JP2003204088A - 強誘電体薄膜構成体とそれを用いた応用素子、及び、強誘電体薄膜構成体の製造方法 - Google Patents

強誘電体薄膜構成体とそれを用いた応用素子、及び、強誘電体薄膜構成体の製造方法

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JP2003204088A
JP2003204088A JP2002280996A JP2002280996A JP2003204088A JP 2003204088 A JP2003204088 A JP 2003204088A JP 2002280996 A JP2002280996 A JP 2002280996A JP 2002280996 A JP2002280996 A JP 2002280996A JP 2003204088 A JP2003204088 A JP 2003204088A
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ferroelectric thin
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electrode
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Atsushi Omote
篤志 表
Jun Kuwata
純 桑田
Koji Nomura
幸治 野村
Kazuki Komaki
一樹 小牧
Takashi Inoue
孝 井上
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (001)配向の薄膜でPbTiO3,PZTより
も容易に形成可能であり、Pbの欠損がない薄膜で且つ高
い圧電特性を示す強誘電体薄膜を用いた構成体を得るこ
とを目的とする。 【解決手段】 下部電極である金属電極2と、金属電極
2上に形成され、且つ、(001)配向であり、化学式
がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素Mg,Ni,Zn
から少なくともひとつ以上選択され、A2がNb,Taから少
なくともひとつ以上選択され、さらにx=1/3の組成で
あるペロブスカイト型酸化物の強誘電体薄膜3と、強誘
電体薄膜3上に上部電極である金属電極4と、を有する
ように構成することで、高誘電率、高圧電特性を有する
強誘電体膜構成体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用電話、コン
ピュータ、電子機器、家電製品等の発音源あるいは圧電
振動子や圧電アクチュエータなどに用いられる圧電薄膜
構成体およびその製造方法およびその応用素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】強誘電体材料は、焦電型赤外線検出素
子、圧電素子、電気光学効果を利用したメモリー素子な
どの様々な電子部品に応用が可能である。代表的な強誘
電体化合物として、PbTiO3,PbZrxTi1-xO3(PZT)が
特に有名である。
【0003】ところで、強誘電体の自発分極Pの変化を
出力として取り出す応用、例えば焦電型赤外線素子や圧
電素子のなどでは、強誘電体材料の自発分極Psが一方
向に揃っているときに最も大きな出力を得ることが可能
であることは自明である。
【0004】近年、電子部品の小型化に伴って上記の強
誘電体材料応用部品の小型化が要求されてきており、こ
れら材料が薄膜の形態で使用されつつあり、薄膜化の研
究開発もさかんに行われている。これら強誘電体を薄膜
の形態で電子部品に応用する場合には、自発分極Psが
一方向に揃うように強誘電体薄膜構成全体が工夫されて
いる。具体的には強誘電体薄膜の結晶軸が一方向(例え
ば基板面に垂直方向)に揃うように結晶配列させ、かつ
Psの方向が揃うように、基板材料に工夫をして薄膜構
成全体として使用している。
【0005】これらに使用されている基板材料として、
従来NaCl結晶構造を有する材料の単結晶を(10
0)面を切り出した基板や、同じくNaCl結晶構造を
有する材料で(100)面配向した酸化物薄膜を基板上
に形成するなどの方法が用いられている。これらの基板
材料上にスパッタ法(例えば、特許文献1,2,3参
照。)やCVD法(例えば、特許文献4参照。)により
強誘電体材料を(001)で形成し、構成体としてい
る。
【0006】しかしながら、上記の強誘電体材料のPbTi
O3は圧電特性が不十分であり、一方、PZTは、材料そ
のものの圧電特性は高いものの、良質な薄膜を形成する
ことが困難である。この原因は、PZTの強誘電体薄膜
をスパッタ法で形成する際に、ターゲット中にPbが50
0℃以上で蒸発するためであり、形成した薄膜ではPb欠
損してしまうためである。このため、Pb欠損を補うよう
ターゲットの段階でPbO を過剰にしておく方法が示され
ているが、この欠損量は薄膜の作製条件にも左右される
ため所望の組成のPZT薄膜を得ることは従来から非常
に困難であった(例えば、特許文献1〜3、5参
照。)。
【0007】他方、近年ペロブスカイト系圧電単結晶に
ついて盛んに研究開発が行われている。圧電単結晶の代
表例としては、水晶やLiNbO3が挙げられるが、PZTを
代表とするペロブスカイト系の単結晶は育成が困難であ
