JP2003202446A - 光ファイバ心線の圧着接続方法および圧着接続工具 - Google Patents

光ファイバ心線の圧着接続方法および圧着接続工具

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JP2003202446A
JP2003202446A JP2002001754A JP2002001754A JP2003202446A JP 2003202446 A JP2003202446 A JP 2003202446A JP 2002001754 A JP2002001754 A JP 2002001754A JP 2002001754 A JP2002001754 A JP 2002001754A JP 2003202446 A JP2003202446 A JP 2003202446A
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optical fiber
sleeve
fiber core
crimping
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Hiroteru Kawai
裕輝 川合
Satsuki Minami
五月 南
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光ファイバ心線の素線を融着せずに突き合わ
せただけで光学的接続を行う場合、その素線突き合わせ
接続部を固定して保護するための被かしめスリーブを等
方性を有する断面形状に簡易にかしめて、光ファイバ素
線間の光軸ずれを防止する光ファイバ心線の圧着接続方
法および圧着接続工具を提供する。 【解決手段】 金属製の被かしめスリーブ43を放射方
向に等角度で位相する例えば角度120°位相の3方向
から3つのかしめ駒30,31,32でもってスリーブ
長さ寸法のほぼ全長にわたって同時に均一に押圧してか
しめる。被かしめスリーブ43はこのほぼ全長を押圧さ
れて変形するけれども歪な形状にはならず、等方性を有
する断面形状に変形するので内側では光ファイバ心線4
0が片寄らず中心軸上で固定され、そうした接続と固定
が一度だけの押圧加工で済む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線の
素線を突き合わせた接続部やスプライス接続部などを上
から被かしめスリーブをかしめ加工して圧着する圧着接
続方法と圧着接続工具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ファイバ心線は、コアやクラ
ッドなどからなる光ファイバ素線の表面を金属の被覆あ
るいはナイロンなど樹脂の被覆で被ってなっている。そ
うした光ファイバ心線をケーブル化して光コネクタなど
の光電機器に接続する際、配索して引き回されてきた基
幹の光ファイバ心線に長さの不足が生じることが多々あ
る。その場合、延長用の光ファイバ心線をその基幹の光
ファイバ心線に突き合わせて継ぎ足し、スプライス接続
によって延長する。また、使用中の事故で断線した場合
は早急に接続し直して修復する必要がある。
【0003】従来、上記のように基幹用と延長用といっ
た一方側と他方側の光ファイバ心線同士をスプライス接
続するには、ファイバ端部を突き合わせた継ぎ目の接続
部に接続用金属管によるスリーブを被せ、これをかしめ
加工して突き合わせ接続部を固定する方法が周知であ
る。例えば、特開平7−209540号公報には、基幹
の光ファイバ心線に延長用の光ファイバ心線を突き合わ
せ接続するにあたって、金属製のインターコネクタの両
端部をかしめ加工してその突き合わせ接続部を固定する
接続法が開示されている。
【0004】一方、そうした接続用金属管をかしめ加工
するには工具や装置が必要であるが、日常工具であるペ
ンチでそれを行うには、二方向からの挟み込み押圧力で
あるために、接続用金属管が歪に変形して突き合わせ接
続部における一方側と他方側の光ファイバ心線が光軸ず
れを起こす不具合がある。光軸ずれは伝送特性を低下さ
せたり劣化させる原因となるので、そのような光軸ずれ
防止にむけて例えば特開平5−173047号公報に記
載された光ファイバ素材と製造方法が提案されている。
【0005】これを図19で概略的に説明する。光ファ
イバ心線1は素線2の表面に金属の被覆3をコーティン
グして保護されており、その保護被覆3の外周に接続用
金属管のスリーブ4が被せられて圧着加工に備える〔同
図(a)〕。図示しない圧着加工用の専用工具によって
上下対向する二方向から金属スリーブ4を断面を楕円形
または六角形に潰してかしめる〔同図(b)〕。楕円形
にかしめると、図示のように、金属スリーブ4と内部の
光ファイバ心線1との間に空隙5が生じるので、これを
無くして気密的にするためにその後数回にわたって別方
向からかしめを繰り返すようにしている〔同図
(c)〕。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、かかる特開
平7−209540号や特開平5−173047号各公
報に開示された接続法や圧着工具にあっては以下の点に
関して問題がある。まず、前者公報の接続法について
は、インターコネクタの両端部だけがかしめられるの
で、コネクタ中央部で突き合わさっている基幹用と延長
用の2本の光ファイバ心線の光軸がずれてしまう。ま
た、後者公報の圧着工具については、二方向から挟み込
んでかしめるので、基本的には日常工具のペンチとほと
んど変わりはなく、金属スリーブ4がやはり歪に変形し
て内部の突き合わせ接続部が中心から位置ずれし、光軸
がずれる不都合がある。加えて、この圧着工具の場合、
金属スリーブ4のかしめ長さや幅の寸法が長くなったり
すると数回のかしめを繰り返したり、また前述のように
空隙5をなくすために別の方向からかしめを数回繰り返
している。そのため作業手間がかかって能率が低い。
【0007】また一方、一般的な問題点として、インタ
ーコネクタや金属スリーブのいずれについても共通する
