JP2003202088A - 振動吸収管 - Google Patents

振動吸収管

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JP2003202088A
JP2003202088A JP2002000414A JP2002000414A JP2003202088A JP 2003202088 A JP2003202088 A JP 2003202088A JP 2002000414 A JP2002000414 A JP 2002000414A JP 2002000414 A JP2002000414 A JP 2002000414A JP 2003202088 A JP2003202088 A JP 2003202088A
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corrugated portion
vibration absorbing
mountain
vibration
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Toshiyuki Katayama
敏幸 片山
Koji Yagi
孝司 八木
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Nichirin Co Ltd
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Nichirin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CO2冷媒を使用する冷媒回路等の高圧流体
の配管の途中に取り付け得る、高耐久性で長寿命の振動
吸収管を提供する。 【解決手段】 軸方向断面が複数の山からなる波形部を
有し、この波形部の少なくとも一端の山高さが、実質上
等しい山高さに形成された残部の山高さの2/3倍以上
1.0倍未満であることを特徴とする振動吸収管。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンプレッサが振
動を発生させるエアコン、除湿機、冷蔵庫等の冷媒回路
やその他の振動の発生する配管回路中に、共振を抑制す
るために組み込んで使用される振動吸収管に関し、特に
使用圧力の高いCO2冷媒回路等で使用可能な振動吸収
管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エアコン、除湿機、冷蔵庫等の冷媒回路
の配管には主として銅製の直管が使用されているが、コ
ンプレッサ等で発生する振動が配管を共振させ騒音を引
き起こすおそれがある。そこで、配管の共振を抑制する
ために中央にベローズ(波形部)を形成して可撓性を持
たせた振動吸収管が配管の途中に組み込まれて使用され
ている。
【0003】振動吸収管は、コンプレッサから送出され
る冷媒による繰り返し圧力やコンプレッサの振動変位を
受けて、ベローズが適度に伸縮されることにより、振動
を吸収し、共振を防止するという機構を有している。ベ
ローズの肉厚があまり厚いとベローズの柔軟性がなくな
り伸縮が困難になるため十分に振動を吸収できないばか
りか、ベローズの特定部位に応力集中が生じやすく短時
間で疲労破壊に至りやすい。そのため、ベローズは柔軟
性を保持すべく薄肉に形成されるが、一方薄肉にしすぎ
ると耐圧強度が低下する問題がある。
【0004】そこで従来は、ベローズを適度に薄肉にし
て柔軟性を保持しつつ、ベローズの外周に非伸長性の編
組構造チューブやゴム製カバーを補強部材として取り付
けることによって耐圧強度を確保しようとする提案が数
多くなされている(例えば、特開平10−318479
号、特開平6−28129号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エアコン、
除湿機、冷蔵庫等の冷媒として、フロンのようなオゾン
層の破壊等地球環境に大きな影響を与える物質に代え
て、自然系冷媒であるCO 2冷媒を使用することが推奨
されつつある。
【0006】ところが、CO2冷媒を使用する場合、冷
媒回路の配管内圧力が従来の冷媒を使用する場合に比べ
10倍以上にも達する。
【0007】そのため、上記従来技術のように単に補強
部材を取り付けるのみで耐圧強度を確保する方式では、
効果的に振動を吸収して共振を防止しつつこのような高
圧に耐える振動吸収管を得ることは困難である。
【0008】ここで、振動吸収管のベローズ(波形部)
の形状と振動吸収性および応力とは定性的に以下の関係
にある(図3参照)。
【0009】(1)波形部の形状と振動吸収性の関係 振動吸収性は、波形部2の山高さhが高いほど、肉厚t
が薄いほど、山数nが多いほど向上する。すなわち山高
さhが高くなるほど、山の開き角度の変化量が同じでも
一山当たりの軸方向伸縮量が大きく取れるからである。
また肉厚tが薄くなるほど、波形部2の柔軟性が良好と