り、報告例が極めて少なかった。しかし、ここ数年、東
芝(株)山下洋八氏を中心とするグループが数々のペロ
ブスカイト圧電単結晶の育成に成功し、高圧電特性と育
成方法について報告し始めている(例えば、非特許文献
1参照。)。
【0008】
【特許文献1】特開昭58−186105号公報
【特許文献2】特開昭59−121119号公報
【特許文献3】特開昭59−143384号公報
【特許文献4】特開平6−333772号公報
【特許文献5】特開平8−139292号公報
【非特許文献1】「超音波TECHNO」、日本工業出
版(株)、1999年9月号、p.2−15
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来は、
強誘電体材料のPbTiO3は圧電特性が不十分であり、また
PZTは材料そのものの圧電特性は高いものの良質な薄
膜を形成することが困難であった。
【0010】この課題を解決するために本発明は、従
来、良質な薄膜作製が困難であったPbTiO3,PZTに代
わって、結晶化が比較的容易に進みやすいと考えられる
単結晶育成が報告されている材料を薄膜構成体材料とし
て用いることで、(001)配向の薄膜でPbTiO3,PZ
Tよりも容易に形成可能であり、Pbの欠損がない薄膜で
且つ高い圧電特性を示す強誘電体薄膜を用いた構成体と
それを用いた応用素子を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、化学式がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3で表
せ、A1が元素Mg,Ni,Znから少なくともひとつ以上選択さ
れ、A2がNb,Taから少なくともひとつ以上選択され、さ
らにx=1/3の組成であるペロブスカイト型酸化物の強
誘電体薄膜を配置させたことを特徴とし、これら薄膜構
成体を例えばスパッタ法を使用して形成することで、高
誘電率、高圧電定数を有する強誘電体膜構成体を提供す
ることが可能となる。
【0012】あるいは本発明は、化学式がPb(A1xA2
(1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素Sc、Feのうち少なく
ともひとつ以上選択され、A2がNb、Taから少なくともひ
とつ以上選択され、さらにx=1/2の組成であるペロブ
スカイト型酸化物の強誘電体薄膜を配置させたことを特
徴とし、これら薄膜構成体を同様にスパッタ法により形
成することで、高誘電率、高圧電定数を有する強誘電体
膜構成体を提供することが可能となる。
【0013】そして、これらの強誘電体薄膜構成体を用
いて各種の部品・デバイスを作製することで、その変位
量が増加する等の機械的出力信号を増加させることがで
きることから、従来にない性能を有し、且つ、小型の部
品・デバイスが実現可能となる
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、金属を用いて形成した第一電極と、前記第一電極上
に形成され、且つ、(001)配向であり、化学式がPb
(A1xA2(1-x) 1-yTiyO3で表せ、A1が元素Mg,Ni,Znから
少なくともひとつ以上選択され、A2がNb,Taから少なく
ともひとつ以上選択され、さらにx=1/3の組成である
ペロブスカイト型酸化物の強誘電体薄膜と、前記強誘電
体薄膜上に金属により形成した第二電極と、を有する強
誘電体膜構成体である。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、金属を
用いて形成した第一電極と、前記第一電極上に形成さ
れ、且つ、(001)配向であり、化学式がPb(A1xA2
(1-x) 1-yTiyO3で表せ、A1が元素Sc、Feのうち少なく
ともひとつ以上選択され、A2がNb、Taから少なくともひ
とつ以上選択され、さらにx=1/2の組成であるペロブ
スカイト型酸化物の強誘電体薄膜と、前記強誘電体薄膜
上に金属により形成した第二電極と、を有する強誘電体
薄膜構成体である。
【0016】請求項3記載の発明は、基板と、前記基板
上に形成された第三電極と、前記第三電極の少なくとも
一部と空気を介して平行に形成された請求項1または2
記載の強誘電体薄膜構成体と、を有する平行平板コンデ
ンサである。
【0017】請求項4記載の発明は、基板と、前記基板
上に形成された(100)面配向のNaCl型結晶構造の酸
化物薄膜と、前記酸化物薄膜上に形成された請求項1ま
たは2記載の強誘電体薄膜構成体と、を有する圧電発音
体である。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1または2
記載の強誘電体薄膜構成体を有する圧電発振子である。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項1または2
記載の強誘電体薄膜構成体を有する電気機械変換素子で
ある。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項1または2
記載の強誘電体薄膜構成体を有する超音波探触子であ
る。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項1または2
記載の強誘電体薄膜構成体を有する加速度センサであ
る。
【0022】本発明の請求項9に記載の発明は、基板上
