに対して従来は、複数の加重合成器を用いることによって解決している。例えば非特許文献4では、複数の加重合成器を用いて、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信し、各加重合成器の出力を用いて多入力最尤系列推定を行っている。
【0006】
しかしながら、非特許文献4の手法では、各加重合成器の出力に含まれる不要信号に相関が生じるため、最尤系列推定を行ってもその効果を十分に発揮することができず、精度の高い復号を行うことができないという問題がある。
【0007】
【非特許文献1】
Y. Ogawa, M. Ohmiya, and K. Itoh, ``An LMS adaptive array for multipath fading reduction,’’ IEEE Aerosp. Electron. Syst., vol. AES−23, no. 1, pp. 17−−23, Jan. 1987.
【0008】
【非特許文献2】
J.−W. Liang, J.−T. Chen, and A. J. Paulraj, ``A two−stage hybrid approach for CCI/ISI reduction with space−time processing,’’ IEEE Communications Letters, vol. 1, no. 6, pp. 163−−165, Nov. 1997.
【0009】
【非特許文献3】
M. Okada, A. Hashizume, and S. Komaki, ``A joint frequency and space diversity scheme for OFDM,’’ Proc. IEEE VTC’99 Fall, Amsterdam, The Netherlands, vol. 5, pp. 2939−−2943, Sept. 1999.
【0010】
【非特許文献4】
M. Fujii, ``Path diversity reception employing steering vector arrays and sequence estimation techniques for ISI channels,’’ {¥em IEEE J. Select. Areas Commun.}, vol. 17, no. 10, pp. 1735−−1746, Oct. 1999.
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受信装置では、複数の加重合成器を用いることで、伝搬遅延時間が異なる複数の信号を受信しているが、各加重合成器の出力に含まれる不要信号に相関があるため、最尤系列推定を行ってもその効果を十分に発揮することができないという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、マルチパス波の電力を有効に利用し、かつ精度の高い復号を行うことが可能な受信装置および受信回路を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、無線信号を受信する複数の受信手段と、この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信装置を構成するようにした。
【0013】
またこの発明は、複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信回路を構成するようにした。
【0014】
上記構成の受信装置および受信回路では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0015】
したがって、上記構成の受信装置および受信回路によれば、不要波成分に相関が生じない2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、精度の高い復号を行うことができる。
【0016】
さらにこの発明は、無線信号を受信する複数の受信手段と、この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力と第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信装置を構成するようにした。
【0017】
またこの発明は、複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、第1の加算手段の出力と第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、第1の加算手段と第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、この第1の軟出力手段の出力結果と、第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備して受信回路を構成するようにした。
【0018】
上記構成の受信装置および受信回路では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0019】
したがって、上記構成の受信装置および受信回路によれば、互いに異なる伝搬遅延時間の信号を含む2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、マルチパス波の電力を有効に利用した精度の高い復号を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施形態に係わる受信装置の構成を示すものである。この図に示すように受信装置は、アンテナ素子10〜13と、受信機20〜23と、加重合成器100,110と、軟出力復号器30,31と、硬出力復号器40と、演算装置50とを備える。加重合成器100は、アンテナ素子10〜13にそれぞれ対応する乗算器101〜104と、加算器105とを備える。同様に、加重合成器110は、アンテナ素子10〜13にそれぞれ対応する乗算器111〜114と、加算器115とを備える。