なるからである。また山数nが多くなるほど、波形部2
全体の軸方向伸縮量が増加するからである。
【0010】(2)波形部の形状と応力との関係 一方、振動吸収管が引張り−圧縮の繰り返し荷重を受け
たとき、波形部2の両端の山の付け根部位Pに最も応力
集中が生じやすい。そしてこの応力は、山高さhが高い
ほど、肉厚tが薄いほど、山数nが少ないほど大きくな
る。すなわち、山高さhが高くなるほど、部位Pにかか
る曲げモーメントが大きくなるからである。また肉厚t
が薄くなるほど、荷重方向に垂直な断面積が減少し、単
位断面積当たりの荷重(応力)が増加するからである。
また山数nが少なくなるほど波形部2のばね定数が小さ
くなり、同じ荷重に対する変形量が大きくなるからであ
る。
【0011】上記より、振動吸収の観点からは山高さh
はできるだけ高くし、肉厚tはできるだけ薄くすること
が望ましいが、そうすると部位Pにかかる応力は大きく
なり、疲労強度が低下する問題がある。そこで従来は、
山高さhを適度に高くし、肉厚tを適度に薄くしつつ、
所要の山数nを形成して、振動吸収能と疲労強度との両
立を図っていた。
【0012】ところが、振動吸収管をCO2冷媒回路に
用いる場合には、従来の冷媒回路に比べ使用圧力が格段
に高くなるため、疲労強度は従来品より大幅に高める必
要がある。したがって、振動吸収能を維持しつつ疲労強
度を大幅に高めるためには、山高さhおよび肉厚tを変
更することには限界があることから、山数nを従来品
(100mm長さ当たり20〜24山程度)に比べ大幅
に多く(100mm長さ当たり40〜45山程度)形成
する必要がある。
【0013】一方、薄肉管に波形部を形成するために
は、一般に液圧成形法(バルジ成形法)が用いられる。
液圧成形法には、複数の山を一度に成形する全山液圧成
形法と、一山ずつ順次成形する単山液圧成形法とがあ
る。
【0014】全山液圧成形法の場合、山数に応じた多数
の割型が必要である。そのため従来品に比べ大幅に山数
の多い波形管を形成する場合、極めて多数の割型を使用
する必要があることから、各山を均一に成形することは
現実的にほとんど不可能である。また例え各山を均一に
成形できたとしても型費が極めて高くつく。
【0015】したがって、このような極めて多数の山を
成形するには、一山ずつ順次成形する単山液圧成形法に
依らざるを得ないのが現状である。単山液圧成形法は一
山ずつ成形するため、全山液圧成形法に比べ生産性に劣
るものの、形成できる山数に制限がないことに加え、各
山を均一に成形でき、かつ一対の型のみを使用するので
型費が格段に安いという利点がある。
【0016】単山液圧成形法は、概略以下の手順で行わ
れる(図4参照)。 素間Aを水平に保持しつつ水平方向に移動させて所
定位置にセットする。それぞれ素間Aの半径方向に2分
割できる割型で構成される一対の型21、22を、割型
を開いた状態で、所定の間隔x1だけ開けてセットす
る。 型21、22の割型を閉じて、素管Aを挟持する
(図4(a))。 素間A内に所定の液圧(バルジ圧)pをかけ、2つ
の型21、22間の間隔x1の空間部23に素管Aを膨
出させる(図4(b))。 次いで、型21、22の間隔を所定の間隔x2(x2
<x1)まで狭めること(型寄せ)により、素間Aの膨
出部をU字状の山Mに形成する(図4(c))。 次いで型21、22の割型を素間Aの半径方向に開
き(図4(d))、素間Aを軸方向に波形部のピッチ分
だけ前進(図示右方向)させた後、型21、22の間隔
を前記所定間隔x1に戻す(図4(e))。 手順〜を繰り返すことにより、複数のU字状の
山Mが形成される。
【0017】ところが上記の手順により複数の山Mを形
成した場合、最初に形成された山(1山目)が以後形成
された山(2山目以降)に比べて山高さが高くなり、か
つ肉厚が薄くなることがわかった。
【0018】この理由は以下の通りである。すなわち、
図4(b)において型22の素管Aに接する部分の厚み
は、2山目以降を形成する際、直前に形成された山が存
在するため、その直前に形成された山と今から形成しよ
うとする山との間の谷部の長さ(谷幅)以下と薄くする
必要がある。すなわち、型22で挟持される素間Aの面
積が小さいことから、型22と素管Aとの摩擦力が小さ
い。そのため1山目を形成する際には、液圧がかけられ
て素間Aが空間部23に膨出する際に、型22より図示
右方に位置する素間Aの部分が空間部23に引き込ま
れ、膨出高さが高くなる。
【0019】また膨出高さが高くなることにともなっ
て、膨出部の曲率半径が小さくなり、肉厚が薄くなる。
この理由は以下の通りである。すなわち、液圧p、膨出
部の曲率半径r、膨出部の肉厚t、および膨出部の接線
方向応力σの関係は、材料力学の法則により以下のよう
に表される。
【0020】σ=pr/t …(1)
【0021】上記式(1)より明らかなように、液圧p
が同じで、素管Aの材質で決まる加工変形時の応力σが
同じ条件下において、膨出部の曲率半径rが小さくなる