に(100)面配向のNaCl型結晶構造の酸化物薄膜を形
成する第一薄膜形成工程と、さらにその上に(001)
配向であり、化学式がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3で表
せ、A1が元素Mg,Ni,Znから少なくともひとつ以上選択さ
れ、A2がNb,Taから少なくともひとつ以上選択され、さ
らにx=1/3の組成であるペロブスカイト型酸化物の強
誘電体薄膜を形成する第二薄膜形成工程と、を有する強
誘電体膜構成体の製造方法である。
【0023】本発明の請求項10に記載の発明は、基板
上に(100)面配向のNaCl型結晶構造の酸化物薄膜を
形成する第一薄膜形成工程と、さらにその上に(00
1)配向であり、化学式がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3
表せ、A1が元素Sc、Feのうち少なくともひとつ以上選択
され、A2がNb、Taから少なくともひとつ以上選択され、
さらにx=1/2の組成であるペロブスカイト型酸化物の
強誘電体薄膜を形成する第二薄膜形成工程と、を有する
強誘電体薄膜構成体の製造方法である。
【0024】請求項11記載の発明は、NaCl型結晶構造
の酸化物薄膜がNiO、CoOあるいはMgOのいずれかである
ことを特徴とする請求項9または10記載の強誘電体薄
膜構成体の製造方法である。
【0025】請求項12記載の発明は、第二薄膜形成工
程は、スパッタリングにより強誘電体薄膜を形成するこ
とを特徴とする請求項9から11のいずれか記載の強誘
電体薄膜構成体の製造方法である。
【0026】請求項13記載の発明は、第一薄膜形成工
程と第二薄膜形成工程との間に、NaCl型結晶構造酸化物
薄膜の上に下部電極を形成する第一電極形成工程と、第
二薄膜形成工程の後に、強誘電体薄膜の上に上部電極を
形成する第二電極形成工程と、を有することを特徴とす
る請求項9から12のいずれか記載の強誘電体薄膜構成
体の製造方法である。
【0027】請求項14記載の発明は、第一電極形成工
程と第二薄膜形成工程との間に、下部電極の上にPb
1-xLaxTi1-x/43薄膜を形成するPLT薄膜形成工
程と、を有することを特徴とする請求項13記載の強誘
電体薄膜構成体の製造方法である。
【0028】請求項15記載の発明は、第二電極形成工
程の後に、基板及びNaCl型結晶構造酸化物薄膜を除去す
る除去工程を有することを特徴とする請求項13記載の
強誘電体薄膜構成体の製造方法である。
【0029】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0030】
【実施例】(実施例1)図1は、本実施例の圧電素子を
形成する強誘電体薄膜構成体の構成を示す斜視図であ
る。基板1としてNaCl型結晶構造をもち(100)面配
向したMgOを用い、基板1上に下部電極である金属電
極2としてPt電極膜を形成し、その上に(001)配
向のペロブスカイト型強誘電体薄膜3をスパッタ法によ
り配置させる。さらにその上に上部電極である金属電極
4としてPt電極膜を形成した構成とした。
【0031】また、本実施例では、ペロブスカイト型強
誘電体薄膜3がより(001)配向しやすいように、下
部Pt電極2上にPb1-xLaxTi1-x/43,x=0.10薄
膜(以下PLT)5をスパッタ法により形成した構造と
した。
【0032】膜厚は、それぞれ、MgO基板1が0.5
mm、Pt下部電極2が0.2μm、PLT5が20n
m、ペロブスカイト型強誘電体薄膜3が4μm、Pt上
部電極4が0.2μmとした。
【0033】得られた強誘電体薄膜の誘電率εrと圧電
定数d31は、短冊状に素子を切り出したのち、MgO基
板1をリン酸で除去し、測定を行った。
【0034】なお、図1右側記載のように、基板1は、
ガラス上にNaCl型結晶構造酸化物薄膜を形成したもので
も良い。
【0035】本実施例では、ペロブスカイト型強誘電体
であるPb(Mg1/3Nb2/31-yTiyO3(以下PMNT)を用
いた。上記強誘電体は、焼結セラミックでは相境界をy
=0.35付近に有することがすでに報告されている。PbO,
MgO,Nb2O5,TiO2をy=0.33,0.36,0.40になるように秤量
し、ボールミルにより48h湿式混合の後、一昼夜乾燥
し800℃4hの仮焼成を行い、粉砕して粉体を作製
し、加圧により錠剤成型し組成の異なる3種類のターゲ
ットを作製した。
【0036】ペロブスカイト型強誘電体薄膜のスパッタ
は基板温度600℃、ガス圧0.15Pa、Ar/O2
=40/1の条件で成膜した。
【0037】これらの膜のX線回折パターンを測定した
ところ、ペロブスカイト型構造を有し、所望の(10
0)配向していることがわかった。
【0038】またy=0.33の膜のEPMA(Electron P
robe Micro-Analysis)による組成分析を実施したとこ
ろ、得られた膜はターゲットの組成とほぼ等しく得られ
ており、PbOの不足がない強誘電体薄膜が容易に得られ
ることがわかった。
【0039】続いて、これら3種類の膜のεrとd31
評価した。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載す
る。
【0040】(比較例)(実施例1)と同様にして、ペ
ロブスカイト型強誘電体薄膜としてPbZr1- xTix
3をスパッタ法により成膜した。このとき、ターゲット