が、かかる種の接続用金属管に光ファイバ心線を差し入
れて加工準備するために、光ファイバ心線の外径寸法よ
りも金属管の内径寸法を若干大きくして公差を設け、そ
の公差寸法分のクリアランスが生じている。また、光フ
ァイバ心線自身についても、その保護被覆の肉厚に寸法
精度のばらつきがあって不均一になっている場合が多々
ある。
【0008】したがって、一方側と他方側の光ファイバ
心線が同一径である場合は特にそのクリアランスのため
に光軸ずれが発生し易い。また、保護被覆の肉厚寸法が
不均一であると、突き合わせ接続部においてやはり光軸
ずれが発生し易い。
【0009】以上から、本発明の目的は、光ファイバ心
線の素線を融着せず突き合わせただけで光学的接続を行
う場合、その素線突き合わせ接続部を固定して保護する
ための接続用金属管を等方性を有する断面形状に簡易に
かしめるようにすることで、かしめた金属管内部で光フ
ァイバ素線の光軸ずれを防止する光ファイバ心線の圧着
接続方法および圧着接続工具を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかる請求項1に記載の圧着接続方法は、
光ファイバ心線40の素線41の端面同士を突き合わせ
た当接部の上から被かしめスリーブ43を圧着すること
によって光学的接続を行うにあたって、前記被かしめス
リーブ43を中心軸から放射方向に等角度で位相する少
なくとも3方向からスリーブ長さ寸法のほぼ全長にわた
って同時に均一に押圧してかしめることを特徴とする。
【0011】以上から、この請求項1の圧着接続方法で
は、例えば図1および図2(a),(b)に示すよう
に、接続用金属管である被かしめスリーブ43に対して
放射方向に等角度で位相する少なくとも3方向の多方向
から、この場合角度120°位相の3方向から例えば3
つのかしめ駒30,31,32のごとき押圧手段でもっ
てスリーブ長さ寸法のほぼ全長にわたって同時に均一に
押圧してかしめる。したがって、被かしめスリーブ43
はこのほぼ全長を押圧されて変形するが歪な形状にはな
らず、図5(a),(b)に示すように、等方性を有す
る断面形状に変形するので内側では光ファイバ心線40
が片寄らず中心軸上で固定され、そうした接続と固定が
一度だけの押圧加工で済む。その結果、光ファイバ心線
40の例えば一方と他方の素線41の端面同士を融着せ
ずに突き合わただけで光学的に接続するような場合で
も、素線双方の軸心つまり光ファイバ光軸がずれること
なく自動的に調芯され、伝送特性の低下や劣化を抑える
ことができる。
【0012】また、請求項2に記載の光ファイバ心線の
圧着接続方法は、例えば図1および図2(a),(b)
に示すように、端面同士を突き合わせて接続される一方
側と他方側の光ファイバ心線40が同一径Dであり、そ
れらの素線41上の保護被覆42の肉厚が不均一である
場合に、一方側と他方側の素線41の光軸を被かしめス
リーブ43の軸線上に揃えて自動調芯することを特徴と
する。
【0013】以上から、この請求項2の光ファイバ心線
の圧着接続方法では、接続される双方の光ファイバ心線
40が同一径で素線41A,41B上の保護被覆42
A,42Bの肉厚が不均一(t>t,t>t
になっているような場合でも、被かしめスリーブ43の
中心軸上に光ファイバ素線41A,41Bの光軸C
を移動させて一致させることができる。
【0014】また、本発明にかかる請求項3に記載の光
ファイバ心線の圧着接続工具は、例えば図6以下の各図
に示すように、光ファイバ心線40の素線41の端部同
士を突き合わせた当接部の上から被かしめスリーブ43
を圧着することによって光学的接続を行うためのもので
あって、レバー長手方向の先端部に円筒形状のハウジン
グ部12を有し、この内面に放射状に等角度で位相する
少なくとも3つの押圧カム面部(A,B,C,D)が形
成された一方のレバー部材10と、レバー長手方向の先
端部に設けた軸受部17bを介して前記一方のレバー部
材10のハウジング部12に相対に回動可能に連結され
た他方のレバー部材17と、この他方のレバー部材17
の軸受部17bに結合されて前記一方のレバー部材10
のハウジング部12の押圧カム面部に摺接して回動可能
となっており、放射状に少なくとも3等分した扇形のか
しめ駒ガイドブロック(22,23,24,25)を有
し、これらかしめ駒ガイドブロックの隣り合う間が放射
状に交差するかしめ駒ガイド溝(26,27)となって
いる回転円盤20と、前記かしめ駒ガイド溝を摺動して
放射方向に同時に進退動が可能な少なくとも3つからな
り、前記一方と他方のレバー部材10,17を相対に回
動操作して前記回転円盤20を回動させたときに前記押
圧カム面部によって押圧力を受けて向心方向へ同時に前
進動して前記被かしめスリーブ43を放射方向に等角度
で位相する少なくとも3方向から均一に押圧するかしめ
駒(30,31,32,33)と、これらかしめ駒を遠
心方向へ後退させて前記押圧カム面部に当接する原位置
に向かって復帰させる復帰手段38と、を備えてなって
いることを特徴とする。
【0015】以上から、この請求項3の光ファイバ心線
の圧着接続工具では、例えば図8(a),(b)に示す
ように、レバー部材10,17を相対に回動操作する
と、回転円盤20が回転してこの場合角度90°で位相
する4つのかしめ駒30,31,32,33が押圧カム
面部A,B,C,Dから押圧力を受けて一斉に向心方向
へ前進動する。回転円盤20の中心軸上にセットされて
いる被圧着ワークWである光ファイバ心線40上の被か
しめスリーブ43をそれら4つのかしめ駒30,31,
32,33で同時に均一に押圧してかしめる。かしめ
後、4つのかしめ駒は例えば図9に示すばね部材38な
どの復帰手段によって一斉に遠心方向へ後退して元の原
位置に復帰する。また、図11に示すように、被かしめ
スリーブ43の筒長さつまりかしめ長さ寸法がLである
場合、その長さに対応して例えばかしめ駒30のかしめ
幅寸法をLとしたものに設定しておけば、かしめ作業は
ほぼワンタッチで1回で済み、従来の慣用工具であるペ