と肉厚tも小さくなるからである。したがって、型寄せ
後の山高さが高くなるとともに肉厚が薄くなる。
【0022】一方、2山目以降を形成する際には、液圧
をかけたとき、直前に形成された山の図示左側面が型2
2の図示右側面に接触し拘束される。そのため、上記1
山目のように型22より図示右方に位置する素間Aの部
分が空間部23に引き込まれることがない。その結果、
膨出高さは1山目のように高くなることがなく、肉厚も
1山目ほど薄くなることもない。また、2山目以降の山
を形成する際の拘束状態は常にほぼ一定であるため、2
山目以降の山高さ、肉厚はほぼ一定となる。したがっ
て、1山目だけが他の山に比べて山高さが高くなり、か
つ肉厚が薄くなる。
【0023】このように、1山目だけが他の山に比べて
山高さが高くかつ肉厚が薄いと、前述した図3に示す1
山目の付け根部位Pに生じる応力集中がさらに大きくな
る。そのためこのような振動吸収管をCO2冷媒回路に
用いた場合、この部位Pに、従来の冷媒回路に用いた場
合に比べ格段に大きな繰り返し応力がかかることにな
り、短時間で疲労破壊に至り、寿命が極端に短くなる問
題がある。
【0024】そこで本発明の課題は、CO2冷媒を使用
する冷媒回路等の高圧流体の配管の途中に取り付け得
る、高耐久性で長寿命の振動吸収管を提供することにあ
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、軸方
向断面が波形部を有し、この波形部の両端の山高さが、
実質上等しい山高さに形成された残部の山高さの2/3
倍以上1.0倍未満であることを特徴とする振動吸収管
である。
【0026】請求項2の発明は、前記波形部の谷部の外
径が、3〜13mmである請求項1に記載の振動吸収管
である。
【0027】請求項3の発明は、前記波形部の肉厚が、
0.1〜0.3mmである請求項1又は2に記載の振動
吸収管である。
【0028】請求項4の発明は、前記波形部が、オース
テナイト系ステンレス鋼製である請求項1〜3のいずれ
か1項に記載の振動吸収管である。
【0029】請求項5の発明は、前記波形部の外周を非
伸長性チューブで覆った請求項1〜4のいずれか1項に
記載の振動吸収管である。
【0030】請求項6の発明は、内圧0←→18MPa
(ゲージ圧)の加圧繰り返し試験による加圧耐久性が2
0000回以上である請求項1〜5のいずれか1項に記
載の振動吸収管である。ここに、「内圧0←→18MP
a(ゲージ圧)」とは、振動吸収管の内圧を大気圧(0
MPa(ゲージ圧))と加圧(18MPa(ゲージ
圧))とを繰り返すことを意味する。以下、圧力を表す
「○○MPa」はすべてゲージ圧を意味するものとす
る。
【0031】請求項7の発明は、CO2冷媒回路配管、
2ガス配管、LPG配管、フロン冷媒配管、又はLN
G配管の途中に配設され、当該配管の振動を吸収するの
に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の振動
吸収管である。
【0032】請求項8の発明は、単山液圧成形法で製造
された請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動吸収管
である。
【0033】(作用)本発明では、波形部の少なくとも
一端の山高さを他の部分の山高さより低くした(1.0
倍未満)ことにより、その端部の山の肉厚も他の部分の
山の肉厚より厚くなることから、端部の山の付け根部位
Pに発生する応力集中が緩和され、疲労強度が上昇す
る。ただし、端部の山の高さを他の部分の山高さの2/
3倍未満と低くしすぎると、端部の山の肉厚が厚くな
り、柔軟性が低下して振動吸収能が低下してしまう。そ
のため、端部の山高さは、他の部分の山高さの2/3倍
以上1.0倍未満とする。
【0034】上記式(1)から類推されるように、波形
部の谷外径すなわち素管外径を小さくするほど、同じ内
圧pにより生じる波形部の各部の応力σを小さくでき
る。CO2冷媒回路を循環する冷媒流量、冷媒圧力、波
形部に使用する材料の機械的性質、材料の肉厚等により
疲労寿命は異なるが、波形部の谷部の外径(素管外径)
が13mmを超えると波形部にかかる応力が格段に高く
なり、疲労寿命が極端に短くなる。一方、波形部の谷部
の外径(素管外径)を3mm未満と過度に小さくする
と、冷媒を回路配管内に所要流量循環させるためには振
動吸収管の本数を多くする必要がありコストが上昇する
ことや、配管圧損が上昇しコンプレッサ動力原単位が上
昇する等の不具合が生じる。よって、波形部の谷部の外
径(素管外径)は、3〜13mmとすることが好まし
く、3〜8mmとすることが特に好ましい。
【0035】波形部の肉厚は、柔軟性を確保するため、
ある程度薄くすることが好ましいが、一方、肉厚が薄す
ぎると耐圧強度が不十分となり冷媒による内圧により破
壊に至るおそれが高まる。よって波形部の肉厚は、柔軟
性を確保しつつ耐圧強度が十分維持できる0.1〜0.