はPbO,ZrO2,TiO2の粉末をx=1.0,0.55,0.45になるよう
に秤量しボールミルにより十分混合し、乾燥し、800
℃4hの仮焼成し粉砕した後、薄膜のPbの不足を防止す
るために、PbOを20mol%過剰に混合したうえで、
加圧成型によりターゲットを作製した。成膜後(10
0)配向、薄膜組成を確認した後、εr、d31を測定し
た。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載する。
【0041】(実施例2)本実施例では、ガラス基板上
にNiOをスパッタ法により配置した基板素子基板とし
て用いた。強誘電体としてPMNTを用い、(実施例
1)のy=0.33のターゲットを用いて、成膜を行った。
その他の成膜条件は(実施例1)と同様である。またN
iOをMgOと同様にリン酸で除去することで、圧電素
子をガラス基板からはがした。
【0042】この強誘電体薄膜のεrとd31を評価し
た。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載する。
【0043】(実施例3)本実施例では、(実施例1)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Ni1/3Nb2/31-yTiyO3(以下P
NNT)を成膜した。上記強誘電体は、y=0.38付近に
相境界を有することがわかっている。PbO,NiO,Nb2O5,Ti
O2をy=0.38になるように秤量し、ボールミルにより4
8h湿式混合の後、一昼夜乾燥し800℃4hの仮焼成
により粉体を作製し、加圧により錠剤成型しターゲット
として使用した。
【0044】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載する。
【0045】(実施例4)本実施例では、(実施例1)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Zn1/3Nb2/31-yTiyO3(以下P
ZNT)を成膜した。PbO,ZnO,Nb2O5,TiO2をy=0.10に
なるように秤量し、ボールミルにより48h湿式混合の
後、一昼夜乾燥し800℃4hの仮焼成により粉体を作
製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使用し
た。
【0046】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載する。
【0047】(実施例5)本実施例では、(実施例1)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Mg1/3Ta2/31-yTiyO3(以下P
MTT)を成膜した。PbO,MgO,Ta2O5,TiO2をy=0.45に
なるように秤量し、ボールミルにより48h湿式混合の
後、一昼夜乾燥し800℃4hの仮焼成により粉体を作
製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使用し
た。
【0048】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。評価結果は、後で(表1)にまとめて記載する。
【0049】(実施例6)本実施例では、(実施例1)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Ni1/3Ta2/31-yTiyO3(以下P
NTT)を成膜した。PbO,NiO,Ta2O5,TiO2をy=0.50に
なるように秤量し、ボールミルにより48h湿式混合の
後、一昼夜乾燥し800℃4hの仮焼成により粉体を作
製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使用し
た。
【0050】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。
【0051】(実施例1)〜(実施例6)、(比較例)
の圧電特性評価結果を以下の(表1)に示す。
【0052】
【表1】
【0053】(表1)からわかるように、従来強誘電体
薄膜として使用されていたPbTiO3、PZTと比較して、
十分高い圧電特性が得られることがわかる。また、ター
ゲットの組成としてPbO を過剰に加えていないにもかか
わらず、Pbの欠損がなく、PZTのようなZrの組成ずれ
もないため、容易に高誘電率、高圧電定数を有する強誘
電体膜構成体を提供することが可能となる。
【0054】(実施例7)図1を用いて、本実施例によ
る圧電素子を形成する強誘電体薄膜構成体について説明
する。本実施例では、基板1としてNaCl型結晶構造をも
ち(100)面配向したMgOを用い、基板1上に下部
電極である金属電極2としてPt電極膜を形成し、その
上に(001)配向のペロブスカイト型強誘電体薄膜3
をスパッタ法により配置させる。さらにその上に上部電
極である金属電極4としてPt電極膜を形成した構成と
した。
【0055】また、本実施例では、ペロブスカイト型強
誘電体薄膜3がより(001)配向しやすいように、下
部Pt電極2上にPb1-xLaxTi1-x/43,x=0.10薄
膜(以下PLT)5をスパッタ法により形成した構造と
した。
【0056】膜厚は、それぞれ、MgO基板1が0.5