ンチや特開平5−173047号公報に開示された専用
工具のように、二度、三度とかしめを繰り返す必要はな
い。それだけ圧着加工作業が能率アップする。
【0016】また、請求項4に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、前記かしめ駒(30,31,32,3
3)のかしめ幅寸法L方向の中央部を切り欠いて凹部3
0cが設けられ、前記被かしめスリーブ43の中央部を
除く前後の端部を押圧してかしめるようにしてなってい
ることを特徴とする。
【0017】以上から、この請求項4の光ファイバ心線
の圧着接続工具は、図12(b)以下の各図に示すよう
に、例えば代表的にかしめ駒30で示せば、かしめる部
分(符号30b)のかしめ幅寸法L方向でいう中央部を
切欠して凹部30cを設けたことで、被かしめスリーブ
43の長さ方向の中央部に干渉しないで押圧せずに逃
げ、光ファイバ心線40の端部における素線41同士の
突き合わせ接続部に無理なかしめ力が働かず、ダメージ
を与えずに保護できる。
【0018】また、請求項5に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、図17に示すように、光ファイバ心線
40の端部の保護被覆42を皮剥処理して露出させた光
ファイバ素線41の端面同士を突き合わせて光学的接続
を行う場合に、被かしめスリーブ45の長さ方向の中央
部に内径を小さく縮径した段差部45aを設けて、この
段差部45aを前記光ファイバ素線41の突き合わせ接
続部の外周に当接させた状態で被かしめスリーブ45の
前後端部だけを押圧してかしめるようにしてなっている
ことを特徴とする。
【0019】以上から、この請求項5の光ファイバ心線
の圧着接続工具は、請求項4の凹部30cを設けたかし
め駒30を用いれば、例えば図17に示すように、光フ
ァイバ心線40同士の接続に際して保護被覆42を皮剥
処理して光ファイバ素線41をむき出しにし、その素線
41の突き合わせ端部44同士を突き合わせて光学的接
続を行う場合でも、その露出した素線41の突き合わせ
接続部の保護に有効である。すなわち、被かしめスリー
ブ45の内周側の段差部45aで取り巻くように当接さ
せて保護し、その保護した部分への干渉をかしめ駒30
の凹部30cで逃げさせ、かしめ力など外圧を働かせな
い。
【0020】また、請求項6に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、図8(a),(b)に示すように、前
記一方と他方のレバー部材10,17のいずれか一方に
高さ寸法の調整可能なレバー回動規制ストッパ15を設
けて、前記かしめ駒(30,31,32,33)の向心
方向への前進動を規制してなっていることを特徴とす
る。
【0021】以上から、この請求項6の圧着接続工具
は、図6以下の各図において、特に図8(a)に示すよ
うに、一方のレバー部材10のグリップ11上にレバー
回動規制ストッパ15を設けておけば、他方のレバー部
材17の回動を規制することによって、回転円盤20の
例えば時計廻り方向への回転を規制し、4つのかしめ駒
30,31,32,33の前進動を規制する。それによ
って、光ファイバ心線40上の被かしめスリーブ43を
過不足なくかしめることができる。しかも、レバー回動
規制ストッパ15はその高さ寸法h〔図8(a)参照〕
が調整可能となっているので、光ファイバ心線40の外
径仕様や被かしめスリーブ43の外径サイズに対応して
4つのかしめ駒30,31,32,33の前進動を自在
に好適距離に設定することができる。
【0022】また、請求項7に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、前記一方のレバー部材10のハウジン
グ部12と、前記他方のレバー部材17の軸受部17b
と、そして前記回転円盤20のかしめ駒ガイドブロック
の1つにそれぞれ回転軸上まで長く切り込んだ心線セッ
ト用切欠部16,17c,25bを設けて、使用前の原
位置でそれら3つの心線セット用切欠部16,17c,
25bを合致させた状態で、光ファイバ素線41同士の
突き合わせ接続部上に被かしめスリーブ43を仮被着し
た状態の前記光ファイバ心線40を回転軸上まで軸に平
行な方向から挿入可能となっていることを特徴とする。
【0023】以上から、この請求項7の光ファイバ心線
の圧着接続工具では、特に図6に示すように、被圧着ワ
ークWである光ファイバ心線40を本工具にセットする
際、合致している心線セット用切欠部16,17c,2
5aから回転軸上まで光ファイバ心線40をそのまま横
移動させて被かしめスリーブ43を挿入できるので、長
尺の光ファイバ心線40を位置決めする作業が非常に能
率的に行われる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる光ファイバ
心線の圧着接続方法の実施の形態について、図面を参照
して詳細に説明する。図1は、接続される一方側と他方
側の2本、この場合同一外径Dを有する光ファイバ心線
40を接続用金属管である被かしめスリーブ43を介し
て接続する態様を示す側面断面図である。
【0025】上記金属製の被かしめスリーブ43として
は、2本の光ファイバ心線40をスリーブ両端から差し
込む際の寸法公差を考慮して、内径寸法dが光ファイバ
心線40の外径寸法Dと同一か、もしくは僅かに大きく
設定してある。図1では、光ファイバ心線40と被かし
めスリーブ43との間に内外径差分のクリアランス47
が生じている状態を説明の便宜上極端な大きさでもって
図示している。
【0026】一方側の光ファイバ心線40は素線41A
上に保護被覆42Aで被われてなっており、その保護被
覆42Aの不均一な肉厚寸法t,t(t>t
となっているものが示されている。同じく、他方側の光
ファイバ心線40も素線41B上を被った保護被覆42
Aの肉厚寸法が不均一なt,t(t>t)とな
っている。これら双方の光ファイバ心線40の突き合わ
せ端部では保護被覆42A,42Bが皮剥処理され、露
出させた素線41A,41Bの端部44にコアと屈折率