3mmとすることが推奨される。
【0036】波形部の肉厚をある程度薄くしても柔軟性
を維持しつつ十分強度が維持できるよう、波形部の材質
をオーステナイト系ステンレス鋼とすることが好まし
い。
【0037】さらに、波形部の外周を非伸長性のチュー
ブで覆うことにより、波形部の過度の伸びを防止するこ
とができ、疲労寿命を延長することができる。
【0038】振動吸収管の、0←→18MPaの加圧繰
り返し試験による加圧耐久性が20000回以上、好ま
しくは100000回以上、特に好ましくは20000
0回以上とすることにより、CO2冷媒回路の他、H2
ス配管、LPG配管、LNG配管等の高圧流体の配管の
途中に配設できる。
【0039】単山液圧成形法で製造することにより、山
数が制約されることなく山数の多い波形部を形成できる
ため、振動吸収性、耐久性に優れた振動吸収管が得られ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】本発明の実施の形態に係る振動吸収管は、
CO2冷媒回路配管等の途中、すなわち当該配管を構成
する銅製やステンレス鋼製などのパイプの間に直列に配
設されて用いられる。図1に示すように、振動吸収管1
は、軸方向断面(縦断面)が波形(すなわち蛇腹状)で
ある波形部2と、この波形部2の両端に一体的に形成さ
れた直管部3および4と、この直管部3および4に挿入
され固定されたパイプ7および8とから構成される。
【0042】波形部2には、複数の山M1、M2がそれぞ
れ互いに独立してリング状に形成されている。複数の山
1、M2は、一般的に、軸方向断面(縦断面)の形状が
U字状(図3参照)またはΩ字状(図1参照)に形成さ
れる。U字状とすることにより高い伸縮耐久性が得られ
るが、Ω字状とすることでU字状よりさらに優れた伸縮
耐久性が得られる。
【0043】端部の山M1以外の山M2の高さh2は、で
きるだけ等しく形成することが好ましい。特定の部位に
応力を集中させず、均一に応力を分散させるためであ
る。
【0044】端部(一端のみでもよいし、両端ともでも
よい)の山M1の高さh1は、それ以外の山高さh2の2
/3倍以上1.0倍未満とする。前述したように、1.
0倍以上とすると両端の山M1の付け根の部位P1に応力
が集中しやすく、疲労寿命が短くなるからである。一
方、2/3倍未満とすると、波形部2全体の柔軟性が低
下し、振動吸収の機能が十分発揮できなくなるからであ
る。
【0045】波形部2の谷外径d(すなわち素管外径)
は、前述したように3〜13mmの範囲とすることが好
ましく、振動吸収管を設置する配管中の流体流量、流体
圧力、波形部に使用する材料の機械的性質、材料の肉厚
等を考慮してこの範囲で適宜設定すればよい。
【0046】波形部2の肉厚tは、0.1〜0.3mm
とすることが好ましく、上記波形部2の谷外径dや材料
の機械的性質を考慮してこの範囲で適宜設定すればよ
い。
【0047】波形部2の山数nは、少なすぎると振動吸
収性が低下し、多すぎると振動吸収管1が長くなりすぎ
冷媒回路への取付が制約される他、波形部2を成形する
のに時間が掛かりすぎる等の不具合が生じるので、5〜
50山程度の範囲内で、波形部2に使用する材料の機械
的性質、肉厚t、谷部外径d、取り付け部位の使用圧
力、圧力変動の大きさ等を総合的に考慮して適宜設定す
ればよい。
【0048】波形部2の材質は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼、例えばSUS304系、SUS310系、S
US316系などから選択することが好ましいが、特に
SUS316Lステンレス鋼を用いることが推奨され
る。引張り強度、靭性等の機械的性質に優れ、耐腐食性
にも優れているからである。
【0049】さらに、図2に示すように、波形部2の外
周を非伸長性のチューブ5、例えばノボロイド繊維、炭
素繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、絹、ナイロ
ン繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維などの素材を編
組みして管状としたもので覆うことが好ましい。これに
より、波形部2の過度の伸びを防止することができ、疲
労寿命を延長することができる。
【0050】本発明に係る振動吸収管の波形部の成形
は、例えば図4に示す単山成形法を用い以下のように行
うことができる。
【0051】(工程1)外径が3〜13mm、厚さ0.