mm、Pt下部電極2が0.2μm、PLT5が20n
m、ペロブスカイト型強誘電体薄膜3が4μm、Pt上
部電極4が0.2μmとした。
【0057】得られた強誘電体薄膜の誘電率εrと圧電
定数d31は、短冊状に素子を切り出したのち、MgO基
板1をリン酸で除去し、測定を行った。
【0058】なお、図1右側記載のように、基板1は、
ガラス上にNaCl型結晶構造酸化物薄膜を形成したもので
も良い。
【0059】本実施例では、ペロブスカイト型強誘電体
であるPb(Sc1/2Nb1/21-yTiyO3(以下PSNT)を用
いた。上記強誘電体は、焼結セラミックでは相境界をy
=0.43付近に有することがすでにわかっている。PbO,Sc
2O3,Nb2O5,TiO2をy=0.40,0.425,0.45になるように秤
量し、ボールミルにより48h湿式混合の後、一昼夜乾
燥し900℃4hの仮焼成を行い、粉砕して粉体を作製
し、加圧により錠剤成型し3種類のターゲットを作製し
た。
【0060】ペロブスカイト型強誘電体薄膜のスパッタ
は基板温度600℃、ガス圧0.15Pa、Ar/O2
=40/1の条件で成膜した。
【0061】これらの膜のX線回折パターンを測定した
ところ、ペロブスカイト型構造を有し、所望の(10
0)配向していることがわかった。
【0062】またy=0.40の膜のEPMAによる組成分
析を実施したところ、得られた膜はターゲットの組成と
ほぼ等しく得られており、PbOの不足がない強誘電体薄
膜が容易に得られることがわかった。
【0063】続いて、これら3種類の膜のεrとd31
評価した。評価結果は、後で(表2)にまとめて記載す
る。
【0064】(実施例8)本実施例では、(実施例7)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Sc1/2Ta1/21-yTiyO3(以下P
STT)を成膜した。PbO,Sc2O3,Ta2O5,TiO2をy=0.35
になるように秤量し、ボールミルにより48h湿式混合
の後、一昼夜乾燥し900℃4hの仮焼成により粉体を
作製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使用し
た。
【0065】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。評価結果は、後で(表2)にまとめて記載する。
【0066】(実施例9)本実施例では、(実施例7)
と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブスカイ
ト型強誘電体であるPb(Fe1/2Nb1/21-yTiyO3(以下P
FNT)を成膜した。PbO,Fe2O3,Nb2O5,TiO2をy=0.20
になるように秤量し、ボールミルにより48h湿式混合
の後、一昼夜乾燥し900℃4hの仮焼成により粉体を
作製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使用し
た。
【0067】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。評価結果は、後で(表2)にまとめて記載する。
【0068】(実施例10)本実施例では、(実施例
7)と同様にして、MgOを基板として用い、ペロブス
カイト型強誘電体であるPb(Fe1/2Ta1/21-yTiyO3(以
下PFTT)を成膜した。PbO,Fe2O3,Ta2O5,TiO2をy=
0.40になるように秤量し、ボールミルにより48h湿式
混合の後、一昼夜乾燥し900℃4hの仮焼成により粉
体を作製し、加圧により錠剤成型しターゲットとして使
用した。
【0069】成膜した強誘電体薄膜のεrとd31を評価
した。
【0070】(実施例7)〜(実施例10)、(比較
例)の圧電特性評価結果を以下の(表2)に示す。
【0071】
【表2】
【0072】(表2)からわかるように、従来強誘電体
薄膜として使用されていたPbTiO3、PZTと比較して、
十分高い圧電特性が得られることがわかる。また、ター
ゲットの組成としてPbO を過剰に加えていないにもかか
わらず、Pbの欠損がなく、PZTのようなZrの組成ずれ
もないため、容易に高誘電率、高圧電定数を有する強誘
電体膜構成体を提供することが可能となる。
【0073】(実施例11)続いて図2に示すような片
持ち梁構造型の圧電型発振子を以下のように作製した。
【0074】まずSi基板上に(001)単結晶基板Mg
O(厚さ50μm)を接着し、その上に下部電極である
金属電極2としてPt薄膜(厚さ200nm)をスパッタ
リング法により形成した。その電極上に(実施例1)で
作製したペロブスカイト型強誘電体薄膜3であるy=0.33
のPMNT薄膜をスパッタリング法により厚さ10μm
形成した。
【0075】さらに、上部電極である金属電極4として
Pt薄膜(厚さ200nm)を形成した。
【0076】その後、MgO膜をエッチングにより取り
除き、支持部6を取り付け、所望の片持ち梁構造型圧電
発振子を作製した。
【0077】作製した片持ち梁構造型圧電発振子を用
い、先端部の変位−電圧の特性を評価した結果、(表
1)に示す高圧電特性が反映された、従来にない高い出
力を得ることができた。
【0078】また、ペロブスカイト型強誘電体薄膜3と
して、(実施例7)で作製したy=0.425のPSNT薄膜
を用いても、同様に高い出力を得ることができた。