が同一または近似した整合剤46を付着させている。そ
うした一方側と他方側の光ファイバ心線40を被かしめ
スリーブ43の両端から差し込み、ほぼスリーブ中央部
で突き合わせて当接させる。
【0027】このようにしてセット後、図2(a)に示
すように、被かしめスリーブ43に対して放射方向に等
角度で位相する少なくとも3方向の多方向から、この場
合角度120°で位相する3方向からかしめ駒30,3
1,32を用いて同時に均一に押圧してかしめる。かし
め駒30,31,32のかしめ幅方向でいう長さ寸法L
は、被かしめスリーブ43のスリーブ長さ寸法よりも若
干短めに設定してあり、ほぼスリーブ全長を一度で押圧
できるようになっている。図2(a),(b)はかかる
準備状態を図1の矢印Y−Y線とY−Y線から
の縦断面で示す図であり、被かしめスリーブ43の中心
軸線に対して双方の光ファイバ素線41A,41Bの軸
心がずれている様子を示している。
【0028】図3(a),(b)に示すように、3つの
かしめ駒30,31,32が同時に向心方向へ同時に前
進動して被かしめスリーブ43を押圧すると、この被か
しめスリーブ43の3個所に変形凹部43aが生じ、同
時に保護被覆42A,42Bが押圧力で流動するように
変形する。光ファイバ素線41A,41Bは保護被覆4
2A,42Bよりも硬度が固いので、かしめ駒30,3
1,32に押圧されて被かしめスリーブ43の中心軸に
向かって移動する。
【0029】さらに、かしめ駒30,31,32による
押圧が進行すると、被かしめスリーブ43は図4に示す
ように変形する。図5(a),(b)は図4の矢印Y
−Y 線とY−Y線からの縦断面で示す図である。
光ファイバ素線41A,41Bは被かしめスリーブ43
の中心軸に向かって移動し、双方の光軸C,Cが揃
って一致する。
【0030】以上から明らかなように、被かしめスリー
ブ43は従来のように両端部だけでなく、スリーブ中央
部を含むほぼ全長にわたって3つのかしめ駒30,3
1,32でかしめ加工されるので、一方側と他方側の光
ファイバ心線40にもそのかしめ加工が及び、素線41
A,41Bの光軸をずれることなく一致させることがで
きる。
【0031】本発明にかかる圧着接続方法は上記で示さ
れたものに限定されることなく、以下の様々な実施の形
態が可能である。被かしめスリーブ43に対する押圧方
向と押圧個所数は上記のように3つのかしめ駒30,3
1,32に限らず、4つの場合、5つの場合といったよ
うに多方向から押圧する構造も可能である。また、図1
のように、突き合わせ端部における光ファイバ心線40
の双方の保護被覆42A,42Bを皮剥処理して素線4
1A,41Bを露出させた状態で突き合わせ接続が試み
られたが、保護被覆42A,42Bを剥離しない状態で
の突き合わせ接続も可能である。また、整合剤46とし
ては、光ファイバ素線41A,41Bの先端部に予め付
着させた方法が示されたが、被かしめスリーブ43の内
部ほぼ中央部に予め充填しておくことも可能である。ま
た、整合剤46に代えて接着剤の使用も可能である。ま
た、被かしめスリーブ43は直管だけでなく、スリーブ
内周面側をテーパ加工したり、段付き加工することによ
って、スリーブ両端から差し込まれる光ファイバ心線4
0をそうしたテーパ部や段付き部に案内させ、双方の光
軸を自動的に一致させる調芯機能を備えた構造とするこ
ともできる。
【0032】次に、本発明にかかる圧着接続工具の実施
の形態について図6以下の図面を参照して説明する。上
記図1〜図5の圧着接続方法の説明で示した部材と同一
のものには同一符号を付して対応させている。図6は被
圧着ワークWである被かしめスリーブ43付きの光ファ
イバ心線40を本工具にセットしてかしめ加工する前の
外観を示す組立斜視図、図7は本工具の分解斜視図、図
8(a),(b)はかしめ加工前後の態様を示すそれぞ
れの側面断面図である。
【0033】図6に示すように、光ファイバ心線40を
突き合わせただけの接続部上に仮被着させた被かしめス
リーブ43をかしめ加工して固定するにあたって、長尺
の光ファイバ心線40をそのまま矢印方向へ平行にずら
すようにして横移動させることにより、本工具に簡便に
セットできるように工夫されている。工具本体である一
対のレバー部材10,17を有し、これらは先端部で相
対に回動可能に連結されて鋏のごとき開閉動作させるよ
うになっている。
【0034】まず、一方のレバー本体10は金属製また
は所要の強度を有する樹脂で成形することができ、把手
部となる細長いグリップ11の先端部に円筒形状のハウ
ジング部12が一体に設けられ、作業台上に固定などし
て使用する使い方も可能である。そのハウジング部12
の内周に沿って本発明でいう少なくとも3つ、本実施の
形態では4つの押圧カム面部A,B,C,Dが放射状に
角度90゜で等位相した位置に連なって形成されてい
る。組立図の図8(a),(b)に示すように、それら
4つの押圧カム面部A,B,C,Dは、なだらかな曲面
によるカム主面部13a,13b,13c,13dと、
かしめ駒突き当て部14a,14b,14c,14dか
らなっている。また、グリップ11の基端近傍の上面に
突出して、上面からの高さ寸法hが調整可能となってい
るレバー回動規制ストッパ15が設けられ、次に説明す
る他方のレバー部材17に突き当てて押し下げる方向へ
の回動範囲を規制するようになっている。
【0035】また、他方のレバー部材17も金属製また
は樹脂で成形することができ、両側に折り曲げて断面コ
字形状などに曲げ成形した把手部となる細長いグリップ
17aを有し、この先端部に円板状の軸受部17bが設
けられている。
【0036】また、図7で明らかなように、本工具の主
要部である回転円盤20が上記レバー部材17の軸受部
17bに結合ボルト18で結合された状態で、レバー部
材10の円筒状ハウジング部12の内部に回転自在に軸
支されている。この回転円盤20は、放射状に4分割つ
まり角度90゜の扇形のかしめ駒ガイドブロック22,
23,24,25を有し、これらかしめ駒ガイドブロッ
クの外周曲率は上記押圧カム面部A,B,C,Dのカム