1〜0.3mmの薄肉ステンレス鋼管を素管として用
い、1山目を形成する際の液圧(バルジ圧)p1を、2
山目以降を形成する液圧(バルジ圧)p2より、7〜2
0%低くすることにより波形部2を形成する。1山目の
形成時のみ液圧を下げたことにより、前述した、素管の
空間部3への引き込まれが抑制されて、1山目の山高さ
を2山目以降の山高さの2/3倍以上1.0倍未満とす
ることができる。なお、最後の山高さを1山目の山高さ
と等しくして波形部を左右対称に形成してもよい。この
場合、最後の山を形成する際の液圧p3(バルジ圧)
を、2山目以降(最後の山を除く)の液圧p2より所定
量低下させることにより、適宜山高さを調整することが
できる。
【0052】(工程2)前記工程1で波形部2が形成さ
れたステンレス鋼管にリフォーム処理を施すことによ
り、軸方向に圧縮力を与え、波形部2の山M1、M2の縦
断面形状をU字状からΩ字状にする。この際、直管部に
波形部の端部以外の山M2の外径に等しい筒を通し、端
部以外の各山M2の頂部に当ててリフォーム処理すれ
ば、波形部2の両端面は半径方向に直立する。ここで、
従来のように液圧一定で波形部2を形成した場合には、
波形部2の1山目M1の山高さL1が2山目以降M2の山
高さh2より高くなるとともに肉厚が薄くなる。これを
リフォーム処理すると、前記筒が1山目M1の頂部のみ
に接触しここに過大な応力集中が発生する。そのため、
1山目M1がリフォーム処理により座屈しやすく、異常
変形を起すため、疲労強度が低下する問題があった。し
かし、本発明においては、波形部2の端部(1山目
1)の山高さh1を他の山高さh2より低くしたことに
より、このような座屈よる異常変形の問題はなくなっ
た。なお、リフォーム処理後の波形部2の外径は薄肉ス
テンレス鋼管(素管A)の外径の約1.4倍である。
【0053】(工程3)波形部2両端に一体に形成され
た直管部3、4にそれぞれパイプ7、8を挿入する。
【0054】(工程4)前記工程3で得られた、パイプ
7、8が直管部3、4にそれぞれ挿入されたものを、例
えば水素還元式連続炉内に入れ、970〜1050℃の
温度下で、直管部3、4とパイプ7、8とをロウ付けし
て固定する。
【0055】なお、上記工程3において、直管部3、4
にパイプ7、8を挿入する前に、直管部3、4にベース
リング9を嵌めておき、前記工程4ののち、波形部およ
びベースリング9上に例えばアラミド繊維からなる補強
糸を編組みすることによって筒状の補強層(非伸長性チ
ューブ)5を設け、補強層(非伸長性チューブ)5の両
端をベースリング9上で補強リング(カシメ金具)6を
かしめることによって挟持することも好ましい。
【0056】
【実施例】(本発明例1)外径6.35mm、厚さ0.
15mmの薄肉のステンレス鋼管を素管として用い、上
記工程1〜4により、波形部長さ50mm、山数20
山、波形部外径:1山目9.0mm、2山目以降9.3
mmに形成し、波形部両端の外側に長さ58mm、厚さ
0.6mmの銅製パイプをロー付けして、本発明例1の
振動吸収管を得た。なお、上記工程1において、p1
26MPa、p2=p3=28MPa(p1/p2=0.9
3、p3/p2=1.0)とした。
【0057】(本発明例2)本発明例1と同じ外径6.