【0079】(実施例12)(実施例11)と同様にし
て、電気機械変換素子を作製した。
【0080】電気機械変換素子の特性を把握するため
に、図3に示すような微小な平行平板コンデンサを作製
した。始めにSi基板7上に金属電極8を形成し、単結晶
基板のMgOと支持部9を形成して、その上に、電気機
械変換素子として順に、下部電極となる金属電極2、ペ
ロブスカイト型強誘電体薄膜3、上部電極となる金属電
極4を形成する。そして、単結晶基板のMgOをエッチ
ングにより取り除くことで、Si基板7上の金属電極8と
強誘電体薄膜3の下部電極2との間に空気を誘電体とす
る平行平板コンデンサがSi基板7上に作製できる。
【0081】従来においても強誘電体薄膜を用いたコン
デンサを作製した例はあるが、例えば(特許文献4)に
記載のコンデンサのように、強誘電体薄膜自体を誘電体
とした薄膜コンデンサであり、本実施例において作製し
た平行平板コンデンサとは明白に異なるものである。す
なわち、(特許文献4)記載の薄膜コンデンサは誘電体
を強誘電体薄膜とするコンデンサであるのに対して、本
実施例の平行平板コンデンサは誘電体が空気である。
【0082】これにより、本実施例の平行平板コンデン
サは、容量的には(特許文献4)記載の薄膜コンデンサ
よりも小さくなるが、誘電体を本実施例のような空気に
することで、誘電体材料に起因するコンデンサの誘電損
失をほぼゼロにすることが可能となる。
【0083】本実施例による平行平板コンデンサにおい
て、Si基板7上の金属電極8と強誘電体薄膜3の下部電
極2との間に形成されたコンデンサの容量の変化量を測
定した。このとき、強誘電体薄膜3の上下の電極間に電
圧を印加することで、強誘電体薄膜3が上下に振動し、
平行平板コンデンサの容量が変化する構成となってい
る。
【0084】作製した平行平板コンデンサには、(実施
例2)〜(実施例4)の材料を使用した。また、比較の
ため、(比較例)にて作製した 0.8PbTiO3+0.2PbOの強
誘電体薄膜を形成し、1kHzでの容量の変化を測定し
た。また、印加電圧は強誘電体10μmに対して0−1
0Vで測定した。測定結果を以下の(表3)に示す。
【0085】
【表3】
【0086】(表3)に示すように、本発明のコンデン
サの容量は最大値と最小値を比較して2倍程度変化して
おり、(比較例)と比べてみても、作製した電気機械変
換素子は高い変換効率を示していることがわかる。
【0087】このように本実施例による電気機械変換素
子は、素子の変位が従来のPZTやPTより大きいこと
が明白であり、小型で大きな変位が要求されるマイクロ
マシンデバイスへの応用が可能となる。
【0088】また、本実施例に示した構成の平行平板コ
ンデンサは、誘電体を空気としているのでコンデンサと
しての誘電損失が小さいという特徴を有している。容量
そのものは小さいためDRAMや強誘電体メモリー用途
への応用は難しいが、誘電損失が小さいという特徴を生
かした小型可変コンデンサやこれら電気機械変換素子を
含む可変信号回路への応用が可能である。
【0089】(実施例13)(実施例9)記載のy=0.
20のPFNT薄膜構成体薄膜構成体を用いて、圧電発音
体を作製した。作製した圧電発音体の斜視図を図4に示
す。
【0090】振動板10として用いる基板として42ア
ロイ(Ni42%−Fe合金、厚さ10μm、φ12m
m)を用い、この基板上にプラズマCVDにより厚さ1
μm、φ11mmのMgO11を形成した。その上に、
金属電極2である下部電極としてPt薄膜(厚さ200n
m、φ10mm)をスパッタリング法により形成した。
この電極上にペロブスカイト型強誘電体薄膜3であるP
FNT薄膜を、スパッタリング法により、厚さ10μ
m、φ11mmで形成した。さらに金属電極4である上
部電極としてPt薄膜(厚さ200nm、φ10mm)を
形成した。
【0091】このようにして図4に示す圧電発音体を作
製し、再生音域と音圧を評価した。この圧電発音体の評
価結果として得られた周波数特性を図5に示す。
【0092】図5に示すように本実施例による圧電発音
体は、約300Hzという低周波数領域においても十分な
出力が得られていることがわかる。従来の圧電発音体は
セラミック薄板を使用していたが、シート塗布や素子の
取り扱いが困難であるために、セラミック素子としてφ
10mm、厚さ30μm程度が限界であった。これに対
して本発明の圧電発音体は、薄膜層が10μmと従来に
比べてかなりの薄さでありながら、発音体の低域の共振
周波数を下げる効果を有することがわかる。これによ
り、本発明の圧電発音体は300Hzからの低域の再生を
可能とすることができた。
【0093】また、一般に、薄膜構成体の圧電定数(10
0〜150)は、焼成したセラミック(250)と比較して小
さく、圧電発音体のようなデバイスに使用すると音圧が
低下してしまう。加えて、従来の圧電発音体はスクリー
ン印刷による銀ペーストの焼付け電極(厚みとして2〜
3μm)を使用しており、この厚い電極によって圧電発
音体の振動を阻害してしまうという課題があった。しか
し、本発明により、スパッタ法などで電極が薄い圧電発
音体を簡単に得ることが可能となり、このように圧電素
子の振動を阻害しない電極を形成することができること
から、従来と遜色ない音圧を得ることができた。
【0094】(実施例14)(実施例1)記載のy=0.33
の薄膜構成体を用いて、図6に示すような超音波探触子