主面部13a,13b,13c,13dのそれぞれ一部
に摺接できるよう設定されている。また、そうしたかし
め駒ガイドブロック22,23,24,25の隣り合う
間はこの場合十字形に直交するかしめ駒ガイド溝26,
27となっている。また、1つのかしめ駒ガイドブロッ
ク25には角度45゜方向へ長く延びて心線セット用切
欠部25aが設けられ、円盤中心のかしめ駒ガイド溝2
6,27の交差点である回転軸上まで延長されている。
このような形状の回転円盤20が3つの結合ねじ孔22
a,23a,24aに螺合させる結合ボルト18で上記
レバー部材17の軸受部17bに結合されている。
【0037】図9以下の各図に示すように、そうした回
転円盤20で十字形に交差するかしめ駒ガイド溝26,
27に摺接して出没するような動作でもって、角度90
゜で位相する原位置から4つのかしめ駒30,31,3
2,33が円盤中心の回転軸上に向かって同時に前進動
し、また外側に広がる遠心方向への後退動が可能となっ
ている。すなわち、図9において、代表的にかしめ駒3
0の1つを示すように、駒本体の長手方向へ細長く形成
した空間部30iに本発明でいう復帰手段であるばね部
材38が装着され、その一端部を突き当て、他端部のば
ねフック部38aを上記かしめ駒ガイド溝26に突設し
た凸形状のばね係止ピン28に引っかけている。したが
って、かしめ駒30の後端部30aに押圧力が働くと、
ばね部材38を圧縮してかしめ駒30が円盤中心の回転
軸上に向かって向心方向へ前進動する。それに対して、
押圧力が解除されるとばね部材38の弾撥力でかしめ駒
30を外側へ遠心方向へ押し戻し、原位置に向かって復
帰させる方向へ付勢している。他のかしめ駒31,3
2,33においても同様である。
【0038】図11において、同じく代表的にかしめ駒
30で示すように、4つのかしめ駒は奥行き長さ方向へ
かしめ幅寸法Lを有し、先端部は鋭角のかしめ部30b
となっており、かしめ対象の被かしめスリーブ43にほ
ぼ相当する長さとなっている。すなわち、かしめ駒30
のかしめ幅寸法Lは被かしめスリーブ43の長さと同寸
法の例えば15mmといったように長く設定でき、一回
押し加工で済むので従来のペンチ工具などのように二度
三度とかしめを繰り返して行う必要はない。また、図1
2(a)〜(c)に示すように、先端かしめ部の形状は
図12(a)の鋭角ナイフエッジのごとき形状30bの
他、同図(b)のように奥行き長さL方向の中央部を切
り欠いて凹部30cを設けた形状、同図(c)のように
斜面部30d,30eで凹状の傾斜部を設けた形状も可
能である。かしめ部30bに凹部30cを設けた場合、
図14(a),(b)に示すように、被かしめスリーブ
43を押圧してかしめる際にスリーブ中央部から逃げて
スリーブ両端部だけを押圧するから、光ファイバ素線4
1の端面同士を突き合わせた接続部との干渉を避けて押
圧力を作用させないようにできる。すなわち、かしめ駒
30によるかしめ押圧力が直に素線41端面の突き合わ
せ接続部に働かないので損傷など与えず保護できるよう
にしている。図14(b)は、素線41の突き合わせ接
続部との干渉を避けるように、被かしめスリーブ43の
中央部43aだけを残してスリーブ両端部だけを押圧し
てかしめる様子を示している。
【0039】光ファイバ素線41の突き合わせ接続部を
保護するという意味では、図12(c)に示す斜面部3
0d,30eで凹形状の傾斜面を形成する場合も同じで
ある。すなわち、図15(a),(b)に示すように、
斜面部30d,30eによる傾斜面によって被かしめス
リーブ43の中央部43bに対するかしめ押圧力を緩和
し、光ファイバ素線41の突き合わせ接続部への外圧を
軽減して保護するようにしている。
【0040】なお、かしめ駒30に上記凹部30cや斜
面部30d,30eを設けたことで、図14(b)と図
15(b)に示すように、被かしめスリーブ43のかし
め後の両端部を保護被覆42に食い込ませることができ
る。それにより、光ファイバ心線40に対して線長方向
へ引張外力が働いた場合でも、そうした食い込み部スリ
ーブが補強部材となって素線41同士の突き合わせ接続
部の保護に有効となっている。
【0041】図13(a)〜(d)は、かしめ駒30の
先端かしめ部30bの断面形状についても様々に変更可
能であることを示しており、同図(a)の形状を基本に
して、同図(b)のように鋭角部をやわらかな曲線で膨
出させた形状のもの30f、同図(c)のように端部の
鋭利化を避けて平坦にした形状のもの30g、そして同
図(d)のように端部を曲率rで湾曲凹部としたもの3
0hが可能である。
【0042】以上から、本実施の形態の圧着接続工具を
用い、光ファイバ心線40の素線41同士を融着せずに
突き合わせただけの接続部上から被かしめスリーブ43
をかしめて圧着固定する場合、以下のように作用する。
【0043】まず、図6のように、突き合わせ接続部上
に被かしめスリーブ43を仮被着させた状態の光ファイ
バ心線40をそのまま横にずらすようにして平行移動さ
せ、本工具の心線セット切欠部に差し込んで中心の回転
軸上にセットする。すなわち、かしめ操作前の原位置に
おいて、レバー部材10,17の各心線セット用切欠部
16,17cが合わさり、さらにそれらに回転円盤20
側における心線セット用切欠部25aが合致して揃って
いる。その状態で光ファイバ心線40を本工具の回転軸
上まで差し込んでセットする。
【0044】図8(a)のように、回転円盤20の回転
軸上まで押し込んでセットされた光ファイバ心線40上
の被かしめスリーブ43に対して、レバー部材10,1
7のグリップ11,17aを把持して相対に回動させな
がら握り込む。このとき、レバー部材10側のグリップ
11は作業台上に固定して安定させておくこともでき
る。グリップ11,17aに加わる回動力で回転円盤2
0が図でいう時計廻り方向へ回動する。原位置にそれま
で位置していた4つのかしめ駒30〜33はこれらの後
端部33aを介して、強制的に時計廻り方向への回転を
付与されてハウジング部12内周の押圧カム面部A,