【0021】
アンテナ素子10〜13は、指向性アンテナであってもよいし、無指向性アンテナであってもよく、所望の周波数帯域において到来する電波を受信するように設計してさえあればよい。なお、ここでは、アンテナ素子数が4素子の場合の例を示しているが、これに制限されるものではない。
【0022】
受信機20〜23は、周波数変換機やフィルタ、増幅器、AGC(Automatic Gain Control)、AFC(Automatic Frequency Control)、A/D変換機などから構成される一般的な受信機であり、それぞれ対応するアンテナ素子10〜13で受信したアナログ信号をディジタル信号に変換するものである。受信機20〜23により得られたディジタル信号は、加重合成器100,110と、演算装置50に出力される。
【0023】
乗算器101〜104は、後述する演算装置50によりそれぞれ重み係数w101〜w104が与えられ、それぞれ対応する受信機20〜23から出力されるディジタル信号に乗算し、乗算結果を加算器105に出力する。加算器105は、乗算器101〜104により得られる乗算結果を加算し、軟出力復号器30に出力する。
【0024】
同様に、乗算器111〜114は、演算装置50によりそれぞれ重み係数w111〜w114が与えられ、それぞれ対応する受信機20〜23から出力されるディジタル信号に乗算し、乗算結果を加算器115に出力する。加算器115は、乗算器111〜114により得られる乗算結果を加算し、軟出力復号器31に出力する。
【0025】
演算装置50は、受信機20〜23から入力されるディジタル信号に基づいて、乗算器101〜104,111〜114に設定する重み係数w101〜w104,w111〜w114を、動的に算出し、それぞれに設定する。
【0026】
軟出力復号器30は、加算器105の加算結果と後述する軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、加算器115の加算結果と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。
【0027】
そして、軟出力復号器30の判定処理と、軟出力復号器31の判定処理は、所定の回数だけ反復して実施すると、軟出力復号器31にて得られる尤度が硬出力復号器40に出力される。硬出力復号器40は、軟出力復号器31から与えられる尤度に基づいて、ビット単位で受信データの「0/1」を判定する。
【0028】
次に、上記構成の受信装置の動作について説明する。
受信機20〜23にてそれぞれ受信された受信信号は、ディジタル信号に変換され、それぞれ対応する乗算器101〜104,111〜114と、演算装置50に出力される。
【0029】
これに対して演算装置50は、上記ディジタル信号を分析し、加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、乗算器101〜104,111〜114に設定する重み係数w101〜w104,w111〜w114を算出する。
【0030】
この算出法の一例として、同一チャネル干渉波が存在せず、不要信号は各アンテナ素子で独立に発生する熱雑音のみの場合について説明する。この場合、上記ディジタル信号から得られる相関行列の最大固有値に対応する固有ベクトルを加重合成器100に設定し、2番目に大きい固有値に対応する固有ベクトルを加重合成器110に設定することで、上述したような重み係数を設定することができる。
【0031】
なお、重み係数の設定法は、この方法に限定するものではなく、加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になり、かつ加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するようなものであれば、他の手法を用いても構わない。
【0032】
図2に、3方向から互いに異なる伝搬遅延時間で3波の信号が到来している場合に、上述したような重み付けを加重合成器100と加重合成器110とに行った場合のアレー指向性を例示する。この図において、実線が加重合成器100に設定される重み係数w101〜w104によって得られるアレー指向性を示し、破線が加重合成器110に設定される重み係数w111〜w114によって得られるアレー指向性を示している。また、図中の矢印は、0度、10度、−30度方向であり、それぞれ異なる伝搬遅延時間で到来する3波の信号の到来方向を示している。なお、この図では、アンテナ素子10〜13により、アレーアンテナを4素子の半波長間隔直線アレーで構成した場合を例に挙げている。
【0033】
この図に示すように、実線で示したアレー指向性を見ると、0度および10度方向にビームが向けられており、これらの信号を強く受信するように重み付けを行っている。しかし、−30度方向の利得は、0度および10度方向の利得より、約10dB小さくなっており、−30度方向の信号はそれほど強く受信しない。
【0034】
一方、破線で示したアレー指向性を見ると、実線で示したアレー指向性とは逆に、−30度方向にビームを向けて強く受信するように重み付けを行っており、実線で示したアレー指向性で強く受信できなかった信号を強く受信することができる。このように、加重合成器100と加重合成器110とで、異なる重み付けを行うことで、単一の重みでは受信しきれなかった信号も強く受信できる。
【0035】
このようにして、加重合成器100と加重合成器110にて、それぞれの出力信号における不要信号が無相関になり、かつ互いに異なる伝搬遅延時間の信号が強く受信され、それぞれ軟出力復号器30,31に出力される。
【0036】
これに対して、軟出力復号器30,31では、それぞれ加重合成器100,110から与えられる出力に対して、軟出力を行う。
軟出力復号器30は、加重合成器100の出力と軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、加重合成器110の出力と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。この軟出力では、符号が「0」か「1」かを判定するのではなく、信号検出の信頼度情報である尤度を出力する。