を作製した。作製した超音波探触子の圧電材料部アレイ
構造の斜視図を図4に示す。2は金属電極、3はペロブ
スカイト型強誘電体薄膜、4は金属電極である。
【0095】従来の超音波探触子は、セラミック素子を
切削、加工して作製しており、コスト的な課題と微細加
工に限界があるという課題があった。また、超音波探触
子は1つの素子で32チャンネルや64チャンネルとい
った多数のチャンネルをもつために小型化が困難な状況
であった。
【0096】本実施例による超音波探触子は、従来のセ
ラミックを加工したものと比較して、圧電定数が小さい
ため感度は若干劣るものの、PTやPZTの圧電薄膜構
成体を使用したものと比較すると、はるかに良好な感度
を示した。
【0097】また、従来の超音波探触子の製造方法であ
る切削加工による限界が各素子ピッチ80μm程度であ
ったのに対して、本実施例による超音波探触子のアレイ
構造は、薄膜プロセスを用いるため素子を10〜20μ
mのピッチで作製することが可能であった。これにより
本発明の超音波探触子は、(ピッチ)*(チャンネル
数)の大幅な小型化を実現することが可能となった。
【0098】(実施例15)本発明の強誘電体薄膜構成
体を用いたその他の応用素子として、以下のように圧電
型周波数帯域フィルタと加速度センサを作製した。
【0099】圧電型周波数帯域フィルタとして、(実施
例7)記載のy= 0.425のPSNT薄膜構成体を用い
た、くし型の圧電型周波数帯域フィルタを作製した。比
較例としてPbZr0.45Ti0.55O3を用いたフィルタを作製
し、本発明の薄膜構成体によるフィルタの動作と比較例
によるフィルタの動作とを比較すると、本発明の薄膜構
成体を用いた方が、広帯域な圧電型周波数帯域フィルタ
を得ることができた。
【0100】また、加速度センサとして、(実施例1
1)で作製した片持ち梁型圧電発振子を用いて加速度セ
ンサを作製した。この加速度センサは、従来のセラミッ
クを使用した加速度センサよりも小型であり、また、従
来の薄膜でPZTを使用した加速度センサと比較しても
高感度な加速度センサであった。
【0101】以上のように、本発明の強誘電体薄膜構成
体を用いて各種の応用素子を作製すれば、この薄膜構成
体が従来にない高圧電特性を示すことから、上記実施例
に示した圧電デバイスだけでなく、圧電薄膜を利用する
様々な分野(インクジェット用の圧電ヘッド、移動体通
信分野の可変デバイスへの応用など)への応用が可能で
あることはいうまでもない。
【0102】なお、yの値は本実施例において用いた値
に限定されるものではなく、また本発明による効果が本
実施例に記載の限りでないことも言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、容易に高
誘電率、高圧電定数を有する強誘電体薄膜構成体を提供
することが可能となるという有利な効果が得られる。ま
た、この強誘電体薄膜構成体を、圧電薄膜を利用する各
種の部品・デバイスに応用することで、その変位量が増
加する等の機械的出力信号を増加させることができるこ
とから、従来にない性能を有し、且つ、小型の部品・デ
バイスが実現可能となるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による強誘電体薄膜の構成を
示す断面図
【図2】本発明の一実施例による片持ち梁型圧電発振子
の構成を示す斜視図
【図3】本発明の一実施例による平行平板コンデンサの
構成を示す斜視図
【図4】本発明の一実施例による圧電発音体の構成を示
す斜視図
【図5】本発明の一実施例による圧電発音体の周波数特
性図
【図6】本発明の一実施例による超音波探触子の圧電材
料部アレイ構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 基板(NaCl型結晶構造酸化物基板または、ガラス+
NaCl型結晶構造酸化物薄膜) 2 金属電極 3 ペロブスカイト型強誘電体薄膜 4 金属電極 5 PLT 6 支持部 7 Si基板 8 金属電極 9 支持部 10 振動板 11 MgO
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 41/22 H04R 17/00 332B 41/24 31/00 Z H04R 1/00 310 330 17/00 H01L 41/08 C 330 27/10 444C 332 41/08 M 31/00 41/18 101Z 330 41/22 A Z (72)発明者 野村 幸治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小牧 一樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 井上 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA04 BA02 BA09 BA12 BA17 BA18 BB02 BB07 BC05 CA05 DC05 5D004 BB02 CC01 DD01 FF01 GG00 5D017 AA11 5D019 BB03 BB12 BB18 BB25 FF01 HH01 HH02 HH03 5F083 FR01 JA15 JA38

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属を用いて形成した第一電極と、前記