B,C,Dにおけるカム主面部13a,13b,13
c,13dを滑る。このカム主面部の曲率に合わせてか
しめ駒30〜33を向心方向へ押し込む力が働く。すな
わち、図8(b)のように、4つのかしめ駒30〜33
は同時に向心方向へ前進動し、回転軸上にセットされて
いる被かしめスリーブ43を外側から角度90゜で位相
する4方向から均一に押圧してかしめる。かしめ量に過
不足がないように、レバー部材10のグリップ11のレ
バー回動規制ストッパ15の高さ寸法hは予め設定され
ている。
【0045】このようにして被かしめスリーブ43を放
射方向に等角度90゜で位相する4方向から同時かつ均
一な押圧力でもってかしめることができるので、被かし
めスリーブ43は不規則で歪な形状に変形せず、等方性
を有する断面形状に変形する。そうしたスリーブ内にお
いて光ファイバ心線40は素線42同士が軸心を揃えて
自動調芯され、光ファイバ光軸がずれることなく補強し
て固定される。その結果、伝送特性の劣化や低下を抑え
ることができる。同時に、そうした素線42の突き合わ
せ接続部における光軸調芯や固定補強の機能だけでな
く、被かしめスリーブ43という被圧着ワークW自身に
対しても4方向から均一に押圧力を働かせることで、ス
リーブ自身の金属割れ防止などに対しても有効である。
【0046】圧着加工後、レバー部材17を逆回転させ
ると、4つのかしめ駒30〜33は対応する押圧カム面
部A,B,C,Dによる押圧力から解除され、それぞれ
内蔵するばね部材38の弾撥力によって押圧カム面部
A,B,C,Dのかしめ駒突き当て部14a〜14dに
当接する原位置まで復帰して戻る。
【0047】このような圧着加工に際して、使用するか
しめ駒としては図14(a),(b)や図15(a),
(b)に示す形状のものが有効である。この両図で示す
場合、光ファイバ心線40は保護被覆42を皮剥処理せ
ず、素線41の端面同士を突き合わせて光学的接続を行
う形態である。それに対して、両図のかしめ駒を用い、
図16および図17に示すように、保護被覆42を皮剥
処理して素線41を剥き出しにし、この剥き出しにした
素線41同士を突き合わせて光学的接続を行う場合でも
むろん有効である。
【0048】図16に示す素線41の剥き出しによる実
施の形態では、かしめ駒30の凹部30cによって被か
しめスリーブ43の中央部への干渉を避け、素線41の
端面44同士による突き合わせ接続部を直に圧迫しない
ようにして保護している。
【0049】また、図17に示す素線41の剥き出しに
よる実施の形態では、この場合上記被かしめスリーブ4
3に代えて、形状的に工夫された被かしめスリーブ45
が用いられている。すなわち、この被かしめスリーブ4
5は長さ方向の中央部において内径を小さくし、つまり
その中央部だけの筒肉厚を大きくして段差部45aを設
け、この段差部45aで光ファイバ素線41の端面44
による突き合わせ接続部を取り巻いて外圧から保護して
いる。ただし、そうした保護機能だけにとどまらず、被
かしめスリーブ45の内周に設けた段差部45aは、剥
き出し状態の素線41による突き合わせ接続部の外周一
円に当接することで、その突き合わせ接続部を位置決め
固定するのに有効である。それによって、双方の素線4
1の軸心を揃えて自動的に調芯でき、4つのかしめ駒3
0,31,32,33による4方向からの同時均一押圧
作用と相まって、光軸ずれ防止の効果がより一層顕著に
なる。
【0050】なお、図18は、図9で示されたかしめ駒
30に装着されるばね部材38に代えて別の実施形態に
よるばね構造を示している。この場合、隣り合う2つの
かしめガイドブロック22,25側に2つのばね部材3
6,37を装着したものが代表的に示されている。かし
め駒35には、スプリングリテーナとして鍔状フランジ
35c,35dを設け、このフランジ35c,35dを
介してかしめ駒35を押圧カム面部Aのかしめ駒突き当
て部14aに復帰させるために、遠心方向へ後退動する
原位置に向かって付勢している。
【0051】ここで、それら図9および図18において
ばね部材36,37が復帰手段として示されたが、復帰
手段としてはそれらばね部材36,37に限定されず、
本発明の思想を達成できれば他の機構でも可能であり、
例えば戻しリンク機構や戻しクランク機構などが考えら
れる。
【0052】なお、上記各実施の形態においては、光フ
ァイバ心線40の素線41同士を光学的接続するにあた
って、素線41の一方側と他方側の各端面を融着せずに
突き合わせただけで光学的接続を行う場合を前提として
おり、それら双方の素線41の光軸が互いにずれないよ
うに被かしめスリーブ43をかしめ加工する方法と工具
を中心に説明された。しかし、素線41の端面同士が融
着されている接続部に対しても、その融着接続部上に仮
被着させた被かしめスリーブ43をかしめ加工する場合
の方法および工具としても勿論有効である。その場合の
被かしめスリーブ43は融着接続部を補強して保護する
部材という意味合いが強い。
【0053】また、円筒状のフェルールに光ファイバ心
線40の端部を挿入して固定し、そのフェルールを介し
て光コネクタなどに接続するような場合でも、フェルー
ルと光ファイバ心線40の保護被覆42が重なる部分を
上記実施の形態にかかる方法と本工具でかしめて固定す
る場合にも有効である。
【0054】また、以上の圧着接続方法と圧着接続工具
によれば、使用中の光ファイバ心線40が不慮の事故で
断線などした場合でも、迅速かつ確実に再接続が可能で
あり、本修理はもとより急場の応急処置に好適であるこ
とが理解されよう。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる請
求項1に記載の圧着接続方法では、接続用金属管である
被かしめスリーブに対して放射方向に等角度で位相する
少なくとも3方向の多方向から、例えば角度120°位
相の3方向から3つのかしめ駒のごとき押圧手段でもっ
てスリーブ長さ寸法のほぼ全長にわたって同時に均一に
押圧してかしめるので、被かしめスリーブはこのほぼ全
長を押圧されて変形するが歪な形状にはならず、等方性