【0037】
ここで、加重合成器100および110は、伝搬遅延時間が互いに異なる複数の信号を受信しているため、各加重合成器の出力は符号間干渉が存在している。このため、軟出力復号器30,31は、加重合成器100と加重合成器110とが受信した信号間の最大伝搬遅延時間差によって決定される拘束長を有する。
【0038】
また軟出力復号器30,31で用いられる軟出力検出の手法の一例として、最大事後確率(Maximum A Posteriori probability: 以下MAPと呼ぶ)検出が挙げられる。MAP検出は受信信号から送信した確率が最大の符号を、送信された符号と判定する検出方法であり、符号誤り率を最小にする検出法として知られている。この検出法は、ターボ復号等の繰り返し処理を行う復号法で用いられている。
【0039】
そして、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施する。
【0040】
軟出力復号器30と軟出力復号器31との間でなされる復号処理では、まず、第1のステップとしては、軟出力復号器30が、加重合成器100から出力された信号と、軟出力復号器31から出力された信号とを用いて、軟出力検出を行う。ただし、初段では軟出力復号器31からの出力が得られないため、加重合成器100の出力信号のみを用いて行う。
【0041】
次に、第2のステップとして、軟出力復号器31が、軟出力復号器30から出力された信号と、加重合成器110から出力された信号とを用いて、軟出力検出を行う。
【0042】
そして、このような2つのステップを予め定められた回数だけ繰り返した後、軟出力復号器31から出力される信号判定の尤度に基づいて、硬出力復号器40がビット単位で受信データの「0/1」を判定し、受信データを得る。以後、図示しないデータ再生回路によりデータを再生出力する。
【0043】
以上のように、上記構成の受信装置では、加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、演算装置50が加重合成器100の出力信号における不要信号と加重合成器110の出力信号における不要信号が無相関になるように重み付けを行った後それぞれ軟出力し、この軟出力の結果に基づいて硬出力を行って復号するにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、軟出力復号器30や軟出力復号器31において精度の高い尤度情報を検出することができるので、精度の高い復号を行うことができる。
【0044】
また、上記構成の受信装置では、加重合成器100と加重合成器110の受信信号に対する重み付けにおいて、加重合成器100と加重合成器110とが互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように、重み付けを行うようにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、マルチパス波の電力を有効に利用した受信を行うことができるので、精度の高い復号を行うことができる。
【0045】
さらに、上記構成の受信装置では、軟出力復号器30と軟出力復号器31とが、加重合成器100と加重合成器110の両出力と、互いの軟出力検出の結果を用いて繰り返し軟出力検出を行うことで復号を実施するようにしている。
したがって、上記構成の受信装置によれば、軟出力復号器30と軟出力復号器31とで検出される信号判定の尤度情報の信頼度を高めることができ、これにより精度の高い復号を行うことができる。
【0046】
なお、このような復号法を実現する符号化方式としてとしてターボ符号が知られている。ターボ符号は複数の符号化器にインターリーバを介して信号を入力し、複数の符号化信号を多重化して送信する方式である。
本発明がターボ符号と異なる点は、本発明では複数の符号化器が不要な点である。本発明では、符号間干渉が発生する伝搬路において複数の加重合成器(30,31)を用いて複数の受信信号を得ており、各加重合成器の出力におけるインパルス応答が異なるように演算装置50が動作する。
【0047】
よって、軟出力復号器30と軟出力復号器31において、異なる信号の信頼度が高くなり、ターボ符号におけるインターリーバを介した連接符号化と同様の効果が得られる。このように、複数の重みを用いて受信することによって複数の符号化器を用いて送信した場合と同様の効果を得られる。
【0048】
また、非特許文献4に示されている手法は複数の加重合成器から得られる信号を用いて最尤系列推定を行っている。最尤系列推定は信号の発生確率が等しい場合にMAP検出と等価な復号結果が得られるが、信号の発生確率が異なるとMAP検出よりも特性が劣化してしまう。しかも、従来の手法では各加重合成器の出力に含まれる不要信号間に相関が生じるため、有効な最尤系列推定を行うことができず、さらに特性が劣化する。これに対して上述した構成の受信装置によれば、このような特性の劣化を防ぐことができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、軟出力復号器30,31で用いられる軟出力検出の手法として、最大事後確率(MAP)を例に挙げて説明したが、その他の軟出力検出の方法としては、軟出力MAP検出、およびその近似を行う代表的な手法として、BCJR、Max−Log−MAP、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)等を適用することができる。この発明で用いられる軟出力検出の手法は、上記3つのいずれのアルゴリズムでも構わない。また、この発明は軟出力検出を上記の3つのアルゴリズムに限定するものではなく、他の軟出力検出の手法を適用することも可能である。
【0050】