    第一電極上に形成され、且つ、(001)配向であり、
    化学式がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素M
    g,Ni,Znから少なくともひとつ以上選択され、A2がNb,Ta
    から少なくともひとつ以上選択され、さらにx=1/3の
    組成であるペロブスカイト型酸化物の強誘電体薄膜と、
    前記強誘電体薄膜上に金属により形成した第二電極と、
    を有する強誘電体膜構成体。
  2. 【請求項2】 金属を用いて形成した第一電極と、前記
    第一電極上に形成され、且つ、(001)配向であり、
    化学式がPb(A1xA2(1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素S
    c、Feのうち少なくともひとつ以上選択され、A2がNb、T
    aから少なくともひとつ以上選択され、さらにx=1/2の
    組成であるペロブスカイト型酸化物の強誘電体薄膜と、
    前記強誘電体薄膜上に金属により形成した第二電極と、
    を有する強誘電体薄膜構成体。
  3. 【請求項3】 基板と、前記基板上に形成された第三電
    極と、前記第三電極の少なくとも一部と空気を介して平
    行に形成された請求項1または2記載の強誘電体薄膜構
    成体と、を有する平行平板コンデンサ。
  4. 【請求項4】 基板と、前記基板上に形成された(10
    0)面配向のNaCl型結晶構造の酸化物薄膜と、前記酸化
    物薄膜上に形成された請求項1または2記載の強誘電体
    薄膜構成体と、を有する圧電発音体。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の強誘電体薄膜構
    成体を有する圧電発振子。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の強誘電体薄膜構
    成体を有する電気機械変換素子。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の強誘電体薄膜構
    成体を有する超音波探触子。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の強誘電体薄膜構
    成体を有する加速度センサ。
  9. 【請求項9】 基板上に(100)面配向のNaCl型結晶
    構造の酸化物薄膜を形成する第一薄膜形成工程と、さら
    にその上に(001)配向であり、化学式がPb(A1xA2
    (1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素Mg,Ni,Znから少なく
    ともひとつ以上選択され、A2がNb,Taから少なくともひ
    とつ以上選択され、さらにx=1/3の組成であるペロブ
    スカイト型酸化物の強誘電体薄膜を形成する第二薄膜形
    成工程と、を有する強誘電体膜構成体の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に(100)面配向のNaCl型結
    晶構造の酸化物薄膜を形成する第一薄膜形成工程と、さ
    らにその上に(001)配向であり、化学式がPb(A1xA
    2(1-x)1-yTiyO3で表せ、A1が元素Sc、Feのうち少なく
    ともひとつ以上選択され、A2がNb、Taから少なくともひ
    とつ以上選択され、さらにx=1/2の組成であるペロブ
    スカイト型酸化物の強誘電体薄膜を形成する第二薄膜形
    成工程と、を有する強誘電体薄膜構成体の製造方法。
  11. 【請求項11】 NaCl型結晶構造の酸化物薄膜がNiO、C
    oOあるいはMgOのいずれかであることを特徴とする請求
    項9または10記載の強誘電体薄膜構成体の製造方法。
  12. 【請求項12】 第二薄膜形成工程は、スパッタリング
    により強誘電体薄膜を形成することを特徴とする請求項
    9から11のいずれか記載の強誘電体薄膜構成体の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 第一薄膜形成工程と第二薄膜形成工程
    との間に、NaCl型結晶構造酸化物薄膜の上に下部電極を
    形成する第一電極形成工程と、第二薄膜形成工程の後
    に、強誘電体薄膜の上に上部電極を形成する第二電極形
    成工程と、を有することを特徴とする請求項9から12
    のいずれか記載の強誘電体薄膜構成体の製造方法。
  14. 【請求項14】 第一電極形成工程と第二薄膜形成工程
    との間に、下部電極の上にPb1-xLaxTi1-x/43
    膜を形成するPLT薄膜形成工程と、を有することを特
    徴とする請求項13記載の強誘電体薄膜構成体の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 第二電極形成工程の後に、基板及びNa
    Cl型結晶構造酸化物薄膜を除去する除去工程を有するこ
    とを特徴とする請求項13記載の強誘電体薄膜構成体の
    製造方法。
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