35mm、厚さ0.15mmの薄肉のステンレス鋼管を
素管として用い、実施例1と同じ液圧p1=26MP
a、p2=p3=28MPa(p1/p2=0.93、p3
/p2=1.0)で上記工程1〜4の尚書きの工程によ
り本発明例2の振動吸収管を得た。本発明例2の振動吸
収管は、本発明例1の振動吸収管の直管部にベースリン
グを嵌め、波形部とベースリング上にアラミド繊維製の
筒状の補強層(非伸長性チューブ)を被着し、ベースリ
ング上でカシメリングをかしめたものである。
【0058】(比較例1)本発明例1と同じ外径6.3
5mm、厚さ0.15mmの薄肉のステンレス鋼管を素
管として用い、上記工程1においてp1=p2=p3=2
8MPaの条件で、工程1〜4により、波形部長さ50
mm、山数20山、波形部外径:1山目9.5mm、2
山目以降9.3mmに形成し、波形部両端に実施例と同
じ寸法の銅製パイプをロー付けして、比較例1の振動吸
収管を得た。
【0059】次に、上述の本発明例1、2および比較例
1の振動吸収管それぞれ複数本を試料として準備し、伸
び試験、たわみ試験、および加圧繰り返し試験を行っ
た。
【0060】なお、各試験の条件は以下の通りであっ
た。
【0061】(1)伸び試験 内圧:2.4MPa
【0062】(2)たわみ試験 内圧:0MPa 荷重:200g
【0063】(3)加圧繰り返し試験 内圧:0←→1.8MPa 繰返し速度:60cpm(=1Hz) 作動流体:冷凍機油 温度:常温
【0064】各試験の結果を表1に示す。表中、伸び
は、伸び試験における振動吸収管全体の加圧前後の長さ
の変化量である。たわみは、たわみ試験における荷重を
負荷した前後のたわみの変化量である。また、加圧耐久
性は、加圧繰り返し試験において、破壊に至った加圧繰
り返し回数を示す。
【0065】なお、本発明例2の振動吸収管は、加圧繰
り返し試験における加圧繰り返し回数が100万回に達
しても破壊しなかったため試験を中断した。また、試験
後の補強層(非伸長性チューブ)は、ほとんど摩耗がな
く健全であった。
【0066】
【表1】
【0067】
【発明の効果】本発明の振動吸収管により、伸び・たわ
みが大幅に低下して振動吸収性が改善されるとともに、
加圧耐久性が大幅に向上し、寿命が延長される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る振動吸収管の一例を
示す縦断面図である。
【図2】本発明の別の実施の形態に係る振動吸収管の一
例を示す縦断面図である。
【図3】波形部の形状を説明する縦断面図である。
【図4】単山液圧成形法による波形部の形成手順の一例
を示す図である。
【符号の説明】 1…振動吸収管 2…波形部(ベローズ) 3、4…直管部 5…非伸長性チューブ(補強層) 6…カシメ金具(補強リング) 7、8…パイプ 9…ベースリング 21、22…型 23…空間部 A…素管 M、M1、M2…山 P、P1…端部の山の付け根部位

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向断面が複数の山からなる波形部を
    有し、この波形部の少なくとも一端の山高さが、実質上
    等しい山高さに形成された残部の山高さの2/3倍以上
    1.0倍未満であることを特徴とする振動吸収管。
  2. 【請求項2】 前記波形部の谷部の外径が、3〜13m
    mである請求項1に記載の振動吸収管。
  3. 【請求項3】 前記波形部の肉厚が、0.1〜0.3m
    mである請求項1又は2に記載の振動吸収管。
  4. 【請求項4】 前記波形部が、オーステナイト系ステン
    レス鋼製である請求項1〜3のいずれか1項に記載の振
    動吸収管。
  5. 【請求項5】 前記波形部の外周を非伸長性チューブで
    覆った請求項1〜4のいずれか1項に記載の振動吸収
    管。
  6. 【請求項6】 内圧0←→18MPa(ゲージ圧)の加
    圧繰り返し試験による加圧耐久性が20000回以上で
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動吸収管。
  7. 【請求項7】 CO2冷媒回路配管、H2ガス配管、LP
    G配管、フロン冷媒配管、又はLNG配管の途中に配設
    され、当該配管の振動を吸収するのに用いられる請求項
    1〜6のいずれか1項に記載の振動吸収管。
  8. 【請求項8】 単山液圧成形法で製造された請求項1〜
    7のいずれか1項に記載の振動吸収管。
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