を有する断面形状に変形するので内側では光ファイバ心
線が片寄らず中心軸上で固定され、そうした接続と固定
が一度だけの押圧加工で済む。その結果、光ファイバ心
線の例えば一方と他方の素線の端面同士を融着せずに突
き合わただけで光学的に接続するような場合でも、素線
双方の軸心つまり光ファイバ光軸がずれることなく自動
的に調芯され、伝送特性の低下や劣化を抑えることがで
きる。
【0056】また、請求項2に記載の光ファイバ心線の
圧着接続方法は、接続される双方の光ファイバ心線が同
一径で素線上の保護被覆の肉厚が不均一になっているよ
うな場合でも、被かしめスリーブの中心軸上に光ファイ
バ素線の光軸C,Cを移動させて一致させることが
できる。
【0057】また、本発明にかかる請求項3に記載の光
ファイバ心線の圧着接続工具は、レバー部材を相対に回
動操作すると、回転円盤が回転して例えば角度90°で
位相する4つのかしめ駒が押圧カム面部から押圧力を受
けて一斉に向心方向へ前進動し、回転円盤の中心軸上に
セットされている光ファイバ心線上の被かしめスリーブ
をそれらかしめ駒で同時に均一に押圧してかしめる。そ
うした圧着加工は一度の操作だけであり、従来のように
二度、三度と繰り返す必要はない。
【0058】また、請求項4に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、かしめ駒のかしめる部分の長さ寸法方
向でいう中央部を切欠して凹部を設けたことで、被かし
めスリーブの長さ方向の中央部に干渉しないで押圧せず
に逃げ、光ファイバ心線の端部における素線同士の突き
合わせ接続部に無理なかしめ力が働かず、ダメージを与
えずに保護できる。
【0059】また、請求項5に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、光ファイバ心線同士の接続に際して保
護被覆を皮剥処理して光ファイバ素線をむき出しにし、
その素線の端面同士を融着せずに突き合わせただけで光
学的接続を行うような場合でも、その突き合わせ接続部
の保護に有効であり、被かしめスリーブの内周側の段差
部で取り巻くように当接させて保護し、その保護した部
分への干渉をかしめ駒の凹部で逃げさせ、かしめ力など
外圧を働かせることなく保護できる。
【0060】また、請求項6に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、一方のレバー部材のグリップ上にレバ
ー回動規制ストッパを設けておけば、他方のレバー部材
の回動を規制することにより、回転円盤の回転を規制し
て例えば4つのかしめ駒の前進動を規制し、光ファイバ
心線上の被かしめスリーブを過不足なくかしめることが
できる。しかも、レバー回動規制ストッパはその高さ寸
法hが調整可能となっているので、光ファイバ心線の外
径仕様や被かしめスリーブの外径サイズに対応して4つ
のかしめ駒の前進動を自在に好適距離に設定することが
できる。
【0061】また、請求項7に記載の光ファイバ心線の
圧着接続工具は、被圧着ワークである光ファイバ心線を
本工具にセットする際、心線セット用切欠部から回転軸
上まで光ファイバ心線をそのまま横移動させて被かしめ
スリーブを挿入できるので、長尺の光ファイバ心線を位
置決めする作業が非常に能率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる圧着接続方法を示す側面断面図
である。
【図2】同図(a),(b)は、押圧前を示す図1の矢
印Y−Y線とY−Y線からの縦断面図である。
【図3】同図(a),(b)は、押圧中を示す図1の矢
印Y−Y線とY−Y線からの縦断面図である。
【図4】押圧終了後に光軸が同軸上に揃った状態を示す
側面断面図である。
【図5】同図(a),(b)は、押圧終了後を示す図4
の矢印Y−Y線とY−Y線からの縦断面図であ
る。
【図6】本発明にかかる圧着接続工具の実施の形態を示
す組立斜視図である。
【図7】本工具の分解斜視図である。
【図8】同図(a),(b)は、光ファイバ心線の突き
合わせ接続部上に被着した被かしめスリーブをセット状
態にしてかしめ加工する作業前後の態様を示すそれぞれ
の側面断面図である。
【図9】回転円盤上でばね部材によって遠心方向へ後退
付勢されるかしめ駒の態様を示す分解図である。
【図10】被かしめスリーブに対して角度90゜で位相
する4方向から4つのかしめ駒でかしめ加工する態様を
一部拡大して示す説明図である。
【図11】上下2つのかしめ駒のみを代表的に示して被
かしめスリーブをかしめる態様の斜視図である。
【図12】同図(a)〜(c)は、かしめ駒におけるか
しめ部の形状の3つの形態を示すそれぞれ斜視図であ
る。
【図13】同図(a)〜(d)は、かしめ駒におけるか
しめ部端部の形状の4つの形態を示すそれぞれの側面図
である。
【図14】同図(a),(b)は、かしめ駒におけるか
しめ部に逃げ用凹部を設けた場合に被かしめスリーブを
かしめる態様の前後を示すそれぞれの一部断面による正
面図である。
【図15】同図(a),(b)は、かしめ駒におけるか
しめ部に逃げ用傾斜部を設けた場合に被かしめスリーブ
をかしめる態様の前後を示すそれぞれの一部断面による
正面図である。
【図16】光ファイバ心線の剥き出し状態にされた素線
同士の突き合わせ接続部を保護するにあたって、かしめ
駒におけるかしめ部に逃げ用凹部を設けた場合のかしめ
態様を示すそれぞれの一部断面による正面図である。
【図17】光ファイバ心線の剥き出し状態にされた素線
同士の突き合わせ接続部を保護するにあたって、被かし
めスリーブを形状的に改良した場合の一部断面による正
面図である。
【図18】回転円盤上でばね部材によって遠心方向へ後
退付勢される別の実施の形態によるかしめ駒を示す組立
断面図である。
【図19】同図(a)〜(c)は、従来の圧着接続工具
による被かしめスリーブの圧着加工を順番に示す断面図
である。
【符号の説明】