次に、この発明の第2の実施形態に係わる受信装置ついて説明する。図3は、その構成を示すものであって、上述した第1の実施形態の受信装置と異なる点は、第2の実施形態ではマルチキャリア伝送方式を用いている点である。マルチキャリア伝送方式としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)方式が考えられる。
【0051】
このため、本実施形態の受信装置では、第1の実施形態の受信装置の構成に加え、加重合成器100と軟出力復号器30との間に、フーリエ変換器60とディジタル信号処理機70を設け、同様に、加重合成器110と軟出力復号器31との間に、フーリエ変換器61とディジタル信号処理機71を設けたものである。以下の説明では、第1の実施形態の受信装置と異なる点を中心に説明する。
【0052】
フーリエ変換器60は、加重合成器100の出力を、時間領域から周波数領域の信号に変換して、ディジタル信号処理機70に出力する。同様に、フーリエ変換器61は、加重合成器110の出力を、時間領域から周波数領域の信号に変換して、ディジタル信号処理機71に出力する。
【0053】
OFDM方式の場合、時間領域の離散信号を離散フーリエ変換(Digital Fourier Transform: 以下DFTと呼ぶ)、または高速離散フーリエ変換(Fast Fourier Transform: 以下FFTと呼ぶ)することにより周波数領域の信号に変換して復調を行う。なお、この発明においてはDFTを用いてもFFTを用いても構わない。
【0054】
ディジタル信号処理機70は、フーリエ変換器60の出力から各搬送波のチャネル応答を求め、各副搬送波の信号を復調する。またディジタル信号処理機70は、信号がスクランブル処理を施されている場合はデスクランブルを行う必要がある。さらに、信号が畳み込み符号化されており、符号語がインターリーブされている場合はデインターリーブを行う必要がある。
【0055】
なお、畳み込み符号化およびインターリーブが施され、かつQAM等の多値変調が行われている場合は受信信号とチャネル応答から各ビットの軟出力値を出力する必要がある。本実施の形態におけるディジタル信号処理機70は、必要に応じてこれらの処理を行うものである。
【0056】
ディジタル信号処理機71についても、フーリエ変換器61の出力に対して同様の処理を施す。ディジタル信号処理機70によって処理された信号は、軟出力復号器30に出力され、一方、ディジタル信号処理機71によって処理された信号は、軟出力復号器31に出力される。
【0057】
軟出力復号器30は、ディジタル信号処理機70の出力と後述する軟出力復号器31の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器31に出力する。同様に、軟出力復号器31は、ディジタル信号処理機70の出力と軟出力復号器30の出力とに基づく軟出力を行い、受信データの尤度を検出し、これを軟出力復号器30に出力する。
【0058】
そして、軟出力復号器30の判定処理と、軟出力復号器31の判定処理は、所定の回数だけ反復して実施すると、軟出力復号器31にて得られる尤度が硬出力復号器41に出力される。硬出力復号器41は、軟出力復号器31から与えられる尤度に基づいて、ビット単位で受信データの「0/1」を判定する。
【0059】
図4に、上記構成の受信装置によって、加重合成器100と加重合成器110により得られる受信信号の周波数特性の一例を示す。この図において、横軸は副搬送波番号を表し、縦軸は電力を表している。なお、副搬送波0は直流成分に相当し、この例では用いていない。またこの図では、実線が加重合成器100から得られる受信信号の周波数特性、破線が加重合成器110から得られる受信信号の周波数特性をそれぞれ表しているものとする。
【0060】
図4の実線からわかるように加重合成器100から得られる受信信号は、副搬送波「18」付近、および副搬送波「−9」付近の電力が小さくなっており、これらの副搬送波で送信された信号の復調精度は劣化してしまう。一方、加重合成器110から得られる受信信号の周波数特性を見ると加重合成器100で受信電力が小さくなっていた副搬送波「18」および「−9」付近の電力が大きくなっていることがわかる。
【0061】
すなわち、上記構成の受信装置によれば、マルチキャリア伝送方式に適用することにより、各加重合成器100,110が互いに異なる副搬送波の信号を強く受信し、それぞれの復調により得られた信頼度情報を相互に受け渡すことにより精度の高い復号を実現することができる。また、畳込み符号のように複数の副搬送波に渡って信号が関与する場合は繰り返し処理を行う事によって徐々に復号精度を高めていくことができる。
【0062】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0063】
その一例として例えば、上記第1の実施形態および第2の実施形態では、受信機20〜23による受信信号を2つの加重合成器100,110で重み付けを行うようにしているが、3以上の加重合成器を設けて、各加重合成器の出力信号に含まれる不要信号が互いに無相関で、かつ各加重合成器が互いに異なる伝搬遅延時間の信号を強く受信するように重み付けを行うようにしてもよい。
【0064】
また、第1の実施形態における加重合成器100,110、軟出力復号器30,31、硬出力復号器40および演算装置50は、1つのDSP(Digital Signal Processor)チップで実現することも可能である。同様に、第2の実施形態における加重合成器100,110、軟出力復号器32,33、硬出力復号器41、演算装置50、フーリエ変換器60,61およびディジタル信号処理機70,71は、1つのDSPチップで実現することも可能である。このようにDSPチップを用いて受信回路を構成することができる。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【0065】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0066】
したがって、この発明によれば、不要波成分に相関が生じない2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、精度の高い復号を行うことが可能な受信装置を提供できる。
【0067】
またこの発明では、複数の受信信号を第1の加算手段と第2の加算手段でそれぞれ重み付けする際に、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように重み付けを行い、第1の加算手段の出力に基づく軟出力と第2の加算手段の出力に基づく軟出力とに基づいて、硬出力を行って復号を行うようにしている。
【0068】
したがって、この発明によれば、互いに異なる伝搬遅延時間の信号を含む2つの信号をそれぞれ軟出力し、これらの出力を硬出力して復号を行うので、マルチパス波の電力を有効に利用した精度の高い復号を行うことが可能な受信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる受信装置の第1の実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した受信装置のアレー指向性を示す図。
【図3】この発明に係わる受信装置の第2の実施形態の構成を示す回路ブロック図。
【図4】図2に示した受信装置による受信信号の周波数特性を示す図。
【符号の説明】
10…アンテナ素子、20〜23…受信機、30,31,32,33…軟出力復号器、40,41…硬出力復号器、50…演算装置、60,61…フーリエ変換器、70,71…ディジタル信号処理機、100,110…加重合成器、101〜104…乗算器
105,115…加算器、111〜114…乗算器。
Claims (8)
- 無線信号を受信する複数の受信手段と、
この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、前記第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信装置。 - 無線信号を受信する複数の受信手段と、
この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力と前記第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信装置。 - 無線信号を受信する複数の受信手段と、
この複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信手段が出力する複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、前記第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないようにし、かつ前記第1の加算手段の出力と前記第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信装置。 - 前記第1の軟出力手段は、前記第2の軟出力手段の軟出力と、前記第1の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行い、
前記第2の軟出力手段は、前記第1の軟出力手段の軟出力と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行い、
前記硬出力手段は、前記第1の軟出力手段による軟出力と前記第2の軟出力手段による軟出力とを複数回繰り返した後に、前記第2の軟出力手段によって得られる軟出力に基づく硬出力を行って復号した受信データを得ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の受信装置。 - 複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、前記第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信回路。 - 複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力と前記第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信回路。 - 複数の受信手段によって得られる複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第1の加算手段と、
前記複数の受信信号に対して重み付けを行ない、この重み付けを行った複数の受信信号を加算して出力する第2の加算手段と、
前記第1の加算手段の出力に含まれる不要波成分と、前記第2の加算手段の出力に含まれる不要波成分との間に相関が生じないようにし、かつ前記第1の加算手段の出力と前記第2の加算手段の出力とが、互いに異なる伝搬遅延時間の信号をそれぞれ含むように、前記第1の加算手段と前記第2の加算手段における重み付けを制御する制御手段と、
前記第1の加算手段の出力に基づいて軟出力を行う第1の軟出力手段と、
この第1の軟出力手段の出力結果と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行う第2の軟出力手段と、
この第2の軟出力手段の出力結果に基づいて、硬出力を行い復号した受信データを得る硬出力手段とを具備することを特徴とする受信回路。 - 前記第1の軟出力手段は、前記第2の軟出力手段の軟出力と、前記第1の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行い、
前記第2の軟出力手段は、前記第1の軟出力手段の軟出力と、前記第2の加算手段の出力とに基づいて軟出力を行い、
前記硬出力手段は、前記第1の軟出力手段による軟出力と前記第2の軟出力手段による軟出力とを複数回繰り返した後に、前記第2の軟出力手段によって得られる軟出力に基づく硬出力を行って復号した受信データを得ることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の受信回路。
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