10 一方のレバー部材 11 グリップ 12 ハウジング部 A〜D 押圧カム面部 13a〜13d カム主面部 14a〜14d かしめ駒突き当て部 15 レバー回動規制ストッパ 16 心線セット用切欠部 17 他方のレバー部材 17a グリップ 17b 軸受部 17c 心線セット用切欠部 17d 回転円盤の結合孔 18 回転円盤の結合ボルト 20 回転円盤 21 円盤本体 22〜25 かしめ駒ガイドブロック 22a〜24a 回転円盤の結合ねじ孔 25a 心線セット用切欠部 26,27 かしめ駒ガイド溝 28 ばね係止ピン 30〜33 かしめ駒 30a〜33a 後端部 30b〜33b かしめ部 30c 逃げ用の凹部 36,37,38 ばね部材(復帰手段) 38a ばねフック部 40 光ファイバ心線 41(41A,41B) 光ファイバ素線 42(42A,42B) 保護被覆 43,45 被かしめスリーブ 44 素線突き合わせ端部 45a 段差部 46 整合剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ心線の素線の端面同士を突き
    合わせた当接部の上から被かしめスリーブを圧着するこ
    とによって光学的接続を行う光ファイバ心線の接続方法
    であって、 前記被かしめスリーブを中心軸から放射方向に等角度で
    位相する少なくとも3方向からスリーブ長さ寸法のほぼ
    全長にわたって同時押圧してかしめることを特徴とする
    光ファイバ心線の圧着接続方法。
  2. 【請求項2】 端面同士を突き合わせて接続される一方
    側と他方側の光ファイバ心線が同一径であり、それらの
    素線上の保護被覆の肉厚が不均一である場合に、一方側
    と他方側の素線の光軸を前記被かしめスリーブの軸線上
    に揃えて自動調芯することを特徴とする請求項1に記載
    の光ファイバ心線の圧着接続方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバ心線の素線の端面同士を突き
    合わせた当接部の上から被かしめスリーブを圧着するこ
    とによって光学的接続を行うための圧着接続工具であっ
    て、 レバー長手方向の先端部に円筒形状のハウジング部を有
    し、この内面に放射状に等角度で位相する少なくとも3
    つの押圧カム面部が形成された一方のレバー部材と、 レバー長手方向の先端部に設けた軸受部を介して前記一
    方のレバー部材のハウジング部に相対に回動可能に連結
    された他方のレバー部材と、 この他方のレバー部材の軸受部に結合されて前記一方の
    レバー部材のハウジング部の押圧カム面部に摺接して回
    動可能となっており、放射状に少なくとも3等分した扇
    形のかしめ駒ガイドブロックを有し、これらかしめ駒ガ
    イドブロックの隣り合う間が放射状に交差するかしめ駒
    ガイド溝となっている回転円盤と、 前記かしめ駒ガイド溝を摺動して放射方向に同時に進退
    動が可能な少なくとも3つからなり、前記一方と他方の
    レバー部材を相対に回動操作して前記回転円盤を回動さ
    せたときに前記押圧カム面部によって押圧力を受けて向
    心方向へ同時に前進動して前記被かしめスリーブを等位
    相の角度の放射方向から少なくとも3方向から均一に押
    圧するかしめ駒と、 これらかしめ駒を遠心方向へ後退させて前記押圧カム面
    部に当接する原位置に向かって復帰させる復帰手段と、
    を備えてなっていることを特徴とする光ファイバ心線の
    圧着接続工具。
  4. 【請求項4】 前記かしめ駒の前後方向の中央部を切り
    欠いて凹部が設けられ、前記被かしめスリーブの中央部
    を除く前後の端部を押圧してかしめるようにしてなって
    いることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ心線
    の圧着接続工具。
  5. 【請求項5】 光ファイバ心線の端部の保護被覆を皮剥
    処理して露出させた光ファイバ素線の端面同士を突き合
    わせただけで光学的接続を行う場合に、被かしめスリー
    ブの長さ方向の中央部に内径が縮径した段差部を設け
    て、この段差部を前記光ファイバ素線の突き当て接続部
    の外周に当接させた状態で被かしめスリーブの前後端部
    だけを押圧してかしめるようにしてなっていることを特
    徴とする請求項4に記載の光ファイバ心線の圧着接続工
    具。
  6. 【請求項6】 前記一方と他方のレバー部材のいずれか
    一方に高さ寸法の調整可能なレバー回動規制ストッパを
    設けて、前記かしめ駒の向心方向への前進動を規制して
    なっていることを特徴とする請求項3,4または5に記
    載の光ファイバ心線の圧着接続工具。
  7. 【請求項7】 前記一方のレバー部材のハウジング部
    と、前記他方のレバー部材の軸受部と、そして前記回転
    円盤のかしめ駒ガイドブロックの1つにそれぞれ回転軸
    上まで長く切り込んだ心線セット用切欠部を設けて、使
    用前の原位置でそれら3つの心線セット用切欠部を合致
    させた状態で、前記光ファイバ素線の突き合わせ接続部
    上に被かしめスリーブを仮被着させた状態の前記光ファ
    イバ心線を回転軸上まで軸に平行な方向から挿入可能と
    なっていることを特徴とする請求項3,4,5または6
    に記載の光ファイバ心線の圧着接続工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006317877A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Sumitomo Electric Ind Ltd 光接続部材および光接続部材の製造方法
CN113558286A (zh) * 2021-08-11 2021-10-29 湖北中烟工业有限责任公司 一种按压式香料涂抹器

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